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宇田国務大臣 石田官房長官がどういうように
発表したのか、実は
官房長官にまだよう会わないもので、
責任のある
発表内容を知り得ませんから、その点について
官房長官に十分聞いてみたいと思っております。
閣議の
内容は秘密でありますから、これを外部へ
発表するという場合は、特別の申し合せをしなくてはならないのじゃないかと私は思っておりますから、なおその点についても打ち合せをしたいと思っております。
それで、私が初めに
閣議に
報告したことはどういうことかという
経過を申しますると、実は
国連憲章が
閣議にかかって、
国連憲章を
国会に出すということについて
決定をしたのですが、その
国連憲章の中に重要な問題があります。それは
一般協定の
内容の、特に
燃料の取得とか、
動力の規制とか、いろいろ重要な
条文がここに入っております。その
国連憲章に加盟する国もここに列記されてあります。それで、あの
条約を
審議するためには、必ず加盟しておるところの列国の
意向というものを的確に知らなければならないはずでありますから、それを知るためには、
外務省を通じて、米、英その他
加盟国全部について
——もちろん
ソビエトも含むのは当然と思いますが、そういう国々に対して、
外務省はそれらの国がどういうふうにものを
考えているのか、その中でも
国連憲章を中心として
一般協定——ゼネラル・
アグリーメントについて、どういう工合に
考えておるかということを調べてもらわなければ因る。
科学技術庁としては、少くともそういう
報告を求めなければ、
科学技術庁としての確信のある
国連憲章への参加後の運ばし方、あるいはただいままだ
準備中でありますけれども、
準備中におけるこっちから任命する
準備委員の任務がどうなるか等については、十分下打ち合せをしなければならぬことがありますから、そういう問題を解決するためにも、
外務省を通じて、
各国の
考え方についての
報告を求めたいと思ったわけであります。そういうことについて
閣議に
報告をして、
了解をしてもらいたい、こういうことを言ったのですが、そのときには別にだれも
異議はなかったのです。またそのときに、米、英、
カナダ等については、やがて炉が入ってくるだろうし、それから
燃料公社の
燃料の
精練設備も完成してくると、必ず
精練試験というものをやらなくてはならないと思うが、それに必要な
天然ウランその他を購入するということをやらないと、
燃料公社の
能率試験ができない場合も起るのだが、それがためにはどうしても、米、英、
カナダ等と
条約協定を結ばなければ、それが遂行できないことになるだろうと思うから、
燃料関係からいっても、新しい
協定を結ぶということに取り運んでもらいたい。それについては、時期、
方法は
外務省にまかして、どういう時期にどういう
方法でこれを行うのがいいかということは、
外務省を通じて話をしてもらいたいと思う、そういうことを
報告しておいたのです。それで、改めて
文書をもって正式な
了解事項として話をコンクリートにしたい、こういう話をしておいたのです。そういう点については、だれも
異議を申す人はなかったのです。ところが、その後の
経過、あるいは
記事に出たものの中に、表現の仕方が、いろいろ扱い方が違っておって、アクセントの付け方の違っておる
点等もありて、きのうは
外務省を通じて、われわれはそれぞれの
関係各国と、それぞれのただいま申し上げましたような
問題点について話をしておいてもらいたいということを申してあったから、
外務省として、それについて米、英、
カナダ等との
燃料公社の
設備等に伴う新しい
燃料獲得についての
話し合いを進めることについて、どういう時期にどういう
方法でやるのか、
一般協定をこちらでは結びたいと思っておるのだけれども、
外務省の方はどうだということを聞いておいたのですが、
外務省としては、
資金関係もそこにからまってくることである、たとえば
天然ウランを買うとすれば、それの値段とか何とかもあるでしょうから、
外務省だけではきめがたいから、
関係省庁と
連絡をして、
閣議の
了解をそういう技術的な面ではっきりするようにしてもらった方がいいと思う、そういう
意見が
一つ。もう
一つは、
ソビエトを含んで
動力協定を結ぶというふうなことは、今のところなかなか事情が許さないというか、そういうことはこの際は時期でないじゃないかと思うけれども、そういう
意味で
閣議の
報告をそのまま
了承をしたということにはしないでほしい、こういうような
外務省の
希望である。その
希望に対して、
閣議が
了承を与えた、こういうわけです。従って、
外務省に対してこちらが
希望を前
閣議で申し述べておいた
閣議報告に対する
外務省の
見解としては、ただいま申し上げましたような、米、英、
カナダとの
関係、その他の国との
関係を区別して、
外務省自身の
見解はこういう
見解であるということを伝えてきたので、その伝えてきた
見解に対して、われわれは
閣議で、
外務省の
考え方がそうであるならそれで差しつかえない、こういうことになったわけです。それで、初めから時期、
方法については、米、英、
カナダとの
交渉も、
外務省の
意向を聞きたいということを前提にしてあるのです。それから、その他の
諸国に対しても、出先の
外交機関を通じて、どういうことを
考えているか、特に
国連の
原子力機構に対する
考え方、あるいは
国連の
原子力機構の中における
ゼネラル・
アグリーメントの
内容について、
各国はどういうふうなことを
考えるんだ、なお進んで
国連原子力機構が二年後に仕上るが、それまでの閥はどういうふうに
各国相互間で
一般協定について
話し合いを進めるのか、そういうことについて、
外務省を通じて
情報をもらいたい、そういうことであったのです。それで、日本がそれぞれの国と
動力協定を結ぶか結ばぬかというふうなことが
日程に上ってきて、それを
原子力委員会が
決定をして、
外務省にそれが
交渉を要求する、こういうふうなものではなかったのであります。