○細田政府
委員 それでは鉄道監督局の
関係の
請願について御
説明を申し上げます。
番号順に申し上げます。二号、三号、四号、五号、これはいずれも
国鉄定期運賃の値上げに関する
請願でございますが、御承知の
通り今回の運賃
改正を機会に、若干の定期運賃の割引率の修正、学生定期を除きました通勤定期並びに普通定期の割引率の修正をさせていただくことをお願い申し上げておったわけでございますが、そのようにきまりましたのでございまして、この
請願の御
趣旨に全面的には沿い得ておらないかと考えておるわけであります。学生定期並びに普通定期の一部につきましては、御
趣旨を考慮いたしまして、若干の当初案の修正をいたした次第でございます。
次に第六号でございますが、六号は
国鉄の運賃の値上げに反対する
請願でございまして、本件に関しましてはすでに御承知のように本国会におきまして、国有鉄道運賃法の一部
改正の法律が成立いたしまして、四月一日から実施いたしておるわけでございます。ただ一二六号は一般的な反対でございます。これ以上御
説明申し上げることはないと思います。
次に一応新線建設の
関係だけちょっとあと回しにさせていただきたいのであります。七番、八番、九番は新線建設でございますので、ちょっとあと回しにさせていただきまして、次の第一一号でございますが、
国鉄福島輸送派出所存置に関する
請願でございます。これは実は
昭和二十五年に機構
改正をいたしまして、全国二十七の管理局を作ったのでございますが、その際に旧管理部の所在地で管理局ができなかったところにつきましては、過渡的に、主として通信
関係からいたしまして、輸送
関係の特殊な通信設備が昔の管理部の所在地にございましたような
関係から、若干の人間をそのまま旧管理部所在地に残しまして、輸送のいろいろな仕事をさせておったわけでございます。しかし経営合理化の見地からいたしまして、通信をその後だんだん
整備して参りまして、管理局でその管内のものは集中的に処理できるという方式に改めまして、逐次そういった派出の人間なり設備なりをなくするという方向に進んでおるわけでございますが、これがなくなりましたからと申しましても、通信が非常によくなって参っておりますので、直接福島県なりあるいは福島市に対しまして御不便なり不利益をおかけするようなことはなように措置をいたしておる次第であります。
それから次に一二番は
宮之城線及び
山野線にディーゼル・カーを配置するという
請願でございまして、あとの方にも一二番、一四番、一七番にございます。それから三〇番にございます。実は今後ディーゼル動車につきましては、相当大量に増備をいたしまして、ほとんどの支線区に実は配置いたすという計画にいたしておるわけでございます。ただ三十二
年度の気動車の配置計画につきましては、目下検討中でございまして、現在どこの線に入れるというところまできまっておりません。各地からの御要望がございますが、これらの御要望を十分
調査いたしまして、決定をいたしたいと考えておる次第でございます。
次の
一三番は建設線でございますので、ちょっとあと回しにさしていただきまして、次に二八番でございますが、
竹材及び
竹製品の運賃引下げの
請願でございます。
竹材につきましては、現在六百一キロメーター以上のものを割引をいたしておりますが、これをもっと安くしてもらいたい、こういうことでございます。製品の価格が安くて運賃が割高である、従って輸出等の
関係もありますので、これをさらに低下させたい、こういう
請願でございます。実は他の点にも出ておりますが、等級につきましては
昭和二十八
年度の運賃
改正の際に、その前の約一年間、
昭和二十七年でございますが、二十七年一年くらい使いまして、いろいろ貨物等級審議会というものを作りまして御検討願ったのでございますけれども、さらにその後の事情の
変更等もございます。それからいろいろ限られた時間にやったものでございますので、多少の修正は今回もいたしておるのでございますが、根本的に検討しなければならぬものがないわけではございませんので、それらのものとあわせまして今後十分研究をきしていただきたい、かように考えておる次第でございます。
十八番の菓子の運賃につきましても、一般論としてはそのようなことでございまして、ただいますぐには
改正するという段階に至っておりません。なお菓子につきましては、貨車の減トン制につきまして、前回の運賃
改正の機会に相当強い御要望がございまして、その点につきましてはそのときに修正をいたして、若干の実質的な値下げをいたしておる次第でございます。
次の一九番、二〇番、二一番、二二番、二三番、二四番、これは新線建設の
関係でございますので、あとで一括申し上げたいと思います。
二五番、
常磐線の
複線、
電化促進に関する
請願でございますが、
常磐線は御承知のように平まで
複線になっておるわけでございまして、平−岩沼間が残されておるのでございます。しかしこれも主要幹線でございますので、
複線化いたさなければならぬということにつきましては、私どもといたしましては、できるだけ早い機会にこれを実施いたしたいと考えておるのでございますが、実は東北
本線の常磐と一緒になりましてから先の方が非常に今行き詰まっておりますので、それらとの関連、それから東北
本線の
電化に関連いたしまして、実は東北
本線が宇都宮までしか
複線になっておりません。その先の方をどうするかという問題、これらとあわせて緩急、前後をつけなければならぬ問題でございます。しかしいずれにしましても時間の問題でございまして、できるだけ早く
複線を完成いたさなければならぬと思っております。東北
本線、
常磐線全線を通じて
複線にしなければならぬと考えております。
電化につきましては、すでに
電化の十カ年計画中第一期の方に入っておりまして、五カ年の約千七百キロの
電化の中に常磐は入っておりますので、その間に実施いたしたいと考えておるのでございますが、常磐につきましては御承知のように地磁気観測所がございまして、その
関係から直流
電化ではいかぬという問題が一つございますが、技術的に解決いたしましたので、これはできるだけすみやかに着手する運びにいたしたい、かように考えておる次第でございます。
次に二七につきましては、前に御
説明申し上げましたので省略さしていただきます。次に二八、二九、これは新線建設でございますのであとで一括申し上げます。三〇、これは前に済みました。三一も同様でございます。三二、これは新線建設でございますのであとで御
説明申し上げます。
それから次に三四、青笹駅を
貨客取扱駅に
昇格の件というのがございます。これは岩手県の遠野市内にございます釜石線の青笹駅でございます。これは駅員を配置いたしませんで旅客だけを扱っておるところでございますが、この駅で貨物を取扱いいたしますためには、大きな貨物取扱い設備の新設を要しまして、多額の工事費を要しますし、また要員の
関係もございます。また
線路の現状としましても千分の三の勾配部もございまして、いろいろな点から困難な点があるようでございます。現在旅客は三十
年度の一日平均で
乗車人員が二百四十人ぐらいの小さな駅でございます。両端の駅は四キロ三分、三キロ五分とそれぞれあるような駅でございますので、何と申しますか、いろいろな観点から今後検討いたさなければならないと思いますが、早急実現はかなり困難ではなかろうかと考えておるような次第でございます。
次に三六は新線建設でございます。三八につきましては先ほど二以下で御
説明を申し上げました。
次に三九、
御堂信号場の
駅昇格に関する
請願でございます。これは岩手県の岩手町でございまして東北
本線でございます。現在は一日四個列車をとめておるのでございます。駅間距離はかなり長うございまして、両端の駅からは、沼宮内という駅から五キロ二分、それから奥中山駅から七キロ二分でございまして、駅間距離から申しますと十二キロ四分もございますので、これは信号所が置かれておるわけでございますし、場所としてはそういう場所でございますが、ただ勾配が千分の十になっております。推定の
乗車人員が一日百名
程度でございます。工事費、要員等の
関係から直ちに御要望に沿うことは困難かと思うのでございますが、ただ信号所がございますので、検討の余地は十分あろうかと考えておる次第でございます。
次に四一でございますが、
南千住駅舎改築でございます。これは
請願にもございますように、戦災で焼けましてあと戦後に応急復旧いたしました貧弱なものでございまして、だいぶいたんでおります。本
年度から改築に着手することにいたしておりますので、全面的に
請願の御
趣旨に沿い得るようでございます。
四二、ちり紙の
運賃等級引下げでございます。全般論につきましては先ほど申し上げました
通りでございますが、これはトン当りの価格から考えまして、現在の等級を下げるということは実情から非常に困難のようでございます。ただ全体的には前に申し上げました
通りでございます。
四四は前に御
説明を申し上げた
通りであります。
それから次に四五の相原駅西口に
改札所開設の件、これは
国鉄横浜線の相原駅の西口を開いてくれ、西口の方が非常に発展しておるのでそういうふうにしてもらいたい、こういうことでございます。この点につきましては主として問題は
国鉄の要員事情でございまして、この
程度の駅で西口改札所を作るということにつきましては、他との振り合いその他から困難な実情にござます。裏口問題等ほかにもたくさんございまして、もっと切実なものも出ておるようでありまして、早急には困難であろうと考えております。
それから次に四六の大畑、室蘭間航送
航路開設に関する
請願であります。これは国有鉄道の連絡線を大畑−室蘭間に設けてくれ、青函航路一本では足りないではないかということでございます。実は前々から当
委員会等も御議論が出ておりますように、青函航路は現在の青森、函館を基地といたしましてもある
程度の輸送量増加はできるのでございますが、大きく飛躍するためにどうするかということにつきましては、これは主として青森の事情から港を別に考えなければならぬという問題があるわけであります。しかしながら民間航路との
関係あるいは青函の隧道の問題との
関係、そういったような点から十分根本的に考えていかなければならぬという問題でございまして、さしあたっては青函の
増強で間に合う、その上に根本的にどうするかということを考えなければならぬ問題であると考えておりまして、直ちに今室蘭−大畑の航路を開設するという考え方は持っておらないような次第でございます。
次に四七、瀬の上、
槻木間の
鉄道敷設、これは新線建設でございます。四八につきましては前に申し上げた運賃値上げの問題でございます。四九は新線建設でございますのであとで一括申し上げます。五一、五二、同様に新線建設の問題でございます。五三、これは
国鉄運賃値上げに反対する
請願でございまして、前に申し上げた
通りでございます。次に五四、福知山、河守間の私鉄を国有に
編入等に関する
請願、これは実は新線建設と
関係がございますので、あとで御
説明を申し上げます。次に五五は前に申し上げた
通りでございます。五七についても前に申し上げた
通りでございます。五九も同様であります。六〇は新線建設でございます。
六二、草津線に
ディゼルカー運転等に関する
請願でございますが、これは先ほど気動車について申し上げた
通りでありまして、三十二
年度の気動車の配置計画を目下検討中でございますので、早急にこれを研究いたしたいと考えております。
次に六三、これは予定線の
関係でございます。六四は前に申し上げました。六五は
国鉄運賃法、これにつきましては前に申し上げた
通りでございます。六七、これも新線建設でございます。六八も同様でございます。
次に七〇、
中学校生徒の
通学定期小人扱いに関する
請願、これは七六にもございます。現在の中学校の生徒は年令が十二才以上でございまして、戦後これが義務教育になったわけでございます。従って通学定期は小人扱いにすべきであるということでございます。これは参議院の文教
委員会でも、本年五月十三日に決議がなされておるような次第でございます。しかしながら実は小人扱いの半額というものは、満六才以上十二才未満のものでございますけれども、小学校の年令と関連を持たしてこういうふうにしたものではございません。諸外国の鉄道の例を見ましても、大部分は満十才までが小人になっておるような次第でございます。通学定期は、もうすでに御承知の
通り、最低七割六分七厘から最高九割二分二厘という非常に高額な割引をいたしておるのでございまして、これをさらに半額にいたすということは非常に困難ではなかろうかと考えておる次第でございます。
七一、
果実運賃軽減に関する
請願、これについてはいろいろこまかい点が書いてございますが、ミカン、リンゴにつきましては運賃割引を実施するということを考えております。それから果実に対する急送料金は、当分の間廃止することにいたします。夏ミカンにつきましては等級の引き下げをいたしまして、さらに箱入りとかご入りを分けることにいたしておりましたのを、分けないで、減トン制を適用することにいたしました。雑かんの軽量減トンにつきましては、実際の空トン率から見まして、現行料率を引き下げることが困難であります。従ってこの
請願に対しましては、一部は今回の
改正を機会にできるだけ実施していきますが、一部はできないものもあるという実情でございます。
次に七二、
伊東線複線化に関する
請願でございます。伊東線は現在
列車回数が六十二回でありまして、まだ若干の余裕がございます。しかし今後だんだん伸びて参るということになると、いろいろ
輸送力増強なり、安全
運転のための施設をしなければなりません。そこでさしあたりとしては、各駅の
線路の行き違いができるための有効長の延伸、あるいは旅客乗降のためのホームの延伸をいたし、現在一部を除いて大体七両編成で
運転いたしておりますのを、十一両編成にいたしたいと考えておる次第でございます。伊東線は宇佐美燧道を初め、非常に難工事の結果でき上った線でございまして、これを今直ちに
複線にすることは非常に困難でございますので、ただいま申し上げたような
輸送力増強の方途を別に講じたいと考えておる次第でございます。
次に七四、これは新線の問題であります。七六は終っております。
七七、
鹿児島本線複線化に関する
請願、
鹿児島本線につきましては現在、門司港かち久留米まで
複線になっておるのでございますが、久留米以南の
複線化もできるだけ早い時期に実施いたしたいと考えておりまして、これをさしあたり八代まで持っていくかどうかという点について、ただいま具体的に検討いたしております。なお東小倉—折尾間、これは複々線の工事でございまして、これにつきましても着手をいたしております。
七八、
山野線に
ディゼルカー運転の
請願、これは前に申し上げた
通りであります。
七九、
わら工品運賃値下げに関する
請願、わら工品は、現在東北及び北陸地区発北海道向けのものにつきましては遠距離割引をいたしておりますが、その他の地区のものにつきましては、いろいろ御要望がございますので、農林省とも十分打合せをいたしまして検討いたしたいと考えております。
八〇、
山田線及び
小本線の
輸送力増強に関する
請願、貨物輸送力の
増強につきましては、御承知の
国鉄五カ年計画に基きまして実施中でございますので、できるだけ御要望に沿うようにいたしたいと考えておる次第でございます。
八一、
石巻柳津線敷設に関する
請願は新線建設でございます。
八二、
上越線複線化促進に関する
請願、上越線
複線化は前に申し上げました東北
本線、北陸線と相互に関連を持っておるわけでございます。ということは、北陸線が行き詰っておりますために便宜上越線を経由しておるので、
列車回数がふえている点もあるわけであります。これらとにらみ合せまして逐次実施いたしたいと考えております。なお
請願の要旨に経由ルートにつきまして若干御意見が出ておりますが、これにつきましては私どもの方でまだ全然検討いたしたこともないので、さらに研究を要する点であろうと考えております。別なルートを通って
複線の役割をさせろという御
趣旨のようであります。
八三は同じ、八四は割引、八五は新線建設でございます。
八六は旧
小倉鉄道線買収の補償に関する
請願でございます。これは戦争中の
昭和十八年に買収いたしました小鉄道のうちの一うでございまして、現在の
国鉄添田線でございます。
昭和十八年に二十二線買収いたしたわけでございます。敗戦並びにインフレといったその後の状況等を考え合せますと、いろいろ気の毒な事情にあるわけであります。しかしながらこれは単に鉄道だけでございません。一般他部門の戦時補償等の
関係などがございますので、いろいろな見地から今後検討はきしていただきますが、今直ちにどうというわけに参らないと考えている次第であります。
八七は新線建設でございます。八八も同様でございます。八九は前に御
説明申し上げました。
九三は国分、
古江間国鉄バスの
鹿屋駅乗入れ等に関する
請願、古江−
鹿屋間一一・一キロ及び海岸線を南下して佐多町へ通する路線のうち古江−根占間二八・一キロにつきましては、国有鉄道の方から、前のものは
昭和三十年四月、あとのものは
昭和三十一年七月にそれぞれ申請がございましたが、両申請とも民間
バスと競合いたしておりますので、現在慎重に検討中でございます。
九四、
信越線上田、
豊野間に
気動車運転に関する
請願、これにつきましては、先ほど気動車の一般について申し上げましたと同様でございます。九五、九六、九七、九八は同じでございます。九九は、新線建設の問題でございます。一〇〇、一〇一、一〇二、一〇三は同じでございます。一〇四号は、前に御
説明いたしました。
それから一〇七号は、
日豊線にデイゼ
ルカー運転の
請願でございますが、これにつきましても、前に御
説明申し上げましたディーゼル・カーの
運転の問題でございますので、十分検討いたしたいと考えます。
次に一〇八号、日の影、
高森間に
国鉄バス運転の
請願でございます。本件に間しましては、実は全区間民間業者が路線を持っておるところでございます。従いまして国有鉄道自体におきまして、申請の可否を研究中でございまして、まだ運輸省の方にも上ってきておらぬという実情でございます。
次に一〇九号、日の影、
高森間鉄道延長の
請願でございます。これは新線建設であとで一括申し上げます。
次に一一〇号、
東京、
博多間直通特別急行列車運行等に関する
請願でございます。
東京−九州間の特急「あさかぜ」は昨年十一月に新設をいたしまして、おかげをもちまして非常に好評で、客も非常に多いのであります。そこでこれを増設するかどうかという問題が起っておるのであります。これにつきましては、とりあえず臨時で考えまして
車両の増備等と相待ちまして、さらに増設をいたしたい、かように考えておるのでございますが、この
請願は、運行すると同時に尾道駅に停車してくれ、こういう
趣旨の
請願でございます。停車駅につきましては、現在のところまだ非常に数を少くしなければならぬことは、申し上げるまでもございませんので、これをいかがするかということについては、実は決定を見ておらないような次第でございまして、十分研究をいたしたいと考えます。