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愛知委員 ただいまのお話で大体の趣旨はわかるのでありますが、その近代的に、総合的に行政官庁としても取り上げてやるということについては、
相当思い切った制度的な、あるいは組織的な、あるいは政策としての
相当画期的なものが私は断然必要だろうと思うのであります。率直に申しまして、従来まで、あるいは現状においても、
政府あるいは行政官庁においては、
地域的なアンバラースの
調整、また具体的に言えば、
東北の
開発の必要性というようなことについて、もっともっと認識を新たにして、思い切った
措置をとらるべきであるし、また先ほど申し上げましたような、今後
経済計画を
改訂する場合においても、その中核の
一つの命題として、ぜひ真剣に取り組んでいただきたいと思うわけであります。ただいまもお話がございましたが、念のために
考えてみましても、
東北の面積は
全国の二丁六%に当っておりますけれども、
人口は
全国人口の一三・四%、
人口の密度は百四十七人で、
全国平均の六五%にすぎないわけであります。ところで、
東北の
産業経済の水準が、
全国的に見てきわめて後進
状態にとどまっておる、これは、要するに第一次
産業の比重が圧倒的に多いということでありまして、一人当りの
東北の
国民所得の水準は、
昭和二十七年の調べでは実に六〇%余りである、その後の調査によりましても、
全国平均の七三%にすぎないというのでありますから、これは、たとえば東京その他の
経済の繁栄しておる土地の平均の所得から見れば、おそらく半額程度だというような現状で、これがまた、今後において政策がうまくいきませんと、その
較差がますます大きくなる結果になると思うのであります。その結果、
東北の
人口の
収容力が低くて、
人口が
東北に定着するその
比率というものは、このままにすれば、きわめて低きにとどまると思うのでありまして、これを放置すれば、他の
地域への一種の社会移動がこれからも引き続き続くであろうと思うのであります。この点は、現
政府が
完全雇用というようなことを全体的に目ざしておられる点からいっても、大きくクローズ・アップされなければならない問題であると思います。しかもその
東北の後進性ということが、資源も乏しいんだ、
開発の
効果も薄いんだということに基因しておるのならば、また何をか言わんやでありますが、各種の潜在資源に恵まれていることは、いろいろの環境分折によっても明らかでありまして、ただいま
長官のお話の
通り、
北海道開発とともに今後わが国の
経済自立の達成に寄与することは、きわめて大きいわけであります。他の国内の
地方をながめてみますと、それは一局部の地点において特に疲弊しておる、あるいは未
開発として大いに
開発しなければならぬところもありましょうが、それは私の見るところでは、比較的小部分の、特定の局地的な問題である。
東北のように、ただいま指摘いたしましたように、面積からいっても、
人口から申しましても、
相当に広い
地域にわたって同一の条件にあるところは、非常に大きい特殊性でありますから、この点から申しましても、私は、さっき言いましたような抜本的な、画期的な施策が行われることを要望いたしたいのであります。
それにつきまして、もう
一つ関連して申し上げ、かつ御
意見を伺いたいと思いますのは、昨年の
衆議院の
決議がございましてから、自由民主党としては、
東北開発の特別
委員会を設置いたしまして、自後一年近く、
関係各省あるいはその他の民間団体の非常な協力を得て、鋭意具体的な検討をいたしておるわけでありますがわれわれのそういった研究の結果として、たとえば
昭和三十二年度から
相当な覚悟をもって諸般の政策を進める場合において、三十五年度までを前期とし、三十六年度から四十年度までを後期として、その前期においては、
開発の基礎条件を整備することを
中心にやって、後期において、諸
産業が飛躍的
発展をするようにという
計画を実は作り上げておるわけであります。そのわれわれの研究によりますと、まず前期の末、すなわち
昭和三十五年度においては、二、三の例を申し上げますならば、農業においては、米麦の増産量が三百五十万石、それから畜産についても、増産の量だけ申しましても、乳牛が十万頭、役肉牛が十五万頭、綿羊が二十万頭、林産については五百万石の増産、水産については二千五百万貫の増産、製造工業は、金額にして約七百十五億円、鉱業においては約十三万五千トンの増産量を期待し得るということになり、これによって
人口の
収容力が約七十万人と測定されるわけでございます。そうなりますと、先ほど申しましたような
人口の社会移動と申しますか、そういうことが防げるのみならず、
東北地方の
人口の自然
増加数を若干上回る程度の
完全雇用が達成できる。こういう
計画が一応の研究の成果として上っておるわけでありますが、こういった具体的な各
産業にわたって何万石、何万頭というようなことについて、今直ちに
企画庁の側において御論議をなさるだけの御用意はあるいはないかと思いますけれども、もし伺えますならば、こういったような、集約して
東北地方だけで三十六年までに七十万人の労働
人口の
収容力が
増加するというようなことは、今現に
改訂を
計画されているところの
長期経済計画の中で、どういうふうに
考えておられるか、この辺のところの
基本的な
考え方ということが、具体的な
措置を進める上の
一つの大きなかぎであると私は思うのであります。御所見を伺いたいと思います。