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衆議院議員(
井手以誠君)
提案者の一人として一言お願いをいたしたいと思います。この
法律案は、実は
衆議院において二つ同様の
趣旨で
提案いたしたのでありますが、これを併合いたしまして、ここに皆様に御
審議をお願いいたしておるわけであります。
私は佐賀県の出身でございますが、筑後川の沿岸におきましては、非常に
罹病率が高いのであります。しかも最近はだんだん上流の方に蔓延いたしまして、ただいま鳥栖
保健所の報告によりますると、旭村の全村の統計では百人に対して四人、部落によりましては百人に対して十一人の
罹病率でございます。これをまとめて何千人という数字は今のところはっきりいたしませんが、これを届出制、その他によって明瞭にしたことはないのであります。症状が著しくなってから初めて入院し、治療するという状態のものでありますので、はっきりした数字はつかむことが困難でございます。せっかく今日まで石灰窒素その他によって
予防措置は講ぜられておりますけれども、ただいまのお話のように、その対策が遅々として進みませんので、蔓延して非常に心配をいたしておる次第であります。先日地元の者が九大に入院いたしましたが、治療費が二十五万円かかるというようなことで、どうしても治療を受けられない悲惨な状態を現地で私は承わったのであります。どうしても皆様方のお力によりまして、コンクリートの溝を早急に完成しなくては、筑後川沿岸の住民が安心して農作業に従事することもできませんし、学童が水泳することもほとんどできないのであります。今学童の水泳は現地におきましては禁ぜられております。あの
地方に参りますと、五尺そこそこの男が非常に多いのであります。それはほとんど寄生虫によるものであり、御存じかもしれませんが、徴兵
制度があった当時には、徴兵よけのためにこの
病気にかかりたいというお願をかけるという話があったのも、そういう
事情の一端を物語るものであろうと思うのであります。
どうぞ皆さん方のお力添えによりまして、すみやかにコンクリートの溝が完成できますように、また
負担率におきましても、地元三分の一、府県三分の一ということでは、一カ市町村一千万円とか、五百万円という
負担では、とうてい必要は痛感いたしましてもたえられない金額でございますので、どうしても国のお力によらなくては、お力を得なくては、この
コンクリート化ということができないわけであります。どうぞよろしくお願い申し上げます。