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1957-03-29 第26回国会 衆議院 科学技術振興対策特別委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年三月二十九日(金曜日)     午前十時五十四分開議  出席委員    委員長代理 理事 有田 喜一君    理事 齋藤 憲三君 理事 中曽根康弘君    理事 前田 正男君 理事 岡  良一君    理事 志村 茂治君       小笠 公韶君    大高  康君       小平 久雄君    須磨彌吉郎君       塚原 俊郎君    南  好雄君       石野 久男君    岡本 隆一君       田中 武夫君    滝井 義高君       原   茂君  出席国務大臣         国 務 大 臣 宇田 耕一君  出席政府委員         人事院総裁   淺井  清君         人事院事務官         (事務総局任用         局長)     松村 清之君         人事院事務官         (事務総局給与         局長)     瀧本 忠男君         総理府事務官         (科学技術庁長         官官房長)   原田  久君         総理府事務官         (科学技術庁企         画調整局長)  鈴江 康平君  委員外出席者         科学技術庁次長 篠原  登君         総理府事務官         (科学技術庁長         官官房総務課         長)      水間 光次君         厚生事務官         (大臣官房人事         課長)     栗山 廉平君         農林事務官         (大臣官房秘書         課長)     庄野五一郎君         通商産業事務官         (大臣官房会計         課長)     川崎 立太君         通商産業事務官         (工業技術院官         房秘書課長)  久保 忠雄君         運輸事務官         (大臣官房人事         課長)     堀  武夫君     ————————————— 三月二十九日  委員木崎茂男君及び椎名悦三郎君辞任につき、  その補欠として塚原俊郎君及び大高康君が議長  の指名委員に選任された。     ————————————— 三月二十八日  放射性同位元素等による放射線障害の防止に関  する法律案内閣提出第一二八号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  内閣委員会意見申入れに関する件技術士法案  (内閣提出第一〇八号)  科学技術振興対策に関する件(研究技術職員の  給与に関する問題)     —————————————
  2. 有田喜一

    有田委員長代理 これより会議を開きます。  菅野委員長が都合により本日出席できませんので、私がその指名により委員長職務を行います。  科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。  本日は、研究技術職員給与に関する問題につきまして、前会に引き続き質疑を行います。質疑の通告がありますので、これを許します。前田正男君。
  3. 前田正男

    前田(正)委員 きょうは人事院総裁その他関係官庁の方もおいでのようでございますから、お聞きしたいと思うのであります。まず第一に、人事院総裁は、現在の公務員の中におきますところの技術系職員諸君が、勤務年限とかそういったものから見まして、事務官諸君に比べて非常におくれておるという事実を御認定になるかどうか、その点から一つお答えを願いたいと思います。
  4. 淺井清

    淺井政委員 これは一言はでちょっと申し上げかねるので、技術系統の人を大体三つに分けて観察してみなければならぬかと思っております。第一は技術系統教員の問題でありまして、これは大学その他の技術系統学問をしておる教員たる公務員であります。この教員たる技術系統公務員に関する限り、私は、他の系統学問を専攻する人々との間に差別待遇はないように思っております。これは教員俸給表一本でやっておりますし、別に運営面におきましても他とは差別はない、この点はこれでよろしいのではないかと私は思っております。それから第二は、研究所試験所等におる技術家でありまして、これはいろいろ問題もあろうかと思いますが、人事院といたしましては、これを一般職行政職俸給表から切り離して、今度新たに研究職俸給表でやっていきたいと思っております。この俸給表を別にするということは、私は将来への優遇を、意味するものだろうと思っております。現に一般教員につきましても、以前は特別俸給表はなかったのでありますが、これを別個の教員俸給表にすることによって、漸次教員待遇はよくなってきたように思っております。そこで、今回は研究職俸給表を切り離して、研究所試験所等におる公務員諸君優遇出発点といたしたいと思っております。この研究職俸給表の特色というべきところは、なるほどこれは数等級に分れておりまして、あるいは研究所長であるとかあるいは部長であるとか、一応代表官職はきめて等級を割り当てておりますけれども、そういう役職につかない平の研究員諸君においても、ずっと上の等級に上れるように処置するつもりでおります。一番問題になるのは、一般行政官庁におるところの、つまり事務系統の人と技術系統の人との問題であろうと思う。ここに一番の問題が従来存してきたのじゃないかと私は思っております。まず第一に、課長以上のポストというものは各官庁によって限定をされておりますが、この課長以上のポストというものには、あるポストはおのずから事務官出身の人の適当とするポストもございましょうし、またあるポスト技術家出身の人の適当とするポストもありましょうが、そうでない、どっちからでも行けるというポストも多くあるように思っております。この際に、新しい任命権者がそのポストを全部事務官に割り当てるということになりますれば、従って技術家系統の人は課長以上の職につけないということになりまして、これは給与の上昇をある意味において妨げるということになるだろうと思っております。それから第二は、現在の俸給表は十五の級に区分されておるのでありますが、この各級に定数というものがございます。われわれはこれを級別定数と称しておるのでありますが、この級別定数を大部分事務官の方に使いまして、技官への割当が少いときは、技官はおのずから上の級へいけないという不都合を生ずることになっております。人事院もこの点は若干気がついているところでございまして、級別定数を定める権限人事院にあるのでございますから、人事院といたしましては、この級別定数各省からふやすように要求を受けましたときに、場合によっては、これだけのものは技官に使うという条件をつけて許しているようなところもございます。しかしながら、この第三の点、すなわち一般行政官庁にいる技官事務官との給与の問題につきましては、任命権者にまかされている部分が多うございますので、人事院としてやり得ることはおのずから段階があるように思っております。  そこで、最初の御質問に返るわけでありますが、この第三の部門におきまして、技術官の方がおくれているという事実は従来あったと思っております。
  5. 前田正男

    前田(正)委員 今の総裁の御答弁のように、教育職特例法で非常にうまくいっている、これは私もその事実を認めます。しかし、二番目の御答弁研究職の方は、今度級別表を直したからといって、私は任命権者考え方が悪ければ、現在おくれているこの事実というものはなかなかうまくいかないのじゃないかと思います。その点、技官の問題は問題が多いから、まず研究職の問題で、今度俸給表を別にしたために、一般の方に比べておくれておるということが直るお考えであるかどうか、その点を一つ……。
  6. 淺井清

    淺井政委員 これはいわば将来への優遇出発点だと思っております。これは漸次私は改善されるものと考えておりますが、何しろ従来長い間のでき上った既成の事実でございますから、これは一度にはできかねるように思っております。
  7. 前田正男

    前田(正)委員 その次の技官の問題については、今、級別定数の問題などいろいろとお話がありましたが、この研究職技官の問題をあわせてまず第一にお聞きしたいことは、その任命権者が両方とも融通できるようなポジションが相当あるわけでありますが、そこに任命するに当って、事務官出身の方は卒業年後何年になった者は、いわゆるMとかいうそうでありますが、その人はこのところに行けるが、技術出身のいわゆるKの人はまだそこに行けない、こういうふうな内規があると、これは人事官はそういうようなものはないと御答弁になったらしいのでありますけれども、われわれが実際聞いているところによると、事実内規があるようですし、またその通り運用されておるようであります。これは国会でごまかした御答弁をされないで、卒直に、そういうものがあって、事実そういうことでありますから、事務官出身諸君が先にそのポジションについて、そうでない諸君がおくれているから、結局そのポジションにつき得るときにはもうポジションは埋まってしまっている、こういうのが事実であろうと私は思うのでありますが、その事実を総裁は御認定になりますか、お伺いいたしたい。
  8. 淺井清

    淺井政委員 人事院院といたしましては、画一的な六級職試験とか何とかいう制度でやっておりますから、人事院に関する限りは、さような差別待遇はしていない。従来の実例はどうでありますか、ちょっと私は関知いたしておりません。
  9. 前田正男

    前田(正)委員 それはそうじゃなしに、人事院はなるほど採用のときはそうでありますが、しかし今度は格づけをしますときに—ここにきょうはずっと人事官課長さんに来てもらっているのですが、どうしても人事院の方から返答をもらえなければ、課長さんから一つ聞かなければならぬのでありますけれども、人事院で格づけをするときに、人事官会議というものがありまして、その会議の申し合せで、学校卒業後何年の方は、事務系統の人は今度係長にしてもいい、課長にしてもいい、技術出身の人は何年まではまだなってはいけない、こういうふうな格づけの内規というものを各省人事院と一緒になって申し合せをしておられるから、その格づけをつけられない、そういうものを人事院に持っていっても、そういう内規があるから、その格づけはつけられないのだ、こういうことになっておりますから、この技術官昇進というものはおくれておるのだ、こういう事実になっておるわけですが、総裁、そういうことを御存じないですか。
  10. 淺井清

    淺井政委員 これは人事院に関する限り私は関知しませんが、なお、任用局長よりちょっと申し上げたいと思います。
  11. 松村清之

    松村説明員 今の問題は、級別の問題と係長とか課長とか、こういうポストの問題とありますが、このあとポストの問題の方が私の関係でございますので、それについて申し上げますと、現在制度上、こういうふうになっております。課長以上の昇進異動等の場合には、人事院がこれを承認するかしないか、こういうことを各省庁から協議を受けて承認するということになっておりまして、課長補佐以下につきましては、各省庁が自分のところで基準を定めて運営していく、こういう体制になっております。それで、前の課長以上の部分につきましては、これは人事院といたしましては、技術官だからどう、事務官だからどうという基準はきめられておりません。ただ課長になるには、課長補佐最低何年、そしてその課長に関連のある業務を何年、こういうような基準できめておりますので、現実の運用に当りましては、任命権者である各省庁人事院に持って参ります分は、人事院できめてありまする基準最低基準でございますので、ほとんど技術官でも事務官でもパスするのが実情でございます。ただ任命権者の方でどういう人を持っていくかということに問題がかかっておるかと思うのでございます。それからあと課長補佐以下の任命については、各省庁基準を設けてやるということで、この基準については人事院として現在の制度では直接関与しておりませんけれども、私の知っておる範囲では、その基準について、事務官技術官に分けた差別的な基準を設けておることはないと思います。ただ運用上の問題になりますと、これはまた別問題かと存じます。
  12. 前田正男

    前田(正)委員 私の聞きたいのは、その運用上の問題なのです。運用上において、あなたの方へ申請するときに、Mの人は学校を出てから何年、Kの人は学校を出てから何年でなければ課長になれないという差がある。毎日人事院の方にそういうものを相談に来られて、皆さん職務としてそれを認定しておられて、技術者事務官これだけ差があるのに、それでさしつかえないというふうに今考えておられるということが私はおかしいと思います。なぜそういう事実があるのを修正するようにしないのか。それは運用上というから、今の話でいくと、たとえば課長補佐なら課長補佐人事院の承諾がなくてもいいのだ、そうすると今度省の中で課長補佐にはなるべく技術出身をつけない、課長補佐何年にならぬからということで、結局課長申請に持ってくるのにおくれてしまう。だから課長のところへ持ってきたときには、技術出身課長の人は—これはだれもが先輩の人はみんな知っている。技術出身の人が課長になるのは、事務官の人が課長になるのよりおくれています。これは事実です。これは松村さんが幾らどんな答弁をされたって、事実は変らないのですから、そういう事実が起っておるものをなぜ修正できないのか、これはおかしいじゃないか。なぜ技術出身の者はこの年度の者が課長になるのか、なぜ事務官はこの年度の者を課長に持ってくるのか、技術出身がおくれておるのに事務官課長になるのはこの通り早いじゃないか、それをあなたの職務上なぜそこで修正しないかということを私は聞きたい。
  13. 松村清之

    松村説明員 それは、人事院として、関与いたしますのは、人事院基準をきめておりまする最低限度基準というものに達しておれば、これを拒否するわけには参らないわけです。私どもとしてこれを拒否し得るのは、先ほど総裁がおっしゃいましたように明らかに技術官がつくと思われる。ポストヘ、それに関連してないような事務官を持ってくるという場合ですけれども、おのおのその基準を備えておる人については、これを人事院とししてどうする、こうするという権限はないわけです。
  14. 前田正男

    前田(正)委員 それで私も明らかになりましたが、そういうあなたの方の人事院として権限がない任命権者は、事実上今までの内規通り、これを改めることはもちろんないでしょう。現在の任命権者ポジションの上におる人は、みんな事務官が多いのですからね。科学技術庁関係で私から、通産省研究の問題とか技術の問題をやれという話をすると—実は通産省は今後全部技術関係仕事をやらなければならぬからね、しかし、そんなことを言ってきては困るといつも反対される。だからわれわれもなるべく話をつけてやっているのですが、それに関連して通産省局長十何人の中。たった一人しかおりません。課長は百二十何人の中で十何人しかおりません。通産省技術関係仕事をしなければならぬ。省議をやって、その省議に何人出るか、局長一人と工業技術院の院長ぐらいでしょう。ほかに出てくる人がいない。それで通産諸君は、われわれが話をすると、これから通産行政のほとんどすべては科学技術仕事をやらなければならぬから困ると言っておりながら、やっていることは全然違ったことをやっておる。全然違ったことをやっておって、それが人事院権限で修正できないというならば、われわれの方も考え方を改めなければならぬ。今、皆さん研究職給与法を作られるということをお話になっても幾ら給与法をかえられても、人事院権限としてそういうことはできない。また任命権者が現況の通りのような状況であっては、これを変更することは事実困難でしょう。それならば、今せっかく皆さんが努力されて給与を別にしただけでは、この欠点は修正できないという結論が出てくると思うのです。そういう結論に対して人事院総裁はどう思われますか。このままでいい、やっていけると思っておりますか、どうですか。
  15. 淺井清

    淺井政委員 われわれも御趣旨に従って技術者優遇はやりたいと思っておりますが、さいぜんも申しましたように、これは公務員法の建前上、人事院のやれることとやり得ないこととに限界がございまするので、ただいまのように、課長以上のポストにつく者の承認を求めて参りました場合に、これが適格か不適格かということは人事院権限でできます。しかし、これは事務官であるから、技官をかわりに持ってこいということとは、ちょっと任命権者権限に立ち入ることになりますので、これは人事院としてできないじゃないか、任用局長から申し上げたのもその趣旨だろうと思っております。
  16. 前田正男

    前田(正)委員 私は、事務官局長候補者を持ってきたから、それを技官にかえろ、こういうことを言うのではないですよ。私はもし人事院で言ってもらえるとするならば、その事務官局長になることはけっこうですけれども、それはほかの技官局長になるのとあまりに年限が違うではないか。その年限が違うのを調整したらどうか。事務官局長にするなら、もっと年限のたった人を局長にするなり、あるいは技術職の人の局長申請があったら、もっと卒業年度の早い、事務官と同じレベルの人を局長にしたらどうか。そのポジション技官を持ってこい、事務官を持ってこいということは、その人の能力、人材によって、必ずしも事務官出身でなければならぬとか、技官出身でなければならぬとか、こんなことは私は言わないのです。しかし、せっかく人事院があるのですから、現在課長局長についている人の年度こんなに差があるならば、もっと同じ年度の人を持ってこい。一、二年の差はあるでしょう、しかし五年も八年も開きがある、そんな差がある任用申請をしてくるのはおかしいじゃないか、こういうことは言えないかというのです。あなたの方が言えないというならわれわれとしても今の給与制度というものを根本的に改正せざるを得ないのではないか、こう思うのです。
  17. 淺井清

    淺井政委員 個々の場合については、私はちょっと言いにくいと思いますけれども、やはり人事院としては公務員法に準拠した権限しか持ちませんので、ただいまお示しの場合は、人事行政に関する勧告権人事院が持っておりますから、一般的にはさようなことは言い得ると思います。しかしながら、それを言います場合には、実情をもう一ぺん検討して、妥当な勧告をするならする、こういうことになるかと思っております。
  18. 前田正男

    前田(正)委員 その勧告はもちろんできるでしょうけれども、それで事実を認定しても認定しなくても、世間はよく知っていますし、われわれもよく知っています。内規がいろいろあって、KとMに分れておるということは、われわれは事実知っているわけです。先ほど私が申しました通り通産省その他の省の事実を見ていけば、すぐわかるわけです。われわれもらっている官庁職員録を見れば、技官の人は技と書いてあるから、だれが技術者かすぐわかってしまうことで、そんなことは事実ですから、事実はあまり検討していかなくてもよくわかっております。だから、勧告を出されても効果がなければ仕方がない。そういうことでありますから、この際せっかく人事院の方で研究職員の方々の給与法を別にしていただいても、それでは研究職のほんとうの根本の問題は打開できないことになるのではないかと思います。  それから次にお聞かせ願いたいと思うことは、研究職技術職も同じように、そういう方法で打開できないのですけれども、この際、人事院総裁に認識をお聞きしたいと思うのです。そういうようなことでもし打開ができないいとうようなことでこのまま推移いたしますと、これから日本行政部門においても、技術関係行政は非常にふえてくるし、またわが国国勢から見ましても、研究関係というのは非常に重大になってくると思います。ところが、民間を初め、このごろ技術研究者というものは非常に足りなくなってきている。また現在の日本科学技術教育のあり方も、私たちはこの特別委員会で、文部省の人、科学技術庁の人に来ていただいて、いろいろ検討いたしました。検討いたしまして話はわかったのでありますけれども、世界の実情に比べまして、非常におくれているわけです。世界的には、どちらかというと、理工系人たち卒業生が多いのです。だから、日本は逆になっておるわけです。それをふやすように努力しろと言うておるけれども、画期的にやろうというようなことは一つもない。従って、多少改善されていくでしょうけれども、このままでいけば、やはり理工系卒業生が少いままで推移しなければならぬ。世界的に理工系卒業生が多くなっていても、やはり世界的に理工系の人は足りない、足りないというのです。それは日本でも同じであります。日本もこれから原子力とか、オートメーションとか、生産性向上とか、こういった問題で、非常に技術関係の人が足りないのです。それなのに、教育は依然遅々として進まないということですから、これからの日本行政とか、研究とかいうような大きな国政は、今のようなやり方では、なかなか改善できないと思うのです。人事院総裁公務員法範囲の職責でおやりになるのですから、それ以上のことはやれといっても無理ですが、無理ならば、私は現在の公務員法やり方では、実際の実情として困るということをこの際訴えようと思うのです。人事院総裁も、今のやり方では困るということを、今申し上げました教育の現状だとか、世間科学技術者必要性だとか、あるいはわが国国勢においての科学技術研究者重要性という点から見て、今のやり方では困るということを御認識願えるかどうかということをお聞きしたい。
  19. 淺井清

    淺井政委員 科学技術者優遇という点においては、私は御意見に御同感であります。しかし、そのために今の国家公務員法やり方が全然間違っているというふうには考えていないので、おのずから人事院のやる仕事任命権者のやる仕事とあって、問題は多く任命権者運用の問題にあるだろうと思います。これは人事院の問題というよりは、むしろ政府の内部の問題に存しているのではないかと思っております。人事院といたしましては、人事院権限でできるだけのことはやりたい。ただいま研究職お話がありましたが、この俸給表を別個に作ったという措置は、その優遇の一歩をなすものだとわれわれは考えてやっております。
  20. 前田正男

    前田(正)委員 要するに、今の御答弁からいきますと、結局人事院としてやれる範囲のことはみんなやっておるということでありますけれども、一番ガンになっておる任用権の問題は、人事院の力ではできない。結局その問題をこの際解決しなければ—さっきお話のありましたように、教職員の問題は解決していただいておるので、人事院総裁のおっしゃる通り、なるほどよくなっておる。だから私たちもその教職員のやっておるように、この際任命の問題から給与の問題を含めて、根本的に考えなければならぬと思うのですが、その点について総裁はどうお考えになりますか。
  21. 淺井清

    淺井政委員 それは御同感であります。これは実際任命権者運用の問題に負うところが非常に多いと思いますから、任命権者がその気持になってくれないと、これはいかんともしがたい問題だと思っております。
  22. 前田正男

    前田(正)委員 だから、さっき私が例をあげて申しておる通り、なかなかその気持になれないのですが、現在の配置を見たらおわかりの通り、事実もうそうなっておるのです。また内規があって、内規を直せといっても、なかなか直せませんし、内規を扱っておる課長さん方もそういう方ばかりですから、課長さんを前に置いて失礼ですが、実際問題としてこれは仕方がないのです。そのようなことでありますから、そういうことで運用さしておるとこらの制度が間違っておるのです。従って、私は運用制度に間違いがあるのではないかと思うのです。だから、そういう運用制度を改めるような、公務員教職員特例法というような、運用にも制限をつけられるような、国家の意思として法律で縛っていくという方がいいのではないかと思います。運用だけで解決されるということは、なかなかむずかしいと思います。その点について、私たちはそういうふうな考え方でいきたいと思うのですけれども、総裁はどういうふうにお考えですか。
  23. 淺井清

    淺井政委員 これは任命権者考えにもよるのでありますが、私も人事院に関する限り任命権者でありますけれども、現に人事院では技官というものは置いておりません。全部事務官任命しております。それはバック・グラウンドを問わずにやっておりますので、ここにおります給与局長技術家なんでありますから、これは任命権者やり方によって相当やれるのじゃないかと思っております。
  24. 前田正男

    前田(正)委員 その点について実はわれわれも考えておるのですけれども、研究関係の方は、なるほど特例法みたいなものを設けなくてはならぬと思うけれども、今お話の中に人事院の中で同じ行政の事務をとる技術官事務官、こういうものは、私も今総裁お話のように、この際給与法を一本にしてやるということはもっともでしょう、同じ行政をやるのですから、しかもこれは技術行政をやる人、あるいは事務の行政をやる人といって、なかなか区別はできない一のです。特に通産省とか農林省とか運輸省とか、あるいは建設省、こういうところでは事実上これは技術仕事だとか、これは事務の仕事だとかいって区別ができない。ポジション課長でも局長でも、ほとんどそうじゃないかと思うのです。ですから、われわれは初めに技術職というものを別にしたらどうかということを考えたこともありましたが、別にしないで、行政職一本の俸給でおやりになろうということですから、そういうことなら、今人事院総裁の言われたように、人事院の中ではみな事務官にして任命しておると同じように、技術官とか事務官というものは廃止してしまって、一つ俸給表で実力でやるというふうな行政職という名前にするのか、それとも事務官という名前にするか、何でもいいのですけれども、そういう区別をなくして、事務出身であろうと技術出身であろうと、能力のある人が、これから技術と事務両方まざった仕事をやるわけですから、私はやるのが適当だと思います。その点についてどういうふうにお考えですか。人事院はそうしておられるらしいですけれども、一般的にはそういうことをすることをどうお考えになりますか。
  25. 淺井清

    淺井政委員 人事院に関する限り、事務官一本で支障はないと思っております。従来ずっとそれで経験しておりますが、各省はどういうふうになっているか、ちょっと今軽々にはお答えできないわけです。
  26. 前田正男

    前田(正)委員 各省の問題は、もう少し各省別に検討しますけれども、大体私はそういうような考え方になった方がいいんじゃないかと思うんです。それでは事務官技官という問題は、そういうふうな差別という問題をこの際撤廃するかあるいは差別を残すならば、やはり教育公務員特例法みたいなことをしていかないと、現実においては任命権者によっておくれていくとかいうふうな問題が私は残ってくるんじゃないかと思うのです。ただ、そのほかに、たとえばこの間参考人として話を聞いた人の中にも、特許庁の審判官とか審査官、そのほか運輸省の関係の海難審判官とか、そういうような特別の職務についておられる方があるのですね。そういうポジションとかいうものに関係なくやっていかなくてはならぬ立場の人があると思うのです。こういう人たちについても、特別の給与制度というものを考えなければいかぬ、あるいはまた特別の任用制度も合せて考えなくてはならぬのじゃないか、こう思うのです。この点について、今度は研究の方は御研究願ったようですけれども、そういう別の職務についておられる方、裁判官と同じような職務ですけれども、そういう方については、人事院としては特別の考慮を払う考えはないのですか。
  27. 淺井清

    淺井政委員 ただいまのところ特別の考慮を払う必要はないように思っております。これは将来どうなるか、研究してみたいと思いますけれども、まずこの間の勧告程度の職種による区別でいいんじゃないかと思って、おります。
  28. 前田正男

    前田(正)委員 私はこれでけっこうです。
  29. 有田喜一

    有田委員長代理 志村茂治君。
  30. 志村茂治

    ○志村委員 任用局長に昨日私がお願いしました資料はおできでございますか。
  31. 松村清之

    松村政府委員 受験者と合格者の資料はあの日の午後お届けしてあると思いますが……。
  32. 志村茂治

    ○志村委員 私今見たんで簡単な読み方しかいたしておりませんが、受験申し込みが三十年、三十一年とも総数二万五千で、昨日は七、八千というお話でしたが、非常に行政、法律、経済関係が多いようですな。
  33. 松村清之

    松村政府委員 これは実は一昨日でございましたか、的確な資料がありませんので、私頭の中でちょっと計算して、経済の数字を含めなかったのです。なかなか事務官技術官系統というのはむずかしいのでございますが、行政、法律、経済の試験の方が一応事務官だと考えて差しつかえないかと思うのでございます。この前八千と申し上げましたのは、行政と法律の合計でございましたが、経済も加えますと、この一万三千という数字が事実なんでございます。
  34. 志村茂治

    ○志村委員 この表は信じなければならぬと思うのでありますが、実際の国家公務員試験を受けた人によりますと、合格者に事務官系統の方が多い、しかも競争率が高い、こういうことを言われているのでありますが、それはいかがですか。
  35. 松村清之

    松村政府委員 ここにある昨年の資料でなく、三十年度の資料で合格率の問題を申し述べてみますと、行政が三十人に一人、経済が三十四人に一人、これがほかの試験区分を抜きまして圧倒的に合格者の割合がむずかしくなっております。あとは法律もその他の理工系も十数名に一人の割でございまして、法律は十五人に一人の割でございますけれども、むしろ理工系の中にはこれをはるかに上回る、二十名前後に一人という試験の率がたくさんございます。だから、必ずしも事務系統が、受験者と合格者と比べて、合格がむずかしい、こういうことは言われないじゃないかと思います。
  36. 志村茂治

    ○志村委員 これは統計的に調べてみなければわかりませんが、それでは一般に受けている感じとは違うわけなんですね。われわれの常識として、事務官系統の方が競争率は高いんだというふうに聞いておりますが、この表で見ると、大体違いないんだというような結論になりますか。
  37. 松村清之

    松村政府委員 これは各区分によってでこぼこがございますが、この比率を計算すればすぐ出る問題でございまして、ほとんど差異がないとお考えになって差しつかえないだろうと思います。
  38. 志村茂治

    ○志村委員 そうしますと、一昨日の話に出ましたように、理工科系統卒業生公務員試験をあまり受けたがらないという数字は、この統計では出ておりませんですね。
  39. 松村清之

    松村政府委員 それは統計的にはその数字を持っておりませんけれども、一昨日申しましたのは、私が現実に試験に関係しておりますが、昨年に関する限りにおきましては、理工系の中の一部分についてそういうようなことが考えられるような気がする、こう申し上げたのであります。
  40. 志村茂治

    ○志村委員 それで大体見当はつきました。三十年、三十一年を比較してみますと、三十一年においては相当減っている、これは一般財界の好景気を反映したものだというふうに解釈されますので、大体理解できました。  次にお聞きしたいことは、研究職について一昨日私が給与局長にお尋ねをしたその返事として、「研究職技術職、それから事務職の三つに分けて申し上げたのであります。」ということであります。私がお尋ねしたのは、もう給与体系においては限度がきているんだ、そうすればこれを二本立にしたらどうか、別立にするということは考えられないかということで、それに対するお答えでありましたけれども、「今回は研究職俸給表を作っておるのであります。この研究職につきましては、われわれの考え方といたしましては、今後漸を追って研究職俸給表の問題をどういうふうに考えていくかということは研究したい、」こういうことを言っておられまして、ただいまの人事院総裁お話もそういうような意味で私承わっております。ただ今後に残されている問題として、たとえば教育職給与が上ったということになりますと—研究職としては大学との人事の交流が相当ひんぱんにあるものです。これは円滑にしなければならない事情があると考えておりますが、大学の教授と研究所の部長との間の給与の相違がある程度あるということになりますと、人事の交流は円滑にいかないという見方になると思うのです。その事実が多少ともあるということを聞いておりますが、いかがでしょうか。
  41. 淺井清

    淺井政委員 お説の通りだと思います。
  42. 志村茂治

    ○志村委員 今後、研究職俸給表の問題をさらに考えたいとおっしゃっておりますが、これはまだ具体化されておらないと想像いたしますけれども、大体の方針はどういうふうにされるつもりであるか、その点をお尋ねいたします。
  43. 淺井清

    淺井政委員 これはかつて教員一般職俸給表にありましたものを分離して、漸次改善していきましたと同じような方法より仕方がないと思っております。ただし、今回の勧告におきましては、すべての俸給表が現給の分布で構成されておりますので、研究職優遇という実はあがっておりません。
  44. 志村茂治

    ○志村委員 それは今後どういうふうにされるか、大体の方針を聞きたいのです。
  45. 淺井清

    淺井政委員 それは俸給をよくするということに尽きるのであります。ただいまのような人事交流阻害にならないように研究職俸給表をよくしていきたいと思うのです。ただし今回でき得ることは、この研究所試験所等の特質にかんがみて、平研究員であっても相当上の等級へいき得るようにやる、こういうことであります。
  46. 志村茂治

    ○志村委員 具体化されていないからこれ以上聞いても仕方がないと思うのでありますが、もう一つお聞きしたいことは、人事院各省からの申し入れに対して、課長以上の任用には承認を与えることになっております。また給与の点から見ても、職務給という建前をとれば、任用されなければ給与を上げようとしても上げられないことになっております。人事院にはその人事について一つの限界があり、制度に限界があることもやむを得ないと思うのでありますが、この制度のもとにおいて、先ほど前田さんがしきりに質問いたしておりますように、技術官事務官との間に開きがあるという事実、これは今までのお話によりますと、任用権者が考えてくれればいいということでありますが、しかしそれが十分考えられておらぬとか、ほかの事情によりまして、結果としては技術官事務官との間に開きができているということになっているのであります。この点は、ただ任用権者の良識にみがきをかけてもらいたいという期待だけでは、解決できないものがあると考えております。従って、極端に言うならば、技術官事務官との間に、研究職の場合には別な考えをとるかという点をお聞きしたい。
  47. 淺井清

    淺井政委員 さいぜん申しましたのは、制度上、人事院権限には限界があると申したのであります。その限界の中で人事院のやり得ることは、私はやっておるように思っております。たとえば、各省から級別定数の増加の交渉を受けました場合に、これだけは技官定数として使えというような条件を付したことも従来ございます。厚生省、通産省その他について例もあることでございますから、できることはやっているつもりでございます。
  48. 有田喜一

    有田委員長代理 田中武夫君。
  49. 田中武夫

    ○田中(武)委員 先日参考人からいろいろと意見を承わり、それに関連して人事院関係局長さんに質問したのでありますが、なお今日総裁が見えておりますので、一、二点だけちょっとお尋ねしたい思います。今度の給与の改正に当りまして、公務員諸君が、これは不合理であり、職階級制の強化であり、かつての高文制度の復活である、逆コース的だ、こう言って大きな反対をしていることは、総裁も御承知の通りであります。なお先日の参考人の御意見を聞きましても、従来でも法文系に対して技術系は不遇であった。しかるに今度の給与の改正によれば、なお研究員技術系統の者がますます不利になる、こうお答えになっております。ところが、人事院給与局長さんの御意見では、いや、今までは研究員等は頭打ちになっていたのを、今度は頭打ちにならないからいいのだと言っております。参考人と人事院局長答弁とは食い違っているのですが、その点、人事院総裁は、実際どういうようになるのか、今まで冷遇されていた技術者関係が今度の改正によって有利になると考えているか、どうですか。
  50. 淺井清

    淺井政委員 研究職に関する限り、俸給を別にいたしておりますから、これは将来漸次よくなる傾向にあると考えております。ただ一般行政官庁にある技官事務官との問題は、俸給表自体の問題ではないと思っております。この点は私は俸給表に責任を負わせることはできないと思っております。
  51. 田中武夫

    ○田中(武)委員 なるほど制度の上においては、今日技術員と事務系統、いわゆる一般行政官と技術官とは変りはない。しかし、実際の面において開いていることは御承知の通りなんです。そういう点の原因がどこにあるか、先日もお伺いしたのですが、これは人員とポストの比例の関係にあるのか、あるいは昔ながらのいわゆる法科万能という考え方がなお残っているのか、あるいは任命権者考え方によって変ってきているのか、また今そういう制度はございませんが、先日も申しましたのですが、かつて陸軍とか海軍にありましては、本官は大将、元帥になっております。ところが、技術官あるいは医者等が大将までいけません。技術総監あるいは軍医総監というたふうに中将どまりであり、しかもただ一人である。少将待遇が二人か三人で頭打ちになっている。こういった考えがなお残存しておりますために、一般技術系統の人が冷遇されているのではないかと思います。制度においては開きがないにかかわらず、実際において開きがあるのは、原因はどこにあるのですか。
  52. 淺井清

    淺井政委員 戦前においては制度にも違いがあったように思っております。しかし、現在においては、制度上違いがないことは今申し上げた通りであります。それじゃ運用の面においてどこにそういう欠陥があるかといえば、それは仰せられたようないろんなものが一緒になっていると思うのでありまして、これは任命権者運用やり方に帰するのではないかと思っております。
  53. 田中武夫

    ○田中(武)委員 なお、今日公務員の中にいわゆる官僚閥というものがあって、これが学閥につながる、あるいは郷土、個人的な関係になってくるかもしれませんが、そういった閥は現在やはりあるのですか。
  54. 淺井清

    淺井政委員 閥という言葉は少し古いのでありますけれども、要するに特定の学校出身者に公務員が片寄っているということは、これは一つの現状だろうと思っております。
  55. 田中武夫

    ○田中(武)委員 戦前はことに高文出でないと、しかも高文をとっておっても、やはり一高、東大というコースをとっていないとうだつが上らない、こう言われておった。戦後になって、制度上にはそういうことはなくなったと一応はいわれているが、今日なお高文合格者といいますか、これは特別な名称で呼ばれておるようでありまして、私が通産省関係の組合の人から聞いたところによれば、俗にM官僚という言葉を使っておりますが、高文合格の出身者がやはり一つの特権的な存在を占めておる。これは事実だと思う。しかも今度の給与改正によりまして、なおこういったことを制度の上に肯定していくような結果になりはしないかと思うのですが、総裁はどうお考えになりますか。
  56. 淺井清

    淺井政委員 さようなことは全然ございません。この制度によって、そういうものは少しも肯定されておるような形勢はございません。
  57. 田中武夫

    ○田中(武)委員 勧告せられた人事院の責任者の総裁にそういうことがございます。という答えはできないと思う。そういうことは絶対にありませんと言われることがほんとうだろうと思う。そこで今、内閣委員会でいろいろ給与法が審議され、給与委員会までできて、修正とか話し合いがだいぶ進められておるように聞いておりますが、かつて予算委員会においてわが党の議員の質問に対し、総理も不合理な点は修正する用意があるということを明らかにせられております。人事院総裁自体として考えられまして、おれは絶対にこの給与改正に対しては確信を持っておる、こういう考えを持っておられるのか、それとも勧告を修正する余裕があるとお考えになっておりますか。
  58. 淺井清

    淺井政委員 今回の給与改正は、二つの点があると思う。第一は、要するに結果において六・二%のベース・アップをするということであります。この点は公務員の純然たる利益になることでございますから、これはどこにも反対がないように思う。第二は、給与体系の改正でございます。この点はいろいろ問題になっておることはただいま御指摘の通りでございます。しかし、われわれといたしましては、従来の給与体系は行き詰まっているので、これを改善することは当然必要でないかと思っておりまして、今回の給与改訂は私はさように改悪であるとは考えておりません。
  59. 田中武夫

    ○田中(武)委員 しかし、総理も予算委員会において用意があると言われておるし、もちろん国会において改正せられるならば修正になるわけですが、それはそれくらいにしておきます。  最後に一つお伺いしておきたいのでありますが、現在公務員にはいわゆる停年制、がございませんが、大体停年制があると同じように、ある一定のところにくると、やはり勧告があるのか何か知りませんが、やめておられるようです。大体技術系統の人と事務系統の人との薄命はどうなっておりますか。
  60. 淺井清

    淺井政委員 国家公務員の中で、停年制のあるのは、大学の教授であろうと思っております。一般事務官庁には停年制というものがないことは御承知の通りであります。これは技術系統の人の方が勤続年限は長いのじゃないかと思います。事務系統の方は、事実上新陳代謝が多いのじゃないかと思っております。
  61. 有田喜一

    有田委員長代理 本問題につきましては、質疑も尽き、問題点も明らかになりましたようでありますので、この際、お諮りいたします。すなわち、研究技術職員給与について、次のごとき決議を行いたいと思います。  案文を朗読いたします。     決議   政府は、科学技術の振興を期するため、研究技術公務員の処遇については、左記各項につきすみやかにその実施を図るべきである。  一、研究公務員については、研究公務員の特殊性に鑑み、研究公務員特例法の制定を検討すべきである。    なお、研究公務員特例法の制定に到るまでの間においても、研究公務員優遇趣旨に添うよう給与制度運用を図るべきである。  二、公務員の登用に当っては、行政の能率的運用を図るため、事務官技官の区別の撤廃を行うべきである。    なお、事務官技官との間に現に存する給与の不均衡を速かに是正するよう措置すべきである。  三、特殊な職務に従事する職員(例えば審判官、審査官等)については、その特殊性に鑑み、一の趣旨に準じ妥当、適正な給与制度を考慮すべきである。  右決議する。  以上を当委員会の決議といたしたいと思いますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕
  62. 有田喜一

    有田委員長代理 起立総員。よって右決議することに決しました。  なお本決議につきましては、ただいま公務員給与法の改正に当っております内閣委員会に対しても同様の趣旨の申し入れを行いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 有田喜一

    有田委員長代理 御異議がなければさよう決定いたします。     —————————————
  64. 有田喜一

    有田委員長代理 次に、技術士法案を議題といたします。  この際、本案に対する質疑があれば、これを許します。—別に御質疑もないようでありますので、本案に対する質疑はこれにて終了することといたします。  これより、技術士、法案につきまして、討論採決を行います。討論は、通告がありませんので、これを省略し、直ちに採決に入ります。技術士法案について賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕
  65. 有田喜一

    有田委員長代理 起立総員。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。  次に、お諮りいたします。ただいま議決いたしました技術士法案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 有田喜一

    有田委員長代理 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。     午前十一時五十一分散会