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1956-11-21 第25回国会 衆議院 国土総合開発特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年十一月二十一日(水曜日)    午後一時四十四分開議  出席委員    委員長 廣川 弘禪君    理事 川村善八郎君 理事 薄田 美朝君    理事 松浦周太郎君 理事 松田 鐵藏君    理事 小平  忠君 理事 竹谷源太郎君       伊藤 郷一君    林  唯義君       本名  武君    永井勝次郎君       三宅 正一君    門司  亮君       森 三樹二君  委員外出席者         総理府事務官         (北海道開発庁         副主幹)    桑原 幸信君         総理府事務官         (経済企画庁開         発部長)    植田 俊雄君         大蔵事務官         (主計官)   松永  勇君         北海道開発公庫         理事長     松田 令輔君         北海道開発公庫         理事      岡田 包義君     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  国土総合開発に関する件(東北開発及び北海道  開発公庫に関する問題)     —————————————
  2. 廣川弘禪

    廣川委員長 これより会議を開きます。  国土総合開発に関する件について議事を進めます。昨日に引き続いて北海道開発公庫に対する問題について質疑を続行いたします。本名委員より発言を求められております。本名委員
  3. 本名武

    本名委員 開発公庫にちょっとお伺いいたします。昨日は投融資の申し込工総合開発み受理並びに貸し出し状況の御報告があったわけでございますが、二、三点それに関連してお伺いしたいと思います。その前に、昨日は業種別承諾額と実際の貸出額の御説明があったのですが、その業種別の中で、もう少し評しく、これは貸出先は必要ありませんけれども、どういう企業にどのくらいということが、もしおわかりになったら、今すぐここで伺いたい。
  4. 松田令輔

    松田説明員 過去のこまかい業種別の数字はただいまここに持って参りませんが、後刻書類にいたしまして、御報告いたすことにいたしたいと思います。御了承願いたいと思います。
  5. 本名武

    本名委員 実は、昨日御説明がありましたが、開発公庫の本来の使命は、日浅くして全うすることはなかなか容易じゃないことはわかりますけれども、すでに開設以来半年近くたっているので、大体においてこの開発公庫投融資の行き方というもの、特に本来の使命に対していろいろ御検討なさっていると思いますが、そこで何といっても北海道開発の緊急かつ重要性から見まして、なるべく一般金融べース、さらに政府機関金融ベースに乗らないものにも一日も早く投融資をいたしまして、開発促進することが公庫使命一つであると考えてきますときに、今日までの経験から推していって、それならば、最初われわれが審議をし、さらに公庫貸し出し計画内容についていろいろ論議をしたわけでありますけれども、その中において、公庫で今日の経済情勢あるいは資金効率、その他の情勢からして、そういった重点的な方面に手の及びにくいようなことが、事務処理上起きていないかどうかということを、まず第一の問題としてお伺いしたいのであります。と申しますのは、一例をあげますと、たとえば北海道産業開発の基本として、どうしても北海道地下資源調査をしなければならない。あるいはまた、あれだけの林力を持つ林業に対して従来のような工業ケースでは、とうてい開発促進並びにその効果を十分に発揮することができない。ここに画期的な新しい高度の化学工業をやらなければならぬ。しかし、これをやるにいたしましても、地下資源調査にいたしましても、林道開発の新規の国土開発にいたしましても、これはやはり引き合う事業でなければならないということが第一だと思います。開発公布社会事業じゃないので、やはり回収考えなければならぬと思いますが、そういう点からいって、やりにくい点を今日までお気づきになっていないだろうか。そこで、たとえば過去の地下資源調査のごときも、おそらく地下資源調査については、最初会社をこしらえて、その会社に対して投融資をするというように私は記憶しておるのであります。この重要な北海道地下資源調査というものが、今日のままの運営でいって果して全うされるかどうか。私は北海道地下資源調査というものは、むしろ公庫がやるべきじゃなくして、もちろん民間企業だけにまかせるべきじゃなくして、大蔵省一般会計から公共事業費の一端をさいてでも、やるべき事業だと考えておりますけれども、今日の財政状態からしてなかなか容易じゃない。幸いに公庫の大きな使命一つとしてこれを取り上げておるのでありますが、私は、この際ぜひこれを促進させたいという考えを持っております。そこで、今日の現況において果してこれが促進されるかどうか、まずお聞きしたい。
  6. 松田令輔

    松田説明員 お答え申し上げます。  第一点の貸し出しの上において、現在の公庫組織陣容等においてどの程度仕事ができるかという点でございますが、御承知のごとく、公庫はこの七月に出発いたしまして、ようやくただいま所定の定員を整備いたしたような状態であります。それも、全部で職員五十名を持っておるのであります。従いまして、ただいま受けつけております申し込み処理も、なかなか楽ではないのであります。この公庫設立の際に、中小企業に対する融資のことについてもいろいろ御要請があったやに私ども承わっておるのでありますけれども、ただいまのところでは、多数の中小企業に対する融資等は、今の陣容程度では、ここ当分はなかなかむずかしいかと存じます。現在申し込みを受けております一日一千万以上の貸し出しという程度事務処理にも、かなり追われておるような状況でございます。それから第二点のお尋ねがありました、国家的に必要なる事業であり、しかも必ずしも民間採算ベースにおいては困難であるような事業、これに対する公庫としてのなし仕ることでございますが、この融資の面におきましては、期限、利率、回収の時期というよりな諸般の定められたる条件がありまして、これはやはり民間採算ベース」乗るものでなければ、この融資条件を満たすことは困難だと思いますけれども、別途政府出資の範囲内において公庫出資をいたすことができる旭が開けております。ただいまお話のございました地下資源調査等のごとさ、今後はもしこれの計画が立ちます上は、この出資対象等としては適当ばものではなかろうかと私ども考えしおる次第でございます。
  7. 本名武

    本名委員 申し込みのある者を審査して、公庫の目的にかなうものであり、適格であれば、融資するのは当然とありますが、後段の、必要な事業でのるけれどもベースに乗らないとか、あるいはいろいろな条件が整わないために出資もできない、融資もできはいことは、やはり公庫使命を全うする上に、一つの大きな問題であろうと思います。そこで、私は開発庁にお伺いいたしますが、今たまたま地下資源調査の問題を取り上げたわけですけれども開発庁は公序を指導、監督する立場からいいましても、こういった一つの重要な使命を果すために、そこに隘路があるとするならば、積極的にこの険路を打開していくことが、開発庁としての仕事ではないかと考えられるのです。たまたま地下資源ばかりを取り上げましたが、時間の関係一つの例として申し上げるので、これを実現するためには、どうしても一般公共事業費ではまかなえない、さりとて、民間企業ではとうてい採算ベースに乗らない、しかも北海道としては重要な、かつ緊急を要する事意であるとするならば、これを公庫責任において投融資をさせてしかもその回収において不安なからしめ、開発促進するために、立法措置を講じてこの投融資事業促進するというようなお考えはないかどうか。もしないとするならば、おそらく日本の今日の情勢では、三年や五年、りっぱな開発計画があったとしても、なかなか容易になされないのではないかという懸念から、そういうような御計画、御考慮があられないかどうかということを、ちょっとお伺いしておきたいと思います。
  8. 桑原幸信

    桑原説明員 ただいまの点についてお答えいたします。そもそも政府関係金融機関というものが、出資事業という事業項目を始めましたのは、北海道開発公庫が初めてでございます。そこでいかなる事業出資させるか、出資方法はいかがあるべきかということにつきましては、目下検討中でございまして、たとえば当初の考えのように、業種別金利差を設けるために、公庫がある程度出資をして、金利を低めるために出資という事業をやらせるとか、あるいはさらに一歩踏み込んで、出資によって、相当程度目の金を寝かしておいてもいいというような方向で出資をさせるとかいう問題点がいろいろございます。そこで最近開銀などについても、出資業務について通産省、大蔵省でもいろいろ議論をしておるようでございますが、われわれとしても、御説のような地下資源開発会社というような構想の場合には、相当長く出資金を寝かせなくてはならぬということになれば、あるいは法律の制定というような問題も考えなければならないのではないかというようには考えておりますけれども目下出資業務につきましては、大蔵省方面ともせっかく研究中でございまして、いずれまたいろいろお諮りせねばならぬ時期が参ろうかというように考えておる次第であります。
  9. 本名武

    本名委員 大体今のお話では、別に変った意見を聞くことはできなかったのですが、もとより資本が固定するために当然考えられることは、回収が果してつくかどうかということもあろうかと思うのであります。これは前段申し上げたように、国の責任においてやるべきことなんですから、法律によって開発公庫が投資した場合には、回収に対しては心配がないというだけの裏打ちをしてやらなければ、いつまでたってもこれはできないと私は思う。そういう点から、一つ積極的に来年度投融資計画の中には、ほかにもありますけれども、この程度の基本的な北海道開発の重要な問題に対しては、開発庁は進んで立法措置、あるいは株式会社法を制定するなり、その他の方法  によって、積極的に開発公庫事業促進されるようにはかることが必要で一あろうと思います。今のお話通りにぜひ促進をしていただきたい。  その次に少し小さい話になりますが、公庫にお伺いいたします。初めてできたので、北海道産業界では非常に関心が高い。高いだけに、いろいろな申し込みがあろうと思いますけれども、中には、当然一般金融ベースに乗って資金が獲得できるものもあろうと思いますが、たまたまこの公庫ができたために、同じ業種、で同じような人で申し込みが重複して、地域的やあるいは北海道産業構造からいって、資金効率あるいは企業の成績、結果などを考えると、ちょっと不審に思われるようなものでも、非常に申し込みが多い。そのときの判断は、それぞれ合理的に科学的に、金融機関としてのお立場から検討はされるでしょうけれども、そういうことを言っては悪いですが、いろいろと政治的な圧力があるとか、あるいは第三者の、圧力によってこれが左右されることなく、公正に御判断されると思いますので、私はそのことに対して決して公庫の行き方が悪いと言うのではない。ただ問題は、そういうふうな競合的な申し込みがあった場合に、公庫がそれを検討なさることを非常にちゅうちょなさる、あるいは調査のために非常に百時を費す、そういうようなことのために、せっかく開発促進するために融資すべき金がおくれた、それで一つ企業が一年おくれ、二年おくれるようなことによって、いい結果を生むものも、あるいはそれが得られない。さらに競合に対する産業意欲を適当に調整することができないために、逆に資金をよそから引っぱり出して、乱立の結果、産業界にひびを入れるというような結果になりはしないか、こういうことも事務取扱い上はありはしないかということを懸念いたすのであります。従って、わずかの人数処理なさるのですから、時同はかかるでしょうけれども、そういった申し込み競合とか、あるいは地域的な産業の配分からいって非常に資金効率が低下するという憂いがある。信用がある、ない、その申込者信用程度というものけ、これはもう調査なされば、すぐわかること、ですが、開発院必要でありながら、そういうケースが生まれたために、融資がおくれるとか、ちゅうちょするとか、あるいは、留任のために、よけいな日時がかかるとかいうようなことによって、投融資がおくれた場合に、北海道のようなああいう経済条件の悪いところでは、非常に影響が大きいと思う。せっかく、かりに融資しても、その効果が十分に上らないというようなことが起きはしないかということを心配するのですが、そういう点について、この受付から貸し出しまでの間の事務処理について、今日まで何か不便なこと、不都合なことがあるか。ありとすれば、私はその隘路を打開していかなければ——公庫事務取扱いその他についてやりにくいところがあれば、それを打開していかなければ、たとい額の大小は別としても、開発のために使う資金というものが有効に迅速に使われないと思うのですが、開発公用申し込み受付から審査貸し出しに至るまでの取扱い上に何か不合理、不都合、あるいは不便なことがあるか、ないかということ、あったら簡準にお知らせいただきたい。
  10. 松田令輔

    松田説明員 この申し込みを受け付けました場合は、でき得る限りすみやかにその処理をいたすべく、最善努力をいたしておりますが、ただいま受け付けておりますものは、おおむね九月以降の受け付けになっておりますけれども、今日受け付けておりますものの処理は、おそくとも、全部の処理年度内に解決をつけるように努力いたしております。ただ先ほどお話しになりました業種によりましては、ある地域、もしくはその地域を異にして競合するものが多い場合等もございます。それらのときには、われわれの立場といたしましては、何といたしましても、やはり金融機関の与えられたる責任の見地からこれを審査いたしますけれども、別途これらにつきましては、やはり行政指導の面もあると存じまして、その方面の意向も聴取しつつ、その間の処理はなるべく実際に適して、そうして資金効率のうまく参るように、またその企業といたしてもうまくいくように、配意して参りたいと思っております。二、三さような業種もございまするけれども、これらは私どもとしましては、繰り返すようでございまするが、金融機関に与えられたる役割でこれを審査判断をいたしまするけれども、別途行政指導の面もございますると思いますので、その辺もただいま聴取いたしつつ、なるべく早く解決いたしたいと、かように考えております。
  11. 本名武

    本名委員 今伺いますと、別に私の心配したようなことはなさそうであります。そこで公庫以外の金融機関からも、相当北海道産業に対して、あるいは開発に対して、資本が投下されるわけですが、どうか公庫としての本来の使命からいって、五十人の少人数でコストを低下させるために努力なさることはけっこうですけれども、時期的におくれることのないように、御努力をしていただきたい。私、一応これをもって終ります。
  12. 廣川弘禪

    廣川委員長 開発公庫に関する質問ございませんか。——竹谷君。
  13. 竹谷源太郎

    竹谷委員 北海道開発公庫法が実施になりまして、七月一日からこの公庫が発足したと思うのでありますが、北海道開発公庫組織なり人事なり、あるいは店舗、事務所というようなものをどこへどんなふうに設け、その陣容等はどんな規模のものであるか、概要を一つ説明をお願いいたしたい。
  14. 岡田包義

    岡田説明員 私よりお答え申し上げます。組織は、本店札幌市に置きまして、支店東京に置いております。理事長一名、理事三名、監事二名でございます。それから一般職員は、合計いたしまして五十名の定員でございます。組織総務部業務部資金部、この三つでやっております。
  15. 竹谷源太郎

    竹谷委員 大体その陣容で一カ年継続して、その五十名という定員でいくのであるかどうか。また年度半ばになってから、ふやすようなことはないのであるかどうか。また明年度はどうするかということ。それから現在は五十名の定員であるとすれば、その人件費なり物件費なり、運営に要する経費はどれくらい一年にかかるか、それをお伺いしたい。
  16. 松田令輔

    松田説明員 現在の五十名は、本年度の八十億を処理するものとして当初きめられた定員でございまして、昨日も申し上げましたごとく、本年度計画ワクはこの五十名をもっておおむね処理し得るものと見ております。ただし来年度予算といたしましては、百四十億のワクを私ども要求いたしておりますが、これを遂行するためには、現在の五十名をもってしては困難と考えます。大体現在の人員の倍を今の予算では要求いたしております。そういたしまして経費でございますが、ごく大まかに申し上げますと、これは人件費物件費その他関係する諸経費を合計いたしまして、五十名の場合には、そのほかに役員が別途入りますので、総計いたしますと、五十名と申しますときは約五十六名になり、六十名近くなるわけでございますが、その場合には、一人当りおおむね百万円、年間にいたしまして約六千万円くらいの経費に相なるかと考えております。職員百名になった場合は、役員とかそのほか雇用人等がありますので、約百二十名くらいになるかと思いますが、その場合は同一の比率によりましておおむね一人当り百万円、年間一億二千万円程度経費になるものかと、かように考えております。
  17. 竹谷源太郎

    竹谷委員 本店支店の改修なり、電話料なり、いろいろ費用が要るわけでありますから、一人百万円になるのでしょうけれども一般役員ではない職員事務員平均給は、今大体どれくらいでやっておりますか。
  18. 松田令輔

    松田説明員 職員平均給は、おおむね現在の公務員ベースをもって予算は定められております。しかし、これは人数が非常に少い関係上、公務員平均単価で全体を律することには非常に困難を感じております。人数が五十名——百名から二百名となる場合はともかくも、五十名あたりでは、ほぼ今の公務員並みベースできめられておりまするけれども、これにはかなり困難を感じております。役員給与政府関係付属機関一般の例に従っております。
  19. 竹谷源太郎

    竹谷委員 次に本年度は、事業計画によると八十億円の資金をもって仕事をやるとなっております。政府資金十億、財政資金三十億、債券発行四十億、合せて八十億円の資金をもって金融に当ることになっておりますが、これらの資金は、現在全部払い込むといいますか、こういうものが収納されているのであるか、あるいは年度内にどれくらい入ってくるものであるか、それを承わりたい。
  20. 松田令輔

    松田説明員 お等えを申し上げます。政府出資の十億はすでに全部受け入れました。それから資金起用部の借入金三十億につきましては、おおむねこの一月一ぱいくらいで全部借り入れることに相なるかと予想いたしております。それから社債につきましては、現在のところでは七億程度のものを年度内に発行することに相なるかと考えております。ただし貸付の事務処理といたしましては、作品も申し上げましたごとく、七十六億の事務処理をいたすわけでございます。
  21. 竹谷源太郎

    竹谷委員 現在まで入っておる金はどれくらいです。
  22. 松田令輔

    松田説明員 資金運用部の借り入れば、今日のところでは九億五千万円借り入れる予定であります。
  23. 森三樹二

    ○森(三)委員 ちょっと関連して。さっき竹谷君が組織とか公庫職員定員、あるいはまた給与等について質問されたのですが、私の聞くところによりますと、理事長とかあるいは理事給与というものが、相当上回っているというようなことを聞いているのです。聞くところによると、理事長が十五万円とか、普通理事が十万円とか聞いているのですが、そういうことも私ども、はっきり知りたいと思うのです。  それから昨日公庫に関する報告が大体なされたのですが、委員書面一つの配付も何もなかった。これは私はまことに遺憾だと思うのです。これはぜひとも、現在までの公庫発足組織とか、陣容とか、貸し出し概況も、当然書面をもって当委員会委員に配付さるべきものだと思うのです。昨日口頭をもって発表されたそうですが、われわれは委員会速記録でも見なければ、来ない人はわからない。どうしてそういうような事務上の怠慢をしているか、私ははなはだ遺憾だと思うのです。  さっきの竹谷君の質問に関連して、理事長、それから理事幹部クラスの給料というのはどれくらいか、あるいは交際費というものもこの際明確にしておかなければいけないと思うのです。それは、あなた方は自動車なんかも何台ぐらい使っておるか。聞くところによると、そうした面において相当支出の乱費があるということを聞いておるのですよ。われわれがせっかく作った公庫が、その面において乱費されて、また汚職の端緒を開くようなことがあるならば、これは私は非常に遺憾にたえないと思う。理事長からその点を一つ明確にしておいていただきたいと思う。
  24. 松田令輔

    松田説明員 お答え申し上げます。理事長の月俸は、ただいまお話し通り十五万と定められてあります。理事は十万、監事八万でございます。これはおそらく現在の各付属金融機関一般の例に従ったものではなかろうかと想像、たしております それから交際費の問題でございますが、これは本年度年額で五十万円となっております。これも他の付属金融機関一般の基準で定められたものかと想像いたしております。自動車東京において一台、札幌本店において二台でございます。御注意の点は私ども経営に当る者としまして注意して、この上とも最善を尽したいと思いますが、経費貸し出しに対する率というものはおのずからありまするけれども公庫はただいま申しましたごとく 今年発足いたしましてま貸し出しの初期でございますので、今日の貸し出しの額と現在の経費の率というものは、これはほかの金融機関と比較いたしますれば、かなり高いと思いまするけれども、各機関とも出発のときはさようでありますがこれは年とともに低下して参るものと存じます。また私どもの方としましては、ほかの金融機関に比較して低くなろうとも、高くならないようには最善努力を尽していく所存でございます。
  25. 森三樹二

    ○森(三)委員 今御答弁がありましてほかの金融公庫等の例があると言ったのですが、私はやはり資本金、出費の額その他、そういうものとにらみ合せて、かなければならぬので、当初からほかの資本金出資額の大きいものと同額にきめられていることが、果して、妥当であるかどうか疑問を持っている。それを準拠されたというのですが、準拠しなければならぬ何か法律的な理由があるのですか、そういう点を聞かせてもらいたい。  それから先ほど申したように、なぜ当委員会にそうした概況貸し出し概況書面をもって提出しないのか、その事務上の怠慢に対する責任はどうですか。
  26. 松田令輔

    松田説明員 御答弁になるかどうか、はなはだ失礼でございますが、この給与単価等は、当初の公庫予算に定められたるものを私どもは実行しておるのでございまして、私は実はこれを定めるときには関係をいたしておりません。ただ、今のきめられた予算で実行いたしておるので、それ以上のことになりますると、ちょっとほかとの関係から、私から申し上げることはいかがかと存じます。  それから第二の書面の話でございますが、これは御要求に従いまして、これから調製の上で御配付申し上げることにいたしたいと思います。その点不行き届きであったことは陳謝いたします。
  27. 森三樹二

    ○森(三)委員 私は、公庫というものに対しては、道民はもちろんのこと、当委員会としても、やはり非常に重要視しておるのでありますから、適当な時期に、貸出先とか業績の内容といったものを、書面をもって各委員に配付されなければならぬと思います。ただあなた方がここで口頭でもって一言いっぽなしということではいけない。それはあなた方の良識の問題だろうと思うのですよ。それがなされておらないことに、私どもは非常に不満の意を表明せざるを得ない。従って、今後やはり適当な時期を見計らって、国会の開かれたこのような適当な時期には、当然——われわれが注目しておった報告が、書面をもってなされないということは、何となくどうもすっきりしないものがあると思うんですよ。何もあなた方にいやがらせを言っておるのではない。そうすることによって、あなた方は、当委員会に対して正確な、責任を持った答弁ができると思うのです。しかもそれを作ることにおいて、あなた方としても、日常やはり真剣な努力をもって北海道開発に当れる配慮も生まれてくるものだと思う。もちろんあなた方がおざなりでもって、その日暮しでやっておるとは思いません。それは非常に熱意を持ってお仕事に当っておられることと思うのですけれども、今後一そうそうした配慮もされたいと思うのです。
  28. 岡田包義

    岡田説明員 ちょっとお答え申し上げます。資料の点等につき場ましては、ごもっともでございまして、おくれておりました点、まことに相済まぬわけでありますが、なるたけ早く作成するようにいたします。  それから今の御注意にありました俸給その他の点であります。これはもう砦さんに申し上げるまでもないことでございまするが、事務諸費はこれこれと、もう私らの自由がきかない、政府がきめ、国会で議決されておるわけでありまして、たとえば理事長にいたしましても、政府より理事長を任命されて、従ってその予算にきまっておる俸給か当然くっついておるわけなんであります。しかしながら、きめられた予算といいましても、草創のときでありますから、なるだけ倹約してやっておりまして、ごく内輪の話を申し上げて、はなはだ失礼で、おかしいかもしれませんが、たとえばで一つ御了承願いたいと思いますが、一例は、われわれといたしましても、特に理事者の方は、一般職員は気の毒ですから、今の例はやっておりませんけれども東京へしょっちゅう用があるわけなんです、本店からこちらへ来ますのが。それでこちらへ来ますと、十五日なり二十日になるときもあるのですけれども、その通り予算要求してとりますことは経費も許さぬし、また気持が、二年、三年後はいざ知らず、規則通り予算をもらうというのも、ちょっと遠慮せねばいかぬだろうというので、自発的に、東京へ来ましたならば、もう旅費は、ただでは困るわけで、五日打ち切りでもらって、当初から実行しております。これは一例でありまするが、さような気持でやっておることも一つお含みおきいただきまして、いろいろ御指導なり、御援助願いたいと存じます。
  29. 竹谷源太郎

    竹谷委員 今森君から人件費問題を突っ込んで聞かれました。私も実は経費の問題でお尋ねしようと思っておったのですが、ついでですから、もう一つお尋ねしておきたいのは、しからば五十名の定員職員の俸給、給料の予算はどういうふうになっておるか、また役員給与は一応予算ではどういうふうになっておるか、それをお尋ねいたしたい。
  30. 岡田包義

    岡田説明員 ただいまの御質問は、今の森さんの御質問と同じことと思いますから、正確なことは、あとで書面でわかるようにして提出いたしたいと存じます。ただ一応ごく簡単にフリーで答弁させていただきますと、平均給が二万二千円前後に相なっております。これは一般職員です。それから職員の方は、政府予算にはっきりくぎづけにきまっておりまして、理事長十五万、理事十万、監事八万となっております。もっとも手取りはそれからだいぶん減るです。
  31. 竹谷源太郎

    竹谷委員 先ほどの質問の続きですが、出資八十億のうち、現在公庫に受け入れてある金は、政府の十億円と資金運用部資金の九億五千万円、これだけであるかどうか。  なお債券七億円、年度内に公募したいというこの七億円については、まだ公募していないのか、するとすれば、どんな条件でこの債券を募集するか、お尋ねします。
  32. 松田令輔

    松田説明員 債券の条件は、もちろん今後関係筋と具体的には協議をいたさなければなりませんけれども、大よそ私どもが想像しておりますのには、最近、たとえば道路公団が債券を発行いたしましたが、ほぼその条件を基準に考えていいのではなかろうか、さように考えております。道路公団の条件は、利率が七分で、発行価格は額面パーということに相なっております。資金運用部よりの借入金は、御承知のように六分五厘の条件で、これはずっと参ることと存じます。
  33. 竹谷源太郎

    竹谷委員 次に、融資申し込みについてきのう説明がありましたが、設備資金については七十二件、運転資金については二件の申し込みがあったということであります。この七十四件の申し込みの総額はいかほどであった一か。これは申し込みの承諾並びに貸付をした金額の説明はきのうありましたが、申し込みの総額の説明がなかったのであります。それを承りたい。
  34. 松田令輔

    松田説明員 申し込みの金額は、事務処理上の実情を申し上げますと、最初申し込みは正式の書面によりませず、口頭でいろいろと打診が行われるわけでございます。そうして、そのうちにだんだんと片方で調査も進めまして、結局、公庫側と申込者の方との間での話し合いはおおむねできるわけでありますが、それに従って正式の申込書が提出されるわけでありまして、向うの希望額というものは、かなり時とともに変りますので、一番最初申し込みの数字が幾らであるということの集計は、実はいたしておらぬのであります。そういう実情にございますので、御了承願いたいと思います。
  35. 竹谷源太郎

    竹谷委員 大体お話の筋はわかりましたが、借りたいという申し込みは、そういう統計がないとすれば、七十二件については一体どれくらいの金額であるのか。設備資金七十二件、運転資金二件というのは、申し込みを承諾した、あるいは今後年度内にしようという件数だけですか。それともそれ以外の件数を含んだ設備資金七十二件、運転資金二件の申し込みであるかどうか、その点明確にしてもらいたいと思います。
  36. 松田令輔

    松田説明員 設備資金七十二件と申し上げましたのは、今後の計画といたしまして、総額七十六億の見込みになっておりますその件数でございます。そうしてこの見込みの金額並びに件数は、おおむねそれで寒行されるもの、かように考えます。そのほかに、もちろん現在も口頭程度の話は受けておるものもありまするし、また今後申し込みがさらに出てくるものももちろんございましょうけれども、それらの予想はこの中には入っておりません。
  37. 竹谷源太郎

    竹谷委員 そうすると、大体年度内にどれだけ申し込みがあり、それに対してどれだけ貸すかという、基本となる申し込みの総額がどれほどになるか。昭和三十一年度中に北海道開発のために開発公庫資金を要望するその総額が、一体どれくらいあるかという見通しが、それではつきません。こちらは貸さないかもしれぬが、そういう開発資金申し込みをしたい金額がどれくらいなのか、そういうものを大体調査し、そうしてそれに対して取捨選択をするなり、あるいは開発事業に関して一方に偏しない総合的な計画性のある融資をやりたい、そういうふうな方針でいく方がいいと思うのであるが、ただ話があったうちから、これはよかろう、あれはだめだ、というような一係員の考え方で左右されたのでは、ほんとうの開発公庫の目的が達成されないのじゃないか。金利のさやをとって、もうければいいという商業銀行のようなやり方ではいかぬので、北海道開発計画のもとに、この融資考えていかなければならぬ。そういう点からいうと、普通の銀行の融資のやり方のようなことでは、この開発公庫の趣旨、目的を全然没却していると思うのです。根本的な問題を承わりたいのであるが、開発公庫としては、年度内にどういう事業へどれだけの資金を、またどういう方面はどういうふうに開発するという目標と計画のもとに、申し込みを取捨選択をしてやっているかどうか、そういう融資の根本の方針をお尋ねしたい。
  38. 松田令輔

    松田説明員 お答え申し上げます。公庫が貸し出す金額と現実に開発に使われる金額の関係でございますが、公庫は市中銀行との協調融資を建前としてとっておるわけでありまして、公庫はおおむね七割の範囲内において貸し出しをいたすわけでございます。つまり総額の七割がこれになるので、ほかに三割程度のものは、市中銀行から協調融資されるものが別途あるもの、こういうふうに言っておおよそいいかと思います。  それから産業資金計画の問題でございますが、これは各企業ともに、資金計画はそれぞれ出すわけでございます。そうしまして途中の紆余曲折はございますけれども、最後に公庫が幾ら幾ら出し、市中銀行からどれだけ出し、自己資金で何ほどを調達して、そうしてこれでこれだけの設備をいたすのであるということは、公庫申し込みを受理したときには、その計画企業別にできるわけでございます。そのときには、企業側で幾ら幾らの金でこれだけのことをしようといっても、最初計画から見ますれば、それはいろいろと変更されてくる、まあ節約されてくる部分も出てくるわけでございます。
  39. 竹谷源太郎

    竹谷委員 私が聞いているのは、具体的にある特定の申し込みに対して、公庫が七割貸す、市中銀行から三割貸す、あるいは自己資金をどれだけ出すというような問題ではなくて、公庫として業務方法書に従って八十億の本年度融資はどうするか、出資はどうするか、あるいは債務保証はどうするかというような方針について、北海道開発計画等とにらみ合せて、具体的な理事会等において出資計画が必要であろうかと思う。そういうものはどうなっているか、その計画があれば、それを説明してもらいたいという質問でございます。
  40. 岡田包義

    岡田説明員 私より補足説明いたします。初年度、本年でありますが、これは開店早々でありますから、いろいろな粗雑な点があるのは、御容赦願わなければしょうがないのでありますが、これも当初当委員会等で、できますときに御審議いただきました八十億を使うとすれば、およそどんなところに出るかという想定は、当昨国の事務的の親である開発庁等で想定をこしらえて御説明を申し上げた次第でありまするけれども、運行いたしてみますと、こちらでかような事業を起せということは、公庫としては言えないわけで、借りに来られたものを受けて立つという立場をあくまで堅持すべきが当りまえだし、堅持せざるを得ませんの、で、こちらでこれの事業を起したい、貸したいというのと、借りに来られたのと、必ずしも一致せぬ点が相当ありますのは、これは御了承願わなければしょうがないわけであります。ところで、合計しますと、本年度は大体八十億にほとんど近い内諾までいっておるわけでありますが、申込件数の七十六億と八十億とは大体一致しておるのであります。これはたまたま一致したわけでありますが、申し込み以前に相談に来られるわけです。それで、これは公庫貸し出していい方法書の中に入っていないから、その意味で不適格だというような書類、あるいは申し込まれても、その事業はもう少し考えたらどうですか、しからば考え直しましょうと言うて帰る人もあるわけです。それはここに私らが書きます受理のうちには入れていないわけです。受理以前のものを考えておるわけであります。受理いたしますのは、事業方法書の中にも入っておって、調査しなければならぬもの、まあ調査を大いにするべきものというのを受理しておる。ですから、受理と貸し出しとは、大まかには一致するようなことになっております。ところで、今度は三十二年度の例を申しますと、これも実際と予想とは、また離れることは当然でありますが、大体いかなる申し込みが三十二年度にはありそうであるか、また公庫としては、かようなものは来たならば貸すのが当りまえであろうというのを、ずっと検討いたしまして、大蔵省なんかにも予算説明のときにやっておるのでありますけれども、大体これも予想いたしますると、来年度二百三十五億ぐらいは、北海道公庫申し込み予想がありはしないかということを、ずっと積み上げて適当に取捨選択いたしまして、想定を内輪では持っておるような次第でありまして、ちょうど計画経済と自由経済のあいのこのようなことに、実際の運行ではなるのではなかろうかと考えております。一つその点で御了承願いたいと思います。
  41. 竹谷源太郎

    竹谷委員 きのうの説明によると、年度内の貸付の承諾を得るものの予想は七十六億二千五百万円ですが、現実に貸し付けるのは四十六億三千九百万円であろうという見込みだという説明があったのでございます。結局これは八十億という数字に合わしたように見えるのだが、問題は、これは借りる者がないから、無理に貸付を募集した節はないのか。国費なり、あるいは重要な財政資金でありまして、そういう無理する必要はない。一定の計画を立てて、そうして、たとい北海道開発のためとは言いながら、それを口実にあまり開発に役立たない——どんな事業でも、やれば多少の効果はありましょうけれども、特に政府資金なり、あるいは財政投融資の金をむだ使いするような貸付をする必要はない。一定の計画に従って——ただ申し込んできたから、これは条件に合えばみんな貸し出してやろう、ということではだめなんで、もう少し計画性のある、またこの公庫の目的に沿うような貸し出し方法でなければいかぬと思うのです。これは具体的に貸出先その他について検討しなければ、何とも申し上げかねるのだが、理事者としての一つ心がまえを承わっておきたい。先ほどお話しになった申し込みが七十四件ある、その総額は、金額にして何ぼになるかということもわからないということでは、一体どれだけ申し込みがあって、そのうちの何%を融資するのか、これでは、われわれの検討するための資料不足である。これは先ほど森君からも、いろいろ資料の提出の要求があったのでありますが、これらの提出がありましたら、再検討加えたいと思うのですけれども公庫理事者として、その辺の心がまえをお尋ねしておきたいと思います。
  42. 松田令輔

    松田説明員 第一点の八十億のワクがあるから、ワクを消化するために、むしろ勧奨して融資するような弊はなきやというお話でありますが、さようなことは全然私どもといたしましては考えておりません。この七十六億と申しまする金額は、これは本年度内に四十六億、あとの残りは来年度に入っての問題になりますが、各企業別の計画を見ます場合には、これは一つの継続事業になっておりまして、総額幾ら、それが今年の何月に幾ら出て、何用に幾ら出て、残りが来年の四月に出る、五月に出るという、各企業別の計画の継続事業の来年度にまたがる部分というものが、さようになるのでありまして、決して今の八十億のワクから算定したものではございません。もちろん政府資金の運用に当るものでありますから、乱に流れざることは、この上ともとくと注意いたしたいと考えております。
  43. 廣川弘禪

    廣川委員長 これに関連して林君より発言を求められております。林君。
  44. 林唯義

    ○林(唯)委員 先ほど理事長からお話があった、協調融資の場合は七割を限っているというのは、どういう根拠によっておやりになるのか、それを一つ……。
  45. 松田令輔

    松田説明員 これは主務官庁から定められました事業方法書にさように示されております。
  46. 林唯義

    ○林(唯)委員 しからば、現在においてはさような方法をおとりになるのはやむを得ませんが、ほかの、たとえば開発銀行などと比較して、開発公庫の持っておる特殊なものの中に、あなたの方でみずからの裁量によって出資ができることになっている——とりもなおさず、当時出資を規定いたしたゆえんのものは、北海道開発という特殊の事情を勘案して、出資を特に許した。これはほかの銀行ではあまり例のないことである。そこで、ただいまのような状況をもって言うならば、市中銀行は、これはもうあなたの万々御承知の通りに、そろばん勘定でなければ、ついて参りません。しかし、北海道開発の大業というものは、そろばん勘定だけではいかぬ場合がある。よって開発公庫をここに生み、かつ出資という条、項を特にこれに許したのは御承知の通りである。しからば、今後その協調融資という他の銀行等に当てはめたものさしを新たにくずして、ここにあなた方独自で、市中銀行の状況等を考えず、市中銀行の協調融資条件とせずに、独自の立場で、北海道開発に当るべき仕事に全額出資いたすということにいたさなければならぬと私は思う。その点に関しては何かお考えの点があるかどうか、ちょっと承わっておきたい。
  47. 松田令輔

    松田説明員 お等え申し上げます。協調融資は、先ほど申し上げましたごとくに、現在の事業方法書で定められておりますが、案は出資につきましても五〇%以下ということに相なっていろのでございます。これで果していいみかどうかということにつきましては、いろいろ議論もあろうかと存じます。もう少しこの点につきましては、実行いたした上で、また振り返ってみていろいろと研究もいたさねばならぬこともあろうかと存じますけれども、現状では一応定められた事業方法書でやるほか、ただいまのところ公庫としてはありませんので、その研究ないしはそれに対する意見等は、今後の人萩をもってさらにわれわれの意見を再出いたしたい、かように思います。
  48. 松浦周太郎

    ○松浦(周)委員 関連して。私はできてから一ぺんも公庫に行ったことはありませんし、こまかい話を聞いておりませんが、この場におったものですから、一応責任上聞いてみたいと思うのです。開発のために必要な融資をすることは当然なことであって、相当困難があっても克服していかなければならぬことは当然であるが、しかし金融の経営から見れば、結局審査ケース・バイ・ケースでおやりになるだろうと思う。それでなければ、この機関は永続することはできないからであります。そこで、その線からいくと、先ほど御発言になりました六千万円の経費を使うというのは、人件費事務費一切をあげて六千万円だと思いますが、それは出発が、四月一日から出発しているのではありませんから、その六千万円は全額お使いになることはなかろうと思う。同時に、収入の方面でありますが、十億は国から出したものでありますから、金利は要らないと思う。あとの三十億、四十億ですが、三十億は資金運用部から借りてきておるとするならば、資金運用部に原資の金利を払わなければならない。あるいは四十億の社債を発行するとするならば、それに倍するような金利を払わなければならない。その利ざやは一体どのくらいおとりになるのか。それで今年融資されるものと、あなた方のおとりになる利ざやとをかけて、今年のバランス・シートは一体どうなるか。この問題で私が聞いておかなければならぬことは、赤字が毎年々々続いていくのでは、この事業は続けられないと思うからである。しかしながら、反面において、そういう赤字があってもこれを経営しなければならぬという結論になるならば、これは国が助成していかなければならぬ結論になると思うから、今年のバランス・シートの見込みはどうであるか。来年百四十億に増すというのも、一面から言うならば、北海道開発にもちろん必要でありましょうけれども、他面から言うならば、経営上のバランスをとるためにも、多くの金を扱わなければならぬという点も考えられるであろうと思う。この二つの点について御答弁を願います。
  49. 松田令輔

    松田説明員 お答え申し上げます。先ほど本年度約六千万円と申しましたのは、これは年間に引き延ばしての経費でございまして、現実には六月から準備して七月出発、それ以降十カ月でございますので、そのうち二カ月分を除きまして約五千万円ということになると思います。  そして本年度の収支の見込みでございますが、本年度の収支の見込みといたしましては、これが経費は月々出て参bますし、現実の貸し出しは大体早いもので九月末、十月から貸し出しが行われると思います。収入の利息はその後の月割りで入って参りますので、本年度は収入利息は少し普通一般の年に比べては少いということになります。支払いの金利は、先ほど申しましたごとく預金部資金について六分五厘、社債につきましては表面金利は七分と一応予想いたしておりますが、これに対しては、ほかの手数料その他のものが含まれますと、約七分三厘程度になるのではなかろうかと考えております。  さようなそろばんで、本年度の予想といたしましては、現在の七十六億の事務処理をいたし、四十六億の貸し出しをやる。そのうちの六億は余剰農産物の資金貸し出しでございますが、この場合本年度の収支は、経費をまかないまして些少の黒字が出て参る、それは諸積立金に繰り入れる予定に考えております。  来年度の問題でございまするが、来年度の百四十億という予想につきましては、これは必ずしも現在のわれわれの採算から考えたわけではございませんけれども、一応本年度年度末に四十六億の貸し出しが行われ、さらに来年度融資百二十億が累加する。その累加するのは月々に累加して参るのでございますけれども、収支の予想といたしましては、一般金融政府所属機関と同程度の積立金、これは多少困難かと存じますが、しかし今われわれが予想して要求いたしておりますごとき資金の構成が許されますならば、おおむね他の金融機関が積み立てる積立金とそう大した差のない一まあ二、三%程度は低いかと思いますが、その程度は積み立てられるという予想でおるのでございます。御指摘のごとくこれはなかなかむずかしい問題でありまして、開発公庫の与えられた使命といたしましては、多少そこに採算上困難があっても、虚業の性質によってはやらなければならぬものも事実出て参るのでございますけれども、しかし他面、お話のごとく金融機関としての基礎をやはり固めてこれの永続を期するということからいたしますと、そこの収支面については特段の配慮をいたさなければならぬと思うのでありますが、幸いにいたしまして、本年度がもしわれわれの予想するごとく赤字を出さずに済みまするならば、来年度はもちろんさらに内容は改善されてくるという見通しを持っております。ただ、私どもの今一番心配いたしまするのは、来年度資金の構成がいかが相なるか、貸出金利がいかが相なるかというようなことに大きく影響されるのではなかろうかと思いますけれども、しかし経費は極端に切り詰めて参りまして——これは公庫の収支の上に悪からしめないというのみならず、金融機関として経費を切り詰めて、安い金利で貸し出されるようにするのが、金融機関本来の任務でありますので、われわれとしましては、経費は極端に切り詰めてやっていくつもりで、来年度の収支の面は、本年よりはさらに格段の改善をして、われわれは相当な金利引き下げにも耐え得るように、開発銀行が今日すでに数年閥の基礎を持って、相当大きな資金を擁しておるわけでございますが、もし開発銀行が一般産業資金の率を引き下げる場合には、少くともそれにおくれをとるようなことはなからしめなければならないと思っておるのでありまして、私どもはその点につきましては、特殊の政策金利を行う場合はいたし方ございませんけれども、そうでない限りは、一般産業金利としては、開発銀行に追従して行き得るという見込みでございます。
  50. 松浦周太郎

    ○松浦(周)委員 これは扱い金額が非常に少いので、それに一つ金融機関としての形態を備えておられますから、他の金融機関よりも資金コストが高くなることはやむを得ないと思う。しかしながら、さっきの五十人の人で八十億の融資はなかなか困難であるという面は、最初の出発でありますから、いろいろ複雑な事務もあったりして困難であったろうと思うのですが、金融機関資金量と従業員の割合から見るならば、これは非常にアンバランスの状況に置かれていると思うんです。それで資金源、つまり今おっしゃった社債並びに預金部資金の問題、その資金源にプラス皆様の経費が重なって資金コストになるのであろうかと思います。これは来年度の百四十億に対して、今までの比率で人員をふやすというようなお話がありましたが、今年は出発だからやむを得ないと思うのですけれども、さっき質問応答中に、一般中小企業その他については、とても貸し出すだけの人員はないと言われる、これはごもっともだと思う。従って一千万円以上の大口を取り扱われるということについては、審査に対するいろいろなむずかしいコースはありましょうが、口数が非常に少いのですから、資金源を多くする割合に、今の八十億の割合で人員をふやしていくというようなことは、一つ御研究になって、資金コストを安くするようにしなければ、今おっしゃったように金利を安くすると、口では言っても、やはり資金コストが高くなるならば、高く貸さなければならぬということになりまして、不合理であると思うのであります。これはいずれ予算審査のときに皆さんの意見も出まして、御提出になったものが全部認められるかどうかわからぬけれども資金取扱い量が非常に少いのですから、そこを一つ他の金融機関とにらみ合った程度まで御勉強になることが、公庫を永続させるゆえんだと思うのです。竹谷君その他からの質問も、そういう点を憂慮されてのことであると思いますので、その点を十分御研究の上、努めて資金コストを安くするように御努力を願いたいと思います。
  51. 竹谷源太郎

    竹谷委員 先ほどの答弁では、債券発行年度内七億円の見込みであるというのであるが、そうすると、三十三億円残るわけである。これは打ち切りで、明年度百四十億の資金とし、政府から五十億、資金運用部から五十億、社債を四十億という場合に、四十億にプラスして三十三億円の社債を発行するというのか、それとも明年度の四十億は新たなもので、本年度の残り三十三億は打ち切りということになり、本年度並びに明年度の社債発行は四十七億ということになるお見込みか。もしそうであるとすれば、今松浦君からもお話がありましたが、政府出資、これは利子がかからないでしょうし、財政資金の方は六分五厘という低利のお金であるから、利率九分の貸し出しは当然安くしなければならぬ。またそのような答弁がありました。本年度につきましては、最初の予定よりも社債が三十三億円も少いし、利子をたくさん払わなければならない。債券発行が少いのでありまするから、予定よりもはるかに黒字にならなければならぬ。今お聞きすると、まだ確信がないようでありまするが、この点どうであるか、もう一ぺんお尋ねしたい。
  52. 松田令輔

    松田説明員 社債発行の年度内の金額を七億と申しましたのは、これは本年度内の発行でありまして、残りの三十三億円につきましては、実行上においては本年度をもって打ち切りになりまして、来年度予算であらためてやっていく。先ほどお話のございましたごとく、来年度末を予想いたしますれば、四十七億の社債現在高に相なるのでございます。それから本年度社債は、お話のように実行上は少くなりまするけれども、現実に資金の出て参りますものが、これは大体十月から三月までの間に出て参るわけでございまして、これは金利といたしますと、その月割り計算の利子だけの収入になりますので、資金の利率と貸し出し利率との比率だけで、総額のことがちょっと申し上げかねるのでございますが、これが来年度になりますると、四十六億はフルに金利が入ってくることになりますので、そうしますと、来年度はそれだけ楽になってくるのであります。同時に、政府出資でございますけれども、この政府出資も三回に区分していただいておる。現実に貸し出しの必要が起るに応じて三回に区分して十億をまるまるもらったということでありまして、これも十億円はもらいましたけれども、十億円の九分とか、ないしはその月割り額の収入は、これによっては上っておらないわけでございます。いずれにいたしましても、本年度の収支はちょっと異常な状態でございますので、これで全体を論ずることはかなりむずかしいように思うのでございますが、来年度予算を見ますると、かなり将来の見通しが立て得るようになるのじゃなかろうか、かように考えております。
  53. 竹谷源太郎

    竹谷委員 いろいろ今お尋ねしましたが、資料もありませんし、具体的にもっと突っ込んだ質問ができません。ついては公庫の方から出し得る詳しい資料をお出し願うことになっておりますので、それを早急に出していただいて、なお質問を継続したいと思いますが、最後に一つだけお尋ねしておきたい。業務方法の第十九条第五項目の「前各号に掲げるもののほか、産業の振興開発のために特に必要な事業で主務大臣の指定するもの」この現在まで主務大臣の指定となった産業開発のため特に必要な事業、これを説明していただきたいと思います。
  54. 岡田包義

    岡田説明員 お答え申し上げます。産業の振興開発のため特に必要な事業で主務大臣の指定ありたるものをずっと申し上げます。鉄鋼業、農業則機械製造業(付属機械製造業を含む)鉱山用機械製造業(付属機械製造業を含む)建設機械製造業(付属機械製造業を含む)産業機械製造業、化学肥料製造業、ソーダ工業、カーバイド工業、パルプ廃液利用工業、合成樹脂工業産業用火薬製造業、油脂製品製造業、石油精製業、セメント二次製品品製造業、輸出用加工木材倉庫業、合成繊維漁網綱製造工業、製氷冷凍工業、港湾付帯施設整備事業、造船工業、車両工業自動車整備事業を含む)以上でございます。
  55. 竹谷源太郎

    竹谷委員 それでは資料を出してもらいますまで質問を留保して、東北開発説明を聞きたいと思います。
  56. 廣川弘禪

    廣川委員長 竹谷君よりの申し出によりまして資料配付の上あらためて質問を継続することにいたし、開発公庫に関する質問は本日はこれで打ち切ります。
  57. 廣川弘禪

    廣川委員長 次に、東北開発に関する問題について調査を進めます。まず政府より説明を聴取いたします。植田説明員。
  58. 植田俊雄

    ○植田説明員 東北開発に関しまして経済企画庁が関係しております分につきまして、御説明申し上げます。  東北開発につきましては、調査の面と開発計画樹立の二つの面があるわけでございます。御承知の通り開発調査につきましては、昭和三十年度に一千万円の調査費をちょうだいいたしまして基礎的な調査をいたしました。三十一年度も同様一千万円の調査費の計上に相なったわけでございますが、これはできるだけ産業開発的な調査に向けたいと考えまして、本年度は砂鉄の調査のために四百五十万円、天然ガスの調査のために三百万円、テンサイ糖栽培の調査のために百万円を予定いたしたわけでございます。  この予算の執行でございますが、これは大蔵省方面の意向もございまして、そういった産業調査の分野を経済企画庁が直接執行することは、行政の分野を乱すものである、従って、経済企画庁が直接執行することを適当と認めないということでございましたので、本年度の措置といたしましては、これを関係の官庁に委任支出いたしまして、関係各省からしかるべき機関に委託するという建前をとっております。従って、砂鉄と天然ガスにつきましては通産省、ビートにつきましては農林省の責任に移しまして、両省から調査の委託をいたしております。砂鉄につきましては特殊砂鉄協会、天然ガスにつきましては石油技術協会、ビートにつきましては全国農業協同組合中央会に調査を委託いたしておりまして、この夏以来、調査が着々と進んでおる現状でございます。一つ一つ詳しいことはただいま記録もございませんが、砂鉄にいたしましても、調査が進むにつれまして、埋蔵鉱量がだんだんと確実になるとともに、その数量もふえて参つたということで、関係いたしました当事者としましては、砂鉄業の将来に非常に期待を持っておる状況でございます。天然ガスにつきましても、同様な状態でございまして、相当現地調査も進んでおるようでございます。ビートにつきましては、詳細なことをただいま記憶いたしておりませんけれども、農家に対しまして作付の試作をやっておりまして、その成果も予想以上にいいということを聞いております。しろうとでございますので、詳しいことは存じませんが、糖分の歩どまりが非常によいという話を聞いておるわけでございます。その後の結果につきましては、まだ聞いてもおりませんし、また具体的な書面の提出もない状態でございます。この調査については、本年度そういうふうにその産業の所管官庁に委任支出した関係もございますので、来年度におきましては、経済企画庁としては予算要求いたしておりません。しかし、これらの調査は一年度だけで終るものでもございませんで、来年度もぜひ継続してやっていただきたいと思いますので、関係省と打ち合せて、関係省の予算要求の少い場合には、私の方から要望いたしまして、前年度以上の調査費を各省から大蔵省要求してもらうように措置いたしております。  次に、開発計画の方でございますが、五月の二十八日に衆議院の決議もございまして、政府といたしましては、すみやかに東北の開発計画を立てることに相なったのでございます。御承知の通り経済企画庁といたしましては、そういった全国的な開発計画を立て、あるいは特定地域等の開発計画を立てることには相なっておりますが、東北開発の中心になる主務官庁であるかどうかということになりますと、北海道開発における北海道開発庁とは、若干性格も違っておりますので、また各種の事業を実施いたすにいたしましても、各省がそれぞれ予算要求あるいは事業の実施をやっていただきまして、企画庁としましては、それを総合調整するというような建前になっておるわけでございます。そういう点につきまして若干の疑義もございましたので、八月の七日に閣議了解によりまして、経済企画庁が東北開発仕事の調整、取りまとめをするという建前を認められまして、企画庁の開発部に東北開発班というのを設けまして、東北開発班を中心にいたしまして、作業を進めている段階でございます。  先ほど申しましたように、東北開発の問題は、事業実施の各省の協力を得なければ、できないわけであります。各省といたしましても、衆議院の決議に沿いまして、研究を進めて参っておるわけでございますが、何分にも全国的な産業なり事業なりを取り扱っている役所でございますので、当初のうちは、東北に重点を置いたものの考え方というものが、とかくとりにくい情勢でございました。こういう情勢ではうまく参りませんので、私ども各省との連絡協議会を開きまして、東北開発の趣旨等を十分伝えまして、現在におきましては、衆議院の決議にありました趣旨に沿いまして、各省とも研究し、来年度予算におきましても、その趣旨に沿った予算要求いたしておるものと考えておる次第でございます。  私どもといたしましても、今後各省がどういう施策をするかということにつきまして、調整をする任務を持っておるわけでございます。現在各省が全部集まって話し合うということは、ちょうど予算編成の前でもございまして、非常に問題を起しがちでございますので、各省と個々の折衝によりまして、東北開発に対する各省の足並みがそろいますように、せっかく努力している状況でございます。以上でございます。
  59. 廣川弘禪

    廣川委員長 それでは、本日はこの程度にいたしますが、特にお諮りしておきます。東北開発はきわめて重要な問題でありますので、この際当委員会としまして、参考人を呼んで広く意見を聴取したいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 廣川弘禪

    廣川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたします。  日時、参考人の人選等は、理事と協議の上、決定いたしたいと思いますので、御一任願います。本日はこれにて散会いたします。    午後三時十七分散会