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滝井委員 ぜひそうしていただきたいと思うのです。最近有害食品というものがちまたに非常にはんらんをしておる。暮しの手帳とかいうような大衆的な雑誌が有力なデパートその他の食品や売っておるお菓子類を調査した統計を見たことがあるのですが、それによると、非常に多くの商品がまずその表に書いております量だけの品物が入っていないというようなことも書いておるわけです。これは単に食品の質もありますが、同時に量の問題もあって、最近は有害な食品がはんらんするとともに量の少いものもはんらんしておるということを書いておったのを沈んだことを記憶しておる。こういうようなことはやはり食品の材料や製造工程あるいは販売方法にわたって国家的な監視の制度というものが整っていないということも
一つの原因じゃないかと思うのです。同時にまたそれらの
関係業者の衛生思想や良心的な問題に帰着すると私は思うのです。こういう点については
公衆衛生当局も相当力を注がなければならぬと思うのです。先日無着色運動というのがあるのでどういうことかと思ったところが、何かソーセージに非常に色をつけて売っておるということなんです。それは色をつけても有害じゃないんだからというので色をつけておる。それから週刊朝日の前のやつをちょっと今読んでみたのですが、ビフテキの肉に硼砂をかけると、黒くなった古いビフテキの肉がぱっと新鮮な赤みを帯びた色になってくるそうです。そうしますと、そのビフテキの古くなった肉の表と裏に硼砂を加えると非常に新鮮な色になる。それに今度はゴマをかけて……(笑声)そして今はやりの包み紙、セロハンで包んでいるのです。これが非常によく売れるわけですね。硼砂をかけると、今度は焼いたときに肉が非常にやわらかくなって、大きくふくれるのだそうです。今ゴマをかけてごまかすということですが、そうではなくて、ゴマをかけると味がよくなる。こういうことで引っぱりだこで売れるということです。ところが
保健所へいって調査してみると、
食品衛生法で硼砂をかけるのは許されてない。こういうことを週刊朝日で書いているのですね。着色のことにはならぬけれ
ども、焼いたあとは非常にいい色になるらしいので、無着色運動の
一つになると思うのですが、お菓子その他を見ると、非常に濃厚な原色をもって着色するのが非常に多いのですね。森永事件のときには
厚生省も非常に周章ろうばいしておいでになりましたが、最近またおっとり落ちつきが出ておるようです。すみやかに、こういう有毒食品がはんらんしないように、国家的な制度を
確立していただくし、同時にまた伝染病がやってくる時期が参りましたので、
食品衛生の監視員等も
整備しなければならぬと思うのです。ことしの
予算は、この前
大蔵省の小熊君から聞いたところによると、七〇%くらいしか組んでいない。そうなると、全部にしても七割しか充足できないことになるのですね。こういう点はやはり問題だと思うのです。そこで、いつも私が申し上げますように、
厚生行政の中で一番おくれておるのは、一番大事な
山口公衆衛生局長の部門なんですね。これは
山口公衆衛生局長の責任重大だと思うのです。さいぜん私が
保健所の
決議で申しましたように、
保険局
関係や社会局
関係というものは相当伸びておる。ところが、あなたの方だけは、端的にその
保健所が示しているように、きわめてしり細りになりつつある。これではやはりいけないと思うのです。そこで、今度の国会では、あなたの方の
関係が非常に多うございました。これはやはり
国民的な反省、あるいは国会の中にも、
公衆衛生を強化しなければならぬという良識が芽ばえ始めたと思うのです。そういう意味で、二十六国会はあなたの
公衆衛生局にとっては歴史的な国会でなくちゃならぬと思うのです。その歴史的な国会をほんとうに歴史的な国会たらしめるためには、あなたは非常に努力してもらわなければならぬ。私はきょうこれで終りますが、大みそかですから長くやりたくないけれ
ども、
一つ政務次官とあなたに、この二十六国会をほんとうに歴史的なものたらしめるだけの政治力を、今度は私は負わしておきたいと思うのです。来たるべき臨時国会か通常国会には、その成果が三十三年度の
予算にどういう工合になって表われるかを見守りたいと思う。まず
一つその決意だけを聞かしていただいて、私の質問を終りたいと思います。