○
原参考人 この
臨時税制調査会は、昨年の七月に委嘱を受けまして発足をいたし度したが、それで三十一
年度の
税制の
あり方についての
調査を始めました。それはちょうど夏休みなども入りましたし、それから
材料不足の点もありましたし、もう
一つは、二十八
年度に、別の
調査会でありましたが、その
結論が二十九
年度、三十
年度に
実行されましたものの
実績の
経過、あるいは結果などの勘案もいたしましたので、一応そういうものをにらみ合せつつ、二十数回
代表委員会を開きました結果、十二月の八日に、三十一年分に対して
中間報告と称して
答申書を出しました。そのときに
研究された大
ワクは、やはり今度の
調査会も同じ
委員で組織されておりますから、それが
中間答申になっておるわけであります。三十二
年度の
調査は、すなわち時期がだいぶおくれたのですが、本年の一月の末から始められていたものが、ここにただいま申し上げます
調査会の
なり行きでございます。ただしかし、昨年の三十一年分としてわれわれが
答申をしましたものの大きな柱は、再
検討はいたしましたけれども、大きな変更はなく、それをそのまま実際の面に盛り上げていったという
結論になっております。
御存じの通り、
税制の
あり方というものを、
理論的の面と実際の面と
実施面と数
段階から
検討いたしまして、
日本の現状における
経済情勢、その他あらゆる
角度からの
見方を盛り込みまして、なるべく
実施のできる
——現在の
政治情勢と申し上げたいのですが、現在の
日本の
情勢にあまり離れないものに持っていかなくてはならぬということが趣旨でございます。二十五年から始まりました
シャウプの
勧告による
税制、すなわち、これは主としてアメリカの命令で、数人の
調査団が来て大急ぎで
日本に確立されました
シャウプのあの
税制も、その後実際面に合うようにたびたび
修正されております。その
修正されたものが、また最近には再
修正の面もあるし、
修正の足りないところを直していかなければならない面もある、いろいろそて行きますのがわれわれの任務であります。これはわれわれ
調査会の
委員にも、それぞれ常識を出し合っていただきましたが、なかなか忙しくて集まっていただくひまもございません。
材料の収集において、一応また本
年度四月以後の
税収の実勢などもにらみ合せなければならないものもありますので、本年九月ごろくらいからが実際上の面の
結論が出るという次第になると思います。これが
一般の
なり行きでありますが、そこで、昨
年度考えられましたうちに本
年度も続いておりますこととしては、やはり
税負担が非常に重い。税によって国費をまかなっておる面が非常に多い。それでは、その税のどこが重いのかということに次に入るわけです。その重いことははっきりしております。今度は、その税の重い面がどういうふうに重いか、またその重いためにどんな結果が生じておるかというようなことを
考えていますうちに、やはり
税体系では、直接税と
間接税と、これと関連してやはり
地方税の問題に入りますが、この
三つのものが重くなっておりますから、
調査会はこの三本の柱をだいぶ今
年度が進行してから作りまして、そして
分科会で相談しながら、また
分科会同士の交流もはかりながら進んできて、最近に
起草段階に入っておる、こういうことであります。
そこで今申し上げました
三つの税のうちで、まず昨年から問題になっておりますものは、
戦争前と比較し、また他の諸国の
税制情勢から比較して、
日本はいかにも、ことに
シャウプの
勧告以後は直接税が少し重過ぎやしないか、税として直接税という大きな柱を
考えた場合に、
間接税との
ウエートがどうも重いのではないか、そのうちで組織もいろいろ分れますが、
個人所得税がやはり重い。
法人税も軽いとは申しませんが、一応
個人所得税が著しく目立つ。また目立つばかりでなく、実際にいろいろな御
意見を
国民、
税負担者から聞いておる、こういう
状態になっております。その多い点は、
納税者の数が
戦前と比較して多い。これはいろいろな面から
日本の
経済状態が変っておりますから、この
数字だけからは申し上げられませんが、
税収といら大きな面から見て、どうも
個人所得の方が
国民所得と比較しても重い。直接税中では
個人所得の
税金を軽減する。そうしないとどうも
事業意欲だとか、あるいは
生産意欲にまで影響してくるのではないか。もっと心配すると、何となく働きがいのないような気持もしますばかりでなく、それがために
納税道徳にまで影響してくるので、なるべく回避したい、そんな
考えに入っております。
経理の面からいっても、
交際費だとか、旅費だとか、すなわち
損金勘定に入るものの方に振りかえていって、収入の
増大、
消費の
増大がなかったようなことにする。これは
経理面からの悪影響がある。そういうものを数えてみますと、なかなかたくさんあります。でありますから、とりあえず直接税のうちでは
個人所得税の面、でき得べくんば
法人税、このように直接税に対する
考え方をきめたわけであります。
そう
なりますと、それじゃどの
程度どうするか、こういうことに
なります。これはこまかい問題に
なりますから、いずれ
汐見さんも見えておりますので、後ほど御質問願いたいと思いますが、結局
税源をきめまして、
税源の
考え方が今年の一月や二月ごろではわからないものですから、それで九月の実積が
大蔵省方面から現われ、十月ごろ詳しいものが出て参りましたときは
——本年度に
自然増収が
相当多くあったことも現われて参りました。そこで具体的にどんな
程度直接税のうちの
個人所得税の
減税がはかられるかということを、
数字で
検討することができることになったわけであります。その結果、まあ一応一千億円は
自然増収がある、こんな
見方をいち早く
考えまして、この全体を
減税に持っていこう、国家の
経済情勢の
増大、その他
国民生活の強化からいってそれは半分だけの五百億として、その残りの五百億場をもし
減税にすれば、これがさっきちょっと触れました
間接税の
ウエートをもう少し直接税よりも重くしたいという
考え方、これが昨年の
調査会の
答申にもありました。その面について一応
研究を進めたわけであります。
もう
一つはかねて問題になっておりましたのは、これも昨年の
答申書にあります。すなわち
租税特別措置によるもの、これは必ずしも大
企業だけではありませんが、ほかの
一般税負担者よりも特別の
措置が講ぜられておる
ゆえんのもの、または
ゆえんでないもの、この
措置を
実施しようじゃないか。終戦後
経済もだいぶ正常化したし、一方からいえば
財政も正常化して、税の
整理をやろうというときであるから、これを減そう、すなわちこの面の
検討を重ねました。こういうのは割合に時間がかかりましたが、この面からやはり
初年度二百六、七十億、これは
経済の
情勢の
動き方で変って参りますので、来年では四百億、五百億くらいできるのではないか。今申し上げました
減税額千億というのですから、とりあえずは二百億、そこで
間接税を
推算で二百四、五十億増加することができれば、
増収の五百億を加えて一千億になる。これが一応出ましたが十月ごろでありますから、その後また
自然増収の問題もあるわけですが、これはしかし
個人所得税だけに向っておりますから、やはり
法人税も、これは別段
特別措置が
法人税につながっておるということではなく、別の面において
法人税全体をしても軽からざる
状態でありますから、
個人所得をその
程度で見て、もしいろいろな財源が許せば、あるいはもう少し
法人関係を
考えてもどうかという
意見もたびたび
委員中に出ましたが、そう広い面に向うこともできませんから、今のような点で一応現在の状況は進んでおります。
しかし
法人に対してどうしても何らかしてやりたい、その点から見ますと、これは少し連関しますから私の
説明がちょっと詳しく
なりますが、
法人税も
国税の
法人税と
地方税の
法人に対する
事業税、こういう
法人事業税の面で軽減ができなかろうかということ、その面についてまだ割り切っておりませんが、やはり
法人税を経減する面では
地方税もやっていきたい。そのセンスはこういうこんなんです。どうも
国税は、
中央の
税率は下ったから
一つ地方の方もこの際下げていくということにすれば、
国民も納得がいくのではないか。そのときに何をやるかというと、とりあえずは
法人の面で軽減したいということから、
地方税の中から
法人事業税を減らすということが
考えられたわけであります。この点はまだ
地方税を割り切っておりません。
地方税もたびたび
調査会でやっておりますけれども、まだ
結論を出すに至っておりませんが、そういう希望は持っており、また捨てておりません。しかしこれも
税源のあることがありますから、特に
地方は最近、本
年度あたりから
地方財政の再建を確立する案を立てて、短かきは五年、長きは十五年にわたっての案を立てておるわけでありますから、それがたまたま
国税の
減税によってその
しっぽを背負っていく。すなわち
交付税のごとき二五%、ちょうど千億円の
国税の
減税によってはっきり二百五十億減る。こういう面からどうしても影響がございます。
この千億の
減税の詳しいことを申し上げようとは思いませんが、ことにその
税率の面において今日われわれの
考えておりますのは、今まで数回にわたる
個人所得税の
減税は、
控除率の
増大をやってきた。長い間大体据え置きになっておるといわれております
個人所得税の
累進率を下げていく。従来の
累進率は非常に急カーブでありますために、これなども
生産意欲、
事業意欲を阻止しているのではないかと思いますので、この
改正に力を入れましたから、自然ここに
基礎控除と両方の面から
納税者が減ります。こういう
関係から、その
しっぽが
地方税に参りますから、
地方税も
相当減る、こういうことが見られますが、やはり国が全体として
減税したのであるから
中央・
地方両方税減した形が、われわれとしては税の
公平性からいっていいのではないか。またことに
日本の
法人にかかっておる
税金のうちで
地方で取っている
住民税中の一部、または
個人所得税は必ずしも軽いとはいえませんから、この面の
調整もできればいいということを
考えておったのが
個人所得関係の問題なんです。
これは、必ずしも
個人所得税にぜひ足並みを合せなければならぬというのではありません。そういう行き方が妥当ではないかと
考えておりますが、
税源の
関係で、まだ
実行の線を出しておりません。しかし、
基礎段階ではそうしたこまかい問題には入りませんが、空気はそういうふうにいきたい、こう思っております。
そこでいま一ぺん
国税の
角度に戻りまして、
間接税の問題です。
間接税でわれわれが一番大きく取り上げたいのは、
列国の例を見、またそうあるべき姿だと思っておりますのは
売上税です。ところが
日本は
戦争後
取引高税をやりましたが、
徴税関係その他いろいろな面からその
運用が大へんまずかった。まるで
国民全体におそれられているということなんです。おそれられたのでびっくりして全部よしてしまった。少しでも
しっぽが残っておれば、またそれを築き上げていけますが、何もありませんから、前にそういう
実績があるということで、
一つ新税を作ろうというような形では、
国民に響きますから、なかなか評判が悪い。その上にまたこの
売上税は
大衆課税ですから、
大衆に
課税するということは、一応の決心を要します。
戦争ということがあれば簡単にいきますけれども、それよりも国家的な大切な問題は、
一般の
人たちがこれによって利益になるということでなければいかぬ。
私は直接税を
相当減らすときは、
間接税の中で
売上税をやれるのではないかと思ったのですが、これは二十七人のうちの一人、二十七分の一の
考えですが、昨年はそういう
考えを持っておりました。しかし実際面に当ってみると、あつものにこりてなますを吹く以上のいやがられ方なんです。それはもう
皆さん御存じだと思いますけれども、他の
調査面において直
税係の方で、また
売上高税ができたからといって別に訓練をした
調査員を
国税庁関係は持っておるわけではありませんから、自然にそれが
所得税その他の
調査にからむような
感じを抱かせたということもありましょう。原因はいろいろありますが、今はそんなふうにやられているのですから、それをやる上にはよほど思い切ったことをしなければ、また
実行できないものでは
理想とは言えません。しかし
文明国は、
英米は別ですが、その他の国は実は
相当に取っております。
売上高税については、われわれは妥当であり、やるべきものであり、よけい
消費すればよけい
税収があるわけでありますが、今申し上げましたような国家的な必要に応じた
財政支出が必要である、
国民全体にわたって
社会保障に役立つもの、またはそれに似たものでなければできないのではなかという
感じを今持っております。しかしこれは私の
考え方です。
国民全体の税に対する
考えの進歩というか、
考え方の変化から
実行ができるかもしれません。そこで、
売上税の方はちょっと見送りの形で
列国の
情勢を見てやるべきものである、また取りいいものである。取りにくいという
考え方もありますが、やり方によれば取りいいものであるということは、言えば言えますけれども、これは見送りまして、自然その次に参りますものは
物品税です。
その前に
間接税では、
砂糖消費税とか酒税とか、これは準
間接税でありますけれども、
専売公社の運営しているたばこの
関係のもの、あるいは
揮発油税などがあげられます。酒については、
相当上げて参っております。今
消費は
戦前の
状態に達していないとは言えますが、酒についてはもう上げられないのではないか。むしろ現在のものを
整調していかなければならないという
考え方もある。そういう点から、この面でもうあまり取れない。それから
砂糖も数回上げて、昨年も上げております。
砂糖消費税も
消費税としては大体重いものになっておる。
ガソリンの方は、今度率を上げますが、
道路建設関係の
道路税の値上げの
関係がありますから、これはすぐわれわれの方で今
考えておりまする
減税のファンドには使えない。
ところが、今申し上げましたいろいろの種類の
間接税の
税率などから
考えますと、
物品税は、中には
消費的なものは三〇%、五〇%という高いものがありますが、その他のものは低い。のみならず、これは
理論づけるのではありませんけれども、従前は、大体において
物品はみな少く苦んでおったが、近ごろは
経済情勢がよくなって
相当そろい、ものの
消費も、堅実であります。けれども、比較的ふえておる。やむを得ず、どうも
理論はないが、
物品税の
増徴——増徴というのは、旧来の
品物に対してリベートをふやしますから、これは
整調という方向に
——高過ぎるものもありましょう。今までのものも、私から見て、ちょっと無理なものがあると思いますけれども、それをどの
程度まで
増徴で上げるかの面、すなわち
税率の
免税点の低いものを高くするなどの
整調、ほかに従来の
物品税とにらみ合った形のもので、一応耐久的の
消費について、これを
一つ上げていこうじゃないか、こういう案が出ております。これは非常にむずかしい問題で、
理論がない。どの
品物が妥当かということは言えませんしわれわれの
委員会でその
品物を一々取り上げて、何をとろうか、何をよそうかということは言いかねますが、
原則を何かできるだけ早く発見したい、これを
実行の行政の方に回したいということが
考えられます。しかしちゃんとはっきり線が出ればけっこうですが、出なければ、時間もないし、そういうことで、
間接税の問題は見送っていこう、こういうことになっております。
それでもう
一つ税源に
考えられております
初年度四分の一、二百五十億、現在は二百七十億五千万円見ておりますが、これは
推算でありますが、その
程度初年度でその面から融資をしてほしいという
特別措置の
数字項目の
整理。これはこまかいことは御質問によって申し上げますが、大体一番大きな
数字は、
利子の
非課税。これは時限的なもので、やむを得ないものは延ばしますが、時を限ったということは、そのときまでなら一応よかろうという初めの取りきめであった。推定としまして、これは
期限のあるものはよそう。やむを得ないものはつけなければならぬが、せっかくここまで
特別措置をやって、
税制によって仕事を援助しておるものを、大切なときに切ってしまうということは、かえってやらざるにしかずということになるおそれもあります。そういうものは特別に延ばしてもらおう、大体そういうことに
なります。
それからもう
一つは、
利子がやはり時限的になって、
非課税が
相当の額になっている。これに
一連の
配当金を出す、これは同じ理由からやめていこう。こういうものが七
項目ほどに分れまして、たとえば
貯蓄奨励の
利子問題、それからもう
一つ資本の充実のために
考えておりますが、増資に対する問題、これはもう来年一月三十一日の
期限で、この
一連のものは、今後やるとしても一応やめていこう。
その次に起ってくるのは
内部保留の問題、これが数
項目に分れております。中には繰り延べというものもございますが、これはいろいろ
調整してやっていこう。それから従来やっておりますうちの
企業の
近代化または
設備投資の
奨励をやっておるとか、償却の点でやっておりますものは残しておくし、都合によっては特別な
機械設備、あるいは
化学工業などについては、もう少しこれはふやしてもいいのではないかという
考え方を持っております。その次に起って参りますのが
輸出奨励の問題、この
三つの問題があります。みなこれは時限的になっております。そのうちの
輸出所得の
控除の問題だけは、これは来年の十二月三十一日になっておりますけれども、これは
法律が間に合わなくても少しこれを延ばさないと、ガットの加入の
関係などで、まだ十分な用意ができていない国もありますが、そういう外国との
準備なりもありますから、この点
日本は現在の
輸出増大に酔わないで、この点だけ
控除は延ばしていこうという
考え方を持っております。
その次にくるのは、大正二年からあるといわれている
重要産業の助成、これは現在四十四
項目助成されております。この問題はいろいろ議論がありましたが、一応これは
原則としてよそうじゃないか。しかしながらすでに
法律で許されているものの
経過的なものはいいが、ただ、今までの
運用が必ずしもよろしくないという点があるので、やるとしてもちゃんとした
ワクをきめて、
期限のごとき、または増設の際のごとき、または増産に対する援助のごとき、こういう面をよく
検討してやれるような
制度にするということにいきたい、こういうことであります。
その他
特別措置としては、
米穀代金の売り上げに対する一応の
免税がございますが、また
財産取得に対する問題とか、飛行機の
ガソリン税の免除の問題とか数
項目ありますが、金額が多いから取ってしまえ、軽いからよしてしまえということではないのであります。今申し上げた方針のもとに
特別規定を設けていくということになっております。
これはもうその中に入っておりますが、まだきめなきゃならぬものがたくさんあります。大ざっぱに
内部保留と申し上げましたが、この
項目のごときも、そのうちには
退職手当の問題、
価格変動準備金もありますし、
貸し倒れ準備金の問題もいろいろございますので、これが
実行面では、
皆さんにそれぞれ御
研究願うと思いますが、私
たちでは私
たちなりの
研究をしたものを、できるだけ今度の
報告には詳しく書いて、そして漏れなく
一般国民に対してわかりやすい答弁を作りたいと
考えております。
そこで、今直接税、それから
間接税の
減税の問題、この
関係からくる
地方税の
調整の問題がありますが、私
たちが
税制の問題を
考えるときには、むろん国、
地方を通じての
税制の問題の
妥当性を確立する、
負担の不均衡をなからしめるということが
原則であります。しかし
地方では
税収が非常に少い。これを
理想として
考えてみれば、釈迦に説法でございますが、
地方は
地方として収支の確立ができれば、それに越したことはない。この点は、
地方制度に関する
調査会の
制度調査、その方とにらみ合せなければ、われわれの
税制の面だけでは
考えられない。こういう点から、今とりあえず現在の
制度によって妥当なものを求めたい。特に昨年から問題になっておりますのは、
地方団体の中には
富裕団体と
貧弱団体、
交付団体と不
交付団体がある。すなわち、今申し上げました
交付税をもらっていない
団体、これは主として大きな都市数個でありますけれども、このほかは、
法人事業税などで
地方でも
控除率やその他の
措置は都府県でやっておりますけれども、その辺が自然にふえてかさんでくる。これを何か
調整する必要があるのではなかろうか。
一体地方団体四十六というものは、みな同じような
文化設備もしなければならぬし、
社会施設もしなければならぬし、同じような形でもっていかなければ、国全体としては
考えられない。でありますから、そういう
貧弱団体と
富裕団体のあることは、そこに住んでおる
住民の保護をしていくという点において非常に問題がございます。これは
税制の面ではございませんが、
一般の
国民として
考えていかなければならない。同じような
利害関係を持つことに
なりますから、この点は
地方制度調査会に譲らなければならぬ点もありますけれども、
税制の面からも
考えていかなければならぬ、こういうことであります。
もう
一つ、これはちょっと大きな問題であって、昨年からことに
所得に対する
課税の不平均ということをいわれておるのは、
農業課税の問題であります。
農林業に対して税をかけたらどうかというのは、これはこの前の
中間答申にも簡単に触れられております。これは今度もたびたび
検討いたしました。やはり
売上税に似た性質のもので、さて
実行の面においてどうか。
税制としては公平妥当ということが重要でありますが、
勤労所得、また
営業所得、あるいはその他の事業をやっておる人から見ると、農業
関係の方では、農業に対しての
事業税というものがないわけであります。中には、農業県のごときは、その県の施設は、かえって農業家に対して充実した政策を
実行しておるにもかかわらず、県として、県税としてのものがない、こういうことがあります。そういう点でだいぶ問題があるわけなのでございます。これも今の
売上税と同じようにやらなければならぬということであって、税の均衡を保つためには、
税制としてやるべきものだということで割り切っておりますけれども、
実行面においてどうかということで、
報告書には、われわれの
考え方は書くことになる、こう思うわけであります。その他こまかいところは、
地方の問題としては小さな問題でありますけれども、基地
関係の
税収の問題とか、あるいは最近に新しく問題にされている消防施設税の問題とか種々ございますけれども、これは小さな問題ですから、私からの大きな
ワクの
説明にははずしておきたい。こう
考えるわけなんです。
汐見先生は副
会長をやっていただいておりますけれども、
税制研究会の
会長で、
日本のそういう
研究では権威のあるお方でございますから、今度はいろいろ御
調査を願っておりますから、詳しいことを、あるいは補足をしていただきます。
汐見さんからお願いして、一応私の御
説明は終りたいと思います。