○亀田得治君 ただいま
議題となりました旧軍人等の遺族に対する恩給等の
特例に関する
法律案ほか二件につきまして、内閣委員会における
審議の経過並びに結果を御
報告申し上げます。
まず、旧軍人等の遺族に対する恩給等の
特例に関する
法律案について申し上げます。本
法律案は、
衆議院議員大平正芳君ほか十一名より提出せられたものであります。
まず、本
法律案の内容を御
説明いたしますと、旧軍人または旧準軍人の死亡につき、特別弔慰金の支給を受けた者がある場合において、その旧軍人等が
昭和十六年十二月八日以後、同二十年九月一日までの間に、本邦を初め、満州、朝鮮、台湾、樺太など、戦地に指定されなかった
地域における在職期間内に営舎に居住中、職務に関連して負傷し、または疾病にかかり、これが原因で在職期間内、またはその経過後一年以内に死亡した場合には、公務上負傷し、または疾病にかかって死亡したものに準じ、これらの者の遺族に、特別遺族年金または特別公務扶助料を支給しようとするものであり、その額は、特別遺族年金は通常の遺族年金の六割、特別公務扶助料は公務扶助料の七割五分ないし六割に相当する額とし、それらは
昭和三十二年一月分から支給し、その支給期は、特別公務扶助料は
昭和三十二年四月、特別遺族年金は四月以降政令で定める月からといたしております。
内閣委員会は、本日の委員会において質疑を終了し、
討論に入りましたところ、自由民主党を代表して上原委員より、「本
法律案の提出はむしろおそきに失した感があるが、
政府はこの
法律案の
実施に当っては、十分その
趣旨が生かされるよう」要望し、次の付帯
決議案を提出して本
法律案に
賛成する旨の
発言がありました。
付帯
決議案を朗読いたします。
本月五日
衆議院内閣委員会において本
法律案に対し、「過般の太平洋戦争は近代的科学戦であり、国をあげての総力戦体制のもとに、国内も戦場化するに至った実情を考慮し、旧軍人等と同様の立場でその犠牲となった者の遺族に対しても、
政府は、本
法律案の
趣旨にかんがみ、すみやかに適切なる
措置を講ずべきである。」との付帯
決議がなされたが、当委員会においても、右付帯
決議の
趣旨は、きわめて適切なものと認め、
政府がすみやかにその
趣旨の実現を期せられることを強く要望する。
次いで、
日本社会党を代表して、秋山委員及び緑風会を代表して竹下委員より、それぞれ「本
法律案に
賛成する」旨の
発言がありました。
討論を終り、直ちに本
法律案を
採決いたしましたところ、
全会一致をもって原案
通り可決すべきものと決定いたしました。
次いで、上原委員提出の付帯
決議案を
採決いたしましたところ、
全会一致をもって、当委員会の
決議とすることに決定いたしました。
次に、一般職の職員の給与に関する
法律の一部を改正する
法律案について申し上げます。
まず、
政府が本
法律案を提出した理由として述べるところによりますと、
国家公務員の給与に関する本年七月十六日付の人事院勧告については、これを尊重する方針のもとに、
政府において鋭意検討中であるが、その内容において、なお考究を要するものがあり、かつ多額の経費を必要とするため、早急に結論を得ることは困難な
状況にあるが、同勧告中の「毎年三月に俸給、扶養手当及び勤務地手当の月額の合計額の〇・一五月分に相当する特別手当を支給するものとする。」との点については、勧告の
趣旨にかんがみ、すみやかにその
趣旨を達成することが適当であるとの結論に達した。ただし、勧告
通りに特別手当という新しい手当を創設することは、給与体系をますます複雑にするおそれがあるので、むしろ既存の臨時給与を増額することにより、その
趣旨を実現することがより適当であると考える。以上の理由によって、この際、
国家公務員に十二月十五日に支給する期末手当の額を〇・一五カ月分増額することとした。なお、本
法律案により増額されることとなる
部分の本年十二月における支給については、各庁の長が、既定人件費の節約などによりまかない得る範囲内で定める割合により支給することとした。以上が
提案の理由であります。
内閣委員会は、昨日及び本日の二回にわたり委員会を開き、太田自治庁長官、田中内閣官房副長官その他
政府委員の出席を求め、本
法律案につき
審議を行いましたが、その
審議に当り、人事院勧告の
実施の時期、今回の期末手当の増額に伴い、補正予算を提出するかいなかの点、
地方公務員に対する期末手当の増額に伴う財源
措置の点、三公社、五現業職員の年末給与に関する本月十一日の閣議了解の内容についての疑義等について質疑応答が重ねられましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。
なお、
地方公務員に対する期末手当の増額に伴う財源
措置につきましては、「原則として既定経費の節約等によりまかなうものとするが、さしあたり
資金繰り上、必要やむを得ない
地方団体につきましては、短期融資の
措置を講ずるなどの方法により、
地方公務員の期末手当増額支給に支障を生ぜしめないよう
措置をしたい」旨、太田自治庁長官より言明がありました。
本日の委員会におきまして質疑を終り、
討論に入りましたところ、秋山委員より、
日本社会党を代表して、「社会党としては、公務員給与の低い
現状にかんがみ、年末手当二カ月分の支給を強く要請してきたものであり、
政府の今回の
措置は、はなはだ不十分であるが、本
法律案は給与
改善に一歩を進めたものと認める。また、
地方公務員に対する年末手当の増額支給についても、
地方財政窮乏の
現状もあり、これが完全
実施については、太田自治庁長官の言明を裏切らざるよう、
政府は万全の
措置をとられたい。なお、今
国会で給与引き上げの
措置がとられなかったことは遺憾であり、
政府は、すみやかに給与改訂の根本的
解決をはかられることを要望する」旨を述べて
賛成の
討論があり、次の付帯
決議を
提案せられました。
付帯
決議案を朗読いたします。
政府は、公務員の年末手当一・六五月分の支給については、
国家公務員及び
地方公務員を通じて、円滑完全に
実施されるよう財源
措置その他に格段の配慮を払われたい。
討論を終り、直ちに本
法律案を
採決いたしましたところ、
全会一致をもって原案
通り可決すべきものと決定いたしました。
次いで、秋山委員提出の付帯
決議案を
採決いたしましたところ、
全会一致をもって、当委員会の
決議とすることに決定いたしました。
最後に、一般職の職員の給与に関する
法律の一部を改正する
法律の一部を改正する
法律案について申し上げます。
本
法律案は、
衆議院議員赤城宗徳君ほか三名より
提案せられましたものでありまして、本
法律案の改正点の要旨を申し上げますと、その第一点は、高等学校教育職員級別俸給表及び中学校、小学校等教育職員級別俸給表の適用を受ける教育職員中、旧制大学もしくは新制大学を卒業した者、旧中学校、高等女学校教員
免許状もしくは旧高等学校教員
免許状を有する者、または人事院がこれらの者と同等以上の資格を有すると認める者など、いわゆる学歴、資格の高い者につきましては、予算の範囲内で人事院の定めるところにより、二号俸をこえない範囲内におきまして俸給月額を調整することができるものといたした点であり、その第二点は、人事院は、教育職員の初任給基準につきましても、右の
趣旨を考慮して適切な
措置を講じなければならないものといたした点であります。なお、本
法律案の
実施に要する経費といたしましては、国立学校分約一千五百万円、公立学校国庫負担分約三億六千五百万円、合計約三億八千万円とのことであります。
内閣委員会は、本日、委員会を開きまして、本
法律案を
審議し、本
法律案の
実施に伴う予算
措置の点、
実施の時期の点、本
法律案と
衆議院内閣委員会における付帯
決議との関係、この付帯
決議の
実施の見通しなどについて質疑応答がありましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。
質疑を終了し、
討論に入りましたところ、
日本社会党を代表して秋山委員より、「本
法律案の内容については不十分と思われる点もあるが、教員給与の三本建に伴う不合理是正に一歩前進の意味において
賛成し、今後の
改善措置を
政府に要望する」旨の
発言があり、次の付帯
決議を
提案せられました。
付帯
決議案を朗読いたします。
本法の
実施に当つては、
政府は、
昭和二十九年一月一日において、中学校、小学校等教育職員級別俸給表の四級から九級までの職務の級に属することとなつた教育職員並びに大学等の教育職員のうちで、学歴、資格の高いものの給与の調整についても、すみやかに適切なる
措置を講ずべきである。
討論を終り、直ちに本
法律案を
採決いたしましたところ、
全会一致をもって原案
通り可決すべきものと決定いたしました。
次いで、秋山委員提出の付帯
決議案を
採決いたしましたところ、
全会一致をもって、当委員会の
決議とすることに決定いたしました。
以上、御
報告申し上げます。(
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