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篠田委員 ただいま
保険局長からのお話で、
札幌は高いことは承知しておるけれ
ども、
北海道会全体として高いかどうかということはわからない、こういうお話でありますが、今私が読み上げました
北海道、東北、近畿、関東甲信越あるいは東海、北陸、四国、山陽、九州、山陰といったようなこの統計は、これは総理府で出しておる統計なのです。だから、わからないというのがおかしい。何もこれはかってに作った統計ではありません。それが
一つ。
それから、
北海道は暖房費を別に見てあるから、主たる
経費というものは暖房費であろう、そういうことは
保険局長の
一つの独断であって、決して暖房費だけが
北海道の
物価を高くしているわけではない。たとえば人件費なんかを見ていると、同じ病院であっても、内地なら暖かいから三人使うところを、
北海道は五人使わなくちゃならない。労力の面その他いろいろな面におきまして、
北海道というものは非常に悪条件のもとにあることもまずお考え願いたい。そうしてそういう立場から見ると、今総理府の統計によっても、
全国のいかなる
地方から見ても、
平均指数を一〇〇として、
東京から見まして
北海道の方が二〇高い。
札幌でありません。
北海道が高いということになっている。そういう
考え方から見て、これは当然
物価指数というものを重点的に考えてこの区分がなされたものであるとするならば、やはりそういったような概念的な、暖房費を別に組んであるから差しつかえないじゃないかというような
考え方ではこれは成り立たないと思う。
それから、支払われる者の立場と支払う者の立場に影響するということは、これは保険ができたときの初めからわかっている。しからば
東京とか六
大都市のものはかまわない、
北海道だから特別にそれを
物価が高くても考慮しないというようなことは、あなたの理論が成り立たない。それならば、
東京も六
大都市も全部乙地にする、その周辺も全部乙地にするというのならあなたの理論は成り立つ。しかし六
大都市やその周辺のものは甲地にしておいて、日本で一番
物価の高い
北海道だけがそういうふうに乙地になっているということは、理論が通らないと思う。
もう
一つは、これは診療を受けるということから言うならば、最大の
目的は病気をなおすということである。従って、
北海道の公立病院で黒字の出ているものは
一つもないといわれているのであるが、結局そういうことになると、医療というものが非常に手を抜くとか、医療の手は抜かないまでも、高い薬品を使うことができない、効果的な処置をすることができない、そういうふうな問題が起って、結局損をするものは何であるかというと、病人であるという結果になるのでありますから、支払う者と支払われる者の立場というものがいろいろ違うということはよくわかるけれ
ども、しかし最大の
目的は病気をなおすということであるから、その病気をなおすということの
目的のために、甲地も乙地も作った。だから、そういう意味でもっと筋を通して、
北海道の立場というものを見ていった方がいいんじゃないか、これに対するあなたの所見と、また今後
厚生省としてどういう研究をするか、対策をするかということについて、一応承わっておきたいと思います。