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委員外議員(山田節男君) それでは簡単に今の藤田君の質問に関連して、きょうは大臣も見えておりませんし、外務省
関係が見えておらないようであります。ただ労働省の中西君が見えておるし、これは
政府委員であるから……。で、この今の藤田君の質問、これは古い問題であって、結局
結論をどうするか。これは
一つの占領軍政下の宿命的な所産であって、今、特需課長が言われるようにいかんともしがたいと言われるが、これは私はむしろ労働省は雇用安定という
意味からこれは強く主張せにゃならぬじゃないか。そこで今特需課長がむしろお教えを請いたいというような
答弁ですが、幸い外務省が
委員になっておる日米合同
委員会の例の調達調整
委員会の第一回が開かれておる。これはどうしてもやっぱりトップ・レベルで話をしないと、問題は政治的なんです。そこで与党の自民党に特需対策に対してのちゃんと
委員会ができている。しかしながらこれは労働省、調達庁、通産省という工合にいろいろ各
方面の諸君が、官庁の代表が出ております。なかなか一体化した
意見がまとまらない。これはどうしてもやはり労働省外務省が主になって、政治的に折衝しなければ簡単に片がつかぬのじゃないか。これは私、たとえばアメリカがこういう占領軍政下にあって特需というような一種の制度を設けて、そしてたたいて安くやらせる、こういうようなことが、今日独立国家になっても、依然として残っておるというところに、私は非常な問題の根幹があると思うのです。で、アメリカでは、一体この事業者にしても、こういう特需のようなものは不安定なものですから注文を受けない。しかし、日本ではまだ占領軍政下、ことに基地を提供しているという安保条約の建前から、民間企業者を特需というもので縛り上げて、民需はやらせない、防衛庁の仕事もやらせない、特需ばかりをやらせる。こういうようなやり方はこれは非常に日本の外交
関係をもうそのまま現わしている姿である。日本がやはり植民地的な支配を受けていると言われてもしようがないと思う。ですから、これは私は特に中西君にお願いしておきますが、雇用の安定ということ、それから日米行政協定、安保条約に基く従属外交というものを、これを是正しなければ、この問題はどうしても私は解決つかないと思う。そこでこれは私、お願いになりますが、願わくば中西君もおられますから雇用の安定という立場、それから外務省の
関係、やはりそういう特需産業でもって縛り上げて、企業そのものが成り立っていかない、しかも従業員には雇用の不安感というものを非常に持たしている。こういう問題を是正すべく、ぜひ次の調達調整
委員会があれば、これは労働省が主になって言うてもらわなければいかぬ。これは外務省にもそうでありますが、また、調達庁あるいは通産省の係も見えておるが、これは実際問題としてお気の毒な立場にありますが、しかし
駐留軍労務者、特需労務者は非常に類似点が多いのでありますが、過去のあなた方が持っておられる深い経験等をもって労働省、外務省に
一つ十分自信の持てるような資料を与えると同時に、企画していただいて、そしてできればこれは大臣が、外務大臣あるいは労働大臣のレベルでもって政治的な交渉をするというほかには、私はこの問題に対する根本対策というものはないのじゃないかと思う。
それからもう
一つ、これはお願いになりまするけれ
ども、駐留軍の労務者の離職に対する決議案というものを、本
委員会で本日ここで全会一致御採択になっておるようでありますが、と同時に、この駐留策の労務者、特需労務者というものは、占領軍政下に起きた一種の片輪な従業員でありますから、国家に責任がないとは言えない。でありまするから、今日ここで採択していただいたこの決議案というものは、当然特需の労務者に対しても、私は敷衍して解釈していくべきものだと思う。労働省としましても、監督官庁はやはりこの趣旨は特需労務者にも適用するものである。離職者の対策は、やはりこれに準じたものを
一つ労働省が主体になってやってもらうべきものだと思うのです。ですから、私は重ねて申し上げておきますが、幸い今まで開かれなかった日米合同
委員会の調達調整
委員会というものが昨日糸口ができて、今後回を重ねるということになりますれば、労働省が主になって外務省と
一つタイアップしていただいて、今のような従属的な特需産業の雇用
関係を、これは日本の産業政策からいっても、私は非常に遺憾なことだと思うので、
一つ労働省と外務省が主体になって合同
委員会の調整
委員会に強くこの意思を伝えてもらいたい、お願い申し上げておきます。