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1956-11-27 第25回国会 参議院 商工委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年十一月二十七日(火曜 日)    午前十時四十分開会     —————————————   委員異動 十一月二十四日委員小幡治和辞任に つき、その補欠として勝俣稔君を議長 において指名した。 十一月二十七日委員藤田進辞任につ き、その補欠として木下友敬君を議長 において指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     松澤 兼人君    理事            西川彌平治君            阿具根 登君            近藤 信一君    委員            青柳 秀夫君            大谷 贇雄君            白井  勇君            高橋  衛君            木下 友敬君            島   清君            相馬 助治君            大竹平八郎君   政府委員    通商産業政務次    官       川野 芳滿君    通商産業大臣官    房長      松尾 金藏君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞寿君   説明員    大蔵省主税局税    制第一課長   塩崎  潤君    大蔵省主税局税    関部鑑査課長  木谷 忠義君    通商産業省企業    局長      徳永 久次君    通商産業省鉱山    局長      森  誓夫君    中小企業庁振興    部長      今井 善衛君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○経済自立発展に関する調査  (産業資金計画財政投融資に関す  る件)  (産業税制改正に関する件)     —————————————
  2. 阿具根登

    理事(阿具根登君) これより商工委員会を開会いたします。  まず委員異動についてでございますが、去る二十四日、小幡治和君が委員辞任され、その補欠として勝俣稔君が委員に選任されました。また本日藤田進君が委員辞任され、補欠として木下友敬君が委員に選任されました。  以上御報告申し上げます。     —————————————
  3. 阿具根登

    理事(阿具根登君) それではこれより本日の議事に入ります。前回に引き続き、経済自立発展に関する調査を議題といたし、本日は公報で御通知を申し上げた通り産業資金計画財政投融資に関する件、並びに産業税制改正に関する件を取り上げることになっております。産業資金計画財政投融資政府の最終の決定がまだできておらんことと存じますが、きょうまでに通産省で取りまとめました一応の数字を資料として意見の交換をいたしたいと存じておりますので、まず企業局長から資金計画財政投融資に関する見解を伺いたいと思います。
  4. 徳永久次

    説明員徳永久次君) ただいま委員長から産業資金計画財政投融資関係について説明しろということでございますが、産業資金計画全般につきましては、経済企画庁が目下いろいろな準備中でございまして、まだまとまっておらないわけでございますが、財政投融資関係は、その中におきます主として民間資金によりがたい、質的に問題のありますもの、あるいは特殊の目的を持っております金融機関資金関係をどう考えるかということでございまして、全般の一部ではございますが、これあと説明で御了解いただけるかと思いますけれども、資金の質的な点から、主として質的な問題からこういうものを要請しておるというふうに御了解いただければよろしいのではないかと思います。  お手元に、一ページにございます明年度の分といたしまして、財政投融資関係で、通産省が目下大蔵省に要請いたしておりますものは、事項別総額を出しておりますので、合計千五戸十一億でございますが、これは説明の便宜上、一番最後の表に、別表をつけておりますが、これが三十一年度と三十二年度がどういう関係になりますかということで、最後の表でごらんいただきたいと思います。  最後の表に、一行目に、開発銀行がありますが、開発銀行融資で八十億、自己資金二百八十、カッコ四百、カッコになっております数字実績見込みでございまして、上のカッコでない方が本年度の予算がきまります際にきまっておりました数字でございます。合計をいたしますと、三百六十がカッコで四百八十となっております。以下同様に輸出入銀行も五百四十八億が六百二十九億となり、中小企業金融公庫の三百億が三百四十五億、四十五億ふえております。電源開発は若干減っておりますが、ごくわずかでございます。開銀輸出入銀行中小企業金融公庫それぞれふえておりますが、実績のおもた原因は、それぞれの金融機関におきまする回収がふえたということであります。従って自己資金の欄でふえたような格好になっております。  三十一年度通算してみまして、出資が八十五億、融資が七百三億、それに公募債七十億、自己資金予定の七百四十一億、実績見込みで九百六十三億、合計いたしまして千五百九十九億、約千六百億でございます。これが千八百三十三億の実績見込みということになっております。  それに対比いたしまして、三十二年度といたしましては、合計欄でごらんいただきますと、出資が八十五億に対しまして四百三十六億、これは非常にふくれた数字になっております。これは事情あとで申し上げます。それから融資につきましては、七百三億に対しまして、千七十五億、約五割増しになっております。  自己資金につきましては、千九十一億でございますが、これは実績見込み、三十一年度実績に対比しますれば五十億程度の増ということでございます。そこで合計で二千六百三億というのは、ことしの実績見込みの千八百三十三億に対しましては、八百億足らずということになっております。全体もふえておりますが、なかんずく出資が非常にふえておりますが、これはどこから来ておるかと申しますと対比してごらんいただけばわかるのでございますが、電源開発につきまして三十億に対して百八十億になる。商工中金が二十億出資があり、それから公庫がゼロに対比しまして九十億の出資があり、それから輸銀につきまして約五十億に対しまして百十七億というふうにふえておるわけでございますが、これはそれぞれの金融機関資金性格から見まして、資金コストを一定の額以下におさめなければならないという要請からきましたわけです。電発で考えますと、電発は御承知のように九電力開発困難な大規模電源国家開発するということに相なっておりますが、九電力目下開発資金というのが年平均四分でございます。九電力平均でございます。国家がやります電源開発もやはり、しかも卸売の電力供給会社というふうに考えられまする電発につきましては四分より高い資金コストではどうにもならんということから計算いたしまして、全体の資金量はそうふえていないのでございますけれども、出資がふえなければ四分の資金コストにならないというようなことからきております。それから中小企業金融公庫商工中金、これはいずれも中小企業対策の大事な金融をあずかっておりまするが、両者ともそれぞれ金利が高い、あるいは融資金額に達しないという問題がございますが、それを融資金額をふやし、その金利を引き下げるということを考えますると、出資がなければどうにもならないということから割り出しました数字でございます。それから輸銀につきましては、これは御承知のように諸外国とも同種の金融機関もございまするので、それに対する同じような金利で供給しようというようなことからこれまた同じく資金は四分で供給しておるのでございます。輸出長期金融プラント輸出長期金融でございますけれども、その関係上百十七億の出資がなければ予定通り融資ができないということからこういうことに相なっております。それが第一の特徴でございます。ある意味の来年度要求が本年度と違いまする大きな特色は、総額のふえたこともさることながら、出資が大きくなければ困るという……。
  5. 相馬助治

    相馬助治君 私は聞き取れないのだけれども、どうも聞き取りづらいのだが、声をもう少し大きくして、数字のところはもう少しゆっくりしゃべってもらいたい。
  6. 阿具根登

    理事(阿具根登君) 局長委員各位がわかりにくいそうですから立って大きく御説明を願います。
  7. 徳永久次

    説明員徳永久次君) そこで総括はその程度にいたしまして、各論に入りまして、開発銀行についてどういうことが問題であるか、どういうことを考えておるかということを御説明申し上げます。  それで、二ページでございますが、開発銀行融資に対しまする基本的な考え方というものを第一及び第二のあたりに書いております。これは(1)は、開発銀行で扱わさせます資金というのは、「国際収支改善の見地からする輸出又は輸入防遏及び国内自給度向上に寄与する産業の強化」という種類のもの、それから「隘路産業の是正による産業構造上の隘路打開」という性質のもの、それから「産業立地条件の整備による産業環境上の隘路打開の3点」以上三点につきまして市中金融状況から見まして、民間資金で間に合うものはやらない、民間資金で間に合わないものの質的補完ということを主としまして、一部隘路産業に対しましては市中金融機関融資のある意味の方向づけという意味での融資を担当させていきたいということを考えておりますわけでございます。  その考え方によりまして、これをもう少し具体的に産業種類に即して説明いたしておりますのが第二でございまするが、こういう観点から、産業分野といたしましては新規産業、未利用地下資源本邦稀少資源開発及び高度利用事業産業関連施設コスト技術等から、法律または特別措置に基いて緊急に近代化促進をはかる必要のある産業、これは具体的には、たとえば前国会通りました機械工業振興法に基きまするようなもの、あの種類のものをいっておるわけであります。それから需給上の隘路打開が緊急に要請されておる産業の各分野、これは電力鉄鋼等であります。こういう分野から、事業安全性収益性有利性公共性から市中金融に依存しがたいものを拾い、それから産業隘路緊急打開をはかるため特別に工事推進を必要とし、市中金融のみでは時期的にまた資金量的に計画通り推進期待しがたいものにつきまして、これを補完するために必要最小限度資金期待する。2には、前段1で申し上げましたことをやや具体的に書いておりますわけであります。  そのほかに、海外諸国との経済協力促進という大事な問題がありますわけでありますが、これに対しまする資金につきまして、これを開銀からの出資または融資を行うという要求の仕方をいたしております。この点はあとで申し上げまするが、輸出入銀行にも同じ金額要求いたしております。これはダブった形でございます。これは、省といたしましてまだ最終的に海外経済協力促進のための金融機関金融業務輸銀にやらしめたがいいか開銀にやらしめたがいいかということがまだ最終的に確定いたしておりませんので、両方実は書いてあるということでございます。  以上のような観点で、通産省関係といたしまして六百十億開銀関係要求いたしておりまするが、そのほかに他省分といたしまして、海運を主としまして百四十億を想定いたしまして、合計開発銀行運用額を七百五十億というふうに考え、そのうち自己資金三百二十億、差し引き四百三十億の新規融資開発銀行期待いたしておりますわけであります。  それから開発銀行一つ問題点は、第五に書いておりますことでございますが、これは資金内容性質といいますよりも、開発銀行融資条件の問題でございます。融資なり出資銀行性格等関連する問題としての新しい問題点を四つばかり上げておりますわけでございます。一つ基準金利を現在九分になっておりますが、これを八分に下げてもらいたいという希望、それからいま一つ政策金利適用範囲現行電力海運特定機械及び石炭のほか新技術工業化産業関連施設特別措置に基く特殊鋼特別法に基く新規産業特別措置によるガス業の一部にまで拡張してもらいたい。政策金利と申しますのは、現在六分五厘の金融開銀でいたしております。電力海運特定機械等にいたしております。これを、新たに四ページの三行目に出ておりますような部門にも拡張してもらいたいという希望でございます。  第三点といたしまして、これは狭い範囲でございまするけれども、一部の新規産業等につきましては、開銀は現在融資だけしかいたしませんが、出資ができるということにしてもらいたいということになります。それから最後の四点、先ほどちょっと触れました海外投資関係につきましても出資が行い得るようにするほか、融資につきましても政策金利を適用する、基準金利の九分とか八分とかいうものじゃないものによるという、こういう希望でございます。  この新しい今後の開銀のあり方、金融の仕方なり、あるいは出資ができるようにするという問題等につきましては、(6)以下に掲げております内容に触れながら若干御説明申し上げたいと思います。  以上申しました点がどういう向き開銀融資期待するか、それから開銀融資なり金融業務のやり方をどう変えてもらいたいかということでございますが、どういう向きにどの程度の額をということが(6)以下に書いておりますわけでございます。四ページ、五ページの辺で業種別に上げて期待額を書いてございます。そうしてその先に各産業ごとに詳細に書いてございますが、表によりまして簡単に申し上げてみたいと思います。新規産業といたしまして、合成ゴムを考えてみますと、合成ゴム合計工事額三十五億に対しまして、開銀から二十億出し、そのうち十五億は出資で、五億は融資でという期待をいたしております。これは別途当商工委員会等に御相談申し上げることになろうかと思いますが、ただいま通産省におきまして合成ゴム工業育成対策というものを考えております。これは天然ゴム需給が長期的にみまして必ず逼迫するという情勢でございまして、諸外国いずれもゴム消費量の大きい国は合成ゴム工業を興しております。米国は戦時対策として興し、すでにこれはでき上っております。そのほかイギリス、フランス、ドイツ等いずれも合成ゴム工業育成のために特別の措置をとっております。わが国におきましても将来の需要にかんがみまして、年産約四万五千トンの合成ゴム工業を興さなければならない、四万五千トンというのは、数年後におきまする適正需要量規模とみておりますが、目先的には需要をある程度オーバーしておるという、しかしその目先的な需要をオーバーしているからといって、小さなプラントを作ればコストがべらぼうに割高につきまして経済的に成り立たないというジレンマもあると思います。そのためにある程度大きいものを作りましてコストが安くできるようにしながら、しかし需要がそこまで到達しない間は資本投資額に対する回収が十分にいかないわけであります。従いましてそういう関係から民間資金だけではどうにもならないであろう、そこを政府出資と言いますか、政府出資の変形といたしまして開発銀行出資するという形によりまして、最初の両三年間は無配でもがまんすると言いますか、という形で早く援助したいという意図をもっております。  それからフ溶性カリ肥料、これは通産省工業技術院で研究しておりまするカリ肥料国産化対策の新しい技術でございますが、それを従来の研究の成果にかんがみ企業化したい、そうして早く自給度向上に寄与したいというふうに考えておりますが、何さま新しい技術でもありますので、一部わずか一億五千万円でございますけれども、出資の形で援助するということが適当ではなかろうかというふうに考えておりますが、今のところ出資の、先ほど前に申し上げました開銀融資が要るというケースが具体的に出て参っておりますが、あと電子工業、新金属工業、それから合成繊維醋酸繊維石油化学木材利用合理化等その他の新技術工業工業化ということで、全体開銀融資を七十四億、出資を十六億五千万円というものを期待いたしております。  それから未利用及び希少資源産業といたしましては磁硫鉄鉱、それから複雑鉱と言われておりまする黒鉱、砂鉄、電気銑関係融資十億。それから原油とか、この原油特別法でできておりまする石油資源開発会社採油段階に入る場合を予定いたしております。その場合従来試掘をいたしておるわけでございますから、採油段階に成長いたしました場合、一部は明年度中には実現するであろうという予想を立てて六億の融資期待いたしております。  それから産業関連施設、これも明年度の新しい項目でございまするが、産業関連施設が従来鉱工業生産の成長とアンバランスに放擲されておりまして、そのために全体の生産性が上っていない状況一つ日本のネックになっておることは御承知通りでございます。国のやります面といたしまして工業用水水路等の設置の助成とか、あるいは港湾とか、道路とかいうものは国家としても大いに工事推進しなければならないわけでございまするから個別企業の持っておりまする産業関連施設、たとえば港湾荷役施設を機械化する、あるいは港湾を、主として荷役関係でございますが、そういうものはそれ自身を取り出しました場合に、なかなか融資対象になりにくいわけでございまして、工場を新たに作りますような場合には、全般金融資金所要量の一連として融資対象になっておりまするが、輸送施設等合理化のための施設というものは、それ自身従来金融機関融資になじまない対象として、合理化が放置され、おくれておるという面でございますので、この面を促進したいという趣旨で加えておりますわけであります。  それから次の項目法律及び特定措置産業、これは従来のものもあるし、今後の新規のものも含んでおりますが、石炭につきましては御承知のような特別法ができましてやっておるわけでありますが、これは今年でありますが、融資約五十億でございますが、明年は合理化投資縦坑等開発を今年あるいは昨年と非常に低調でありましたわけでありますので、もっと推進させたい、幸い環境もやや好転をみっつありますので、この程度工事はできるであろうというふうに期待しております。それから特殊鋼につきましては、特殊鋼機械産業の原材料として大事でありながら、日本特殊鋼が品質の悪い品種である等の悩みを持っておりますわけでありますが、これにつきましては重工業局で特殊の改善対策というものを考えておりますが、まだ実はでき上っておりませんけれども、それができ上ったならば、それの一環としての推進のための金融というものをここに期待しておりますわけでございます。特定機械につきましては前国会等法律ができまして、目下盛んにこの法律に基きまして指定業種につきましての再編成計画を立て、それに基きまする設備近代化計画というものを盛んに審議策定中でございますが、今年度は約二十億と予定いたしておりまするが、今年度は第一年度でありまして、滑り出しの時期であったのでありますが、明年になりまするとそれが順調に平年度並みになると言いますか、というようなことから、約四十億、今年の倍くらいにはなるであろうということで考えておりますわけであります。  それから基礎化学工業につきましても、これも目下私の方の軽工業局基礎化学工業の確立及び再編成あるいは近代化促進対策というものを考えておりまして、特殊鋼と似たような意味で考えておりまして、それの補完としましての金融措置策というふうに考えておりますわけであります。  それからガス二十億とございますが、ガスはことさら新しい業種であるというわけではございませんが、ここに上げております趣旨は、大都市周辺におきまして、新しい住宅街というのが人口の増加関連いたしまして、ぐんぐんとできておりますわけでありまして、従来ガス配管工事をされてなかった新しい住宅地帯といいますのは、配管工事というものは非常に割高になりまして、これはまあガス料金が一般的に抑えられておるということにも関連いたしまするが、ガス会社のそういう新しい住宅地帯等に対しまするガス供給が順調に参っておりません。それを一部開銀の六分五厘の金を融資するということにいたしますれば、会社側としても資金的な苦痛がなくなりまするので、なくなるということじゃございませんが、大いに軽減されますので、とかく都心部を先にし、周辺住宅街あと回しにやっておるというようなことをなくしたいという趣旨からの考えでございます。総工事約百五十億の分に対しまして二十億くらい六分五厘の金を融資すれば、それが推進できるというふうに考えておりますわけであります。  それから緊急隘路産業といたしましては、電力鉄鋼と鉱業の一部をあげております。電力につきましては、御承知のような事情でございまして、この総工事資金はその後のあれによりますと若干ふえて参る。約二千二百数十億になる予定でございます。この融資額につきましては、本年度の総資金に対しまする開銀融資割合というもので実は計算いたしております。ただ総資金量がふえたといたしまして、電力会社自己資金もふえるわけでございましょうが、市中金融状況から見まして、開発銀行がこれだけの額を融資するだけで果して借り入れが十分できますかどうか、若干の問題が残っております。電力の総工事は本年度は約千五百億でございまして、明年度二千二百億でありまして、約七百億ふえるわけであります。今年の千五百億の資金調達はどうにかできるわけでございますが、七百億ふえる、その分に対しまして、開発銀行融資というものは、これは本年よりは百億くらいはふえるわけでございますけれども、六百億増加というものが順調に調達できるかどうか、若干の問題ははらんでおります。  鉄鋼につきましては、鉄鋼隘路になっておることは御承知通りでございますが、これは目下事業会社の調子もよろしゅうございますし、ことに鉄鋼三社等につきましては、市中銀行で当然融資がつきまするので、開発銀行融資対象として考えておるわけではありません。しかしながら一部の鉄鋼業界におきまする、中小と言いますか、の業者において、原料対策と言いますか、溶鉱炉を作るとかいうようなことがありまするのと、それから資金的にも従来から問題がございました世銀との関連におきまして、川鉄の分、これを十五億含んでおります。川鉄ストリップ工事につきましては、世銀と話し合いで明年度十五億というふうに大体のスケジュールを予定して融資対象世銀融資も進んでおるというような事情でございます。まあこれが半分入っておるわけでございます。  それからマイニング関係につきましては、鉄、非鉄金属近代化工事が入れてありますが、まあ表につきまして、かいつまんで申し上げましたわけでございますが、その詳細が八ページ以下ずっと業種別に詳細に書いておりますので、この詳細に書いておりますことを要領を申し上げたわけでございます。  そこで飛びまして十四ページに、ここに輸出入銀行資金をどういうふうにして計算したかということが書いてあります。輸出入銀行プラント輸出促進しておりますことは御承知通りでありますが、これの融資の仕方と言いますのは、現行におきましては、船舶は七対三、七が輸銀、三が市中金融機関という割合であります。その他と言いますのは、船舶以外のプラント類、これは八対二であります。これは本年度はこういう工合になっておりまして、明年度の問題としては、大蔵省はその他のプラント類につきましては、船舶並みに七対三にしてくれという話があるわけでございまするが、船舶輸出は比較的順調に参っておりまするけれども、その他のプラント類は依然として順調に輸出もできておりませんし、また市中金融機関金利も一ころ低下の勢いを見せておりましたが、最近横すべりの状況でございまして、その面で改善がなされるという見込みもございませんので、通産省といたしましては現状通り八対二の割合でやりたいというふうに考えております。そういう融資の比率を現状通りにし、輸銀資金の充実と低コスト、これは先ほど申し上げました四分でございます。国際金利並みということでございます——にする。そこで三十一年度におきまする輸出総額をどう予想するかということでございますが、これはいろいろな輸出の見通しから、船舶一億五千万ドル、その他を含めまして五億八千万ドルというふうに予定いたしております。これは今の五億八千万ドルというのは、実は本年度の契約でございます。それが輸銀が本年度契約いたしまして、相当部分が、現実の貸し出しというものは明年に繰り越されるということになります。それから明年度輸出見込みが、船舶三億六千万ドル、その他プラントを含めまして五億三千万ドルというふうに見ておるのであります。そういう前提によりまして、三十一年度末までの承諾分二百三十八億と、三十二年度中承諾分の四百三十億、合計六百六十八億の貸し出しが必要となると見まして、それに賠償及びこれに伴う経済協力の分といたしまして百十一億を加算いたしております。この百十一億は、ある意味では順調に経済協力が進捗するという予想でございまして、現実には若干の弾力性があるというふうにも見られるわけでございます。しかし順調にいった場合の用意もしておかなければいけないということから見ておるわけであります。そういたしますと、合計七百七十九億になりまして、それで自己資金が五百九十九億でありますので、合計百八十億ということになるわけであります。新たに百八十億。その百八十億につきまして、次のページでございますが、現行金利水準を維持しということで、それから貸し出しベースを同じに考えてみますると、財政資金が、出資の方が百十七億要りますということでございます。ただ、ここで輸銀につきまして若干の問題といいますか、余裕といいますかという点を申し上げますれば、先ほど申し上げました経済協力関係が百パーセント順調にいくかどうかということ、それから一部、貸倒準備金といいますか、というようなものが、ある程度従来の現行通りにいたしておりますが、これが若干圧縮し得るというようなことはあろうかと思います。  それから次に中小企業金融公庫でありますが、中小企業金融公庫につきましては、明年度資金需要というものは、現在も非常にたくさんございまして、それを十分まかなえないで困っておるわけでありますが、明年度需要額八百五十億と見まして、この七割程度対象にしなければと考えまして資金をはじいております。そうしてそのうち、直接貸しは本年通り六十億円、代理貸しは五百三十五億、合計五百九十五億を確保したいというふうに考えております。直接貸しにつきましては、本年から発足しましたものでございますが、まだ新しい業務でありまするために、新しい職員の充実等から今年も十分にこなし切れないでおりますが、一応明年度は現状通りにしたいというふうに考えております。明年も従いまして中小企業に対しましては代理貸しでいきたい。合計五百九十五億でございますが、本年の予算予定一音億、実績は三百四十五億、予定といたしましてはおおむね倍額程度というものを考えておるわけであります。この五百九十五億の資金量につきまして、この回収を差し引きいたしまして金利水準を維持するということで考えまして、貸倒準備率を現行通りといたしまして九十億の出資金が要るという要請になっております。公庫の貸出金利につきましては、まだ現行でも高い。現行日歩六厘でございますが、これを下げろという要請がございまして、その点目下政府部内でも研究中でございます。特定資金につきまして少しでも下げたいというふうに考えておるわけであります。  それから商工中金につきましては、二十億の出資を要請いたしておりますが、これはねらいは商工中金金利引き下げのための対策でございます。債券を発行し、それを主たる原資といたしておりまする公庫商工中金合理化によりましてなかなか下げ得ませんので、財政出資を二十億期待いたしまして、せめて現行金利から一分は下げたいというふうに考えておるのであります。  電源開発につきましては、これは先ほど総括表で触れましたが、電源開発工事につきまして、工事総量につきましては、本年度より若干ふえた程度でございます。これは開発地点、ここに書いてございますが、いろいろな工事段取りから精一ぱいの工事もいたしておりますので、工事資金電力隘路でございますので、もっとふやしたいのでございますけれども、工事段取りからなかなかふやせないというので、今年度よりは若干ふえた程度になっておりますが、このふえた工事をまかなうにつきまして、財政投資の問題点といたしましては、最初に申し上げました通り、その資金コストを幾らにするかということに問題がございまして、その資金コストを卸売会社であり、国家開発する電力会社であるということを考えますと、市中の電力会社よりも安い金で開発しなければ値打ちがないということも考えられますので、それ並みにしたいということから群八十億の出資をするということになりまして、これが電源開発明年度一つの大きな問題でございます。  それから七に、石油資源開発株式会社につきましては、十八億の財政出資を要請いたしておりますが、この会社につきましては御承知通り本年できまして、すでに探鉱に着手し、若干の地点において成果を上げ、石油の新しい資源にもぶつかって、一応見ておるというような状況でございまするが、来年度引き続きまして本格的な工事をしたいということのために二十五億の金を、そのうち民間から、石油業界から本年通り七億を期待し、残りを政府から財政出資するということでございます。  それから第八に、信用保証協会、これは中小企業金融機関融資の円滑化の大きな役割をいたしておりますが、現在各地の信用保証協会がある限度に来まして行き詰っており、信用保証限度を拡充するのに元金をふやさなければ思うように行かないという悩みを持っており、しこうして現在めんどうを見ております地方公共団体が地方財政の窮乏によりましてそれが思うにまかせないというような状況になりまして、ここでは、この案におきましては、各保証協会に、全体五十一の保証協会に対しまして十億の財政出資をいたしまして、保証能力の強化をはかりたいというふうに考えておりまして、これにつきましては直接保証協会に出資する形式がよろしいかどうか、もう少し検討しろというふうに当局から注文も出ておりまして、目下中小企業庁で研究中でございます。  それから鉱害復旧事業団につきましては、国会におきましても現在の鉱害復旧のやり方に少し対象をふやせ、家屋復旧等も追加しろというような御注文もあり、いずれももっともなことでありまするので、さようなことから融資資金量というものもふえて参りますわけであります。そのふえた分に対しまして、仕事量がふえるに応じまして石炭業者の負担というものもふえて参りますわけであります。従来、その分につきまして一部地方自治体を通じまして財政資金融資をいたしておりましたものを、地方自治体といたしまして講じます融資につきまして自治体からもこれは事業団に直接してもらいたいというような要請がありまして、それを事業団を通じて石炭業者の負担分を一時金の融資をするというふうに切りかえようという性質の要請でございます。金額は七億でございます。  それから十の最後に鉱産物調整株式会社というものに対しまして一億五千万円の出資要求いたしておりまするが、これはいろいろほかの機会にも申し上げておると思いまするが、電気銅、鉛等につきまして、国際物資としまして価格変動が非常に激しく、そのために従来幾たびか繰り返しておりますことは、国際価格が安くなりました際に、国内の生産者が持ちこたえきかなくて輸出をしておる。かと思えば数カ月を出でずして国際価格も暴騰し、この際にまた高いものを日本が輸入しておるというようなことを幾たびか繰り返しておりますが、いわば日本は国際社会に、外国に対して安く売って高く買っておるというようなことを繰り返しておりますが、鉱産会社の抵抗力も弱いということもありまするし、同時にこれらの金属を利用しまする消費者はみんな全体でみまして損をしておるというようなことになっておりますので、そういうことにならないようにある程度のものを買い持ちできる機関というものを半官半民で作っておいたらどうだろう、半官半民で作って出資金を民間一億五千万円、政府一億五千万円ということで作っておきたい。これを発送しますのは、そういう安くなったもので泣く泣くしなければならぬという場合に発送すればよろしい、その際に借り入れればよろしいわけで、今そういう事態に直面しておるわけではございませんが、今のような景気のいい際にそういうものを用意いたしておきたい。そうして幾たびか繰り返しましたような事態が起りました場合に、借入金をもちまして買い上げ、調節したいということでございます。  一応資料に基きまして簡単に御説明申し上げました。
  8. 阿具根登

    理事(阿具根登君) 相当詳細な御説明がございましたが、政府側からは川野政務次官、松尾官房長徳永企業局長、今井中小企業庁振興部長、小出経済企画庁調査部長の三名の方がお見えになっておりますから、質疑のある方は順次御発言願います。
  9. 島清

    ○島清君 非常に広範な御説明でございまして、ただいまの説明に対して一々お聞きするということは後日にさしていただきたいと思いまするが、今御説明のございましたところの石油資源開発関連をいたしまする十八億の財政投融資についてお聞きしたいと思います。今の御説明によりますと、十八億にプラス民間の出資金が七億で、二十五億の所要資金を想定をされておるようでありますが、その二十五億の所要資金をもって開発されようとするところの御計画は、私の記憶するところによりますと、石油資源開発の当初の五カ年計画によりますというと、確かに三十二年度の計画は八十七坑を対象にしておられたと思うのであります。ところが、仄聞するところによりますというと、この八十七坑を訂正をされまして、二十六坑に何か訂正をされたやに承わっておるのでありまするが、この二十五億の所要資金は、当初の石油資源開発の五カ年計画に基きまして、三十二年度のそれに見合うところの資金計画でございまするのか、それとも世上伝えられておりまする五カ年計画は、訂正されましたものに対する所要資金のそれでございまするのか、もし当初の五カ年計画が世上言われておりまするように改訂をされたといたしまするならば、どのように改訂をされたのか、そして所要二十五億の資金をどのように活用をされようとしておるのかを承わりたいのであります。  さらに二十五億のうちの民間に想定をされておりまする七億の、この調達の方がどういうふうな見通しを持っておられるのか。私が聞くところによりますというと、精製業者の方が何かその出資を渋っておられるやに承わっておりますが、私の承知するところによりますというと、精製業者は多大の収益をあげておられるはずでございますが、こういつたような国家的な開発事業に対して非常に渋っておられるように聞いておりまするので、この民間の七億の予定されておりまする所要資金がどういうふうな見通しを持っておられるのか、民間資金の調達についてもお聞きしたいと思います。  さらに十八億の政府資金に対しましては、大蔵省との折衝をどの程度やられまして、そしてどの程度の見通しを持っておられるのか。さらに、一説によりますというと、大蔵省の方でもこの十八億に対しましてはかなり渋っておられまして、それとまあ原油の輸入の関税等と毛関連を持っておるように承わっておりますが、この関税のことについては後日承わりたいと思っておりますが、十八億の大蔵省との折衝の経過、並びにその見通しについて承わりたいと思います。
  10. 徳永久次

    説明員徳永久次君) 私詳細にお答えできませんが、一応申し上げます。  この会社につきましては、国会で大へんなお世話になりまして、問題が重要だということで特別法もお作りいただいたわけでございます。ただいまお尋ねのございました点でございますが、当初考えておりました五カ年計画、それに即した数字というよりも、その後の事情の、現実に工事に着手しまして、その面から割り出しました数字でございまして、まあお尋ねの、計画を変えようとしておるようだがというお話がございましたが、実はその方向で今研究いたしております。  それからいま一つ、民間の七億が、民間が気が進まんで思うようにいくかというお話でございますが、これはお話のように、今の段階ではまだ民間会社から七億を前年通り引き受けますよということまで固まっておりません。しかしながら、昨年は七億民間から出してもらい、政府から七億ということでいたしましたわけでございますが、今度全体の出資がふくれるにつきまして、その半分を民間ということはなかなかむずかしい、それほど期待するわけにはいきませんが、せめて昨年並みは期待いたしたいということでございまして、これは全体の政府出資の見合いとの関連もあろうかと思いますが、今度政府といたしましても、精製会社その他の関連会社にむろん国策会社としての重要性にかんがみ協力を求めるつもりでございまして、私ども何とかなるのではなかろうかというふうに考えておりますわけであります。  それから政府出資の十八億につきまして、大蔵省が目下の折衝段階でどういつでおるかということでございますが、まだ予算の説明をし、十分のまだ折衝と言いますか、段階に入っておるわけではございませんが、大蔵省の感触としまして、この会社の特殊性ということは十分承知もいたしておるわけでございます。ただ大蔵省では、いつまでどの程度金を出せばよいのだというふうなことを問題にいたしておりますので、その点は、すなわち逆の形で見ますれば、当初の五カ年計画を、実際に工事に着手した実施計画との関連からいたしますと、どういうふうに改訂し、その内訳として政府出資をどの程度今後引き続き期待することになるかという、いわば五カ年計画の改訂という問題にも相なろうかと思います。その辺、まだ発足早々でございまするけれども、従来から手がけておりますところから、今後具体的に手をつけたいと考えておるところ及びさらに明年度以降至急にやりたいと考えておりますところにつきまして、もう少し地についた五カ年計画の再検討ということを実は今やっておるわけでございます。いずれにしましても、今年発足しましたばかりで、来年の総計二十五億、このうちには機械代も入っておりますが、全部が試掘費用というわけではございませんが、これだけの工事はぜひともやりたいということで、大蔵省と折衝いたしておるわけでございますが、まだきまった段階にはいっていないわけでございます。大蔵省も、やるならばやらなければならぬ、こういう事柄の性質にかんがみまして、やる以上はある程度のことはやらなければ意味がないということも承知いたしておると思いますから、まあ財政全体と考えまして、いつまでどの程度金を出せばよいかということをもう少し具体的に見当をつけたいということを言っておりますのが、ただいまの段階での大蔵者の感触であります。
  11. 島清

    ○島清君 今の御説明の中に、非常に重要な問題が含まれておると思います。それは、石油資源開発株式会社というものは、これは国家でやらなければならない重要な問題であると、こういうような意味において発足をしたと思いますが、発足幾ばくもたたないうちに、この五カ年計画に対して改訂をしなければならないということ、これは発足当時において非常なずさんなものがあったのであるか、それともまた、日本の今の精製業関係の資本関係というものは外国の独占資本であると、こう言われておりまするので、そこでその独占資本の圧力というものが、相当に政治の部分に入ってきておるのではないかというふうに疑える節もございまするので、そこで今作業中の段階においてでもかまいませんので、五カ年計画の改訂の方向というものを、一応資料として御提出を願いたいと思いまするとともに、それと関連をして、精製業者の収益状況というものの資料を御提出いただきたい。委員長の方としてお計らいいただきたいと思います。
  12. 徳永久次

    説明員徳永久次君) 今お求めの資料なるべく早く調製してお届けいたしますが、計画は一部変更の勉強をいたしておるといいますことは、今お話しのような、精製業者なり外国石油資本がどうのこうのという、そういう影は毛頭ございませんので、現実に技術者を雇い入れ、工事段取りをやっておりますが、精一ぱいやる。この事業段取りから見ましたこういうのをやれる程度でありまして、かような点からの当初の計画は計画でございましたが、現実にさわってみた、そこから割り出しました全体の試掘計画なり、それに関連する資金計画なりというようなことにつきまして、当初計画案と違った数字になりそうだということでございます。
  13. 西川彌平治

    ○西川彌平治君 鉱山局長がお見えになっておらんので、あるいは企業局長から御答弁ができなければ、後日でもいいのですが、一応伺っておきたいと思いますことは、石油資源開発会社が発足をいたしまして一年の業績を見ますると、私の聞いておる範囲では、八カ所の試掘をやりまして、一応油を見たところが新潟県において二カ所、北海道で一カ所、いまだかってない八カ所のうち三カ所も油を見ておるということは、石油資源開発会社の発足当時におかれましては、私は非常に力強い現象であるとかように考えております。おりますが、これをしさいに考えてみますと、検討してみますと、やはり過去において、この場所が非常に精密——精密といいますか、しさいに探鉱しておった、調査をしておったということがこの結果を生んでおるのでございまして、今日石油資源開発会社がそういう意味からいたしましても、北海道はもちろんでございますが、新潟県下あるいは秋田県下あるいは関東平野というように、非常に地質調査を詳細にやっておられるのであります。三十二年度におきましても、その調査を、さらにさらに徹底した調査をやられるということが五カ年計画の中に入っておるのでございます。そういうところを見ますると、どうしてもやはりここに出ておりまする十八億ぐらいの予算を要求しなければ成し遂げ得ないと私は考えておるわけであります。しかるに、まだこの予算がどういうふうにいくかいかないか、これから大蔵省との折衝が行われるのでございますが、いろいろの状況から考えまして、一つ通産当局におきましては、エネルギー資源の最も大きな問題であり、今日海外からの輸入の石油の量から考えましても、これは力強く一つ大蔵省要求して、この問題を完全に調査をし、そうして所期の目的を達するように私はしなければならんと、かように思いまして、通産当局に対して一つ強くこのことを私ほお願いをいたしたい、こう思っております。
  14. 島清

    ○島清君 ただいまの御説明の中では、原子力の開発とか原子力の活用という問題については、いささかも言及されなかったようでありますが、それは原子力だけの担当の国務大臣もできたくらいでございまして、通産省の所管事項にはないのかもしれませんけれども、さりとて私は一国の産業行政を担当されておりまする通産省とは無関係なものではないと思いますが、若干のやはり関係を持った面があると思いますが、この原子力の開発並びにその活用については、通産省はどういう関係におられるわけですか。
  15. 松尾金藏

    政府委員(松尾金藏君) 御承知のように、原子力の基本的な問題、総括的なことにつきましては、科学技術庁に原子力局、また原子力委員会が中心になりまして、ここで年々の計画なり、またそれに必要な予算要求等は全部総括してやっております。通産省の立場から申しますと、例えば国内の原子力開発につきましては、まず当初に国内のウランその他の原子力資源の開発の問題があるわけであります。この関係通産省内部で申しますと、鉱山局なり、また地質調査所が中心になりまして、それぞれそのための調査と予算要求をいたしまして、前年度に引き続き実施の段階を受け持つ形になっております。また、そのための一般的なウラン鉱物の開発等につきましては、鉱業権との取扱い等についても、当然実施の段階としては通産省で実施の面を担当することに相なる。さらに利用段階に入りますと、御承知のように原子力発電の問題がございますが、これも現在のところでは、やはりその中心がまだ将来の計画の段階でございますので、当然科学技術庁なり原子力委員会が中心で現在動いておりますけれども、現実に原子力発電の工業化段階になりますれば、現在からある程度、というよりも相当突っ込んで原子力発電の敷地の問題でありますとか、また現実に原子力発電をやります際の具体的な問題について、今からある程度の基礎的な準備をしておかなければならないという意味では、通産省でも公益事業局の中で、将来の問題ではございますが、若干その方面の検討をいたしております。さらに、原子力の炉を築きますにつきましては、必要な素材その他が要るわけであります。また、必要な技術が要るわけであります。これらも基本的にはもちろん科学技術庁なり原子力委員会等が中心でございますけれども、現実に各工業会社がそれらの研究を実施をいたす面になりますと、原子力局とも十分連絡をとりまして、それぞれの機械工業会社でございますとか、そういうメーカーの会社と連繋をとって、その方の指導なり、また研究については、実施の面に近い部分については通産省でもその方面の補助金その他の予算を組んで実施をする、こういう関係になっております。
  16. 阿具根登

    理事(阿具根登君) 鉱山局長がただいまお見えになりましたから、質問のある方は……。
  17. 島清

    ○島清君 何か新聞などの報ずるところによりますと、濃縮ウランの輸入の契約ですか、これができたとかいうので、今あなたがお話しになりましたような工業化段階に入ろうとしているわけなんですが、これもやはり原子力委員会の方の所管で、まだあなたたちの方の所管には入らぬと、こういうことで、今予算化といいますか、そういうものの段階に来てないと、こういうわけでございますか。
  18. 松尾金藏

    政府委員(松尾金藏君) 濃縮ウランの受け入れば、御承知のように、そのための原子炉の築造を伴って実施をすることになると思いますが、これは、御承知のように、原子燃料公社が中心になって実施をすることになりますので、現状では、ほとんど大部分、科学技術庁なり原子力委員会が中心になって実施を進めております。通産省としては、それに伴う若干の資材とか機械の関係で、それに協力といいますか、そういうふうな形になると思います。協定その他の関係は、当然科学技術庁なり、原子力委員会が中心になって進められております。
  19. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 開発銀行の来年度期待金額が七百五十億円とありますが、その中に、海運等他省関係を一応百四十億円と、こう出ておるのでありますが、この百四十億の海運その他の融資に対して、前年度でけっこうですが、簡単に説明願いたいのです。
  20. 徳永久次

    説明員徳永久次君) 本年度につきましては、当初海運関係に百二十億でございましたですか、その後一部ふやしまして百四十億と、本年度実績はそうなっております。海運以外のものも若干実はございますのですが、明年度としまして、造船計画が減ると思っておるわけでございませんが、開銀の担当します割合は、造船業界の現況にかんがみ、若干減るであろうということを考えますれば、その他を含めて百四十億でそうおかしくないのじゃないかというふうに考えましたので、そういたしました次第であります。
  21. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 そうすると、海運関係というと、大体造船だけですか。運航等の問題についての融資はないのですか。
  22. 徳永久次

    説明員徳永久次君) 大部分造船のための低利資金の供給というわけでございます。
  23. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 昨年の回収状況はどうでしょう。
  24. 徳永久次

    説明員徳永久次君) ちょっと正確に申し上げる資料を用意いたしておりませんが、最近になりまして、回収は、海運向けも従来より順調になっているということは聞いておりますが、昨年に比べて金額でどの程度になっておりますか、詳細なことは今申し上げかねます。
  25. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 それから、中小企業の金融の問題でございますが、一説によりますというと、何か大蔵省関係からいたしまして、保険会社の金融の計画をされている。これはあえて法律を提出をしなくてもできるというようなことをうわさに聞いておるのでありますが、実際問題としてはどのように折衝されておりますか。
  26. 今井善衛

    説明員(今井善衛君) 前にも、保険会社、特に損害保険並びに生命保険につきまして、相当の遊金があるから、現在これは大企業に対して大部分使われておるわけでございますが、これを中小企業の方に向けたらどうかという意見がございまして、私ども保険会社を呼びまして、大蔵省とも折衝したのでございますが、保険会社自体非常に乗り気じゃないということでございまして、ただいまのところ、まだ実現する運びになっておりません。まだ研究しておるという段階でございます。と申しますのは、損害保険につきましては、資金性質上、比較的短期のものに融資しなければいかぬという関係がございまして、それから生命保険の方につきましては、比較的長期のものにも融資できるという資金性質になっております。ところで、保険会社は、何と申しますか、銀行以上に事故が起っては困るという観念が非常に強いわけでございまして、従いまして、かりに融資いたしますにいたしましても、保険会社の方から見まして、非常に確実な先に融資したいという希望が本質的にございまして、従いまして、国の方で、特に零細金融、たとえば、信用組合なり、あるいは信用金庫という零細な金融を扱っております金融機関融資してほしいということに対しまして、非常に渋っておりまして、現在保険会社を安心させるような道が発見できますれば、信用組合なり、あるいは信用金庫の方にも回し得るかと考えますけれども、まだそのような案がはっきり見つかっておりませんので、今のところ、実現できるかどうか、ちょっと断言しかねるという段階でございます。
  27. 島清

    ○島清君 今の質問に関連してですが、私たちの聞いたところによりますると、あなたの御説明と反対で、遊金があり余るので、むしろそういうところに活用してもらいたいのだというような意向すら持っておられるように聞いておるのですが、それで、今あんたの御説明の中に、安心できるような処置といいますか、保証といいますか、そういうものがあれば、必ずしも不可能じゃないのだという御説明のようでございましたが、何かそういったようなことについて、保険会社の方から、こういうことであるならば出してもいいのだというようなお話し合いなんかございませんでしょうか。
  28. 今井善衛

    説明員(今井善衛君) 当初保険会社の金を中小企業の方に回したらどうかというふうに考え出した方は、私どもに対しまして、やはり保険会社としても非常にそれを希望しておるという話しであったのでございますが、その後保険会社の方に私の方に来ていただきまして、百三懇談したのでありますが、その結果、遊金と申しましても、たとえば、立案者は五百億程度あるじゃないかというふうな話もございましたけれども、いろいろ話し合いました結果、ありましても四、五十億がせいぜいだというようなことでございました。それから安心して貸し付けでき得るようにという対策といたしまして、政府保証が絶対必要である。これだけはもう向うとして最低限譲れないというふうなことでございました。それから、できれば政府金融機関に貸したいということでございまして、まあ政府金融機関ということになりますれば、何も保険会社から借りる必要はない。資金運用部資金を活用すればいい。金利なんかの問題もございます。従って、私の方から申しますと、政府金融機関じゃなくて、もっとほかの零細金融を取り扱うところの民間金融機関に貸し付けたいという希望になるわけでございます。ところが、今のところ、それに対する妙案がないという段階になっております。
  29. 阿具根登

    理事(阿具根登君) では、いろいろまだ詳細な質問があると思いますが、後日に譲ります。
  30. 阿具根登

    理事(阿具根登君) 次に、産業と税制に関する件を議題といたします。本件についても、政府の最終案はできていないようでありますが、現内閣は大幅減税を唱えております。それは、単純に減税するのでなくて、一方に減税するとともに、他方では増税または新税の設定もあるようです。いわば、税制改革を含んだ税制、減税ということになりそうであります。従って、それが産業に及ぼす影響は少からざるものがあると見られ、現に賛否両論が鋭く対立しておるものもあって、これに関する請願、陳情もかなり出ておるのであります。そこで当委員会としても、あらかじめ関係当局の意見をただしておく必要を感じておる次第であります。質疑のおありの方は順次発言を願います。なお、政府関係者から大蔵省の主税局税制第一課長塩崎君が見えておりますので、御質問に移っていただきたいと思います。
  31. 白井勇

    ○白井勇君 こまかい点の説明はないのですか。
  32. 阿具根登

    理事(阿具根登君) 簡単に徳永企業局長から説明をいたします。
  33. 徳永久次

    説明員徳永久次君) 詳細はこの書きものにいたしておりまするので、これの性質を申し上げたいと思います。御承知のように、目下税制調査会で税制の改正が議論されております。私ども産業官庁といたしまして、非常に税制改正に縁が深うございますので、その方に対しまして通産省としての意見というものを申し入れておくのが適当であろうというふうに考えまして、省内で取りまとめましたものがこの意見でございます。税制関係の主管官庁であります大蔵省にはもちろん申し入れましたし、同時に調査会にも書面で御提出し、なお委員の皆さん方にも、全面的ではございませんが、事項によりまして詳細を御説明申し上げたいというのが、ただいままでの段階でございます。
  34. 白井勇

    ○白井勇君 これは、これをさらに具体化したようなこまかい問題につきましては、まだ申し入れしてないわけですか。通産省としての意見がまとまっていないのですか。
  35. 徳永久次

    説明員徳永久次君) 税制調査会ではまだ検討中でございまして、どういう案がということがまだ固まってもいないものですから、このある種の案についてどう考えるかという段取りまでは、一般的にはきておりません。ただ特殊の事項につきましては、たとえば重要物産免税について通産省はどう考えるか、調査会で一ぺん説明しろということがございまして、そこでいろいろ通産省側の考え方も申し上げ、さんなどのいろいろな御質問も受けるというような場面もございましたが、まだあすこもぼつぼつ起草に入ろうというところでございますけれども、具体的なところまでは、この調査会としてもまとまってない、今からまとまるという段階でございます。これを具体的に税率をこうしてくれというようなふうのところまで私ども用意しておりません。考え方といいますか、を申し上げている段階でございます。
  36. 白井勇

    ○白井勇君 ここに書いてありますものは、まことにもっともな考え方のように私ども拝見するのですけれども、現実の問題としては、片一方の方では税制調査会というものがあって、いろいろ具体的なことを進めておるわけですけれども、まあ、いろいろな方面においては具体的に、たとえば高級電球には幾らかかることになるとか、間接税、物品税等で二百五十億も大蔵省は増徴を考えているのだというような、具体的な問題が出ておるわけですね。そうしますと、われわれちょっと考えますと、通産省としましては、ここにありまするような方針のもとにですよ、具体的に、じゃ、こういうものをむしろこうすべきものであるというような積極的な、具体的な意見というものを、あらかじめ私どもに出すのがほんとうじゃないかという感じもするんですが、そこはどういうものですか。
  37. 徳永久次

    説明員徳永久次君) 今物品税のお話しございましたですが、税制調査会の考え方の総体としまして、減税千億はけつこうでございますが、それの全体の税体系を変える際に、物品税を総体として幾らにするのだというようなところも、まだ私はっきり承知もいたしてない段階であります。しかし、お話しのように、いろいろな案を頭に置きながら、物品税についてもこの程度に考えたいというような動きもあるというようなことも承知もいたしておりますので、いずれ物品税につきましても議論になる段階が来るだろうということで、私どもとしてこれは物品税全体に幾らの増収といいますか、担当さすかということにもよるわけでありますが、通産省全体——物品税でありますと、各局にまたがりますが——省内全体として今いろいろな場面にすぐ応待できるような研究を進めているというところでございます。さりとて物品税をこれだけふやして下さいということを通産省が言うというのもおかしな話しでございます。税体系全体の中からどういうふうに考えるかというところから始めてゆきたいということになるのじゃないかというふうに考えております。
  38. 島清

    ○島清君 今物品税の話が出ましたので、それに関連をしましてお聞きしたいのですが、まあ結論は出ていませんけれども、調査会の方では……。それから政府は一千億を減税すると、こう言っておられる。そこで一千億の減税を唱えられながら、しかしながらその穴埋めを物品税の増徴に求めてゆきたいというふうに伝えられているわけなんですが、物品税が上げられるということになりますると、これは通産省産業育成と振興にも非常に影響してくると思うのです。特に物品税を納めまする業者というものは、中小企業者が多いのでございますので、従いまして中小企業者の諸君は、この物品税の完廃を要求しているわけなんですが、さようでございまするので、ほんとうに伝えられるように一千億減税になるか、さらにまた、その穴埋めとして物品税の増徴に求められてくるとするならば、日本産業育成、振興の点から、私たちはゆゆしい問題だと思うのです。と申し上げますのは、議会において物品税の全廃をしろという法律案が出ている、社会党から出ておりまするけれども、そういう矢先において、減税を唱えながらさらに他の面で間接税、物品税を増徴してゆくというようなことについては、これは世上伝えられている点においても、私たちは聞き捨てにならないと思います。幸い大蔵省関係係官が見えておられまするから、そこらの物品税のこういったような伝えられる面について、ほんとうはどうであるか、どう考えておられるかというような御説明を承わりたいと思います。
  39. 塩崎潤

    説明員(塩崎潤君) ただいま委員長の御発言にもあり、また徳永企業局長の御説明にもありましたように、現在のところ税制改正につきましては、去る昨年の八月に内閣に設置されましたところの税制調査会で審議中でございまして、その結論も出ておりませんし、政府としてもその諮問が出てきましてから態度を決するということになっておりますので、たびたび徳永局長からも御説明ありましたように、最終的な案はまだきまっていない状況でございます。ただ調査会の空気をこの機会に若干申し上げまして、御参考に供したいと存ずる次第であります。  御承知のように、税制調査会は、昨年から御熱心に御審議願いまして、約四十回ぐらい御会合をしていただきまして、税制全般について御検討をわずらわしたわけでございます。現在の税制におきますところの欠陥というものは、やはり過去から見まして、戦前から見ましても税負担が重いという点が第一にある。それともう一つ欠陥としてあげられますることは、負担の不均衡の面がありはせぬか。この負担の不均衡の面を分析いたしますれば、たとえば法人、個人との負担の不均衡とか、あるいは当時の政策的な要請にこたえましてでき上りましたところの特別措置によるところの不均衡もありはせぬか。それからもう一点は、何と申しましても、日本みたいな国民所得の少いところは、シャウプ勧告以来直接税にウエイトを置きましたところの税制がよいかどうか、これが間接税としての不均衡がありはせぬか、こんなような角度で検討されておるように私ども見受けておるわけでございます。  で、先ほどからもしばしばお話しにありましたような千億減税ということは、これは所得税について特に言われておることでございまして、所得税の現在の負担の不均衡、あるいは負担の過重というようなことを考えますれば、何としても所得税を直すのが一番ではないかというような声が、調査会では強いようでございます。それで、まあ千億くらいの減税をいたしますれば、所得税の姿というものは相当いい姿になりはせぬか、こういうような空気でございます。  そこで先ほど申し上げました単に減税するというのではなくして、負担の不均衡の面から税制改正も行わなければならないじゃないかということが出てきておるわけでございます。その一つといたしまして、特別措置があげられております。それからその二といたしまして、先ほど申し上げましたような直接税から間接税への移行というようなこともあげられなければならないじゃないか、こういうことになっておるわけでございます。従いまして、単純にまあ財源だけというものではなくて、税制全般から見まして直接税から間接税への移行というようなこと、それから特別措置の整理ということ、財源も一つの大きな要素ではございまするけれども、負担の不均衡の是正——経済もだんだん正常化いたしまして、当時の政策的な要請が果して現状にマッチしておるかどうか、これらを検討いたしまして、財源とあわせまして、むしろ負担の不均衡の是正の見地から、まあそういう二点が言われておるわけでございます。ただいま御質問の物品税につきましては、そういうような見地から果して直接税から間接税への移行の一つの手段として物品税が取り上げられるかどうか、これが検討されておるわけでございます。間接税というものは単に物品税にとどまらず御説のように酒税もございますし、砂糖消費税もございます。さらにまた、外国において広く行われておりますところの売上税というものもあることは御承知通りでありますが、現在の情勢から見ますれば、やはり何らかの形で間接税への移行を考えるならば、現行税制のもとでやはり物品税が他の消費税に比べまして、少し負担が低い点がありはせぬか。ただ先ほどから何度も御注意がございましたように、物品税が中小企業者の作る者の負担になってはいけないというようなことも当然考えられておるようでございます。御承知のように企業というものは非常に競争激甚でございます。所得税も不公正な——所得税がうまくいかないことは、競争の不公正の原因になりまするけれども、間接税もそういう要素もあるわけでございます。従いまして物品税を検討いたします際には、やはり中小企業の負担になるようなものは極力避けていくべきではないか、こんなような角度で検討されておると思うわけでございます。ただ、個々の品目につきましては、そういう抽象的な方針で検討されておりますので、まだ個々の品目につきましてどういうものを取り上げ、どういうものを税率を引き上げ、また課税されているものを引き下げるというようなことは、まだ具体的にきまっておらない状況でございます。来月ごろにおそらく答申が出ると思いますけれども、一つそれまでに十分検討いたしたい、かような気持を委員の皆さん方持っておるのではないか、かように見ておるわけでございます。もちろん、調査会の審議の経過におきまして、通産省の御意見を聞くことはございましょうし、また、政府案になります際には、私どもといたしましても十分関係方面と連絡して参っていきたい、かように存ずる次第でございます。   〔理事具根登君退席、理事近藤信一君着席〕
  40. 島清

    ○島清君 お話しの中で見解を異にするものはありますけれども、討論会ではございませんので省略いたしまするけれども、いわゆる所得税の一千億減税、それが物品税にそのしわ寄せを求めていくという結果として、まあ第一案、第二案というものがあるそうでございまして、その第一案によりますというと、二百二十一億ですか、さらに二案によりますというと二百四十三億の物品税による増徴というものが見込まれておる、こういうようなことを大蔵省は考えておられるのだというふうに世上伝わっておりまするが、これはどうなんですか。
  41. 塩崎潤

    説明員(塩崎潤君) 大蔵省が考えていると申しますか、調査会の審議の経過におきまして、私どもといたしましては各方面の御説明をなし、それからまた、種々の資料を提供したわけでございます。第一案、第二案をつぶさにどういうものか、私も研究の過程におきましていろいろな案が出たことは存じておりまするけれども、まだ第一案、第二案という案までは私は出たというような記憶はないと思っております。
  42. 阿具根登

    ○阿具根登君 石油の関税撤廃の問題について御質問を申し上げますが、石油の関税の問題は、御承知のように第十国会において原油、重油一〇%、灯油、揮発油二〇%、潤滑油三〇%の基本税率がきめられたのでございますが、これが毎年々々減税の措置をとられて、昨年の八尺から原油二%、BC重油六・五%が復活したわけでございますが、これが最近の新聞紙上で見てみますと、やっと緒についた石油の関税が撤廃されるということを通産省は考え、撤廃するための主張をしておられる、かように聞いておりますが、通産省のこれに対する見解、根拠、それからエネルギー対策の考え方石炭対策の考え方を詳細に御説明願います。
  43. 森誓夫

    説明員(森誓夫君) お答えを申し上げます。原油、重油の関税を撤廃すべきかどうかにつきましては、ただいま通産省において検討中でございまして、まだ最終的な結論を出すに至っておりません。この問題につきましては石油の輸入コストのその後の動向、あるいは近い将来の見通し、また石炭の価格等についても同様な見通しをする必要がございましょうし、そのほかこの撤廃によって関係のある産業にいかなる影響を与えるか、あるいはまた財政上の影響がどうであるかなどの点をいろいろ検討して、その結果最終的な態度をきめることになっておりますけれども、現在のところではまだそういう結論を出すところまで至っておりませんです。そのように御承知を願いたいと思います。
  44. 阿具根登

    ○阿具根登君 そうしますと、最近の新聞報道で、十一月十二日の関税率審議会に石油関税を撤廃する方針をきめて、通産省はその意見を述べたということが出ておりますが、それはうそでございますか。
  45. 森誓夫

    説明員(森誓夫君) 通産省としましては、今日までこの問題についての意見を対外的に公式の手続によりまして発表したことはございません。
  46. 阿具根登

    ○阿具根登君 そうすると通産省でそれを決定はしておらないが、撤廃するか存続するかの議論をされておるということは、これは事実であると思います。そうしますと、その撤廃するという考え方はどういうところでそういうものが出ておるか、その点をお聞きいたします。
  47. 森誓夫

    説明員(森誓夫君) この問題につきましては、撤廃論、存続論いろいろな立場からございまして、目下それぞれの立場の主張を検討いたしている段階でございますが、撤廃論の根拠としましては、最近の石油類の輸入価格がタンカー・レートの上昇によりまして相当高くなっておる。近い将来もそういう情勢は解消しそうにないというようなことがまあ一番重大な事実として考えられておりまして、そのようにして石油の輸入価格が非常に高騰していくとすれば、昨年の現行税率を制定したときと事情が非常に違って、そういう税率を課さなくても石炭は十分に石油と対抗し得る状態にあるのではないか、そういうことが撤廃論の一番大きな論拠になっております。しかしながら、これは計数的にも十分突き詰めていく余地がございまするし、将来としての結論は出ていないことは先ほど申し上げた通りでございます。
  48. 阿具根登

    ○阿具根登君 撤廃論、存続論について通産省で意見が一致しておらないのだ、結論が出ておらないと言われるから、私は質問をあとに保留しておきますが、通産省のやり方を見ておれば、石炭が高くなれば重油に対する対策、今度は重油が少し高くなれば石炭に対する対策をとっていく、いわゆる場当り主義である。エネルギー対策は何を根拠にされているか、目標にされているかわからないような始末である。そのために一番迷惑するのは国民でございます。いわゆる石炭が少し少くなれば石油の対策を立てる、そうして石炭を使っておるものも重油にわざわざ切りかえさしてそうして重油を使わせる。今度は石炭対策を何とか考えなければいかぬということで、せっかく政府が指導して作らしたかまを今度は石炭に切りかえさせる。今度はたまたま炭価が少し高くなったからといって重油の値段を引き下げておいて、これをまた重油にかわらせる。そうして石炭業者と重油業者、石油業者に自由にあやつられておって、どこに主体性があるのか。国民を主体に考えているのか、業者を主体に考えているのか全くわからないエネルギー対策である。そのために一番迷惑しているのは国民であるということを十分考えて対策を立てていただきたい、かように思います。  それから大蔵省の方にお伺いいたしますが、千億の減税を打ち出しておられるさなかに、こういう諸外国から見ても非常に率の低い関税を、しかも第十国会にきまっているのがやっと昨年の八月に課せられたごくわずかな税金までこれを撤廃するということが通産省の一部に非常に強く起っている。こういうときに大蔵省としてはどういうふうなお考えを持っておられるのか、その点を一つお伺いいたします。
  49. 木谷忠義

    説明員(木谷忠義君) お答えいたします。石油の関税につきましてはお話がございましたように、現行の基本税率は原油は、昨年の八月一日から二%、原油について二%、それから重油については六・五%、それからA重油につきましては免税というふうになっております。この重油の関税、原油の関税と申しますのは、灯油の関税につきましては二十六年以来免税になっておりましたが、昨年八月から二%原油に課税になっております。これを今後どうしようかという問題につきましては、国産原油の増産のことも考慮し、また、外国からの輸入等諸般の事情を考えて目下関係省と打ち合せをいたしております。従いまして、来年三月末で免税が切れる、そのあとどうするかという問題については、まだ大蔵省としては決定にまで至っておりません。今後十分検討したいと思っております。
  50. 阿具根登

    ○阿具根登君 通産省の方からこの撤廃についてのお話があったかどうか、その点は御承知であったらお知らせ願いたいと思います。
  51. 木谷忠義

    説明員(木谷忠義君) 灯油の関税につきましては、目下関係者と打ち合せ中でございまして、まだこうしたいとか、またああしたいとかいう具体的のところには入っておりません。目下検討中でございます。
  52. 阿具根登

    ○阿具根登君 どっちも検討中で、どうもわからないのですが、一千億の減税をやられる、数字もここに持っておりますが、一応聞いてみましょう。この原油、重油の税金でどれだけの税収入が上っておるか、それから今度はそれをかりに来年の三月で切れるからその財源がなくなるとするならば、それはどの方面でお考えになるのか、あるいは大蔵省としては一千億の減税は、こういうものは全然考えておらない、これは当然残すべきであるというような考えであるのか、そういう点を一つ説明願いたいと思います。
  53. 木谷忠義

    説明員(木谷忠義君) 灯油の関税を減免しておるのですが、それによります関税収入の減収額は六十億ちょっとあまりになると思います。これは三十一年度につきましての一応の見込み数字でございます。それから税収額、関税収入額は約二十七億ほど予算を作りましたときには計算上出ております。大体その程度数字になるだろうと思っております。これをどういうふうに考えておるかというお話しでございますが、目下その点については先ほど申し上げましたように検討をしております。
  54. 塩崎潤

    説明員(塩崎潤君) 千億円減税の際に、この関税の分をどう考えるかという御質問でございますが、私ども千億減税は主として内国税を考えておりまして、関税の方はこれは相当産業政策の方によって規整きるべきものではないか、そういう見地から関税についてのたとえば免税の問題をどうするか、あるいはたとえば先ほど申し上げましたように、石油関税をどうするか、これらにつきましては、税制訓育会ではほとんど審議していない状況で、別途関税率審議会がございますし、産業政策の面から各省と税関部で説明申し上げているのではないかと、かように存じておるのでございます。
  55. 阿具根登

    ○阿具根登君 質問をこれで打ち切って後日に保留いたしますが、通産省側に御要望申し上げておきます。資料提出をお願いいたします。各国の石油に対する関税の状況、それから石炭と重油の現在の価格の比較、こういうものを出していただきたい。  それから一つ要望しておきますのは、外国の石油の問題につきましては、先進国のアメリカや英国等ではあるいは関税が少いかもわかりませんが、日本と同じような立場にある西ドイツ、その他の後進国の重油に対する関税は相当膨大なものがかかっておると聞いておりますので、そういう点十分御考慮の上で、本問題については通産省としての御決定をしていただくように要望いたしておきます。
  56. 島清

    ○島清君 今の阿具根委員の資料の御要求関連をして……。今阿具根委員要求された資料、いわゆる油に対する関税ですね、これが国内産業にどういうふうに振り向けられて使用されておるか、あわせて諸外国の例を一つ資料として出していただきたいと思います。
  57. 森誓夫

    説明員(森誓夫君) ちょっと今のはお話わかりかねるのでありますが、どういうふうに産業に振り向けられておるかという点でございますが、これは関税の負担の影響ではなくして、その輸入ざれた原油、重油等がどういう業種にどういう割合に使われておるかという意味でございますか。
  58. 島清

    ○島清君 そうです。たとえば目的税として使われる場合もありましょうし、そうでない場合もありましょうけれども、その関税収入がどういうふうに使われておるか、なるべくならばはっきり、目的税として使われておれば、これはもうはっきりわかるのでありますが、そうでない部分もあると思うのですね。そこでわかる部分だけを一つ資料として出していただきたい。
  59. 森誓夫

    説明員(森誓夫君) 税率は非常に調査しやすいのですが、その収入をどういう用途に使っておるかという点については調査が相当困難だと思います。努力をいたしてみますが、必ず提出するということも保証いたしかねるのでございます。   〔理事近藤信一君退席、委員長着席〕
  60. 島清

    ○島清君 私が聞いたところによると、諸外国の例が大体において目的税として徴収されておると、こういうふうに聞いておるのですよ。だからそこらの範囲内だけでもいいのです。
  61. 森誓夫

    説明員(森誓夫君) 目的税的に使われておるかどうかの調査はいたしてみますが、相当困難だということはちょっと御了承願いたいと思います。
  62. 白井勇

    ○白井勇君 ちょっと私一言大蔵省にお伺いしたいのですが、物品税を改正します場合に、税制調査会で具体的に、このものについてはたとえば二割にする、三割にするというようなふうに、具体的にこまかいことまでもきまりますものか、あるいは抽象的に、大体こういうことというような方向がきまって、作業はあと大蔵省の役人が他との均衡をとっておきめになるものかどうかということです。
  63. 塩崎潤

    説明員(塩崎潤君) その点につきましても、調査会といたしまして、私どもが提出いたしました資料につきまして検討中でございます。どこまでこまかくできますか、ただいま島委員からの御質問の中で、第一案、第二案といろいろ案が途中で出たわけでございますけれども、いろいろな品目についても検討いたしておりますけれども、これをどんなふうに表現し、答申に織り込むか、これらにつきましても与える影響その他を考慮して現在検討中でございます。あまり抽象的になっても答申の体をなさないであろうし、あまりこまかくてもそこまで調査会で十分審議が終えるかどうか、こういう長短ございますので、これらにつきまして目下検討中であることを申し上げまして御了解を得たいと思います。
  64. 白井勇

    ○白井勇君 私がお尋ねするのは物品税のきまりますまでの運び方ですよ。それは今申しましたように税制調査会というようなところにおいては大きな方向をきめるのであって、具体的に言いますと、たとえば写真機は何ぼ以上のものは何割、電気洗濯機は幾ら以上は何割、ラジオは五球以上は何割というような、そういうきめ方は、それは大蔵省のお役人だけの判断によってやられるものか。やはりそのことも一つの、何といいますか、小委員会というようなものにかかって、そして具体的にきめられるものかということをお尋ねしている。と申しますのは、ことし私テレビの実は税金をやったわけですが、そうしますと通産省はまことに不誠意なものだということを、確かにしみじみ感じたのですが、大蔵省側の主張は物品税の体系そのものをくずしてしまうのだというような、非常に強力に主張されて、しかしその物品税というようなものはこれは数学で機械的にはじき出るものではない。要するに人間の頭で均衡をとってやる筋合のものだと思う。それらの人間の頭で判断します場合の運び方が、通産省が言ういろいろな産業上のこと、あるいはその他のいろいろな点から総合的に判断されて大蔵省の事務当局の一案が見られるものか。そうではなしに大綱は税制調査会できめられるけれども、具体的にきめられるときには、大蔵省のお役人だけの頭で判断されるものかどうかということなんですよ。
  65. 塩崎潤

    説明員(塩崎潤君) ただいまの御答弁を繰り返すようなことになるかもしれませんが、個々の品目につきましても、相当程度どうするかということにつきまして、調査会としても御検討をしていただいているつもりでございます。調査会の答申も、なるべく大綱をきめるのじゃなくて、直接税、特別措置その他につきましてはできるだけ具体的に、こういうことを皆さん方は希望しているのじゃないか、かように私どもは聞いているわけであります。ただ物品税につきまして、どの程度、たとえば何百とある品目につきまして、これを全部レビューいたしまして、これはこういうものはこのパーセントがいい、またこういうものはこの程度がいいということがどこまででき得ますか、一応の検討に終りますか、こまかい検討になりますか、そこはまだ結論が出ていない。大蔵省も種々の資料を提出いたしまして、委員さん各位の御意見を承わっておる点はございまするけれども、どういうふうに最後いたしますか、大蔵省といたしましてどんな線が出ましても、大蔵省だけの頭で考えるのじゃなくて、通産省その他各省と密接な連絡をとりまして、頭で考えているというだけじゃなくて、これはやはり各品目の、私は消費税は消費税としての負担のバランスがあると思っております。これらを中心にして各省と御相談してやっていきたい、かように考えております。
  66. 白井勇

    ○白井勇君 最後に、これまた私意見になりますけれども、やはりこれは通産省通産省、それから文化方面に関してはやはりさような方面ということも入れまして、そこで具体的にきまるようなやはり組織立てをしておきませんというと、私受けた感じはそもそも大蔵省は頭のいいお役人の独断できまっているようなふうにちょっと感じたのですけれども、まあ一つよろしくお願いいたします。
  67. 松澤兼人

    委員長(松澤兼人君) ちょっと途中でございますけれどもごあいさつ申し上げます。  過日私商工委員長に再選されましてさっそく出席いたしましていろいろ審議しなければならないところ、先月の末からインドに行って参りまして、少し無理がたたりましたか、帰ってきて少し寝ついてしまいました。まことに欠席ばかりしておりまして申しわけございません。どうにか登院できるようになりました。今後皆様方の御協力を得まして商工委員会の運営をやっていきたいと思います。何とぞよろしくお願いいたします。  ただいま問題になっております税制改正に対する通産省あるいは大蔵省の御意見に対する質問はございますか。……一応この程度にいたしまして打切ってよろしゅうございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 松澤兼人

    委員長(松澤兼人君) ではさようにいたします。  で、散会になるわけでありますけれども、ただいま科学技術庁の方から見えておりまして、日本で採鉱しましたウラン鉱石があるそうであります。ガイガー管でこれを試験してお目にかけるそうでございますので、散会後しばらくお残り願いたいと思います。  なお、この委員会散会後理事打合会を開きますので、理事の方はお残りを願いたいと思います。……ほかに御発言ございますか。……なければ、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十一分散会      —————・—————