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青山説明員 ただいま
松田先生から御
指摘いただきましたけれ
ども、決して私
どもは
法律をはき違えているつもりではないのであります。ただ、確かに
金利の点で、
北海道の
特殊事情というものをよく
考えなければいかぬということは当然でございますが、全体の
政府金融機関の
金利の
あり方の一環として、いろいろ
議論をいたしました。それで、国会の御
意見も、その場合に、われわれとしては十分尊重していくつもりで、打ち合せをいたしたわけでございます。先ほど御
指摘がございましたように、
開銀と比べたらおかしいじゃないかという
お話もよくわかるわけでございますが、
中小企業の
金融機関には、
中小企業金融公庫というのが別にございまして、これが
九分六厘で
長期資金を出しております。大体一口二百万くらいの平均になっております。それらの
機関もやはり
北海道において
融資を行なっているわけでございます。そういう全般的なバランスと申しますか、
中小企業に対する
金利との関連もございますので、極力その中の一番低いところにきめたい、こういう
趣旨で、
九分にいたしたわけでございます。従いまして、今後
金利水準というものは刻々動くわけでございます。そういう場合には、当然また再検討いたすわけでございますが、ただいま
松田先生から御
指摘いただきましたことは私も十分
考えまして、今後においても極力御
趣旨に沿うように
努力して参ります。全般の問題でございまして、私個人だけではどうにも
なりませんので、その点は
一つ御
了承願いたいと思います。
松田(鐵)
委員 もう
一つ、くどいようでございますが、ただいまの御
答弁からいくと、そごにまた誤
まりがあると思うのですよ。
中小企業の
金融金利か
九分六厘だ、これが
九分だ、ずっとサービスしているのだ、こういうように聞えますが、これが大きな誤
まりだと思うのです。
中小企業の金は、三年か五年、七年もありますが、そういうことで、百なら百という
事業や商店をやる
ために、そこにおいてその
融資をはんとうに活用する
ための二百万
なり幾らなりということで、必要な
資金を借り得るのであって、これは
政府が
日本国じゅう全体の
中小企業に対する
育成をする
ために行なった
金融機関なんです。ところが、ただいまの
議論からいきますと、
出資することができるという
北海道の特殊な
金融機関、この点は、よその中小
公庫ですか、これがいかなる
理由を持ったところで、
出資はできないのです。その
出資のできないところに、現在の
公庫の、
北海道のみに限った
産業を助長していかなければならないという
特殊事情を
考えたものと、全国一律の
中小企業に対する
融資と、根本的にそこに誤
まりがあるわけなんですね。こういう点は、私が
議論を申し上げなくても、あなたの方はわかっているのだけれ
ども、ここで上手に言いのがれしておかなければ都合が悪いということならば、それは別でございますが、そういう点、私
どもとすれば、そういう
考え方でいかれるということになれば非常に困るということを申し上げて、将来十分お
考えおきを願いたいと思う。ここで、とことんまであなたと私と
議論したところでしょうがありませんから……。
そこで関連して聞きますが、先ほどの五号の、「
主務大臣の
指定するもの」ということからいきまして、一例をあげますと、
北海道機械貸与株式会社というものがある。これは
一つの例ですが、この間私のところに
陳情があったんだ。こんなことは
大蔵省が簡単に割り切ってやってくれるはずだ、
公庫の
理事長は一体何やってんだといって、電話でもって文句言ったところが、どうも
大蔵省はそう簡単にいかないのですよという話で
——これは
ほんとうは私の
本家の
だんななんです。その
松田理事長なるものがそういう
言葉であったので、僕は意外に思った。当初から、この
公庫法を
議論する
意味において
——北海道の現在の
土建業者はどのようになっておるか、
北海道の
土建というものは、ほとんど半年より
仕事ができないのではないか。そうして非常にそれの
資本が脆弱だといおうか、大きな
事業は、
内地の一流の
土建業者がどんどん来て、
北海道に進出しておる。どうしても
北海道の
事業としても、安いものを入れるようになる。はなはだしいのは、
農林省なんかにおいては、
土地改良をして、二十億だかの
事業をやったものでなければ、
北海道の
土地改良の事実に対して指名をしない、というような無法なことまで言っておる。
農林省が言っておるのか、道庁が言っておるのか……。一々
内地の
人々が、要らない経費をかけて
北海道まで来て
仕事をしなければならないか。そんな
土地改良くらいのことは、
北海道の
土建業者が
幾らでもやれるものがある。ただ
機械が足らない。その
ために、ブルドーザーをかりに十台買うということになれば、四千万
なり五千万
なりの金がかかる。それが固定する。そうすると、だんだん率が高くなっていくのじゃないか。そこで、僕が
開発庁の政務次官の当時、こういう
法律を作らなければならない、よって君らがわずかずつの
出資をして、
機械貸与株式
会社なるものを作って、全部の
土建業者に均等に必要な
機械を貸し与えて、
機械貸与をすることが
北海道の
土建業者の
育成になって、
失業者ができないようになるのじゃないか、こういう点からいって、どうしても作らなければならぬということで、
開発庁の
庁議でもって、
大久保大臣もそれについて
了承を与えて、作り上げようとして、せっかくやったものである。この経過をあなたは御存じないのです。また
開発庁も、それまでに
説明しなかったかもしれぬ。私は
一つの
業者から頼まれてやるのではなくて、私
どもの
開発庁の
庁議として決定してやるべきだ、それが
北海道の将来の
ためになるんだという
ことで、やったわけなのです。そこで、これには当然
融資ばかりでなく、
出資もすべきであろうということを前に
開発庁として
考えて、
事業を奨励したわけなのです。ところが、それが私の方の
本家の
だんなから言わせても、何だかさっぱりわからないし、それから今度
開発庁の方へ、あれはどうなっているのだといっても、
加治木さんよりも
青山さんはもっと渋いのだ、こういう
お話なのです。私渋いか、辛いかわからないけれ
ども、
特殊金融課長ともなったら、将来は必ず
銀行局長になる人であって、そういう人がそんなに渋いことはないのだ、君らの
説明が足りないのだということで、僕は
開発庁に向って言ったのです。もうとうに桑原君などは
局長になる人だけれ
ども、もうそれでもって
局長は飛んでしまっている。そういうことであって、こういう種類の
事業なるものが、将来必ず
北海道でもって大きく出てくることは私は好ましいと思う。そうでなければ、とても
北海道の
開発はでき得ないと思っている。そこで
説明が足りないのであったら、うんとしぼって
説明を求めた方がいい。何かまたそこに
考え違いがあるのか、こういうことで、私は
陳情を受けた、というよりも、私の時代において、それをやるべきだということで、
開発審議会においてもはっきり明記してやっていった
事業であって、それが
北海道の
ためにいろいろな有意義な問題になるのだ、こういうことですが、
内地の
土建業者を保護する
ために、あなたの方では渋っているというのなら、これはまた別だ。
北海道の
土建業者も、
資本の足らない点を
開発公庫のお金でもって充実していくように、安い
仕事をやらせて、
北海道民の
利益になるというお
考えを持っておったら、直ちにこんなのは、渋い顔をしないで、割り切ってもらいたいと思うのです。これは
一つの例ですが、こういうことに対して、将来
北海道の
開発の
ために、まだまだおもしろいことが出てくるのです。これも
一つの面ですが、今各町村が
出資をして、
農林省の
土地改良に対してもっと推進すべく、公社のようなものを作って、
政府の
公共事業費ばかりでなく、
土地改良をやっていきたい、こういうように冷害を契機として、農民また自治体が、非常に真剣に討議しておる問題もあるのです。そういうことに対しては今直ちに
利益は上らぬ。上らぬけれ
ども、将来非常な
利益が上ってくることがもう約束されておる。こういうものもよく御理解願えるようでなければ、せっかくの
公庫が何にもならぬではないかと思うのです。これは
一つの例でありますが、どういうお
考えを持っておりますか。