○田中(彰)
委員 更生
資金を借りてこれが非常に
延滞しているとおっしゃるのですが、
会計検査院の方から
調べると、そういうようなこともありますが、しかしあの当時引き揚げてきた人たちがいろいろ困って、いろいろななれない事業をやったその結果、大ぜいで引き揚げた人たちがやった結果、今度職が見つかったり、その専業がよくいかなかったり、時勢に伴わないでやって非常につぶれた。私の選挙区なんかにも相当困っているのがあるが、よく
調べてみると、財産もないし、建てたものは腐ってしまったというのがある。一つ言ってみますと、塩を製造するところなんか、今塩を製造しても燃料が高くて合わない。建物はみな腐っちゃった、土地は砂浜の海の方で困っている。あなたの方からもどんどんいじめられて非常に困っておる。とれないものをそうやっていじめておいでにならぬで、そういうものは引き揚げた人たちですから、打ち切られて欠損とされて私は差しつかえないと思う。これが大資本家になって、そうして住宅でも買ってりっぱな暮らしをしている人なら別ですが、困っているような者は、むしろそういう工合に帳面に残さぬ方がいい。
会計検査院なんかが行ったって、
調べるだけでそういう事情はわからないのですから、やはり
調べられて打ち切れるものは打ち切られた方がいいと思う。そういうことをされても、それはお互いが助かるためにやったことで、国民が納めた税金の一部なんだから、私はそういうことは何も差しつかえないと思う。こういう点について一つお
考えになって、
会計検査院なんかにやはりあなたの方から
説明されて、そういうことをやったらいい、あなたの方で
考えられて、とれるものはとり、打ち切れるものは帳面に残さない方がいい。食う物にも困る者を責めて、娘さんを売ったり自殺したりいろいろしている非劇があるのです。先ほど聞いてみれば、
造船汚職なんかでああいうような
リベートをとって、それがどこへどう行ったかわからないでまだ解決ついておらぬのがあるのですから、それから見れば私は何でもないと思う。こういう点を
考えていただきたい。それから十万円以上の金を借りている人はあなたの方でもお
調べになっても相当なものだと思うのです。また大きな五十万とか百万とかいうのは、
会計検査院の話を聞いていると、
銀行の方の取引があってはいかぬとかなんとか言いますが、
銀行の取引はあるけれども、実は
銀行から金が借りられない。
銀行との取引はあるが、
銀行から金を借りる資格のない者、こういう者は
国民金融公庫から借りておる中小企業の中のまた小さいものですから、私は
銀行取引のある人にお
貸しになってもいいと思う。ただ預金を持っておって金融
公庫の金を借りて預金に充てる、これはよくないことですが、こういう点はやはり
会計検査院が行ったら、あなたの方からむしろ
会計検査院に
——会計検査院は帳面さえ合えばいい、そろばんさえ合えばいい、
貸したものがとれればいい事務屋なんです。こういうことはむしろ
会計検査院をおおそれにならぬで、あなたの方からそういうわからぬやつを指導してやるくらいの
考えを持つのが必要だと思う。十万円以下の金は
——社会党の諸君もおいでになりますが、十万円とか五万円、三万円を借りるのはほとんど税金で取り立てられてうちじゅう押えられたとか、子供が学校へ行けないとかいうことで借りているのですから、これを
会計検査院の方から指摘されたからといって、あまり責められて自害しなければならぬとか、食う物も食えなくて子供を売ってしまわなければならぬということろまでいかれないように、やはりあなたの方からそういう
説明を加えられて
お話しされた方がいい。十万円以下特に五万円以下はそういうものが多いらしい。
もう一つ
国民金融公庫の
総裁としてお
考えにならなければならぬのは、これは法律が不備なんですけれども、三万とか二万のような小さい金を借りるものは一応半分はとれないのだ、とれなくても、とれないからといってくれてやるわけにはいきませんから、やはり
考えてみて、どうしても病気だとかなんとかで払えないものは、半分くらいとらないで、社会保障のつもりでやるくらいの、
国民金融公庫というものは
性格を持っていいと思う。そういうこともあなた方がただ個人ではできませんから、また現在の法律ではできませんから、そういうような法律を作ってくれ、あるいは改正してくれといって、あなた方が申し込まれるような
性格のもとに
国民金融公庫を生かしていかれる方がいいと思う。ただ
会計検査院から責められたら、びっくりしてとれもしないものを
内容証明をやったり、それを追いかけたり、それでうちの娘を売ったとか、どこかへ飛んでいってしまったとか、そんな
考えはお持ちにならぬ方がいい。何もそう
会計検査院をおそれられることはない。むしろ
会計検査院に千五百名も人がおって、あそこから
批難事項が出ておらぬというのがおかしい。あそこだって
批難事項はあるけれども、それを
調べないからないだけであって、どこにだって
批難事項というものはあるのだから、特に
国民金融公庫から三万とか二万とかの金を借りたやつが払わない、それをあなたの方から非常に追及される、追及される原因は何かというと、やはり
会計検査院から指摘されたということで弱い者をいじめられる。それで法律も知らない、弁護士のところに相談にも行けない、仕方がないから娘を売ったり職を置いて逃げたとかいうことがこのごろだいぶ出てきている。そういう点はむしろあなたの方から、そういうものがたとい倒れても、倒れた原因がわかればかまわないのですから、あまり
会計検査院の
調べをおそれないで、もう少し待ってれば払うとか、もう少し助けてやればいいとか、もう少し一年延ばしたらいいとかいうことをされることが必要だと思う。また利子でも、一年も延ばしたやつを今度はまた
延滞利息とかそうういものをくっつけていくから元金も払えないのですから、むしろ払えるといって成功してきた五万以上の者は相当の
調査してありましょうから、五万以下のものは
延滞利息なんかおまけしてとらないでもいいじゃないかというくらいに
考えていいと思う。それを今の機構ではできないから、やはりこういう機構の改革というものをされて申し込まれたらいいと思う。こういう工合に私は
国民金融公庫に対して
考えているし、またそこらから陳情も受けている。そういうものが非常にあるのです。そういう点はあまり
会計検査院の
批難事項におそれをなさないで、堂々と
決算委員会に来られて、これはこういうわけで倒れたのだ、これを取り立てたら食えないのだ、これはどうして倒れた、税金でとられた、こういうふうに打ちあけられたら、それをあなた方にとってこいとか、それを差し押えろとかいうものはないのです。別に
決算委
委員会のわれわれの金でもなければ国
会議員の金でもない、あなたの金でもない、国民が納めたのだから、ほんとうに国民がその金で生きたとか助かったとかいえばけっこうなことだと思う。大きなものはだめですよ。大きなものは相当
調査されてやられた方がいいと思う。小さなものに対しては私はむしろそういう
考えを持たれた方がいいのではないか、私はそう
考えておりますから、私の
考えだけを申し上げて、あなたがどういうお
考えを持っておられるか、ちよっとお聞きしてみたいと思います。