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1956-11-28 第25回国会 衆議院 決算委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年十一月二十八日(水曜日)     午前十一時十六分開議  出席委員    委員長 上林與市郎君    理事 關谷 勝利君 理事 田中 彰治君    理事 本名  武君 理事 山本 猛夫君    理事 坂本 泰良君 理事 吉田 賢一君       臼井 莊一君    櫻内 義雄君       林   博君    山本 正一君       八百板 正君    山田 長司君  出席政府委員         通商産業事務官         (公益事業局         長)      岩武 照彦君  委員外出席者         通商産業事務官         (鉱山局長)  森  誓夫君         証     人         (御母衣ダム絶         対反対期成死守         会会長)    建石 福蔵君         証     人         (全国農民組合         岐阜連合会書         記長)     宮部 一一君         証     人         (岐阜大野郡         白川保木脇分         教場教員)   西村 繁盛君         証     人         (名古屋通商産         業局鉱山部長) 小林 健夫君     ————————————— 十一月二十七日  委員山田長司辞任につき、その補欠として原  彪君が議長指名委員に選任された。 同月二十八日  委員片島港君及び原彪辞任につき、その補欠  として八百板正君及び山田長司君が議長指名  で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  証人出頭要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  政府関係機関収支日本開発銀行電源開発  融資)に関する件     —————————————
  2. 上林與市郎

    上林委員長 これより会議を開きます。  政府関係機関収支日本開発銀行電源開発融資)に関する件につきまして調査を進めます。  本日は、去る十九日の理事会、さらには二十一、二日の委員会の決定によりまして、本件御母衣ダム関係につきまして調査を進めることといたします。御承知のごとく開発銀行電源開発に対する融資は、電力需用の増大と国土の事情にかんがみまして毎年莫大なものがあるのでありまして、それだけに適切妥当なる使用が望まれるのであります。これと並びまして、国費の乱費を戒め、もって国民の負託にこたえんとするところの当委員会といたしましても、これら国家資金の適切妥当なる使用につき、事前あるいは事後を問わず調査を行うということば、国家財政の見地より見ましても重要な国政に関する調査事項であると存ずるのでございます。そこで、庄川水系についてみまするに、その開発費は数百億の国家資金が用意されておるのであります。さらに御母衣ダムについて見ましても、三十年度のみにおいても約十七億の国費が投資されておるのであります。これらの国家資金が開銀を通じて関西電力に流れておるのでありますが、その資金が末端においてどのように使用されておるかについてば調査する必要があると思っておるのであります。また、それとともに、開発地域の住民に及ぼす影響等につきましても当会員会として十分考慮を払う必要がある存ずるのであります。本件につきましては先国会以来とかくの風評もありましたので、調査方の要望も出ておったのであります。そこで、さきに会員現地調査に参ったのでありますが、その結果、以上の点につきましてさらに調査を要する事情も明らかになって参りましたので、ここに関係者証人として喚問することと相なった次第であります。  つきましては、本日はお手元に配付してあります通り五名の証人を予定いたしておりますが、証人坪井二一君より益谷議長あてに書面をもって出頭できかねる旨の申し出がありましたので、これを朗読いたします。「拝啓時下秋冷の候議長殿には公務御多端の折柄益々御建勝の趣き慶賀至極に存じ上げますさて十一月二十二日付の議長殿より「政府関係収支日本開発銀行電源開発融資)に関する件」について証人として出頭するよう御通知をいただきましたがそのことについてお願い申し上げます実はかねて継続捜査中の殺人事件につき有力な情報を得て目下極力捜査中でありますのでまことに恐縮でありますが右事情御賢察の上格別の御詮議をもって欠席方御聴許賜わりたくお願い申上げますなお御呼び出しの件について私の関係のあると思われる事につきましては岐阜警察本部長より警察庁警備部長宛に報告されている趣きにつきよろしくお願い申上げます先づは失礼ながら信書をもって右御願い申上げます敬具十一月二十五日岐阜大野白川坪井一二衆議院議長益谷秀次殿」坪井二一証人出頭の件につきましては、その取扱いを理事会において協議の上決定いたしたいと存じますので御了承願います。  それでは本件につきまして証人より証言を求めることといたします。御出席になられました証人西村繁盛君、建石福蔵君、宮部一一君、小林健夫君。相違なきものと認めます。  あらかじめ文書で御通知いたしておきました通り、ただいまから政府関係機関収支日本開発銀行電源開発融資)に関する件について証言を求めたいと存じますが、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証雷等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なっております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が、証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくば三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係にあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追またば処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び、医師歯科医師、薬剤師、薬種商産娑、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教またば祷祀の職にある者またばこれらの職にあった者がその職務上知った事実であって黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになっております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることとなっておるのであります。一応このことを御承知になっておいていただきたいと思います。  では、法律の定めるところによりまして、証人宣誓を求めます。建石福蔵君、代表して宣誓書の御朗読を願います。   〔証人建石福蔵朗読〕   良心に従って、真実を述ぺ何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。  昭和三十一年十一月二十八日  岐阜大野郡荘川村中野建石福藏
  3. 上林與市郎

    上林委員長 それでば宣誓書署名捺印して下さい。   〔証人宣誓書署名捺印
  4. 上林與市郎

    上林委員長 これより証言を求めることになりますが、証言証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際には、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになっていてよろしゅうございますが、お答えの際は御起立を願います。  証言を求める順序建石福藏君、西村繁盛君、小林健夫君、宮部一一君、この順序といたしますから、建石福藏君外の諸君は元の控室でお待ちを願います。  それではこれより証言を求めるわけでございますが、便宜上委員長より総括的に質問いたします。  モれではちょっとお尋ねいたしますが、あなたは御母衣ダムに関してどのような地位にあられましたか、その点からまず簡単に具体的にお述べ願います。
  5. 建石福蔵

    建石証人 私は御母衣ダムができるということに対しまして、私ども郷土ダムにしてもらいたくないのでありまして、そのために反対の会を作りました。それで御母衣ダム絶反対期成死守会会長であります。
  6. 上林與市郎

    上林委員長 いま一つですが、昭和三十一年十月二十四日付で御母衣ダムに関する陳情書として私あて陳情書をお出しになっておりますが、ここでその趣旨内容を、これも簡単にお述べ願いたいと思います。
  7. 建石福蔵

    建石証人 これは決算委員方たちが私ども現地お出かけになられましてそのと遂に私どもの非常に心配しておりました——もしも工事が始まり、私ども補償問題が解決せないときは非常に私どもは困ると思いましたので、ぜひ私ども補償問題が解決してから工事をやっていただきたいという趣旨なのであります。
  8. 上林與市郎

    上林委員長 委員長総括質問は一応これで終りまして、質問通告順に従って、質疑を行います。田中彰治君御発言願います。
  9. 田中彰治

    田中(彰)委員 建石証人にお聞きいたします。今あなた宣誓書をお読みになって、名前をお書きになりましたですね。よくその趣旨はおわかりですね。そこで遠慮なく正直に一つ述べていただきたいと思います。  あなたの方の死守同盟というのは、一体今どのくらいの人数があるのですか。
  10. 建石福蔵

    建石証人 百三十六世帯あります。
  11. 田中彰治

    田中(彰)委員 そこでその百三十六人の方々が全部村の人であるか、あるいはまた村の人でない人も入っているのか、この点。それからいま一つは、この百三十六人が今やはり会長と志を一つにして、自分たち土地に対する最初の考えと同じような考えを持ってやっているのですか、それともばらばらになっているのですか、その点をお伺いしたいと思います。
  12. 建石福蔵

    建石証人 百三十六世帯一つ、心になりましてやっております。
  13. 田中彰治

    田中(彰)委員 村の人ばかりですか。
  14. 建石福蔵

    建石証人 これは村の人であります。
  15. 田中彰治

    田中(彰)委員 そこでお尋ねしたいのですが、あなた方が今死守同盟を作って闘争しておられる、その闘争の基本となるものは、一体どういう点をどうしてもらえばいいのか、どういうような要求をしておられるのか、この点についてお尋ねいたします。
  16. 建石福蔵

    建石証人 私ども昭和二十七年以来血と涙であらゆる反対をしまして、私ども郷土を永久に守りたいという考えを持っておったのでありますけれども、やはり私ども郷土にたくさんおった人々も、一次、二次、三次と行かれ去り、本年に入って電発総裁から私どもの方に手紙が来ましたり、雪の中を二度までも前藤井総裁がお見えになって、ぜひとも電源開発のためには私どもに立ちのいてほしいというようなお話がありましたので、それならば私ども国民の一人として、私どもが今より幸福になり、また今より生活の安定のできるようなことをやって下されば賛成しておきましょうということで話し合いに入っておるわけであります。
  17. 田中彰治

    田中(彰)委員 そこで、電源開発からあなた方があそこをたちのいた場合路頭に迷わぬことはもちろん、今よりは多少でもいい生活ができるようにしてやる、こういうことを言われたというのですが、あなた方は、こういう工合にしてくれるんだから今より幸福になるのだ、路頭に迷わないのだ、将来生活難にあわぬで、働きさえすればやっていけるのだという何かはっきりしためどを電源開発会社から示されておるのですか、ただ話だけなんですか、その点をお聞きします。
  18. 建石福蔵

    建石証人 それは、本年の五月八日に覚書藤井総裁がお書きになられたそれをたよりにしておるわけなのであります。それ以外は話し合いの上でやっていきたい、こういうことを思っております。
  19. 田中彰治

    田中(彰)委員 その覚書内容は一体どういう内容なんですか。
  20. 建石福蔵

    建石証人 「覚書御母衣ダム建設に依って立ち退きの余儀ない状況に相なったときは、貴殿方が現在以上に幸福と考えられる方策を我が社は責任を以って樹立し、これを実行するものであることを約束する。昭和三十一年五月八日電源開発株式会社総裁藤井崇治 御母衣ダム絶反対期死守会会長建石福蔵殿」こういうものであります。
  21. 田中彰治

    田中(彰)委員 今のその覚書を見ますと、ただ幸福にしてやるというだけなんだが、土地幾らに買うとか、どこに移転先をあれするとか、家を幾らで買ってやるとか、何をこうしてやるとかいうことが書いてないのですが、それについて今どういう交渉が行われておるのですか。
  22. 建石福蔵

    建石証人 この覚書趣旨からいえば、会社が私どもの幸福を作ってくれるということになってはおりますけれども会社の方としては私ども実態を知らなければならないから、実態調査書出してくれとかいうことを言っておられるのでありますけれども、これは非常に重要なことでありますので、会社の方でも考え、また私どももこれを考えていかなければならない、こういうことで今考え中であるのでありまして、具体的なことは少しもまだ進んでおらないというのが実情なのであります。
  23. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなたが今年の一月でしたかあるいは去年の一月でしたか、私もちょっと忘れましたが、私が決算委員長時代かあるいはやめてからか、私あて陳情書が出ておりますが、あれはどういう経過でお出しになりましたか、その点について伺いたい。
  24. 建石福蔵

    建石証人 私どもはありとあらゆる日本の方に、ほんとうに私どもの郷士が一番いいところだから何とかしてダムにして下さらないように、また私どものところでなしに近いところにも犠牲の少いところがあるんだから、そこにやって下さいという陳情書を作りまして、田中先生日本でも有名な弱い者なんかを助けて下さるお方だと聞いておりましたので、それで出したわけであります。
  25. 田中彰治

    田中(彰)委員 そこであなたの今の見通しとして、藤井さんが書いてくれた覚書通りに解決つくと考えておられますか、この解決が非常に困難だというように考えておられますか、率直にその点を聞かして下さい。
  26. 建石福蔵

    建石証人 私はこれは相当困難たと思います。会社もよほど誠意を持って、また電源開発会社というものは政府が命令してやられる以上は、政府会社とよほどお力を合せて私ども生活の安定、今より幸福になるということについてお考え下さらなかったならば、なかなか解決つかないものと私は思っております。
  27. 田中彰治

    田中(彰)委員 私はその点不思議に思うのです。あなた方が藤井さんからそのばく然としたものをいただかれて協力する気になった、それに対しては別にどういうふうにするという基本方針を立てていない、それであなた方の方も考える、電源会社の方も、それで進んでおるでしょうが、御承知のごとく早くダムを作らなくてはならないし、ああいうふうに土地もきまらぬでおるというときに動き出すわけにいかないから、政府の金を使うわけにいかない。あなたの方よりも会社が急いでおるのですが、それに対してあなたの方がまだ具体的な案を出しておらない、会社も具体的なものを持ってきておらない。そこであなたが困難だとおっしやるのは一体どういう点か、たとえば会社はなかほかわれわれの言うことを聞かないと思われて困難と思われるのか、あるいはあなた方の要求が非常に莫大なものであるから会社が受け入れないだろうと考えられて困難だと思われるのか、あるいはまたその他いろいろなあなた方の弱身につけ込んでいろいろな作戦を練ったり実行したりするから困難だと思うのか、ほんとうのあなたの腹の中ではどういう点が困難だと思うのか。困難だぞと言うには、ただ会社誠意を持ってやってくれないから困難だというわけじゃなく、そとに会社に対してあなた方がおそれをなしておるとか、あるいはまた会社の資本の力にびっくりしておるとか、あるいはまた会社はわれわれに口ではうまいことを言っているけれども、なかなかやってくれないとか、何かあるのですか、この点をどう考えておられるのですか。
  28. 建石福蔵

    建石証人 私どもば非常に山の奥の人間でありまして、山の生活をしておるわけなんであります。また山奥とはいいながら非常に肥沃な土地を持っておりまして、米は大体七俵から八俵とれるような、自給自足できるような土地を持っておりますし、また山は私有も相当持っております。私どもの村には国有林がたくさんありますので、その国有林のかせぎといいますか仕事もたくさんあります。今より幸福にして下さるということになれば、今のような条件会社なり政府が作って下さらなければ私どもは動けない。私どものような山の中の者は都会の方へ出てきましても、やはり山仕事であるとか百姓であるとかいうことよりも知らないし、また私どもは離れ離れになって非常に困るのではないか。できるだけ一つところへ、一緒のところへ行きたい、こういうことを考えておりますので、その点幾ら日本が広いといっても山で食ったり、たんぼも相当とれるぞ、また一緒に行けるぞということをお作り下さるということが非常に私は困難である、こういうことで申し上げたわけであります。
  29. 田中彰治

    田中(彰)委員 そこで、もしそういう条件の場所がないとしたらあなた方ばどう考えられるのか。それからもし今あなたが申されたようなところがないとしたら、どういう工合にあなた方の百三十六戸は行動されるのか、この点が一つ。それから会社側に対してあなた方がそういう申し込みを文書なり、あるいは何かでもって、こういうことを考えているんだが考えてくれということを申し込まれたことがあるのか。また会社側からこういうような土地があるからここへ行かないかとか、あるいはそういうものがないから金でもって幾ら幾らやるからこうしょうというような話があったのですか。——一つはそろいういい土地がなかったらどうされるつもりか。
  30. 建石福蔵

    建石証人 私どもばやはり会社へ何とかして作ってほしいということを要求しまして、どうしてもこれはない、仕方がないということになれば、そのかわるべきところ、山がなければまたいろいろの条件もあるでしょうし、あくまでも私ども生活が安定できるというところで作っていただくよう話を進めたい、こういうふうに思っております。
  31. 田中彰治

    田中(彰)委員 そういう書類を出されたことがありますか。
  32. 建石福蔵

    建石証人 その書類はただいま作成中でございまして、百三十六戸というものの中には非常に職業が多種多様でありまして、一つものにしておらないのでありまして、それでそういうような職業一緒のような、ブロック別にこうしてほしい、こうしてやってもらったらいいんじゃないかというようなことを今考え中でありまして、近く出したい、こういう考えを持っております。
  33. 田中彰治

    田中(彰)委員 先ほど言ったように、会社からこうしたらどうかというようなことを何か文書とか、あるいはお話であったことはありませんか。
  34. 建石福蔵

    建石証人 これは会社考えるがあなた方も考えてほしい、こういうようにたびたび口頭でそういうお話があったわけでありますが、文書ではきておりません。
  35. 田中彰治

    田中(彰)委員 そういう希望するような土地がなくて、どうしても工合が悪いということになれば、金で解決するという意思があるのですか、ないのですか。
  36. 建石福蔵

    建石証人 これはどうしてもないとなれば、やはり金よりは仕方がないのでばはないか、こういうことを考えております。
  37. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなたの村に入るずっと手前に、開墾部落のだいぶ入っておるところがあったが、温泉が出るとか、風呂みたいなものが建っておったが、ああいうような土地ばあなた方には向かないのですか。
  38. 建石福蔵

    建石証人 これは百三十六世帯のうちにどういう考えの人がおるか私はわかりませんが、私といたしましては、私ども土地とあの辺の土地とはとても違いがあるのてでありまして、早霜、おそ霜の害があったりして、海抜が七百メートル、八百メートルという地形のことで、とても微妙なことがあるそうであります。米を作るとか、いろいろなことに対して非常な差があるのでありまして、そういう差のあるところへ私どもが行けば、おれは不幸になりに行くのだ、こういうことを考えておりますので、あれよりもよほどいいところでないと工合が悪い、こういう考えを持っております。
  39. 田中彰治

    田中(彰)委員 それでは岐阜県とかあるいはまた冨山県、福井県、あの近所で、ここならという予定地が、あなた方の頭の中にあるのですか。そういうものは全然見当っておらないのですか。
  40. 建石福蔵

    建石証人 今、会としては見当っておりません。死守会というものは一緒の心で団結していかなければならぬのでありまして、会としてはそういうことは全然見当っておらない、こういうことになっております。
  41. 田中彰治

    田中(彰)委員 それではちょっと別な点をお尋ねしますが、今まであなた方より先に金をもらって立って、お百姓になった方もあるし、あるいはまた事業をなさった方もあるし、町へ出られた方もありますが、そういうように一次、二次、三次と行かれた人たち生活状態やその後のいろいろな点を現在ごらんになって、冷静に考えられて、やはり金をもらって立った方がよかったな、こういう工合に思いますか、やはり立ったためにあんな気の毒になったのだ、われわれもうっかり立てないぞと思われますか、そういうような点についてどう考えておられますか。
  42. 建石福蔵

    建石証人 これに対しては私どもも非常に考えて知りますが、先にお立ちになられた方で相当楽な生活をしておられる方があるということを聞いておりますけれども、その大部分が非常に苦しい立場におるということを聞いております。せんだって委員会の諸先生方現地お出かけにはられたときも、私どもはあなた方より先に電源開発会社に賛成して行ったけれども、向うへ出て行ってみると、もらった金よりも土地が非常に高いし、非常に不幸になっておるから、きょう諸先生方陳情をするのだ、こういうことを言っておられますので、私はこれは非常にとうといお話だ、今後会社交渉する上においても、賛成して行った人が不幸になるようなことがあるとすれば、私どものように五年越しも反対しておるような者に、会社はどういうことをやるかわからぬ、こういうことを考えておりますので、非常に心配はしておるわけであります。
  43. 田中彰治

    田中(彰)委員 そこで藤井さんが雪の中を二回もおいでになって誠意のあることを言われたので、あなた方も覚書を取りかわした、覚書を承諾したというようなことなんですが、藤井さんば今やめておるのです。藤井さんがやめられても、やはりあなた方は覚書通りにやってくれるのだという自信が今あるのですか。藤井さんがやめられたから、今度かわりの人では話が変るのではないか、あるいはまたうまくいかないのじゃないか、それともかわられたからかえって藤井さん以上にこれがうまくいくのじゃないかというような点について、どういう工合考えておられますか。
  44. 建石福蔵

    建石証人 これは私どもの会といたしましても非常に心配いたしまして、会社総裁、副総裁がかわられるというような話になっておったのでありまして、また役員の方がかわられると、前のことは知らないというようなことを言われると大へんだと思いましたので、会社人たち総裁、副総裁がかわられたのだから、あの覚書を再確認してほしい、こういう申し入れをしまして、岸田副総裁から再確認の覚書をとっておりますので、私どもはまだ副総裁総裁にも会っておりませんが、今後は必ず覚書趣旨をよく理解してやってくれるのじゃないか、こういうことを今でも思っております。
  45. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなたの方では副総裁だとか、総裁とかいろいろ言われますが、地元には、土地交渉する係として、会社の相当の地位の人が行っているわけです。あそこには所長もおるわけです。そういう人たちとどうして話がつかないのですか、その点を一つ……。遠慮は要りませんよ。
  46. 建石福蔵

    建石証人 私どもが絶対反対をしておって、今度藤井総裁がお見えになって、それから覚書をもらいまして補償交渉に入るという段階になりましたところが、藤井総裁の言われるには、補償というものは現地の人にまかせておっては、これは非常にむずかしいことであるから、補償本部というものを会社直轄で設けて、あなた方と話し合いに入ろう、こういうことを言われまして、補償本部を作られましたので、現地所長さん方とは別に話し合いをすることは要らぬのでありまして、補償本部の方と直接に話をしておるというような現状なのであります。
  47. 田中彰治

    田中(彰)委員 そこに私らがちょっと疑問を抱くんだが、補償本部を作って、たとえば総裁が行こうが、副総裁が行こうが、あなた方の現地というものはあまりよく知っておられない。所長だとかと今までやはり話がつかなかったから、そういう本部を作るようになったのだが、作る前に、所長とかそこにおるところの係の人たち土地補償関係の人、そういう人が一番あなた方の生活をよく知り、あなた方の土地の地形をよく知っており、気候その他も知っているのだが、そういう人とあなた方が話をされるのがいい、いや本部なんか要らないんだ、むしろこちらの現地におられるわれわれの土地、われわれの生活、われわれの住んでおるところの気候その他収入等をよく知っている人と話をした方がいいんだというように、あなた方からむしろそう出られなければならないはずなのだが、あなた方がそういう人たちよりも、何も知らない本部なんかの、つまりそういう総裁とか副総裁人たち交渉した方がいいんだというように考えられることは、一体どういう点が根拠なのですか。
  48. 建石福蔵

    建石証人 私ども補償本部を作れということを言ったわけではありませんが、会社の方で補償本部を作るんだということを言われましたので、これに対しましては私ども現地の人が直接おやり下さってもかまわぬと思いましたけれども会社として補償本部を作って直接やるんだ、こういうことを言われましたので、これ以外私は何も考えておらぬわけでありますので、よろしくお願いいたします。
  49. 田中彰治

    田中(彰)委員 それでは補償本部の方が現地の人より話が早い、うまくいくんだというように考えていられるのか、またいま一つ現地の人と一回か交渉をされたことはあるのですか。
  50. 建石福蔵

    建石証人 これは絶対反対をしておりまして、三月に入って藤井総裁がお見えになって、補償交渉ということは現在もまだやっておらぬのでありまして、ただお互いに考えようというような段階でありましたので、補償本部ができる前に私ども補償交渉をする必要がなかったのでありまして、そのために一回も話し合いには入っておらなかったわけであります。
  51. 田中彰治

    田中(彰)委員 それでは一回、二回の前にお立ちのきになった人たちはどこと交渉されたか、知っていられますか。
  52. 建石福蔵

    建石証人 これは現地の建設所長さんがおやりになったということを聞いておりますが、それ以外にはまだわからぬのでございます。
  53. 田中彰治

    田中(彰)委員 そこでこれはそういううわさがあったなら正直に言っていただきたいのだが、現地所長さんたちがその立ちのきなんかの交渉をされたときに、そこにブロカーが入ってきたり、そういう因果関係の人が入ってきたり、あるいは岐阜県あたりの有志が乗り込んできたり、村の有志が乗り込んできたりして、いろいろその交渉をしたりして、立ちのかした。そういうことについていろいろな不正といいましょうか、不公平といいましょうか、そういうようなものが相当あったと私ら聞いておるのだが、そんなうわさをお聞きになったことはありませんか、またそういうことを知っておいでになりませんか。これは正直に言ってもらわなければ困るのですが、お聞きいたします。
  54. 建石福蔵

    建石証人 私どもが絶対反対をしておる当時、いろいろ一次、二次の方々が補償をやられるということになっておりまして、そのとをには、相当大きい山や何かを買ってお見えになったという人は、一括して売られたとかいうことは聞いておりますが、中ヘブローカーの人が入ってああしたこうしたというようなことは、聞いておらないわけなのであります。
  55. 田中彰治

    田中(彰)委員 大きな山を買って持っておってそれを売ったとあなた今言われましたが、それは電源開発がそこへできるということがわかってから、そういうような山を買ったり、あるいはそういうようなものを買って売ったというような事実を知っておいでになるのですか、そういう話をお聞きになったのですか。
  56. 建石福蔵

    建石証人 私はどうも売ったとか買ったとかいうことは、こまかいことはわかりませんが、会社ではそういうような人のは全部買われたというようなことを、人のうわさでは聞いておるわけであります。実際のことは私は今のところは知らないのでございます。
  57. 田中彰治

    田中(彰)委員 実際でなくていいのですが、つまり自分の持っている山でなくて、ほかの山もみな買っておった、目先がきくというのですか、利にはしこいというのか知りません、買っておったものをみな電源開発で売ったというような話をお聞きになったのですか。
  58. 建石福蔵

    建石証人 そういうことを聞いております。
  59. 田中彰治

    田中(彰)委員 そこで岡部さんとは何回くらいお会いになりましたか。
  60. 建石福蔵

    建石証人 今はっきり覚えておりませんが、四回はお会いしたと思います。
  61. 田中彰治

    田中(彰)委員 いつごろといつごろですか。概略でいいです。
  62. 建石福蔵

    建石証人 これは三月に一回お会いしたと思いますし、四月にもお会いしたのではないかと思いますし、むろん五月も覚書を書いて出されたときにお会いしましたし、先般十日の日でしたか、そのときお会いしたと思います。
  63. 田中彰治

    田中(彰)委員 岡部さんがあなた方とお会いするときは、いつもどんな話をするのです。何人くらいでお会いになるのですか。あなたと二人ですか。幹部だけですか。全員集められるのですか。お会いしたときにどんな話をされたんですか。
  64. 建石福蔵

    建石証人 これは初め一、二回は、死守会の総会と言いまして、百五、六十人から二百人くらい隻まってお会いしたことが三回ありましたし……。
  65. 田中彰治

    田中(彰)委員 そのときどんな話をしました。
  66. 建石福蔵

    建石証人 そのときは絶対私ども反対だから、今あなた方の覚書趣旨によって生活の安定をしてもらうということに対して、ぜひとも一つあなた方の方でお作り下さいというようなことを二回目にたくさん会ってお願いしたわけであります。初めに会ったときは、これは副総裁とお見えになられましたので、副総裁お話だけで、岡部さんは何もおっしやいませんでした。そのあとお会いしたときも、同じことを繰り返して、会社はぜひ私ども生活安定、幸福になるように作ってもらいたいということをお願いした。それからいやそれはあなた方も考えて下さらなければだめだというようなことを繰り返してお会いしておるわけで、別にきまったこともありませんし、そういうことを繰り返しただけなんです。
  67. 田中彰治

    田中(彰)委員 綿貫という人を知っておりますか。
  68. 建石福蔵

    建石証人 私は名前は聞いておりますが、お会いしたこともありません。
  69. 田中彰治

    田中(彰)委員 この綿貫という人の名前をどんなことでお聞きになりました。どういうことをした人だとうわさで聞いておられますか。その点をうわさでけっこうですが、話して下さい。
  70. 建石福蔵

    建石証人 これはうわさでありますが、綿貫さんというお方はだいぶ大昔でありますが、庄川の下流にダムができたと遂に、材木が流れぬとかなんとかいうので、子供のときでしたが、非常にその係争をやられたというときに、綿貫さんという人はその会社の人だったということを一番初めに聞いておりましたし、その後非常にお金があるので、私どもの村のあたりにも山を貧乏して売るというようなことのときにお買いになるような人だ、こういうことだけを知っております。それからそのあとその山をお買いになったのが今度は売れたそうでありまして、非常にまた金持ちになられた人だ、こういうことを聞いておるわけであります。
  71. 田中彰治

    田中(彰)委員 その綿貫さんが係争したという会社は一体何会社です。
  72. 建石福蔵

    建石証人 これは飛州木材株式会社とかいうようなことをうろ覚えに覚えております。
  73. 田中彰治

    田中(彰)委員 その相手のダムを作った電気会社は。
  74. 建石福蔵

    建石証人 下流に祖山というところがありますが、そこでダムをお作りになりますときで……。
  75. 田中彰治

    田中(彰)委員 関電じゃないですか。
  76. 建石福蔵

    建石証人 関西電力とか何とか、そういう会社ができるときじゃないと私は思いますが、大同電力とか、私はうろ覚えで、子供のときでありますから、はっきり覚えておりません。
  77. 田中彰治

    田中(彰)委員 そこでこの綿貫さんが、現在の電源開発の上役の人と知ってるとか、あるいは所長と同県人で近しいとか、今の所長、前の所長と親類とか友だちとか、そういうことをお聞きになったか。電源開発に始終出入りしているので、電源開発の人と非常に近しいんだ。親類であるのか、お友だちであるのか、そういう関係があるということをお聞きになりませんでしたか。
  78. 建石福蔵

    建石証人 それは私は全然知りません。綿貫さんは非常に年寄りの方で、なかなか山の中へは来れぬようなお方だ、そういうことを聞いておりますので、御母衣あたりへもめったにおいでになられぬのじゃないかということだけは向いております。
  79. 田中彰治

    田中(彰)委員 そのめったに行けない人が山を買ったりなんかするには、番頭さんとかなんとか、代理する人がいるんですか。
  80. 建石福蔵

    建石証人 これは今なくなられましたが、番頭のような方がおられたということを聞いております。これは白川村の人だということですが、その人は昨年かなくなられた人だと私は覚えております。
  81. 田中彰治

    田中(彰)委員 その白川村におった人が電源開発の今の所長とか、前の所長とかと友だちか親類だということをお聞きになりませんでしたか。
  82. 建石福蔵

    建石証人 それは私は全然親類でないと思いますが、今の所長さんは富山の人でありますし、なくなられた人は白川村の相当奥におられたので、私は絶対親戚ではないと思っております。
  83. 田中彰治

    田中(彰)委員 綿貫さんはどこの人だか知っておりますか。
  84. 建石福蔵

    建石証人 これは富山県の井波というところの人だということを聞いております。
  85. 田中彰治

    田中(彰)委員 そこであなたはどうもお隠しになっているようだが、綿貫さんは富山県だ。今の所長も富山だ。そこで友人関係、親類関係、そういうようなものがあるんだとか、あるいは同県人で観しいとか、こういうようなことがあなた方の耳に入っているはずですが、あれだけのものをたくさん売買したんだから、そういううわさをお聞遂になりませんか。
  86. 建石福蔵

    建石証人 これは私が全然親戚関係ということは……。
  87. 田中彰治

    田中(彰)委員 友人関係とか……。
  88. 建石福蔵

    建石証人 友人関係も聞いておりません。ただ私どもほんとう郷土を守りたいという一念で目がくらんでおって、一生懸命反対をしておるのでありまして、綿貫さんがどうであるとか、所長さんがどうであるとか、一度も考えたことはありません。
  89. 田中彰治

    田中(彰)委員 それじゃお尋ねいたしますが、この間私たちが行ったときに、あすこにあなた方がお寄りになっておったんですが、その前にわれわれが行くということもわかっておったし、あなた方がさっきおっしゃったように陳情されるくらいの——ことに決算委員会が行くのに、だれも出ておらない。みなあすこへ入っておられたのですが、われわれ村の人から聞いたから、あすこへ行りたのですが、あの前の晩にもお会いになったのか。あれが初めてなのか。岡野さんとどんな話し合いをされたのか。これはあなた正直に言っていただかぬと、われわれもこれだけは調べなければいかぬことになっておる。証人に呼び出したのは、これを言ってもらうためだ。   〔「偽証罪にならぬように」と呼ぶ者あり〕
  90. 建石福蔵

    建石証人 私はもう覚悟して宣誓書も読みましたし、申し上げます。私はあのとき初めてであります。会社から前の日に電話がかかりまして、岡部理事が長いこと来ないから、一度幹部のお方と会っていきたいという電話があったのであります。そうすると、決算委員会のお方たちもお見えになるという話を聞いておりますが、一緒に来られるんですか、こういうことを会社の人に電話をしてみましたら、それは別な話だ、こういうことを聞いておったのであります。そこで私がいろいろ死守会として動く場合は。死守会の協議を経て、それからこうせよ、こうきまったときだけしか私は動けないのでありますから、その前の晩役員会を開きまして、あすこへお見え下さったときの人々が集まって、それから会社からこういうことを言ってきたし、決算一員の方もお見えになるという話は聞いておりますが、これはどうしたものだろうかという協議をかけたわけなのであります。そこで決算委員の方は、どういうふうな御用件で来られるのでしょうというような話もありました。そこで私は、非常に先生方には申しわけがありませんが、私はほんとうに山の中の人間で、皆様はどういうお仕事をおやりになられるか、それもわかりませんが、新聞で見ておると決算委員の方々のお役目は、何しろ一定のきまった額しかダムで沈む人にやらぬように干渉なさるというようなことも考えたり、また私どもが非常に困っておりますことは、水の中へ入る土地は買ってもいいが、それ以外のところは絶対買ってはいかぬというふうに決算委員の皆様がおっしゃるのでないか、こういうような考えで、私どもには、こちらへ来るというような正式な御通知を受けておらぬものだから、何か正式な御通知があるはずだ、こういうことを考えましたので、お見えになってから正式に御通知を下さるのだろう、それで会社は一応あすの一時から岡部理事が来るから会おう、そういうようなことで、その晩は私どもも一時に学校へ集まっていれば、決算委員の方も私どもに会いたい、こういうふうに言ってきて下されば会いたいというふうに考えました。(「この間現地であなたから聞いた話と違うぞ」と呼ぶ者あり)
  91. 上林與市郎

    上林委員長 発言中ですから……。
  92. 建石福蔵

    建石証人 ちょっと今御質問趣旨がわからぬのですが……。
  93. 田中彰治

    田中(彰)委員 私らが行って学校でお会いする前の晩に、あなた方は岡部理事の家へ行ってお会いしているでしょう。お会いしておらなければ、岡部理事の連絡だというので、あなた方は会合されておるじゃないですか。あなた、うそ言ってはいけませんよ。
  94. 建石福蔵

    建石証人 私は絶対会っておりません。
  95. 田中彰治

    田中(彰)委員 会合しておるじゃないですか。
  96. 建石福蔵

    建石証人 会合はしております。
  97. 田中彰治

    田中(彰)委員 それは岡部理事の連絡で会合しておるのでしょう。
  98. 建石福蔵

    建石証人 はい、そうであります。
  99. 田中彰治

    田中(彰)委員 電話がかかったでしょう。どんな電話がかかったのです。
  100. 建石福蔵

    建石証人 これは長い問会っておらぬから少数幹部の方とお会いしていきたい、こういうことであったのであります。
  101. 田中彰治

    田中(彰)委員 おかしいですね。あなたは山の人で決算委員がどんなものだか知らないとおっしゃるのに、別に新聞を見たからといって、不当な金を使ったものを決算委員がそれを是正しているだけであって、山を安く買えとか、要らぬものを買うなとかそういうむだなものを買っちゃいけないとか、一定の価格で買えとか、そういうことを決算委員が言ったということが新聞に出たこともなければ、そういうことをあなたが想像つくような——今まで電源開発なんという仕事決算委員はあまり携わらぬのに、あなたは山の中でよく御存じですね。この委員会でもそんなことを知っている人は少いですよ。そんなことをおっしゃって、かえってあなたがここで偽証罪に問われるようなことになれば、あなた一人のために百三十人からの人が大きな迷惑をするということをお考えになった方がいい。ほんとうは参考人で呼ぶわけなんだが、参考人では深く聞くことができない。証人で呼べば、刑務所へ入れることもできるので呼んだんですよ。おかしいじゃないですか。あなたは、われわれと会ったその前の晩に、岡部理事と会ってきた人があなたと連絡をとったはずです。それはだれですか。あなたが招集されたのか、理事から電話がかかったといって集まろうじゃないかというので集まったのか、その点をはっきりさせておいた方がいいですよ。
  102. 建石福蔵

    建石証人 前の晩、会社の人とは全然会っておりません。
  103. 田中彰治

    田中(彰)委員 会社から電話がかかったから、会おうじゃないかといって会った人があるでしょう。岡部から電話がかかって、岡部が会いたいというのであなた方がお会いになったんでしょう。そしてそこでお酒を飯んだりされたんでしょう。
  104. 建石福蔵

    建石証人 絶対にそういう事 はありません。
  105. 田中彰治

    田中(彰)委員 どうしてお会いになったか。あした岡部理事が来るというのに、どうして夜お寄りになったのですか。
  106. 建石福蔵

    建石証人 夜会って、会社の人とは……。
  107. 田中彰治

    田中(彰)委員 会社の人とは会わぬでいい。あなた方はどうしてお寄りになったのですか。
  108. 建石福蔵

    建石証人 会社から電話がかかって、あす一時から会いたいという申し込みがあった場合に、これは委員会を開いてあす会うかどうかということをきめなければならぬので、私が招集してそれから集まっていただいたわけです。
  109. 田中彰治

    田中(彰)委員 そんなことなら、別に決算委員関係ないのだが、決算委員が役場へ行くという通知もしているのだから、役場から決算委員が来るとかなんとかいうことをお聞きにならないのか、またあなた方のところへ決算委員が行くぞといってあなた方の陳情書を持ってきたこともあなた方は話をしておる、それからまた決算委員が行くからといって、あなた方は決算委員に会ったこともないのだから、埋まらないところを買わないぞとか、査定の金しか出さないぞと言うのはおかしいじやないですか。あなたがそんなことを考えるなら、私どもはもう代議士の資格がありませんよ。それはどういうわけですか。あなたはそんな知恵があるのですか。あるということになれば、あなたの死守同盟会長に対してわれわれも考えなければならぬ。そんなに国会議員以上の知恵で百三十人をあおって、そうして土地を売るとか売らぬとか困らせてやるということなら、これはまた考えなければならぬ。われわれはあなたがりっぱな、純情な人格者であって農民の代表者である、村の代表者であるから、こうやって証人に呼んでやっているのです。そんな知恵が出るということはおかしいじゃありませんか。しかも決算委員が行ってこの土地を買わないよ、埋まらない土地は要らないよ、値段は安くしか買わないよ、——なるほどそうかと言うけれども、あなたがそんなことをお考えになるのはおかしいじゃないですか。その点、もう一ぺんはっきり言って下さい。
  110. 建石福蔵

    建石証人 この点は私、どんな裁きを受けようと、決して私はうそを言わぬつもりでありますし、事実委員会を開いたときに、その委員の意見がどうしたらいいのだ、こうしたらいいのだと非常に迷って、これは私にもどうだ、建石会長の意見はどうだというように委員からも突っ込まれたのでありますけれども死守会の運営上これをこうだと思って言っても具合が悪い、それで一応これは何か正式にお話があるはずだ、それを待ってからお会いした方がいいなというようなことしか、私は考えておりませんでした。
  111. 田中彰治

    田中(彰)委員 おかしいですね。今度あなた方の運動で、何か陳情書を持ってきたりなんかするのでこの間ごたごたしておった。その前に関係のない人に、あなたの死守同盟から決算委員田中彰治あて陳情書が出ておる。あなたは、さっき聞けば、日本の相当偉い人にはみな出されたと言う。その陳情書の出ているものは、委員長がかわっても少しも変りがない。あなたが取り次いで、一年も二年も前に東京に陳情書を持ってきて三通も四通も出して、それこそ会わなければならぬとあなたがおっしゃるのに、それをあなたが決算委員に会うことはわれわれに不利だから会わないと言う。そんなところになぜ陳情書出したのですか、おかしいじゃないですか。それをお答えなさいよ。
  112. 建石福蔵

    建石証人 私は決算委員の方にお会いして悪いということではなかったのでありまして……(「会わないということを議決したとわれわれに言っているじゃないか、この間ときょうのあなたの証言は違いますよ」と呼ぶ者あり)そういうふうなことを申し上げたんですが……(「それは言ったよ、偽証罪になるよ」と呼ぶ者あり)
  113. 上林與市郎

    上林委員長 質問に対して答弁して下さい。
  114. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなたが一年も半年も前に東京まで持ってきて書類出して、うちの事務所まで来たり国会まで来ているのに、その決算委員が行くというのに、会ったら不利だ、不利ならなぜそんなものを出した、それがおかしいじゃないか、きのうやきょうの話じゃないのだから。電源開発からうまいこと言い含められてもだめだ。おかしいじゃないか。
  115. 建石福蔵

    建石証人 私は電源開発から絶対にそういうことは……。
  116. 山本猛夫

    山本(猛)委員 関連質問証人に伺いますが、先般私ども証人の住んでおられる方面に出張いたしました際、岡部とあなた方が会見をせられている席上で、あなたが前夜行われた会合の経過をわれわれに御説明になったはずでございます。そればお認めになりますか。
  117. 建石福蔵

    建石証人 これは……(山本(猛)委員「認めるか認めないかだけでいいんです」と呼ぶ)私は陳情を申し上げ……。
  118. 山本猛夫

    山本(猛)委員 認めるか認めないかだけでいいんです。あなたが説明したかしないかということだけでいいんですよ。説明しなかったとおっしゃるか説明したとおっしゃるか、それだけでいいんです。説明の内容はいいですよ。われわれに会った際に説明をしたとおっしゃるか、説明をしないとおっしゃるか、それをお認めになるかお認めにならないか、それだけでいいんです。認めないなら認めないでよろしいですよ。
  119. 建石福蔵

    建石証人 ちょっと質問趣旨が…。
  120. 山本猛夫

    山本(猛)委員 それじゃもっと端的に申し上げましょう。この間私ども決算委員が学校へおたずねいたしましたでしょう。そのときあなた方が岡部を中心にして会合を開いておられましたね。そこへ私どもはおたずねをいたしましたね。そのときにあなたが死守会を代表されて、あの日の前の晩に行われた会議の有様を私どもに説明をして下すったんです。それをその通りだとお認めになりますね。そうでしたね。
  121. 建石福蔵

    建石証人 これは……(「あいさつされたでしょう」と呼ぶ者あり)陳情したと私は思っております。
  122. 山本猛夫

    山本(猛)委員 それでよろしゅうございます。そのときにあなたはこういうことをおっしゃっておられるのです。前夜会合をして——前の晩ですよ、あの前の晩に会合をして、岡部が会見をしたいと言ってきている、決算委員も来ておる、そしてこの両方に会うか会わないかということを討議をせられた、その結果岡部には会おう、決算委員には会わないという議決をされた、こうおっしゃっておられるのです。それをお認めになりますかお認めになりませんか。
  123. 建石福蔵

    建石証人 これは正式な御通知を受けていないから、正式な御通知を受けてからお会いしたらいいんでないか、こういうふうに私は考えておりますし、そのときも陳情の中にそういうことを言ったようにも覚えております。
  124. 山本猛夫

    山本(猛)委員 あなたはそのときにこうおっしゃっておられるのです。決算委員というものは金を使わせないようにするんだ、金を出さないためにする委員であるから、これは会わない方がよろしい、また税金等にも関係してくるから、これは会わない方がいいという話し合いができて、その結果議決が行われて、そして決算委員には会わないことにするようになったんだ、こうあなたがあの場合たんたんとして述べられておるのです。それはお認めになりますね。
  125. 建石福蔵

    建石証人 これは税金ということはたしか申し上げたのでありますが、先生方陳情を聞いて初めてわかったわけでありますが、そういうように私は思っておりましたので、非常に私が悪かったとおわびをしたように覚えております。
  126. 山本猛夫

    山本(猛)委員 われわれの得た情報では、電源開発の岡部理事は病気と称して、私どもがその前日郡上八幡に着いたときも来られなかったほど病体であるということを言ってきておるのです。ところが事実はそれと背反して、あなた方によって決算委員会の公務執行を妨害しようという計画が行われて、そうしてあなた方には会わせまいという戦術を彼らがとったために、それがあなたの方へ流れていって、あなた方の決算委員には会わないという議決をしようという結果になった、その実情はわれわれは十分承知してあそこへ行っておるのです。それと先日行われた私どもに対しまする陳情という形式の言葉の中での御説明とが相一致しておるのです。でございますから、田中委員が先刻あなたにお尋ねを申し上げた中でおっしゃったように、あなたが先日われわれに陳情という形式で述べ−れたことは内容が違うのです。
  127. 山田長司

    山田委員 関連して。建石さんに伺いますが、実は今山本委員からの質問の点はこうなんです。実は私に当日はおくれて前に行かれた委員人たちのあとを追いかけたわけです。そうしましたらば、岡部理事はそこの事務所におられまして、私が名刺を出したら、理事もあいさつをしたのです。ところがきょうは決算委員の人が来られたけれどもほんとうなら御案内いたすべきなんですが、下痢をしておるので、実は私はここできょうは失礼させてもらいますというので、私が出ると同時に事務所のいすにしりをおろしてしまった。それで私はあとから追いかけて、決算委員の鳩ケ谷の方に行っておる人たちに追いついたわけです。それで帰ってきてみたらば、たまたまあなた方の会合に岡部理事出席されておったというところに、どうも私たちに理解のできない点があるのです。しかも岡部理事は床の問をしょって皆さん方と一緒になって話をされておった。こうこうことは、あなたの会わないというのと、岡部理事のその場所におられたのとどうも一致する点があるわけなんです。そういう点で今山本委員はあなたに伺っておるわけなんです。そういう点がやはりどうしても理解ができないわけなんです。だからあなた方のところに出るときには健康体になって行っておるわけなんだ。どうです。
  128. 建石福蔵

    建石証人 岡部理事が私どもにあいさつをしたときに、非常に体をこわしておったというようなことは言ったと思いますが……。(「どんなあいさつをしたのですか」と呼ぶ者あり)長いことあなた方とお会いしておらぬが、あなた方と話し合いを進めなければならぬことになって、期間が長いが、何の話もできておらぬ。ぜひ一つ早く話を進めて電気の工事が早くできるようにしてほしい、こういうことを申されたのです。
  129. 山田長司

    山田委員 たまたまあの二階に入れないということから、私たちが階段の下に行ったら、決算委員人たちは入れない、こういうことで、山本委員は当時、そんなばかなことがあるかといって入ったと思う。私も続いて入っていった。しかも入って行きまして、私はあなたが会長かどうかわからぬけれども、たまたまあなたの席の前に偶然にも行ったわけです。それであなたがあいさつをされる段になりましたとき、あいさつをしてもらうかどうかという話が出て、私ども決算委員長があいさついたしましたら、あなたがあいさつをされる最初に、あねたは、きのうきまっているからということで、決算委員人たちにあいさつしていいかどうかということで、一応方々のめぼしい人に、いいですかということを聞いたと思うのです。それを覚えていますか。その前の日に議決しておるので、ここであいさつしていいかどうかも疑問なんだ、これからあいさつしていいかどうですかということを用いたと思うのです。そのことの記憶はありますか。
  130. 建石福蔵

    建石証人 これははっきり覚えております。これはあなた方がおいで下さったばかりでなしに、死守会というものは非常に神経がとがっておりまして、私どもの一挙一動がむずかしいのであります。それで今陳情してもいいかどうかということを、やはり了解を得てはやっておるような次第で、先生方がおいで下さったので特別にそれを了解したというようなことでなしに、そういうようにやったわけであります。
  131. 田中彰治

    田中(彰)委員 そうすると建石さん、私がおかしいと思うのは、半年も一年も前に陳情までして、あの陳情書なんか相当激越な陳情書だが、そういうことをして頼んでおいて、今度あとで決算委員がわざわざあの山の中にまで行ったのに、会わないでもいいんだ、決算委員はこういうことをやるんだというようなことをやられて、決算委員というのが、国家がどうなろうが、会社がどうなろうが、何でもかでもあなた方の土地を高く買って、あなた方に利益を得させるならば会ってやろう、利用してやろう。損ならそれは利用しないというようにあなたは考えておられる人と見ていいですか。それから一つ聞きましよう。
  132. 建石福蔵

    建石証人 今から考えると、私が死守会を代表しておって、先生方がお腹ちになったとすれば、非常に申しわけないとおわびする以外ございません。
  133. 田中彰治

    田中(彰)委員 それで、二階に会合しているときに、山田委員山本委員と私らが行って会おうとしたときに、女の人が大へんだといって飛び下りてきた。そうして、あなた方、上ってもらっちゃ困りますと言うから、おかしいじゃないかと言うと、その女の人が廊下におった村の人に、今決算委員に入られては困る、あげないようにしてくれ、こう言って頼んだ。けれども山本君はそれを聞いてもずるずると上っていったので、私もついていったそこで山本君がそこに岡部がおったものだから叱りつけた。あの様子などを見ると、やはりあなた方は、決算委員があの席に来ては困るんだ、決算委員にその日は会いたくない、そういうような行動であそこに寄られておった。またもう一つ、岡部理事があなた方に、きょうは決算委員も来ておられますから会えとか、会うなとか話をされましたか、あいさつのときに……。その二つを一つ聞きましょう。
  134. 建石福蔵

    建石証人 先の場合のことは、岡部理事が話をおえて、私から会社としては覚え書き趣旨でどういうことを考えておるかというようなことを言っておったような時期でないかと覚えております。その話をしておったので、あなた方がおいで下さったということは、私はあのときは全然わからなんだのであります。どなたか私に、行ってみて下さい、こう言ったので、うしろの方におられた人が行かれたと思いますが、私はしゃべっておる最中であったわけですから、その人が行って、しゃベっているんだということで、そういうことをやられたのでないでしょうか。私はごらんの通り奥の方におりましたし、しゃべっておる際であったので、下へおりていってそういうふうにやられたのだ、こういうふうに思っております。
  135. 上林與市郎

    上林委員長 田中君、大体事情は明らかになったと思いますが……。
  136. 田中彰治

    田中(彰)委員 いや、これからが重大だ。それでは岡部理事があなたに、きょうは決算委員があいさつする、決算委員が来ているということを言いましたか、言いませんか。
  137. 建石福蔵

    建石証人 はっきり覚えておりませんが、私は決算委員の言葉はなかったと思います。
  138. 田中彰治

    田中(彰)委員 それでは、宮部君は何で原君と二人でもって興奮して、あなた方とけんかしたのです。本来、効果があろうがなかろうが、あなた方から運動費を一銭ももらっているわけじゃないのに、あなた方のために勢力して、陳情書を持ってきたり、社会党に行ったり、われわれのところに来て頼んだりして助けてくれと言っているのに、あなたはなんで興奮して、はかやろうだのきさまだの言うのですか。あなた、いいかげんなことを言ったらだめじゃないか。
  139. 建石福蔵

    建石証人 私は絶対にけんかしておりません。(「やっているじゃないか、いいかげんなことを言うな」と呼ぶ者あり)私はけんかしておりません。(「われわれの目の前でやっておる」と呼ぶ者あり)目の前でやっておった事実はありましたが、私はけんかしておりません。(「君は頼んだことがないと言っている」「なぜけんかしたのだ」「うそつきめ」と呼び、その他発言する者あり)
  140. 上林與市郎

    上林委員長 御静粛に願います。   〔「偽証罪で訴えるぞ」と呼ぶ者あり〕
  141. 建石福蔵

    建石証人 偽証罪で訴えられても、私はけんかしておりません。(「ほかの者はなぜけんかしたのか」「会長は頼んだ覚えはないと言っている」「宮部が興奮してしゃべれぬくらいだ。ここに山本先生も山田先生も關谷さんも、みんなおられるじゃないか」と呼ぶ者あり)これは私ばかり一方的にお責め下さっても……(「君らは一晩で変っているじゃないか」と呼ぶ者あり)これはけんかした人がけんかしたとしゃべれば間違いないのですが……(「何にもしなかったかね。宮部君は興奮していなかったかね」と呼ぶ者あり)あれはほかの人とは興奮しておりましたけれども、私とは興奮しておりません。山本先生に私はけんかしておらぬということは申し上げます。
  142. 田中彰治

    田中(彰)委員 ほかの人とどうしてやったのか。
  143. 建石福蔵

    建石証人 ほかの人のことは、私は全然私がけんかせぬので、びっくりしてしまって——実は、とっととお入り下さったので驚いてしまって、あのとき私はほっと棒をのんだ形だったのです。そういうことで、ほかの人も相当興奮しておったに違いないが、私はけんかしておりません。
  144. 田中彰治

    田中(彰)委員 それじゃ、原君と宮部君があんなに大きな声を出して、このばかやろうとか出て行けとかいったのは、どうしてああいう空気だったのですか。それだけはあなたはないと言わないでしょう。これだけの人間の見ている前でやったことだからね。あなたがけんかしないにしても、宮部に、出て行けとか、出ろとはなんだ、お前どうだこうだというあの大きな声を出して、それは大へんな騒ぎをしたじゃないですか。それをあなたは知りませんか。言っていただきましょう。
  145. 建石福蔵

    建石証人 そういう不実はありましたが、私は全然あのときこうやれとも言ったわけでもありませんし……。
  146. 田中彰治

    田中(彰)委員 君が言ったというのじゃないのだ。どうしてあんな空気になったかと聞いている。会長が知らぬことはないじゃないか。
  147. 建石福蔵

    建石証人 そういうことは私は何も申し上げるわけにいきませんので、先生方が御調査なさる以外にしかたがないのじゃないでしょうか。
  148. 田中彰治

    田中(彰)委員 岡部氏が決算委員が来ているということを言わなかったことが一つ。あなた方が会えとも言わなかったことが一つ。それから、決算委員に会うなとか、決算委員がこうだとかいうような話は、電源開発の人とか、あなた以外の人で、あなたが今おっしゃつたような、決算委員というものは金を出したがらないものだ、あれは要らないところは買わないのだ、会えば損するとかいうことを言った人はないのですか。名前はわからぬでもいい、そういうことを言った人もあるのじゃないか。それを一つあなたの証言として言ってもらいたい。第一、岡部さんが決算委員に会うなとか、あるいは決算委員が来ているということを言わなかったのは事実だ。決算委員に会うなということを言ったという話なんだ。そういうことはないのですか。
  149. 建石福蔵

    建石証人 私は全然そういうことは聞いておりません。(山本委員「君はあのとき決算委員に会わないんだということを言ったじゃないか。まるきりでたらめな証言じゃないか。」と呼ぶ)私はでたらめな証言なら偽証罪に訴えられてもかまいませんが……。
  150. 田中彰治

    田中(彰)委員 岡部氏が決算委員が来ているということをあなた方に言わなかったのですか。会合のときのあいさつに、決算委員が来ても会わぬでもいいじゃないかということは言わなかったのかね。
  151. 建石福蔵

    建石証人 そういうことは、言われません。
  152. 田中彰治

    田中(彰)委員 それから宮部君のようにああやってあなた方のために働いている者が興奮して、ああいう大きな問題を起したのは何が原因なんです。原因がなくてあんな仲間げんかをする道理はないじやないか。あれだけみんながびっくりしたような大きなけんかをしているのに、それが何の原因かわからないのですか。
  153. 建石福蔵

    建石証人 今のお答えはどういうふうにお答えすれば……。(笑声)私今まで申し上げた通で……。
  154. 田中彰治

    田中(彰)委員 だからあなた方のために使いをしたり、部落に入って行って、自分の経費を使ってあなた方のために働いた人、決算委員が行って、決算委員に会わせようと努力した人が、われわれが行ったときにわれわれとけんかをするなら別だが、あなた方仲間で、ばかやろうとか何とか言って、興奮して口からあわを出して、あそこであんな大きな争いをして、原君がしまいには抱え出してつれ出した、これは委員長もみんな知っていますよ。何のためにそういう争いが起きたのかということを聞くのです。
  155. 建石福蔵

    建石証人 私はその内容は全然知りません。
  156. 上林與市郎

    上林委員長 この程度でいかがでしょうか。
  157. 田中彰治

    田中(彰)委員 もう一点。あなた方が去年からわれわれに出し陳情書は、われわれを使ってそれで土地が高く買われたり、税金がごまかせたり、そういうことをするんなら使ってやろう、それがなければ損だとか、よけいなことだとか、買ってくれないんだというのなら会わないでもいい、そういう工合にわれわれを利用したものととっていいですね。
  158. 建石福蔵

    建石証人 いや、それは違います。あのときの陳情書は絶対反対をしておるときでありまして、何とかして絶対反対のためには、もし会社工合の悪いことに便った場合には、あなた方からも御監督になってダムをやめてもらいたいということを陳情したわけであります。
  159. 田中彰治

    田中(彰)委員 それだけの重大な電源開発さえも押えてもらいたいと陳情をする者が——われわれがあの山の中に行くには、忙しい中をずいぶん困難して行っているんですよ。それに会わないで、あなたは学校のところに隠れてしまって、役場で会うという約束だったので、われわれは役場で会えると思って行ったのに、役場に行ったらおらない。幾らあなたが知らぬといっても、きょう決算委員が来るということだけはわかっているはずだ。ともかく陳情書出しているのだから、事情だけ述べようじやないかとか、あるいはきょうは会うことはできませんとか、何かそこにごあいさつがあってしかるべきだ。それがなくて、学校の中に隠れて、戸を閉めてしまって、下へ見張り番もつけておくようなことはおかしいじゃないですか。あなたがそうおっしゃるならそれでいいが、あなた方が頼んで得がいこうというと遂には決算委員を使ってやれ、損がいくときは、わざわざ山の中まで尋ねていっても、それでも会わない。あなたはこう考えておられるようだ。会うと、会社にあの土地を高く買ってもらえないとか、あなた方が利益を得られない、こういうことなんでしょうが、電源開発の者にはあの金は自由にならないのです。あなたの方に得を与えるということは、国民がみんなつめの上に火をともして、泣いて納めた血の税金、その金であなたの方に払うわけだ。だから電源開発の岡部が何と言おうが、総裁が何と言おうが、決算委員会がむだなことをやってはならぬと言ったらできないのですよ。あなた決算委員にうそを言っても、会社にうまくやれば高く買ってもらえるという、そんな夢を見ていたら、そこには会計検査院もおいでになるが、そんなものではないのですよ。岡部なんという者は電源開発の一使用人だ。あの総裁でもちゃんと総理大臣から任命して、通産大臣はその監督権を持っているだけだ。その総理大臣はわが党から出して国会から任命している。総裁はそんなに偉いもんじゃないんだよ。あなたは決算委員会にうそを言って向うに気がねすれば高く買ってもらえるだろうと思ったら、とんでもない。あなたは決算委員会を得と思ったときには利用し、損と見たときには山まで行っても会わないのだ、そういう工合に、自由に決算委員でも国会議員でも利益のためにいろんな仮面をかぶってお使いになる死守同盟会長なんだとこの委員会が見ていいですね。そんならそれで覚悟がある。
  160. 建石福蔵

    建石証人 そういうふうに見ていただきたくありません。私ども今まで悪いことがあったならおわびします。
  161. 田中彰治

    田中(彰)委員 今まであなたがとった行動は悪くないと思っていますか。陳情書を一年も一年半も前に出していた。またその陳情書はどうなったかというから、どうもあの陳情書ダムのことで忘れておったからまことに申しわけないといって、こちらが委員長のところへあやまりに行っている。そうしてあの陳情書を生かして、あの雨降りに山まで行った。そして今度はあなた方から逃げられた。それが悪くないですか。もしあそこに宮部君だとか原君とか有志がおって、われわれのことを気の毒に思って、学校にみんな隠れていますよと言わなかったら、われわれは素通りして帰っちゃった。何のために行ったんです。あなた方の陳情のために行ったんだよ。どうなんです。その陳情書が、このダムの問題が起きてから出し陳情書ならまだいいが、半年も一年も前に出してある。佐久間ダムも何のダムの問題も出ないときに私あて出してある。ほかにも出ている。どうなんです。
  162. 建石福蔵

    建石証人 非常に陳情書出したと遂と現在……。(山本委員「一晩で変った」と呼ぶ)
  163. 上林與市郎

    上林委員長 八百板正君、関連質問を願います。
  164. 八百板正

    ○八百板委員 ちょっとお尋ねしますが、建石さんも誤解されないように願いたいと思うんです。今いろいろ田中さんからお尋ねになっているのですが、別に田中さんは建石さんをいじめるために質問しているわけじゃなく、真相を明らかにしておきたいという趣旨からだと思いますから、この点誤解のないように願いたいと思います。一つ二つちょっとお尋ねしたいのですが、決算委員会の調査が参ります前に、決算委員会が行くということは、公文書が直接あなた方のところに行かないにしても、お知りになったわけだというふうにさっき伺ったのですが、そこで決算委員会がきた場合に、一体どうしようかというので保木脇の方の代表の方があなたのところに相談に行っているというように伺っているのですが、そのと遂にあなたは会社の方から、決算委員会にはタッチしないようにしてくれ、こういうふうに言われているので、実は困っているのだ、今も会社の人が現に二人来ているというふうなお話をされて、その結果保木脇の方の方では、それはもう私の方だけは陳情する、あなたの方はあなたの方で御自由にというような意味だろうと思いますが、そういうふうな話し合いで、その打ち合せの結果お別れになったというふうに聞いているのですが、こういう事実があるかどうか、あるかないかだけでけっこうです。
  165. 建石福蔵

    建石証人 これは保木脇の人がお見えになったことに対しての私に対する御質問なんでございますな。
  166. 八百板正

    ○八百板委員 保木協の方が、決算委員会の者が来るということだが、どうしようかというふうな、内容はどんな話をさ、れたか私はわかりませんが、あなたのところに相談にいったところが、決算委員会にはタッチしない方がいい、こういうふうに会社の方から言われているので、今も会社の人が二人来ているので困っているのだというような話がされた。それで保木脇の方の方ではだいぶお因りのようだというふうに判断されて、それでは私の方だけは陳情する、保木脇の方たけは決算委員会に陳情する、こう言って別れた、こういうふうな話を私は聞いておりますが、そういうふうな事実がありたかどうか、こういうことです。
  167. 建石福蔵

    建石証人 私は今までに会社の人がタッチしない方がいいんだぞというふうなことは、会社の人は、だれも聞いておらぬのでありますから、保木脇の人にも、聞いておらないからおそらく言わないと私は思います。
  168. 八百板正

    ○八百板委員 それでは決算委員会に会わないという決議をされたわけですが、その決議はもちろん集会の決議ですから集会の意思ですが、あなた自身も決算委員会には会わない方がいいという決意といいますか、そういうようなお考えをあのときは持っておられたわけですな。あなた自身の御意思か、それとも会議の意思をあなたがやむを得ずそういうふうにとったのか、あなた自身が会わない方がいいと考えたのか、会議の意志か、それとも第三者というか、ほかの意志か、その辺ですね。
  169. 建石福蔵

    建石証人 これは個人の意思か会の意思か……。
  170. 八百板正

    ○八百板委員 あなた御自身の判断か会の意志か。
  171. 建石福蔵

    建石証人 これは会の意思でありまして……。
  172. 八百板正

    ○八百板委員 会合の意志にあなたが従ったということですか。
  173. 建石福蔵

    建石証人 はい。これは正式にお会い下さるというふうに話して下さればお会いして陳情したいということだったのです。
  174. 上林與市郎

  175. 山田長司

    山田委員 幾つか質問がもうほかの委員によってされておりますので、私はごく短かく要点だけ伺いますからお答え願います。この死守同盟はどういう意図で作られたかということ、先ほどもあなたはお答えになっておりますが、二十七年に死守同盟ができて、ダムを最初は作らせないという意図だったと思いますが、それが条件の闘争に変った、それはいつから変ったのです。
  176. 建石福蔵

    建石証人 これはことしの三月四日に藤井前副総裁が来てから絶対反対を切りかえて条件の闘争に変ったわけであります。
  177. 山田長司

    山田委員 そうすると、さっきあなたは三月と四月には藤井総裁は来てもあいさつした程度だと言われておりますが、あいさつ程度で急に変ったのですか。
  178. 建石福蔵

    建石証人 これは非常に、何というのか、五年戦って、ありとあらゆる陳情書出して、どうしてもかなわぬのではないかというように思っておりましたところ、藤井総裁生活の安定をさせるということを言って下さいましたので、先ほど申しましたように覚書を書いて私どもによこしましたので、それでそういうように交ったわけでございます。
  179. 山田長司

    山田委員 先ほどあたの話の覚書というものはずいぶんばく然とした覚書だと思うのです。その覚書で変られたというのは、われわれが考えても少し早いのではないかという気がするのですが、あなたの変られるのは御自由ですから、その点について何も申しません。そこで三月、四月、十月、十一月とあなたは四回ほどお会いになったようなことを言われますが、この四回は岡部理事ですか、それとも藤井総裁ですか。
  180. 建石福蔵

    建石証人 三月四日に藤井総裁に会いましたし、五月八日に会いましたし、二回現地で、私どもの村で藤井総裁に会っております。そのとき藤井総裁一緒に、むろん岡部理事もお見えになっておられますので、その間一回だと思いますが、岡部理事が来られた。せんだって先生方もお見えになったときに来られた。こういうことを覚えております。
  181. 山田長司

    山田委員 さっきもあなたの御証言の中に綿貫という名前が出ましたが、綿貫は綿貫又六さんのことなんですか。
  182. 建石福蔵

    建石証人 綿貫栄とかいうお人だと私は聞いておりますが。
  183. 山田長司

    山田委員 この綿貫さんが電源開発会社に山を売られるときに、売らなくてもよい部分まで、全然ダムの建設に関係のない部分まで売っているという話があったのでが、そういうことを耳にしませんか。
  184. 建石福蔵

    建石証人 これは要らないところを買ったというように、私どもは買っておるのではないかということを聞いていったことがありますが、会社が必要かどうか私もはっきりわかりませんが、会社の人に、一次以外二次、三次の人のは水のつかぬところは買わない、こういうことを一言っておるそうでありますので、なぜああいうところを、買ったのではないかということは質問した場合があったのですが、これは会社が必要だから買ったのだというようなことを開いております。綿貫さんの場合も必要かどうかははっきり私は覚えておりませんが、絶対反対しておるときは、私は必要のないところまで買ったのではないかというよりに考えておったわけであります。
  185. 山田長司

    山田委員 その綿貫さんという人が電源開発会社へ売るのに当っては、ての中へ秋良甚松さんという人が入っておるそうですが、こういう人の名前は聞いておりますか。
  186. 建石福蔵

    建石証人 これは秋良石松さんは秋町部落の人でありまして、私より一里下流の部落民でありまして、私はよく知っております。
  187. 山田長司

    山田委員 よく知っているとなれば、あなたに伺うのに非常に張り合いがあるのですが、この人は今度の綿貫さんの山を中へ入って売ったことによって、どう見ても一億くらいもうけているという話ですが、そういうことはどうです。
  188. 建石福蔵

    建石証人 秋良甚松さんはあそこの土地を持っておられるのでありまして、秋町の部落としても水のつく範囲という、相当の資産家やと私は思っておりますが、その人が自分で売られていかれた人であります。中へ入るとかいうことは聞いておりませんが、一緒にお売りになった、こういうことだとは開いております。
  189. 山田長司

    山田委員 一緒に売られるというけれども一緒に売られるのに、電源開発会社に用事のない部分まで一緒に高く売られているという話があるのです。あなたはよく知っていらっしゃるとなれば、この人の持ち山だって大体おわかりにねると思うのですが、そういう個所のあったようなことは開いていませんか。
  190. 建石福蔵

    建石証人 これははっきりと水がつかぬところも——ここに家があればその周辺が山です。途中まで水がつくとこの上も売られたと聞いております。そうして会社としても今のダムを作るところが工合が悪いというので、そこのお買いになったところも穴を掘ったり調査しておられた事実もありますし、そういうことで水のつかぬところもはっきり買っておられると私は思っております。
  191. 山田長司

    山田委員 この秋良甚松さんと秋良甚助さんとはどんな関係ですか。
  192. 建石福蔵

    建石証人 秋良甚助さんは甚松さんの父親であります。
  193. 山田長司

    山田委員 この人はやはり同じ秋町部落に住んでおられるのですか。
  194. 建石福蔵

    建石証人 秋良薩助さんは父親でありまして、秋良甚松さんは長男です。そういうわけでありまして、甚助さんは年が寄られたので、何もかも財産をお売りになるときは長男の甚松さんにまかせられたのじゃないか、こういうふうに思っております。
  195. 山田長司

    山田委員 そのことについてはこの辺でやめておきますが、もう一ぺんさっきの会場の様子に話を戻して伺いたいのです。さっきの山本及び田中委員からの質問で、欠けるところがあったので私は伺うのですが、あれだけ二階に集まっていて、あの建物の地形上から判断いたしますと、あの二階に上った人たちのげたの脱ぎ場所というのは、やはり玄関でねければならないと思うのです。ところがはきものは全部隠してあるようにとんでもない裏側の方へ持っていっちゃったのです。それは何か外から自立たないようにはきものを隠したのじゃないかと思うのですが、そういうことはなかったですか。
  196. 建石福蔵

    建石証人 それは私は全然今初耳で驚いておるようなわけであります。玄関というのは、学校は正面から入るのと昇降口、子供が入るのと二ところあります。それでまた職員室といって小学校と中学校の間の入り口もありますので、ときどきはきものが変えられたりなくなるようなことがある場合があるので、どこへかお隠しになったか、私は今驚いておるわけでありますが、そこへ人が集まったからはきものを隠しておいたというような事実は絶対私はなかったと思います。
  197. 上林與市郎

    上林委員長 山本猛夫君、時間も参りましたから一つ簡単に……。
  198. 山本猛夫

    山本(猛)委員 私もたくさんお尋ねをしたいことがございますけれども、時間も参りましたし、証人もお疲れでございましょうから一点だけお尋ねをいたします。  私どもがおたずねをいたしました前夜会合せられたことはさいぜんの証言でお認めになっておられるようでございますが、その中に区長をやっておられる中田徳松という人が出席しておられましたかどうか。
  199. 建石福蔵

    建石証人 はっきりと出席しておられましてた。
  200. 山本猛夫

    山本(猛)委員 その中田徳松さんのお子さんが宮部さんのところへその晩のうちにその会合の構様を知らせに行かれました、そうして中田徳松さんのお子さんが宮部さんのところへ知らせましたその連絡の内容というものは、今晩の会合で、決議という形によって決算委員会の人たちには会わなくなった、とうとう会社から手が回ってこういうことに相なってまことに残念である、こういうふうな連絡をもたらしております。それをお聞きになっておりますかどうか。
  201. 建石福蔵

    建石証人 私には会社から全然そういう連絡もありませんし、その人がどういうことを言われたか私は知りませんが、私としては私にそういう連絡がなかったものでありますから、絶対そういうことはないと思います。
  202. 山本猛夫

    山本(猛)委員 あなたはりっぱな方でございますから、会社側と連絡をとって妥協をされて、さようなゆがんだことをおやりになるとは私ども信じませんが、それならば他の方でその会合に出席をせられた、役員会と申しますか、世話人会と申しますか、その会合に出席をされた方々の中に、会社関係のおありになる方かあるいは会社と連絡があるだろうと思われる方がおられましたかどうか、それを伺っておきます。
  203. 建石福蔵

    建石証人 今そういう事実はは私は全然わかりませんし、私も知っておりません。
  204. 上林與市郎

    上林委員長 他に御発言はございませんか。——ないようでございますから、それでは建石証人に対する尋問は一応この程度にして次の証人に移ります。  ここで御相談申し上げますが、尋問の順序を、変更して次は宮部証人にいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議無し」と呼ぶ者あり〕
  205. 上林與市郎

    上林委員長 御異議なしと認め、さようにいたします。  建石証人には御苦労ですが、下の控室にお待ちを願います。  この際暫時休憩いたします。午後二時より再開して引き続き調査を進めます。    午後一時七分休憩      ————◇—————    午後二時十三分開議
  206. 上林與市郎

    上林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際お諮りいたすことがあります。すはわち午前の理事会におきまして御協議願ったのでありますが、従来国有財産に関する小委員会において調査いたしておりましたところの国有財産の管理(高速道路の公有水面使用)に関する件につきましては、今後本委員会におきまして調査を進めてたいと存じます。つきましては右件について来たる三十日午後一時、前東京都建設委員長坪田正造君を承認として本委員会出頭を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議無し」と呼ぶ者あり〕
  207. 上林與市郎

    上林委員長 異議なしと認めます。よって規則第五十三条により議長を経由して出頭を求めます。  また同時に、参考人として東京都副知事佐藤基君の出頭を求め、実情を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  208. 上林與市郎

    上林委員長 御異議無しと認め、さよう決しました。
  209. 上林與市郎

    上林委員長 それでは午前に引き続き証人より証言を求めることといたします。議市の都合上総括的な面について委員長より若干お尋ねいたします。  あはたのお名前で、去る昭和三十一年十月二十八日付で白川村鳩ケ谷ダム建設工事に関連し、保木脇部落農民に対する補償問題について陳情書をお出しになっておりますが、ここでその趣旨内容を御説明願います。なお他の委員からあとで御質問があると思いますから、ごく具体的に簡単に御説明願います。
  210. 宮部一一

    宮部証人 私は宮部でございます。ただいま委員長お話の鳩ヶ谷の問題でざいますが、全国農民組合連合会書記長を勤めておりますので、各種組織の拡充に参ります。先ほどのお話のありました建石死守会長も私のところへ参っております。なお荘川村の隣村に高鷲村という村がございますが、これはわずか離れておるのですが、これも以前に組織がございましたので、その組織拡充のため建石君のうちへ参ったのであります。ところが建石君が申しますには、死守会は何とか今話し合いをしておる、あくまでも戦っておるからいいが、保木脇部落が関西電力のために非常ににかわいそうな目にあっておる。何とかして一つ行ってやってくれぬか、応援してくれぬか、こういうお話がありましたので、同日参りまして、そうしてその間村会議員のお方にも話をしましたところが、村会議員もそれはよく来てくれた、よく応援してくれた、何とか一つ頼むということでありましたので、その部落は六軒しかございませんが、そこへ参りまして、どういうわけでございますかといっていろいろをしましたところが、何とか一つ頼むというようなことで、それでは一つこの際ぜひお願いしなければいかぬ、鳩ケ谷ダムは御案内のように相当の工事が進んでしまって、十一月の六日に満水するということでございますので、これは決算委員会の方にお願いするより仕方がないと思って、私は地元の関係者から依頼を受けて、そうして陳情をいたしたものでございます。一言もお礼も申しませんが、せんだってお取り上げ下すって厚く御礼を申し上げますが、こういうようなことで私はお願いをしたわけでございます。
  211. 上林與市郎

    上林委員長 委員長よりの質問は終りました。発言の申し出がありますので、順次これを許します。山本狂夫君。
  212. 山本猛夫

    山本(猛)委員 証人にお尋ねをいたしますが、十一月十日に陳情せられまして、現場の方々とお目にかかるということがわれわれに伝えられて参上いたしたのでございますが、その間の事情を御存じでございましたら、きわめて簡潔にお述べ願いたい。
  213. 宮部一一

    宮部証人 この問題は私が陳情書出しまして、そうして鳩ケ谷の御視察を願って御調査を願う、こう言うて参りましたので、さっそく建石死守会長に報告をし、私はこういうふうにお願いをする、聞いていただくかいただかぬかは別でありますが、一応お願をする、こう申しましたこころが、非常に喜んで、それでは一つわれわれも同調して一緒ににここへ寄っていただきたい、こういう話がありました。そこでそれではせっかく皆さんが御多端のうちに来ていただくので、招集ができるかどうか、こう申しましたら、いつでも四百人、五百人は必ず寄ります。ぜひ一つ頼む、ほんとうに皆さんにお願いする、こういう話でございました。なおまたさらにつけ加えまして、もう一つお願いをするが、役場の方を経由して来ていただくようなことにしてもらうなら、特別寄っていただくから、そういう方法に一つ頼む。それではよろしい、できるだけお願いいたしましょうといってお願いをしたのでございます。
  214. 山本猛夫

    山本(猛)委員 それでは決算委員会が現場に参りました場合に、村の方たち決算委員会の私ども陳情をされるという御予定がございましたのかございませんでしたのか、その間のことを伺いたい。
  215. 宮部一一

    宮部証人 当然ありました。
  216. 山本猛夫

    山本(猛)委員 その場所……。
  217. 宮部一一

    宮部証人 これは最初はお寺ということになっておりましたが、荘川村の村長の方に連絡に参りましたところが村長いわく、それでは一つ時間を一時にして、そうして私も陳情しなければならぬ。陳情書がきておりますので、私も一緒陳情してもらうように頼む、こういう村長さんの仰せでございました。
  218. 山本猛夫

    山本(猛)委員 今の御証言によりますと、決算委員会のメンバーに事のしさいを陳情するという御予定はあった。ところが私どもが参りました場合には、役場にもお寺にも集まっておられなかった。伺いますとその前夜、電源開発の方では、決算委員会の公務を妨害して、その陳情をさせないためか、場所を変えて、別な会合をしようじゃないかというようなことを死守会の役員会で議決をいたした、こう言いますが、その間の事情がおわかりでございましたら承わりたい。
  219. 宮部一一

    宮部証人 この役員会の前からもう少しお話を申し上げたいと思いますが、私が上京してお願いするまでは本人も非常に強うございましたし、なおまた五年間戦って参りまして、私と同じように保木脇の先頭に立っておりますりっぱな男でありますので、決してそんなことはないと考えますが、電発の方からあらゆる手を下されておることは事実なんです。それで私が電報を打ちます、電報もくるということで連絡をとりましたが、その間ちょうど八日の夜にも会合を持ち、さらに九日には最後の死守会の会合を持ちました。その会合は夜七時から招集されまして、そして三十七人の全役員が寄られたそうでありますが、そのときには電発の岡部理事がおいでになるので、面会しようじゃないかということは、わずか三十分で済んでしまいました。あと十一時四十分にその会議は終ったのでございますが、その間に非常に激論あわを飛ばして、国会議員がおいでになった以上は、あくまで会わなければならぬ、会う必要ないという半々の意見があったそうでございますが、いかにその意見が重く取り上げられたかということは、一方の議案はわずか三十分で解決する、一方の議案は十一時四十分までもかかったということについても、村民の各位が皆さんに陳情するということがここにはっきりしておる。これを私は見ておったのではありませんの、でわかりませんが、相当の金をばらまいておるというわさを私は聞いております。
  220. 山本猛夫

    山本(猛)委員 私ども現地でお伺いしたのは十一月十日で、その前の晩の十一月九日の夜、決算委員会に会うべきか会わないできかという会合が行われて、そこに中田徳松という区長の地位にある人が出席しておって、その区長の令息があなたたちのおるところに連絡をして、会合の状況を知らしたということが伝えられております。そういう事実はございますか。
  221. 宮部一一

    宮部証人 事実であります。
  222. 山本猛夫

    山本(猛)委員 私どもは、あなたが御承知のように、十日にわれわれに伝えられましたそのお寺に集まっておりませんし、なお役場に連絡をとっておりますと、役場の方にも陳情者は一人も集まっておられない。そこで情報によりまして学校へ参りましたところが、ここに集まって、電源開発の岡部理事を中心にして、何か話し合いをやっている。そこへ参りますというと、玄関口に多分あなたも出てこられたと思うし、また死守会の人と思われるような人が出てきて、今は会えないとか、また会ってくれるなとかいうような、私どもがまことに意外とする言葉を伺ったように、あの当時のことを記供するのでございますが、あの当時の実情をおわかりでございましたら御説明を願いたい。
  223. 宮部一一

    宮部証人 ただいまのお尋ねでございまするが、私も当日は非常に興奮しておりましたことは事実でございます。ということは、全部の女、子供までも陳情に出るというのをくつがえされたこと、なお村長が陳情書を手に持って出るというのまでも食いとめたということは、これは当然岡部理事のとられた手段であるということは、私今なお信じております。  なおまたこれは次に出られます証人の口から聞きましたことで、私の聞いたのは九日でございますが、八日に西村という次に出られる証人が、建石死守会長の宅へ相談に行きました。これは一応さかのぼってお話ししなければ、なぜ相談に行くかということはわからないので、私は申し上げますが、関西電力が非常に保木脇の部落を圧迫して、非常にかわいそうな者もおるということで、五カ年間戦ってきた建石氏でございますので、建石氏のところに相談に来た。そのときに西村証人に、非常にわしは困っておるという話をされた。これは私の察するところ、あくまでもノー・タッチという線を打ち出したのに違いない。今もなおここへ日発から二人来ておるということまでも私は聞いたのでございますので、おそらくこれは相当の理由——相当の運動をしておるものと信じております。
  224. 山本猛夫

    山本(猛)委員 実情を伺いましたり、諸般の情報を集めてみますというと、まことに電源開発の岡部理事がとられました行動は、決算委員会の行動に対する公務の妨害であります。でありますからこの真相をきわめようとしてのお尋ねというものは、証人として重大な証言に値いたしますので、明確にお答えを願いたいのでありますが、あなたからお考えになりまして、電源開発は岡部理事の指令を受けましたか、受けませんでしたかというようなこと、またその指令を受けまして、電源開発人たちが動いて、われわれの公務に対する妨害としての結果を生むような事態を作っていったのであるかというようなことに関しまして、あなたが御承知でございましたらお述べ願いたい。
  225. 宮部一一

    宮部証人 私はあくまでも岡部理事が妨害をしたということを信じております。
  226. 上林與市郎

  227. 田中彰治

    田中(彰)委員 証人にお尋ねしますが、証人が先ほど宣誓されたのですが、私たち決算委員会というものは、たとえば死守同盟が迷惑しようと、電源開発が迷惑しようと、あるいはまた喜ぼうと泣こうと、そういったような利害関係にあまりこだわらない。ただ国民から集めた血税をむだにされたり、不正にされたりするものを是正していかなければならぬ、こういう考えで実はお尋ねしておるのですから、どっちの方をよく言うとか、そういうことをおやめになって、もうありのままをあなたから申し述べていただいて、それをわれわれはどの点を信じどの点を信じないかという点も、また理事会とかあるいは委員に寄っていただいて、そして一つ処置をとっていきたい、こういう考えでおるのですから、どうか一つあまり興奮しないで、ゆっくり私のお尋ねすることに対してお答え願いたいと思います。  第一に、あなたが陳情書を持って私の家へお寄りになったときに、半年か七月前にあなたのところへ死守同盟から陳情書が出ているが、それが行っているでしょうかとあなたから私が聞かれたのです。そこで探してみて、行っていることがわかったので、委員長のところへさっそくそのわけを言って出したわけですが、あなたがそういうようなことをされるについては、一体だれから頼まれてなさったのですか、それを一つお尋ねします。
  228. 宮部一一

    宮部証人 ただいまのにお答えいたします。これは先ほど申しましたように、農民組織の……。(田中(彰)委員「それはいい」と呼ぶ)今の死守会から田中先生のお宅へ陳情書が行っているということは、建石死守会長が、確かにこれは田中先生にも出しましたので、一つぜひあなたからも頼んでくれぬか、こういうお話がありましたので、お家へおじゃまいたしましたことと、さらにまた私は本家本元を調べなければならぬと思って、本家の、書いた発送者、事務者の若山芳枝という人にも人をもって私調査いたしました。ところが完全に一月の二日付で出ておるということがわかりましたので、先生のお宅へおじゃましたのであります。
  229. 田中彰治

    田中(彰)委員 それだけ死守同盟がわれわれに頼まなければならぬといって頼んでおきながら、今度は私たちが委員会で相談してきめて調査に行った。調査に行ったときに向うの死守同盟人たちは、ほとんど村にその有志の姿は見方ない。そして私たちはあなた方から電報で報告を受けておった役場に行っても、役場にもおらない。お寺じゃないかしらんと思ってお寺に行ってもおらない。そういうようねことは、証人が来て、社会党の諸君あるいはわが党の諸君のところへ三人も四人がかりもで回ったのと非常に現実が違うわけなんです。そこで違った原因は一体どういう点からそういう違ったものが出てきたのか、簡単にお答え願いたいと思います。
  230. 宮部一一

    宮部証人 お答えいたします。まことに私としては申しわけないと思いますが、これは決して私は自分から恥じません。あくまでも彼らの陰謀と考えます。こういうようなことは決してこの保木脇並びに御母衣だけではございません。そのほかに相当私は電発がやると思うので、今後日本の農民のために、あくまでも犠牲になっても戦わなければほらぬと決心をいたしておりまするが、一例を申しまするならば……。
  231. 上林與市郎

    上林委員長 質問に対して具体的に答弁して下さい。
  232. 宮部一一

    宮部証人 質問に関連しておりますので、一応お許し願いたいのですが……。
  233. 上林與市郎

    上林委員長 関連の答弁でなしに……。
  234. 宮部一一

    宮部証人 電発かそういうことをやっておるという事実は、これは後日また私証人出してでも一つはっきりしたいと思います。ということは、御母衣の第二期の買収のときでございまするが、これはやはり中野で八十名ほど、団体の名前は二つになっておりましたが、これを電発が第一回の買収は全面補償と申しまして、山の先っぽまでも買ってしまった。それで第二回、第三回もそういうように買ってくれ、それは買えぬ、という争いが今日まで続いているのでございまするが、そのときに八十名の郷土愛同盟会という会合の名前で発足したのでございまするが、その役員を十人、ぜひ君たちは全面補償をする、で岐阜まで出ていってくれといって、御案内のように岐阜までは五時間半かかりますが、その岐阜の一番大きな料亭の華陽ホテルというところへ十人を呼び寄せ、これには十日間飲ませる、食わせる、抱かせるというような三せる政策をとって、そうしてとうとう八十名の農民を納得させてしまったというような、われわれに対して決して許すことのできぬようなやり方をしておるのでございます。おそらくその帰りにまた二十万という金を持たして帰したということは、これは事実でございます。そういうように十日間も十五人も二十人もかかって飲むような金がどこから出ますか。私はこういうような金を公平に関係農民に与えていただきたい。これははっきりもらった。その会合に出た者が必ず証言に出ると申しております。そうしてそれが当時解決がついておるかというと、決してついておりません。さらにこの間、これは調査室の方に書類がが出ておりますのでわかりまするが、さらに五割を要求しておることも事実でございます。こういうような観点から考えまして、電発、関西電力というところは何をやるやらさっぱりわからぬ、国の金であろうと税金であろうと、どういうように使ってもいいというような考え方でやっておるということば、われわれはあくまでも納得できません。こういう証拠は、この間行っていただいてああいう不調に終った事実の一つの御証拠にもしていただきたいので、次回にはぜひ本人が出ると申しておりますので、証人として喚問願いたいと思います。
  235. 田中彰治

    田中(彰)委員 そのほかのことはあれとして、私のお聞きすることに簡単に答えてもらいたい。岡部理事が私たちの行く前の晩に御母衣の村へ行っておった。そして死守同盟の幹部二、三人と会って、それから幹部二、三人を承諾させて、その後会長に電話をかけて、話があるから、あしたお前たち一つ会ってくれぬかというようなことで会合を催した、こう聞いておるんです。そこで、先ほど出た証人も、岡部理事が来たから、あした会合したいからという話が建石のところへかかったとは言ったが、そのあと建石証人が言わないことは、二、三人と会って打合せをして建石証人に電話をかけているということなんです。建石のところへ電話をかける前に、会社と内通している者二、三人と岡部さんあるいは電源開発の人と会ったと思いますが、会わぬと思いますか。その点をはっきりしていただきたい。
  236. 宮部一一

    宮部証人 はっきり御答弁申し上げます。これは副会長に服部何とかという人がおります。この人に私がさらに面会を求め、その事実を値かめたところが、ゆうべは寄りましたし、今晩も寄りますということをはっきり申しておりますので、当然当日は電発からも来て秘密会談をやっておると私は信じております。
  237. 田中彰治

    田中(彰)委員 そこでその秘密会をやって、先ほど証人山本委員に答えられた話など聞きますと、電源開発の岡部理事が招集して、翌日午後一時に集まったのは三十人か二十人あった、それから決算委員が来たら会うとか会うなということで夜十一時までかかったということですが、その席上で決算委員に会うと、お前たちが売ったやつで利益になったのは、それは税金にとられるし、決算委員は金を出すことを渋る人間だから、お前たちが負っていただけるものも買っていただけなくはったり、値段が安くなったりするから、損だから会うなというような話をしたということを私は聞いているのですが、証人はそういう話は聞きませんでしたか。
  238. 宮部一一

    宮部証人 当然聞きましたし、私の察するところ、三十七人が半々であったのでございますが、その二十名近い半々のうちでも、二、三の人がはっきり反対をして、あとの人は何が何やらさっぱりわからぬので、一応置こうじゃないかという結論になったと考えております。
  239. 田中彰治

    田中(彰)委員 そこでわれわれも御母衣村にだれもおらないから、陳情はしたけれども、何か話が変ったのだから帰ろうじゃないかというので、忙しいので帰ろうとしたときに、村の人が証人たちが学校におるというので、その学校に行ったんでずが、学校へ行ってみたところが、岡部氏がわれわれに対して、はからだが悪いからわれわれのお供はできぬというので、断わっておったのですが、そのときの会合に証人は出ていましたか、出ていませんでしたか。
  240. 宮部一一

    宮部証人 私は出ておりませんです。
  241. 田中彰治

    田中(彰)委員 そこでその会合の席上で岡部理事——証人は出ておらないのだから証人の耳には入らなかったでしょうが、どんなことを話したかということを、証人とも知っている人があるのだし、死守会の人が証人を支持することもあったようですから、あとでその話を聞きませんでしたか。
  242. 宮部一一

    宮部証人 私は当然これを聞かなければいかぬと思いましたが、そのことはより聞かすに、これは後日にでも十分聞いてお伝えいたします。
  243. 田中彰治

    田中(彰)委員 そうすると証人は、決算委員が行ったら会うは。会うと土地を十分高い値段で買ってもらえない。もらえても税金でとられる。それから不要なところは買わないというようなことで話したというのは、証人はその会合の前に聞いたのですか。われわれが行く前の晩に聞いたのですか、われわれが出張したときに聞いたのですか、いつ聞いたのですか。
  244. 宮部一一

    宮部証人 当然八日の晩から九日の晩の二日間に聞きました。   〔委員長退席、吉田(賢)委員長代理着席〕
  245. 田中彰治

    田中(彰)委員 そこで私たちが、岡部理事たちが学校へ会合で集まっているときに入りますと、証人も入ってきて、そこで証人は何か興奮してけんかみたいなことをしたりして、証人を一人抱き出すようにして出したのだが、あの争いは何が一体原因だったのですか。
  246. 宮部一一

    宮部証人 私はあくまでも農民のために戦っておるということと、建石会長と約束を十分してありましたので、それを金力によって電発が裏切ったかということについて、私は非常に興奮いたしまして、岡部理事に食ってかかったというのが事実であります。
  247. 田中彰治

    田中(彰)委員 そこでわれわれがあいさつしてから帰るとをに、あそこの学校の校長さんが委員長さんに、ここに集まっているのは、決算委員会の人たちに会わせないようにカン詰めしておるのだ。自由民主党の人は人がいいから、本気にして帰っていくが気の毒なものだ。委員長、自由民主党の人に教えてあげなさいということを忠告したのは校長なんだが、証人は聞きましたか。
  248. 宮部一一

    宮部証人 当然聞きましたし、なお私が帰りましたところが、ほんとうにあなたは真剣にやっておりてお気の毒だ。私たちは出るように用意しておりましたという女の人の声を各所々々で聞いて参りました。
  249. 田中彰治

    田中(彰)委員 そうするときょう建石証人がここに来て、そういう事実を言わないのですが、あなたに頼んでおいたり、私のところに半年前にああいう檄文の陳情書出してわいたり、またわれわれが行ったときも、一つお願いしますというようなことを言ったのだが、今ここへ来て、岡部理事のそういういろいろ話したことを言うと、そうういうことはございませんというのだが、どうしてそういう変ったことを言うのか、あなたどう考えられますか。
  250. 宮部一一

    宮部証人 私はあくまで本人は悪い男とは考えておりません。これはやはり先ほどから申しておるように、何かの手がきつく回っておると信じておりますので、何とか本人が思い直すように、あるいは思い直すこともあるかと思いますので、一応これは皆さんからでもお願いしたい。われわれと同じように農民利益の先頭に立っておる男でございますので、ぜひ一つさそい水でもかけるような要領で聞いていただきたいことをお願いしておきます。
  251. 田中彰治

    田中(彰)委員 しかしさそい水をかけるということは、誘導尋問になるのですから、そんなわけには決算委員会はいかないのだが、そうすると建石君は、今証人が言ったような事実を知っておって言わないのでか。知らないで言わないのですか。その点どう思いますか。
  252. 宮部一一

    宮部証人 私はこれは相当強く重しをかけられておるものに違いないと信じております。
  253. 田中彰治

    田中(彰)委員 そこで重石をかけられて言わないということでこれはけっこうです。綿貫という人を証人は知っておりますか。
  254. 宮部一一

    宮部証人 私は顔は見たことはありませんが、名前だけはよく聞いております。
  255. 田中彰治

    田中(彰)委員 綿貫という人が電源開発の現在の所長と同県人であることはわかっておるのですが、そこでそういうようないろいろな関係からあの人が、ここに電源開発ダムができる、あそこにタムができるというようなことを現所長から聞いて、相当土地を買って、そうして土地の水のたまらぬようなところを売って、非常に莫大な金をもうけた。そのもうけた金があまりに多かったので、そのうちから一億二千万ぐらいの金が、電源開発の本社へ来たのかどこへ行ったのか知らぬが、電源開発に戻ったのだというようなことをわれわれは聞いています。証人はそういううわさを聞いていませんか。
  256. 宮部一一

    宮部証人 私も当然よく聞いております。
  257. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員長代理 ほかはありませんか——山田君。
  258. 山田長司

    山田委員 証人に事の成り行きを伺うために、私は最初から伺いたいことがあります。証人は前決算委員長の田中さんの事務所へ七月ころにたずねたことがありますが、その当時あなたの所属している全国農民組合の総本部の方には、このことについてどんなことをされていますか。
  259. 宮部一一

    宮部証人 当然これは私たちは農民の仕事である以上は最後までやろうということを前々から話をしておりますし、後日でもしております。
  260. 山田長司

    山田委員 これはおそらく連絡はされていることだろうと思うのですが、それではそういうことについて農民組合側ではあなたにどんな協力をされておりますか。あなた一人でこんな重大な問題を、岐阜県の連合会の書記長としてお背負いになって戦うということは容易じゃないと思うのですけれども、総本部の方ではどんな対策をこれについて講じていますか。
  261. 宮部一一

    宮部証人 総本部の対策は、まだ私はそこまでいっておりませんです。
  262. 山田長司

    山田委員 私はこの御母衣ダムのときに、あなたが道のまん中に立っておられて、ぜひ決算委員人たちはきょうは学校へ寄ってくれ、こういうことを言われて、私はあはたがどういう立場の人か全然そのとき存じなかったのですが、あなたの熱心な状態で、結局それでは学校へ行ってみようではないかということになって、学校へ行くような気持になって、委員諸君と同行して学校へ行ったわけですけれども、私たちが下へ行きまして、間もなくあなたは二階へおいでになられたと思うのですが、二階へおいでになられて、入れる入ればいでもんちゃくが始まったのですけれども、あの学校へ集まった状態というのは、最初から全く秘密にあの会合を持たれたような印象を、あなたの言葉からも、あの中の雰囲気からも察したわけなのですが、あの会合は全く秘密に持たれたように感じますがどうですか。
  263. 宮部一一

    宮部証人 死守会の副会費にも八日の日に会うておりますので、そのときの話から察しましても、必ず私はあれは秘密会と察しております。
  264. 山田長司

    山田委員 先ほどの建石会長は、過去四回ほど会社の重役たちに会っている。そのうち二回は藤井総裁である。あとの二回ほどは岡部理事だと言われますが、あなたがあそこへ行ってオルグしているうちに、会社の重役とはこの四回くらいの会見しか死守会人たちはやっておらないように感じましたかどうですか。もっと会っているようですか。
  265. 宮部一一

    宮部証人 これは書記局の話でございますけれども、十八回上京して皆さんに陳情しておるというところから考えまして、決して四回くらいではないと信じます。
  266. 山田長司

    山田委員 この発電所の工事の進行状態などから見まして、この書類から見ますと、水没することによる買収の面積、買収の契約額なんてものはまだ十億くらいなところのようなんですが、事実はこの綿貫という人の土地の買収価格でかなりの金額が費されておって、今現地の農民たちは、この予算の追加がなされなければ買収金額についてはどれだけになるかわからぬというので不安になっておられるようですが、一体この綿貫という者はどんな人物ですか。あなたがお知りになられた範囲でわかっているだけおっしゃっていただけませんか。
  267. 宮部一一

    宮部証人 綿貫という人は、先ほど申し上げましたように顔は存じませんが、電発とは非常に関係があるそうでございます。なおまた土地の人の話を聞きますと、電柱を一本立てる場合に損害補償費として三百円もらう。ところが綿貫だけは三万円もらっておるという事実もございます。
  268. 山田長司

    山田委員 電柱一本についてそんな額の差があるということ自体がまさしく間違いないとすれば、全国の農民の田畑に立てられている電柱の数は莫大である。しかもこれは今の金額にしてみて非常に僅少な額でしかないと思うのですが、今の三万円というのは事実ですか。何かこれについてはっきりした、いわゆる証言に立たれるような人がいますか。
  269. 宮部一一

    宮部証人 これは当時私が電発に非常に何しておりましたので、あらゆる角度から調査し、また秋町部落の買収について水没に関係のない山の上までも売ったというような政治的手腕を持っておりますので、私はけしからぬと思って特にこれは調査をし、特に聞き入れたので、いつでも御案内申し上げます。
  270. 山田長司

    山田委員 あなたが言っておられる秋良甚松という部落の金持ちの人が、秋町部落及びその周辺で水没個所の損害で実際もうけた額だと思うのですが、それが一億くらいに達しているだろうということを言われておりますが、秋良甚松なる者についてあなたの知っている範囲で言っていただきたい。
  271. 宮部一一

    宮部証人 第一回の買収で、かくのごとき山の上までも電発は買収してしまった。これがために今日もめている。そのとき同調したのが今の秋良でございまして、この富山の綿貫という人の山を持っておったのか、あるいは山を売ったのか、これは私それまで調査はしておりませんが、調査した範囲内では、甚松というのが子で、父が甚助と聞きましたが、これが山をその当時に綿貫と一緒に売ったのであります。綿貫と名古屋に木材商をしておる子の甚松とが非常に関係があるので、秋町部落一切の解決を甚松一人でしょって立っているそうでございます。電発ではブローカーには話しておらぬと申しておりまするが、これは知らぬのは電発の幹部だけです。甚松は完全にもうけておる、こういうことです。
  272. 山田長司

    山田委員 先ほどの証人は、うわさであるが大昔綿貫が山を売ったことについての話としてさっき言っているのですが、大昔なんていっても、この問題が始まったのが昭和二十七年ごろなのに、大昔綿貫が山を売っているなんてでことでは理解ができないわけんです。一体これはいつごろ売買したもののようにお考えですか。何か聞いた範囲があったらその月日をお知らせ願います。
  273. 宮部一一

    宮部証人 当然それは秋町の買収が第一買収でございますので、二十七年から始まったのでありますから、おそらく二十八年くらいではないかと考えます。
  274. 山田長司

    山田委員 建石という死守会会長とあなたが、われわれが行った当日以前に、この問題について一緒に戦うという盟約をしているように伺いますが、この盟約の内容でもしわかっていることがあったら、その範囲内で話していただきたい。建石という人とあなたと農民のために大いにこの闘争運動をやろうという約束をしていたように今感ずるわけですが、そういう約束をしたことはないのですか。
  275. 宮部一一

    宮部証人 それは二十八年か、九年か記憶いたしませんが、私のところに相談に参りました当時、私は県連の書記長をやっておりました。相談にきて何とか一つ考えてくれなければいかぬ、ついでに一つ社会党の加藤勘十先生を紹介してくれぬか、こう言ってきたのが最初の交際の始まりであります。
  276. 山田長司

    山田委員 あの当日二階に集まった様子では、あなたはわれわれを案内していかれたときも、玄関口にはきものは全然脱いでない。あれだけの人数が集まっていながら脱いでない。それだから秘密裡に集まられたということは、われわれもあの場所に行って感じたわけです。それであなたは二階に先に上られていって、だれと口倫を始めたかわからなかったが、とにかく口論を始めたことは事実です。それであなたはどんは形でつまみ出されたのですか。
  277. 宮部一一

    宮部証人 つまみ出されたということではありません。私はあくまでも岡部理事に食ってかかって、私は農民を代表して農民のために不利になるならあくまでも戦う宮部一一でありますと言っておりますところへ、下から書記局の若山という人が、電話がかかっておるからぜひおりてもらわなければならぬということで、私をおろしたのは事実であります。
  278. 山田長司

    山田委員 それで電話はかかったのですか。
  279. 宮部一一

    宮部証人 私は電話には出ませんでしたけれども、下におろされたことがあとでわかりました。
  280. 山田長司

    山田委員 富部さんにさらに伺いますが、あなたはわれわれが帰ったあとでも、なかなか苦労されてあそこに残られて農民の立場で戦われていたと思われますが、先ほど田中委員質問については、あのあとの様子は全然あなたはわからずにしまったと言われております。これはあれだけの熱心な状態であはたはおられて、あのあと何も知らずにのほほんと引き揚げられたとは考えられないわけです。何かそのあとであの会合に出ておられた中にも、あなたと意を通ずる者があるに相違ない。その人と何も話もせずにあの山の中から戻られておるのですか。これはもし田中委員質問されたように、何も話もせずにのほほんと戻られておるとすれば、ずいぶんあはたも私に言わせると無責任だと思う。その点どうですか。
  281. 宮部一一

    宮部証人 決して私のほほんと帰ったとば申しておりませんし、なおまた当然相当次から次と聞いて戻っております。それはきょうは、最初はいかにも乱暴なことを宮部さん押したと思うのですけれども、その結果においては、非常にありがたかった。こんなことではほんとに会わなければならぬ。なぜ会わなんだということを、私は各所で聞いて参りました。
  282. 山田長司

    山田委員 各所で聞いて帰られて、現に水がとめられているところがあって、毎日子供が学校に通うのに非常に困っているというのじゃないか。こういう問題はのあとで、話題に出なければはらなかったのだと思う。子供たちはきのうときょうとは毎日水のたまり工合が違ってきて、しかもはっきりいえば人権じゅうりんに匹敵するものだと思う。若い学生には、若い娘さんたちもおるでしょう。その人たちが腰からさらに胸の上までまくりあげて学校まで通わなければならぬ事態が次々と発生しておる。こういう事態についても、やはり証人は残っておる以上当然岡部理事に詰問するなり、死守会人たちに詰問する立場をとられてもいいと思うのです。どうしてこういうことは聞かなかったのですか。
  283. 宮部一一

    宮部証人 ただいま先生のお尋ねは、御母衣の関係でございませんので鳩ケ谷の関係でございまして、そういうことを私も聞いて非常に興奮しておりました。なおまたまだ家が立っておるまま水につけてしまって、家が浮いて歩いておるということは事実でございます。これはニュースでもあるいはテレビでもとっていきました。家がふわふわ風の吹くたびに浮いておるというような状態が今日でも続いておる。これはあとの西村証人から聞いていだたけばよくわかりますが、こういうことを関西電力はへいちゃらで見ておるのでございます。人権じゅうりんもはなはだしい。また私有土地を承諾もせないのにブルトーザーでどんどん工事を始めるとか、あるいはほんとうに先生のお尋ねになったように、学校の子供が通うことができずにここまでまくって学校に通う。そして水がだんだんふえてくるので、けさここまできていたものが、あくる朝はここまでくるといってぬいで学校に来ているということを先生が申しておりますので、次の先生がよく説明をしてくれると思いますが、私たちもほんとうに涙なしに聞けません。かくのごとき関西電力のようなやり方を私は見ておることはできません。次の証人がよく承知しておりますから、ぜひ先生に一つ聞いていただきたい。
  284. 山田長司

    山田委員 次の証人に聞くことまであなたが言わなくてもいい。次の証人にはまた私の立場として聞きますが、私の伺いたいのは、あなたは農民の味方として運動をやっておられる立場で、御母衣の問題であろうと鳩ケ谷の問題であろうと、同じような立場で苦しんでおる人たちがおるのに、私はあなたに文句を一言うわけじゃないが、せっかく御母衣の努力をされていると逆なんですから、やはり同じような立場で補償もきまっていない農民が鳩ケ谷の場合にもあるわけですから、そのごとについてあの会合以後、あなたはあの会合の席上、あるいはその日帰らずにおって、その次の日あたりにどういう交渉をし、あるいは新事態としてどういうものが進展して参っているのか、そういうことについて証人として何か参考になることばないかということをここで伺っておるわけです。
  285. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員長代理 問いに対して答えてください。
  286. 宮部一一

    宮部証人 今の問題は二、三日前の先生の話でございまして、私上京いたしましてからの子供の問題でございますし、これは私は全然知りません。きのう聞いたようなことでございます。なお御母衣の関係の今の学校の問題は、その後二、三日上って、私はあらゆる調査をまたしておりまするが、皆さんに発表するまでに参りませんので、一つ遠慮さしていただきたい次第でございます。
  287. 山田長司

    山田委員 もう一つ伺います。あらゆる調査をされてきておられるとするならば、非常に都合がいいわけなんですが、買収価格というものはもうすでに御母衣の場合もあまり進行しておらないうちに十五億くらい使われておるという話があるのですが、あなたがおられる間に、そんなに金額を使われておるように聞いてこられたかどうか、またそういう事実がありそうかどうか。
  288. 宮部一一

    宮部証人 私はそんな大きな金がどういうふうに使われたかということを考えませんし、あるいは先ほど申しましたような、飯んだり食ったりに使ったかもしれませんけれども、そう大した金が要るというふうには考えておりません。まだ死守会は百五十戸残っております。その他も相当残っておると思いますので、考えておりません。
  289. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員長代理 ちょっと聞いておきますが、さっき綿貫という人が、電柱で普通は三百円ほど賠償をもらうのを三万円もらった、そういう実例があると、言いましたね。それはどこでそういう事実がありましたか。
  290. 宮部一一

    宮部証人 これは私が中野壽美屋という旅館に泊っておりまして、私あらゆる話をいろいろ引きずり出そうと思って聞いておるうちに、綿貫というやつはしたたか者で大した者だ、これは電発とは切っても切れない仲だし、私らが現在三百円ほどしかもらっておらぬやつを、あれは三万円にしておる。旅館のおやじさんが実際に仕事をして実際に言うたことでございますので、私はあくまでも信じております。
  291. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員長代理 それは場所はどこでということは……。
  292. 宮部一一

    宮部証人 場所は、今の御母衣とかどことか考えませんが、これは当然綿貫の持っておる関係でございますので、岐阜県と富山県の境の辺りと思います。
  293. 山田長司

    山田委員 それは一本かそれともそのほかに何本もあるのですか。
  294. 宮部一一

    宮部証人 これは私そういう話を聞きましたので、綿貫の持っておる範囲の山は全部だと思います。
  295. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員長代理 私から言っておきますけれども、あなたは宣誓をされておる人ですから、全部そうだというような——そういう話を聞いたならそれでいいのですけれども、はっきりしなければはっきりしないと言っておいて下さい。間違いのないように……。
  296. 宮部一一

    宮部証人 私は綿貫は、他の者は三百円であるが、あれば全部三万円だということを聞いておりますので、そういうことを御答弁申し上げたのであります。
  297. 田中彰治

    田中(彰)委員 証人にちょっとお尋ねしますが、三万円とったということの話はいいとして、電柱の立ったのは、養老の電源開発をするために、そこに電気を引くのに立てた電源開発の方からとったのですか。あるいはまたその三万円とったのは鳩ヶ谷、椿原というような関西電力の会社からとったと思われますか。どっちの会社だと思われますか。
  298. 宮部一一

    宮部証人 相手はどこということだけは聞いて参りませんので、これは聞くのだったらあしたでも聞きます。
  299. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員長代理 それでは済みました。御苦労さんでした。  それでは西村証人から証言を求めることにいたします。議事の都合上、総括的に若干委員長からお尋ねすることにいたします。御承知のことだけを正直に答えて下さい。あなたは保木脇分教場に奉職しておられるようでありますが、ここで問題になっております鳩ケ谷ダムの建設につきまして、関西電力と部落の一部の方々との間に用地についての補償がまだ解決しておらないようでありますが、現地におるあなたはこの間の事情についてお聞き及びと思いますので、御説明願いたいこと。次にお願いしたいことは、いつごろからこの分教場に奉職しておられますか。また地元の方々とこのダムの建設につきまして、特に用地補償についてどういうような交渉が持たれてきたかというようなことについて、一つ要点を簡明に御説明を願いたい。
  300. 西村繁盛

    西村証人 用地のことは現在ではほとんど解決いたしました。  それから第二番目の、奉職は、昭和二十四年四月一日からであります。  それから第三一番目の、どういう方法で交渉を持ってきたかというお尋ねでございますが、これは昭和二十八年の何月かちょっと記憶がありませんが、あそこにダムを始めるのだ、それで知事の事業認定書があるから、それを見に役場に来るようにという公告がございました。あの部落では、これまで十四軒多いときはありましたけれども、現在でも新聞を取っている家はないのです。ダムのことでもその他一切のこと、ほとんど部落の代書人やら一切がっさい私、相談を受けます。その事業認定書を見に来いといきでも、君も行ってくれぬか——それでほんとうの話をいたしますと、新聞を満足に読める人は一人もございません。そのために私も良心的に行きました。そしてその認定書を見ますと、保木脇の一部だけ、まあかりに三軒か四軒は立ちのいてもらわんならぬ、残るのは三、四軒だそういうようなことでございました。そこに問題があったわけでございます。それで、あの部落ば御存じと思いますけれども、半道の間に点々としてありますし、昭和十五年にはなだれのために、一瞬の間に十六名というとうとい犠牲者を出しております。ここへ四軒くらい残っても一体どうなるのだろう。たとえば大牧という大部落、野谷という部落も完全になくなってしまいます。もうなくなってしまいましたが、ほんとうに四軒だけ孤立するということば——その災害のときでも、野谷部落、大枚部落があったおかげで何名かの生存者を救い出すことができたのだ。今ここで四軒だけ孤立の状態になって、また毎年見舞われるあの大雪がきたならば、一体われわれの生命をだれが保障してくれるのだろう。そういうなまなましい実例があるのでございますので、それを非常に心配したわけなんです。そこでもし意見があれば意見書を出せということが書いてございましたので、さっそく意見書を出したわけでございますが、それで全部を移転させてくれるのならば、このダムに賛成でございます。もし関係者だけで、ここ二、三軒が残らんならぬのなれば、それはまことに困るのでございますと、それも私がつたない文章でございましたけれども知事の方へ書いて上げたのでございます。その間、昭和二十八年からことしの五月十五日まで関西電力から積極的な交渉も何もございませんでした。それで部落の中では心配いたしまして、二つの考えがあったのでございます。その一つは、相談に関西電力から来られないというその一つは、保木脇は全部買って動かいてもらわぬことには、強く反対する、こういうのだから、そんなところは買えぬのだから、ダムの予定を変更して、ダムの高さを下げたのではないかという、これも純朴な農民としてはほんとうにそれを信じたのです。それからもう一つは、知事へそういうとを出してあるから、全部もう文句なしに買ってくれるのですよ。だから一晩ででも解決できる問題だと、こういう二つの安心感を持っておったわけです。ところが今年の五月十五日になって初めて参りまして、やはり実害を受ける人のみ移転の対象になりますけれども、そのほかの人はならないのだということになったわけでございます。そうしたら、何百年来住んだか知りませんが、そういうお互にクモの巣のように張った親戚関係とかいろいろなことで、私たちはどうしても田畑が埋まってしまうのだから、行かんならぬ。けれども君たちばかりここに置いていくということば忍びないじゃないか。だから一つ団結してみんな買ってもらおうじゃないか、とこうので団結をしまして、そうしてがんばったといいますか、過ごしてきました。それで、全部買ってくれという、いや、それは全部は社の原則として買えないという、そんなことを言わぬと買ってくれという、いや実害のないものを買う方法がないじゃないかという、すったもんだで、何回かの交渉をして参りましたけれども、とうとうたしか八月二十九日だったと思いますけれども、それではお前たちがそれくらい、埋まる人も埋まらぬ人もともどもにやるということになれば、しょうがないから、第三者の批判を仰ぐ、ということは土地収用法へ持っていくよりしようがないからというので、八月二十九日で一応関西電力と折衝が断たれたわけでございます。それで私たちは、たとい土地収用法が適用されて、どうなっても、この四軒だけがここにおるということはまことに忍びないのだ、そういうので、土地収用法の適用を受けるがいいか、そういうことを説明あったけれども、かまいませんわ、土地収用だって人を守るためにできた法だたということを聞いておりますで私だって死ぬるつもりじゃないのですから、土地収用法でも何でもけっこうでございますというお返事をしたわけでございます。その間において、そういうことで関西電力と、そういうふうに別れましてから、それから村長さんが中へ入られ、それから村議会さんが中へ入られ、そうして最後に県の河川課の方の仲介も受けまして、それも一応村長さん、それから村議会さん、県の河川課、そういうのとも決裂いたしましたけれども、確か十月十七日一の日だったと思いますが、また県の河川課、また村議会、それから県議会議員、そういう人が仲介下さいまして、そうして実害を受けるものはこれは田畑がなくなるのだから、まあもとより補償の対象にねる。そうして実害を受けない人は、ああいう半道の間に点々とあるということは困るのだから、一カ所へ一つ固めようじゃないか、そういうのでこっちからも要求しまして、これからある地点で開拓団を始める、そういうことに決定して、妥協がついたわけでございます。以上でございます。
  301. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員長代理 田中彰治君。
  302. 田中彰治

    田中(彰)委員 そこで、その妥協がつくまでに、土地収用令へかけられておるのじゃないですか。
  303. 西村繁盛

    西村証人 はあ。土地収用法の適用を受けました。
  304. 田中彰治

    田中(彰)委員 それはいつ受けました。
  305. 西村繁盛

    西村証人 十月四日であります。
  306. 田中彰治

    田中(彰)委員 すると、土地収用令を受けてから妥結したわけですね。
  307. 西村繁盛

    西村証人 そうでございます。
  308. 田中彰治

    田中(彰)委員 すると、あなた方は、たとえば土地収用令にかからなければ、妥結しないで、やはりあなた方の言い分をがんばるつもりでおったのですか。土地収用令にかかって、もうあなた方がそこにおっても水をとめちまうというようなことが見えたので、あなた方がやむを得ず妥協した、こういうことに聞いていいですか。
  309. 西村繁盛

    西村証人 その通りでございます。
  310. 田中彰治

    田中(彰)委員 そこで私らが行ったときに——今あなたが全部妥結されたと言いますが、私らが行なったときには、まだ妥結しておらない人があった。そうして、私はあなた方のところを素通りするときに、あなたをちょっと学校から呼び出していたのだが、今ここにだんだんと水をためられて困っておるのだ、一つ帰りによって陳情したいという話をしたものだから、私らが鳩ケ谷を見て、椿原へ行って帰りに行ったら、あなた方の態度がちょっと変っておって、あそこに見かけないような、あなた方よりもちょっとえらいというよう穴風をした人が二、三人おったのだが、あれはだれですか。
  311. 西村繁盛

    西村証人 私先ほど全部妥結したと言いましたのは、今一現在で全部妥結したと申しましたので、議員さんの来られたときには妥結しない人も残っておりました。それからその周辺におられたという人はだしか議会の副議長さん、それから役物の吏員さん、記憶ではそんな程度でございました。
  312. 田中彰治

    田中(彰)委員 そこであとで聞いたのですが、その人たちが、君たちは決算委員陳情するそうだが、何も言わぬ方がよい、うっかりしたことを言うと大へんなことになるから、何も言わぬ方がよいと百姓さんやそういう人たちが話したということをあなたは聞きませんでしたか。
  313. 西村繁盛

    西村証人 そればこういうことでございます。私たちが六軒で土地収用法の適用を受けてもなおかつ一生懸命がんばったのは、ほんとうにあしたの生活に自信のないような者ばかりで、弁護士に正式に聞いたことは一回もございません。そうしてどうにかこうにかいろんな方が入って下さって妥協したものでございます。それでその副議長さんが私にも言いましたことは、国会議員の方々が来られても、貴重な時間で、大しておられぬのだから、君は今までのごたごたしたような小さなことは語らずに、時間をかけて、まとめてよく語れぬような心配があるので、この部落作りというものはみんな満足の上でできておるの、だから、そこを誤解のないように、もし君にでも問われたら、こういうふうでございますということをまとめて簡単に説明申し上げた方がいいよということ、たけば私聞きました。
  314. 田中彰治

    田中(彰)委員 そのまとめてということは、あまり詳しいことを話しないで、簡単にいいかげんのことを言っておけというように取っていいですか。または百姓さんの言うことを聞くと、お前たちがああいうえらい人の前でつまらないことを言わぬ方がいい、何も言わないでおった方がいい。あとでよくしてやるからというようなことをこんこんと説諭を食ったということですが、どうなんです。
  315. 西村繁盛

    西村証人 私の会いましたことと、私の聞きましたことでは、そういう会ってはまずいとか、会ったら君たちが不利になるのじゃないかとか、そういうことは私聞いておりません。
  316. 田中彰治

    田中(彰)委員 それからまとめて簡単に話せということはどういうわけですか。陳情ならずっと詳しく話さなければならぬやつを、まとめて簡単に話せということは。われれわれが行ったとき、わざわざあなた方のところにああいうえらい人が二、三人来ていろいろ話しておって、僕が少し関西電力の人を怒ったら、自分のことだと間違えて、がたがたいってふるえているような人がおったが、そのときに限って、われわれが行ってからそういう人が寄ってきたということ、はおかしいじゃないですか。それはどういうわけですか。遠慮せぬでもいいですよ。学校なんかやめさせはしませんから……。
  317. 西村繁盛

    西村証人 そういうことではございませんが、また先ほどのことを申しますが、何しろ昭和二十八年以来のことをずっと語って、それから関西電力ヘも、どうしても君たちば全郷移転させてくれ、全郷移転させてくれとばかり言っても困る、何か条件が広いかというので、どうしても買ってくれぬのなら一つこれだけやって下さいというので、三十項目を出したわけほんです。その中には一番おそろしいものは冬の雪だ。だからブルドーザーを一台頼む。それから運転手もつけて頼む、そういうことで病院を建ててくれとか、学校も屋根雪をよけぬでもよい、鉄筋コンクリートの分改易を建てて下さいとかいうようなものを三十項目出しまして、そのうちで、こんなことはとても聞けぬから何とか減らせぬかということで二十七になったり、これはやはりそこにかけ引きというものがあるのだから、ほんとうにせんじ詰めた話をしてくれというので、県の河川課が仲介に入って下さったとき、たしか十七ぐらいに減ったと思うのですが、そういう間のことを一切申し上げた方がいいのか、ただ部落作りがお互いの了解の上で和解したのだから、和解いたしましたということを簡単に御説明申し上げた方がいい、私はそういうふうに解釈したわけでございます。
  318. 田中彰治

    田中(彰)委員 それでは、今あなたのところで部落作りがもう解決したというが、私らが行ったときはまだ解決しておらなかった。おらない人に対してそういうことを言ったのだが、あなたはまだ聞かないのかね。まだ解決しておらなかったところがあったでしょう。
  319. 西村繁盛

    西村証人 私さっきから申し上げますことは、一部解決しない人は確かにございました。その人は実害をあの部落で一番大きく受ける人でございます。それでその六軒と申しますのは、その人も入って、別れるに忍び広いががんばって下さって、和解の晩、君たちさえ部落作りを満足するなら僕はいいのだよ、そういうことでございました。それでその人だけが残ったのでございます。
  320. 山田長司

    山田委員 今の問題に関連してですが、この問題が解決つくまでの間に高山警察署の派出所の警部補が行って、あなた方をおどかしたという話が、われわれが行ったときに現実にあなた方の仲間から出たのですが、一体警察の警部補はどう動かれたのですか。
  321. 西村繁盛

    西村証人 こういうことでございます。警察に関したことは三つあるのでございます。一つ土地収用法の適用を受けたのが十月四日でございます。ところが私はっきり同月何日という記憶はございませんけれども、その三日か四日前からすでに間組に請負させまして、百姓のたんぼをどんどん掘り起して、ダムの中へ今も浮いております道をつけなければならぬために、畑などをどんどんつぶしに来たわけでございます。それで部落で大へん心配しまして、これは警察へお願いするよりしようがないというので、警察へお願いしたわけでございます。そうしたところが警察では、これは問題がなかなか重要だから、今即答はできない、それは巡査でございますけれども、そういうことでございました。   〔吉田(賢)委員長代理退席、委員長退席〕  いつ返事がもらえるかということで、これは何回か何回かお願いに行ったのでございます。それでいやあしたの朝までに返事する、あそこの部落には電話がございませんので、朝わざわざ行きますと、昼までには何とか御返事します。そういうようなこともありました。それからもう一つは、土地収用法の内容証明を、私たちばたしか四日に受け取りました。ところが六日までに返事をせよ、そして六日までに返事をしなかったら君たちは異議がないものとして、測量その他一切をやる、こういうことが書いてございました。私たち異議がありますと言って、今ごらんのように学校も農繁休暇で休んでいるようなときに、いきなり測量をやるから立ち会えなんていったって立ち会えぬから、双方協議の上で測量の日付をきめてもらいたい、そういうことを私書いて出しました。ところがその次の日になったら大野ふてという人に内容証明が参りまして、四日までに返事をせよという内容証明が五日に入ったのでございます。そうするとこれはまたおかしい問題ではないか、これは私も分教場の先生でございますけれども、これはそのとき警察官の前へ行ってはっきり言いました。国会で取り上げて下さっても、太陽が西から出ぬ限りばこの問題は解決できない問題だと思うと私は申し上げて、それに部落の人が相談に来られましたので、それを持ってすぐ弊祭へ届けたのでございます。  それから三つ目の、警察に関係したことは、いよいよ関西電力が農地をつぶし、道をこしらえて、どうしても予定の日に浮かべるらしい、どうしてもおれたちは測事を食いとめることもできないんだし、やらさしてしまった。まあ最後の一派だ、そういうことでみんなで家を建てたのでございます。そしてもうここで四軒くらい残されたって、やがては雪のために死ぬんだから、いさぎよくダムの中で死のうじゃないかという申し合せで、突いてきたら絶対がんばるぞ、そういうので家を建てたのでございます。そうしたら警察の方から、君たちああいうことで家を建ててはいかぬじゃないか——その警察の人と部落の人、中森良太郎というのでございますけれども、学校の前で工、されましたが、私は授業をしておりましたが、途中で先生紙を一枚くれんかと言いますので紙をやりました。あとから聞いてみましたところが、その紙に法何条、法何条とだけ書いてございました。私何条か忘れましたけれども、この法によって君たちは体刑も受けねばならぬし処罰も受けねばならぬ、それでどうするんだと言うので、中森良太郎が、いろいろ自信満々で語られますが、おれたちはもう死を覚悟してやっている仕事でございまして、もう罰金もよう出しませんし体刑になってもかまいません、もうどうなってもかまわぬのでございます、それはそうとして警察の方に一つお尋ねしますが、私の聞くところによるとこの間からああやってたんぼへ石ころを落し、たんぼを掘り返すからということを再三再四あなたの方にお願いに行っても、きょう現在まで何とも返事をもらえぬじゃないですか、私たちが家を建てたからといって、先の問題を解決せず私たちが家を建てたことがどうして悪いのでございますか、そういう質問をされたところが、何かそれは民法と刑法との取扱いで——こういう質問は私もしましたし、中森さんもしたそうです。もしここである者がゆうべから私のたんぼへどんどん石ころを落す、その人にどうしておれのたんぼに石ころを落すんだ、いかぬじゃはいかと言っても、その人が勢力が強うてなに、かまうものかといった場合に、警察を頼む以外にしょうがないのだ、そのとき啓蒙でその落す人を何とかならぬものですかと言ったら、それは警察で絶対にさせないと言う。そうすると問題は、関西電力血らいいし、ある若ならそれば民法と刑法との建前でできないということはおかしいじゃないかということを言われたそうです。それからさっき申しましたように、何といっても新聞も満足に読める人もおらないところでありますので、ああそうですかといって、民法か刑法か知りませんが、法何条によって家を建てていけないということほらそれはやりません、そういうことで別れたのです。
  322. 山田長司

    山田委員 警察の人があなた方に大体干渉しておると私たち見るのですが、もう一つ、われわれが伺ったときに、一人の農民の方がわれわれに陳情しているとき全くぶるぶるふるえながら陳情していたと私思うのです。そのとき長ぐつをはいた村会議長か何かだったと思うのですが、その人が盛んにこれは解決がついてしまっているんじゃないか、そうじゃないか、そうだろうというよう血ことで、本人は解決ついていないと言っているんですけれども、おっかぶせて言っていたように思うのですけれどもほんとうにこれは満足した形で解決ついたのですか。(田中(彰)委員「そのときついておったかというんですよ。今じゃないですよ。」と呼ぶ)
  323. 西村繁盛

    西村証人 そのときついておりません。
  324. 山田長司

    山田委員 そうすると、そういうふうについていないのに、あの村会議長ばいかにも解決ついたように言えといわんばかりの圧迫だったと思うのですが、長い間の習慣で村民の人たちにとっては村会議長なんというと大へんえらいものにぶつかったような感じで、言いたいことも言えずにいたと思うのですが、そういう点はどうです。
  325. 西村繁盛

    西村証人 村会の副議長でございます。
  326. 山田長司

    山田委員 何という人ですか。
  327. 西村繁盛

    西村証人 小坂藤松という人です。それはこういうことでございます。私、その白水館で調印をやられましたとき徹夜でようやく解決したということを、私朝ジープでお迎えを受けまして、君、こういうことで部落は解決したよと来て下さいました。そうして酒もだいぶ飲んだのでございましたが、大沢というのですけれども、酒を飲んで意識が不明だった。それでみんなの前では、君も、ダムが完遂するとか通水することは了解するだろうということを言ったそうです。それでそれをするということを言われたそうです。それでその翌翌日か私が会いましたときに、大沢さん、みなさんも調印するし、あなたもダムが浮ばるということは承知だったそうですねと私が聞きましたら、いやおれば絶対承知しておらぬぞ、おれが判を押さぬうちにダムなんか絶対に浮かばせぬぞという話だった。それは私の聞いたのと違う、おかしいということだったのですが、大沢さんは、いやおれは承諾したということは記憶ないという。ところがその場ばどうだったか知りませんけれども、村長さん、村へ減員の方々と大沢さんも一緒に顔を並べておられた。それで大沢さんも了解したということにあの人たちがとられた。それで大沢さんがおれたちは了解していないよと代議士先生の前で言われたときに、あなたは了解したのではないか、そういう意味だったと思うのです。
  328. 田中彰治

    田中(彰)委員 その酒を飲んだ話ですが、酒を飲むまでばみながそれを承諾しておらなかったのだ、ところがその場に岐阜県から県会議員の人が来てうんと酒を飲まして、頭がしびれてべろべろになってから、お前たち印を押せといって押させたんだ、了解させたんだということを役所の人も言っておったし、それだから私違うのだと言っておった。全くうんと酒を飲ましてその上で解決をしたのですか、あなたがあとで行ったらみな酒にべろべろに酔っておって、承諾したという話があったのだが、それは酒を飲ましたのですか飲ませないのですか、どうですか。
  329. 西村繁盛

    西村証人 酒をいつから飲んだか私は知りませんけれども、私が行きましたら、——とにかく私も分教場の先生として、話がどっちにどうなりましても、どこに行かれても、何とかして子供たちが円満に十分な教育を受けられるようにというのが私の一番の念願でございますので五月以来の交渉も私はほんとうに良心的に当って参りましたが、その朝行ってみたところが、ああ来たかという話で、どなたもえらい酩酊して見えました。私はほんとうに真剣に考えて、土地収用法の適用を受け、お婆さんが泣いて、先生どうするこっちゃと言ってきたときのことを思い浮べて、まあ解決したならいいかと思っておったのは事実でございます。解決した大綱がきまっててから酒を飲まれたのか、また酒を飲みながらその案をきめられたのか私は知りませんけれども、私が行ったときに飲んでおったということは事実でございます。
  330. 田中彰治

    田中(彰)委員 そこで酒を飲んだうちの一人が、おれは酒にぺろぺろ酔っぱらってああしたから違うといって言を翻しているんだ。酒を飲ん、で承諾した、いやおれは酒を飲んでおって酔っておったんだけれども、人は承諾しておらぬというのが三人か五人の中で一人出ておる。あなたが朝行ったときにべろ、べろに酔っぱらって、おお来たかといって、あなたが不思議がるくらい酔っておって、話が急転換して、それがきまっているということになると、やはり酒を飲まして酔わして解決したと思うが、あなたは良心的にほんとうのところどう思われますか。
  331. 西村繁盛

    西村証人 私はこの話がどういうふうにまとまったか——私たちの話を進めておりましたときは、三十案が二十七案になり、十七案になり、そのゆうべ解決されたことはどういうふうに解決されたかということは、私はそんなに深く関係する権限もありませんし……。
  332. 田中彰治

    田中(彰)委員 不思議に思ったのですか、あたりまえに思ったのですか。
  333. 西村繁盛

    西村証人 不思議に思いました。
  334. 山田長司

    山田委員 この問題は解決つかないうちから、私たちが行ってみたときにも水がためられることはためられておったんですね。そうすれば当然部落によっては学校に通うのにも、川向うの子供たちは堰堤でとめられておるのですから、水が毎日々女ふえてくるのばわかっておるわけです。ところが関西電力でばこれをただほうっておいて、子供さんたちは、毎日学校に通うのに、最初はそれは川を越すようなつもりで喜ぶかもしれないが、だんだん水がふえてきて、明日越してくるときには一尺もまたふえてくるという工合で、しまいにはこの寒いのに裸になって学校に通っている格好になっておるそうであります。それは一体先生としてどんなふうにお考えになっておられましたか。
  335. 西村繁盛

    西村証人 私はそのことにつきまして、これは部落作りとか部落の交渉以外に、たしか三日間か四日間だったと思いますが、初めの二日間は足をぬらす程度で学校に行きました。私は大丈夫かいと聞いてみましたし、また湛水の様子を見ておっても、大丈夫だろうと思いました。それから確かに今朝解決しましたと私にお父さんが報告される前の日は、相当高くなってきました。それで私が朝登校してみたら、腰から下ずぶぬれになって来ました。先生今朝は深かったぞと言ってきました。そのとし私は過去のことやいろいろなことを一切忘れて、これは何という——子供たちは毎日深くなるのを喜んで来るかもしれませんけれども、三年前から工事を始めた関西電力が、どうしてこういうことまでほうっておくのだろうか、そういうことを私は感じました。それで三日目の夕方——今朝腰から下ぬれてきたその夕方は、私橋のたもとまで送りまして、そしてお母さんにお渡ししまして帰しました。その翌日は学校に来ませんでした。それで私が向うに連絡しようにもする方法がなくなってしまいました。それで夕方校長先生も来て下さって、現場に見に行きましたら、関西電力の船で学校側の方に引き揚げて、全員無事でした。校長先生も、これは私たちば何も関係することはない。子供さえ無事であればよかったのだと言って、安心していきました。日数は三、四日でございますが、そういう事実ははっきりございました。
  336. 上林與市郎

    上林委員長 八百板正君。
  337. 八百板正

    ○八百板委員 私どもが調べに行った当時は、八人のうち未解決のものが多かったのでありますが、私ども調査しましたあとで急いで解決が行われたように、証人の発言によって考えられるのであります。そうしますと、たしか八人というふうに関係者を聞いておったのでありますが、八人のうち未解決の人たちが、私ども調査の後にどんどん解決してきたというふうに、証人の発言で了解できるので、ありますが、また一方におきましては、水がどんどん増して参りまして、子供が学校に通うにも足がつかるというような状態を放置しながら、解決を進めてきたということを伺いますというと、ちょっと大ざっぱに見て参りまして、私どもが調べたために、さらにあなた方が証人として当委員会の方に呼ばれるということになりましたがために、それに間に合せるように急いで解決をはかった。その間どんどん水をためていって、高松城の水攻めではないが、水でもってぐんぐん押していきながら圧迫を加えて、すみやかに本日までに解決をした、そんなふうな経過のようにちょっと考えられるのですが、私の聞き違いでしょうか。どんなふうに事実を判断しているのでしょうか。
  338. 西村繁盛

    西村証人 私たちが行動をともにしたのは六軒でございまして、代議士の先生方が行かれて、私も私もというときは八軒でございました。それで私が預かっております津田という家、そういうものも毎日々々水につかりながら、大急ぎで解決したということは私間違いないと思います。
  339. 八百板正

    ○八百板委員 そこで解決したのはけっこうなんですが、お話しによりますと新聞も読めないというような方が多いようにうかがわれるのですが、そういう方は解決といっても書類なんかの取りかわしはないのですか。書類があっても、新聞も読めないというようなことでは、どんな内容が書いてあるかわからないし、取りかわしできないと思いますが、どなたか立ち合ってそういうことをやられたのか、その辺はあなたはどういうふうに承知しておられますか。
  340. 西村繁盛

    西村証人 書類内容に当って、こうだ、ああだといって判断する力はおそらくないと思いますけれども、私、はその書類に目を通すというようなことを強制するとか、そこまでの権限もありませんが、おそらくその書類を読み通し、その書類内容をくみ取るというような相手方ではないということははっきり言えます。
  341. 八百板正

    ○八百板委員 そうしますと、その前にちょっとお伺いしておきたいのですが、きまらないうちにブルドーザーをかけたというような話を、この前も伺ったのです。未解決のままに、所有権者、あるいは利用者の承諾なしにブルドーザーをかけて工事を進めた、こういうふうに聞いておるのですが、この未解決のうちにブルドーザーをかけたというのも事実ですかか。
  342. 西村繁盛

    西村証人 事実でございます。
  343. 八百板正

    ○八百板委員 だれがかけたのですか。どういう人がやったのですか。
  344. 西村繁盛

    西村証人 ブルドーザーでその土地を盛り立てたのは間祖でございます。
  345. 八百板正

    ○八百板委員 それから十月四日に土地収用委員会の決定が出ておるというのですが、決定になったのですか、通達があなたのところに行ったというのですか。
  346. 西村繁盛

    西村証人 私は土地収用法のことはあまり詳しく知りませんが、知事の細目通知とかそういった内容証明が十月四日に参りましたので、十月四日が重大なポイントだと思っております。
  347. 八百板正

    ○八百板委員 そうしますとブルドーザーなんかをかけたのは、収用委員会の決定後ですか前ですか。
  348. 西村繁盛

    西村証人 前でございます。
  349. 八百板正

    ○八百板委員 それから収用委員会によってきめられましたあとで、つまり収用委員会の決定だからと称して、何か——何といいますか、承諾のない土地工事を進めるとかなんとかいう事実がございますか。一応十月四日の決定後ですね。
  350. 西村繁盛

    西村証人 私たちは十月四日を境として考えますが、十月四日以後はどんなことをやられても、何の相談もございませんでした。
  351. 八百板正

    ○八百板委員 どんどんやってきたというわけですか。今まで以上にぐんぐんブルトーザーをかけたり、水をためたり、未解決の土地を承諾なしに行動を進めた、そういうことでございますか。
  352. 西村繁盛

    西村証人 その通りでございます。
  353. 八百板正

    ○八百板委員 ただここで私どもがちょっと心配といいますか、わからないと存じます点は、新聞も読めない、書いたものもわからないという人たちの間で話をしておるということになりますと、会社と当事者の間に、知らない間にどんな書類を取りかわしておるかということもわからないということになるのですが、そういう点で御本人が知らない間に、会社に何でも勝手に工事を進めていいのだというふうな、書類なり、そんなものに判をついたり承諾をしておるというふうな、いわゆる会社側に口実を与えるような事実は、その前になかったでしょうか。
  354. 西村繁盛

    西村証人 部落作りをされる四名の方以外の残られた人のうちの大沢さん以外の人は、私は相談も受けませんが、大沢さんの方ではそういう書類一切取りかわしたという事実はございません。
  355. 八百板正

    ○八百板委員 そうしますと、関係者に相談なしに関西電力会社はどんどん勝手に工事を進めておった。それから収用委員会の決定があった後も、収用委員会の決定による正式の代執行とかいうふうな形の手続によらないで、前と同じように仕事を進めていき、水をどんどんためていった、こういうふうにお話の経過を伺って間違いないのでしょうか。
  356. 西村繁盛

    西村証人 間違いございません。
  357. 八百板正

    ○八百板委員 それから建物を建てたが、建築物が水に浮いてふらふら流れておるというお話があったのですが、この建物を建てたのは、土地収用法による決定が十月四日になされた以前ですか、以後ですか。
  358. 西村繁盛

    西村証人 私たちはこういう考えで家を立てるのでございます……。(「以前か以後か言えばいいのだ」と呼ぶ者あり)十月四日以後でございます。
  359. 八百板正

    ○八百板委員 その建物の所有権というようなものは、どなたとどなたの所有になるのですか。共同ですか。
  360. 西村繁盛

    西村証人 五名共同であります。
  361. 八百板正

    ○八百板委員 五名というのは、あなたとどなたですか。
  362. 西村繁盛

    西村証人 大沢森繁、大野重太、中森良太郎、宇田新作、岩下丈次、以上五名であります。
  363. 八百板正

    ○八百板委員 それから八人のうちまだ解決してない人は全然ございませんか。何か問題がまだ残っておりましょうか。
  364. 西村繁盛

    西村証人 種尻だけが現在未解決でございます。
  365. 八百板正

    ○八百板委員 その他の七名については、全部解決しましたか、あとにまだ問題が残っていますか。まだ未解決の部分が幾らかでもあるかどうか。
  366. 西村繁盛

    西村委員 個人々々に、田を五畝歩持っておるとか、三畝歩持っておるとか、そういうのは各自残っております。
  367. 八百板正

    ○八百板委員 それから、保木脇の問題や御母衣の補償の問題などについて、決算委員会が調べに行くということをあなたの方でお知りになったあとで、御母衣の方と連絡して、どうしたらいいだろうというふうな御相談をなさったという話を私伺ったのでございますが、決算委員会が調査に来たときに、私の方ではこうする、あなたの方ではどうするというふうな相談などを、御母衣の方となさいましたでしょうか。
  368. 西村繁盛

    西村証人 私さっきも申しましたように、部落から何もかもの相談を受けますので、決算委員の方々が現地へ来て下さるということは非常に重大に考えました。そこで、どうしてもこうしても、どういうふうに御招待といいますか、そういうことがよくわかりませんので、夕方学校が済みましてから中野の建石さんのところに、不帰か何かで知ったと思うのですが、決算委員会が来られるらしいが、ほんとうですかということを私確認にいきました。
  369. 八百板正

    ○八百板委員 そのときの仕様を少し詳しくお話願いたいのです。そのとき、決算委員会が調査に来るそうだが、決算委員会の調査には携わらないようにしてもらいたいというふうな意向があって、今も会社の方が見えているので困りているんだというような話があって、そこで御母衣の方はともかくとして、保木脇の方はとにかく決算委員会が来るなら陳情をしよう、こういうふうにあなたが決意されたか考えられたか知りませんが、そういうお考えになって帰られだ、こういうような報道を私どもの方に伝えてくる者があるのですが、その辺のところを少し詳しくお聞かせいただきたいのですが、いかがでしょうか。
  370. 西村繁盛

    西村証人 私、相談に参りましたときに、ただ私は保木脇のことで頭が一ぱいで、あの先生方が来て下さったときも、部落の方は一体どこへ行ったかという御質問もあったかと思いますが、正直なところ、おそらく十二時前には来られぬだろうというので、みな河原へ魚をつかみに行っておりますということを言いましたが、決算委員が来られる、それは休まれたりすれば、何かいなかの料理でも食べてもらってもそれは差しつかえないだろう、そういうことを建石さんも言われましたし、そうですか、じゃ、さっそく行っていろいろ料理のことやら魚をつかまえに行く段取りにしますということで、すぐ帰って参りました。そのほか何も考えませんでした。
  371. 田中彰治

    田中(彰)委員 ちょっと一言。収用令がかかってから家を建てたというのですが、収用令がかかる前から、家を建てる相談をしたり地ならししたりしておったのじゃないですか。
  372. 西村繁盛

    西村証人 四日に収用令を受けて、たしか建てたのが五日か六日かと思いますが、前から建てるつもりで段取りしておりました。
  373. 田中彰治

    田中(彰)委員 そこで、その家を建てた五人のうちで、大沢という人ば私らが行ったときにまだ話がきまっておりませんでしたね。きまっておらない人の権利もその中にあったわけですね、五人共同だから……。
  374. 西村繁盛

    西村証人 そうでございます。その大沢さんがきまっておりませんので、家も大沢さんが——たぶんここ四、五日前にきまったのでございますが、それがきまらぬうちば家を取りこわすわけにはいかないというので、取りこわさないで置いております。今でもダムの中を毎日方角を変えてあっちこっち浮いております。
  375. 坂本泰良

    ○坂本委員 あなたが話し合いをした朝ですか、ジープで行かれたら全部酒飲んで酔っぱらっていたわけなんですね。そのとき解決したという話を聞かれたんですが、その際書類に判を押したり何かしたようなことば聞かれなかったのですか。
  376. 西村繁盛

    西村証人 そのときはまだ書類に判こは押しておりませんでした。
  377. 坂本泰良

    ○坂本委員 そうすると、ただ口約束で解決したという程度だったのですか。
  378. 西村繁盛

    西村証人 私が行って、まあ君も長いうち全く御苦労であった、ただ君がこの場におらずに、私たちの一存でこういう問題をきめたということはまことに申しわけない、そういうことを言いましたけれども、そのとき現在はまだ判こは押しておりませんでした。
  379. 坂本泰良

    ○坂本委員 そうするとどういうようなきめをしたか、ただ解決をしたというだけで、どういう内容の取りきめをしたか、そういうことば聞かれなかったのですか。
  380. 西村繁盛

    西村証人 何といっても酒に酔っておりますので、その取りきめはこうこうこうだという覚書の草案はできていたようでございます。私は見ませんでしたけれども、たしか十項目か十一項目になっておりますが、草案ができたということは——私は見ませんでしたけれども、その草案ができたので酒を飲んだのか、その前から飲んだのか知りませんけれども、草案はできていたようでございます。
  381. 坂本泰良

    ○坂本委員 そうすると、ほとんど新聞も読めない連中ばかりだから、草案を作ったのはどんな連中が作ったかお聞きになりませんでしたか。その後でもいいです。
  382. 西村繁盛

    西村証人 その後だれがそういうものを書いたかということは聞いておりません。
  383. 坂本泰良

    ○坂本委員 そうするとあなはその草案みたようなものを見られましたか。
  384. 西村繁盛

    西村証人 見ました。
  385. 坂本泰良

    ○坂本委員 その草案には、ただ草案の下書きだけで、判を押してあったかどうか。
  386. 西村繁盛

    西村証人 私が見ましたと言いましたのは、判こを押して、こういうふうにきまったんだぞというのを、その翌日の朝でしたか見たというのでございます。(田中(彰)委員「判を押してあったのか。」と呼ぶ)はい、ありました。
  387. 坂本泰良

    ○坂本委員 そうすると、その話し合いの二日後ぐらいに見られたけれども、ちゃんと判を押してあったのですね。そうしてその判は、やはりその日酒を飲んだとき押した判でしょうな、その点どうです。
  388. 西村繁盛

    西村証人 その日の午後三時ごろでございます。
  389. 上林與市郎

    上林委員長 それでは西村証人に対する尋問はこの程度にして終了いたします。  西村証人には長時間を御苦労さまでございました。退席されてけっこうでございます。  山本猛夫君、議事進行に関する御発言を願います。
  390. 山本猛夫

    山本(猛)委員 きょう証人として応ぜられませんでした坪井二一君、これを次回の委員会証人としてお呼びになるように委員長にお願いをいたします。理由は、当人は高山警察署管内の鳩谷警部補派出所の責任者でございまして、本件に関連いたしましてぜひとも私ども証言を求めたい事項がございますので、次回の委員会出席するようにお呼びをいただきたい。もし本日手紙をもって欠席の理由を通告して参りましたような理由がまた再び続きまして、本人が次回にも出られないという時間的な制約がございまするならば、高山警察署長なりあるいは岐早県の警察関係の本部長、最高責任者にここへ出てきてもらうようにお呼びをいただきたい。以上委員長に要請をしておきます。
  391. 上林與市郎

    上林委員長 ただいまの山本委員の御発言ですが、先ほど委員会開会の当初私が申し上げました通り、きょう出席できなかった理由を正当の理由とみなすがどうか、この次の理事会で御判断願ったあとでその取扱いをさしていただきたいと、こう思っております。私の方ではその理事会は三十日に予定しておりますから、さよう御了承願います。  次に小林証人より証言を求めることといたします。  御出席になられましたのは小林証人ですね。
  392. 小林健夫

    小林証人 はい。
  393. 上林與市郎

    上林委員長 委員長よりの総括的質問はこれを省略して、直ちに委員各位の質疑に入ります。質疑の通告がありますのでこれを許します。山本猛夫君。
  394. 山本猛夫

    山本(猛)委員 それでは名古屋通産局の鉱山部長にお尋ねをいたします。昭和三十年八月から同年十二月までの間において、名古屋通産局は岐阜白川村の関西電力の椿原ダムと石川鉱業権者の鉱区との関係について実地調査をしておられますかどうか。
  395. 小林健夫

    小林証人 お答えいたします。昭和三十年の九月十三日に通産局の鉱山部出願課長三浦、それと比良という者が、ほかの用務も兼ねまして現場に行っております。ただし測量調査、測量という意味で参ったわけではございません。
  396. 山本猛夫

    山本(猛)委員 その調査内容について御説明を願いたい。どういうことを調査されたか。
  397. 小林健夫

    小林証人 この付近の地区に出願がございまして、その現地の鉱区の出願区域の調査に行ったわけでございます。
  398. 山本猛夫

    山本(猛)委員 私は明確に、具体的に申し上げておるのですが、それではもう一度申し上げます。昭和三十年の八月から同年十二月までの間に、名古屋通産局は岐早県白川村の関西電力椿原ダムと石川鉱業権者の鉱区との関係について実地の調査をしたかどうかということを申し上げているのであって、その周辺をというような、抽象的なことを伺っておるのではございません。再度申し上げますが、関西電力の椿原ダムと石川鉱業権者の鉱区との関係に関して実地調査をされたかどうかということをお尋ねしているんです。
  399. 小林健夫

    小林証人 別にその区域の調査という意味では行ったわけではございません。
  400. 山本猛夫

    山本(猛)委員 それでは関西電力の椿原ダムと石川鉱業権者の鉱区との関係するこれらの実地調査は行なっておらない、さようでございますか。
  401. 小林健夫

    小林証人 さようでございます。
  402. 山本猛夫

    山本(猛)委員 次にお尋ねいたします。その間において、関西電力と石川鉱業所の関係について、本省へ報告したことがおありになりますかどうか。本省というのは、つまり通産省に御報告になったことがございますかどうか、お尋ねいたします。
  403. 小林健夫

    小林証人 その間少くとも鉱区と湛水地との関係ということにおいて報告はしていないと存じます。
  404. 山本猛夫

    山本(猛)委員 それでは本件に関しては、関西電力の椿原ダムと石川鉱業権者の鉱区の関係に対しては、本省でありまする通産省に、名古屋通産局から報告していない。  次にお尋ねいたします。昨年の十二月六日当決算委員会に提出をされました関西電力と石川鉱業所の鉱区との関係調査報告書は、当時名古屋通産局をして精密な調査をなさせたので、四カ月もかかったが、内容は正確なものであると川上公益事業局長は述べておるのであります。名古屋通産局は、このころこの調査を行なっていないと言っておられるのでありますが、何ゆえにこういう虚偽の報告がなされたのであるか。その間の事情を御承知でありましたら伺いたい。
  405. 小林健夫

    小林証人 その間の事情については存じておりません。
  406. 山本猛夫

    山本(猛)委員 次に伺います。この報告書の内容においても、鉱区の水没面積を一町三反と報告してあるのであります。何を根拠とされてこういうものが計算をされたか、こういうようなことに関しても御承知ございませんか。
  407. 小林健夫

    小林証人 一町三反の計算の根拠につきましては存じておりません。
  408. 山本猛夫

    山本(猛)委員 このダムへ流れ込んでいる馬狩川水没面積は、何ゆえに計算を出しておらないか。その間に理由がございましたらお聞かせ願いたい。
  409. 小林健夫

    小林証人 すでに一応計算いたしまして、その根拠を明らかにしました図面を本省に提出してございますので、当委員会に出ていると存じますがいかがでございましょう。
  410. 山本猛夫

    山本(猛)委員 関西電力のダムと鉱区との重複する部分の土地を取得いたしましたのは、昭和十年十二月四日と報告してあります。ダムのため鉱区の水没した部分のうち、最も大きな土地は小牧尾、保木の両国有地であって、その国有地を借りたのは昭和二十八年十二月六日、営林署と契約したことになっているのであります。それに相違ございませんかどうか、お聞かせ願いたい。
  411. 小林健夫

    小林証人 その点については存じておりません。
  412. 山本猛夫

    山本(猛)委員 報告書に記載してあります土地の取得が昭和十年十二月四日というのは、ほとんど石川鉱業所の鉱区と重複関係のない付近の土地の取得時期であることを鉱山部長は知っておられるかどうか、これをお聞かせ願いたい。
  413. 小林健夫

    小林証人 知っておりません。
  414. 山本猛夫

    山本(猛)委員 この報告書によれば、関西電力がこの庄川水系の水利権の許可を受けたのは、昭和二年の七月と記載してあります。ところが富山地方裁判所における関西電力と中田文夫という人との訴訟事件では、関西電力は昭和二十三年九月十日に水利権を得たと主張しておるのであります。何ゆえに通産省は努めて関西電力の水利権の取得を何十年も前にして説明しなければならなかったのであるか、疑問を持つのでありますが、その間のことについて御説明を願いたのです。
  415. 小林健夫

    小林証人 その間の事情について、は存じておりません。
  416. 山本猛夫

    山本(猛)委員 あなたは名古屋通産局の鉱山部長としての当事者でありながら、お尋ねいたします各項目に関して知らぬ、存ぜぬと言われますが、当委員会出席されるということでございましたならば、所管のことくらいお調べになって来られたと思いますが、所管のこともお調べにならないでおいでになっておりますか。
  417. 小林健夫

    小林証人 所管のことについては調べてきておりますが……。
  418. 山本猛夫

    山本(猛)委員 調査報告書によりますと、鉱区図の形状自体も違っております。庄川との関係位置も違っておるのであります。それは通産局が許可した鉱区図と比較いたしましても、また私どもが実地に調査した実際に見ても違っておるのであります。  この報告書の資料はどこから得たものであるか、そうしてまただれが起案したものであるか、またその調査報告書の提出責任者はだれであるか、これをお答え願いたい。
  419. 小林健夫

    小林証人 国会へ提出いたしました資料は、公益事業局から提出されたと私は聞いておりますが、その間の報告者というものについては存じておりません。ただ通産局といたしましては、昭和二十八年ころでございますか、九年ころでございますか、当地区の鉱区を記載いたしました図面、それにたしか湛水の予定地も一応図示してあったかと存じます。そういう図面を本省へやったことはあるというふうに聞いております。
  420. 山本猛夫

    山本(猛)委員 その調査報告書を比較対照してごらんになれば、おわかりになるのでありますが、調査報告内容が全く虚偽といっても言い過ぎではないと思いますが、虚偽のものであり、そうしてまたそれが間違いであるといたしますならば、これはまたきわめてずさんなものでありますことは明らかでありますが、この内容は、私どもから見ますると、どうも努めて関西電力のために有利に作られたものであって、鉱業権を持っております者に対しまして、しいて不利なようにも考えられるように作られている。これは全くその実態と違うものであり、虚偽なものであるとも言い得るのでありますけれども、通産省の行政というものは、こういうことに関して常にこういうような不公正なことをやっておられるのであるかどうか、伺っておきたいと思います。
  421. 小林健夫

    小林証人 われわれといたしましては、極力関係者のいずれにも偏しないような公平な仕事をするということを念願にいたしております。決して一方の味方をするというようなことは思っておりません。
  422. 山本猛夫

    山本(猛)委員 それでは、今のお尋ねは鉱山部長に対しましては御無理な点もあったかと思われますので、以上のことにつきまして本省の公益事業局長にお尋ねをいたしますけれども、その前にもう一、二項鉱山部長にお尋ねをいたしておきます。  名古屋通産局は石川鉱業権者の第七五一二号鉱区の許可に操業注意命令として与えたものに、関西電力の工事計画や工作物に支障を与えぬことと命令してあります。これは関西電力の発電設備を保護する目的のためであったかどうか。
  423. 小林健夫

    小林証人 発電設備を保護するとともに、鉱業との双方が円満に事業を遂行できるようにというためにつけた注意であるというふうに考えます。
  424. 山本猛夫

    山本(猛)委員 この命令、指示を実行するために鉱業権者が関西電力に対して、その工事計画や発電施設が鉱区とどのように関係があるかということを問い合せても、そんなことに回答の義務はないとして関西電力は知らしておりません。そうした場合鉱業権者は自由に採掘作業をしてよいのであるかどうか。それともその作業をしないまま税金は税金で納めていかなければならないのであるかどうか。これについて伺いたい。
  425. 小林健夫

    小林証人 お答えいたします。操業注意事項と申しますのはあくまで注意事項でございます。そういうふうにしてやってもらいたいという注意でございまして、もしそれによって相手が——この場合関西電力でありますが、関西電力が話に応じないというような場合は、独自な立場で施業案を出しまして、それに基いて事業を行なってよろしいものと考えます。
  426. 山本猛夫

    山本(猛)委員 あなたは、関西電力と鉱業権者の間に立って双方が円満にいくようにということをさいぜん言われております。そうしてまた関西電力のこういう開発事業は円満に遂行できるように保護しなければならないという意味合いの答弁もされております。それと関連いたしました今の質問にお答えになりましたことは矛盾とはお思いになりませんか。
  427. 小林健夫

    小林証人 その点につきまして、もしその事業計画が不適当である、さらに合理的な方法によりますれば両者の間の円満な作業ができるという場合には、それを変更していただくというような措置を通産省としてとるべきであろうと考えます。
  428. 山本猛夫

    山本(猛)委員 私は納得できませんが、あなたは今関西電力の事業の円滑な遂行を期するために保護する場合もあるんだと言われている。しかし、その発電施設の計画が遂行せられていくのに、そこに鉱業権を持っている人があるとすれば、その間の人たちが円満に話し合いでもってやっていかれることが妥当たということもお答えになっておるのです。ところがこの場合は、関西電力の方ではその発電施設に対する工事計画というものを鉱業権者に知らしていないのです。知らしていない間に水没してしまって、そうしてその操業ができなくなっている。こういう事実なんです。それに対してどうお思いになりますか。
  429. 小林健夫

    小林証人 その場合におきまして関西電力が——これは常識的な答えになりますが、関西電力がその相談に応じなかったということは非常に残念だと考えます。
  430. 山本猛夫

    山本(猛)委員 それは電源の開発に対して保護を与えて、そうしてその工事計画が円滑に遂行出来るというようなことを念願されることはけっこうです。しかしそれかといって、鉱業権を持っている人たちが、その権利がどう迷惑されようがかまわないというような実情に置かれているものを、一片のそういうお答えでお済みになるというようにお考えになることは、私どもとしては非常に不可解です。  次にお尋ねをいたしますが、この鉱区の隣接地に石川は昭和二十六年に出願をした鉱区があり、なお昭和二十八年八月に修正命令を出して、その命令通り書類を提出したのでありまするけれども、四カ年もたつのに今もって許可されておらないという事実があります。その理由はどういうのであるか、伺っておきたい。
  431. 小林健夫

    小林証人 ただいまの出願の一二三七号でございますが、これらの地域にはやはり関西電力の発電関係の施設を当初予定しておりまして、最近工事が進行しておる模様でございます。その関係で鉱業法上の処分によりますと、鉱業法の第三十五条によりまして、他産業との利害関係を考慮して公益に合するように処分をしなければならないということになっておるわけでございますが、その判断が通産局の立場といたしましてなかなか判定ができなかったということによっておくれておるのでございまして、これまでにすでに鑑定等も行われておりますので、それらに基きまして早急に処分をいたしたいというふうに考えております。
  432. 山本猛夫

    山本(猛)委員 今あなたそういうことをおっしやいますけれども、この修正命令の出たときは、関西電力の工事の計画というものは確立しておらなかったのです。これは御承知でございますか。確立しておらなかったのですよ。確立しておらなかったと遂にこういう修正命令が出ている。あなたのような御説明ですと、そういう法的根拠に基いてやったんだとこうおっしゃるのでありますけれども、この修正命令をお出しになったときには、関西電力の工事計画というものは確立しておりません。お答え願いたい。
  433. 小林健夫

    小林証人 確かに後になって変更等の事実もあったようでございまして、確立しておらなかったとおっしゃる通りだろうと思います。
  434. 山本猛夫

    山本(猛)委員 どうも納得がいかないのですが、あなたはさいぜんは関西電力の工事計画に対して保護を与えなければならないというようなことで、法的根拠に基いてこういう修正命令を出したんだと言って、そうして次の私のお尋ねに対しては、確かにあのときは確立していなかった、だけれども修正命令を出したんだ。どっちがほんとうなのですか。確立をしていないのにどういう法的な根拠でそういう修正命令を出したのか、伺っておきたい。
  435. 小林健夫

    小林証人 修正命令の方はそういう公益関係、電力施設との関係ではなくて、他の鉱区が一部に設定されましたために、それとの重複部分を削るという修正命令でございました。
  436. 山本猛夫

    山本(猛)委員 それはどことの重複部分でございますか。
  437. 小林健夫

    小林証人 先にございました出願鉱区につきまして、他との重複部分であります。
  438. 山本猛夫

    山本(猛)委員 具体的におっしゃっていただきたい。
  439. 小林健夫

    小林証人 現在出願として残っております部分の西側の部分でございます。その出願番号等については控えて参りませんでした。
  440. 山本猛夫

    山本(猛)委員 それではもう一点だけお尋ねをいたしますが、ただ単に電力工事の計画があるからといって、何もその公表のないのにその許可を保留していこた、こういうふうにしかわれわれは考えられない。今あなたのおっしゃっていられるようなことも、理由の一つにはなるかもしれませんけれども、われわれが調査をした実態からいきましては、あなたのおっしゃっているようには考えられないのです。それから二年も三年もたつ間に、関西電力の工事計画というものが確定をして、そうして工事が完成をして、それを待って鉱業権を許可したところで、これは事実上その採掘をすることはできないわけなんです。それでは不許可に相なったと同じ結果になるのじゃないかと思うのであります。そうした行政措置でよいとあなたはお考えになるかどうか、その点につきましてお尋ねをしておきます。
  441. 小林健夫

    小林証人 どの程度まで確定しました場合に、鉱業権との調枢を考えるかということば非常にむずかしいものでございまして、非常に未確定なものにつきましてまで、そういう点を考えるということは、不適当であろうというふうに考えます。
  442. 山本猛夫

    山本(猛)委員 あとで本省の公益事業局長さんにお尋ねをすることにしてこれで一応終ります。
  443. 上林與市郎

  444. 田中彰治

    田中(彰)委員 証人にちょっとお尋ねしますけれども、鉱業権の許可と水利権の許可と年限はどっちが先ですか、どれくらい違っておりますか。
  445. 小林健夫

    小林証人 先ほど申し上げましたように、水利権については、私確実なことは存じませんが、この場合は水利権の方がだいぶん先であったように聞いております。
  446. 田中彰治

    田中(彰)委員 鉱業権はいつごろ許可になっていますか。
  447. 小林健夫

    小林証人 七五一二の鉱区でありますか、昭和二十八年に許可になっております。
  448. 田中彰治

    田中(彰)委員 そこで、水利権が先に許可になっておって、それからあとで鉱業権を許可したということは、水利権があったとしても、水利権なんか、二十年も五十年も新潟県あたりの水利権はとったきりでほうっておいて、工事しないで置いてあるのです。そういう関係でそこへ鉱業権を許可された、ということになりますと、鉱業権を許可したということは、試掘していいとか採掘していいとかいうことで鉱業権が許可されておるのです。だからこの工事を始める前に、もしこの人がどんどん掘ってどういう施設をしたって、それはかまわないわけです。それはよくおわかりになりますね。そこでそういうことをあなたの方で許可されておるなら、今度鉱業権というものは掘るということが目的であり、ためし掘りすることあるいは採掘することが目的なんです。こういうことを許可しておるなら、今度水利権をとったあとで、そこにダムとかなんとか作る場合でも、やはり鉱業権が占有されておる。また水利権をとっておって、それを工事に使って電気なら電気を起こすにしても、そのダムを作って発電をするという許可を通産省からとるまでは、鉱業権が占有権なんです。その占有権を石川鉱業が全然めちゃめちゃにされておるときに、石川鉱業がたとい申し出なくても、やはり鉱区の性格上水没とかあるいはその他危険は状態に対してはあなたの方で監督なさって、そうしてダムとか何かに対してはこうしろとか、鉱業権を買い取ってやれとか、場所をかえろということをなさらなければならない。もしこの下に坑道でも作って掘っているときに、あなたの方でそこに水をためられて、それが陥落して人を殺した場合、あなたの方の責任にもなるし、水利権者の重大な責任であって、これは人命がなくなるのですから大へんなことになる。そういうことに対してあなたの方でどう考えていられるのですか。
  449. 小林健夫

    小林証人 人命の危険というようなことにつきましては、これは非常に重要な問題でございますから、鉱山自体につきましては、鉱山保安法で鉱山保安監督部が監督取締りをいたしておるわけであります。また鉱山自体の監督だけでない場合、他の方の電力会社と連絡をとらなければならはいというような場合には、当然通産省の立場で電力会社に話して、妥当な危険のない措置をとるべきものだと思います。
  450. 田中彰治

    田中(彰)委員 それではこの鉱業権が埋没してしまって——あとでもってこの鉱業権を許可してから、ダム工事許可がおりた、そういう場合、あなたの方に石川鉱業が訴えていっているのに、どうしてそういう善処をとられないのですか。これは重大な責任ですよ。どう考えられますか。
  451. 小林健夫

    小林証人 それにつきましては、われわれの方として関西電力にもお話を申し上げておりますが、十分話し合いができなかったことは遺憾に思っております。
  452. 田中彰治

    田中(彰)委員 それは不思議ですね。それはあなたは関西電力に話をして、関西電力に聞かれなかったらどうするか。ダムをとめなければならないじゃないですか。鉱業権をあととしてダムをやっているときに、下へ掘っていってダムの水がなくなるとか、埋没するとか、あるいは坑道の中へ水が入るとかいうことに対しては、あなたの方ですぐに封鎖されるのでしょう。あなたの方は、法律によってちゃんと鉱区を掘っているところを封鎖する権限を持っている。そして電力会社に対して、同じ通産省が許可されるのじゃないですか。どうして話し合いをしてとめないのですか。埋没したものをなぜほうっておくか。なぜ水をためさしたか。鉱山監督局の落度であったというのか。関西電力に頼まれたからやったのか。どうなのですか。
  453. 小林健夫

    小林証人 洲西電力から頼まれてやったというようなことは決してございません。
  454. 田中彰治

    田中(彰)委員 それでは監督局の落度ですか。
  455. 小林健夫

    小林証人 監督局ではございません。通産局の立場でございます。私は通産局の鉱山部長でございます。鉱山部長といたしましては、直接電力会社の監督の権限を持っておりません。
  456. 田中彰治

    田中(彰)委員 しかし、あなたがその電力会社の監督権を持っておらなくても、施業案で許可した鉱業権の監督権はあるのでしょう。この鉱業権に対してあなたは守らなければならぬのじゃないですか。それを守らぬで、委員会に訴えて出るまで放任しておくということばどういうわけですか。落度ですか、落度で広いのですか。
  457. 小林健夫

    小林証人 われわれ微力でありまして、十分その間の解決ができなかったことは大へん申しわけないと思っております。
  458. 田中彰治

    田中(彰)委員 いま一つお尋ねしますが、一町三反——これはあなたの方で測量されて図面が出たのですが、これはいつごろ測量されたのですか。埋没されているところが一町三反、これはいつごろ測量されたのですか。
  459. 小林健夫

    小林証人 先ほど申し上げましたように、一町三反という結果を出した測量ないし報告は出したことはございません。
  460. 田中彰治

    田中(彰)委員 したことがないものがどうして一町三反と委員会に出ておるのですか。先ほど山本委員が聞いたと巷には、一町三反だ、それをあなたの方で書いて報告したということで言われておったが……。
  461. 小林健夫

    小林証人 そういうふうには申し上げてないはずであります。
  462. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなたが報告しておらぬのを、こちらで勝手に書いたわけですね。
  463. 小林健夫

    小林証人 書いてありますれば、私の報告とは関係のないことでございます。
  464. 田中彰治

    田中(彰)委員長 そこでこの委員会出した図面と、この間私らが行って現場を見たのと非常に違っておる。仙山局の図面が、これはただ普通のところの野原や何かと違いまして、石炭はんかを掘るにしても両方できちんと十間ずつきめたものであって、もし図面と違っているのを掘った場合には、盗掘といって窃盗罪になる。この図面がう道理がない。それがどうして違っているのですか。あなたの弊も範囲にあるところの鉱区の図面なのだが、これに対してどう考えておられますか。
  465. 小林健夫

    小林証人 この図面は五万分の一で表示してあると思いますが、おそらく大体それに近いと思いますが、その程度のものでございますと、現実の地形と地図の表示が一致してい意いというような実情もあるのじゃなかろうかと思います。それにいたしましても、私の方といたしましては、一町三反というようなことにつきまして、報告しておりませんので、どういう理由に基いたかということにつきましては、明確なお答えがいたしかねます。
  466. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなたはこの間現場に行かれてあの図面を見たときには、現場と違っておるということば御了承なさったでしょう。そこで図面と現地と違っているとおっしゃいますが、そんはしろうとだましのことばおやめなさい。もし違った図面で許可したらどうなるか。人が金利を払って人の採掘、試掘しておる鉱区の上にかぶさったものを許可して、知らないでこれを掘ったら、隣のところに突き抜けて、そのために水が入って大きな事故を起して何千万もかけた鉱山をだめにする。人間がどれだけ死ぬか。またそこに盗掘という問題が起き、窃盗罪ということが起るのだから、図面が違うはずがない。その図面が違ったのはどういうわけですか。
  467. 小林健夫

    小林証人 図面と現地と違いなくしますためには、これは一般的に申し上げまして、通産局の方で鉱業権を許可いたします場合に、全部現地を実測いたしまして、こちらで図面を作成してお渡ししますことにすれば、一番確実なんでございます。現在非常に処分がたまっておりまして、全部について正確な測量をいたしまして現地と合せた図面というものを完全に作成することができない状況にありまして、特に鉱区図と現地と多少不一致が出てくることはわれわれにしましても非常に遺憾に思っておるわけであります。そういうことの血いようにやっていきたいと考えております。
  468. 田中彰治

    田中(彰)委員 それはおかしいですね。あなたが石川鉱業の試掘権を許可なさるときに、現地調査しないで許可なさったのですか。ただいいかげんにお書きになったのですか。それとも鉱業権者の出したものをそのまま許可されたのですか。少くとも許可を出される前に現地調査をされておると思うのですが、どうですか。私の言うことが確かなのか、あなたの御答弁が確かなのか、どうなんです。
  469. 小林健夫

    小林証人 試掘権の許可の場合におきましては正式の測量ばやっておらなかったように聞いております。
  470. 田中彰治

    田中(彰)委員 そうすると、許可するにも大きな手落ちがあったというわけですね。
  471. 小林健夫

    小林証人 実際上完全な処置がとれないような状況になって、そういう意味におきましては手落ちといわれてもやむを得ないと思います。
  472. 田中彰治

    田中(彰)委員 施業案をあなたが許可なさるときに、どんなことで許可されたのですか。
  473. 小林健夫

    小林証人 どんなようなことで許可したかという意味につきまして、もう一度伺わしていただきたいのですが……。
  474. 田中彰治

    田中(彰)委員 施業案を書いて出すときに、あなたの方は、掘るだけの価値のある鉱区であるかないか、あるいはまた鉱夫の人命を保障して間違いなく掘れるか掘れないか、あるいはガスとかいろいろ出るでしょうが、そういうものに対して、あなたの方から落盤とか地質というようなことを一応お調べになって施業案というものを許可になる、その施業案も、そういうことで許可してないということになれば、これはちょっとおかしいじゃないですか。
  475. 小林健夫

    小林証人 施業案は試掘につきましては届出制でございまして、届出がありまして、それを通産局で受理いたしますれば、それによって仕事を進めるということになるのでございます。
  476. 田中彰治

    田中(彰)委員 そうすると、人家の下に石炭などがあっても、施業案を鉱業権者が届けっぱなしでも許可しますか。
  477. 小林健夫

    小林証人 そういう施業案に基きます要望計画というものは、公益に合致しないということが明らかでございますれば、採掘権でございましたら、認可の場合にはそれを変更させます。試掘の場合でございますれば、届出で成立いたしますが、あとからそれの変更を命ずるということになっております。
  478. 田中彰治

    田中(彰)委員 そうすると、これは一応安全なるものとして許可して税金もとっておるし、石川鉱業のものとしてこれをやっておる。そこへあとで電源開発の許可が出た場合に、両方とも公益ですよ。電源も公益だし、鉱区を掘ることも、石川が掘ってどうするというわけではなく、国のためになることであるから、両方とも公主だから許可している。先願の鉱業権が無効に法るような、埋没する危険に陥るような、仕事ができないようなことをするなら、同じ通産局なんだから、あなたが鉱山部長として、あなたの方でしっかり守って、交渉をしてやったりしたことがあるのか。
  479. 小林健夫

    小林証人 湛水そのものをやめてくれということば工面しておらなかったのでございます。ただし、あと鉱業権者に対する補償の問題というようなことにつきましては、私からも一応関西電力の方に話に乗ってみたらどうかということは申し上げたのでございます。
  480. 田中彰治

    田中(彰)委員 そんな補償なんか、石川鉱業に幾らやろうとこっちで関係したことではないのです。鉱業権という、りっぱに税金をとって施業を許可しておって、それが先にやっているのに、今度はそこへいきなり水をためちまって、その水をためたのでどうしても四万キロの電気を起さなければならぬ。今の関西電力が使っている四万キロの電気ばあのダムが三分の一か四分の一でいいのですけれども、とにかく御母衣に大きな電気を起して、その起した水を一滴もこぼさずに、国家の金を五十億も七十億もかけて隧道を作ってきて、そしてこの鳩谷へ入れて、ここで大巷な電気を起すにはこのダムがいるから、だれと相談してやったか、だれが中に入ったか知らないが、こういうインチキなことをやったわけであるから、あなたの方には何十万キロ起すにはどれくらいのダムがいるかということがわかるはずです。御母衣の三十七万キロの電気を起す水を一滴もこぼさずに鳩谷へ持ってきて、電気を記して、また椿原で起すという計画でダムを作った。そして鉱業権を埋没さしたら、あなたの方でその補償問題とか何とかいうことではなく、鉱業権を監督するという意味で、あなたの方で忠告なさっても、もし聞かなければ水をためるのをとめるとかなんとかなさらなければいかぬじゃないですか。それが監督官でしょう。もしあなたの言うようなら、何をやってもいいということです。鉱業権の図面が間違っておったら、人の鉱区を掘ろうと、どこの鉱区が先にやっておったのに水をまこうと、何をやろうといいということじゃないですか。おかしいじゃないですか。これはやはり税金の関係ですよ。鉱業権だって、税金を払わなけば、税務署が鉱区の差し押えをする。鉱区だけじゃない。自分の私有財産にも差し押えがくるのです。人の鉱区に私が大きな穴を掘って、この中に亜炭があるから掘るというようなことを、許可になればやっていいんですか。やはりとめなければいかぬでしょう。守ってやらなければいかぬでしょう。そういう点ばどうなんです。関西電力だから守らなかったのですか。私はずいぶん鉱区も持っているし、そういう仕事もいろいろしておりますが、こんなことはかつてないですよ。どうしてダムの水をとめなかったのですか。どうしてこの鉱業権を守ってやらなかったのですか。補償なんかどうでもいいですよ。石川鉱業が一銭で解決しようとしまいとかまわぬ。鉱業権を守らなければならぬ。あなたの立場としては、鉱業権を許可して、税金をとって、事業税もとっているんだから、こういうことをしてはいけない。これをうっかりして石川が下を掘って、そのために人家が埋没して人を殺したら、あなたが弁償するのですか。おかしいじゃないですか。あなたはこれは当りまえだと思いますかおかしいと思いますか、どうです。
  481. 小林健夫

    小林証人 鉱業の施行をして水没したために、人命その他に死傷を及ぼすというようなことはないようにもちろん取り締るわけでございます。鉱業権がありまして、あとからそこに湛水するごとそのものがいいか悪いかということにつきましては、むずかしい問題でございまして、必ずとめるということがいいのだというところまでは、私も現在確信を持っておらない次第でございます。
  482. 田中彰治

    田中(彰)委員 どうして悪いんです。石川鉱業があのダムの下を掘ることを許可しますか。許可するならあす電話を出そうじゃないか。必ずあなたの方で危険だからといってとめるに違いない。そうしたら鉱業権を持っているところへ水をためることがいいか悪いかわからないというのは、どういうわけです。おかしいじゃないですか。人の鉱業権のあるところへ、あとから勝手にダムを作って、土地を借りておるのまで踏みにじって、水をためちまう。石川鉱業だから、農民より力がある。農民だったら、ごらんなさい、家を浮かしてしまう。黙って人の土地にトラクターをかけて石を積んでしまう、石を投げてしまうというようなことを行なっている。あなたの上に局長があるんだけれども、ああいうばか者が名古屋の局長になっているから、こういうような事件を起すんだ。あなたはここでいいかげんな答弁をしておくと、全鉱業権者はこれをまねるのですよ。これはただ石川鉱業と関西電力の関係だけじゃない。あなたのここで答弁されたものは速記に載って、そういうことをしてもいいということになると、全鉱業権者があしたからやるのです。そうしてどれだけの人が死ぬか、どれだけ大きな紛争が起るか、どれだけの者が鉱業権を失うか、どれだけのものが危険な仕事をすることになるか、あなたはそうお考えにならないのですか。自分の非があったら非を認めなさい。どうなんです。
  483. 小林健夫

    小林証人 もちろん重大な問題であると考えます。
  484. 田中彰治

    田中(彰)委員 どうなんです。落度がないというのか。あなたの方に落度があるのかないのか。
  485. 小林健夫

    小林証人 鉱業権がありますところに湛水するということがいいか悪いかということにつきましては、もちろんそれが直ちに人命に危険があるような場合は明らかによくないと思います。ただしそういうことは別にいたしまして、こういう鉱業権があるところに水をためることそれだけが、また掘っていないところに土地を持っている者が水をためることがいいか悪いかということは、これは土地所有者ないし水利権者がそういう権利を行使できるかどうかという問題でございまして、私としては現在において明確にどちらがどういう場合にどうできるかという判断はいたしかねます。
  486. 田中彰治

    田中(彰)委員 それではあなたにお聞きしますが、電源開発仕事を今まさにせんとして許可をとった、あるいはその仕事をするというところへ、ほかの会社が鉱業権を願った、こういう場合にあなたの方はそれを許可しないでおいて、電源開発がすっかり仕事をするのを待って、仕事をしてから却下するという局長の通達が出て、あなた方そういうことを実行されている。そうすると、鉱業権というものがないということになる。鉱業権は自分のものじゃないということになるんじゃないですか。おかしいじゃないですか。そうすると、そういうような電源開発とかそういう電力会社のことは守るが、一鉱業権者のことは守らないということなんだ。  もう一つ例を申しますと、こんなものは幾ら水利権があったって、工事して今水をためているところへ願いを出せば、あそこは危険だからといって許可にならないでしょう。許可ができないなら却下しなければならぬ。福岡県の飯塚市にはあれだけの大きな建物が立っておるが、あの下は全部石炭鉱区です。しかも掘っているところもあります。この実例を見たって、鉱業権はやはり願い出るならば、これを試掘したいとか採掘したとかいうんだから、それがあなたの方でどうしても危険で、建物があって石炭を掘るとか、モリブデンを掘るためにこういうふうなものを犠牲にしたのではいけないというときは、その理由で却下されてもいいが、そういうものではないときは、まだ工事も何もしておらなかったり、今あなたがダムに水をためていいか悪いかわからぬとおっしゃるならば、鉱業権を許可していいじゃないですか。水はためても、別に鉱業権者に関係ないということなら、ダムの下が掘れるということなんだ。鉱業権をあなたは無視するということはないでしょう、税金取っているのだから。そうしたら、どうしてそれを許可しないのですか。電源開発予定地にはみんな却下しているじゃないですか。どうして許可しないのですか。あなたの言うことはわからぬじゃないですか。どうなんだ。あなたが証人に出るときに、公益局長とか鉱山局長というものは、関西電力と飲んだり食ったりして、相当な金をもらって、あのにせ図面を作って、公文書の不実記載をしたことばわかっている。あなたの証言いかんによってはわしらは告発するぞ。そんな者から言いつかってきて、ここで偽証しちゃいけませんよ。どうなんです。鉱業権者のこの鉱業権の上に水をためていいというなら、ダムのあるところへ——いいですか、ダムを作るということはわかっておっても、そこに鉱業権を許していいはずじゃないか。どうして許さないのです。違うじゃないか。  もう一つ、あなたごらんなさい。福岡の今の小倉のあそこに石灰山がある。あれはりっぱな公園にするんだと言っておる。ところが石灰石の採掘を願ったものは、セメントを作った方がいいということになっている。その争いにしても、そのとき福岡の鉱山監督部が総立ちになって、やはり鉱業権者にひいきして、半分でも取って、セメントを作るようにしたじゃないですか。あなた、それはあべこべじやないか。どうなんですか。
  487. 小林健夫

    小林証人 先ほど、鉱業権を不許可にしておるとおっしゃいましたが、不許可にしておるわけではございません。先ほど申し上げましたように、予定地につきましては、本省の通牒の関係もありまして、さしあたり処分ができないという状態になっております。
  488. 田中彰治

    田中(彰)委員 不許可にしておらぬと言っても、出頭しても、四年も三年もたって、出願権というものは採掘を許可されて、三年半たてば無効になるんですよ。それを三年も許可しないということはどうなんです。鉱山局はそんなに混雑していません。そんなに重複していませんよ。おかしいじゃないですか。あなたが何と言われても、関西電力と組んでそういうことを鉱山局がやっていることだけは間違いないことなんだ。さもなければ、すぐ帰って許可しなさい。私の知っている者があそこに願っても許可しない。われわれはこんなものは知らぬから、お前は放棄しなさいと、あのときは鉱業権を放棄させた。そしてこれを調べておる。許可しなかったじゃないか。どうしたんだ、それは。
  489. 小林健夫

    小林証人 現在通産局並びに通産省の方針がそういうふうにきまっておりますので、私単独の考えで許可いたすわけには参らないのであります。
  490. 田中彰治

    田中(彰)委員 きまったということは、何か法律にそういうことがあるのですか。そういう法律があるのか。鉱業権に水利権のあるところに許可してばいけないとか、そういうことが法律にあるのか。それを聞きましょう。
  491. 小林健夫

    小林証人 法律そのものには書いてございませんが、下級官庁といたしましては、上級官庁に従わなければならぬと考えます。
  492. 田中彰治

    田中(彰)委員 法律にないものを、電力会社と組んで、そういう通達を出して、鉱業権者を泣かしておる。しかもく今度決算委員会だからといって、だれも実情を知らないと思って、図面を出すのに、調査しないのに、四月もかかって調査いたしました、この図面は間違いございません、といって出しておる。その図面はどこで書いたかというと、関西電力の重役と公益事業局長と鉱山局長と、あの通産省の鉱山局の某部屋でもって書いたということがわかっているのだ。そんなことが役人にできるのか。なぜあなたがはっきりと、そういうことは問題になっておるだろうからと、なぜそういうことを守らないか。あなたが書いたことがない、出したこともない図面が、どうして出ておるのですか。あなたの方で調査したということで出ておるじゃないか。あなたは今、そんなものは出した覚えはないと言っておる。おかしいじゃないか。どうなんだ。通産局というものはそういうものなのか。どうなんです。そういうものなのかね。そんないいかげんなことをしてはいけないよ。国家の公務員じゃないか。一電力会社と組んで図面を偽造して、公文書の不実記載をして、調査もしないのに四カ月もがかって調査したといって、正確な図面だといって、この決算委員会に出して、現地に行って見れば図面と現実が違う。これは鉱山局の一室で書いたそうだ。関西電力の重役と鉱山局の者とでこれを作ったのだ。それで済みますか。しかも一方においては、鉱業権の上に水をためていいか悪いかわからぬと言う。けっこうだ。それはその通り真に受けようじゃないか。そのかわりに水利権の下に、鉱業権を許可してもよいはずだ。ダムを作るものであったとしても、大きな建物の下に水をためるのと違い、鉱業権を許可するくらいのことは当然じゃないか。それをだれが来たって許可しないというなら——図面は偽造する、公文書の不実記載をする、決算委員会はだます、金は取っておる。御飯は食っておる、料理屋に行ってごちそうになっておる。そうして許可は一方にするが、一方にはしない。一方の鉱業権は幾ら踏みにじられても——守ってやらなければならぬものは守らない、放任しておく、これであなたはどうですか、正しいことと思いますか、どう思いますか、間違っておると思うのか間違っておらぬと思うのか、どうだい。それを聞いて私はやめます。あなたが飲んでおるというのじゃないのだよ。本局の局長どもがやっておるというのだ。
  493. 小林健夫

    小林証人 そういうことはなかったと考えます。
  494. 田中彰治

    田中(彰)委員 君はないのだろう。
  495. 上林與市郎

    上林委員長 次に通産局に対する質疑を許します。山本猛夫君。
  496. 山本猛夫

    山本(猛)委員 公益事業局長にお尋ねいたします。今名古屋通産局の鉱山部長から証言を求めるというと、当委員会に先般提出した報告書は知らないということである。何を根拠にされて、どこで作製せられたのか、お答えを願いたい。
  497. 岩武照彦

    ○岩武政府委員 お答えいたします前に、今田中委員からいろいろと公益事業局長が金をもらったというお話でございますが、これは絶対ございませんので……。(田中(彰)委員「ある」と呼ぶ)
  498. 上林與市郎

    上林委員長 質問に対して答弁して下さい。
  499. 岩武照彦

    ○岩武政府委員 委員長の方でよろしくお取り計らいを願いたいと思います。  それからこの前、昨年の十二月に当委員会に提出いたしました報告書でございますが、その後それにつきましては、二月二十九日並びに三月十何日でございますかの委員会におきまして、前局長より、これは先ほど御質問がありましたようなことで作喫したというふうにお答えしております。ところがその後調査の結果、若干違いがございましたので、四月の九日と四月の二十八日付をもちまして、補正の調書を出しております。その内容は先ほど問題がございました重復面積の問題でございますが、前の報告書には一町三反と書いてございましたが、これは約十三町歩程度の見込みであるというふうに御訂正いただきます。それから……。(田中(彰)委員「十三町歩と一町三反とじゃ十倍違うじゃないか」と呼ぶ)それからこの報告書作製の経緯は、名古屋の通産局の関係の部で職務上処理しております事項及び関係者でありまする石川鉱業所並びに関西電力の方から聴取いたしました説明内容等をもとといたしまして作成したものである、こういうふうに実は御訂正申し上げておきます。従いまして名古屋の通産局はこの文書自体につきましては十分に関知するところばないかと思っております。ただこの鉱業権の許可その他につきましては名古屋の通産局の職務上の連絡によりまして御報告申し上げたわけでございます。
  500. 山本猛夫

    山本(猛)委員 時間もございませんから簡単にお尋ねをして、残った分は次回の委員会でお尋ねをいたします。今、私のお尋ねをしておるのは、あなたがそういう言いわけをしておるようなことをお尋ねしておるのではないのです。名古屋の鉱山部長が、この報告に関しては関知しないと言っておるのです。一切本省にも報告した事実がないと言っておるのです。それなのに当委員会に出された報告書はどこで作られておるのか。そしてまたそれをお作りになった根拠はわかりましたけれども、名古屋の通産局で出したことはないというならば、本省だけでお作りになったものであるかどうか、それを伺いたいと思います。
  501. 岩武照彦

    ○岩武政府委員 この報告書は本省だけで作成いたしたようでございます。ただどこでこういうことになったか、私は当時の関係をつまびらかにいたしませんでわかりませんが、本省で作成いたしました。先ほど鉱山部長から、通産局から昨年の九月、お尋ねのありましたように九月の何日からか十二月までの間には提出したことはないとお答えしておりますが、その前に若干の連絡がございました。その内容等も参酌いたしたものでございますが、作成の責任は、これはすべて本省にある、こういうように考えております。
  502. 山本猛夫

    山本(猛)委員 それでは、今あなたがおわかりにならないと言われました点につきましては、次回の委員会においてお尋ねをいたします。十分御調査の上お答えのできるように御用意が願いたい。それでは委員長、私は、あとに残されました財産権等に関する事項質問もございますけれども、きょうば時間がございませんから次に留保いたしまして、これで私は打ち切っておきます。
  503. 上林與市郎

    上林委員長 ほかに御発言はありませんか。——ないようでありますからそれでは……。
  504. 田中彰治

    田中(彰)委員 委員長、もう一点だけ……。通産省の証人にお尋ねしますが、今までの前例として岐阜にある鉱区に対しては、名古屋の通産局を通じてこなければ、本省が直接そういうものをお取扱いにならないはずです。われわれが施業案を出したって何したって、全部そこを通じてこなければいけないのに、それをそのときに限ってとれに対して、しかも国会に出す書類だ、決算委員会に出す書類現地が何も関与しないで、しかも現地に四カ月も調べさして確実なものでございますと答弁して出した。それが今度は現地が知らない。そこで今度は本省に——私はこの石川鉱業の試掘の図面なんかおそらく本省にないと思う。どこか会社から持ってきた図面か何かから書かれたか、一町と十三町ですよ、石炭なんか掘る場合は角十間ですよ、こっちが十間そっちが十間のところを、一間掘ってさえも大問題を起して裁判までして、鉱山監督局が中に入って、窃盗である何であるといってえらい弁償をとられておる、それなのにしかも水没したといって訴え出ているのに、この決算委員会に出すものを一町と十三町と間違いましたと、しかも現場の通産局が何ら関係してないからできないばずです。それをなさって、今度は、しかもその通産局で調べたというものが出ているのに、そんなことであなたは言いわけされてそれで済むと思うのですが、済むなら済むでおやりなさい、公文書の不実記載だけは事実ですから。あなた方がそういうことをしていろいろなことをおやりになるから、関西電力が百姓土地も何もきまらぬのに、石を投げたり、それをトラックで持っていってたんぼを荒したり畑を荒したり、家を荒しちまったり、子供が胸まで入らなければ学校へ行けないようなことをやっておる、そればあなた方の監督が悪いからだ。あなた方がりっぱな監督をなさればそんなことはない。あなた方そんなことをなさるねらば、徹底的に私は告発人になって告発する、それを私は申し上げておきます。  それでは委員長、きょうは終ります。
  505. 上林與市郎

    上林委員長 それでは小林証人に対する尋問はこれにて終了いたします。小林証人には長時間御苦労さまでした。御退席願います。     —————————————
  506. 上林與市郎

    上林委員長 次にお諮りいたしますが、政府関係機関収支日本国有鉄道の池袋駅改築と池袋ステーション・ビル株式会社に関する問題)に関する件につきまして調査を進めたいと存じます。つきましては来たる三十日午後二時より、豊島区議会議員森茂吉君、池袋西口商店街代表高野六郎君、前東京都建設局長坪田正造君を参考人として出頭を求め、実情を聴取いたしたいと存じますが御異議ありませんか。——御異議なしと認め、さよう決しました。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時十七分散会