○須磨
委員 最後にいま
一つ総理大臣にもあわせてお伺いをいたしたいのでありますが、最近起りました不愉快な
問題の
一つは、ピョートル湾の制限の
問題であると思うのでございます。これはすでに外務省におきましては強く抗議を提出せられ、こういちよう、な内海を自分で作るというようなことは、国際法違反である、そういうようなことについても詳しく鋭くつかれておりますることは私
ども承知をいたしておるのでありますが、このことが今回起ってきたことについては、ひとり
日本においてそういうことを申しておるのみならず、私の知っておるところでは、英国あたりでもこれは明らかなる国際法違反であるということを申しておって、あるいはローマでありますとかジュネーヴでありますとか、こういうところでこれから行われる海洋
会議と申しますか、そういうようなところでもこれは提起されるであろうということを申しておるのでありますが、こういうことについて外務省でも御如才なくおやりになると思いますが、なぜこういうことがどんどん起ってくるかということについて、また
一つ考えていく面があると思います。こういうことが起ったためにわが
日本の伝統的に持っております
日本漁民の権利が侵害されて参るのでありますが、どういたしましてもそのような不幸な事件が起ることを
一つでも少くしたいと思うのでありますが、そういう点では何が必要かと申しますと、日ソ間に
ほんとうの正常の
関係、言いかえれば平和
条約を締結する
関係というものを早く成立させなければならねと思うのであります。思いますると十月十九日に、すでに
日本の日ソ共同宣言によってこのことは約束をされておるわけでありまして、当時
総理大臣は幹事長として特にこのことは詳しく御
承知のはずでありまして、詳しく申すまでもありませんが、継続審議する領土
問題等も加えて、なるべくすみやかに平和
条約締結の交渉に入るという約束ができて、すでにこれが直ちにすみやかにと申してから十ヵ月にもなんなんとしておるわけであります。その間にまだこれが締結されておりませんということは、私は
国民感情としてもあまり思わしくないものがあるように思うのでありまして、同時にそれのみならず、具体的に申せばピョートル湾のごとき不祥なる
問題がこれから続発するかもしれぬというようなことも
考えまして、なるべくすみやかにこの
問題を締結させていただきたい。実はこのことにつきましてはこの席上でありましたか、予算
委員会において、私は
総理大臣に対して二月二十四日だったと記憶いたしますが、御
質問を申し上げまして、なるべくそういうようにするという
お話もあったわけであります。それからでもすでに五ヶ月たっておるわけであります。そういう点から申しますと、これは重々お
考えになっておることと思いますが、
考えますと通商
条約の
問題については、広瀬節男公使を団長とする一団を派遣せられ、近くまたこれを取り上げられる様子でございますが、そういうものもさることながら、この根本
問題についても注意喚を起せられて、
国民の感情の安心するような方向にお向けになることが非常に必要である。
考えてみますと、たとえば賠償の
問題につきましても、フィリピンとの賠償
問題を締結するときにおきましては、予想もしなかった通商
条約問題が今もってできておらない、こういうようなこととも思い合せますと、私は
国民としての
考え方からいきますと、やはり片づけるべきものはびしびしと片づけていくというようなことをおとり下さることを非常に望ましく思うものでございますから、この
機会にこれをぜひとも御釈明をいただきたいと思うのであります。