○山内
政府委員 この点、もちろんハイヤーにつきましてもトラックにつきましても、われわれの仕事といたしましては、
運賃の改訂に関係なく、年々そういう原価の動きについては指定会社から書類をちょうだいいたしまして、そして検討はいたしております。ハイヤー、タクシーにつきましては、最近ある程度業績が上っておるように聞いておりますが、このハイヤー、タクシーの料金につきましては、大体地域的な性格が非常に強いものでございまして、これにつきましては各陸運局にまかせておりまして、原単位の変更を見ておるわけでございます。原単位と申しますのは、ただいま申し上げました労働賃金でございますとか、あるいは車両の減価償却という問題がおもな問題でございまして、現実には小部分の訂正をやったところがございます。たとえば札幌のようなところにおきましては、
運賃の値下げになるような調整をやったところもございまして、まだ全国的に上げるという
業界の要望ではございません。ただ検討はいたしております。それからトラックにつきましては、実は
業界は非常に不況でございまして、最近少しよくなったという状態でございます。収益を十分上げてないというふうに考えておりますが、
業界からは、まだこの
運賃料金につきましては、
値上げの申請は出ておりませんので、具体的な検討を始めておりません。それで
揮発油税が一キロ当り六千五百円、軽油の引取税が一キロ当り三千円
増徴された場合に、自動車運送事業の営業損益に及ぼす影響について申し上げますれば、その点につきましては、
先ほど資料にありました
通りでございまして、バスにつきましては二・四六%、ハイヤー、タクシーについては三・一九%、トラックについては二・四五%上る。これだけ影響するということは
数字上からは出るわけでございます。
先ほどそれでは個別的にそういうものをやるというのに、地域的にやるのはどういうわけかという御質問がありましたので、これに関連して御
説明申し上げますが、われわれは地域的に
運賃というものをいじっておるけれ
ども、しかしそれはやはり個別的にいじっておるのが根本であるという観念の
運賃料金をとっておるわけでございます。と申しますのは、たとえばこれは私の方でやっておりませんが、ハイヤー、タクシーの
運賃を具体的にいじるというケースが起りますと、われわれは抽象的にこれを考えるわけではないのでございまして、たとえば東京なら三百社くらいありますが、その中で陸運局長が、たとえば五十社なら五十社、経営を合理的にやっている会社の資料を集めるだろうと思います。それを微細に検討いたしまして、いわゆる要素にそれを分けまして、合理的経営のもとにおいてはこれだけの走行キロ当りの賃金、減価償却、あるいは修繕費というものになるという理論的計算のもとにおいて出しますので、具体的に個々の会社に当るわけでございますから、やはりわれわれといたしましては、個別的な
運賃制度の基本をゆるがしているものではないというふうに、私
どもは
運賃的には考えているわけでございます。トラックにおきましても、それを全国にやるわけでございます。それでこの
値上げの額がこの場合に吸収できるかどうか、われわれの
運賃観念といたしましては、そういう限度を計算いたしまして、公益事業といたしましては、それに一割の資本に対する配当ができる金額及びそれに対する
税金を含めたのが原価といたしまして、料金をはじき出すわけでございますが、そのときにバスにおきましては、この二・四六%上った
ガソリンの原価がその
利益率の中に含まれるかどうかということは問題でございまして、その場合にバスあるいはハイ・タクにおきまして、もちろんある程度響くことと思いますが、問題になりますのは、地域的に、
先ほど御
指摘のありましたように、この
値上げの率がそのまま原価に組み入れられるかどうかということでありますが、そのときにおきまして、これによりまして
道路のよくなるところもありまして、それが何
年間に償還されるというようなことは、理論的にその場合にきめていかなければならぬということになるわけでございます。