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小川(豊)
委員 どうも
反対者はないというが、それでは事実を申し上げるよりなくなってしまったのです。私は実は離れておるからよく事情を知らなかったのですが、昨年の暮れに松戸の市長さんその他市
会議員の方々が見えて、うちの方に
公団の
土地が三十五万坪ほどできる。これができると市街地ができるから、松戸の財政というものは非常によくなるのだ。ぜひ私
どもではやりたいと思うのだが、
地元の
農民が結束して
反対しておるから、何か新聞を押えてくれないか、こういう話まで受けて、それから
農民の方々に会って事情を聞いてみたところが、ここでは三十五万坪の民有地が
減歩によって五万八千四百五十坪、保留地といいますか、これが六万三千坪、それから食糧増加一万五千百四十五坪、計十三万六千六百坪となるのです。
農民は、三十五万坪のうち十三万六千六百坪を
無償で提供しなければならなくなる、これではとうていわれわれは
農業はやっていけない、だから
反対するので、ただむやみに
反対しているのではない。それではほかの
農民が賛成したらどういうことになるかと言ったら、賛成している人はこの
土地に住んでいるのではなくて、よその
土地に住んでここに
山林その他の
原野を持っているので、そういう人たちは何ば
減歩してもそこを売れば、
あとは
値上りするからこの人たちは賛成しているのだ、ところがこの中に住んで
農業を営んでおるわれわれはこれに賛成することはできない、こういうことです。今の
総裁の
お話だと大部分が賛成して、残っているものはごく例外だと言うが、賛成したのはそこに居住している人ではなくて、よそに居住してそこに
土地を持っている、いわゆる不在地主的な
山林原野を持っている人たちなのだ、その中に畑を持ち、水田を持って
農業を営んでいる人たちは、こぞって
反対であるということを私
どもはしばしば聞いて、これはちょっと手のつけようがないじゃないか、こう思って帰ってきて、そうして市長さんにも、これはもっと
農民が納得するように、あまり
農民に損をかけないようにやらなければ解決しないのではないか、
公団ともっと折衝をしたらどうなんだと言ったら、
公団の方は三割四分七厘、これは負けることはできないのだ、こう言っているというから、
公団が負けるとか負けないというのはおかしいじゃないか、
公団にそんな権限があるのかないのか、もう一回交渉したらどうだ、こう市長さんに言ったら、市長さんはその後県を通じて話をしたら、何分とかは引いてよろしいと
公団が言ったという。そうすると
公団に三割四分七厘というものは何を根拠にして出してきて、引くことができない、あるいはそれは引いて負けてもいいのだという弾力というものは、一体どこから出てくるのか、私はなお疑問になったので、その問題はもう手をつけ得ない、こう思っているわけですが、今のように、よそに居住してそこに相当広大な
土地を持っている人は、それを売っても自分に
関係ない。そこに住んで家を建てて、そこを全体の区域として
農業を営んでいる人から三割四分七厘という
土地を
無償で提供させるということは、私はこの場合において
農民は決して
受益者ではないと思う。
受益者とはそこに住んでいる人が
受益者である。従ってそこに
土地を持って、その
土地を離れてよそへ行かなければならない
農民というものは決して
受益者ではない。それにこの三割四分七厘というものは、
あとであなたの方で買い取るとしても、六割というものしか買い取らないというのであるから、これは
受益者どころではない。私はむしろその意味においては
被害者的な立場に立つのではないか、こうも考えておるのですが、この点
総裁のお考えはどうなのですか。