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1957-03-15 第26回国会 衆議院 決算委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年三月十五日(金曜日)     午後二時八分開議  出席委員    委員長 青野 武一君    理事 生田 宏一君 理事 關谷 勝利君    理事 山本 猛夫君 理事 坂本 泰良君    理事 吉田 賢一君       臼井 莊一君    櫻内 義雄君       床次 徳二君    淡谷 悠藏君       小川 豊明君    細田 綱吉君       山田 長司君  出席政府委員         防衛政務次官  高橋  等君         防衛庁参事官         (経理局長)  北島 武雄君         防衛庁参事官         (装備局長)  小山 雄二君  委員外出席者         防衛庁技官         (建設本部長) 山田  誠君         防衛庁事務官         (調達実施本部         長)      武内 征平君         防衛庁事務官         (調達実施本部         副本部長)   石井由太郎君         会計検査院事務         官         (第二局長)  保岡  豊君         専  門  員 黒田 久太君     ――――――――――――― 三月十三日  委員吉田賢一辞任につき、その補欠として西  村彰一君が議長指名委員に選任された。 同月十五日  委員西村彰一君及び井谷正吉辞任につき、そ  の補欠として吉田賢一君及び細田綱吉君が議長  の指名委員に選任された。 同日  吉田賢一君が理事補欠当選した。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  理事の互選  昭和三十年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十年度政府関係機関決算書     ―――――――――――――
  2. 青野武一

    青野委員長 これより会議を開きます。  本日の日程に入ります前に、理事補欠選任につきましてお諮りいたします。すなわち理事でありました吉田賢一君が去る十三日に委員辞任され、本月再び委員となられましたので、理事が一名欠員になっておりますが、これが補欠選任につきましては、選挙の手続を省略して、委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 青野武一

    青野委員長 御異議なしと認めます。  それでは、理事吉田賢一君を指名いたします。     ―――――――――――――
  4. 青野武一

    青野委員長 昭和三十年度決算を議題に供し、総理府所管防衛庁関係につきまして審査を進めます。  それでは昭和三十年度決算検査報告三六ページより五六ページに至る報告番号三三ないし四八につきまして、前会に引き続き質疑を行います。発言の通告がありまするので、これを許します。吉田賢一君。  なお吉田委員初め各委員に申し上げますが、高橋政務次官北島経理局長小山装備局長山田建設本部長武内調達実施本部長並び会計検査院から保岡第二局長が御出席になっておることを申し添えます。
  5. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 前会に引き続きましてC46輸送飛行機部品購入の問題をめぐりまして質疑を続けたいと思います。装備局長に伺いますが、この問題になっておりまするC46機は、これはアメリカから供与を受けましたときは、いずれもD型でありましたのですか。それともA型でありましたのですか、その点はいかがですか。
  6. 小山雄二

    小山政府委員 現在自衛隊供与を受けて持っておりますC46機は、全部D型でございます。
  7. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 供与を受けた当初からD型でありましたのですか、その点はいかがです。
  8. 小山雄二

    小山政府委員 供与を受けた当初からそうであります。
  9. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、A型をD型に改装したとか、そういう事実はないですね。
  10. 小山雄二

    小山政府委員 全然ございません。
  11. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 前会に伺いました技術命令書でありますが、これはやはりわれわれしろうとの常識で考えますと、飛行機に添付されて日本供与されるのが当然のように考えるのであります。これは三回にわたって供与をされておりまするが、その点ともに、エンジン等経歴書と同じく飛行機とともに日本に引き渡された、こういうことになるのじゃありませんですか。
  12. 小山雄二

    小山政府委員 本来ならば飛行機供与を受けまして、これをいろいろ運営いたしましたり、部品補給その他をやって参ります上に、どうしても技術命令書とかそういうものが必要なわけでございます。ただ現実の当時の具体的な事例といたしまして、ものとそれに付属するようなそういう書類が一致してこなかったというのが本件に関する実情でございまして、いろいろほかに装備品をたくさん供与を受けておりますが、資料が先にきて、現物が非常におくれた。現物が先に来ても、資料が必ずしも全部そろわなかったりということが間々ありまして、われわれもこういうやり方がないようにということを絶えず先方にも要求しておりますが、本件についてはそういう事例があったわけでございます。なおその経歴書は、飛行機そのものについて必ずついて参ります。
  13. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私はこの間の一番最初に聞きましたときに、この飛行機は受け取るときに完全に検査をして受け取るべきでないか、それはアメリカにおいて十分に検査をしました、日本においても検査しましたという趣旨の御答弁であったのでありますが、検査をして受け取る、従ってその際もし何か修理を必要とするときには部品が必要である。そういうときに、当然に部品調達をしなければなりませんので、技術命令書によって明らかにする以外には方法がないかのように私には考えられたのですが、そういうことが当然なことで、離すことができないものだと思う。従ってもし技術命令書が添付されないような場合には、一応受け取りを延ばして授受するというのが私は正確でないか、事故を防ぐ、もしくはものごとを確実にするゆえんでないかと思うのですが、できなかったというのはどういう事情に基くのでありますか。
  14. 小山雄二

    小山政府委員 普通航空機について申し上げますと、供与を受けます際には、大体航空自衛隊飛行機と、陸上自衛隊飛行機につきましては、部品を十七カ月半分つけてもらう話し合いになっております。海の飛行機につきましても、ツー・サービス、すなわち二回オーバーホールをやる分量だけを受けることになっております。ただ本件飛行機につきましては、実は相当程度部品が来ておるのでございますが、約十カ月分くらいの部品一緒にもらっております。これは米軍で現用しておらない飛行機でございますので、向う民間航空は使っておりますが、また製造もその後中止しておるような工合で、先方でも供与するについても、部品分量が多少窮屈であったというような関係だろうと思いますが、約十カ月分の部品をもらっております。この技術命令書とかサプライカタログというようなものをその後補給したり、引き続いて飛行機を維持運営するためのものでございますから、当座はそれで済むわけでございまして、その後の補給のための資料等は随時要求しておったのでございますが、少しおくれたわけでございますが、飛行機としては当座それで運用できるということで現物をもらったわけでございます。
  15. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 部品を十カ月分を同時に受け取ったというお話だが、しかし技術命令書を同時に受け取って部品点検するということをしなければ、これは正確に適合品であるかどうかを判断する基礎が固まってこぬと思うのですが、それはいかがですか。
  16. 小山雄二

    小山政府委員 すべてMDAPによります供与受け取ります際には、一応検査をいたしますが、これはこういう飛行機部品等修理がたくさんございまして、またこれを実際使います際には、非常に技術的な検査をして使わなければいかぬという種類のものについて、受け取りの際それはすべてやるわけには参りませんので、一応そういうことはあとにいたしまして受け取る。それで今度はわが国でいろいろ飛行機を使いまして、オーバーホールをするということになりますと、そのもらった部品なり購入した部品を使うわけでございますが、そのときはオーバーホール工場によりまして、あるいは素材の点につきましては時期的な検査をしたり、それから螢光燈を照らしてみて素材を調べるというような検査部品素材の性質まで詳しく精査しまして、それをオーバーホールのときに使っていくというようなやり方をとっておるわけでございます。
  17. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは政務次官に聞きますが、やはり事務的に私は相当な欠陥があったのじゃなかったかと思うのです。これは特に飛行機部品というような非常に精度の高いものを要求せられる部品を、受け取り、これを技術用に使用し得るように整理をするということは、私は第一の段階において最も必要な事柄でなければならぬと思います。今のお話を伺っておりますると、ともかく十カ月分として受け取る、果して内容をなすものが適合品であるかどうかという点検は、後日オーバーホール等の際にこれをするというお話であるのだが、そういうようなことは、やはりつかんで、受け取って、何か必要のあったときにはこれを開いて調べるというふうにもなるおそれがあります。やはり私はそういうところから防衛庁のあらゆる物品の管理の上で適当でない事項が指摘せられる原因が生ずるのではないかと思うのです。やはりこれは受け取るときに、何を、幾ら、どういう種類のもので、どこに使うものかということをきちっときめなくして受け取るということは、これは私はどうかと思う。もし一々代金を支払って、官庁が購入するということであれば、点検をし、検査をし、そして受け取らねばならぬ。供与物資であるからそういうことをしないで、一応受け取っておくというようなやり方は、私は事務整理が当初においてできておらぬというふうに判断をいたします。そういうようなことでは、一体重要な飛行機部品を受け取って保管して、貯蔵して、点検して、あるいは使用の段階にこれを取り出して、というふうに、そういうふうに事務整理進捗する上において、非常にずさんなやり方のように思うのですが、この点は一つ防衛庁といたしましてどうお考えになりますか。
  18. 小山雄二

    小山政府委員 供与を受けます際には、どういうもので、どういうところに使って、それが必要であるからもらうということは、また数量はどのくらい必要であるからもらうというようなことは、そのときに当然調査をし、またその数量が間違いだ、物が間違いだということがありますと、向う軍事顧問団と連絡いたしまして、軍事顧問団の方もその話には絶えずすぐ応じるというようなのが過去の実例でございます。ただ私が今申しましたのは、こういう飛行機等につけますものは、特に材質その他が非常に生命の危険にもつながるものでございますし、昨年事故を起しましたC46のエンジンも、結局突き詰めますと、材質が悪かったということになりますので、その材質検査等オーバーホールするようなときに細密な科学的な磁気探傷とか螢光灯探傷とかいうような検査を経まして、材質的な検査もして、それを使っている、こういうことを申し上げたわけであります。これを購入いたします際にも、数量調査とか、品質調査等の一応の調査は、受け取る際に検査はいたしますが、材質検査まで一々――普通の商売のときも、受け取ってやるというようなことは、取引上の慣例にもなっておらないようでありまして、これは普通の慣例程度検査で済まして、特に材質等の問題のありますのは、使う際に精密な検査をしている、こういう意味で申し上げたわけであります。
  19. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたの御答弁によりますと、そうすると、受け取るときには格別に何らの過誤もなし、また受け取るときに完全に手続は遺漏なくできたのである、こういうふうに理解していいのですか、小山さん。
  20. 小山雄二

    小山政府委員 本件に関しましては、供与を受けます際に、供与を受けるものか果して不適格品がないかとか、番号が間違ったものがないかというようなことは、その当時は遺憾ながらこっちにテクニカル・オーダーとか、サプライカタログというものがなかったもので、それを確信をもって判断する手だてがなかったのでありますから、とにかくそういうものがあればあとで返すというようなことで、一応どういうものを、どういう数量だけもらうという検査はいたしておるわけであります。
  21. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは何もそのことが最後を決定する重要事項ではありませんが、私は事の順序として、事柄確めつつあるわけであります。さっきのあなたの御答弁によりますと、材質検査はしないけれども、何を幾つ、必要な部品等を受け取る、こういう検査はするが、しかし材質検査はしない。私は材質検査までなさるかどうかということを聞いているのじゃないのであります。もちろん材質検査というのは、かなり精密ないろいろな方法を必要とするのであろうかと思いますのですが、しかしそれを聞いておるのじゃなしに、技術命令書に照合すれば、何の部品、どういうものが幾つ要る、もしくは幾つついている、幾つ送った、幾つ受け取った、こういうことが一目明らかになるのではないかというのです。それを明らかにしておれば、後日材質検査は、それはなさることができるだろうけれども、それをしないままに受け取っておられたのじゃないかというのだが、今の御説明によると、材質検査はしないけれども、何のものを幾つ受け取るということは点検したとおっしゃるが、しかしそれは技術命令書なしに一体できるのですか。技術命令書によってのみこれを正確につかむことができるというのが、これが論理じゃないかと思うのですが、その点いかがですか。
  22. 小山雄二

    小山政府委員 少くとも本件に関しましては、まさにその通りでございまして、どういう種類部品、どういう番号のものを、どれだけ受け取ると、こういう検査はいたしたのでございます。ただそれがすべて技術命令書に書いてある通りであって、その中に、技術命令書等に合わない間違ったものが入っていたり、いろいろしてあるかどうかということまでは調べる手だてが当時はなかったのであります。
  23. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこが私にはどうも理解ができない。技術命令書は、飛行機についてこなかったというのですね、前提に……。そういうふうに理解していいのですか。
  24. 小山雄二

    小山政府委員 そういったものは飛行機について参りませんでした。
  25. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それから、その部品等を受け取るときにも、技術命令書は、同時に、それもなかった、これでいいのですか。
  26. 小山雄二

    小山政府委員 その通りでございます。
  27. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それならば、やはり品物を受け取るときに、技術命令書を持ってこなければ――銀行通いかあって、通いには幾ら金が残っているということが明らかでないと、銀行預金の引き出しはできません。あなたの方で発注して、発注した品物を納入する場合に、規格、品種、数量等々、きちっと出ておるのに照合して初めて私は検査可能であると思う。検収可能であると思う。それと同じように、技術命令書なしに部品を十カ月分受け取るといったところが、これは何かしらぬ、暗がりで一応物を受け取ったということになって、確実によりどころがあってきちっと計算されたあるものを受け取ったというふうにはならぬと思うのですが、その点はそうではありませんか。こういうところは率直にしていただきたいのです。
  28. 小山雄二

    小山政府委員 確かに供与を受けた物は、すべて整備に使われる、使い得るものである、また必要な分量だけ十カ月分あるということを、当時はこちら側として確信をもってチェックするだけの手だてはなかったわけでございます。ただ先方から、飛行機供与を受け、それに伴うもの、だということで、それを大体信用して、ただ種類だとか番号だとか数だとか、そういうものを当って受け取ったわけであります。その後十カ月分の供与を受けました物品については、これまたオーバーホールに対する補給で、部隊並びに会社等に渡して使いつつありますが、特にその飛行機に合わないというような事例はそう起っていないわけであります。
  29. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 飛行機供与して技術命令書を同時に添付しない。一体そんな供与の仕方というものは、まことに相手をばかにしたことと申さねばならぬと思います。人間のみならず物資を輸送する場合でも、やはり人が操縦するのでありますから、飛行機供与するなら、技術命令書も同時に、経歴書と同じようにこれを尊重して一緒に渡して、またこれを点検した上で受け取る、それが来ないときは、完全受け渡しにならぬ。そのくらいにちゃんと筋を通してもらわなければならぬと思うのですが、事務的にそういうことを整理整頓しないままに授受するというのが、防衛庁やり方なんでございましょうか。
  30. 小山雄二

    小山政府委員 だんだん防衛庁の方も人員並びに受け入れ態勢が整って参りましたので、最近はそういうことはないのでございますが、大体供与品全体からいいましても、今は相互防衛援助計画という計画向う予算を組みまして、その予算の範囲内で考える、当方も毎年度不足分要請書を出しまして、その要請書を土台にしてやるということで、非常に計画的になっております。予備隊ができました当時は、すべて供与につきましては極東軍装備品のリザーブのものを渡すという思想で借りておったわけであります。それがその後MSA法の改正で所有権がこちらに移ったわけであります。初めは飛行機にしましても航空自衛隊が始まったころは、そういうような渡し方のものがありまして、本件も当時のまだ態勢が両方とも整わない当時の供与でございますので、そういう事例があったわけでございます。今後はそういうことのないように、十分設備その他態勢を整備しつつある次第であります。
  31. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それならば、技術命令書はどこかにあったけれども、十分にそれを検討することなしに、それと照合することなしに品物を受け取った、こういうことでもあるのではないでしょうか。これは私の推測が前提になるのですけれども、どうですか。
  32. 小山雄二

    小山政府委員 先刻も申し上げましたが、技術命令書は三十年の一月に一部交付を受けております。それが非常に不完全なもので、年代も古いものでございますから、分量的にも非常に少かったということでございます。当時アメリカ軍としては、日本では立川の基地にそういう兵站部があるわけでございます。そこの資料も必ずしも十分でなかったということで、当時われわれとしては初めてもらう飛行機でございますので、どうしたらいいだろうということを軍事顧問団に相談をしまして、そのサジェストで動いたわけでございます。結局技術命令書は一部はありましたが、それはその一部からこっちのほんとうに調達すべきものとして必要なリストを作り上げることができなかったのであります。
  33. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 三十年の一月に技術命令書を受け取ったならば、印刷したのは三十一年でございましょう。三十一年の二月ですね。一年以上間があるわけですね。そこで技術命令書がどんな大部なものか知りませんが、幾ら大部なものでも、防衛庁が全力をあげてこれを熟読し、物と照合するならば、私は直ちにある種の整理ができると思うのでありますが、入札するまでそういう照合もせずにおった、こういうふうになっておるのでしょうか。
  34. 小山雄二

    小山政府委員 三十年の一月にもらいましたのは、技術命令書というものはこういうもので、一つ練習のために参考用としてやるというようなものでもらったわけでございます。その後たびたび正式に全部のものを交付されるように要求いたしまして、全部技術命令書がそろいましたのは三十一年の七月でございます。技術命令書は現在は大体完備したものができておるわけでございます。技術命令書はC46の関係で、相当厚い本でございますが、数字とか番号ばかり書いてございまして、全部で十六冊ございます。
  35. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 しかしそのうち、部品につきましては十六冊全部ではないのでございましょう。あなたの方の十六冊というのは部品を調べるために十六冊を読了しなければ部品が出てこないのでございますか。
  36. 小山雄二

    小山政府委員 その通りでございます。十六冊というのは、機体が何冊、エンジンが何冊、電装品油圧品というように分れておりまして、部品は全部にわたるわけでございます。
  37. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 しかし操縦に関するものとか、維持に関するものとか、あるいは検査とか、私どもしろうとで詳しくはわかりませんけれども真実部品説明書というものは、これはその中の一部にすぎないというふうにも言われるのでありますが、一部、つまり一冊でありますが、それがあれば、あなたが今お述べになっておりました何分の一かあれば、それでわかるのじゃないかと思うのですが、その点はどうなんですか。
  38. 小山雄二

    小山政府委員 十六冊ありまして、機体関係が三冊くらいあるそうでございますが、今度輸入をいたしました契約品目は千二百くらいでございまして、半分の六百くらいは機体に入っておりまして、あとの六百ぐらいは各冊にばらばらに分れておる。こういうような関係でございます。
  39. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは専門的な面になりますと、私もよく理解できないのでありますけれども、しかしいずれにいたしましても、技術命令書はたとえ十インチの厚さのものであろうが、十六冊になっておろうが、そういうものは手分けして調べれば調べる方法もあろうし、あるいはこれを部品の項目について一々チェックするような方法をとりましても、私はそんなに無制限に労力を必要とするものでない、こう思うのであります。こういうふうに思いますと、やはりなすべきことをなさらなかった面はありませんか。どんなに大きな技術命令書でもそれを読破して、理解し、把握して、必要な部品不足分を摘出する、こういうふうにすることが私は絶対必要だろうと思うのであります。要するに技術命令書が大きいからというので、それを十分に読んで調べて、そうして照合点検するという措置を十分とらなかったという面において、事務的に遺憾な点があったのではないだろうか、どうもそう思われるのであります。これはそうであればそうとして率直にお認めを願いたいのであります。あなたの今お述べになりましたように、飛行機は来たけれども技術命令書は来ない。しかし来た以上は何らかお使いになったのじゃなかろうかと思う。まさか格納庫に貯蔵したままでおくべきものではありませんでしょう。それが受け取ってからはるか後に技術命令書が到着したというようなことでは、これはやはりどこかに足らぬところがあったのじゃないだろうか、こういうように思われてならぬのであります。そこはやはり率直に事実の関係及び事務関係、その関連においてあなたの方で十分なし得なかったところはお述べ願った方が、時間も節約できていいと思うのであります。
  40. 小山雄二

    小山政府委員 私どもこの飛行機購入に当りましての要求が、うまく手ぎわよくできたとは一つも申し上げていないのでありまして、その中にD型に適用できないものが入っていたことは確かに手落ちでございます。ただいま申し上げておりますのは、当時としては確信を持って間違いなくリストをまとめ上げるだけの手だてがなかった、また米軍修理供与に対する報奨その他にはなはだ遺憾な点があったが、最近はそういうことがないように努力しているということを申し上げているのでありまして、確かにそこは手落ちと申しますか、手だてがなかったのでやむを得なかったのですけれどもやり方としてはまずかったということを申し上げます。
  41. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこであなたにさらに進んでお伺いしたいんだが、入札したのが三十一年二月でありますね。そこで三菱商事は脱落した。まず三菱商事の脱落した事情を伺ってみたいんですが、何ゆえ三菱商事入札辞退をするに至りましたか、理由を言って下さい。
  42. 小山雄二

    小山政府委員 三菱商事はこちらで出しましたリストの物を調達し得ないという理由で辞退したようでございますが、それにつきましては面接の調達実施本部長の方から詳しく申し上げます。
  43. 武内征平

    武内説明員 本件入札に当りましては五社が一応指名になっておりまして、それは三菱商事、第一物産、伊藤忠、米井商店、三国商工ということになっておりました。三十一年の二月十六日を入札日ときめてあったのでありますが、二月十日に三菱商事は辞退して参ったわけであります。その理由三菱商事は。パシフィック・エア・モーティヴというアメリカの会社と提携をいたしまして、これが商品を扱って防衛庁に納入するという契約であったのでありますが、パシフィック・エア・モーティヴから、防衛庁が出しましたリストによっては自分の方は調達できない、従って残念ながら今度のビッドに参加することはやめたい、こういう書面が三菱商事あてにきているのでありまして、こういうわけであるから自分の方は入札参加は辞退したい、こういうことであります。
  44. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと三菱商事が辞退しましたのに、アメリカのパシフィック・エア・モーティヴからはどう言ってきたというのですか。
  45. 武内征平

    武内説明員 防衛庁が出したりストには非常に古い型の部品が入っている。従ってそれを今市場で探そうとしても探すことができないかもしらぬ。それから次にはC46Dには適さない部品が入っているように思われる。それからアメリカ修理業者が使わないような部品がこのリストの中には入っておる。結局パシフィック・エア・モーティヴが前に出しました、自分の方で作ったりコメンディションによっての入札ならば、自分の方は参加いたしたいが、しかし防衛庁はわれわれの出したりコメンディションのリストを採用しない、従って今防衛庁が示しましたリストによっては入札ができないと書いてありました。
  46. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 パシフィック・エア・モーティヴの手紙を読んで下さいませんか。要旨だけでけっこうでございます。
  47. 武内征平

    武内説明員 これは英文できたものをちょっと訳したので、訳文がうまいかどうかという問題がございますが、一応読んでみます。これは三菱商事に対するモーティヴの書面でございまして、これを添付して辞退書が出ているのであります。  拝啓貴方格別の折衝に依り折角C-46補用部品入札予定者の列に加えられ乍ら入札し得ざる事情について今般弊本社より詳細な手紙を受領しましたので下記の通り原文の儘を利用して御伝え致します。  C-46部品入札の件に就いては種々の困難に遭遇したのでこれを説明したいと思う、御承知の通り昨年C-46D30機分の修理部品について見積の要求をうけた。多大の労力と時間とをかけて我社は本件リストを作成したが、これはC-46オーバーホールに通暁せる専門家も適格な且つ現実的なリストとして大鼓判を申したものである。後日CATは防衛庁に対して自己の作成せるリストの方が包括的であり且つ部品の選択が適切であると説明してこれを納得せしめた。この結果我社作成のリストは採用とならず、CATのリストに依って見積る様にとの要求に接した。慎重考慮の末我々はこの要求を拒絶した。何故ならCATのリストは実際的でなく、防衛庁にとってその儘これを買付ける事は不賢明であるばかりでなく、或は防衛庁としても更に検討の結果CATのリスト通りの買付けを取止めるかも知れぬと思われ、然らば同リストに依って見積る事は時間の浪費に過ぎぬと思われたからである。しかし最近になって防衛庁がCATのリストによって買付ける方針を決定したので、これに依って見積るようにとの要求があった。わが社としてはCATのリストに対して依然として不満の念を禁じ得なかったが、とにかく客先の要求に応じて航空機部品の売込を業務とする以上これを容れるべきであると思い見積作業にとりかかる事を決心した。  上記の新たな要求に基いて見積作業を数週間続けたが、古い型の部品があるためリスト大部分について見積困難なる事が判った。検討の結果C-46A用のものでC-46Dには適用出来ぬ部品が多い事もわかった。米国内のC-46修理業者によっては全然使われず、従ってどこを捜しても見つからぬ部品も多い。 以上にかんがみ、われわれとしては当該部品入札作業を続ける事が時間の浪費である事を再び感ずる次第である。他の業者から入札があったとしても防衛庁は結局同リストに基いて買付ける事が金銭の浪費である事を認識するであろうし、再検討の末、昨年わが社が最初に見積った部品表に近いものを買う事にきめるかもしれぬ。従ってわが社としては次の機会に防衛庁が実際に買付けの部品を見積る事にしたいと思う。  此の種航空機修理の責任を持つ業者は先ず仕事の予定を定め、その上で「標準代替部品」の調達計画をたてる。之も例えば一年間に亘る心要予定量を買付け、修理作業が始まれば特別の損傷が発見される場合があり、之に対して特別の修理、改良を施すため、また当初の部品調達計画上の齟齬を矯正するために、追加的に部品買付をするのが通例である。これがためには必要部品を迅速に集荷する事が出来、遅滞なく積出し出来る会社と協力する事が必要である。この種のサーヴィスこそわが社の本領とする所である。  上述の通りCATのリストは実際的でなく防衛庁に対してC-46Dの修理計画を援けるに足るような部品を供給するものでない。CATのリストは使う事のない品目を余りに多く含んでいると同時に必要であるべき多くの部品を載せていない。もし同リストに従って買付けが行われるとすればはなはだしい無駄な出費となる事を信ずるものである。従ってわれわれは防衛庁がどの部品を買うか、はっきりした最終的決定を行うまで待ち、その上で見積りたいと思っている。  本件に関する我社の意向を諒解し今後の動きについて御報知下されんことを望む。  これはまあ訳文のうまい、へた、あるいは適切であるかどうかという問題はあると思いますが……。
  48. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ただいま御朗読の文書並びに三菱商事自体の文書、これは一つ日本文に訳したものを資料として当委員会に出すようにしていただきたい。  今お読み聞けのうちに、全文を承知しないで私どもがあちこちの個所から受けた印象ですと、たとえばCATのリストは実際的でない、あるいはC46に適合しないものが多数にあるとか、あるいは金銭の浪費を後日認識するであろう、オーバーホールに使用されない部分があまりに多く、実際に必要な部品が抜けておるとかいうような御説明があったようでありますが、この意見の最終的適否はともかくといたしまして、やはり誠実なメーカーないしは外国の商社が、その代理店の三菱商事にあてて、日本防衛庁への納入の案件についてこのような意見を付するということは、私はやはり重要な価値があるものと考えるのであります。もしこのCATのリストが、今指摘せられたようなそういう趣旨であるとするならば、これはきわめてゆゆしいことでありますので、直ちに一大再検討をして、私は十分にあやまちなきを期すべきであったのじゃないかと思います。にもかかわらず、これはそういう手に出ずして、三菱商事などが入札から脱落したままに入札してしまっている。こういうことは、部品、特に現地に臨んで直ちに現物を工場で手にとって見るということのできないような外国品を外国から輸入するという場合においては、特にそういう文書の意見というものは注目すべきものでないかと思うのです。防衛庁は、小山局長も、やはり人命に関する重要部品購入、こういう趣旨のこともお考えになり、お述べに相なったのであるから、であればなおさら、このC46輸送機の部品購入のこういうような重要な意見につきましては、一切白紙に戻して再検討するというくらいにどうしてしなかったのであろうか。こういう点につきましては、あなたはどういうふうにお考えになるのでありますか。
  49. 武内征平

    武内説明員 三菱から出されましたリコメンディション・リストを、やはり防衛庁指名しましたCATのリストと同じような標準によりまして検討してみますと、四十六品目、金額五万円以上のものを拾ってみましても一千万円近くのやはりこれに適さないという品物が含まれておるのであります。もちろん調達の最後の要求のステップを作りますのは、各要求元の幕僚監部であります。幕僚監部といたしましては、三菱、あるいは伊藤忠、第一物産等からリストの提出を求めまして、その中からさらに検討をいたして、そうして最後に顧問団あたりの御意見も聞いて、台湾まで行って検討した、こういうことでありまして、慎重にやったと思いますが、やはりそれが難点ではなかったか、こういうことと思います。従いまして、三菱商事あるいはパシフィック・エア・モーティヴが、防衛庁が採用したCATのリコメンディション・リストと別のリストを用意しておるということはよく知って、なお検討の上でCATのリコメンディション・リストを採用しておる、かように考えております。
  50. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 C46の技術命令書があって、技術命令書によって部品を確立し、その部品購入するという作業が間然するところなく行われましたならば、一体なぜこんな問題が起る余地がございましょうか、私はそう思うのであります。これはもう実にたやすい道理だと私は思うのであります。この点は、小山さんにしても、武内さんにしても、もはやお認めにならぬわけにはいかぬと思うのです。長官もこの間の答弁では大体そういう趣旨はお認めになったと思うのです。要するに再検討するもしないもありません。技術命令計によって発注したかどうか、部品は何の品目、何の種類のものを幾つ発注するかということを技術命令書によって確定すれば、これは当初のエンジンの製作者が作った技術命令書であるから、そこに何らのすきも私はないと思う。何ら食い違いは生じないと思う。ところがあにはからんや、こういうきわめて重要な、実際的でないとか、オーバーホールに適当でないとか、C46に必要なものが抜けておるとかいうようなことを指摘せられて、これをもし実行するならば、日本の政府は多大な金銭の浪費である。ということを後日認識するであろうとまでやゆされておる。こういうものは再検討する問題ではありますまい。技術命令書によって見るならば――どうして技術命令書をもっと尊重して厳重にそれによってやらなかったか、そこに最大の事務的な欠陥があったのではないかと私は思うのであります。今お読み聞けの文章を耳にしまして、ますますその感を深くするのであります。どうしてもこれはあなたの方で十分に手を尽しておらなかったということは、ここでやはり告白をされなければならぬと私は思う。必ずしも完全ではなかった、後日改めますということではなしに、これは技術命令書によって正確に必要物資を定めて発注するという方法に出ておられなかったということを外国人に指摘されておるのですから、やはり率直にお認めになった方がいいと思いますが、いかがでございますか。
  51. 小山雄二

    小山政府委員 防衛庁のおもな調達は、すべて各幕僚監部の方が出しまして、それを調達実施本部で受けて、一定の手続によってやっておるわけでございますが、まず問題は航空幕僚監部が調達実施本部に出す要求書の中身が十全でなかったという点であります。この点は先ほど来申し上げておりますように、われわれも非常にうまくやっておる、取りかえたからいいじゃないかというようなことを言っておるのではありませんで、これは確かにその間の手続事務的に非常に誤まりがあった、こういうことを申し上げておるわけであります。ただその当時の事情としては、それを確かめるだけの手だてがなかったわけでありますので、軍事顧問団等のサゼスションによりまして、一番信用が置けると思われる会社に作ってもらって、それのみならず当時利用されるいろいろなあらゆる資料というものを参考にいたしまして、日時としてはこれが最善だと思った資料を作ったつもりであったのでございますが、これが結果的には会計検査院に御指摘を受けたような結果になったということは非常にまずかった、まずそういうことをやる前に確かめる手だてというものをそろえておかなければいけなかったのじゃないか、こういう点も先方との供与その他の関係でいろいろ行き違いがありますが、これもその一つの例で、はなはだまずかったという点は、われわれもそういう感じをしておるわけであります。
  52. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私は、特にC46の去年三月の大島上空の事故、今年の三月の鳥取県美保の沖における事故、こういうことがなかったならば、この問題をかくも深く注目しなかったであろうと思うのであります。けれども、たとい一つのびょうであろうと、その品質が悪かったり規格に合わなかったものを使ったときにはエンジンに故障を生ずるということは、専門家が言うところでありますので、私はこの種の物資の授受はもっと厳格厳重になされなけれぱならぬと思うので、やはりこういうずさんなことは相当明らかにしておかなければならぬと思うのであります。  今御説明を聞いておりますと、また一つの壁にぶつかったのです。それは何かというと、空幕の問題なんです。この点は去年以来私はしばしばこの席におきまして、海幕にしたって陸幕にしたって空幕にしたって、いわば奥の院におって発注の計画を立て、そして発注する責任者は調達実施本部長である、ところが実施本部長は、その最初の計画を変更する何らの権限もない、しかしながらこれは会計法上の一責任者になっておる、こういうような制度的欠陥というものを一体どうして是正しないのか、こういうことを言ってきた。私は今日もやはりその感を深くします。一体こういうものをはばむ者はだれなんです。空幕の責任者がはばむのか、それとも内閣がはばむのか、それとも長官がはばむのか、一体どこがはばむのです。空幕の責任者は、これを発注するについてこのような激しい、ほんとうに激しい批判を外国の商社から受けたということは重大な事実であるというふうに、なぜお考えにならぬのか、そんなことを考えるのか、考えないのか。こういうことはやはり空幕の責任者と問答しなければこれは始まらぬのです。空幕の責任者がここに出たくないという心境でおるならそれも察しますけれども、やはりあなたの方が改めておらぬから、改めておるならば私は何も言わないけれども、これらの点について調達の基本方式は去年から何ら変っておらぬ。これじゃ困るのです。政務次官も就任日がお浅いので、こんなことをいろいろ申し上げてまことに失礼ですけれども、何とかこれをなされなければならぬのです。第一はここへ空幕の責任者が出ておらねばいかぬ。そしてやはりこれはこうでありますということを言ってもらわなければいけません。そこで私どもは、この調達の方式は制度的に変えなさいというのです。あなたの方ではチェック・アンド・バランスとかいう一つの方式をとって、非常に進歩的な方式のような制度はできておりますけれども、私に言わせると実は責任のなすり合いなんです。空幕の責任者がここにおらぬものだから答弁できないのですよ。どうしてそういうふうな計画を立てたかということをあなたで答弁できればいいのですけれども、あなたにしたってあるいは長官にしたって同じことなんです。そういうことになってくるのです。やはり空幕に関する限り空幕の責任者が自己のとった事務については国会においていろいろ御説明になるということを率直にやってもらわなければいかぬのです。そうでないとこれは真相がわからぬのです。別にいやがらせで言っているのではないのですよ。ほんとうにあなたの方の問題点のあるところを私の方は究明していくのですから、これは国会の責任でありまするので、雲がかかって、幕がおりて、そのうしろはどうにもならぬというのでは、全く審議ができないですよ。これは政務次官、どのようにお考えになりますか。
  53. 高橋等

    高橋(等)政府委員 本件のいろいろな手落ちと申しますか、そうしたものがあったことについては、今事務当局から申し上げた通りであります。ここへ空幕の人々を呼んできていろいろとお話を聞きたいとおっしゃることにつきましては、われわれといたしましても十分研究せねばならぬと思いますが、何分内局におきまして、いろいろ責任ある地位において十分なる調査をして、国会で皆さん方に御答弁申し上げておるのでございまして、答弁の足らない点はあくまでもお聞きただし下さいますれば、御納得のいくようにいたしたいと考えておりますので、この問題はしばらく御猶予をお願いいたしたいと存じます。
  54. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 なるほどこれは装備局長もおられるので、装備局長答弁なさるのはわかりますけれども装備局長及び調達実施本部長は、当初の計画に変更がなかったらみずからこれを変更して調達するという権限はないのでしょう。この点どうです。それを伺いましょう。
  55. 北島武雄

    北島政府委員 防衛庁調達事務につきましては、従来のやり方を申しますと、実は従来でも大きな船舶とか航空機その他問題のありそうなものについては、その都度庁議にかけて決定しておりました。果してこういうものを調達していいかどうかということを決定しておったのであります。ただ組織的にどの程度まで内局でタッチするかについては、残念ながら昭和三十年度まではルールが確立されておらなかった。そのときまでのやり方は、経理局におきまして、各幕の要求によりまして予算を示達いたします。その際検査いたしまして――実をいいますと、経理局だけでは非常に不十分でございます。そこで昨年来国会における御指摘もございますので、昨年の国会が終りましてから、旧制度といたしまして、経理局で各幕僚監部からまず予算の示達の要求が出ました場合においては、器材費等につきましては装備局と十分合議いたしまして、そこでお互いに検討いたしました上、まず予算の配付をいたすことにいたしております。この点は従来に比べまして一歩前進したものと思いますが、それならば調機構全体に対してももう少し何か変える方法はないかという点でございますが、この点につきましてはいろいろ利害得失もあることでございます。現在のように調達実施本部が一手に引き受けてやりますれば、これは事務能率の点におきましては各幕僚監部がおのおの調達事務をいたしますよりも私は人員の経済にもなり、事務の能率にもなるのではないかと思いますので、これを昔のように各幕僚監部ごとにやるということにつきましては、私どももどうもまだそこまでの考えがつかないのでございますが、現在のところ、ただいま申しました方法によりまして、できるだけ内局におきまして、そういう方面の調整の責任をとることにいたしております。  それから従来の、要求側の責任でございますが、要求者側におきまして、結果において過大な調達になったとか不当になったという場合におきましては、もちろん行政処分といたしましても要求者側にその責任を十分追及いたしておりますが、今回物品管理法が施行になりまして、その点は物品管理官の責任というものが物品管理法上明らかに規定されております。この点につきましては現在の防衛庁における調達方式が会計的にもやや調整されておるのではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。なお現在の調達事務をどういうふうにしたら一そう能率的にやることができるかという点につきましては、私どもも常々検討いたしておるわけでございます。
  56. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたはそうおっしゃるけれども、これは空幕において立案をして、空幕の立案した計画調達実施本部で変更の権限、もしくは装備局で変更の権限があるのですか。
  57. 北島武雄

    北島政府委員 それは、長官はすべての権限を持つものでございますし、私どもは長官の補佐官といたしましてそれを調整する責任と権限はあるものと信じております。
  58. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 長官はすべての責任がある、内閣は行政全体の責任がある、それは一応われわれも知っておるのであります。現実におきましてあなたの方は装備局も参加して調整の機会があるとおっしゃるけれども、しかし当初の計画調達実施本部では変更できないでしょう、実際問題として。だから、たとえば国費が浪費になりますと外人に指摘されても、あえてそれを買わなければらぬ。買わなければ事務怠慢ですよ。よろしゅうございますか、それは買わなくちゃならぬ。それなら一々長官がそれに介入をするかというと、事実しておらぬ。責任はあるかどうか知らぬが、事実しておらぬ。やはりもとへ戻って空幕で再検討するという筋であろうけれども、それはできておらぬ。これが現実なんですよ。だから現実から言えば、本部長の最終責任論がどうあろうが、あるいは今年一月から実施された物品管理法によってまた別の責任関係が生ずることはあろうけれども、あなたの現実の内部機構というものは、やはり空幕関係においては、空幕で立案し計画したものが動かされなければ実施本部長はどうにもならぬというのが現実でしょう。私は事実から申し上げているのです。だから今いろいろと指摘しましたような結果が生ずるのであります。それなら聞きますが、空幕は外人からこんな激しい非難的な批判を受けて、空幕自身が再検討したのですか、どうです。
  59. 武内征平

    武内説明員 先ほども申し上げましたように、空幕におきましては各社からリストをとったわけであります。これは私の聞いておる範囲でございますが、三菱のリスト、それから一物のリスト、あるいは伊藤忠のリストというものかおのおの出たわけでございます。それを検討して結局伊藤忠の出しました、すなわちキャプトを中心としたリストが実際に即応するであろうということで、台湾まで行って研究してそれを採用した、こういうことであります。従いまして当時は相当大きい金額の入札でございまするので、各社の競争が相当激しかったのであります。三菱のリストをとるということになるとほかのリストはとらないということになりまして、先ほどお話いたしましたように、あとになって防衛庁リストを検討すると、同じような標準でやりますと、やはり四十六品目ものC46に実際適さぬ部品があるということでございまして、もちろん三菱から出されたリストにつきましては空幕において検討されたのでございまして、その結果キャプトのリストを採用することになったということを私は聞いております。
  60. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 キャプトのリストというものは金銭も浪費になるし実際的でないし、C46に適合しないようなものを多数に含んでおるということがいろいろ言われておるのですよ。しかるにそれを採用することは一体どういうわけか。だれのリストをとったとかいうのではなくして、私のしろうとながらの判断は、技術命令書によってどうしてきちっときめないのか、こう言いたいのです。それを最大の権威となぜしないのかということを言いたいのですよ。そういうことをしないで他の商社の言うもの、あるいは非難されたリストを採用するようなことをどうして空幕はやるのか。それを空幕は再検討されたものと思う。されたものもくそもありゃしませんよ。あなた方みんな同列一体の責任を持ってやっておるということを私は期待するんです。これは長官がおられたら長官にそれを聞かなければいかぬのですが、なぜ一体そんなだらしないことを空幕はやるんだろうか、それを私は不思議に思うのです。少くともこういう重大な、峻厳な書簡が添付された商社ありとするならば、しかもその商社は三菱商事です。三菱商事は貿易におきましてもまたその他の経験、信用におきましても日本第一流の商社であります。この第一流の商社がこういうことに参加することはできませんと言って脱退しておるのです。脱退しておるのにそれを採用するという空幕は一体何を考えてやったのか、こういうふうに私どもは想像するのであります。そこで、空幕の責任者が来たら問題は端的に解決していくのですが、空幕の責任者はおらない。あなたはいろいろとお述べになるけれども、これは要するに他の事務当局のおっしゃることをお述べになっているに過ぎないのであります。あなたの方でもし御意見がありとするならば、空幕の考え方はいかぬから、これはこう是正しなければならない。あなたは物を買う責任者ですから、あなたの立場からするならば、少しでも国損があると人に言われたならば、実際的でないと人に言われたならば、それはC46に適合しないと人に言われたならば、しかもそれは専門家なんです。専門家でそして自分の商業上の利益を放棄して日本政府に対して忠告する文書に結局なったのでしょう。そういう者にあなたが自分の金を出して、自分が最終の責任になるというときならば、そしてあなたがその計画を変更できるという地位にあるならば、それこそ白紙に返して再検討するので、待ってくれ、こういうふうに出なければならぬと思うのです。あなたにはその権限がない。内部的にない。お互いに牽制し合っているのかどうか知らぬけれども、責任は空幕あるいはあなたの方の内局と、それぞれ分立しているわけです。そういうことになっておるのが今日の防衛庁の実情なんです。それでいつでも問題が起るのだ。問題が起ったときに追及していくと、きっとこんなようなくぎが一本抜けているのです。私はいつでもそういうことを申し上げるのです。でありますから、ここはやっぱり次官よくお考えになってもらわないといかぬと思うのです。あなたの答弁答弁にならぬですよ。また装備局長にしたって実施本部長にしたって、それは適切凱切な答弁ではございません。やはりなぜこういうことを変更しないのか、どれほどの価値をこれに認めたのか、こういうことをわれわれとしては検討しなければならぬ。何も問題が起らなかったらともかく、たくさんの人が死んでいるのです。それと直接関係があるとは言いません。けれどもいずれにしてもC46というものは実に妙なものなのです。いろいろと事故ばかり起しているのです。人間の技術が事故を起したのか。それはともかく別といたしまして、私は今非常に重要な問題に触れておると思うのであります。この点もやはり長官からの説明を伺って、なお理事会でよく御相談して、適当に空幕の責任者に来てもらうということにして、こういう点はきちっとしなければなるまいと考えますので、これは申し上げておきます。
  61. 高橋等

    高橋(等)政府委員 先ほど来いろいろお話がありますが、私も多少当時の実情につきましていろいろと空幕の方からも承わっておりました。相当の価額の入札でございますので、各社ともに非常に競争をいたした、しかもお互いに悪口を実は言い合っておるのでございます。そういうような状況のもとで、各社からリストを出させて、空幕ではそのリストによって全部のいろいろ調査をして、そうしてこれがいいという考え方のもとに起案した。一応計画したものをなお念を押すために、台湾へ参りまして、台湾の経験者の方からいろいろと聞いて、そうして結論を得て入札をいたした。従ってアメリカの一商社がそうした注意を与えたことにつきましては、その価値はわれわれとしては認めるのであります。しかしながら商社が注意を与えたがためにそれに従わねばならないという問題でないことは、よく御存じの通りでございます。そこでわれわれとしてはやはりそれを考慮のうちに入れて、この問題を空幕において処理したということに御了承をお願いいたしておきたいと思います。
  62. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたはそうおっしゃるのだが、ではあなたに聞かなければならぬことになります。そこで伺いますが、あなたはこの文書について一体C46に適合しないというような文章は、どういうふうにお考えになったのですか。
  63. 高橋等

    高橋(等)政府委員 私の知っている限りのお答えをきょうはさしていただきたいと思いますが、ただいま申し上げましたように、三菱商事から出ておりますリストについて調べましても、四十六種、それは相当の金額に上るものだけを拾いましても、四十六種の部品について、不適格品がそのリストに出ている。あのリストを採用すれば、やはりそうした非難をこうむることになるわけです。ところがたまたまこの当時におきましては、先ほど来各政府委員からお答えしておりますように、いろいろな点で手続的にも非常にむずかしい問題がございます。また非常になれない……(「むずかしい内容を言ってみろ」と呼ぶ者あり)むずかしい内容といいますのは、今言いました技術命令書関係であるとか、あるいはまた非常に部品リストが膨大なものである、しかもそれに対してその事務に当っておりまする者が十分なれておらない、そういうようなこともございましたために、手落ちをいたしておることは重々われわれはここで認めて、御釈明を申し上げておるようなわけなのであります。ただ、今の外国商社の問題につきましては、先ほど申し上げた通りそれをそのままほおかぶりをして低かをやったのではない、もちろんそれを重大な参考としていろいろと調査をした、そして間違いも若干ありましたが、とにかく最善を尽して意思決定をいたしたということに、御了承をお願いいたしたいと思います。
  64. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それはやはり、あなたはそういう結論を急いでもこれはいかぬのです。最善を尽して意志決定をしたというふうに断定をしたいだろうけれども、ふなれとは言え、これは去年の一月のできごとなのです。去年の一月に防衛庁がこの種の事務についてふなれとは、世間は許しませんぞ、そんなことはいくらおっしゃったって。そこでまた商社同士が非常に悪口を言い合って、激烈な競争があった。それならばなおさら、どちらの悪口がほんとうであるか、どちらの悪口が正しいのか、それこそ私はもう一ぺん白紙に返さなければなるまいと思うのです。  それからもう一つは甲乙丙丁のそれぞれリストが云々とおっしゃいますけれども、やはりもとへ帰れば技術命令書に典拠することに忠実でなかったということに致命的欠陥があったと思います。これは当時いまだ整備されておらなかったというような説明書が国会に提出されておるけれども、それはだんだん先の御説明を聞いてみますと、そう簡単な説明では了解しにくいような事情になっておる、結局技術命令書が、どんなに十数冊にわたる厖大なものであろうと、何インチにわたるところのこうかんなものであろうと数万のあらゆる個処を点検照合しなければ最終の発注はできないのであろうにかかわらず、かりにも防衛庁事務をやるのならば、何千億円のお金をお使いになっておるのだから、そんなところは、仕事が大きいからというて、それを事務がふなれでございましたというのでは、私は国会に対する説明にはならぬと思うのであります。要するところあなた方はやはりいろいろとお述べになったけれども、どうしても空幕の責任者は自分で現実を知らぬのかしりませんけれども、もっと責任をもって事に処してもらわなければ、こういうような幾多の事件が起るのではないかと思うのであります。あなたの今の御説明は私はいまだ納得する根拠が何ら明らかにされておりません。  そこでもう一つ伺いますが、一体最初五社あったと言っておりましたね、本部長は。五社と言っておったが、三国商工というのは、いつ参加したのです。
  65. 武内征平

    武内説明員 三国商工でございますが、指名随契審査会をやりましたのはたしか三十年の十二月だったと思いますが、その当時はまだ申し出がございませんでした。その当時四社でございました。三国商工を除きました指名随契審査会の決議は、この前も御説明いたしましたように、アメリカ部品を供給し得る業者と提携ある日本商社、こういうことになっておるものでありますから、入札期日、三月十六日までにこれらと提携をして供給する能力があると称して申し出たものは参加せしめる、こういう委員会の決議になっております。それに基きましてたしか一月以降であったと思いますが、三国商工が申し出てきて、調べますとトランス・オーシャンというものと提携いたしまして、トランス・オーシャンはやはり一定の資格を持って供給する力がある、こう認定いたしましてこれを参加せしめた、こういうことでございます。
  66. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは政務次官、御承知でございますか、指名随契審査会はどこが一体監督するものなので、ありますか。その構成員は、どういうふうになっておりますか。どなたか説明できるでしょう。だれでもよろしゅうございます。
  67. 武内征平

    武内説明員 指名随契審査会と申しますのは、調達実施本部の一機構でございまして、これは契約担当の副本部長委員長になりまして、各幕及び技研の課長クラスが委員になっております。従いまして、二十数名、約三十名くらいになっておりまして、おのおの関係の事案がかかりましたときに出て参ります。内局の課長は、ここに随時出て、委員ではありませんけれども意見を申し述べております。
  68. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、今のこの審査会は、調達実施本部に所属しておる、こう了解していいと思いますが、この指名随契審査会においては何を決定するのですか。物を決定するのですか、人を決定するのですか。人も物もあわせて決定するのですか。あるいは方式のみを決定するのですか。つまり指名するとか、入札にするとか、公開入札にするとか、何を決定するのですか。要点だけでけっこうです。
  69. 武内征平

    武内説明員 これは入札方法及び指名でありますれば商社の範囲、あるいは随契であれば一社指名方法及び相手方を決定する機関であります。これは諮問機関でございまして、その諮問機関が一応決定いたしまして、それを調達実施本部長に答申するということであります。
  70. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それならば、この三国商工は決定された範囲に属しておらない、後日に入ったのであります。三十年の十月に随契審査会は決定しておる。それで翌年の一月になってから申し込みをしておる。だから最初の指名随契審査会には決定の対象になっておらない、こういうことになるのですか。
  71. 武内征平

    武内説明員 それは先ほど御説明いたしましたように、当時は四社でありましたけれども入札の日までにさような資格を取得して申し出て、それが資格ありと認められた場合においては入札に参加し得る、こういう委員会の決定になっております。それを私は報告したわけであります。
  72. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 相手方、つまり納入者の人間も決定するという重要な機関、重要な審査会であって、その審査会の決定に入らなくて、後日入った。それが外国の商社と取引のあるもの、あるいはその他の要件は納入の資格者というような登録名義なんかも入るのかも存じませんけれども指名随契審査会決定の具体的な対象になっておらない。その審査会におきましては契約の方式だとか、その入札者を決定する非常に重要な機関だと私は思います。それに入らぬのに後日入れたのはどういうわけだろう。それは外国と取引があるから入れたのだ、こういうことになるかもしれぬ。そんなことなら指名随契審査会をもったいらしくやる必要はないと思う。外国の取引のあるところは、私のところは外国取引があります。それでどんどん申し込めばいいと思うのです。これもこういう問題が起らなかったらかくまでも申し上げないのであります。その点はなぜあなたの方では入札を許したのですか。
  73. 石井由太郎

    ○石井説明員 お答え申し上げます。C46の部品の納入業者の選定につきましては、これは外国において、つまりアメリカにおきまして、CAA、民間航空局の認可を受けております修理業者と連携して供給されるものであること、それからC46という飛行機修理をやった経験のある業者と連携して供給すること、それから米空軍に登録され、かつC46の修理ないしは部品補給の経験を持った業者と連携して納入されるものということを、業者選定の審査の基準として参ったわけであります。その当時これらの業者と連携のあると称せられておったのが三菱商事、第一物産、伊藤忠、米井商店の四社であったわけであります。しかしながら当時これらの四社も確実にただいま申しました三カ条についての点その他がそろっておらなかったものでございますから、いずれにいたしましても入札期日までにこれらの資格を十分証明させ、かつ同様な事項が証明できるものは入札に参加させようということに相なったわけでございます。しこうして、三国商工はトランス・オーシャンと申します修理業者との連携によって供給し得ることになりましたので、この供給を認め、同時に米井商店はカリフォルニア・イースタン・クラフト・カンパニーと連携して供給すると称しておったのでありますけれども、ただいま申しました条件を充足した書面が出て参りませんでしたので、入札に参加させなかったのであります。
  74. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私の伺うのはそういう事情じゃないのですよ。審査会が非常に重要な機関であるとするならば、審査会をもう一度開いて、新しい中出人の検討をすべきでないか。新しい中出人が形式的にどういう関係が外国商社とあるかは知りませんけれども、かりにも審査会が多くの時間を労して品質審査をし、契約の方式、相手方を決定して、あるものは脱落する、そして全然名前が出ていなかったものが入るというときには、やはりもう一度審査会をやるのがほんとうでないか、もしそうしないなら形式的な大体の基準をきめておけばそれでいいと思うのです。三国商工が第二の三国商工、第三の三国商工というふうに続出する、それでいいと思うのです。そんなものなら、もう審査会は要りません。そういうことで私は伺っておる。
  75. 石井由太郎

    ○石井説明員 ただいまの御質問でございますが、審査会におきまして、同一案件でございますと審査会の上程を省略いたすのが慣例に相なっております。同時に、同一の要件を備えて参りましたものならば審査会の上程を省略してこれを指名に参加させるという了解を、審査会においてつけておったもの、と私どもは解釈しておったのでございます。すなわち審査会の上程審査を省略して指名に参加せしめるということを決議しておるわけでございます。
  76. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 審査会が審査を省略することを了解しておったものと思うというようなことでなく、私どもは審査会というのは現実に審査してほしいと思うのですよ。三国商工というものがどれだけの信用があるのかは知りませんけれども、一体三国商工が航空機の部品防衛庁に納入した経歴があるのですか。
  77. 石井由太郎

    ○石井説明員 三国商工と申しますのは、自動車のキャブレターの製造並びに機械の輸入等の業務を行うものでありまして、資本金は一億五千万円、業界において相当の信用のある業者と調査の結果は相なっております。しかしながらその当時まで飛行機部品を納入いたしました実績は持っておりません。
  78. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 飛行機部品を納入した実績のない三国商工、しかして審査の具体的対象には上らなかった三国商工、そして今度のこういう不始末な問題が起っておる三国商工、この三国商工に、一体なぜ入札の資格を与えねばならなかったのか、与えるのが相当であったかもしりませんけれども、われわれの感覚からするならば、初めての納入であるからもう一ぺん審査するということが適切妥当な事務のあり方であろうと思うのであります。これは政務次官どうですか。
  79. 高橋等

    高橋(等)政府委員 私も非常にごもっともな御意見だと存じます。ただいま説明員が申し上げましたように、審査会においてそうした権限を決定いたしておったとすれば、形式的には異論はないと思いますが、実際問題としましては、今御指摘のような点は十分注意をいたさなけれぱならぬものと考えております。
  80. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 一体三国商工というのは、たとえばさっきお述べになっておりましたように激烈な競争が商社間にあり、悪口の言い合いがあり、まことに見にくい場面もあったらしいのだが、何かそういうことで悪口も言われることのない、非常に適格有力な特殊な好条件でもあったというので、あなたの方ではこれを参加せしむるに至ったというような、別な事情でもあったのではございませんか。
  81. 石井由太郎

    ○石井説明員 そのような事情は毛頭ございません。三国商工は、かねてからこのC46の部品について、アメリカに提携会社があるから供給をしたいということを申しておりました。しかし私どもがこれを審査会におきまして、同種の条件を備えたものがあるならば参加させようといたしましたのは、これは何しろ、いわば市場にあります中古品でありますので、このようなものを選びますために特定の業者から選びますことよりも、むしろ広くマーケットから供給を求めることにした方が、より公正な競争が行われるし、価格の低廉等も期せられようということで、一定の資格をもって申請してくるものがあれば、これを参加せしめるということにしたのであります。
  82. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そういうことであればまた伺わなければならぬのだが、この審査会の委員長か会長か、責任者は一体だれです。
  83. 石井由太郎

    ○石井説明員 審査会の委員長、会長は本部長でございます。しかしながら、これは第一部会ということに相なっておりまして、第一部会の部会長は私が勤めております。
  84. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 広く入札に参加し行る人を求めるというならば、こういう悪口ばかり言うような商社にまかしておかずに、むしろ進んで広く公開入札にするということも一つの手だと思うのだが、どうして思い切ってこの指名競争入札を廃して、公開入札ということをしないのです。
  85. 石井由太郎

    ○石井説明員 公開入札といたしましても、責任ある供給業者の出荷引受証を持って参れる業者ということになるわけでございますので、指名競争入札にほぼ近いものに相なるのではなかろうか、かように考えておるのであります。現在われわれの方でやっております入札方式の中に、銘柄指定による一般競争入札というのがございます。これはたとえば特定のメーカーの出荷引受証を持ったものだけで入札させる、これは品質の確実等を期するためでありますが、このような方式を事実上やったものと、一定の条件を備えたものについては指名業者として参加させるのと、ほぼ同じことに相なっておると思います。
  86. 山田長司

    山田委員 関連して、調達庁の方で出された調達の概況というものを見ますと、指名随契審査会という規定がありますが、その規定の中に、指名随契をする場合には一年間の登録有効期間が必要だということが規定されていますが、今の三国の場合はこの規定に反しておると思われますが、その点はどうなんです。
  87. 石井由太郎

    ○石井説明員 登録してから有効期間が一年間ということでございまして、一年前に登録したものでなければならないという意味ではございません。
  88. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 今のあなたの御説明、結果が同じであろうということは、少し独断でないかと私は考えるのであります。指名競争入札と公開入札と――特に防衛庁関係において、防衛庁のみならず、その他の日本の政府のやり方で、類似の問題がぎょうさんあるのですが、少数の業者が独占しておることが、非常に国損になるという非難もあるのであります。ことに中古品であります。中古品の客観的な相当価値、価格の妥当性というものをきめるのはなかなか困難であります。あるいは、人いわく、日本防衛庁が外国から部品を買っているものは、世界相場から見るならば、三割くらい高いものを買っているということさえいわれます。その真偽は私は存じません。もしそういうことがほんとうであるならば、これは防衛庁の器材の購入関係におきましても、年間数十億円の要らぬ損失をしていると申し上げなければならぬ。こういうことを思うと、その点はもっと公開入札という制度を採用することが必要なんであります。これはあなたと問答することはどうかと思うから、進めません。けれども、結果は指名入札も公開入札も大差ないことになろうというような考え方は少し甘いので、私はどうかと思っております。けれども、この点についての議論はあなたとはしないことにいたしておきます。  次いで聞きますが、三国商工が介入した問題については、どうもやはり私は釈然としないのであります。三国商工は従来、防衛庁とのこの種の部分についての取引はなかった。外国から買っておった経験はあるらしい。一体この種の部品は、防衛庁以外には納入先がないように思うのでありますが、これは外国から買う経験もなかったのがほんとうじゃなかったかとも、ちょっと想像されるのですが、その点どうなんですか。
  89. 石井由太郎

    ○石井説明員 その間の事情につきまして、私の承知しております限りを申し上げますと、三十年の夏でございますか、日本側にC46が参りました結果として、46の部品が相当調達されるということがアメリカのサープラス市場に響いた由でございまして、アメリカの業者が三国商工との取引関係日本に尋ねて参り、実は私どものところにも参っております。入札参加をさせてくれないかということを言ってきております。当時、防衛庁では随意契約で購入するといううわさが流布された由でございまして、このようなことはおかしいという申出をダグラス氏から受けております。事実、随意契約にいたします理由はなかなかないので、調査した結果、指名競争入札を行うことにしたわけでありますが、このような関係から、三国商工はその取引先等を通じてトランスオーシャン社と提携し、これを供給し、取引することとなったと考えます。
  90. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 本部長にお伺いしますが、世界の相場に比べてずいぶん高く買っているといううわさがあるとさきに指摘したのですが、これはあなたの方ではどういうふうにお考えになっておりますか。
  91. 武内征平

    武内説明員 世界相場に比べて非常に高いというお話でございますが、必ずしもは高くないと思います。これは先ほど何しました三社で入札いたしまして、一つは一億三千万、一つは一億二千万、三国は一億七百万、こういうふうになっております。これらのサープラス部品についての世界の標準プライスというようなものはあまりないので、これらの調達につきましては、われわれは非常に頭を使ってやったわけでございます。私はこの契約は必ずしも高くなったということには考えておりません。
  92. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 しかし日本にないもので、それから新品の製造は、機体も機械もいずれも中止されて、従って中古品といいますか、とにかく今新品でないものを入手しなければならぬというようなこと、この種の問題は、防衛庁にはとかくよくある。そういうときに、世界の一つの標準的な相場を知るということは、私はあなたの方の必要な事務じゃないかと思うのであります。これは三社が入札して、いずれも一億円以上、そのうち安いのが三国商工である、それで入札せしめたから高くないと思います。世界の相場はよくわからぬということじゃ、これはどうかと思います。今日はこういう交通通信の発達したときでありますから、そういうものは直ちにいろいろな見地から検討し得ると思います。のみならず、そこで公開入札の問題が起ってくるのです。こちらさえ、あなたの方でさえ、技術命令書によって確固とした方針と、そうして部品に対する厳重な規格と検査と収納の態度、これさえ確立しておったならば、公開入札で、世界中の、アメリカからでもよろしい、アフリカからでも、どこからでもいいから、われと思わん者は入札に来い、それでいいと思うんです。こちらが十分検査すればいいんですから。そうしたら世界の水準に従った部品購入ができると言わねばならぬ。御自身も三割高いと言われておる。これは私にも何も確固たる根拠はありませんから、私はあなたを責めるわけにいかぬのですけれども、やはりそういうことは十分に考えなければいかぬのです。何か知らぬが三社、四社が悪口を言い合いして、それで入札して安いものに落したというのでは実に心もとないのです。これも、あなたの方が一億や二億の金を使っておる役所ならこんなこと言わぬけれども、千数百億円を使うところの膨大な消費をなさる官庁なんだから、ことにそう言わねばならぬのです。ことにこの部品購入いかんは人間を殺すこともあり得るのですから、ことさらにそういうことを言わなければならぬ。そういうことを思いますと、価格はどうでもよろしい、どんな高いものでもよろしいという考え方は、同時に品質はどうでもいい、種類はどっちでもよろしい、まあまあ金があるから使いましょうということに堕するおそれがある、だから私は申し上げるのです。  そこで、ちょっと飛んで伺いますが、三国商工からこの種の部品をたくさん買い入れて、検査院から非難されて無償交換したという事実もあるらしい。あなたの方でいろいろ陳弁しておられる説明書もあるけれども、よく要領を尽しておらぬ。これは一体注文した方が手違いがあったのか、納入した方があなたの方を誤まらしめたのか、それともこれは天災なのか、その点はどうなんです。
  93. 石井由太郎

    ○石井説明員 本件につきましては、注文書に誤まりがあったということに帰するわけであります。三国商工あるいはCAT、第一物産、それぞれ当方の示しましたリスト通りを納めるという入札書を入れておるわけでございまして、三国商工もその通りのものを持って参っておるわけでございますから、これは注文の誤まりと申さねばならぬと考えております。
  94. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは注文の誤まりというならば、やはりさっきの技術命令書に的確に根拠して種類、品質、数量等々を厳格に限定しておらなかったということに帰すると思われます。この点は、だんだん明らかになっておるのだが、あなたの方の部品購入というものは、これはC46全機に対する注文をしたつもりなのか、あるいは特定した番号のC46に対する注文なのか、それはどっちです。
  95. 小山雄二

    小山政府委員 本件部品調達いたします際には、C46は十六機持っておりました。これの飛行時間等を推定いたしまして、本件一億何がしの調達は、約十六機に対する八カ月分という計算をいたしてやったわけであります。
  96. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 その十六機というのは、番号はわかっておりますか。
  97. 小山雄二

    小山政府委員 当時、いろいろ調達を始めるときに持っておりました飛行機の機数が十六機でございます。その後飛行機供与が増加しておりますので、現在は二十九機持っておるわけでございますが、この部品大部分入っております。まだ少し残っておりますが、それはどの飛行機にも使うということになるわけであります。
  98. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで、買いました部品は、すでに修理用等に使いましたか。
  99. 小山雄二

    小山政府委員 入りました部品は、第一回が昨年の七月ごろで、まだ少し残っております。千二百六十九、少し取り消しがありまして減っておりますが、大体千二百六十のうち百七十くらいはまだ入っておりません。残りは全部入っております。このうちで、詳しい資料を持っておりませんが、補給処から部隊に対しまして補給はある程度やっていると思いますが、そうたくさんの分量じゃないと思います。オーバーホール用にはまだ使っておりません。
  100. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 大島上空で故障を起した機関には使いましたか。
  101. 小山雄二

    小山政府委員 去年の三月の事故でございまして、それはまだこの部品が入っておりません。それから今度の美保の飛行機も、供与の最後の飛行機でありまして、向うオーバーホールを全部やって参りまして供与を受けて、そのまま飛んでおった飛行機でありまして、部品は……。
  102. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 いや、私の話しておりますのは、去年三月の事故を起しましたあのエンジンは、その後修理はしていないのですか。
  103. 小山雄二

    小山政府委員 修理をいたしました。
  104. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この三国商工以外から部品購入した事実がありますか。
  105. 石井由太郎

    ○石井説明員 正確には文書で御提出申し上げておると思いますが、昭和三十九年度におきまして一千万円ほどのものを、これはエンジン部品でございますが、三菱商事から購入したものがございます。
  106. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうすると、二十九年度に三菱商事から千万円買い受けた、それから三国商工から一億数千万円買い受けた、これが部品の全部、そしてそれによってこの修理、手直しなどをやった事例は何機あるのですか。
  107. 小山雄二

    小山政府委員 詳しい資料を持っておりませんが、大体のことを申し上げますと、機体の方のオーバーホールと申しますか、それは昨年三月に事故を起しました飛行機を含めまして、新三菱に二機オーバーホールに出しまして、二機受け取っております。その後のオーバーホールはいたしておりません。これは供与の時期と使用の期間の関係で、そういう関係に相なるわけであります。エンジンにつきましては、エンジンは予備エンジンを相当持っておりますから、台数は二十九機よりだいぶ多くなりますが、三十年の九月に十六台、十月に一台、三十二年一月に四台出しておりまして、これは一台受け取って、あとオーバーホール中でございます。
  108. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと機体オーバーホールは新三菱に二機、大島上空の事故機体でなかったように私は記憶しておるのですが、これはオーバーホールしたのですか、しないのですか、する必要がないのですか、その点いかがなんですか。
  109. 小山雄二

    小山政府委員 間違いまして失礼いたしましたが、機体オーバーホールはいたしておりません。
  110. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、新三菱の二機をオーバーホールしておるというのは何のことですか。
  111. 石井由太郎

    ○石井説明員 私ども機体オーバーホールをいたしましたのは、新三菱重工業と契約いたしまして、二件機体オーバーホールをいたしております。それからエンジンの方は、大江の工場、これはやはり新三菱重工でございますが、大江工場と契約いたしまして修理を行なっております。これは大幸工場で修理をいたしておるわけであります。台数は二十一台修理いたしております。
  112. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、この三十機のうち、新三菱の小牧ですかその工場で、機体を二機オーバーホールしておる。それから新三菱の別の大江工場でエンジンを二十一台オーバーホールしておる、こういうふうに理解したらよろしいのですか。
  113. 石井由太郎

    ○石井説明員 エンジン修理いたしました工場は、大幸工場でございます。
  114. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 新三菱ではなしに、さらに別の会社ですか。
  115. 石井由太郎

    ○石井説明員 新三菱重工業でございます。
  116. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうすると、新三菱重工業の大幸工場においてエンジンを二十一台、新三菱の小牧工場――あなたは言わなかったが、小牧でしょうね。機体二機をオーバーホールしておる、こういうふうに承わっていいですか。
  117. 石井由太郎

    ○石井説明員 さようでございます。
  118. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますると、予備エンジンをそれぞれ一基ずつ持っておるということであるならば、三十機に対する予備エンジンがある。このオーバーホールしているエンジン二十一台というのは予備エンジンをしておるのか、取りつけてあるものをしておるのか、その点どうですか。
  119. 小山雄二

    小山政府委員 飛行機は今二十九台持っておりまして、これにそれぞれ二つずつエンジンがついております。そのほかに予備エンジン四十四台持っておりまして、そのうちの二十一台が新三菱でオーバーホールしておる。これは部品関係で少しおくれておりまして、新三菱で大体二十一台まだ工場に入っております。あと補給処の方にあります。
  120. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、予備エンジンは四十四台あって、そのうち二十一台をオーバーホールしておる。従って各機に二台ずつついておるエンジンについては、これはオーバーホールはしていない、従来もしなかった、これでいいのですか。
  121. 小山雄二

    小山政府委員 これはエンジンの寿命といいますか、オーバーホールする時期がきますと、はずしまして予備の整備したものを取りつけて、またオーバーホールするわけでございます。大体七百時間動きますと、エンジンオーバーホールいたすということになっております。
  122. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで現実には機体に取りつけてあるエンジンは、いまだ寿命がきておらぬので、オーバーホールする必要はないのでしておらない、こういうふうに理解をしてよろしいですかと聞いておるのです。
  123. 小山雄二

    小山政府委員 初めに供与を受けました方のものは、だんだんオーバーホールの時期がきておりますので、逐次かえていきつつあります。供与の初めの時期のものは、七百時間飛んでおりますから、それをはずして、それがオーバーホールに回っておるのであります。
  124. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、今、沈んだやつが一機あるとして、二十九台でもよろしいが、かりに三十台と一応しておきましょう。この三十台のもので七百時間を飛んだものはそれぞれ予備エンジンと取りかえて、その取りかえた予備エンジンを二十一台大幸工場でオーバーホールをしつつある、これでいいのですか。
  125. 小山雄二

    小山政府委員 そうでございます。
  126. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうすると、この予備エンジンの二十一台の中には、去年の三月の大島上空の事故を起したエンジンも含んでおりますか。
  127. 小山雄二

    小山政府委員 ここに持っております資料では、日付がちょっと合わないのですが、新三菱にオーバーホールに出したものの中に含んでおると思います。
  128. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 去年のような事故があった限りは、その原因が探求せられて、あなたの方では、長官の説明によると、ピストンの付近が破壊されておった、その他の原因が判明したと言っておりましたが、全体の機体及びエンジンについて、さらに再検査するという必要はないものですか。その点はいかがですか。もっとも、あなたの方はその衝に当らぬのかもしれぬが、再検討する必要があるとかないかということ、かりに再検討を要するというのであれば、そういうことは、どこが起案し、どこが計画するのですか。
  129. 小山雄二

    小山政府委員 昨年三月に起りましたエンジン事故は、結局一つのシリンダーの中のピストンのピンが材質の悪い関係で折れた、その折れたピストンがはね回って、あちらこちらをこわしたあげくのはてが、一つのシリンダーの横を破りまして、そこから火を吹いた、こういうような結論になっております。技術的な判定、協議の結果、そういう事実を審査いたしますとともに、今後の対策をいろいろ考えたわけでございますが、その中にピストン・ピンの間の距離を測定するとかそれから、オーバーホールしたエンジンについて再チェックをするとか、いろいろな措置をきめております。これは、たとえば奥の深いところですと、そういうことは全部ばらしてやるわけにしてもなかなか参らないのですが、たまたまピストンのところの事故でございましたので、トップ・オーバーホールと申しまして、頭のところをはねてピストンのシリンダーの頭の方だけをチェックするという措置は、全部のエンジンについてやったのでございます。これは空幕で計画を立てまして、その処置をいたしたのでございます。
  130. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 空幕で計画を立てた、そうすると空幕が責任者になるわけですね。そこで去年の三月の事故を起した飛行機がピストンのピンの材質不良のために折れて、はね回ったほかに、穴をあけて火を吹いたというようなことは、これはやはりあるいはピストン・ピン――ピンだから二種の部品かもわからぬが、材質が悪いというようなことは重大なできごとであります。そういうときは、われわれしろうとでありますけれども、やはり全体の再検討をする、点検をするということが必要でないかと思うのだが、その必要は一体認めなかったかどうか、これが一つと、もう一つ聞きたいことは、このたびの美保の事故について本日の新聞等に発表しておるところによれば、すでに繰縦士のあやまちてあって、プロペラ、機体を引き揚げて調べた結果、プロペラ、エンジンは順調に動いていたと認められる、資材老朽はなし、こういうようであって、要するに機体エンジン等に何らの故障といいまするか、原因はなかったような判断に到達しておるのでありまするが、何か知らぬけれども、こういう判断を大へんに急いでおられるような印象を受けるのであります。十分にこれは検査をせられたのありますか。これはだれが答弁するのですか。これは装備局長の責任じゃないでしょう、やはり次官でなければいけません。
  131. 高橋等

    高橋(等)政府委員 本件につきましては調査会を組織いたしまして現地で調査をいたし、本日発表いたしましたことは中間的に一応の報告をいたしておるのでありまして、なお引き続いてすべての調査を続行いたしておるわけでございます。
  132. 細田綱吉

    細田委員 吉田委員の御質問についてちょっと、途中で大へん恐縮でございますが関連して……。先ほど調達本部長ですか、三国商工の資本金を吉田委員が聞いたときに一億幾らとか二億幾らと伺ったのですが、ぼくの聞き違いでしょうか。――さっきどう答弁されたかというのです。――調べなくたっていいでしょう、さっきの答弁を聞いているんです。
  133. 石井由太郎

    ○石井説明員 失礼いたしました。一億数千万円と申し上げましたが、これはあやまりでございまして、公称資本は四千二百万円、一億数千万円と申しましたのはその他の自己資本全体であったと記憶いたしております。
  134. 細田綱吉

    細田委員 三国商工株式会社の謄本を見ますと、ごく最近まで三百万円の泡沫会社だ、時価で三百万円です。よく聞いて下さい。今の三百万円というのは昔の二百五十倍、戦争中なら一万円です。そうでしょう。ただ二十九年の五月に九百万円になり、また二十九年六月に一千八百万円、これはごく最近の話ですよ。そして今本部長のお答えのように四千二百万円というのはこれは三十年六月です。もうごく最近までこれは泡沫会社だ。しかもこの会社の従来からずっと現在までの幹部というのは、取締役、監査役を見てみると――私は寡聞にしてその方面に対する知識がございませんが、われわれが見ても財界でこの人はというのは一人も入っていないじゃないか、この中に一人も入ってない。こういう会社を、さっきも吉田委員の御質問に対して三十一年度の一月急遽登録して、そして審査会を省略したと言われたが、これはどういうわけなんです。われわれの常識から言えば、こういう会社が参加したのだから審査会にかけるのが当然なんです。あなたはさっき審査会はそういうことを含んで決定していると言ったが、まだ審査会の当時は登録したかしないかというときでしょう。そういうことを含んだ決定をしているというようなことは、これはいかにも弁解がましい、言いわけがましい答弁だという強い印象を私たちは受けるのですが、それは別として、実際は戦争中なら一万円の会社だ、そんな会社になぜ審査を省略したか、もう一度御説明を願いたい。
  135. 石井由太郎

    ○石井説明員 過去におきましては三百万円とか六百万円とかいうようなことであったかもしれませんが、われわれが調査いたしました当時におきましては資本金四千二百万円、自己資本を合せまして四億四千二百万円余、別途積立金一億二千六百万円というような大きなものを持っておる会社でございまして、これらの取引の相手方となすに足る根拠は十分あったものと考えております。
  136. 細田綱吉

    細田委員 前はどうだったか知らないが、私たちの調査したときはと、こう言われるのだが、少くともこれだけの重要なものを注文されるのに、あなたのところは会社の登記簿謄本くらい見ないのですか。見れば今のような答弁はないはずです。あまりにも子供だましのような答弁だ。あなたのところがこれだけの重要な注文をされて、しかも審査会まで省略するということは、よほど信用しなくちゃできないでしょう。指名入札なら、信用したこの会社というものだけが指名の中へ入るわけなのだ。その重要な信用した会社に対して、その当時は四千二百万円だというのだけれども、登記簿謄本一通あなたの方は見ないほど疎漏な登録の受付をしているのですか、その点をまず伺います。
  137. 石井由太郎

    ○石井説明員 調査をいたしました結果、取引の相手方として足るものであるということを判断いたしました。
  138. 細田綱吉

    細田委員 それではこの会社は、通産省の方でも、あなたの方で御調査になって、またおそらく信用調査でやっておられると思う。輸出入の実績は従来年数別にしてどれだけあったのですか。
  139. 石井由太郎

    ○石井説明員 昭和三十年十月ごろにおきまして一年間に二億九千三百万円、輸出高は微々たるものでございますが、この程度と記憶いたしております。
  140. 細田綱吉

    細田委員 昭和三十年六月ですか。
  141. 石井由太郎

    ○石井説明員 十月でございます。
  142. 細田綱吉

    細田委員 十月、それではあなたの方の納入のちょっと前の話なんだが、その昭和三十年十月前の実績はどうなんです。それから今あなたがお読みになったその数字は、一流商社として、あるいは特に信用の度合いになる数字ではないと思うのだが、そうでしょう、そんな数字、特に輸出に至ってはほとんど見るべきものがない、輸入に至っては微々たるものだ、これはもう問題にならぬ。しかもあなたの方が登記簿謄本を見たところが、今言ったように二十九年までたった三百万円くらいの会社でしょう。どこに一体あなたの方が、審査会を省略するに足る信用の標準を置かれたか、いま一度伺いたい。
  143. 石井由太郎

    ○石井説明員 一般の輸出入取引を考えるのではございませんで、われわれの方の審査の基準といたしましては、アメリカにおける有力なる修理業者あるいは部品の取扱い業者と連携して供給される取扱い業者を相手としておるのでございます。従いまして一般に手広く輸出入の業務をやっていることを必ずしもこれは必要とするものではない、のみならず、資本は三百万円というお話、あるいは千八百万円とおっしゃいましたが、これは審査いたした当時は四千二百万円の公称資本、しかしながら、自己資本といたしましては四億以上、別途積立金その他を持っておりまして、一億数千万円の商いといたしましても、これの相手方としましては十分な資格があると考えて差しつかえないものと考えたわけであります。
  144. 細田綱吉

    細田委員 必ずしも輸出入の業務に手広く従っていなくてもいいと言う、それはわかるのです。それはわかるけれども、あなたの方として、ただその飛行機の部分品の製造あるいは輸出入業者と取引しておればいいのだというのだったら、これは簡単ですよ。あなたの方の指名の範囲の中に入るのだったらこれはきわめて簡単です。アメリカのどんな会社でも特約すればそれでいい。そこで、あなたがさっき言ったように、四億も積立金があってと言うけれども、この四億の積立金のもとをなす三十年十月前の年次別の輸出入の実績はどうなんだ。あなたの御説明がないので、さらに四億の積立金が本物であるかどうか、さらにその点から検討いたします。
  145. 石井由太郎

    ○石井説明員 当社は輸出入の仕事を主たる業務とするものではありませんで、キャブレターその他の大きなメーカーでありまして、六百人の従業員をかかえまして製造工業を営んでおるのでございます。従いまして、収益とかあるいは資産内容のよろしいのは、そのような関係からきておるものと考えておるのでございます。しかしながら、われわれが取引します相手方の資産、信用能力といたしましては、別段これが必ずしも輸入関係からきた利益でなくてもちっとも差しつかえないわけであります。全体としてそれだけの資力を備えておりますので、相手方になったわけでございます。
  146. 細田綱吉

    細田委員 六百人というと、たとえば本件について特に辞退した三菱重工なんかに比べれば全く問題にならない、あなたの方は六百人というのは六万人の間違いじゃないかと思うのだが、あのでっかい予算を消化するあなたのところとして、中小企業振興のためというなら別です。またあなたの方のいろいる統計を見ても、中小大というふうに企業別にもいろいろ操作されておるようですが、そういう意味なら別として、信用の標準を置くには足りません。私が再度言ってどうして説明してくれないのです。信用の標準になるとさっきあなたが言ったでしょう。まあ輸出は見るべきものはないが、輸入で二億何千万円だと言うが、それではその輸入でもいいのです。三十年は、二十九年は、二十八年は、どういう数字を示しておるか。
  147. 石井由太郎

    ○石井説明員 われわれが業者の選定の基準といたしては、いろいろな基準がございますけれども、資産信用といたしましては十分であると申しますのは、実際の純資産、すなわち借入金と資産一切の差額の実際の純資本が、われわれの契約が履行されなかったり、あるいは破産があったりした場合の責任を償うに足りればいいわけでありまして、大蔵省の定めるところによりますと、資本金の同額または納めました法人税等の税金の五十倍ということになっておるわけでございます。当社は納税額から申しますれば五千数百万円を実は納税いたしておるということがはっきりしておるのでございますので、この程度の取引をするに可能と考えたわけであります。
  148. 細田綱吉

    細田委員 六百人の工場を持っておるメーカーだと言うけれども、その中には内燃機の部分品だけじゃない、もっと極端に言えば農機具だけやっておる。そうでしょう。この場合の信用の標準は、外国商社との輸入、輸出の問題でしょう。私はそう思う。あなたのところで、飛行機の部分品に自動車の修理というのだったら、これはまた幾ら関係があるかもしれませんが、農機具の製造に至っては、あなたの方じゃ信用の標準にはならぬと私は思う。それは現在やっておるか、どうか知りませんけれども、問題は輸出入の実績だと思う。どうしてあなたは私のその質問に対してお答えにならぬのですか。二十八年、二十九年、三十年の輸入実績をどうしてお示しにならないのですか。
  149. 武内征平

    武内説明員 当社は、取引は相当広くやっておりまして、海外の著名会社とは次のような代理契約があります。農機具につきましては、西独のマン・エーベルハルト社、土木の機械については、アメリカのグットマン社の代理店、それから材採チェンのことにつきましては、米国のホームライト社、工作機械については、アメリカのデューモアー社、オートバイその他は、イギリスのトライアンフ社、その他と代理店契約をいたしております。二十九年十月から三十年九月までの輸入実績が一億六千四百五十一万六千円ということでありまして、国内品の売上げが九億三千八百五十七万円、こういうような実績になっております。
  150. 細田綱吉

    細田委員 あなたの方は内燃機の関係の実績を少しもお示しにならぬのみならず、輸出入実績の数字もちっとも答弁しない。というのは事ほどさように調べていないということなのです。わずか三百万、数年前まで、数年どころじゃない、一昨年の中ごろ三百万円の会社を、あなたの方はどういうふうに純資産を見たか知りませんが、吉田委員も弁護士で、いろいろ会社の関係も持っておられると思う。私もまたその末席を汚しておるが、純資産の評価なんということは、そう言っちゃ申しわけありませんが、この程度の調査では出てきませんよ。あなたの方が、この三国商工に、特に審査会を省略して入れたということは、だれが何と言っても、そしてその会社に対してこの程度の調査しかしてないということは、だれが考えたっておかしいのです。大きなボスが介在しているか、あなたたちの中で腐っているか知りませんけれども、こんなばかなことをして飛行機が墜落し、人間の命はなくし、金をばらばら使われてはたまったものじゃないですよ。私のようなずぶの新米だってその印象を強く受けるのです。今申し上げたような私の質問に対する三国商工に対する調査事項の御答弁がありませんか、あなたの方の「防衛庁調達の概況」というこの小冊子を拝見すると、七一ページに指名随契審査会の運営要領というのがある。その終りの方に、審議された件数として、指名入札についてはこうだ、随意契約についてはこうだ、こういうふうにいろいろされておるが、審査会にかけないで随意契約をした、あるいは審査にかけないで指名入札をしたという数字が出ていないが、本件はどれに当るのですか。これは印刷を漏らしたのですか。故意に漏らしたとしか思えませんが、もしそうなら、これはどこに当るのですか。
  151. 石井由太郎

    ○石井説明員 審査会にかけなかった件数については手元に資料がございません。
  152. 細田綱吉

    細田委員 そうすると、あなたの方でこれ以外に審査会にかけなかった随意契約あるいは指名競争入札等は、幾ら件数があって、幾らの金額があるのですか。
  153. 石井由太郎

    ○石井説明員 随意契約についてただいま手元にそのような件数のはっきりしたものを持っておりませんが、指名競争入札に付するについては、一定の資格とか、あるいは同一案件を重複して何回もかけるというような手数を省略いたしますために、指名随契審査会の付議を省略いたしておりますのが慣例になっております。従いまして、このほかに相当件数の省略されたものがある次第でございます。
  154. 細田綱吉

    細田委員 そうすると、これはただその一部だけを印刷して、審査会にかけて防衛庁は公平、ガラス張りにやっておりますということをみんなに知らしたたけですが、その公平な、ガラス張りなというのはごく一部――ごくかどうか知りませんが、少くとも全体でなくしてこれは一部である、こうわれわれは見ていいのですか。
  155. 石井由太郎

    ○石井説明員 指名随契審査会に付議を省略いたしますのは、同様な案件がすでに可決されておりまして重複を避けるためであるとか、あるいは一定の資格基準等が明らかにされておりますので、その基準に合致したものを選ぶにおいては公平が維持できるというケースを省略いたしておるわけでございますから、ガラス張り政策の本旨にはいささかも背馳していないものと考えておる次第であります。
  156. 細田綱吉

    細田委員 一定の資格基準がすでに定まっておるものは省略するというなら、三国商工はどこに一定の資格と基準が定まっておりますか。
  157. 石井由太郎

    ○石井説明員 最大の資格となりましたものは、米国の有力なる航空機の修理業者と提携して納入し得るということを証明し得たことであります。これが第一点であります。第二の点は、入札その他の場合に参加する大蔵省令の定める資格要件を備えておるという点であります。第一の点は、先方から書面をもって提出して参っております。第二の点は、税金の納税額が一カ年に五千六百万円あるいは六千万円というような大きな額に上っておりまして、従来のこの種の業者の指定の基準としては足るものというふうに解釈いたしておる次第でございます。
  158. 細田綱吉

    細田委員 先ほど先輩吉田委員の質問に対して、防衛庁で買っておるのは高くないという。三割ぐらい高いといわれているがどうかと言ったら、いや高くない、それでは世界の相場はどうかと言ったら、世界の相場はわからないという。こんなことはちょっと答弁にならぬと思うのです。これは輸入品なんですよ。これは高くないということはどこから出たのですか。もう一度私に聞かして下さい。
  159. 武内征平

    武内説明員 先ほどの入札条件というのは、いろいろアメリカにおける供給能力のある会社と提携している日本の商社を相手に入札するということは、とりもなおさずアメリカにおいて競争入札をやったということなんであります。これは実を申せば、一億にも上る金額の契約のものでもあるし、しかもサープラスのものであるから、もし事情が許せば人をアメリカに派して、アメリカの市場において競争入札をやったらどうか、こういう議論まで出たのであります。しかしながら、それは旅費その他の関係もあってなかなかできないということで、日本商社との提携によって国内において指名競争によって入札をしたということでありまして、自動車の部品のように一定のプライス・リストというものがないのでありまして、従って、アメリカの会社がここで競争入札をやって、そして与えられた最低の入札価格をもってきめたということは、とりもなおさずそれがその当時におけるところのこのC46の部品の価格である、しかも最低の価格をとっておりますので、それが必ずしも高くはないと考えるというふうに申しておるのであります。
  160. 細田綱吉

    細田委員 今の結論を聞きましょう。輸入品ですし、国際的な問題ですからね。アメリカへ人を派すとか、あるいはアメリカへ照会するとかいうことにしていないというわけだが、一々人を派すということも、大へんでしょう。そういう個々のケースについて人を派すということもむずかしいが、結論を聞きましょう。あなたのところは将来これでいいと思っているのですか、その点を伺いましょう。
  161. 武内征平

    武内説明員 ただいま御指摘の点は非常に大切なところでありまして、私の方もこれでいいとは考えておりません。その証拠に、三十一年におきましては輸入品について新しい二つの構想を出しています。その一つは、ラインバーサブル・エイドと申しまして、有償援助というふうに訳しておりますが、アメリカの現用機の部品等は米国政府から直接買うということをいたしております。これはMSA法第百六条によりまして、MDAPは無償でありますが、MSA法に基くラインバーサブル・エイドは有償援助でありまして、援助の一種でありまして、現用機の部品等につきましては、アメリカが直接日本政府に売ってくれるという条文がございます。これにアプライいたしまして、ことしは約十億のものをアメリカから買うように手配をいたしまして、その一部はすでにオーケーをもらっております。約十億ですが、しかしこれはアメリカのマーケットから買うよりは少くとも二割ないし三割安いということをわれわれは確信いたしております。それから第二の点は、直接契約というのをいたしますダイレクト・コントラクトですが、実は最近アメリカのユナイテッド・エヤクラフトとヘリコプターにつきまして約十二、三億の契約をいたしました。これは商社を通ずる方法はあるのでありますが、金額が非常に大きいというのと、リベートその他いろいろの問題もありますので、大きいものにつきましては一つダイレクト・コントラクトをしようということで、この間極東部長のアーノルド氏が来まして、われわれの事務所で約一ヵ月にわたって交渉をいたしまして、約十二、三億のものをダイレクト・コントラクトをいたしました。その他の金額の少い輸入品につきましては商社を通じて輸入する、この三つの方法でいくということに考えておりまして、三十一年度は約五十億の輸入があると思いますが、ラインバーサブル・エイドによって十億、ダイレクト・コントラクトによって十五億、残りの二十数億というものが商社を通ずるコンマーシャル・ベーシスの輸入というふうに考えておりまして、われわれとしましても、輸入について適正な価格で、しかも確実なものを早く入れるということにつきましては最大な努力をいたしておるような次第でございます。
  162. 青野武一

    青野委員長 この機会に高橋政務次官まで要望しておきますが、先ほどから吉田委員の質問が続いております中に、英文を邦文に訳されてお読みになったあの文書を、各委員に行き渡るように日本文に訳して印刷して御配付を願いたい、将来の防衛庁の問題の審査の上にこれが必要であると私も認めますので、なるべく早い機会にそれを委員長の手元まで一つ御提出を願いたいということと、この次の日にちは未定でありますが、この次に航空幕僚監部から佐薙幕僚長に、ぜひ出席してもらうということ、これを委員長からも要望しておきます。
  163. 細田綱吉

    細田委員 資料の提出で、今委員長が訳文でとおっしゃいましたが、私なども訳文でないとわかりませんが、しかし原文を添えて訳文の方を出していただく、一つこういうふうに御請求になっていただきたい。
  164. 青野武一

    青野委員長 高橋政務次官、今申しましたのに細田委員から追加してそういった内容の資料の要求があります。これは委員長においても適切であると考えますので、なるべく早い機会に御提出を願いたいと思います。
  165. 高橋等

    高橋(等)政府委員 承知いたしました。
  166. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 米子で事故を起しました、C46、これはオーバーホールしなかったというような趣旨の御答弁があったやに記憶しておるのですが、もちろん航空部隊等におきましては、それぞれ整備係員もあろうと思いますから、機関その他の整備は何かとしておられると思うのです。これは機体、機関等の修理は全然したことがない飛行機であったのでありますか。
  167. 小山雄二

    小山政府委員 美保で事故を起しました飛行機は、時間で申しますと、機体はその飛行機が作られてから七千八百三十六時間でございます。発動機は、右の発動機が六百九十二時間、左の発動機が千五百七十二時間、これが発動機ができてからの時間であります。供与飛行機はすべて向うオーバーホールをしましたものを供与を受けるということになっておりましてこれはCATで米軍の命令で整備したものを米国側から供与を受けたわけであります。それが最近のオーバーホールでありまして、そのオーバーホール後の使用期間は、機体は千二百八十二時間、発動機は右は百十三時間、左は五百九十七時間、この飛行時間ですと、オーバーホール機体の方は二回目くらい、発動機は初めてくらいだと思います。機体につきましても発動機にきましても、米軍では大体使用時間その他によりまして、どのくらい使ったらオーバーホールするという規定がございますし、わが方では米軍より念を入れて、短かい使用時間の後に取りかえ、オーバーホールをする、こういうことになっております。
  168. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 部分的な修理ないしは部品の取りかえ、工事でいえば手直しというようなことかと思いますが、そういうささいな、修理取りかえ等もしたことはないのですか。
  169. 小山雄二

    小山政府委員 飛行機は飛行の前後に必ず点検をいたします。そのときにネジが緩んだとかとれたとか、そういうところは必ずそのつど直しております。それからこういう型の飛行機ですと、百時間飛びますとほとんど定期的なディテクションをやっております。そういうときにも、そういう不工合なところは直していくことはもちろんやっております。先ほど申しましたのは根本的なオーバーホール、総分解であります。
  170. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 その機体並びにエンジンの製造年月はいつですか。
  171. 小山雄二

    小山政府委員 機体は一九四四年であります。エンジンについては、その年月日はちょっとわかりませんが、使用時間から判定しますともうちょっと新しいんじゃないかと思います。
  172. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 すでにこの機体エンジンは陸上に引き上げてありますか。
  173. 小山雄二

    小山政府委員 そうでございます。
  174. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 このエンジン機体等についての点検等は専門の工場でやったのですか、その点はいかがでありますか。
  175. 小山雄二

    小山政府委員 今度引き上げたエンジンはまだ工場には入れておりません。ただ事故調査委員会では運用方面の人のみならず、技術研究所の部長も行っていいいろ調べまして、エンジンの当時の状態を判定いたしたような次第であります。
  176. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 前の大島上空で事故を起した航空機の故障はどのくらいの日数を要して判定いたしましたか。
  177. 小山雄二

    小山政府委員 故障の原因がわかった日数でございますか――三月一日に事故を起しまして、最終的な報告書が出ておりますのが五月二十三日であります。これは外から見たのではわかりませんので、新三菱大幸工場に持って参りまして、精密検査その他をやってその結果をまとめましたのが五月二十三日であります。
  178. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 約三カ月を要しておりますが、その間参加いたしました技術者は防衛庁に所属する技術者のみですか。それとも部外の専門家が参加したのですか。その点いかがですか。
  179. 小山雄二

    小山政府委員 航空幕僚部はもちろん、補給処それから技術研究所、それから飛行機を持っております美保の部隊、そのほかに新三菱重工の発動機の部長、課長その他の技術関係者が参加しております。なお軍事顧問団からも参加しております。
  180. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 どこで検査、研究したのですか。
  181. 小山雄二

    小山政府委員 新三菱の大幸工場であります。
  182. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これはやはり一定の設備機関等がある場所でないと最も適当な検査研究はできないのではないですか。
  183. 小山雄二

    小山政府委員 その通りでございます。
  184. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それならば美保の付近におきまして、海上に墜落しました飛行機が引き上げられまして、あの付近において優秀な工場ありとも聞いておりませんが、すでに事故調査委員会等によって機体、機関に何らの故障、不良の個所はなかったということでありますが、それと大島上空で昨年三月一日の事故を起したのとは状況等がよほど異なったケースにあるのは間違いありませんけれども、しかし今次のものはすでに人命を多数失って、社会の耳目を衝動せしめたというような大きな事件でありますから、一そう慎重、周密な検査が必要であろうとわれわれは考えるのでありますが、そのように去年の分と同じような慎重な手続をとらなかったのはどういうわけでありますか。
  185. 高橋等

    高橋(等)政府委員 本件につきましてはまだ今調査中であります。本日お手元でごらん願っておりましたものは中間的な報告をいたしたわけであります。それは機体が墜落いたしました。そうしてエンジンが外へ飛び出しておったり、いろいろな状況から判断をいたして、エンジンは無事に動いておったという推定を実はいたしている。それから機体等の機材が非常に古くなって、どうもならなかったのではないか。むしろそれが事故の原因ではないかということについては、機体が、たとえば、操縦席等が吹っ飛んでおりますから、そのこわれ口その他のいろいろな面から観察をいたしまして、そうした中間報告を今いたしております。こうした大きな事故を起したのでありますから、なお念を入れて十分慎重に、この点は今後調査を続けるということに決定をいたして、今その方向でやっているわけでありまして、どうぞ御了承願いたいと思います。
  186. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 今御説明になりました中間報告は、いずれ文言を作成せられておるものと思いますので、当委員会に資料として出すことに一つお計らいを願いたいのであります。  それからもう一つは中間報告ならばやはりあまり断定的な印象を与えるような方法でなしに、あくまでも中間報告として、まだ十分にこれから検討するのであるというふうな態度が私はなければなるまいと考えるのでありますが、どうも社会に与えた印象はそうではなくて、もう即決即断的な印象を与えておりますのが、非常に私は遺憾に思っております。この点は一つ一応資料として出していただいて、われわれも十分にあらゆる角度から検討もさしていただきたいと思います。C46の関係につきましてはなお質疑は留保いたしまして進めたいと思います。  なおこれに関連して偶然に問題になりました例の指名随契審査会の問題でありますが、指名随契審査会の規定を読んでおりますと、ずいぶんと厳格な規定ができております。昭和二十九年十月二十五日達十二号によりまして相当厳重な規定ができております。それは八条から構成されておるのでありまして、この審議の内容も記載されておるのであります。私は今石井副本部長の御説明になりましたように、時間がなかったというような御説明でありますけれども、第一は結果から見て実に遺憾であったこと、それは防衛庁の誤まりでなくて、三国商工の誤まりでなくて、注文の方の誤まりであったというような点の御説明があるのでありますけれども、私は前後の事情から見まして、もっと前提においてなすべき方法があったのではないであろうか。同時に前提はこれによりますというと、調達番号、品名、数量予算単価等、全部これに記載されてありますので、即これは購入物件の規格内容まで一切がここで判定をされるようなことになると思います。この点につきましてはまた別の機会に一つ審査会の問題を取り上げてみたいと思います。私は今細田君に対する御答弁に、審査会には他に多くの事例があってこれも一つの例であるというようなお言葉があったので、実は機会によりまして、これがまれな例であるというならばともかくも、しょっちゅうやっているのならば、こんな審査会はやめなすったらどうか、もしくはこんな厳重な規定で社会をごまかすことになるのではないか、こういうことも思うのであります。これはまた別に一つ討議することにいたしましょう。  防衛庁では調達いたしました部品その他、部品といいますか、物資あるいは装備品といいますか、軍艦のようなものを除いて、また飛行機のようなものを除いてよろしいが、そういうものを除いた一切の装備品調査は完了しておりますか。前の国会におきましては、なかなか、多量になっておるので十分にできないというようなお話経理局長からあったのですが、その点完了を告げましたか。
  187. 北島武雄

    北島政府委員 ただいまの御質問は在庫調査の問題であるように存じますが、これにつきましては、昨年陸幕監部におきましては、七月一日と九月一日現在の二回に分けまして、主要の命目につきまして調査をいたしております。その結果現品と帳簿との不合も若干はございましたが、従前の不合に比べまして著しく減少いたしております。なお引き続き陸幕についてはその調査を続けて参りたいと存じております。
  188. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうするとまだ調査完了に至っておらないということなんでありますか。
  189. 北島武雄

    北島政府委員 先ほどちょっと日時を間違って申し上げました。七月末と九月末の両日現在をもちまして調査をいたしました。その結果は出ております。
  190. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 前の国会でいろいろと論議いたしましたそのあとでありましたか、国会が閉会中であったかと思いますが、何か新聞にでかでかと書かれて、しまいには自衛隊の隊員が持ち出して質屋に入れているというような新聞を見て、私も実は驚いたのであります。実はそういうこともないかなと思って心配しておりましたが、それはそうといたしまして、やはり自己の所有する貯蔵品一切が判明しないというようなことでは、これは物品の管理ができないと思うのであります。従って新たに物品購入する場合も、需給の計画を立てる場合も、ないしは需品購入、器材購入等についておよそ予算要求の積算の基礎が、私は固まってこないと思うのです。幾ら自分が持っておるかわからない。机を一万台持っておるのやら九千台持っておるのやらわかりもしないで、来年度予算をどうして計算するのか、こう思います。そんなものは右から左に直ちに出なくちゃならぬのであります。私今物品管理法をよく読んでおりませんけれども、実際年末においては資産たなおろしがなければなるまいと思うのであります。その所在あるいは腐敗をしておるかいなやあるいは使用に耐え得るものかどうかという、変質とかその他の変化、変動というようなものの調査物品管理として当然なくちゃならぬと思うのであります。その規定があるのかないのか、ただいま調べておりませんけれども、どうも今の答弁では心もとない。膨大な需品調達予算を使いながら、器材調達予算を使いながら、そんな問題は私が要求すれば即座に右から左に出るというのでなければ、管理ができておるとは申せません。そこにたくさんな非難事項が出てくる遠因があるのではないかと私は常々考えておったのであります。そこであらかたとおっしゃるが、そういう膨大なものは私ども求めませんけれども、相当概要はつかみ得るような程度に資料として出せますか。
  191. 北島武雄

    北島政府委員 昨年実施いたしました陸上幕僚監部の調査は、書類にまとまっておりますので、御提出申し上げるようにいたしたいと思っております。
  192. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 海上、空幕関係全部できませんですか。
  193. 北島武雄

    北島政府委員 非常に膨大な資料でございますので、なお資料を整えて御提出申し上げます。
  194. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ちょっと伺っておきますが、たとえば小銃弾は年間にどのくらい使うのですか。
  195. 北島武雄

    北島政府委員 年によって違いますが、銃砲弾合せまして年間六、七千トンを消費いたしております。
  196. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 現在貯蔵はどれくらいあるのですか。
  197. 北島武雄

    北島政府委員 すべての弾種を合せまして十二万四千トンございます。
  198. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 混合して十二万トンあれば、年間消費七千トンとすると、十数年分の使用量があるわけでありますが、そこで昭和三十二年度はこれが新造について予算は組みましたかいなや。
  199. 北島武雄

    北島政府委員 一口に十二万トンと申しますと、各弾種を通じまして非常にたくさんな数量があるのでございますが、実は米国から供与を受けました弾種は非常にアンバランスでありまして、一部のものにつきましては部隊のベーシック・ロードと申しますか、そのものにもほとんど欠けるような状態でございまして、三十二年度におきましては、このような供与されて持っている弾種の中で少いものにつきまして、おおむね一年間の射耗弾等を目途といたしまして、購入計画いたしております。
  200. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 予算はどのくらいですか。
  201. 北島武雄

    北島政府委員 九億一千二百万円でございます。
  202. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 こういうことがなければいいのですが、十年以上もこのままの編成でいくならば、消費ができないものを、さらに民間の会社のために九億円をこえる予算をとったということであれば、私は全く筋が通ってこぬと思うのであります。そこでこの点につきましては一つ資料として出していただきまして、弾種あるいは弾種の数量あるいは予算要求等を資料としてお出しを願うように一つお計り願います。  それからもう一つ、これは今後の問題でありますので、この機会に聞いておきますが、ことしP2Vの対潜哨戒機について予算をとりましたか。去年は予算をとったかどうか、その点はいかがでしょうか。
  203. 北島武雄

    北島政府委員 三十二年度におきましては、P2Vの国産に関する経費は計上いたしておりません。
  204. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 昨年は。
  205. 北島武雄

    北島政府委員 三十一年度におきましては、対潜哨戒機国産に関する調査費といたしまして、約五百万円見当の予算が計上されたと記憶しております。
  206. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 五百万円は使ったのですか、不用ですか。
  207. 北島武雄

    北島政府委員 その大部分は旅費でございまして、これにつきましては調査員を派遣いたしまして、ほとんど全額使用済みと記憶いたしております。
  208. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 どこへ旅行して使ったのですか。
  209. 北島武雄

    北島政府委員 昨年の暮れから一月、二月にかけましてアメリカへ三人、ヨーロッパへ二人調査に参りました。
  210. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 調査の報告は一口に言えばどういうことなんですか。
  211. 北島武雄

    北島政府委員 各国の対潜哨戒機の状況、それからアメリカにおける特にP2Vの生産状況等について視察して参ったわけであります。
  212. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは日本で国産するということを目標に調査に行かれたのかと思うのですが、製造会社などといろいろ折衝するという仕事もやってきたのですかいなや、その点はいかがですか。
  213. 小山雄二

    小山政府委員 調査は対潜哨戒機に関する調査ということでございまして、広く対潜哨戒機の使い方、それから作り方、そういうものを見たわけでございまして、特に国産化だけを目標として特定の会社といろいろ話をしたということはありません。
  214. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 最近アメリカのロッキードの社長が防衛庁を訪問したことがあるのですか。
  215. 小山雄二

    小山政府委員 ロッキード・サービス会社、販売会社と申しますか、その社長が来ておりますが、防衛庁にも参りました。
  216. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 P2Vは日本で製造するという方針を持ってすでに具体的な基本的な折衝まで相当進んでおり、ことに政界の某有力者も介在して、しきりに国産の実現に努力しておる、こういうことでありますが、その段階はどういうふうになっておりますか、次官から一つ伺いたい。
  217. 高橋等

    高橋(等)政府委員 対潜哨戒機のP2Vにつきましては、これが必要であるということは防衛庁としても認めておるわけでございまして、しからばこれを国産に移すべきかというようなこと、どの程度このP2Vが今後必要であるかというようなことにつきましては、実は最終的な決定はまだいたしておりません。現在受け入れ態勢その他いろいろな問題で内部において検討いたしておるのでありまして、外部との折衝はいたしておりません、私のところあたりへもロッキードの社長も来ますし、あるいはまたいろいろな方面からも話は承わるのでございますが、これは話を承わっておるだけでございまして、いろいろな折衝を開始いたしておるような事実は現在はないのでございます。
  218. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 しかし現実には会社名までおよそ予定せられておる、いろいろな計画が進められておるということを聞くのですが、それはその通りではないのですか。これは将来のことでありますから、しいて追及しようとは私は思いませんが、もしできれば、すでに五百万円も旅費を使って調査に行ってきたのだから、そしてまたことしは組まないということだから、もう調査完了で三十二年はその必要なしということでいくのではないか。あるいはアメリカにおきましては五六、七年度の予算には二千万ドルも計上されて、これがどこへ振り向けられるか詳しくは存じませんが、そういうようないろいろな情勢から見れば、もっと具体的な話が進んでおるのじゃないか、こう思うのです。ここはそれを聞く場所じゃないかもしれませんけれども、私はやはりすでに予算を使ったあとでもありますので、特に聞いておきたいのだが、もうちょっと具体的にお話しを願うことはできませんか。
  219. 高橋等

    高橋(等)政府委員 ただいま申し上げましたように、国内で生産することが妥当であるかどうか。また生産能力があるかどうかというような点でいろいろ研究をなさねばならぬ問題がありますので、現在その点についての内部的な検討をいたしておる最中でございまして、そのために、来年度の予算はまだ組んでおらぬようなわけであります。一応その程度であることを御了承願っておきたいと思います。
  220. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 きょうはこの程度にしておきたいと思います。
  221. 青野武一

    青野委員長 ちょっと恐縮ですが、委員長から一問お尋ねしておきたい。吉田委員からずっと長時間にまたがって御質問がありましたが、昨年三月の大島上空の飛行機事故、これは幸いにして片肺で戻ってこられることができましたが、専門家の立場から考えて、素材が不良であった、シリンダーの中のピストンが何かに利用されておるピンが不良のために折れて、飛行機が非常に危険な状態に追い込められた、そういうことが今どきあるのだろうかと疑いを持つのです。というのは、私も二、三年前に欧米を回ってきましたが、今東京の市中で約千台、あるいは千五百台とも申しますが、フランスのパリで一日に五百十五台ほど日産しているルノー、このルノーなんかは、小指くらいな小さいものから、親指、にぎりこぶしぐらいな大きなピンに至るまで、科学試験によって、いろいろな薬品を塗って、水道の水をずっとかけて、電気の熱で透かしたら、糸のようなこまかい傷でもわかるし、二つに折れるような傷はすっかりわかるようになっている。それが去年やおととしではなかったのです。飛行機のシリンダーの中のピストンに付属するピンが、素材が不良で折れたために、非常に危険な状態に乗務員並びに飛行機がなったということは、人命尊重と安全航空の立場から、部分品に非常に厳密な検査が行われておらないと思うのです。日本の会社がその部分品を作ったのか、アメリカからそのまま輸入されたものか、あるいはアメリカから供与されたときについておったピンであるか、個人的でありますが、委員長は専門家の立場で一応そのピンが見たいと思うのです。保管されておりましたら、次会にでもお取り寄せ願っておきたい。そういうばかなことがあって、搭乗員が十名も二十名も死ぬようなことがあると大へんですから、人命尊重の立場から、私はそういうことが、今の飛行機の部分品、自動車の部分品工場なんかにあるはずはないと思うのです。ましていわんや自動車でも飛行機でも専門の大工場を持っておるアメリカの製品ですから、そういうことはあり得ないと思っておるのです。そういうような考えを持っておりますから、できることなら、次会に私は委員長としてその折れたピンをお見せ願いたいと思います。
  222. 小山雄二

    小山政府委員 現品はおそらく三菱の大幸工場か木更津の補給処にあると思います。写真はどれでもたくさん持っておりますが、間に合いますれば現品を……。
  223. 青野武一

    青野委員長 次会かその次でもけっこうです。
  224. 小山雄二

    小山政府委員 少しおくれますから、他日に……。
  225. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 艦船建造の問題で、後日の質疑のために少し聞いておきたいのでありますが、あなたの方では、すでに艦船建造の経験を経たあとでありますし、多数の技術者も養成されておるし、古い堪能な技術者も多数おることだから、今日はもうすでに艦船の建造については、外部に依頼することなくして、独立して設計その他詳細な計画が立てられると思うのだが、その点いかがですか。
  226. 小山雄二

    小山政府委員 二十八年度から計画的に艦船を建造いたしておるのでございます。現在のところ防衛庁自体の、特に設計の問題でございますが、防衛庁自体の力で設計した船は割合に少うございまして、割合に小型の船でございます。大型の船は財団法人船舶設計協会というのがございまして、これに委託をして設計さしております。この経費は船舶建造費の付帯経費の中から支弁いたしておるわけでありまして、われわれといたしましては、できるだけ防衛庁自身でやることが当然でありますし、なるべくそういう力をつけまして早くやりたいわけでございますが、遺憾ながら現在のところはそういう状況になっております。結局船の設計をする場合には、各人もそうでございますし、チーム自体として豊富な経験を持っているということ、それからチームを引き受けるチーフ・デザイナーというものがしっかりしておるということ、昔の海軍でもチーフ・デザイナーというのは、聞くところによりますと、卒業年次二、三年おきに一人しかおらなかったというように、人のでき上ること、並びにそのでき上り方というのは非常に少いわけでありまして、給与その他のいろいろな関係から、そういう人を防衛庁としては得がたいということが一つの本質的な問題で、そういう態勢にいまだなっておらない。ただ今年度は設計協会自体にもいろいろ経営上の問題もありますし、われわれの希望もある程度いれまして、技術研究所のこの方面の人員の増員もある程度認められましたので、何とかうまく話し合って、そういう力をこっちに持ってきて、防衛庁自体としてそういう仕事ができるように、そしてそれに若い者をつけまして今後の力を育成していくようにいたしたい、こう考えております。
  227. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、軍艦、駆逐艦その他警備艦等を建造するときに、やはり例外なく船舶設計協会というのですか、その力に委嘱して設計をする、こういうことになっておるのですか。
  228. 小山雄二

    小山政府委員 設計協会に出します仕事の範囲は、基本要目案という船の設計のもとになります要目、それから基本計画概案、基本設計、その段階までを設計協会に委託いたしまして設計しているわけであります。それをもって契約をいたしまして、その後それを土台にして、会社が詳細設計をやって作っていく、こういう実情であります。
  229. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この基本要目案、基本計画概案、それから基本設計、これはやはりどのくらいのトン数の、どういう型の、従ってどのくらいの経費が必要だということも考慮しないとできないですね。たとえば百億円といっても、五千万円でいいというのとは違いますから、およその予算を知って、そうしてこの基本要目を作るのだろうと思うのだが、その辺はお互いにらみ合せながらこれを策定すると理解していいのですか。
  230. 小山雄二

    小山政府委員 その前に要求性能というものがありまして、それは海上幕僚の方で上申しまして防衛庁できめます。その要求性能をきめます際に大体の金額といいますか、予算を超過するような要求性能は出せないということでしぼります。なお、基本要目案、基本計画概案等は技術研究所が委託しますが、委託しっぱなしでなくて、技術研究所指導のもとにやります。海幕とよく調整しながら、技術研究所が設計協会を技術指導をしながらきめていくということであります。
  231. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この設計協会は、財団法人船舶設計協会、理事長が円羽周夫、これのことですね。
  232. 小山雄二

    小山政府委員 財団法人船舶設計協会、理事長は多賀寛。
  233. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで非常に重要な基本計画を委嘱になる、しかして例外なくこれを委嘱する、そうして年間数十億円の建造費をこれに投じ、この船舶設計協会は非常に重要な部署を受け持っておると思うのだが、この財団法人の役員の人々を私の方の資料によって通覧いたしますると、防衛庁が請け負わしておる相手方の造船会社の取締もしくは代表取締のような人が相当占めておるように思うのだが、そういうことはありませんか。
  234. 小山雄二

    小山政府委員 これは実は運輸省の認可を受けた財団法人になっております。二十八年当時防衛庁で船を作りますについて、グループとしての設計陣というものは、なかなかどこにも見当らない。能力を有するものはというので探しましたが、当時国際船舶工務所というのがありまして、いろいろ民間のこまごました設計の仕事をしていた工務所がございます。
  235. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 経過じゃなしに結論だけでいいのです。
  236. 小山雄二

    小山政府委員 それを財団法人にしたものでございます。理事長は船舶協会理事長が兼ねております。専務理事は渡辺という人、これも造船工業会の専務理事が兼ねております。ほかに常務理事三名ございますが、一人の人は元運輸省船舶局長、一人の牧野という人は元海軍技術大佐でございます。もう一人の近藤という人は、これも海軍技術少将でございます。それだけがやっております。
  237. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 御答弁を途中でとるようで恐縮ですけれども、私が聞きたいのは、船舶設計協会は財団法人でありまするから、理事があり監事があると思うが、この理事、監事の中には、国が艦船の建造を請け負わさす請負会社の代表取締役が入っておるのではないかというのです。その点どうなんですか。
  238. 小山雄二

    小山政府委員 造船工業会の会長は造船会社から出ますから、その人が理事長であります。
  239. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それを具体的に言ってもらいたい。
  240. 小山雄二

    小山政府委員 理事長多賀寛さんは造船工業会の会長で、浦賀船渠の社長です。あとの役員、理事はそれぞれ専任の人でございます。それから会社には関係ございません。監事は造船工業会の役員がなっておりまして、一人の加藤さんは三井造船の社長でございます。手塚さんは川崎重工の社長でございます。これが造船工業会の役員であって、船舶設計協会の監事を兼ねております。
  241. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それからもう一つ、これは誤まりでありますか。運輸省の現船舶局長というのは、この理事に入っておるのですか。違いますか。理事山下正雄。
  242. 小山雄二

    小山政府委員 ここの名簿では前の船舶局長が入っておるように存じますが……。
  243. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは大瀬という人です。現職であるかないかだけわかればいいのです。
  244. 小山雄二

    小山政府委員 甘利さんは前の船舶局長……。
  245. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 甘利ではない。山下正雄、運輸省船舶局長と書いてありますが、現職であるかどうかわかればいいのです。
  246. 小山雄二

    小山政府委員 私の手元にあります名簿は日付が合っているのですが、ちょっとはっきりしません。調べまして……。
  247. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それならば、その次に防衛庁技術研究所長青山秀三郎、これも現職ですか。
  248. 小山雄二

    小山政府委員 現職でございます。
  249. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで、これは次官に聞きますが、国が商売をして納入をさす相手ですよ、装備品の請負人ですよ、その請負人が代表理事になっておる法人に国が設計を依頼して、また代金を払う、また防衛庁の現職の所長、技術研究所長ないしは運輸省の船舶局長理事になって、有償のこういう設計の契約をする、こういう一連の関係というものは、綱紀上少しおもしろくないような印象を受けるのですが、これはどういうふうにお考えになるのですか。
  250. 高橋等

    高橋(等)政府委員 表から見ますと、確かにそうしたようなことを私も感ずるのでございますが、この財団法人船舶設計協会は、ただいま御説明いたしましたように、造船工業会の一部門――一部門ではないが、うらはらの関係にある。そこでその造船工業会の役員が結局造船会社の社長である。そうした関係で、ここへ理事長等に入ってこられておるのであろうと考えますが、その点について特に不都合がございますれば、これは考えねばならぬと思います。なお技術研究所長がその役員に入っているというのは、連絡のために無報酬で入っておる、こういう立場にあるのでございます。
  251. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それならば聞きますが、防衛庁は軍艦の設計などを依頼して、これに対する対価、報酬を支払うのですか、無償ですか、その点はどうなんですか。
  252. 小山雄二

    小山政府委員 設計料を払います。
  253. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 年間どれほど払いますか。概算でよろしい。
  254. 小山雄二

    小山政府委員 三十年度で約二千八百万円、三十一年度も約二千七百万円。
  255. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これはおかしなことでありまして、やはり有償で、ある事項を依頼して、その中に連絡か何か知りませんけれども理事というたら法律上の責任者であります。連絡員でも何でもないのです。現職の防衛庁の研究所長が財団法人船舶設計協会の理事で、本会を代表しておる。理事長であるといえども、これはやはり多数決でいくだろうと思います。そこにある仕事を委託して報酬を支払う、報酬を受けるような財団の代表者に現職の防衛庁の幹部がなるというのは、どういうものであろうか、私は疑いを持つのです。だから、あやまちを認めて、適当に処理なさるならばよろしいが、そうでなしに、連絡係でありますというのなら、この青山所長をここに呼んで、どういう理由と、どういう心境で何しておるのかも聞いてみなければならない、法律上は理事というたら代表者です。その点はどうなんですか。
  256. 高橋等

    高橋(等)政府委員 この財団法人の代表者に入っておることにつきまして、今、無報酬であるという御説明は申し上げましたが、われわれといたしましても、この問題の取扱について十分検討をさせていただきたいと存じますので、しばらくお待ちを願いたいと思います。
  257. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それから何億円、何十億円の代金を支払う、軍艦製造を請け負う、その請負契約の相手方、その相手方の法律上の代表者が軍艦の設計の委託を受ける代表者、これまた妙なことです。ちょうど建築の設計をするある財団法人がある、建築の請負人である請負人が、設計の財団法人の代表者である。例外なくそこへ設計をしてもらうということになれば、少くとも人情として随意契約たらざるを得ないことになる。これは大へんな綱紀紊乱になりはしないか。私は財団法人船舶設計協会が事実上どれほどの貢献をなさったか存じません。またこれらの人が非常にすぐれた技術を持っておられて、かけがえのないというのであるのか何かそれも知りません。しかしいずれにしても高い安いを折衝しなければならぬ相手方の造船屋の親方ですよ。その親方に設計をしてもらうということは一体何事です。これはやはり防衛庁の態度を聞かなければならぬのでありますが、この点についてきょうは深く触れませんけれども、一応あなたのお感じだけを述べてもらって、防衛庁の長官からはっきりとした答弁は聞くことにいたしますが、次官はどのように考えられますか。
  258. 高橋等

    高橋(等)政府委員 われわれといたしましては、財団法人としての船舶設計協会というものにこれを委託することが妥当かどうかという点が問題なわけでございます。従ってその構成につきましてこうした人が入っておるために非常に不明朗なものが起るとすれば、これは十分考えなければならぬということで、なおこれは検討させていただいて、大臣からまた御答弁申し上げる、こういうことにさしていただきたいと思います。
  259. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これはやはり人によってものを論じたらいかぬと私は思うのです。従って人格高潔であるから不明朗なことが起りませんということで論ずるべきことじゃなくて、国家公務員に対する私企業隔離の規定があるごとくに、利害関係の対立するものを両方代表するという、そんなばかげたことはございません。そういうことが綱紀紊乱のもとになるのであります。だから私はこの点を明らかにしたいと思うのであります。よく協議になり大臣から答弁するというならごもっともでありますから、よく研究してもらいたいと思う。  それからもう一つ日本の軍艦を作るのにこれを随意契約にしておるのが実情であろうと思うのだが、一体これは随意契約にしなければならぬのですかどうですか。この点あなたに聞くのはどうかと思うのだが、調本の本部長どのように考えておりますか。
  260. 武内征平

    武内説明員 艦艇の契約につきまして従来は随意契約をいたしております。その理由といたしましては軍艦の製造というものは、非常に複雑多岐でありまして、単なる監督によってよく工程を監督し得るものでなくして、そのメーカーの誠意ある製造奉仕によってその全きを期待し得るというようなことが一つ、それから艦艇は非常事態に対して十分にその能力を発揮するためには堅牢でなければならぬというようなこと、それから現在におきましては、技術的の理由といたしまして、かつての海軍が持っておりましたような艦政本部といったような大きな技術的なものを持っておりません。従って防衛庁のみにおきまして完全なる設計を作るということはできない。また昔は工廠を持っておった関係上第一艦は工廠で作りまして、すべてのデータをキャッチいたしまして、それから発注するというようなことがありますので、現在の防衛庁とはだいぶ違いますから、優秀なメーカーを選んで、その適切なる選択によってりっぱなものを作る、こういうようなところから今までは随意契約をいたしております。
  261. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ただ私の根本の一つの立場は、たとえば先のC46の部品の購買においても日本一流のメーカー、貿易商と称するものがお互いに悪口を言い合いするというのが日本の商界の実情なのであります。従って防衛庁の軍艦さえ作っておれば、何年も先のいろいろな計画の見通しもつく、もっともこのごろは船台が困難でありましょうから、そう簡単にいきませんけれども、今日の神武景気は永続するかどうか、これは疑問であります。従って不景気が生ずることも考えなければいけませんというようないろいろなことを思いますと、そこにはお互いのいろいろの競争ということもあり得るのであります。そういうような経済界の変動のこと、いろいろのことをあわせ考えましたときに、私らはやはり航空機の部品入札のときのごとくに公正なる競争におくということが一つの目標にならねばならぬと思うのです。あのC46の場合でも、もし随意契約でありましたら、私はもっと不良品が出たのじゃないかと思うのであります。せめて競争入札、しかし指名競争といえども随意契約とほとんど同じのものかもわかりません。これもどちらがいいかわかりはしませんが、そういうことを思いますときに、現在のごとく艦船を随契一本でいくといういき方というものは、根本的に再検討しなければならぬと私は思うのであります。今仰せのごとくに設計にしても自己の能力ではできない、それならば一体予定価格の算定というようなものにつきまして、やはりそういううらみがあるのではないかと私はおそれるのであります。そういうことも思うのであります。そこでその辺は根本的な問題はともかくといたしまして、やはり艦船建造の財政的な扱い方としましては、重要な課題としてわれわれは研究していかねばいかぬ、こう思っておるのであります。でありますので私は今のような行き方で通していかれるということは、世界の実例から見てもはなはだしく遅れておる、今度アメリカが駆逐艦二隻供与するとかいうことで、内地で作るとかいう問題が今折衝中とか伺いますが、これはどういう方式でやるのかそれは存じません。けれどもアメリカあたりにおきましても政府の需品が随契一本ということはなかろうと私は思います。アメリカの方式を日本に押してくるのか、それは困る、ここはお得意先がきまっておりますので、いやなんとか造船、なんとか造船ときまっておりますから、日本の方式にしてもらいたいとあなたの方は言うのかもしれない、そういうことでは財政の粛正ということはできやしませんよ、こんな世の中では。ほんとうですよ。これはほんとうに真剣に考えなければならぬのですよ。あなたは永久に調本の部長でおられるのではないのですから、せめておられる間にこういう制度を根本的にお考えなさい。私はそういうことを思うのであります。そこであなたと問答するのは悪いから、この辺でそれはとめますが、一つ参考の資料を出していただきたい。これはいろいろ例がありますけれども、あまり大部ものでなくてよろしい、二十八年度計画の「いなずま」、これの予定価格の計算の調書、あまり詳しいことは要りません。それとこれに対応します船価の調査表、つまり造船所の方で実績を記入したものです。それをちょっと研究したいと思いますから、これは今後いろいろと資料として必要なことでありますので、多くは求めませんが、一例だけこれを出していただきたい。大部のものでなくていいです。ここに書いてあります要目によって記載してもらえばよろしゅうございます。ごく小さいものであろうと思いますが、それを一つ資料として出していただきたいと思います。今の点を一つお願いをいたしまして、きょうはこの程度にしておきます。
  262. 青野武一

    青野委員長 今吉田委員から資料の要求がありましたが、これは高橋政務次官の責任において、一つ至急正確な資料を出していただきたい。なお具体的なことは、決算委員調査室並びに委員部とも係の人と十分連絡をとらせて至急お願いいたします。  それでは防衛庁関係についての質疑は、本日のところは一応この程度とし、残余は次会に譲ることといたします。次会は公報をもってお知らせすることといたします。  本日は長時間にわたり当委員会に御協力を得ましたが、これをもって散会いたすことにいたします。    午後五時四十一分散会