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河野国務
大臣 少し
お尋ねになっておりますことがこんがらかっておるわけでありますが、私は前回
漁業条約の取りきめに参りました際に、
ブルガーニンと単独に会ったのであります。この
会談の
内容は私は秘密にいたしておりません。これは
漁業条約の取りきめに
関係のないことでございます。その当時の
ブルガーニンと会った話はこうであるということは、帰ってきてからしばしば私はその
通りお話をいたしておるわけであります。それがその後どういうことで間違ったか、領土問題について私がある程度の了解を与えたとか、与えぬとかいうことを言われる人があるのでありますけれ
ども、これは絶対間違っておる。私はそういうことについて了解を与えた覚えもなければ、先方が言うたことはこれこれしかじかであるということを昨日も申し上げたのであります。これは先ほ
ども、私がここにおくれました際に問題になったそうですが、これはその後も、たとえばチフヴィンスキー氏に私が東京で会いました際にも、
議員団と会った際のこれがメモと申しますか、速記録と申しますか、というものを私に見せました。それから私と
ブルガーニン氏と会ったときの、これも覚えといいますか、控えと申しますか、というようなものも、私はチフヴィンスキー氏が持っておるのを見ました。見ましたけれ
ども、これらはいずれもあとで控えに
向うが書いたことであって、その中にどういうふうに記載してあるか、私がチフヴィンスキー氏に、僕が
ブルガーニン氏に会った際にはこれこれしかじかである、この点を
ソ連の方で間違えるようでは話にならないのだということを言いまして、その点を君が
ブルガーニン氏にもう一ぺん確認してもらうことが、
重光さんの
交渉が中絶して曲るのをもう一ぺん復活していくゆえんであるということを、私は最初にチフヴィンスキー氏に話しまして、自来その説を、
ソ連のしかるべき人に会うたびに私は繰り返しておりますが、いまだ一度も、私が
ブルガーニン氏と
会談いたしました私の記憶を申し述べた際に、それはそうではないのだ、という否定を
ソ連側から受けたことがありませんということを、私はしばしば申しております。これは今お話の
通りに、一人で会って、それだから疑惑があるとかなんとかおっしゃいましたけれ
ども、これは一点の疑惑もないのであります。私も
お尋ねがあれば、これは全部申し上げます。ただし今回フルシチョフ氏と会いました際に話し合いましたことは、領土の問題についていろいろな角度から、いろいろな問題の話し合いをいたしました。これは、しかし、明確に
共同宣言として結論が出ておりますから、この
共同宣言によって御了解願いたい。ただし、いろいろの御議論に対しましては、将来を拘束するような約束その他一切はございませんということを申し上げております。」昨日の沖縄その他アメリカ
関係のことについて
松本さんから
お尋ねのありましたことにつきましては、申し上げかねますと私はお答えしたのであって、ありませんとか、ありますとかいうお答えをした覚えはありません。さよう御
了承願います。