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山下参考人 私も
医者でありますので、大体の
意見は
樋口教授と同様であります。こまかい
許容量その他のことは、おそらく
政令において定められることであり、今、
樋口教授が
お話しになりましたように、現在の
基準というものがありまして、将来その
基準が変った場合には、
政令において変えるというふうになっておればいいのではないかと思っております。そういうような
恕限度とか
最大許容量というようなものに基いて、こういう
基準をきめるという
根本原則に対しては、大体において賛成であるわけであります。こういう
法律の面については私は
専門外でありますので、よくわからないのでありますけれども、とにかくこういう
法律によりまして
放射線障害を起さないように、
放射性物質その他のものを安心して取り扱うことができるようになるということは当然なことでありまして、こういう
法律は当然できるべきものと思うわけであります。ただ問題と思いますのは、われわれ
医者の
立場が主になるものですから、その点だけ考えますと、特別かもしれませんけれども、
エックス線というものは従来
医療法によって
厚生省が取り締っておったわけであります。昨年その改正をしたというような状況でありまして、その際、多少広い
意味の
放射性物質、特にわれわれ
医学上に使われておりましたラジウムそのほかというものをその中に含めたわけであります。しかし、これはやはり
医療法施行規則でありましても、ずいぶん抽象的でありまして、またその
基準が非常にルーズであったという点はあると思いますが、こういう
法律ができますと、それがこちらの方に含まれるようになるだろうと思います。ただ
レントゲンというのは今非常に普及されておりまして、
日本に非常にたくさんの数があります。これを取り締るには、目下のところ、おそらく
厚生省が保健所などを使って取り締る以外に
方法がない。それならばある
意味では本質的に違う
エックス線を切り離して、この
放射性物質を
科学技術庁でやるというふうなことも、
現状としては当然な行き方かと思うのでありますけれども、
根本原則を考えますといろいろな疑義があるので、現在のように、
放射性の
物質を取り扱うところが限られたところでありますと、それでいいのでありましょうけれども、将来これがもっともっと普及して、
エックス線のように使われるようになったときを考えますと、これを分けておくということが、将来問題になるのではないかということも考えられます。ただし
放射線という
意味では
エックス線も
放射性物質も同じものであるのでありますから、そういうものの
取締りの
原則というものを
科学技術庁でお立てになることは、非常にけっこうだと思うのでありますが、取り締る
行政機関はあるいは
厚生省なり、あるいは
通産省なりというところでなさる方が本則であるというふうに考えます。しかしながら
現状においてはできない。たとえば
通産省においては、そのような
法律がないということでありますから、
現状においてはこのような
法律でやるほかはないので、将来においてはそういうふうなことも考えられる、というのは、われわれ病院の
立場で考えてみる場合に、二つの方から取り締られるということは非常に大
へんなことであります。しかし、その大
へんということを考えるのがむしろ間違いで、
科学技術庁の
法律も
厚生省の
法律も
通産省の
法律も、みんな
一つの線できめられるもので、こういう
科学技術庁の
法律ができましたら、
厚生省の
医療法というものもそれに順応したものであるというようにすべきであると考えます。