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神田国務大臣 受田
委員の
質問は、未
帰還者の
引き揚げ促進、また
調査の十分な正確を期すために熱意をどの程度傾けるかという御
趣旨と
考えております。これは、私の前任者、その前ずっとそうであろうと思っておりますが、
日本人である限り、どなたであっても、この未
帰還者の
引き揚げの処置につきましては心を痛めておられると同時に、勇気を持って事に当って参ったと
考えております。私もこれら前任者の
方々に決して劣らない情熱を傾けまして、成果を上げ、完了を期したい、かように決意いたしております。
そこで、この方法といたしまして、先ほど来申し上げておるのでありますが、
厚生省から
ソ連における日本大使館に人を派遣するということについてはいろいろ
議論があったのでございますが、これは重要であるということを申し上げまして、閣議でもしばしばこの問題を取り上げていただき、大蔵省の
予算措置もしていただいて、そうして駐在員を一名置こう、こういうことになったわけでございます。実はもう
一つ問題があるわけでございまして、
ソ連と国交調整ができて、貿易の促進、文化の交流をするということになりまして、将来シベリアのどこかに領事館の開設もあろうかと思っております。この際には、大使館ばかりでなく、抑留地がシベリア
地区に多い
関係もございまして、領事館にも
一つ厚生省から人を出したい、こういうような話も進めておるような
実情でございます。
調査の完璧と
引き揚げの促進を一日も早く完了したいという
趣旨でございます。この
予算はこっち持ちで、大蔵省からとるわけでございますから、この点につきましては他の省から派遣される
方々よりもよくわかっていただきまして、これは当然なことだというので話が進んでおるようなわけでございます。
そこで、中共の問題でございますが、これは先ほど来、山下
委員や
中井委員からの
質疑応答の際にるる申し上げましたようなわけでございまして、諸般の準備を整えて、すみやかに完了したいということを申し上げておるのでございます。なお今それに関連いたしまして、
政府のそうした措置もけっこうだが、民間からの
調査団も受け入れて、共同
調査というか、もっと大々的に
調査する
考えはないかという
意味の御要望と承わりましたが、その困難のあることも私
承知いたしております。民間と共同
調査をする、また国会とも
一つ共同
調査をしたならどうかという非常な熱望のあるところも
承知いたしておりまするが、今は、こちらの方から入ること自体が
解決するのに容易でない段階もございまして、そこまで
政府と一体になってやっていくということについては、なお時日を要するのではないか、こんなふうに
考えておるわけでございます。しかし、中共地底、
ソ連地区あたりは、受田さん御
承知のように、むしろ民間の方が先においでになられて、
政府の方があとになっているという格好なんでございまして、そういう
意味からいたしますれば、
政府と民間が一体
調査というよりも、民間と
政府が一体
調査という格好だろうかと思うのでございます。いずれにいたしましても、
調査の完璧を期したいということと、すみやかな結論を得たいという
意味からいきまして、適当な方法があれば、相手国の問題もございまするが、それぞれの機関の
援護なりあるいは了解を得まして、措置をいたしたいという
気持は、
厚生省としては十分
考えておるわけでございますが、一体
調査をどういうふうにやることが一番いいかということか、私は先決問題だろうと思います。受田
委員の今の御要望と申しましょうか、御
発言につきましては、十分
検討いたして参りたい、かように
考える次第でございます。
それから、
留守家族の今の
援護状態が不十分というか、あるいは皆無だという例もございますので、これは一体このままでいいかどうかということでございます。これもごもっともなことでございまして、
厚生省といたしましては、今、
軍人恩給等の問題もございますので、いろいろ
援護の問題を、もう処理したものの例をも
考えまして、そこにどういうふうに並行させるかというようなことを今
調査中でございます、おくれておりまして御不満のあることも了承できますが、根本は、具体的な事実が明瞭でなかったためにおくれておることでございまして、これを
一つ割り切って踏み切るということがこれからの問題だろうと思います。その点につきましても、今
検討中でございます。そう長く
検討中だからという
意味でなく、今、
調査をいたしておるようなわけでございまして、御了承願いたいと思います。