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吉田(賢)
委員 私はあなたの御
誠意はわかるのだけれ
ども惜しむらくは勇断もって乱麻を断つというような、そういった
勇気を
国鉄は
ほんとうにお持ち下さるのかどうかというところに一抹の危惧の念を抱くのであります。たとえばあなた御
自身においても、当
委員会で私との
問答において、やはり暴力問題も実は出たのであります。これは必ずしも何もそれを蒸し返して言うんじゃないんですよ。けれ
どもこういう問題につきましても、やはりさらけ出してぶちまけて言うというような強さがないとなかなかやれぬと思うのです。それからまたこれは
自民党側の
諸君の
申し出によりまして、
国鉄の内部において
高架下問題について重大な過失ないしは犯罪的な事実があった場合、やはり相当切らなあいかぬ。われわれもそんなこと言うのはいやですよ。おそらくそんなことを言うのはこの
委員会だけだろうと思う。何の恩も恨みもない人に、このせちがらい時節に首を切れなんて言うことを言うのはいやですよ。けれ
どもそのくらいに、馬謖を切るくらいの
勇気がなければ、
ほんとうは不可能だと私
どもは実際
考えております。
外郭団体の
人たちといえ
ども、年をとってやはり生活の安穏を望むときに、何らかの形で収入の安定を得る手段を見つけるのは人情ですから、一概にそれをとやかく言いたくないのですけれ
ども、そういう問題にしても、やはり
鉄友会に現われたごとく、そういうときは
ほんとうに一刀両断やらなければいかぬのです。やはりここに現われた
意見というものは
国民は
世論としております。
世論にならなければいいですけれ
ども、
世論としたら、やはり広い
範囲で常識が代表されたものとして、為政者並びに
当局はこれを受け入れないといけません。それならばその前に立って
責任の所在を
ほんとうに明確にしまして、そして結末をつけるということをやらなければいかぬと思うのです。やりましたら、全国的にこれを範としましておのずから粛然として改まっていきます。これをやる
勇気がないと見たら、これはなめてきますよ。
ほんとうにそうですよ。それを思いますので、われわれもときどきそういう感がするのです。私
どもが卓をたたいて声高くこんなことを申してうやむやになったということでありましては、これは全く権威も何もなくなります。みずから
ほんとうに恥しく思うのです。けれ
どもせっかく
一つの
世論化しまして、
世論の
支持を得て、そうしてこうすることああすることが正しいのだという見当が大体ついたら、それに向って勇往邁進しなければいかぬと思うのです。そういう点においてどうも
国鉄の
幹部の皆さんはいささか
勇気が足らないと思うのです。なかなかそんなことじゃできるものじゃありません。私
どもはまだ、たとえばあなたらと大
問答をして、例の資材の問題でも工事の問題でも伺いたいことはぎょうさんありながら、時間もないのでそのままにしておりますが、
ほんとうにこれは
勇気を持ってこの問題くらい処理なさらんと、ほかの山積する問題の処理はむずかしいです。あなた御
自身が永久に副
総裁でおありになるんじゃないのだから、せめて御自分の
地位におありの間にある
仕事ぐらいやってほしいのです。それは完成せんでよろしいのです。
あとを継いでいく人が出ますから……。
ほんとうにそれを思うのです。そういうことで、
国会の
支持を受けて、
国民の
意見を背景として
断固として粛清をするというふうに乗り出していかれたら、私はこれは勝つと思います。私は今は
チャンスとしてもいいと思うのだ、あなたも今絶好の
チャンスだとおっしゃったが、非常にいいと思うのです。極端に言うなら、たかってくるやつはなくなりますよ。たかってきたらたちまちそれは表向きになっちゃうんだから、たかってくるやつがない。たかってくるやつがない間に、
ほんとうにずばっとやらなければいかぬと思います。ずばっとやるときには痛い人もあるし情ない人もそれはありますよ。けれ
ども私のところにも何人も言って見えております。投書も幾つも来ております。それは申し上げてもいいけれ
ども、こんなことは省きますが、
ほんとうにいろんな人の
名前も出るのです。出ますが、言っていないだけのことなのです。そういうことをしなくても、たんここでこういう議論が出まして、あういう
決議が出ましたら
——決議は
ほんとうに圧縮したものとされまして、これを大きく活用されて、
決議をまっこうから振りかざしていって、
決議の
趣旨に盛り込まれておるところが一応
国会の総意だというふうに御判断願って、あらゆる手を打ってもらいたい。これは
高架下だけのようですけれ
ども、
高架下は一切の社会的な罪悪的なものの
一つの縮図と私
どもは見ております。
ほんとうにそうなのです。それはある有名な人が
関係しておられる。毎月三十四、五万くらい取っております。
名前は持っておりますけれ
ども言いませんが、そんなことをしてぬくぬくと三十数万円も取っておる者がおるのですよ。それはある
範囲では苦々しく思っておるのです。こういうことを幾らやっても、結局池に石でも放り込んで一応波が立ったようだけれ
ども、
あとまたすっと直ってしまったというのじゃちょっと因る。私はそれになることをおそれるのです。実際そうなのです。だから、御
誠意はわかりますけれ
ども、
断固としてやるだけの
勇気がこれに伴わなかったらそれは
成果は上ってきません。これで
国鉄がどれだけ金が要っても、どれだけ労力を費やしても、どれだけ人にうらまれても、やってしまわなければならぬ。やっておしまいになったら何百倍する収穫を
国鉄は得なさると思います。きっとそうだと思う。私は決して大言壮語してあなたに威嚇してものを言うのじゃないのでございます。真実そう思います。でありまするので、
立法措置ということもどこに
問題点があるかということは、あなたはわれわれと違ってよく御承知なんだから、どんどんと
専門家にでも研究させたらいい。
運輸省も研究しておやりにならなければいかぬ。それは
ほんとうに時を移さずおやりなさいよ。
国会はまだ二カ月もあるのですから、末期にでも
立法措置に出るというくらいにして、これだけの
成果を上げたというくらいになさらねばいかぬと思うのです。
それからもう
一つは、私は詳しく存じませんが、
東京都だけではないと思うのです。もっと広い
範囲になっておるのか存じませんけれ
ども、
東京だけではないと思います。その辺も性質は大小いろいろ違うだろうと思いますけれ
ども、全国的な
視野でこの点はお
考えになってはどうかと思います。あちらこちらにあると思いますし、あちらこちらもあるいはかえって
東京よりも醜い場面もあるのかわかりません。そういうことを思いますので、これは
全国的視野において一応御検討になって、
一つできるだけそういう実を結ぶべき強い方策を打ち立てていただきたい。これも
一つあなたの御決心のほどをはっきりお示し願って、私はどこまでも
勇気が伴わなければこれはだめですということを申し上げておきたい。現に
外郭団体についても、
公正委員会がおありでありまして、何とかおっしゃる
都民銀行の頭取さんがあの会長をしておられますが、ここでいろいろお述べになりましたけれ
ども、あれじゃしょうがない、こんなものを幾ら作っても、それはかえって
委員会倒れになってしまう、
委員会倒れになったら、結果は
国会を瞞着したことになる。そして
責任を転嫁するものを
一つ作ったことになります。それは大へんであります。われわれはそういうことには協力いたしません。われわれはそういう傾向については絶対反対であります。私は
ほんとうに
国鉄を愛しますゆえに、筋金の通ったものを作ってもらわなければいかぬ、
断固やってもらわなければいけません。そういうことを思いまするので、従ってそれらにつきましてもあなたの
所信のほどを明らかにしておいていただきたい。