○
中島(巖)
委員 ただいまの
建設大臣の御
答弁によりまして、大体のことは了解できたのでありますが、これは私が申し上げるまでもありませんけれ
ども、この
道路整備関係におけるところの
予算というものが、ほとんど
ガソリン税に依存しておる。それから本
年度におきましても、
建設省が九百四十六億にわたる
道路予算を請求し、しかもそれが
公債、
一般財源、
ガソリン税の三本建でいくことを明らかにしたのでありますが、やはり
政府部内の
意見と申しますか、
道路公債の点で大蔵省の
考えと
意見の調整ができずして、わずかに
一般財源から四十四億出ておるだけというような
状況であります。一方ワトキンスの
勧告にもよるように、
日本は
年間千八百億の
道路費を投じなくては、
世界の
工業国並みの水準に達しない、
世界の
工業国より
日本の
道路は四十ヵ年おくれておる、こういうような
勧告と申しますか、
調査報告書を受けておるわけであります。従いまして、ただいま
大臣が申されましたように、
一般道路費は、
道路整備十ヵ年
計画にさらに大幅に
予算を獲得して充当していかねばならぬ、こういうような
段階にあるわけであります。従いまして、どうしてもその他の
方法を求めるとすれば、
道路公債か
外資よりほかに道がない。また
有料道路の
関係でもって、
財政投融資のことも
考えられますけれ
ども、
外資を
導入しましても、この記事にあるような三十年、五十年というような長期の
外資なら、
十分償還の見通しもつくわけでありますので、ぜひ
一つこの
外資導入によりまして、早急に
縦貫道の開通のできるように御努力をお願いいたしたい、かように
考えるわけで、
大臣のとられておる
処置は、国策の上からは実に時宜を得た
処置だと思って、満腔の賛成をいたすわけであります。積極的にこの方針を進められんことを希望するわけであります。
それからそのときに、この
縦貫道法案にあるところの
審議会の
委員の件について御
質問いたしましたところ、
大臣は目下
審議会の
委員を
選考中である、こういうような
お話があったわけであります。私が申し上げるまでもありませんけれ
ども、二十九名の
審議会の
委員のうち、八名は
総理大臣が任命するということになっております。従ってこの点は
総理大臣に
質問すべきものでありますけれ
ども、実際問題といたしまして
建設大臣が中心になって
選考を進められておるように思うのであります。そこで、われわれが人の点についてとやかく申し上げることはできないのでありますけれ
ども、基本的な問題として、どういう
基準でその
選考を進めておるかという点について、御意向を明らかにしていただきたいと思うのであります。これは私が申し上げるまでもありませんが、単に
道路というだけでなしに、
国土の普遍的の
開発、そうして
生活領域の
拡大というようなことが、この
法案の
目的になっておるわけであります。この任期は三年でありますから、目先第一工事といたしまして、
東京−
神戸間の四百五十キロに当るわけでありますけれ
ども、すでに
小牧−吹田間は
法律でもって決定いたしまして本
年度着工の運びになっております。そうしますと、
小牧−
東京間になるわけであります。そうしてただいま申し上げましたような
目的を達成するとすると、どういうことになるかと申しますと、
林野庁の
調査だけでも、この沿道だけに一億六千万石の木材がある。
年間の
生長量だけでも四百二十五万石、こういうような
林野庁の
調査ができておるわけでありまして、石三百円か五百円多くなったといたしましても年々二、三百億の
生長量だけの
利益があるわけであります。さらに全
埋蔵量におきましては、七百億とか八百億というような
利益が上ることになるわけであります。その他
赤石山系はほとんど石灰で、ある一部においては
戦前陸軍省が民間に手をつけさせなかったような高度の良質の石灰岩になっておる。従って
化学繊維工場とかいうようなことに十分利用できる。さらに
電源開発の面におきましては
天龍川、大井川、富士川などありまして、
天龍川水系だけでも現在六十何万という全
日本の一割近いところの発電をし、まだ未
開発地域がそれ以上あるというような
関係になっておる。従って私の
構想といたしましては、
国土開発縦貫自動車道の
趣旨から
考えまして、これは
道路の対策ということがもちろん重点でありますから、その
方面のエキスパートを入れなければならぬけれ
ども、やはり
森林資源の
関係に通暁しておる者とか、あるいは
電源開発関係に対して有能の士であるとか、あるいは
東京、
神戸、大阪の
三つの
日本の
工業地帯とどういう
関係があるかというようなことで、その
方面に対する
知識のある人、あるいは
地下資源に対して
知識のある人とか、そういうような大別したところの、大ざっぱに、
国土の
普遍的開発、
生活領域の
拡大、
日本の
産業貿易の振興、かような
観点から、
ワクをきめて、若干はその
方面の人を入れなければならぬのじゃないかと思いますけれ
ども、そういう
基準の
構想がおありになったらお述べになっていただきたい。