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1957-04-11 第26回国会 衆議院 建設委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年四月十一日(木曜日)     午前十時五十三分開議  出席委員    委員長 薩摩 雄次君    理事 内海 安吉君 理事 瀬戸山三男君    理事 二階堂 進君 理事 前田榮之助君    理事 三鍋 義三君       荒舩清十郎君    生田 宏一君       大高  康君    久野 忠治君       徳安 實藏君    山口 好一君       足鹿  覺君    井谷 正吉君       中島  巖君  出席国務大臣         建 設 大 臣 南條 徳男君  出席政府委員         建 設 技 官         (道路局長)  富樫 凱一君  委員外出席者         建設事務官         (道路局路政課         長)      三橋 信一君         専  門  員 山口 乾治君     ————————————— 四月十日  第二阪神国道の直轄施行に関する請願山口丈  太郎君紹介)(第二七三七号)  小野原、秩父市間荒川左岸道路県道編入に関  する請願荒舩清十郎紹介)(第二七六〇  号)  日本住宅公団家賃値上げ反対に関する請願(三  鍋義三紹介)(第二七八四号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  高速自動車国道法案内閣提出第八一号)  道路整備特別措置法の一部を改正する法律案(  内閣提出第八〇号)     —————————————
  2. 薩摩雄次

    薩摩委員長 これより会議を開きます。  高速自動車国道法案道路整備特別措置法の一部を改正する法律案を一括して議題とし、審査を進めます。昨日に引き続き残余の質疑を行います。中島巖君。
  3. 中島巖

    中島(巖)委員 高速自動車国道法案質疑に入るに先立ちまして、建設大臣に——、これと関連いたしておる問題でありますけれども、実は本月四日に、国土開発委員会に出席いたしましたところ、建設大臣並びに運輸大臣から、こういうようなことをお伺いしたわけであります。建設大臣から国土開発縦貫自動車道につきまして、外資導入意図があるということをお伺いいたしたわけでありますが、帰りまして、その日の朝日新聞を見ますと、「外資建設案」という題目で、「南條建設相東京神戸弾丸道路」かような見し出をもちまして、「東京神戸間の高速自動車道路は本年度から着工予定であるが、この自動車道路建設のため、南條建設相外資導入構想をもっており、アメリカブラウ・アンド・ブラウヴェルト会社代表として、現在東京にいるJ・D・レオナード氏との間に、再三話しあいが行われた。レオナード氏から建設相に示された条件は1東京神戸間の道路予定地調査、設計をブラウ・アンド・ブラウヴェルト会社に一任する2この作業のため建設省技官二十五人の応援を求める3外資を入れるにあたって日本側機械類および建設資材を投資する側から購入しなければならないという条件は絶対につけないなどである。  南條建設相レオナード氏の話合いはすでに相当つっこんだ点にまでふれているようで、導入する外貨は五億ドル、償還期間は三十年ないし五十年間利子年五分、無担保などが含みとなっているといわれる。」こういうように、期せず、四日の私の質問に対しまして、建設大臣外資導入意図のあることを明らかにされ、そしてこの新聞が同日出ておるわけであります。それからその日の委員会におきまして、宮澤運輸大臣は、道路整備十ヵ年計画財源とは別のワクにおいて、縦貫道建設せねばならぬという意図をはっきりさせております。従いまして、宮澤南條大臣の言われることが外資導入と関連して一致いたしておるわけであります。この点われわれといたしましても非常に歓迎するところでありますが、この新聞に出ておるようなことがほんとうであるかどうか、もしほんとうであるとすれば、どの程度まで話が進められておるか、この点についてお伺いいたしたいと思います。
  4. 南條徳男

    南條国務大臣 ただいまの外資導入についての御質問でございますが、新聞に、去る四日にそういうことが載っておったということについての御質疑であります。大体新聞に出ておるようなことは、私が当時建設省内政クラブの諸君が、この問題について話を聞きたいというので、その記者会見の際に話したことが新聞に載っておったと思うのであります。この問題は、高速自動車国道法案が通りまして、国土開発の線に沿うところの中央道がかりに審議会予定線等に決定した場合においては、これを建設する財源をどうするかということが、私は一番差しあたりの問題だと考えておりますので、今建設省考えておる十ヵ年道路整備計画の方の予算は、国費並びに現在、今年の場合ガソリン税値上げ等財源によってまかなうのでありますが、これは相当額必要とするのであります。そとで縦貫道の場合においては、道路公団をして有料道路でさせるというのでありますから、この面については一般財源にたよらないで、他の方法によってこの財源を捻出することが最も合理的で、実現を促進する道ではないかと考えまして、その方法としてはいろいろありましょうけれども外資導入というようなことが可能であるならば、その方法によることがいいのじゃないか、こう考えまして、たまたまアメリカ側から、この日本経済力を非常に高く評価されて、二、三の有力な会社から、この道路整備についての外資導入の引き合いがあったようなわけでありますので、その代表者であるレオナードという人に私は会って、一応話は聞いたのであります。そのことの内容の一部を先般記者会見の際に漏らしたというような事情でありまして、まだ最終的には何も決定したことでもないし、これらの条件方法等につきましては、今後とくと研究いたしまして、日本経済情勢その他が外資導入することにふさわしいというようなことでありますれば、政府意見をまとめました上でこれをきめたい、こう考えておるようなわけでございますが、この方法以外に別な方法によって、この縦貫道建設する財源があるならば、これまた別に考え直さなければならぬのでありまして、さような点で財源の問題について、私はできるだけ早急に、そして可能性のある方法をとりたいという意図からさような問題を進めておるというのでございます。
  5. 中島巖

    中島(巖)委員 ただいまの建設大臣の御答弁によりまして、大体のことは了解できたのでありますが、これは私が申し上げるまでもありませんけれども、この道路整備関係におけるところの予算というものが、ほとんどガソリン税に依存しておる。それから本年度におきましても、建設省が九百四十六億にわたる道路予算を請求し、しかもそれが公債一般財源ガソリン税の三本建でいくことを明らかにしたのでありますが、やはり政府部内の意見と申しますか、道路公債の点で大蔵省の考え意見の調整ができずして、わずかに一般財源から四十四億出ておるだけというような状況であります。一方ワトキンスの勧告にもよるように、日本年間千八百億の道路費を投じなくては、世界工業国並みの水準に達しない、世界工業国より日本道路は四十ヵ年おくれておる、こういうような勧告と申しますか、調査報告書を受けておるわけであります。従いまして、ただいま大臣が申されましたように、一般道路費は、道路整備十ヵ年計画にさらに大幅に予算を獲得して充当していかねばならぬ、こういうような段階にあるわけであります。従いまして、どうしてもその他の方法を求めるとすれば、道路公債外資よりほかに道がない。また有料道路関係でもって、財政投融資のことも考えられますけれども外資導入しましても、この記事にあるような三十年、五十年というような長期の外資なら、十分償還の見通しもつくわけでありますので、ぜひ一つこの外資導入によりまして、早急に縦貫道の開通のできるように御努力をお願いいたしたい、かように考えるわけで、大臣のとられておる処置は、国策の上からは実に時宜を得た処置だと思って、満腔の賛成をいたすわけであります。積極的にこの方針を進められんことを希望するわけであります。  それからそのときに、この縦貫道法案にあるところの審議会委員の件について御質問いたしましたところ、大臣は目下審議会委員選考中である、こういうようなお話があったわけであります。私が申し上げるまでもありませんけれども、二十九名の審議会委員のうち、八名は総理大臣が任命するということになっております。従ってこの点は総理大臣質問すべきものでありますけれども、実際問題といたしまして建設大臣が中心になって選考を進められておるように思うのであります。そこで、われわれが人の点についてとやかく申し上げることはできないのでありますけれども、基本的な問題として、どういう基準でその選考を進めておるかという点について、御意向を明らかにしていただきたいと思うのであります。これは私が申し上げるまでもありませんが、単に道路というだけでなしに、国土の普遍的の開発、そうして生活領域拡大というようなことが、この法案目的になっておるわけであります。この任期は三年でありますから、目先第一工事といたしまして、東京神戸間の四百五十キロに当るわけでありますけれども、すでに小牧−吹田間は法律でもって決定いたしまして本年度着工の運びになっております。そうしますと、小牧東京間になるわけであります。そうしてただいま申し上げましたような目的を達成するとすると、どういうことになるかと申しますと、林野庁調査だけでも、この沿道だけに一億六千万石の木材がある。年間生長量だけでも四百二十五万石、こういうような林野庁調査ができておるわけでありまして、石三百円か五百円多くなったといたしましても年々二、三百億の生長量だけの利益があるわけであります。さらに全埋蔵量におきましては、七百億とか八百億というような利益が上ることになるわけであります。その他赤石山系はほとんど石灰で、ある一部においては戦前陸軍省が民間に手をつけさせなかったような高度の良質の石灰岩になっておる。従って化学繊維工場とかいうようなことに十分利用できる。さらに電源開発の面におきましては天龍川、大井川、富士川などありまして、天龍川水系だけでも現在六十何万という全日本の一割近いところの発電をし、まだ未開発地域がそれ以上あるというような関係になっておる。従って私の構想といたしましては、国土開発縦貫自動車道趣旨から考えまして、これは道路の対策ということがもちろん重点でありますから、その方面のエキスパートを入れなければならぬけれども、やはり森林資源関係に通暁しておる者とか、あるいは電源開発関係に対して有能の士であるとか、あるいは東京神戸、大阪の三つ日本工業地帯とどういう関係があるかというようなことで、その方面に対する知識のある人、あるいは地下資源に対して知識のある人とか、そういうような大別したところの、大ざっぱに、国土普遍的開発生活領域拡大日本産業貿易の振興、かような観点から、ワクをきめて、若干はその方面の人を入れなければならぬのじゃないかと思いますけれども、そういう基準構想がおありになったらお述べになっていただきたい。
  6. 南條徳男

    南條国務大臣 道路審議会委員選考のことについての御質疑でございますが、仰せのように、この審議会には学識経験者が八名以内となっておりまして、他の二十一名は特定国務大臣その他参議院、衆議院の国会議員等からなっておるような事情でございますので、主として御質問委員内容の点は、学識経験者の八人の分についてのお話じゃないかと思うのであります。この点につきましてはお説のように、私どもも今回通過いたしました国土縦貫道というものは、ほんとう日本道路を作るということもそうでありますけれども、そのことによって日本の今まで未利用資源であり死蔵されておる国土開発による資源開発ということが、これによって日本産業経済の画期的な開発を目途とするものが主眼であると考える建前から、この審議会委員たるべき人は、その学識経験におきまして高度の、総合的な観点から幅のある、だれが見てもこれならば日本の一流の人物だ、こういうように考える人を、ぜひ各方面からの代表者を入れてもらいたい、こう考え総理にも私どもは進言をし、その観点から選考を進めてもらっておるようなわけでございまして、近く大体その構想も終って委員もきまるものと考えておるのであります。国会議員の方の立場は、これは与党及び野党側執行部同士で相談をしてもらいまして、そういう角度から十分こういう線に沿うた適当な人を選考してもらうというようなことで話し合いを進めてもらっておるようなわけでございます。
  7. 中島巖

    中島(巖)委員 よくわかりました。そこで大臣に要望しておきますことは、大臣も非常に建設費の点に苦心されておるのでありますが、大臣の意中の人で外資導入のできるような人もやはり一人委員に加える必要があるのじゃないか。この法案実行に移す促進の上に一番のキー・ポイントじゃないかと思いますので、はなはだ僣越でありますけれどもこの点要望しておくわけであります。  以上をもちましてこれに関連するところの質問を終ることにいたしまして、高速自動車国道法案について質問をいたしたいと思いますが、今国会におきまして高速自動車国道法を提出するに当りまして法案提案理由説明をされておりますが、この説明二つに分けることができると思うのであります。つまり自動車輸送力の画期的な増強をはかるためにこういう法案を提出したということが一つ、それから第二の問題といたしまして国土開発縦貫自動車道建設法案が上程されておるのでこの法案を提出した、この二つのことが大臣提案理由説明に述べられておるわけでありまするが、さように了承してよろしゅうございますか。
  8. 南條徳男

    南條国務大臣 その通りでございます。
  9. 中島巖

    中島(巖)委員 そこでこの二つ提案理由説明のうち、後者の国土開発縦貫自動車道建設法案と関連してこの法案を提出せねばならぬということはわかっておる。しかしながら提案理由の第一の理由とするところの自動車輸送力の画期的な増強をはかりますためにという、このことでありますけれども、これに対して建設省は具体的な国土開発高速自動車国道というものを計画されておるのか、計画案があるのか、あるとすればその内容はどういうものであるか、これは道路局長でよろしいですから御答弁をお願いしたいと思います。
  10. 富樫凱一

    富樫政府委員 輸送力の中で自動車輸送力がだんだん増して参りまして、現在のわが国道路状況ではこの輸送力を十分にまかない得ない状態でございます。そこで一般道路につきましてはただいま十ヵ年計画という道路整備計画を立てておるのでございますが、従来のような一方交通道路整備だけでは増加する自動車輸送力に対応できませんので、自動車だけ通る高速自動車国道建設しまして、この輸送力に対応しようとしておるわけであります。この高速自動車国道計画につきましては第一に国土開発縦貫自動車道があるわけで、これが高速自動車国道の背骨になるわけでございますが、これだけでは道路網としての整備ができませんので、それに伴う肋骨と申しますか、支線整備いたさなければならぬわけでございます。この支線整備につきましては具体的な案をこれから検討する段階でありまして、まだ確立しておらぬわけでございますが、今後これを根幹にいたしました高速自動車国道網というものを計画いたして、その他の一般道路網とあわせてわが国道路網全体の整備をするという計画を立てたいと考えております。
  11. 中島巖

    中島(巖)委員 ただいまの道路局長の御答弁を聞きますと、この高速自動車国道に対するところの具体的な案はないのだ、将来そういうことになるのだ、こういうような御答弁であったようであります。そういたしますと、結局今国会高速自動車国道法案を提出したということは、要するに国土開発縦貫自動車道建設法案実質法として実質は提出した、こういうように了解せざるを得ないのでありますが、そういうように了承してよろしいでしょうか。
  12. 富樫凱一

    富樫政府委員 お話のように国土開発縦貫自動車道建設を本年度から名古屋神戸について建設することになったわけでございますので、その点の建設管理の面を明らかにするということが一つ契機にはなっておるわけでございます。しかしこれを契機としまして、先ほど申し上げましたような高速自動車国道と、それからその他の道路とをあわせて一般道路網整備計画を立てる段階にきておる、かように考えますのでこの法案を提出した次第でございます。
  13. 中島巖

    中島(巖)委員 ちょっとくどいようでありますけれども、結局今国会に提出せねばならぬというこの時間的な問題については、御答弁によりますと、国土開発縦貫自動車道名古屋神戸間に本年に予算がついておる、従ってこの事業実行の上において高速自動車国道法を通さねばならぬ、こういうようなお話であります。そこで、法案ではっきりしておるようなものですが、ここではっきりしておかねぱならぬことは、この高速自動車国道法が成立しない限りは、この国土開発縦貫自動車道にも手をつけることができない、こういうように建設省としては考えておられるかどうか、この点をお伺いしたい。
  14. 富樫凱一

    富樫政府委員 この高速自動車国道法案が成立いたしませんと、国土開発縦貫自動車道建設法にいう道路建設ができないと考えておるわけでございます。それは国土開発縦貫自動車道建設法によりますと基本計画を立てるところまではございますが、その計画によってどう建設管理を実施していこうか、この点がはっきりいたしておりませんので、この高速自動車国道法によりまして建設管理の面を明確にし、それによって初めて建設管理が実施できるものと考えております。
  15. 中島巖

    中島(巖)委員 そこでお伺いいたしたいことは、道路法道路運送法、並びに現在審議中の高速自動車国道法三つの関連になってくるわけであります。私もこの法案が提案されてからいろいろ研究してみたのですが、建設省趣旨、それから縦貫自動車道に早期に着工するということについては、建設省考え方と全く同一で、双手をあげて賛成しておるものでありますけれども、われわれ立法府の一人といたしまして、この三つ法案を並べて考えるときに、どうしても理屈が合わぬところが出てくるのです。私も法律屋でないから、法律の一条々々について指摘することは避けますけれども、現在の道路法というものは大正八年に制定されまして、昭和二十七年に一部を修正と申しますか改正されておる、こういうような状態になっておるわけであります。そこで大正八年に制定された道路法昭和二十七年に修正された、このときの修正のおもなる点について、ごく大ざっぱに今御説明願いたいと思います。
  16. 富樫凱一

    富樫政府委員 お話のように、大正八年に道路法が制定されまして昭和二十七年に改正されたわけでございますが、昭和二十七年の改正は、日本行政組織が新憲法によって変ってきた点がございますので、それにのっとりまして改正した点がおもでございます。
  17. 中島巖

    中島(巖)委員 私も実はこの道路法の解説を三日、四日前に見ると、今局長の言われたような改正であるのです。大正八年というと、自動車なんかごく珍しくて、見せものくらいな時代だったのじゃないかと思うのですが、そういう時代に立法された道路法であって、昭和二十七年に修正されてはおりますけれども自動車交通に対しての考え方修正された点は、この道路法には一点もないのです。ただいま局長から答弁のあったようなことがおもなる理由修正されておる。従いまして、現在の道路法内容は、自動車交通に関する限りは三十数年前の大正八年の道路法そのままである。そこへもっていって、新しく高速自動車国道法というものを道路法の一部の法案として提出されたのであって、いわゆる大正八年に成立した道路法ワクで縛っておるのだから、あらゆる点に矛盾が露呈してきておる、こういうように考えるわけであります。そこで道路法の第二条におきましては、「この法律において「道路」とは、一般交通の用に供する道で第四条各号に掲げるものをいい、」と書いてあります。「一般交通の用に供する道」としてある。それから道路運送法の第二条第八項におきましては、「この法律で「自動車道」とは、もっぱら自動車交通の用に供することを目的として設けられた道をいい、」こうなっておるわけであります。片方は「一般交通の用に供する」という、片方道路運送法では「もっぱら自動車交通の用に供する」、こういうことになっておるのでありますが、今度提出されました高速自動車国道法案によりますと、道路運送法自動車道でなくて、道路法道路とする、こういうことになっておりますけれども、この点、法規制上並びに理論的に非常に矛盾があるように思います。この点について一つ御見解を承わりたいと思います。
  18. 富樫凱一

    富樫政府委員 道路法道路は「一般交通の用に供する道」と定義いたしておるわけであります。なるほど、申されますように、大正八年時代には現在のような自動車交通は、おそらく予想していなかったと思うのでありますが、自動車がだんだん発達するとともに、道路もそれに応じて発達していかなければなるまいと考えるわけでございます。最近のような自動車交通に応じた道路というものは、今提案しております高速自動車国道法というものが必要になるような交通状況であります。道路観念というものも、交通の発達とともに変って参らなければならぬし、またそれを見込まなければならぬと思うのでありまして、その点につきましては道路構造等の変革はございますが、本質的には変ってきておるものではないと考えるわけであります。また道路法には、道路一般交通の用に供するとございますが、自動車だけ通りましても、それが不特定多数の自動車の用に供するのであれば、これは一般交通の用であるというようにわれわれは従来解釈しておったわけでございますが、その解釈にあいまいな点がございましたので、今回その点を高速自動車国道法によりまして明確にいたしたわけでございます。道路というものは元来無料公開のものであるべしという考えに立っておるわけでございますが、現在とられております有料道路の制度は、道路整備を急速にはからなければならない現在の段階において、やむを得ずとらるべき特別の措置として考えておるわけでございます。そういう観点に立ちまして道路観念いたしておるわけでございますが、そのほかに、一般自動車道事業として、道路を作り、自動車を通行せしめて料金を取り、それで企業の採算をとっていく、利潤も生むという道路もあっていいわけでございます。それも道路網全体の一部と考えて参りますと、日本道路網整備していく上においては大いに役立つわけでございますが、観念そのものは、自動車道を作って、それによって企業を営むということになっておるわけでございますので、その点につきましては、根本的に観念が違うものと考えるわけでございます。高速自動車国道におきましては、有料のものも無料のものもできるわけでありますが、根本的な考え方は、道路法道路の発展した姿である、かように考えておる次第でございます。
  19. 中島巖

    中島(巖)委員 これはあなたの所管外ではありますけれども道路運送法の「この法律で「自動車道」とは、もっぱら自動車交通の用に供することを目的として設けられた道をいい、」ということで、自動車専用道路のことをここにはっきりと規定してあるのです。それから道路法においては、「一般交通の用に供する」ということになっておるのです。われわれの従来からの社会通念では、結局一般交通の用に供するということは混合交通だと考えておったわけであります。しかしこの法律大正八年に成立して今日まであった法律であるから、まさか建設省が、今回の縦貫自動車道所管争いで、一般交通の用ということは、自動車だけが通っても一般交通の用じゃないかというようなへ理屈をつけたのじゃないと思います。従いまして、先ほど申しましたような長い間の法律であるから、これに対して国会答弁なり判例みたいなものがあるかどうか、あるいはその逆に、一般交通ということは混合交通であり、もっぱら自動車交通の用に供するのが自動車道であるというような判例みたいなもの、たとえば委員会における大臣答弁みたいなものが必ずあると思うのだが、そういうものはありませんか。
  20. 南條徳男

    南條国務大臣 こまかい点は政府委員から答弁してもらいますが、その点についての政府の基本的な見解を申し上げておきたいと思います。  この高速自動車国道法案を創案する場合に、今御指摘のような問題が議題になりまして、そこでその基本観念をきめましたので、私から一応申し上げておきますが、御指摘の道路法による一般道路というのは、つまり一般の公共の交通に寄与する面のあることは申し上げるまでもないのでありますが、道路運送法によります自動車の専用のための道路、つまり運輸省の認可によります道路運送法上のそれは、営業用の自動車専用道路であります。従いまして道路法によります一般道路というのは、営業によらない、無料公開道路を主眼とするものであります。道路運送法によります専用道路は営業を目的とした道路でありますから、そこにおいて目的内容は非常に違うわけであります。  そこで今度できます高速自動車道というのは、自動車の専用ということについては、道路運送法における道路とよく似ておりますし、また有料道路である点も似ておるけれども、どこが違っておるかといえば、この高速自動車国道法案によります道路道路公団で作っておる有料道路というものは、将来二十ヵ年ないし二十五ヵ年にその投資額が償還できた場合においては国道として一般に公開する、無償で国に戻すということが条件になっておるわけでございます。運輸省の認可する道路運送法によります専用道路は、その点は規定がないのであります。どこまでもこれは個人の営業用の道路でありますから、この点において、ただいま御審議願っておる高速自動車国道とは全く基本において違うということでございます。  しからば、今度の国土縦貫道高速自動車国道法案に基く高速自動車道として取り扱う場合に、全国の縦貫道というものが将来全部無料道路になるかと申しますと、先般の委員会においても申し上げたように、国にはその財源がないから、やむを得ず道路公団をして、有料道路としてこの国土縦貫道路を設定するのでありますけれども、国の財源が許し、そしてどうしても国として必要である場合においては、無料国土縦貫道、高速自動車道というものを建設する時期がくるかもしれない。ですから、その点においては、これはやはり道路法一般道路として建設、管理すべきだということが基本的観念でありまして、御指摘の道路運送法によります運輸省の認可の自動車道とは、全く基本的な観念が違うということを御認識願いたいのであります。この観念に立って、今度の高速自動車国道法というものは、道路法上の道路であるという基本観念を運輸省との間で協定いたしまして、今回提案をしたということであります。  一応基本観念だけを申し上げておきまして、詳細はまた政府委員から答弁させることにいたします。
  21. 富樫凱一

    富樫政府委員 先ほど一般交通の用に供するということについての解釈について、何か公式に、あるいは判例といったものがないかというお尋ねでありますが、この点につきましては、先ほど申し上げましたように、解釈の点にあいまいな点があったわけであります。われわれの解釈と異なった解釈もあったわけであります。それを今度高速自動車国道法案におきまして明確にいたしまして、道路法による道路、また道路法におきましては、第二条第一項中「一般交通の用に供する道」の下に「(自動車のみの一般交通の用に供する道を含む。)」を加える、こういうふうに改正するわけであります。
  22. 中島巖

    中島(巖)委員 私は何もこの法案に反対でいろいろ欠点を言うて政府を責める、こういう考えで申しておるわけではないのでありますけれども、いやしくも立法府に連なる議員として、法的に非常に疑義があるのではないか、この点だけはただしておかねばならぬ、こういうような考え質問いたしておるわけであります。その点一つ大臣誤解のないようにしていただきたいと思います。また縦貫自動車道法案を成立させ、突破口をここに求めたというようにも考え、この点については大臣の努力を僕は非常に買っているわけです。そこを誤解のないようにお願いしたいのですが、ただいまの大臣の御答弁は非常に矛盾だらけのように思う。と申しますのは、現在の道路整備十ヵ年計画ですら予算の点にいろいろな問題があって、ああいう大幅な増税になるところのガソリン税を増徴しておるというような時代なんです。従いまして、将来何十年かの後に、日本経済が変ってくればいざ知らず、そうでない限りは、自動車専用道路無料公開でもって国費で建設されるなんということは現在では考えられないことなんです。同時に一方、自動車専用道路を走っておる自動車は、一般道路と比較すれば、ガソリンにいたしましても、時間にいたしましても、莫大な利益を得ておる。従って、税負担の面から見ましても、そのものの恩恵を受けておるのであるし、それから旅客運賃におきましても、発着、到着の位置が同じであれば、二重の運賃差を設けるべきことではない。税負担の公平というような面から見れば、これは当然有料道路として料金を払い、税で取った分は一般道路に回すのが当然である。従って、大臣の言われるような無料公開高速自動車道路網を建設する、そういう予定だなんということは、将来は知らぬけれども、今の段階では夢物語で、一つの詭弁であるとしかわれわれとしては考えられないところなんであります。  それでまた法律論に入っていきますけれども道路運送法の第二条八項に一般自動車道と専用自動車道と分けてありますが、一般自動車道と今回建設省で提案した高速自動車国道法とはどういうところが違うのであるか、この点を一つ明らかにしていただきたい。
  23. 富樫凱一

    富樫政府委員 私ども法律はよくわからないのでございますが、道路運送法目的といたしておりますのは「道路運送事業の適正な運営及び公正な競争を確保するとともに、道路運送に関する秩序を確立することにより、道路運送の総合的な発達を図り、もって公共の福祉を増進することを目的とする。」こうあるわけでございます。それで、第二条の三項に自動車道事業の定義がございまして、「一般自動車道をもっぱら自動車交通の用に供する事業をいう。」こうなっておる。そこの中の一般自動車道というものの定義を八項でいたしておるわけでございまして、「「自動車道」とは、もっぱら自動車交通の用に供することを目的として設けられた道をいい、」こうなっておるわけでございます。従いまして、これはそのもとに自動車道事業というものがあってできる自動車道でありますから、根本的にはその自動車道企業をするということでございます。従って、この自動車道高速自動車国道とは根本的に観念が違うものと思うわけでございますが、一般自動車道と専用自動車道とございます。この専用自動車道というのは、限られた者が交通する自動車道であろうと思うのでありますが、そういう点で高速自動車国道とは差異があるものと考えております。
  24. 中島巖

    中島(巖)委員 東京で現在新橋、数寄屋橋間で自動車道建設しておる。あれは道路運送法によってやっておる。しかもこれは無料公開だというようなことを聞いておりますが、無料公開ということになると、これはあなたの方の所管になるか、運輸省の方の所管になるか。
  25. 富樫凱一

    富樫政府委員 お話しのように、東京高速道路無料公開という条件を付せられまして、無料公開にすることにいたしておりますが、あれは単に道路だけではなくて、その下を利用するという二つ目的を持った一つ企業でございます。一般自動車道としてこれは道路運送法によって免許されておるわけでございますけれども、この上の道路無料であるということだけで、これは道路運送法道路ではなくて道路だということにはならぬのであります。と申しますのは、道路法の方できめてありますのは、道路の種類がございまして、国道から市町村道まであるわけでございます。そのどれにもあれは該当しておらぬのでありますから、道路運送法による自動車道ということで免許を受けたわけでございます。
  26. 中島巖

    中島(巖)委員 ただいまのところあまりはっきりしないのです。まだ法案審議には入っておらないのですが、昨日大臣説明されました道路公団法の一部を改正する法律案、この中を見ますと、やはりこれらの高速自動車道の下の倉庫だとか店舗だとかガソリン・スタンドだとかいうものを道路公団で行うことができるように規定されておる。そうすれば、ただいま道路運送法で許可したるところの東京高速自動車道と同じ結果になるわけで、むしろ道路公団でやる高速自動車道の方は料金をとって、片方は料金をとらぬ、そうなってくると、どうもその辺がはっきりせぬのです。法的にどういうものであるか、その見解を明らかにしてもらいた。
  27. 富樫凱一

    富樫政府委員 なるほど申される実体は似たものでございます。しかし道路公団が実施いたしますものは道路法上の道路でありまして、それぞれ管理者がきめられておるものでございます。この道路運送法によります管理者といいますと、それぞれの私人が管理者になっておるわけでありまして、道路法上の道路になりますと、道路法にその管理者がきめられておるわけでありますから、その点が違うわけであります。
  28. 中島巖

    中島(巖)委員 つまり公物であるか私物であるかの違いである、その他は違いがない、こういうふうに解釈してよろしいのですか。
  29. 富樫凱一

    富樫政府委員 実体は似たものでございます。
  30. 中島巖

    中島(巖)委員 そうしますと、昨日大臣説明された道路公団法の一部を改正する法律案におきましては、この高速国道を道路公団建設するということ、さらに倉庫とか、ガソリン・スタンドとか待避場その他の設備をしたものを道路公団が管理することができる、かように規定されたわけであります。従って高速自動車道のガソリン・スタンドなんかは何千坪というようなものが要る、それから立体交差でありますから、都市周辺におきましては膨大な倉庫業とか貸し店舗というものができる、こういう関係になってくるわけであります。従ってこれは上の道路有料道路である。しかし先ほどの大臣説明のように、現在はそうであっても、何十年、何百年かの後にはこれは無料公開になるのだから公物であって、いわゆる道路運送法一般道路とは違うのだ、こういう御答弁でありますけれども、たとえばその上の道路が償還された場合において、この倉庫業、ガソリン・スタンドというものは結局道路が償還されて国有となってしまえば、これは付属事業でなくて、全く独立した倉庫事業なりあるいはガソリン業なり、あるいはスタンドであり、待避場なりになってしまうわけです。その辺はどういうふうに御解釈になっておりますか。
  31. 富樫凱一

    富樫政府委員 道路公団法の改正でただいま申されましたような施設を持った有料道路建設することを実施いたしたいと考えておるわけでございますが、この有料道路が償還が済めば無料になるわけであります。また建設されましたガソリン・スタンドや休憩所も国のものになるわけでございます。ただその国のものを運営いたしますのをだれがするかということがあるわけでございますが、その点につきましては、ただいまのところ道路公団がやっておったものを引き続き実施するには道路公団が適当ではなかろうかということを考えておるわけでございます。
  32. 中島巖

    中島(巖)委員 そうしはすと、先ほど御答弁になった公物であるか私物であるか、こういう問題になってくると、結局公物というものは行政府が民衆に供するものであって、しかも公けの目的を持って供するものである、そういうようにわれわれは行政機関が供するものだというように考えておるわけであります。しかしただいまのような御説明になってくると、これが倉庫とかあるいはガソリン・スタンドとかいう一つの事業を目的として永久に残るものである、公物であるというようなことは言えないのじゃないか、こういうふうに考えるのであります。この点に対するお考えはどうですか。
  33. 富樫凱一

    富樫政府委員 これは有料道路が償還されますと、ガソリン・スタンドでも休憩所でも、あるいは高架の下に施設いたしましたものも全部国のものになるわけでございます。この公団法を改正しまして、そういった業務も実施いたすように考えておりますけれども、これも有料道路の事業を促進するためにとられる手段でございまして、ほんとうはそういう高架下もなるべくあけておきたいわけであります。ただ都市などを通過いたしますときに、用地の買収なり移転の促進なりのために利用した方がいい場合に、その下を利用するわけでございまして、東京高速道路のように、むしろ下を利用して、上の道路がつけたりと申しては何でございますが、そういう二つ目的を持っておる。この場合には、それ以外の、下を利用しない道路というものはないわけであります。ということでありますから、この考え方は、有料道路にそういった事業も合せて行うということは、有料道路建設を促進するという意味からとられたもので、適当であろうと考えているわけでございます。
  34. 中島巖

    中島(巖)委員 そこでいつまで議論しておってもしようがないけれども、これは非常に私としては法的に疑義があると思うのです。ただいま申し上げましたように、道路運送法に運輸省で規定されたところの道路でも、無料公開するただいま申し上げるような道路もある。そして道路運送法におきましても、一般自動車道ということが規定されておる。そして建設省で今回提案されました高速自動車国道法案によりましても、ただいま言うような倉庫やガソリン・スタンドや、そして料金をとる。こういうように同じように錯綜したところの法律二つここに現存してきておる。これはどうしても法的にわれわれが了解できぬところなのです。
  35. 南條徳男

    南條国務大臣 その点は私が申し上げます。その点で先ほど私は概略申し上げましたが、基本は、中島委員に申し上げたいのですが、道路運送法の方は、どこまでも私企業の、営利を目的とするための自動車道路が道路運送法における運輸省の認可によるものであります。一方高速自動車道の方は、国道の一部でありまして、一時建設資金を得るために道路公団をして有料道路にしておりますけれども建設費が償還された場合においては、これは全部国に返って公開するものだ、無償でこれが国のものとなる、こういうのであります。そこに非常に基本的な違いがあるということを申し上げたい。そこで今度の今提案中でありまする道路公団法の一部改正の中に、いろいろな倉庫だとかガソリン・スタンド、その施設の建設管理道路公団がするのだ、これも利益を上げるのは不都合ではないか云々と申されますけれども、先ほど政府委員からの答弁のように、これらも建設費が償還をされたときには全部あげて国のものになる、国有になるのだ、従ってなった場合にこれらを管理するものが、かりに道路公団がいたしましても、それによって上る利益はみんな国民のものになる、国の所得となるのでありますから、道路運送法によりまする私企業の営利を目的とする仕事とは、全く観念が違うものである。そこでありますから、これを一般道路法上の道路として扱い、片方は個人の営利事業のためにするのであるから、道路運送法によって運輸大臣の認可による、そういうふうに扱う。こういうことが非常に大きな違いであると思います。
  36. 中島巖

    中島(巖)委員 これは議論になりますけれども、先ほど私が説明したように、東京都の高速自動車道は、最初から無料公開をする、それを運輸省で道路運送法によって許可しておる、こういう状態でしょう。従ってそれから道路運送法によるところの一般自動車道とこの高速自動車道とどう違うか、こういうように考えたときに、今大臣の言われるのは、将来は無料公開になるのだから、私企業との区別であるから、こういうようなことを言われるのであるけれども、現在道路運送法によって許可したる道路が最初から無料公開にされるのはどうか、こういうようなことになって、非常に矛盾が露呈してきておるのですが。
  37. 南條徳男

    南條国務大臣 その点は、今例を上げたから申し上げますが、私のさきの観念でいいますと、今の東京高速度道路のように、上は無料であるけれども、これは下の方の倉庫その他の店舗が有料で、これを営業目的にしておるのでありまして、これは上の無料道路と下の有料のものを一体にした営業目的でできておる道路である。従ってこれは私企業が自分の営利の目的でやっておるのであるから、道路運送法によって、運輸省が認可する。これは建設費が償還されましても、将来は決して国に還元して国のものになるわけじゃないのです。どこまでもこれは私企業の営利の目的のための利益配当になっていくのです。一方の方の公団のやりまするいろいろな事業設備は、将来建設費が償還されますれば、あげて全部国に返還するのでありますから、その点において非常な違いがある、こういうことであります。その点を一つ誤解のないように申し上げておきます。
  38. 中島巖

    中島(巖)委員 あの道路は下と関連はありますけれども、別に上の道路道路無料公開しておるので、下とは切り離して考えていいと思う。従って切り離して考えるとすれば、これは建設省で、この高速自動車国道法で管理したらどうか、こういうように考えるわけです。それから法的な解釈に入るわけですが、この道路運送法第二条の一般自動車道と、建設省の今度の、現在審議しておるところの高速自動車国道とはどういうように違うのか。
  39. 富樫凱一

    富樫政府委員 さっき申し上げましたことを繰り返すことになるわけでございますが、道路運送法自動車道は、私企業道路であるということでございます。従って営利を目的としており、この事業によって利潤を生んでいかなければならない道路であります。その点が高速自動車国道とは根本的に違う点でございます。
  40. 中島巖

    中島(巖)委員 私企業道路道路運送法道路であり、そして国で建設するところの公けの道路高速自動車国道である、こういう御答弁でありましたけれども高速自動車国道道路公団建設することになっておることははっきりいたしておるわけであります。そこで、運輸省、日本国有鉄道が自分で建設しておるところの国道がたくさんあるわけです。福島県の白河にあるのです。自動車専用道路がある。そうすれば、これはあなたの説からいえば、この高速自動車国道法で管理すべきものだと思うのです。この点いかがでありますか。
  41. 富樫凱一

    富樫政府委員 白河の専用道路は、まだできておらぬそうでございますが、できましたといたしましても、これは企業でありまして、利潤を生んでいく自動車道でございますので、その点で高速自動車国道とは全然違うわけであります。
  42. 中島巖

    中島(巖)委員 そうしますと、利潤を生まないところの高速自動車道ならば……、どうも今の……。
  43. 南條徳男

    南條国務大臣 それは先ほどから私が申し上げておりますが、ちょっと食い違っているかしらぬが、かりに今の国鉄がそういう専用自動車道をやった場合に、これは国鉄が営利目的のためにやるものであって、利潤を生んだ場合にはその収入は全部国鉄の利益になるのです。一方において高速自動車道の方は、建設省に償還するために一応その方便として有料にしてあるのでありますから、その償還ができた場合においては全部あげてこれは国に戻す、決してこれは営利を目的とするのではないのです。ですからその点は幾ら道路公団が施設を管理しまして、いろいろな倉庫だとかあるいは店舗において高架下の利益をあげましても、これは営利目的でやるのじゃないのでありまして、早く建設省に償還させるための方法としてやるのでありますから、償還年限が早く済めば、これは全部国へ返る、そこに私企業と申しますか、営利を目的としている道路運送法と、この高速自動車国道法との非常に根本的な違いがあるということだけは一つ……。
  44. 中島巖

    中島(巖)委員 そうすると大臣は、国鉄は営利を目的としてやっておる、こういう御解釈になっておるのですか。
  45. 南條徳男

    南條国務大臣 国鉄は今日独立採算制でありまして、これは国鉄自体の営利を目的として成り立っておる企業だ、こう解釈いたします。
  46. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 関連して。今中島委員から質疑を行われておるのは——道路運送法に基く道路と、それから高速自動車国道法に基く道路との区別というものは、そういう意味を持っておるものだという建設大臣の御意見は、われわれもよく了解はつく。何もその点に疑義を持っておるのではない。ただ立法の建前が明確になっておらぬ。法理論的な観点から中島君が質問をいたしておる。  そこで問題になるのは、道路運送法には、私企業であるとか、私企業でないとかいう文句はないので、ただ道路運送事業を行う事業ということが書いてある。私企業であるとか公共事業であるとかいうことは書いてない。そしてこの事業とは、「自動車運送事業、自動車道事業、自動車運送取扱事業及び軽車両運送事業をいう。」こう書いてあるのです。私企業であるとか、私企業でないとかいうことはない。ただ実質的には今大臣がおっしゃったような性格を持っておるのだから、この二つ法律の取扱いは、そういう性格をもって取り扱っておるものだ、こういうことについては理解がつく。ただ立法的にこれが明確を欠いておるのじゃないか。もしそうだとするならば、何ゆえにこれに私企業でなければならぬということを書かないか。運送事業というようなものは国鉄がやっても運送事業、それから道路公団がこの有料のものをやって、駐車場やその他の附帯事業等をやりますならば、それも一つの事業になってくる。そういうことでここは将来混同するようなことになる。ことにこの道路運送事業の中にも、やはり「公共の福祉を増進することを目的とする。」という公共の福祉が、法文の中に指示されておる。公共の福祉でなくてはならぬということを指示されておる。そうして実質的にはいろいろな立法の混同になる。そういうように私企業々々々とおっしゃるなら何ゆえ私企業ということを法文の中に明確にされないか、実質的に公共の団体でも、将来日本の近代的な交通機関というものを整備する段階になりますと、近代的な運送事業が国家の力で行われるようなことになってくる傾向を当然持っておるのであって、そうするとこの法律というものはどうも明確を欠くのじゃなかろうかというところに、中島委員質問の要旨があると思う。その点を一つ明らかにしていただきたい。
  47. 富樫凱一

    富樫政府委員 なるほど言われます通り私企業ということはそこには書いてありませんが、この六十一条を見ますと「自動車道事業者は、一般自動車道の使用料金を定め、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同様とする。」とありまして、二項の一号に「能率的な経営の下における適正な原価を償い、且つ、適正な利潤を含むものであること。」、こういうことが規定されておるわけでございます。それから四十七条に「自動車道事業を経営しようとする者は、運輸大臣及び建設大臣の免許を受けなければならない。」という規定があるわけでございます。これらを勘案いたしますと、この自動車道事業というものはまず私企業考えておるものである、こういうことを申し上げたわけでございます。
  48. 中島巖

    中島(巖)委員 そうしますと、現在審議中の道路整備特別措置法の一部を改正する法律案の第十一条において、「高速自動車国道に係る料金の額は、高速自動車国道の新設、改築その他の管理に要する費用で政令で定めるものを償うものであり、かつ、公正妥当なものでなければならない。この場合における料金の徴収期間の基準は、政令で定める。」、こういうことになっておりまして、やはりこれも料金をとり、そうしてそれらを政令で定める、こういうことになっておるわけでありまして、従ってこれは道路公団のやるところの料金の徴収あるいはその附帯設備ということも事業である、どうもこの辺が、大臣の言われる意味はわかりますけれども、法的に明確を欠いておるということを申し上げたい、これに対して一つ答弁を願いた、
  49. 富樫凱一

    富樫政府委員 道路整備特別措置法の一部を改正する法律案におきまして、料金のことと償還期限のことが書いてあるわけでありますが、料金につきましては管理に要する費用を償うものであることが一つでございますが、この管理に要する費用の中には利潤を入れてないわけでございます。
  50. 中島巖

    中島(巖)委員 どうも法的に、答弁を求めれば求めるほどどこまでいってもすっきりしないのです。これは私最初冒頭に申し上げましたように、とにかく大正八年にできた道路法である、それから昭和二十七年に一部改正はしてありますけれども、その改正点は自動車局長より答弁があったように、いろいろな税制の改革なんかに伴ったところのそれを元といたしたところの改正であって、そうして自動車というようなことを何ら考慮に入れなかった修正であった。従って三十数年前に出したところの道路運送法に持っていって、近来の高速自動車国道法をその一部として突っ込んだところに非常な矛盾がこの法案の上に露呈してきておる、こういうように私は解釈しておるわけであります。従って、これは道路法道路運送法も根本的に改正しなければならぬ、そしていわゆる第三陸上交通路ともいうべきところの高速自動車国道に対する法案も別にこしらえなければならぬ、こういう時期に来ておると思うのです。そこで私が指摘して政府の方々に対してその認識を改めていただきたいと思いますのは、昭和三十二年の二月十三日に、運輸省と建設省でもって高速自動車道路の取扱いについての覚書をかわしております。その第一といたしまして、国土開発縦貫自動車道建設法案成立の暁において同法により建設せらるべき道路及びその他それに準ずべき高速自動車道路は、従来の道路と若干性格の異なったものである——これがいかぬと思うのですよ。運輸省も建設省も、この高速自動車道を、従来の道路と若干異なったものであるというこの程度の御認識でもってこの法案を提出されるから、至るところにすっきりせぬ矛盾したものが出てくるのじゃないか、こういうように考えるわけであります。そこでこういうことを大臣並びに道路局長に申し上げてははなはだ失礼かと思いますけれども、いかにしてもすっきりせぬ、質疑応答を通じて了解できぬ法案であるということだけははっきり申し上げておくわけであります。  ここで時間をとっておりましても、しようがありませんから進めることにいたしますけれども、この高速自動車国道法案を見て参りますと、建設の面に関することは比較的完備しておりますけれども、管理面あるいは管理上の罰則に対する面について、昨日も同僚から質疑されましたが、罰則は若干ありますけれども、非常にこれがゆるやかだと思う。たとえばきのうの局長説明のように最低六十キロ、最高百二十キロくらいの速度で走る道路ということになると、一つ石が落ちていてもものすごい事故がそこで起きることになると思うのです。これらに対しての罰則が不十分じゃないか、道路公団がこれを管理する場合においては、国家賠償法なんかでこれらの損害に対する請求ができるかどうか、こういうような点をこの際一つ明らかにしていただきたい、こういうように思います。
  51. 富樫凱一

    富樫政府委員 罰則の点でございますが、この点につきましては法務省と十分に協議いたしまして、法務省の意見をいれまして定めたものでございますので、この規定で適当であろうかと考えておるわけでございます。  それから道路公団が国家賠償法の中の国とみなされるかの問題でございますが、道路公団はこの国家賠償法にきめております公共団体に該当いたしますので、国家賠償法の規定によりまして公団が賠償することになるわけでございます。
  52. 中島巖

    中島(巖)委員 その点は明らかになりましたが、そこで今局長は法務省と打ち合せをしたと言われますけれども、こういう問題は日本の画期的な問題で、やはり外国のアウトバーンなどの法律を十分御研究になって立案される必要があるのじゃないかと思うのです。どうもこの第三陸上交通路として新しく画期的な高速自動車国道法案が提出されておるにもかかわらず、これらの管理その他の面におきまして、鉄道の管理に関する規定なんかから比較してみましても非常にお粗末な、わずかあとの方に三条か四条しか管理とか罰則ということがないので、これでは非常にどうかと思うのであります。  それから、これはあとで質問に入るところの道路公団法の一部を改正する法律案の際に質問をいたしますが、結局非常に大きな権限を道路公団が持つことになるのです。結局立体交差でありますから、都市に入りますればほとんど下が倉庫、店舗になるが、それらの権限を一切道路公団が持つことになる。従ってこれらの管理とか罰則というような規定をもう少し十分考えてやらぬと、今の国鉄の汚職なんていうようなものよりももっと大きな問題が出てくると思うのであります。そうして補償の問題でありますけれども、昨日も同僚委員から質問があったと思うのですが、結局これは電車とか国道とかあるいは大きな道路とかいうふうなところは立体交差はできましょうが、一々農道といったところを立体交差にするわけにいかぬ。従って二十なり三十なり全部を集約してそこで立体交差にしなければならぬが、その場合の補償はどうするか。あるいは一人の農家の農地をこの国道でもって両分した場合は、普通鉄道ならば汽車の通る合間を縫ってできるけれども、これもこの高速自動車道ではできぬ。そうするとこれらの補償をどうするか、こういう問題が起きてくるわけであります。これはこの法律とは別に政令で定めるのであるか、あるいは土地収用法を適用するのであるかということになるわけでありますが、この点もはっきりしておかなければいけませんけれども道路法によるところの道路であるから土地収用法の適用はできると思うのでありますが、この点について政府はどういうお考えを持っておられるか。
  53. 富樫凱一

    富樫政府委員 お話のように高速自動車国道は、農道を横切る場合がたくさん起るわけでございます。これらの農道についても立体交差にしていくつもりでございますが、ただ農道がきわめて接近して何本もあるというような場合には、これは一本にまとめる必要も起ろうかと考えております。ただそのために農地が分断されまして、一方の農地の価額が低くなるというような場合には補償をいたすことに考えておるわけでございますが、この高速自動車国道道路でありますので、土地収用法が適用になるわけでありまして、この規定に基きまして補償をいたしていく考えでございます。
  54. 中島巖

    中島(巖)委員 今土地収用法の問題が出ましたが、これは道路法によるところの道路はむろんできるでしょう、しかし付設設備として道路公団の行うガソリン・スタンドとか休憩所とか退避所とかいうようなものに対しても土地収用法の適用ができるかどうか、この点をお伺いしたい。
  55. 富樫凱一

    富樫政府委員 ガソリン・スタンドあるいは休憩所の敷地は、ただいまのところ道路の付属物にはなっておりませんので、この部分につきましては土地収用法の適用はございません。
  56. 中島巖

    中島(巖)委員 法案を見まして、どうも法律的に見てすっきりしないのでありまして、これはあまりくどいようでありますけれども、どうしても、この法案と前の道路運送法なり道路法との間に根本的な非常な矛盾があるから、こういう結果になっておると思うのであります。大臣も非常にお急ぎのように聞きましたし、すでに十二時十五分になっておりますので、以上をもちまして、はなはだ了解はできぬけれども、私の質問を終ります。
  57. 薩摩雄次

    薩摩委員長 ほかに御質疑はございませんか……。
  58. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 ただいま中島委員との質疑応答の中で、ちょっと明確を欠いた点があるのです。それは道路整備特別措置法の問題で、今例をあげられました第十一条の第一項です。中島君が読み上げたように、「高速自動車国道に係る料金の額は、高速自動車国道の新設、改築その他の管理を要する費用で政令で定めるものを償うものであり、かつ、公正妥当なものでなければならない。この場合における料金の徴収期間の基準は、政令で定める。」こういうことになっておりまして、高速自動車道の新設は、先日も申し上げたように、その個々の、たとえば小牧名古屋間というように工事を部分に切って、明確な何々線というものがある場合と、相当長距離の場合と、そしてその長距離の場合においては、建設大臣もおっしゃったように、区間的にはこの距離は有料、この距離は有料でできないというものが、将来起ると思うのです。そうしたときに、この改正では不十分ではないかと思うわけなのです。そこで今の条文の中に、「高速自動車国道に係る料金の額は、」その次に、「当該高速自動車国道の新設」というように「当該」の字を入れて、その区画をはっきりさせないと、これではどうもその点が非常に明確を欠いておるのじゃないかと思うのですが、その点はどうなんですか、一つ明確にしておいてもらいたい。
  59. 三橋信一

    ○三橋説明員 ただいま御指摘の点でございますが、十一条において当該を実は入れておりません。これは御指摘の通りでございます。当該を入れませんでした理由といたしましては、たとえば名古屋神戸間を作るにいたしましても、これは三年といい、あるいは五年くらいかかるかもしれぬといっております。その際に一部分——百九十キロのうち五十キロまではできたといたしまして、それをそのまま全部ができるまで遊ばしておくか、これは非常な不経済な問題だと考えておる次第でございます。そこで一部分できました際にも、その区間につきましては供用を開始することも考えなくちゃいかぬじゃないか、そういうふうに考えました結果、当該と書きますと、その百九十キロのうちの五十キロだけについての料金をきめるということになる可能性もございますので、そこで百九十キロの全体につきまして妥当な料金をきめまして、そのうちの五十キロ分をその区間の料金として供用を開始したい、そういうような意図があったわけでございます。そういう意味におきまして、大体一体性をもって考えられる路線につきましては、その区間についての共通の料金をきめて参りたい、そういう考えから当該という字を落しまして、ただいまの十一条のような表現にしたわけでございます。
  60. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 今の御説明はおかしいと思うのです。今の説明の通りであるから、むしろ当該が要るんじゃないですか。百九十キロのうち五十キロできたら、さしあたりその五十キロを当該区間としてきめるということにしないと、全体を含めてきめなければならぬということになりますから、全体の百九十キロ云々ということに言わなければならぬことになるのであって、そのことこそが現実に即さない立法になるのじゃないか、こう思うのですが、どうですか。
  61. 富樫凱一

    富樫政府委員 今の前田先生のお尋ねでございますが、なるほどそう書いた方が明確になる場合もございますが、先ほど路政課長の言ったようにいたしますともっと幅が広くなるわけでございまして、そういった意味で、多少そういう疑点はございますが、かように規定いたしたのでございます。
  62. 中島巖

    中島(巖)委員 ちょっと今の問題なんですが、この第四条の第一項の一号に、「国土開発縦貫自動車道予定路線のうちから政令でその路線を指定したもの」とあるこれは、どういう意味でこういうことを書いたのですか。
  63. 富樫凱一

    富樫政府委員 国土開発縦貫自動車道建設法によりまして、国土開発縦貫自動車道予定路線がきまるわけでございます。それとこの高速自動車国道と関連をつけますときに、このうちから政令でその路線を指定したものを国道とするわけでございまして、従って、国道として建設管理をするということにいたしたのでございます。
  64. 中島巖

    中島(巖)委員 そうしますと、国土開発縦貫自動車道予定路線は、これはいわゆる審議会の議を経て内閣総理大臣国会へ出して、国会法律としてきめなければならぬ。つまり国今において法律として決定したのが予定路線、そういうことですね。その予定路線を政令できめなければ高速自動車国道にならぬということに、この文面から見るとなるわけであって、逆に申しますれば、国会の議決よりも政令の方が優先するということに解釈できるようになるのですが、この点はいかがですか。
  65. 富樫凱一

    富樫政府委員 国土開発縦貫自動車道建設するためには、この高速自動車国道の国道にしなければならぬわけでございます。お話のように、国土開発縦貫自動車道予定路線は法律できまるのでございますから、その中から建設すべきものを国道として建設していくということでございますので、その点のそごはないものと考えております。
  66. 中島巖

    中島(巖)委員 そうすれば逆に考えて、国会で議決した法律で決定した予定路線が、結局政令できめない場合は高速自動車国道にはなり得ないということがある、こういうように解釈してよろしいのですか。
  67. 富樫凱一

    富樫政府委員 これは法律予定路線がきまるのでありますから、それに基いて国道にして建設していくということでございます。縦貫道道路の面からいってどういう性質の道路か、この法律との関連ではっきりいたしませんから、こういうことで明確にしようということで規定したわけであります。
  68. 中島巖

    中島(巖)委員 どうもわからぬ。つまり予定路線の決定は内閣総理大臣審議会の議を経て国会へ出して、国会法律で決定する。それがすなわち予定路線で、その予定路線のうちから政令でその路線を指定しなければ、高速自動車国道にならないということになると、結局審議会の議を経て法律で決定したものより政令の方が上になる、優先するという、この文章から見ればこういう解釈をせざるを得ないのですが、もし何かの法律上、政令できめねばならぬのでその事務手続の方法としてこういうことを入れたのであるか、事務手続ではなくして、政令できめなければ高速自動車国道にならないのか、この点をはっきりしておきたい。
  69. 富樫凱一

    富樫政府委員 これは事務手続として入れたものでございまして、路線を指定して、道路法上の道路にするという手続をこれによって踏むわけでございます。道路法上の道路になりますと、道路法の規定がこの線に働きますので、それによって土地収用も可能になりますし、建設大臣建設することも可能になってくるわけであります。
  70. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 そうすると国土開発縦貫自動車道法に基いて道路ができる。しかしその予定路線というものは審議会の議を経て国会の議決によって予定路線というものが出てくる。それですでに縦貫道における道路というものは、法律の建前でそこに予定路線もでき、道路法に基く道路というものが一つあるわけなんです。あるけれども建設省道路法に基いて道路整備を行うという場合に今の政令が必要だ、こうおっしゃるんだろうと思うのです。政令が立法府の指示することを制限するのでなくて立法府で決定したことの一部を——一部か全部かわからぬけれども、政令に基いてこの部面を道路法に基いてやる。もし政令を出さない場合においてはどうなるか、政令を出さない場合においてもこれは縦貫自動車道法に基いて当然やらなければならぬということにならないと、政令が縦貫自動車道法を制限する、政令が優位に立つ、こう解釈されるおそれがあると私は思うので、それはそうでなくて、ただ、今局長がおっしゃったように、行政措置を行うのに道路法に基いてやることが適当であると思って道路法でやることになると、道路法できめられておる政令によってこれを義務づけるか、その範囲の中に入れて工事を行う、こう解釈してはどうかと思うのですが、それでよろしいですか。
  71. 富樫凱一

    富樫政府委員 その通りでございます。
  72. 南條徳男

    南條国務大臣 この問題でちょっと他の例を申し上げますが、鉄道の審議会がございます。これは日本国内の鉄道の路線を鉄道敷設法によってきめてあります。しかしながらこの敷設法によってきめた路線は何百線とありますが、毎年国の予算において実施できる線としてどれをきめるかということは、鉄道審議会にかけましてきめる。そうしてそれを毎年実施しておるわけであります。ですから敷設法できまっておる国鉄の路線のうち実施するものをまた政令できめる。こういう例にならってこの場合でも規定したものと御解釈願いたい。決して政令が法律より上だという解釈ではないのであります。
  73. 薩摩雄次

    薩摩委員長 ほかに御質疑はありませんか——ないようでありますから、両案に対する質疑はこれにて終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 薩摩雄次

    薩摩委員長 御異議ないものと認めます。両案に対する討論採決は明日行います。  明日は午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十六分散会