○有
澤説明員 原子力の
開発につきましては、私はこの問題が
日本の将来にとりましてきわめて重大な問題であると考えますので、どうしてもこれを
長期的に、
計画的に
開発方針を立てて、それで
開発を進めていくという
立場に立たなければならない、こう実は考えております。そういう
観点からこの
法律もできておると私は信じております。いろいろ
原子力開発につきまして、この機運に便乗してめちゃくちゃな
開発が行われるというようなことになりますと、
日本の
経済にとりましても
一大損失になります。また将来の
開発にとりましても、それを妨げるような結果になるおそれがありますので、ここでどうしても
長期的な
見地から
計画を立てて、
開発をするという必要があるわけであります。そのためには、
核燃料物質とかあるいは
核原料物質及び
原子炉につきましては、相当強い
規制をこの際行わなければならない、こういうふうに考えております。それで、この
法律によりましても、今、御
指摘のありましたように、
原子力委員会が、この
規制に当りまして常に
意見を徴されることになりました。
主管大臣がいろいろな
判定措置、
許可認可をするに当りまして、
原子力委員会がその
意見を徴され、かつその
意見が尊重されるということになっておりますので、
原子力委員会の
任務はますます重きを加えてくるわけであります。今、御
質問では、この
委員会がこういう大きな
任務を担当していくだけの力があるかという御
質問だと考えますが、この
規制法に基いて
原子力委員会が
意見を述べるということになりますと、これはなかなかいろいろ
専門的なむずかしい、面が出てくると思います。それがためには、どうしても私は
委員会のもとに
専門委員とでも申しましょうか、各
分野にわたってのエキスパートからなる
専門委員会を設けまして、この
専門委員会の
意見をわれわれが聞きまして、そうしてわれわれが考えております
基本方針に照らして、この際この炉を入れるがよろしいとか、あるいは
核燃料物質の精細を行うのがよろしいとか、これだけの能力を持たしめるのが適当であるとかいうふうな
判断を下す必要に迫られるわけであります。そうでありますから、その
判断は今申しました
長期的、
計画的な
観点から下すと同時に、また平門
技術的な
知識に基いた
判断がなされなければならないと思います。そういう
専門技術的な
知識は、とうてい今の五人の
委員だけではきわめて不足でありましてまたこれが十人になったところで、なかなか十分な
知識を集めることはできないと思います。やはり広く
専門の
専門家を組織化しまして、その
専門委員会というふうなもので十分な
検討を経たその
知識に基いて
判断をする必要があると思います。それで、その
意味におきましては
原子力委員会をもう少し
強化する必要があると思いますが、その
強化の方向といたしましては、私の考えておりますところでは、
専門委員会が今三十人にたしか限定されておると思いますが、三十人をうまくローテーションをして、
運営していけばいいようにも思いますけれ
ども、しかし、それでは非常に窮屈になるのでありますから、この
専門委員はもっと拡充することが望ましい、こういうふうに考えております。それからもう
一つの、これは
委員会にとりましてもっと直接的な問題となるかと思いますが、今までのところでは、
委員会は
原子力局を
事務局として使って
資料を収集し、
調査を進め、企画をせしめるというふうになっておりますが、しかし私
たち委員の手元には、直接の
調査官もなければ、
事務官もいないというふうな形でありまして、私
たちもやや不便を感じておりました。しかし、幸いにも今年度になりましてからは、
調査官も二名ですか、つけていただくことになりましたし、また事務的な
補佐官も四名ですか、つけていただくことになりました、これでだいぶ私
たちの
仕事がはかどっていくというふうな
態勢が整ってきたように思います。ですから私
たちは今年の
予算によって措置されました人員を手足にいたしまして、それから
原子力局の方の
方々の援助を十分に求めまして、先ほど申しました
長期的な
開発計画の
方針を作成するつもりであります。今までもそういう
長期計画は一応できておりますけれ
ども、まだ何分にもそれに時間的な系列と申しましょうか、
タイミングが入っていないのであります。
原子力の
開発ということがいよいよ具体的な形で問題になってきしました今日におきましては、この
長期計画も、
タイミングを入れた
長期計画を作らなければ、あまり
意味がない。別の
言葉で申しますならば、われわれの前に現われてくるところの重大な問題につきまして、一々これに
判断を下していくのには、不十分な
方針であるということになって参りました。それですから、今年はさっそく始めておりますけれ
ども、一昨日お話申し上げましたように、この
長期計画に
タイミングを入れて、大体
昭和四十年から四十五年の朝礼には、わが国の
技術を土台にして、
原子炉による発電が行われるような
態勢に持っていく。その間の十年ないし十五年の間の
タイミングをどういうふうに取り入れていくか、このことにつきまして、鋭意
研究するつもりでおります。