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吉田(賢)
委員 これは今
次長の御
説明ではちょっと納得しにくいのですが、二項の
規定で適当に
計算をいたしまして、四倍なら四倍、十倍なら十倍、そういうふうに
物価高なら
物価高の地方で
外交官が
活動できるように、
予算を組むということが必要でないでしょうか。このことは私は別の機会にこの
委員会において申し上げたこともあるのです。ちょうど私も昨年
衆議院議長と同伴しまして
カナダへ参ったのでありますが、あのときの実例に徴してみましても、何か
外交官の正規な、当然の、われわれから見ればなお物足りないくらいな
活動すら、
予算不十分のために一そう不十分な印象を受けた。特に
カナダとかアメリカとかいうような
経済事情が手に取るようにわかり切ったところにおいてさえ、そういう感じを受けたのでありますから、
ソ連の
物価関係のような、なお十分に把握しにくいような面もあり、あるいはまた
国交回復交渉というような場面の
活動でありますから、何かと相当必要なものがあるのではないだろうか、そういうときにやはり必要の限界において
相当予算を出す、もしこれが不当に乱費されるようなことがあるならば、それはまた別の面から規正をすればいいのであって、言いかえますと、
大蔵省と
外務省のお互いの立場が国内的な
旅費の設定の仕方、まかないの
方法の
協議というような面で、何か
外交をどっちがやるかわからないような結果を来たしては大
へんだと私は思うのであります。やはりそこは千編一律な、画一的な行き方という
外交に陥っては大
へんでありますので、この点は私はどちらに加担する意味でもなしに、公平に見て、やはり
庁費でまかなったというようなことがいかにも変則で、こういうようなのは
世界各国にあるのだろうかということを実は考えるのであります。といいますのは、私らも知り合いの若い
外交官が、ほんとの
活動をするためになかなかに
経費が要るので、自分の俸給を食いあるいは借金をしするような実情も聞くのであります。そういうことも思うと、何かこの重大な
案件で、その大きな
割合が
庁費にかかっておるので、
庁費がまたその他の
庁費の圧迫になっておるのではないだろうか、こういうことも感じるのであります。これらの点につきましては
大蔵省が
外交を制肘するというような結果に
財政の上からなってくるというようなことでは、どっちが
外務省かわからないようなことになるのではないかと、私は実は憂えるの、であります。やはりそこは、乱費は別の
方法で規正しますことは前に申し上げた
通りであります、あくまでも正当な
予算の執行は責任ある人々がやるべきでありますので、その点については一項と二項の適用の仕方をあまり
大蔵省で規制していくというような
やり方は、本末を誤まる危険がありはしないかということを実は思うのであります。そういうこととともに、また一面
外務省におきましてもこんな重大な、一国を代表する
総理を
全権にして派遣する、
外務大臣を国の代表として派遣するということ、全
国民の支援を受けた
外交交渉の際に、
庁費で
全権の
活動費をまかなえというようなことに圧縮されることは、われわれ外から見ている者にはちょっと想像しがたいことなのであります。それならば、国の
予算が相違なく、正しく、適正に執行されておるかというたら、ごらんの
通りなのであります。こういうふうに思いますので、二、三千万円の金であるので、大したことじゃないけれ
ども、いかにも格好が悪いということを私はつくづく感ずるのでありまして、何かしらこういうところに
一つの欠陥があるのじゃないか、盲点があるのじゃないかということさえ、実は考えておるのであります。きょうは別に
外務大臣をお呼びしたのではないのでありますけれ
ども、ここに今後の
外交活動に通ずるべき
一つの基本的問題がひそんでおるように思うのであります。こういう問題について、
外務省はもっとしっかりと筋を通したらよかったのじゃないか。自国の
総理大臣が行くようなときに、筋もよう通せぬようなことで一体どうするのか、こういうことをしみじみ感じるのであります。次官としては、この点についてはどういうふうにお考えになっておるのか、
一つしっかりとした考え方を表明しておいてもらいたい。