○堀岡政府
委員 お手元にお配りしました横の印刷物について御
説明申し上げます。
二枚目の(目2)の一番下に厚生省所管
合計とございまして、三十二年度要求額は一千十四億六千二百十二万二千円、前年度比較、差引増百十一億四千五百十二万二千円ということでございます。
それでは項目によりまして一ページの1から御
説明申し上げます。まず一番に小見出しの人口
対策でございます。ここでは、先ほど大臣から御
説明ございましたように、各
経費は、受胎調節実地指導の手当月額五百円を千円に引き上げるため千百五万二千円を計上いたしたのでございます。(2)の生活困窮者受胎調節
普及費は前年同様であります。器具は、
生活保護法適用者には無償で、ボーダーライン者には低額で給するということでございます。三番目の優生保護相談所質は、前年度に比して七百七十九万円の増になっております。これは保護相談所の指導用の器具の
整備並びに講習会を厚く行うための
経費を計上いたしたために、前年度より増額いたしたのであります。その他の
経費におきまして昨年度より三百三十九万円の増を見ました。これは主として人口問題研究所において研究費を増額いたしたためであります。
次は2の
国民年金制度準備費、これは一千七十万二千円を新規に計上いたしました。これも先ほど大臣から御
説明申し上げましたように、
国民年金制度実施のための調査のために、現在
医療補償の
関係で学識経験の方五人にお願いしているのと同様に、
委員の方を五人お願いして研究調査を願う。なおこれに必要な調査費として(2)、(3)の年金等受給者実態調査、全国未亡人母子世帯等の生活実績調査を行うための調査費をそれぞれ所要額計上いたしたのであります。
次に3の
保健所の
経費でございます。一番の
運営費の人件費でございますが、これは充足率は七一・五%と前年度同様に押えております。これはベース・アップの費用を中へ入れたのでございます。それからその他は
保健所の中の庁費
関係の費用であります。(2)の
整備費でありますが、ここ数年
保健所の新設はいたしておりません。ところが最近札幌等四、五十万の人口の膨脹した相当大きなところではどうしても
保健所を新役しなければならぬという動きがありまして、それに必要な個所数五カ所を見込みまして、その新設費を計上いたしたのであります。それから設備
整備費は、
保健所内部におけるもろもろの研究器具、機械等の
整備費を前年度より増額いたしたのであります。それから(4)の
医師充足対策費でありますが、この前年度比較九百六十四万五千円の
増加は、その備考欄のところにまる新としまして、貸費学生貸付金九百四十五万円、これが主たる中身でございますが、これは
保健所の医者の充足が非常におくれておりますことは御案内の通りでございます。それで大学の医学部に在学中の学生に月四千五百円、それからインターンの学生には月六千円を貸し付けまして、将来
保健所に勤務することを条件にして貸し付ける。
保健所に長らく勤務いたしますならば免除するという条件で、これはいずれさような条件でありますので、
法律を
国会に
提出して御
審議を願うことにしております。人数は、一応今の予定は大学の学部の学生は二百五十人、インターンの学生五十人という計画でおります。初年度のことでありますので、大学の学部の在学生については六カ月分、インターンの学生については九カ月分計上いたしております。
次は4の
結核対策費でございます。
結核対策費の(1)の
健康診断及び
予防接種費、これは先ほど大臣から御
説明申し上げましたように、在来これにつきましては二十円とか十五円とか、少額でありますが金を徴収しておりましたので、この実施率がきわめて低く押えられておりまして、特に三十歳以上の一般住民につきましては非常に困難であった。それではいけないというので、今回、国と地方との
補助率は変えませんけれども、
全額公費負担としてただでやることにいたしたいという考えで、所要
経費を計上いたしたのであります。実施率は施設、たとえば工場とかあるいは学校とかいうふうなところ等によっていろいろ違いますが、主たるものにつきましては五〇%の実施率を考えております。次は(2)の
医療費でございますが、
医療費につきましても国と地方の負担率は変えておりませんが、中身におきまして改訂いたしましたことを申し上げます。その裏の四ページの冒頭にございますが、まず第一番は、
結核の
治療費につきまして先般学会より答申がございまして、パス、ストマイ、ヒドラジッドの三剤を併用する、それに伴いまして若干期間を延長すること、及び新しい薬剤を使用するというふうなことの答申がありましたので、それを採用するというのが(イ)でございます。それから(ロ)といたしまして、在来
公費負担の
治療の範囲に含まっておりませんでした手術中の輸血並びに麻酔の費用を
公費負担の範囲に加えまして、それに所要の
経費を計上いたしたのでございます。(3)の消毒及び物件廃棄費、これは前年同様でございます。(4)の患家指導費でございますが、
結核患者の発生しております家が最も
結核の伝染源であることは在来言い古されておることでありますが、そこで在宅
結核患者の家族についての事後
措置く検査といたしまして、さらに精密に検査することを新たに加えましたので、それの主たる内容として八百五十九万五千円の増に相なっておるのであります。それから(5)の居宅隔離室は、ここ数年行われました一・二坪の小さい小屋を建てまして、外気療養並びに家族との接触を断つというのを行なつって参りましたが、だんだん
普及いたしましたので、三十二年度においてはこの
予算を計上いたすことにいたしたのであります。それから(6)の病床
整備でございますが、ほぼ所要の数に達しておりますが、いまだ地域的な偏在がかなり見られますので、三十二年度におきましては公立三百床、法人立七百床、一千床を増床してその地域的偏差を是正したいということで、五千二百七十五万円を計上いたしたのであります。なお下の一般
整備は、百数十カ所の国立療養所の
整備費でございます。前年度より約一割以上の六千七百六十四万八千円を増額して、六億五千余万円を計上いたしたのであります。それから療養所の
運営費でございますが、これは一切がっさいの
運営費が含まっておりますが、この中身には、職員のベース・アップ並びに先ほど
公費負担のところで申し上げましたような新しい
治療費指針を採用いたしますので、それに伴う特薬の購入費が相当ふえます。それらの
経費が、主として増額
経費の中身でございます。国立百八十一カ所、入院六万五千五百床、外来一万二千八百三十人という
予算定床並びに
予算患者数は、前年同様でございます。それから八番の
結核後保護費、これは
整備費につきましては、前年同様二カ所百人ほどを引き続き行います。
運営費、これは年間伸びでございます。在来の施設はだんだんふえておりますので、これに伴うところの年間のものでございます。その他としまして、百十一万四千円の減額になっております。これは
結核の実態調査を三十一年度におきまして百二十二万円ばかりの金額で行いましたのを、前年度限りの
経費として三十二年度には計上いたしませんでしたので、逆に四十一万四千円の減と相なっておる次第であります。その他は前年同様であります。
次は五番目のらい
対策についてでございます。(1)療養所
運営費でございますが、国立十一カ所の
運営費でございます。これは
結核等の
運営費におきますと同様に、職員のベース・アップに伴う金額と、その他寝具の
整備あるいは不自由患者の慰安金を百円の単価から二百円に増すことにきめましたので、九千五百一万九千円の
増加と相なっておる次第であります。それから六ページへいきまして、私立三カ所の分については前年度同様であります。療養所の
整備費におきまして、前年比三千三百三十五万一千円の減と相なっております。これは
看護婦養成所でありますとか、あるいは特別にらい療養所における職員の宿舎等の
整備をずっとここ数年やっておりましたのが、終了いたしました、それらによるものの減、並びに予防法に基きますところの学校の
整備、高等学校でありますが、それらのものを三十一年度まで続けておりましたのが完成いたしましたので、差引三千三百三十五万一千円の減と相なっておる次第であります。(3)のらい患者の生活援護委託費でございます。これは備考欄をちょっとごらん願いたいのでありますが、保護世帯一千三十四と世帯数を予定いたしております。これは三十一年度の九百三十四世帯より百世帯を増額して予定いたしております。なお単価につきましては生活保護基準単価に準じました。これは
医療扶助は行いませんが、その他の単価につきましては生活保護の単価に準じましたので、単価増並びに世帯数の
増加ということで、対前年比千百四十八万四千円の増額計上をお願いすることにいたした次第でございます。(4)のその他におきまして三百七十七万五千円の増と相なっておりますのは、藤楓協会に委託しておりますところの更生指導費でございますが、それの中身における若干の単価増でございます。
次は6伝染病予防費でございます。まず(1)の法定伝染病予防費におきまして三千七百万円の減となっております。これはいわば地方に対する精算
補助金でございますので、精算の結果減額する。なお伝染病は幸い最近その発生が減少いたしておりますので、かような減少
経費を計上いたしたような次第でございます。次の(2)の
伝染病院隔離病舎
整備費でございますが、前年度の千三百床を千床にいたしまして、九千六百二十三万円を計上いたしたのであります。(3)防疫業務委託職員費の増額は、これは地方庁に配置いたしておりますところの防疫職員のベース・アップでございます。次は(4)の地方病予防施設
整備補助金、これは例の日本住血吸虫のための山梨県あるいは岡山県等におけるみぞの建設でございますが、建設間数を前年度の三万間から本年度の六万間に倍にいたしましたので、その金額が倍額の四千五十余万円ということになったのであります。(5)の地方病予防
補助金に若干の減がありますのは、内部における若干の単価減であります。それから、臨時
予防接種補助金三百万円は前年度同様でございます。
七番目の精神衛生
対策費でございますが、まず病床の
整備でございます。ヘッドの増床といたしましては、前年度と同様三千三百床を予定いたしております。百四十四万五千円の増は若干の単価増しでございます。なお三十一年度の病床数は一三千三百床でございましたが、その中にはヒロポン
関係のもの千何百床かを予定いたしておりまして、これはもうヒロポンの
関係は、そのためのベッドの増床は三十二年度においてはいたさないといたしまして、三十三年度においては増床はすべて一般精神患者の増床に充てるという予定で
予算を計上しておるのでございます。それから次の一般
整備は国立の分でございまして、これも看宿、
看護婦宿舎等の完了を見ましたので、それらに伴う減少でございます。次は(2)の国立療養所の
運営費、これはベッド数は変りませんが、ベース・アップその他でございます。次の八ぺージの(3)
措置入院
補助金であります。
措置入院
補助金におきまして、対前年度比で一億二千万円、かなり大幅に増額計上をお願いしておりますのは、
措置入院対象ベッド数を八千二百三十三から本年九千百九十七床にお願いいたしましたことが一点と、それからその備考欄の下にあります実費徴収率が前年度二五%を一五%に減少いたしました。そのために増額いたしたのであります。つまり実費徴収率は患者からの徴収を二五%予定しておりましたのを、なかなか金が取れませんので一五%に落したといことと、対象ベッド数をふやしたということで
措置入院の
補助金を増額計上いたしたような次第でございます。
(4)は精神衛生相談所の費用五十四万八千円の増はベース・アツプでございます。
(5)は前年度限りの
経費、調査費でございまして、三十一年度において行なったもので前年度限りの
経費として今年度はゼロということにいたしております。
次は8の性病予防でございます。性病予防は(1)(2)(3)の強制
健康診断補助金、性病
病院診療所
補助金、委託
入院治療補助金いずれも前年度と同様であります。
(4)の思想
普及費
補助五十二万円の減となっておりますが、これは後ほど売春
対策の方で申し上げますが、その方に組みかえましたので、この点に対しては五十二万六千円の減と相なっておるような次第でございます。
次が9の原爆
対策でございます。原爆
対策につきましては、在来は研究
治療費として二千五百万円の金額を計上しておりました。いずれこれは
法律案を
国会に
提出して御
審議をお願いいたすことにしておりますが、長崎、広島両県におられる方々並びにそこから他府県へすでに散っておる方もありますので、それらの方々についての精密検査をやることと、
治療を行うということ、それからケロイドの
治療研究、そのほか三課題の研究を行うというふうなことがこの中身になっております。内訳を一応御
説明申し上げておきますと、順序は逆でございますが、(2)の
健康診断から申し上げますと、
健康診断費は大体対象数の年二回三〇%程度は一般の検査を受けられるであろう、それから精密検査はそのうち約二五%がさらに精密検査を受けられるであろう。もちろん一般検査と精密検査では単価がはるかに違いますが、それから逆算いたしましてさらに精密検査を受けられた方のうち一八%程度は具体的に
治療を受けられるものではなかろうかということで積算をいたしたのであります。なお
治療につきましては一応単価で申し上げておきますと、内科につきましては平均でございますが三十一年度は二万五千円と踏んでおりましたのを三十二年度は四万円、外科につきましては二万円を二万五千円、眼科については前年度同様一万五千円というように計上いたしております。かなり本格的に行いますので、実施の結果どうなりますか、予想通りのこういう数字でおさまるかどうか、この辺は実際に実施をいたしてみてからのことと思いますが、在来
治療研究で行いました数字をある程度基礎に使いましてかような積算をいたしたのであります。
10は
環境衛生対策でございますが、まず
簡易水道につきましては一億六千万円の増で十億円を計上いたしました。この十億円の内訳でございますが、一般につきましては九億五千九百万円、離島の
関係は離島振興法に基きまして
補助率を一般の四分の一より若干引き上げまして十分の三・五、それに対しましては二千五百万円、観光地
関係は四分の一
補助で一千六百万円、一応こういう割り振りにいたしたい、かような考えで計上している次第でございます。
次は東京湾、大阪湾の屎尿
海洋投棄禁止
対策でございますが、東京湾、大阪湾の屎尿等につきましては、ここでくどくど御
説明申し上げる用はないと思いますが、そこで三
年計画で
海洋投棄を禁止いたしたいということで
清掃施設の
補助金を一億二千万円、
下水終末処理施設二億二千万円というのを新規に計上いたしたのであります。なお、もう一つここで御
説明申し上げておきますことは、東京湾、大阪湾の
関係については集中的に三カ年間で行うということもありますので、
補助率を一般のものよりも若干引き下げたのであります。
清掃施設につきましては、一般の場合の四分の一を五分の一に、下水終末
処理については、一般の場合は三分の一でありますのを四分の一にいたしたという点が特に御
説明を要すべき点かと存じます。
次は十ページの(3)の一般
清掃施設整備でございます。この
補助率は四分の一でございまして、前年度五千万円、それを大幅に二億円計上いたしました。一億五千万円の増でございます。なお、このうち観光地については約九百万円一応予定いたしております。
次は(4)の下水の終末
処理施設整備でございますが、下水については、在来三十一年度等においては特別失対の費用として労働省の所管に計上して、それを厚生省に移しかえをして実施いたしておったのでありますが、いずれこれは法案をもって
国会に御
審議を願う予定でおりますが、下水道の管を敷くことは建設省の所管とし、終末の
処理については、衛生問題であるので厚生省の所管とする。上水道は厚生省の専管とする。こういうことで長い間問題がありましたものを所管を変更する予定にいたしておりますので、今回ここに計上いたしましたのは、その厚生省の所管とすべき下水の終末
処理の
施設整備として一億四千万円を新たに計上いたしたいのであります。なお、カッコとして千万円計上いたしておりますのは、北海道開発庁に北海道分として、計上しておりますので、いずれ厚生省に移しかえをして厚生省において実施するという予定でおります。
次は(5)の蚊とハエの駆除運動費でございますが、これは
補助金であります。いずれも二分の一の
補助率で、蚊とハエの駆除についていい成績をあげたところの効果を持続せしめるために、そういう地区について物的な施設を施す。みぞの
改善であるとか、簡易ごみ焼却炉であるとかあるいは屎尿貯溜槽であるとか、それらを作ることによって、せっかく相寄って努力された効果を持続せしめ、物的基礎を作りたいということで三千三百万円の
経費々計上いたしたのであります。
その他として前年度に比較して百二十三万円の増と相なっております。これは内訳にあります通り、こまかい内訳になりますが、あっちこっち少しずつ増額したことのほかに、新(5)として、環境衛生調査研究費として新しく三十六万九千円を増額して、環境衛生
関係の調査研究をやりたいということで、百二十二万五千円の増額計上をお願いしておる次第でございます。
11の
医療機関整備費でございますが、
医療機関整備費は前年度に比較して四千八百万円の増、十三億円を計上いたしました。その下にカッコとして三億円を計上しておりますのは、
国立病院の
関係の債務負担行為をお願いしておるのであります。まず(1)の
国立病院整備、
一般会計より繰入れは、内訳について申し上げますと、
基幹病院の
整備四億九千万円、この中には、先ほど大臣も御
説明申し上げましたように、第二次
基幹病院として予定いたしておる東京第一
病院、東一の
整備を三十二年度に芽を出す、かように存じております。その他の
基幹病院については三十二年度をもって完了するという予定で所要
経費を計上いたしたのであります。
それから(2)の
公的医療機関でございますが、前年度と同様四千五百万円を計上いたしました。一般公立
病院の
整備は若干減額いたしましたが、それによって僻地の方に重点を置きたいということで、診療所を前年度に引き続いて三十二年度においては二十六カ所建設する。なお多年問題でありました僻地の
運営費の問題につきましては、七百七十万円の
運営費の
補助金を計上いたしております。これは二分の一
補助でございます。これは三十一年度に建設予定の三十二カ所並びに三十二年度建設予定の二十六カ所のうちの二十カ所分を計上いたしております。らち六カ所分は、
国立病院特別会計において試験的にやってみたいという考えでおります。その
関係上、その
運営費の所要
経費は、
国立病院特別会計に計上いたしたのであります。
補助率は施設につきましては二分の一、
運営費につきましても二分の一ということでお願いをいたす予定であります。(3)は先ほど申し上げました債務負担行為であります。
それから12の保健婦等の養成所建設
補助金は、前年度の二分の一、九百万円を計上いたしました。
13の科学試験研究費の(1)の科学試験研究
補助金は前年同様でございますが、(2)薬業合理化
補助金につきましては、大蔵省の一般原則査定方針と申しますか、ざっくばらんに申しますと、そういうことで二割減となりまして、百十八万三千円を減額いたしたのであります。
14の輸出振興
対策でございますが、このカッコは通産省所管に計上してあるという意味でございまして、前年度に比しまして、百一万八千円の増であります。この百一万八千円の増は、全部香港に先般新設いたしました輸出斡旋所の活動費を増額するという意味で、増額計上いたしております。
15の
国立病院特別会計繰り入れの分でございますが、前年度より二億一千九百七十四万七千円を増額いたしております。
整備費財源繰り入れにつきましては、先ほど申し上げた通りでございます。一般財源は、
運営費の足らずまえということで、御了承を願いたいと思います。
16番の生活保護費でございますが、まず(1)生活保護
補助金、これは先ほど大臣が御
説明申し上げましたように、基準改訂によって六・五%基準を上げますということと、それから母子加算の五百円を一千円にするということ、これの二つによって、——なお人員の減少傾向がずっと続いておりますが、三十二年度においては約一%の増を見込まれますほかに、基準改訂あるいは母子加算等の改訂によりまして二十万程度の人が新しく扶助対象になるであろうという推算のもとに、差し引き
合計二億三千五百七十五万四千円を増額いたしたのであります。なお母子加算につきましては、一応現在の
予算の予定では十カ月分を計上する。従いまして六月からこれは実施できるものというふうな予定でおります。それから次が(2)の社会福祉施設
整備補助金、これは前年度と同様でございます。それから(3)の生活保護指導監査委託費は、委託職員五百八人のベース・アップでございます。
それから17の低所得階層
対策として、前年度に比し四億円増の五億円を計上いたしております。まず(1)は世帯更生資金貸付金でありますが、これはまず
補助率を在来の二分の一を三分の二に引き上げたことが一つであります。なお今回世帯更生資金貸付金につきましては、技能修得中の生活費あるいは
医療を受けている間の生活費でありますが、それらについて若干の生活資金を貸し付けたいということを、新しく項目として付け加える予定でおります。それから(2)は
医療費の貸付金でありますが、これはボーダー・ライン層の人で、病気になってその
医療費に困るという場合に、六カ月間五万円を最高限度としまして
医療費を貸し付けるわけであります。これは世帯更生資金と同様に、利率は年三分、もちろん返還を行うまでは相当の猶予期間を置きますが、それまでの据え置き期間は無利子ということであります。これは執行はいずれも府県の社協に行わしめたいという予定で現在おります。
それから18番は社会福祉振興会出資金でありますが、これは前年度同様一億円でございます。
それから19は、身体障害者保護、これの(1)は一般身体障害者でありますが、そのうちの更生
医療につきましては、これは相当高度な外科手術でございますので、
実績等にかんがみまして、単価を一万五千八百二十余円から二万五千七百五十三円に引き上げたのであります。それから補装具につきまして、対象人員を二万三千六百八人と抑えております。前年度の二万二千八百七人から二万三千六百八人に対象人員を引き上げましたことによりまして、それぞれ
合計千百三十五万円の増額計上をいたしております。次が(2)の戦傷病者の分でありますが、戦傷病者の更生
医療は、これは言うまでもなく、過ぐる戦争によって傷害を受けた方々の更生
医療でありますので、毎年対象人員は減って参ります。従いましてこの更生
医療は対象人員の減でございます。補装具につきましては、これは一ぺんつけたからといって要らぬというわけのものでございませんので、対象人員は昨年は五千六百六十六人で今年は五千九百四十九人ですから、約三百人程度の増を予定して計上いたしたのであります。それから(3)の更生援護施設事業費
補助金でございますが、これは毎年こういう施設を作っておりますので、それらによる収容人員の増でございます。それから(4)の更生相談所
事務費補助金、(5)の施設
整備補助金、いずれも前年同様でございます。その他厚生福祉、手帳交付
補助等も前年同様でございます。
次が20番の婦人保護でございますが、婦人の保護はいずれも前年度からのいわば一種の継続事業というふうなものでございますが、(1)の婦人相談所の
設置、これは今まで八大都市に作っておりましたのを各県に作るというようなことでふやす。それから相談所の施設の増に伴いまして所要の職員が
増加する。それから婦人相談員は、初めからありました人員の年間の伸びでございます。それから(4)の保護施設
設置、これは新しく収容する施設でございますが、それを三十九カ所作る。それから(5)の婦人相談所の一時収容保護費、これは新しく作りますので、それに伴う人数の伸びであります。それから既設の分の収容費の若干の単価増を見込んでおります。それから連絡協議会の費用は、これも年間の伸びでございます。それから婦人相談事業費
補助金、これも年間の伸びでございます。それから(9)の接触調査費
補助、これは先ほど性病予防の方で申し上げました五十二万何がしの減額を、今回こちらの方に約十倍の五百九十八万八千円を計上いたしまして、売春防止法が完全実施になりました場合に、性病予防につきましてその根源をつくことが困難でありますので、性病診療所の職員をして、相当積極的に接触調査をやらしめるための所要の旅費、調査費等であります。
それから21番の消費生活協同組合の貸付金は、二百万円の減となっておりますが、重点を職域より地域に移行する。職域等については在来の実績を見ますと、それぞれ会社等よりも相当の資金の融資を受けておりますので、二百万円の減額で、一千万円を計上いたしたのであります。
次は22の社会福祉施設、(1)の公益質屋でございますが、公益質屋はその要望が熾烈でありますので、在来の三十一年度十八カ所を、本年度は四十五カ所に新設するということで、九百十万円の増額を要求いたしておるのであります。それから(2)の地方
改善施設でございますが、これは隣保館だけが去年より一カ所ふえるわけであります。協同浴場五カ所、いずれも前年度同様であります。
次は23の児童保護でございます。まず
措置費
補助金でございますが、
措置費
補助金は備考欄にございますように、施設職員の給与改訂——ベース・アップでございますが、その金と、それから今度は収容児童の
待遇改善の金で、まず第一番には間食費、これに一日五円を計上いたしましたことと、それから被服費におきまして、児童被服単価を一日二円八十銭ふやす、それらによって所要
経費五億円を増額計上いたしたのであります。それから児童相談所費の
補助金でありますが、これはA、B、C、Dというクラスがあるのでありますが、このクラスのD級を減らして、A級を相当数ふやす。A級の七カ所を十二カ所にして、中身を充実する、それの所要
経費を積算いたしましたので、前年度より四百八十八が五千円の増額をお願いするということでございます。それから一時保護所費の
補助金、これは施設数の増による伸びでございます。
次が(4)の法施行
事務費補助金、これは施設の監査旅費を増額したことでございます。
(5)の保母養成勝
運営費補助、これも施設の数のみでございます。
6は長い間切られておりました季節保育所
設置費
補助、一万カ所、九千円にして三千万円程度本年度新規計上いたしたのでございます。
7の妊産婦乳幼児
保健所指導費
補助は前年通りでございます。
8の身体障害児援護費
補助、これはそれぞれ備考欄に記載しておきましたが、対象人員を五千百二十二人から九千九百九十四人にするということが根幹であります。それから補装具につきましては、五千百六十五人を六千四百八十八人というふうに、相当要望がございますので人数を
増加いたしまして、その積算一億三千余万を計上いたしたのでございます。
それから9の児童福祉
施設整備費
補助は従来通りの四億円を計上いたしました。
10の児童保護指導職員
設置は新しく全額国費をもちまして——各府県に二人あるいは三人となりましょうが、幹部職員を国の費用でもって置きたい。九カ月分を計上いたしておりますが、これは近時地方庁等における行政機構の整理、縮小等に伴いまして、一番弱い母子を対象にする課の方はずたずた切られていきますので、幹部職員につきましてははっきり全額国の費用でもって置きたいということで、かような
予算を新規に計上いたしたのであります。
次が24の母子福祉
対策でございますが、これは多年の要望でありました貸付率につきまして、二分の一から三分の二に引き上げたのであります。その
関係で一億四千万円の
増加、五億九千万円の
予算を計上してお願いすることにいたした次第であります。
それから25は社会保健
国庫負担金であります。
国庫負担金は
合計七億円の
増加になっておりますが、まず第一番の
健康保険給付質財源繰り入れ、これが三十億、これは下の二番の健康保健再建資金繰り入れと入れかわった次第であります。名前が変ったというだけで、これは今回
法律を
国会で継続
審議でお願いしているそれと同断の趣旨であります。
三番目は日雇い健康保健給付金財源繰り入れ、これは
国庫負担率の一割を一割五分に上げましたので、四億三千二百二十八万円増ということになっております。
日雇い健康保険は過ぐる納付の
待遇改善から非常に大きな赤字になっております。従いましてこれに対処するために
国庫負担を増額いたしたのであります。その
関係がただいま申し上げましたような数字でございます。
それから四番の厚生年金
保険給付費財源繰り入れ、これは在来の発生率に伴いますので、
国庫負担率は全然変っておりません。
それから(5)の
船員保険給付費財源繰り入れ、このすぐ下にございます疾病給付責財源繰り入れ、これは三十一年度と同様でございます。それから失業
保険関係並びに年金
保険関係は発生率に伴いまして若干減少いたしております。
その他の項目で二億三千百六十三万円の増となっております。いずれも業務取扱費の繰り入れの増額でございまして、主として人件費のベース・アップと日雇いの
関係の印紙売捌手数料の増でございます。
それから二十ページの26の
健康保険組合等
補助、これは被
保険者の増等を見込みまして、単価は前年度と同様でございすます。
それから27の
国民健康保険助成費でございます。これは冒頭大臣から御
説明申し上げましたように、
国民皆
保険をいたしまして、三十二年度におきましては五百万人の被
保険者数の増を見込むということで、これを基礎にして諸般の積算をいたしたのであります。
まず
事務費でございますが、
事務費につきましては、内訳を人件費と物件費に区別いたしまして、そこに計上いたしました。要するに三十一年度の六十八円六十銭を八十五円に引き上げたのであります。なおこれにつきましては三十二年度において厚生並びに労働両省が共同調査をして、相当の実態をつかみたいという予定でおります。それから保健婦の
設置費につきましては、二百二万円の減となっておりますが、これは実績に徴しまして、対象人員数を三百人減少したのであります。ベース・アップはもちろん中に含んであります。
(2)の
療養給付費補助金でありますが、これは三千五百万人に対して最近における受診率、一人当りの点数、一点当りの単価、それらをかけまして、それぞれ前年度のものと比較して備考欄に掲げてありますので、ごらんを願いたいと思いますが、そういうもので積算したものの二割ということで八十六億七千九百万円を計上したのであります。
それから三番目の直営診療所建設
補助金は相当被
保険者数もふえましたので、前年度より一億円増額いたしまして三億円にいたしました。
四番の委託職員の
設置費は、これは年間の伸びであります。人数の増はございません。
二十二ページの(5)の
普及促進費の
補助金はかなり大幅な
普及促進をいたしますので、そのための県並びに当該市町村の調査費とかあるいは旅費とか宣伝費、それらをそれぞれ
補助の対象として、二分の一を国庫から交付するということで、都道府県分四百六十六万五千円、市町村分千八百九十五万八千円を計上したのであります。
次は28の引揚者等の援護費でございますが、これは引き揚げ見込み人員は一応二千五百十一人、こう計上いたしましたが、これについては初めからはっきり申し上げますが、何ら材料はありません。一応計算はいたしましたが、一応二千五百人程度ということで、こういうものを計上したということです。それから前年度に引き続きまして北海道集団収容施設の補修を行いたいということで、六百六十四万円を計上したのであります。
29は留守家族等の援護費でございます。これを減額いたしますのは、引き揚げが相当進捗いたしますのと、調査究明が進みますので、これに伴いまして留守家族の数が減るということで、若干の減少ということでございます。
それから二番目の地方公共団体委託費三十六万円の増は旅費の増であります。
それから30の戦傷病者戦没者遺族等援護費でございますが、これは大臣の御
説明で申し上げた通り、在来恩給費の所管から厚生省に所管の移しかえをいたしましたものを、今回は年間所要費の五十七億円を初めから計上するということであります。なお従来はどの程度であったかと申しますと三十年度において十三億六千万円、二十九年度八十億、二十八年度七十五億とかなり大幅な数字を恩給費からこちらの方に移しかえをして出しておったのであります。なお別途ここで御
説明申し上げておきたいと思いますが、三十一年度におきましては現在赤字二十八億円が見込まれております。その
関係は補正
予算をもって三十一年度においてお願いをするという予定でおります。補正
予算で思い出して恐縮ですが、
国民健康保険助成費につきましても赤字があります。これも三十一年度の補正でお願いする、かような考えでおる次第であります。
それから次が31の国立戦没者の墓苑五千万円、前々から問題になっておったのでありますが、これを建設するという予定で所要
経費を計上いたしました。なおこれに伴いますところの道路等の費用、あるいは千鳥ケ淵に予定してありますが、あの辺の宮内庁の職員の官舎の移転費とか、それらのものは宮内庁の方に計上するとか、あるいは建設省の方に計上するというふうにして計上してありますので、総体の金額では約九千万円程度になるということを御承知おき願いたいと思います。厚生省所管といたしましては、墓の建設とそこの付近の庭——苑地といいますか、それらの費用として五千万円。その他の道路とか何とかいうふうな費用は、別途建設省へお願いするということで全体で約九千万円というふうに御承知おき願いたいと思います。
それから32の
事項の国立公園等の
整備費でございますが、まず国立公園の施設費は五千万円、それから国立公園に対する
補助金は、在来切られておりましたのを二分の一として四千万円計上いたしました。なお
国民公園につきましては、その他はあまり変りませんのですが、新宿御苑の温室が非常にいたんでおりまして、これを作り直したい。二年の計画をもちまして作り変えをするということで、初年度の二千九百六十五万二千円を計上したのであります。その他は京都並びに皇居前、新宿御苑の一般
整備費でございます。
次の(3)国定公園は、これも新しく国定公園
施設整備費につきまして二分の一の
補助金、一千万円を計上いたしたのであります。
それから次の二十四ページの33国立施設新設、これは今回施設新段するものをまとめましてここへ計上したのでありますが、第一番の口腔衛生部
設置、これは国立予防衛生研究所に口腔衛生部を新設したいというので所要
経費を計上いたしております。在来歯科の
関係につきましては、予防
関係を、予研というものがありながら何ら適切に厚生省でやっていなかったので、新しく予防衛生研究所においてそれを研究せしめるというので所要の建物並びに
運営費を計上いたしたのであります。(2)国立ろうあ者更生指導所、これは在来からのやかましい問題でありますので、新設をして百人収容することにいたしました。それから(3)国立精神薄弱児収容施設、これも百人の予定でおります。いずれも
運営費その他三カ月の予定外、この三つを新しく作るということで、この
予算をお願いいたしておる次第であります。
その他の雑件では出入りがありまして、三千九百八十四万八千円の減でありますが、冒頭申し上げましたごとく、差引厚生省所管としましては百十一億四千五百十二万二千円の増であります。ただ前年度の
予算額はただいま御
説明申し上げましたように、補正
予算をお願いすることにいたしておりますので、九百二億がそのあかつきには若干変って参ります。
国民健康保険の赤字補てんが十億程度、それから遺族年金が二十八億円程度補正
予算をお願いしますので、そのあかつきにはこの九百三億円という数字は変るものと御承知おき願いたいと思います。
以上が
一般会計の御
説明でございますが、次が特別会計の御
説明でございます。特別会計ではまず第一番に二十五ページの健康勘定でございますが、
保険料収入におきましては、内訳として被
保険者数は五百三十一万人から五百九十四万五千人と六十三万ばかりの人員増を予定いたしております。最近相当の被
保険者数の増がございますので、それらの実績から見てこの程度の
増加があるものということで、積算の基礎にいたしております。それから標準報酬の改訂は前年の一万二千百五十二円を標準報酬月額平均一万二千六百五十九円、一人当り
保険料は、
保険料率は変りありませんが、標準報酬が変りましたので九千八百八十四円一銭九厘ということでございます。なお等級改訂等は現在継続
審議の法案でお願いしておる通りでございます。それから
一般会計より受け入れ三十億円、その他借入金、雑収入等を加えまして、歳入
合計六百七十二億七千七百九十一万一千円ということでございます。
歳出については特段申し上げることはないと思いますが、療養納付金が若干ふえるということと、現金給付も若干ふえるということで、これが大体おもな中身であります。
それから裏の二十八ページ日雇勘定におきましても、人数を前年度は六十万七千人でありますが、七十四万六千人に押えるということ、それから一人当りの被
保険者の年額の
保険料は若干変る。一級、二級
保険料は前年度同様でございます。それからあとは
給付費の増を見込んでそれのはね返りの
一般会計の受け入れが、冒頭申し上げましたごとく一〇%を一五%にするということで積算をいたしたのであります。
それから三十一ページ、年金勘定でございますが、年金勘定も
健康保険同様被
保険番数の伸び、標準報酬の若干の伸びを見て、その他は変っておりません。
一般会計より受け入れにおきましても、
国庫負担率は前年度同様であります。
次は三十三ページの年金勘定の歳出、これも特段御
説明申し上げることはありません。
それから三十四ページの業務勘定は、これの
運営に要するるところの取扱い
事務費でございます。1、2、3、4は受けけ入れでございまして、5以下が
運営費であります。
それから三十七ページの
船員保険特別会計、これも現在継続
審議をお願いいたしておりますものと両様な調子で、
保険料率等が変更になります。これも
健康保険同様でございますので、
説明を省略さしていただきたいと思います。
それから次は四十ページ、
国立病院特別会計でございますが、
国立病院特別会計では、料金収入の増が一件当り点数の若干の増を見ましたので七十億円を、その他は、
一般会計より受け入れば
一般会計のところで申し上げましたので御了承おき願いたいと思います。
四十一ページのところで特に御
説明申し上げておきますことは、13の高血圧
治療センターに必要な
経費、その
治療センターを備考欄にございますように三カ所新設します。ガンの
治療センターの三カ所、特殊小児疾患
治療センター二カ所、心臓病
治療センター二カ所ということで、それぞれ在来もあったものでありますが、これらを新没して大方の要望にこたえたいということのほかに、17のリウマチ
治療センタ一一カ所、アレルギー
治療センター一カ所、特殊疾患についての
国立病院の特殊性を発揮していくためにかようなセンターを新設いたしまして、大方の要望にこたえたいということで
予算を計上いたした次第であります。その他は特段御
説明申し上げることはありません。
それから四十二ページの23、
国立病院僻地診療所に必要な
経費、これが
運営費三カ月分を一応予定いたしておるのであります。
それから四十三ページ、あへん特別会計は、国内産三トン、輸入三十七トン、
合計四十トンを買い入れてそれを払い下げる、通り抜け勘定であります。
以上、あらまし非常に大ざっぱな御
説明を申し上げまして恐縮でございますが、三十二年度の厚生省所管
予算のおもな
事項について申し上げました。