○
山本(幸)
委員 ただいま
委員長から御
発言がございましたように、
椎熊委員長の
不信任動議についての趣旨について、以下弁明いたしたいと思います。
御
承知の
通り私
ども議院運営委員会は、
議事の
運営をどのようにスムーズにやるかということが、私
どもの一番大きな
使命であろうと考えております。そのために両党とも、常になるべく
話し合いの場を見つけ出しながら、その中で問題の
処理を円満に片づけるべく
努力をいたして参ったわけです。これも、ともあれこの
運営委員会は、
議会の
混乱を避けるための
一つの
緩衝地帯という
役割を持っておりますので、そこで私
どもは、
お互いの
立場を尊重しながら、今申し上げたような、
話し合いによるところの
処理に
努力をいたしてきたわけであります。ところが、私は今回の
椎熊委員長の
議事の
運営の仕方については、全く
独断専行と申し上げましても決して過言ではない、このように考えるわけです。
今さら私が申し上げるまでもなしに、そもそもこの
国会は、われわれ
社会党から、過
ぐる七月に
臨時国会を
要求いたしたのであります。また私
どもはその後も
要求いたしましたが、それは、北海道その他の災害問題、それから給与問題、
期末手当、こういう問題が緊急必要な
状態になっておりますので、そこでそのために、特に
補正予算等を伴った
臨時国会を開いてもらうべく、御
要求申し上げたわけです。ところがその当時、これは私の言い過ぎかもしれませんけれ
ども、なかなかその
要求には
政府与党は応じてくれませんでした。これはいろいろ承わるところによると、
党内関係等、特に総裁問題を
中心にして、
党内等の
関係があるというようなことを耳にいたしておりますが、それはともあれ、少くとも
要求があったならば、それは
国会法の
規定では、
要求があったら幾日のうちに開けという
規定はございません。ございませんけれ
ども、ともあれ
要求があれば、当然その
要求が正しいということであるならば、早期に開かれるのが、私は当然だと思われるのです。それがいつまでたっても開かれない。しかし、幸いにその間、
日ソ交渉は鳩山さんを
中心にして非常な御
努力をなすって、私
どももこれに微力をささげて、ともあれ円満に妥結をしたわけです。
日ソ交渉が妥結しましてから、初めて
政府与党は
臨時国会を開く決意を固めて、過
ぐる十二日にこれが
召集を行われたわけです。
そこで
召集が行われましたときに、特にわが党の
井上理事、
野原理事等からこの
委員会で各種の
発言がございましたが、そのうち、
官房長官を呼んで、なぜ
一体臨時国会をこんなにおそくしたのかというようなことから、これに関連して
会期問題をいろいろ議論いたしました。当時
政府与党といたしましては、
会期は二十一日、このような御主張がございましたし、私
どもは、
会期を三十日とすることが妥当なりと主張していたのでございます。その結果、まあ両者でいろいろ折れ合いをいたしまして、これは
議運であるがゆえに、折れ合いができたと思いますけれ
ども、ともあれ中間の二十五日という日にちで、
会期を一応決定いたしたわけであります。その際に、私
どもの方から特に
発言を
井上理事が求められて、
会期の二十五日については、これは
条件として
会期の
延長はしないことを主張せられまして、私の記憶では、
与党側の
福永理事はこれに同意せられ、その後、さらにまた成長に対して
議長の
意見を求めましたところ、
議長もまた、
会期の
延長は、ともあれ今の段階ではしない、こういうような言明があったと私
どもは記憶いたしております。そういう両党間の
お互いの
話し合いと、さらにまた権威ある
議長の
発言に基きまして、私
ども、それならば
一つこの際
国会の
運営には
お互いに協力し合って、でき得る限りこの
運営がスムーズに進むような
努力をしよう、こういうことに腹をきめたわけです。
その結果、具体的な事実として現われて参りましたのが、御
承知の
スト規制法の
扱いです。さらにまた
日ソ宣言その他三条約の
扱い方、それらについていろいろな
話し合いがなされ、特に
スト禁法については、私が今さら言うまでもなく、今までにない、前例を破った、
開会式の前に
委員会審査省略の
手続をとられ、本
会議に緊急上程する
手続をとられる、こういう異例な措置をとってこられたので、私
どもも実は腹に据えかねて、いろいろと
皆さんと御
相談を申し上げた結果、終局的には
政府も反省せられて、みずからこれを撤回し、あらためて
委員会に付託するという正常な
手続をおとりになったわけであります。そういう正常な
手続をとられましたので、そこで私
どもも一応その点を了承いたしまして、しからば、
与党と私
どもとの
話し合いにおきまして、ともあれ一応
参議院の
審議等の
関係もございますので、そこで
審議期間の
相談に移ったわけですが、その
審議期間の
相談は、
結論的に申し上げると、先月の二十六日
一ぱい衆議院で
審議を行う、つまり二十六日に
審議を終了して
参議院に回す、こういうような
話し合いができたわけです。そもそもこの
話し合いができましたのは、その根底をなしておりますのは、
会期延長をしないという
条件がございまして、そういう
条件を基礎にして、この
話し合いが成立したものと私
ども解しますし、またおそらく当時の
情勢等から判断いたしましても、客観的にそう私は見るべきだと、このように考えておるわけです。そういうことで一応話がつきましたので、わが党は、ともあれ、ただすべきことは大いにただしまするけれ
ども、
約束通りに、
衆議院においては二十六日
一ぱいにこれを終了しよう、こういう
態度で協力いたして参りましたことは、
衆議院の
審議の
状況をごらん下すっても、これは明らかなところであります。その結果二十七日にこれらが
参議院に回ったわけです。
参議院においても、これはもうそのような
態度を両党間できめたわけですから、おのずからそのきめた線に沿うて、
参議院においてもスムーズな
審議を行うような
態度で、一昨日まで
審議を続けて参ったわけです。
ところが、昨夜来から今朝にかけていろいろ問題を起しておりまする
原因が、
参議院から生まれて参ったわけです。それはいろいろございましょうけれ
ども、おおむね二つの点を申し上げることができると私は存じます。その
一つは、まず
参議院の
外務委員会におきまして、わが党の
代表質問のさ中に、あるいは
動議とも思われるような、思われないような、何か不可解な
発言を
与党側の
委員からなすって、それが何か
動議と一方的に解されて、
質疑打ち切りという
扱いがなされた。そこに
参議院の
外務委員会で
混乱が出て参ったわけであります。さらに
社会労働委員会におきましては……(「議題が違う」と呼ぶ者あり)議題が違うとおっしゃるけれ
ども、そもそも
会期延長が——そうおっしゃるならば、その点を私は先に釈明しますが、
会期延長問題が今日われわれの間でいろいろ議論せられております
原因がそこにあるのですから、従って、その
原因を私
どもは追及せずして、
会期延長に関連するその他の問題を議論することはできない。従って、あなた方にはお耳ざわりかもしれません、あるいはお気の毒かもしれませんけれ
ども、それは
一つごしんぼう願いたいということを特にお願い申し上げます。そういうことで、第二としては、
参議院の
社会労働委員公におきましては、これは
皆さん御
承知のように、一応の
審議を続け、今から申し上げれば一昨々日、
鳩山首相外二人の大臣に来ていただいて、さらに
質疑を続け、その質続を続けた結果、
結論に入ろうという
参議院の
社会労働委員会の
理事会の申し合せができたわけです。ところが一昨日の
社会労働委員会は、そうした
約束を破って、わが党の
発言中に、
与党の方からいきなり
質疑打ち切りの
動議を出された。これはもう明らかに今まで
話し合いを持って、
約束を守ってきたことを破棄するということは、
不信行為であると私
どもは考えられると思うわけです。こういう
不信行為をもって、てんとして恥じない考え方で常に
国会を
運営せられたのでは、そのうちには常に多くのトラブルが起ることは、これはもう当然であります。
私はおそらくそれを想像いたしまするに、私の感じましたことは、結局どうも
案件の
審議について、
政府側の答弁についても、きわめて
相手側を了承させるに足る答弁が行われていない。そういう点と、あるいは
運営に欠けておるという点から、結局
自分たちの思うようにいかないので、そこでとられました手段が、これは
一つこの際
社会党を激高さして、
社会党を怒らして、そのうちに
混乱を持ち出す、
混乱を持ち出せば
会期延長の
理由ができる。これはあるいは私の一方的な解釈かもしれませんが、私は今までの
経過から観測いたしますならば、そのような解釈をもっていたしましても、決して私はあやまちでないという確信を持っておるわけです。そういうように、ことさらに意識的に、計画的にわれわれ議員を挑発して、そうして
会期延長の
理由を作ろうとした。ここに私は今度のいろいろ問題を起した根本的な
原因があるのじゃないかと、こう考えておるわけです。
そういう
経過をたどったということは、そもそもそういうチャンスを作ろうとする隠謀、その計画を進めてこられたわけですが、その結果、ともあれ
参議院においては、昨日おそくなりましてから、急遽
常任委員長会議を招集せられました。
参議院の
常任委員長も、これは十六名でありますが、そのうちで、わが党が六名、その他が十名でございます。そこで
常任委員長会議は、相当時間にわたっていろいろ
会期延長をするべきやいなや、あるいは
妥当性があるかどうか、そういう点をいろいろ議論せられまして、最後に、結局
賛否の
態度を明らかにすることになったという話であります。さよういたしますると、
委員長がそれぞれ
賛否の
態度を明らかにするための
意見を申された。これは私が申し上げるまでもなく、
国会法の
規定によりまして、
議長は
会期延長の
案件については、おのおのの
常任委員長の
意見を求めなければならぬという
規定がございますので、従って、この際には党を代表する
意見発表ではございません。
国会の役員としての
意見発表がここに行われることになっておるわけであります。そういうようなことになっておりますので、おのずから各
常任委員長が
個々の
意見を発表するに際しては、自分の
委員会で扱っておる
法律案、
案件等の
審議状況等々がつぶさに報告されなければ、私はやはり
賛否の
態度を最終的に明らかにすることは、これは
理由が不明確になりますので、できないと存じます。そうしてやっておりますと、結局それに時間がかかったとかなんとかという
理由で、わが党の
常任委員長二、三名が、いまだ
賛否の
態度を明らかにしない前に、中途で
議長が散会のような形で、一方的に
議長室へ引き上げられてしまった。そのために、
参議院においては非常な
混乱が持ち上ったという話であります。わが党の六人の
常任委員長は、そろって
議長のところに参りまして、その
不当性について
議長をなじり、さらにまた今後の
扱い方について、
議長といろいろ議論せられておるやさきに、
寺尾参議院副
議長がわれわれの信頼する
益谷衆議院議長のところをたずねてこられまして、そうして言うところによれば、
参議院においては十対六で、最低一週間の
会期延長をきめましたという
申し入れが、正式にあったという話であります。
そこで非常に正直な
益谷議長は、それをまっ正直に受けられまして、
衆議院の
常任委員長会議を
召集せられた。ところがたまたま
参議院のわが党の
同志諸君から、私
どもに連絡がございまして、
寺尾副
議長が
衆議院の
益谷議長に
申し入れをいたしましたことは、これは全く誤まりである。
参議院においては、そのような
最終結論が出ておりません。出ておりませんし、かつまた
議長が
寺尾副
議長にそのような旨を命ぜられたわけでもないし、委任せられたわけでもない。一体それはどういうことなのかといって、私
どもがさらに突き進んで尋ねてみますると、それはどうやら、そういう二、三の
常任委員長の
賛否の
態度を残したまま、
議長が引き上げて、わが党の
常任委員長といろいろその後の処置について折衝しておる姿そのままを、
中間報告の形で
寺尾副
議長に、
衆議院の
益谷議長のところに行って報告してこい、そういうようなことであったということです。(「それは第一回だ」と呼ぶ者あり)そこでまあ、第一回でも第二回でも、ともかくとして、
経過のあったことは、第一回と言われた
通りお認めになったと思います。
そこで私
どもはそれは困る。そういうようなものを、そういう
一つは半ば詐欺のような
結論というものを持ち込んできて、暗に
参議院においては
話し合いがついたということを
益谷議長に言われて、そうして直ちに
衆議院で諸般の
手続をせられるということについては、それはよろしくないと私
どもは申し上げた。これは
与党の
諸君はよろしいとおっしゃるかもしれませんが、そもそも私が冒頭に申し上げた
通りに、今度の
会期については、少くとも
皆さんや私
どもの間においては、しかも正式な
議院運営委員会において、
会期を
延長しないということを
お互い了承をいたしておる。またこれが広められておるわけです。だとするならば、当然残る問題は、もはや他の意志によって
会期延長を
要請してくる以外にはないことになるわけです。そこで
参議院が、まあ正式な決定でないようなものであるが、
要請をして参りました。
要請をしてくればこそ、初めて
衆議院はそれをどうするかという問題にあらためて取っ組むわけです。早くいえば、
衆議院の意思において行うんじゃありません。今までと違ったケースにおいて
会期の
延長が、
衆議院で扱おうとするならば扱うことになるわけです。従って私
どもは、そういう点を考えますると、
参議院において正確な
結論のもとに
衆議院に持ち込まれたものならば、私
どもは当然受けて立つべきだと存じますが、不正確な、
結論にならざる
中間報告をもって、いかにも
結論であるかのごとくせられたということについては、当然その点を明確に究明いたしまして、その事実を明らかにしなければ、
参議院に
会期延長の同意を求めるような、そういう
経過とは相反することになろうと存じます。従って私
どもは、そういう点を追及するために、
常任委員長会議でいろいろ協議をする前に、
参議院のその点についての事実を明確にしてもらってはどうかということで、たびたび
与党の
諸君や
議長に対しても懇請をいたしたわけであります。ところが、
議長さんの話では、すでに
常任委員長会議を招集して集まっておるし、その問題は
一つ議運の
理事会でもよく懇談をなさってはどうかという、
議長さんの強い御
要請もございましたので、やむなく私
どもは、ともあれ信頼する
議長さんの
要請でもあるから、それを受けて、
常任委員長会議に応じて、
常任委員長会議が開かれたわけであります。ここからが問題なんてす。ここからの問題は、ちょうど今まで申し上げた、
参議院におけるところの一方的な、独断的な、その
運営上の横暴な
態度が、ともあれ
常任委員長会議でそもそもとられたことであります。
私が言うまでもなく、
常任委員長というものは、
国会の役員として同格であることは御
承知の
通りであります。ただ従来の慣例上、
椎熊委員長、いわゆる
議院運営委員長が
座長をやられるだけであって、それはあくまでも通常の
常任委員会の
委員長として
議事運営を扱われる
立場とは、おおむね
性格が違っておると存じます。それぞれ
議長のお許しを得て、委嘱を受けて、そうして慣例に基いて
座長席につき、各
常任委員長諸君の、それぞれ担当する
常任委員会の
審議状況をつぶさに報告せしめ、その結果、
賛否の
態度を明らかにする。早くいえば、
議事進行の
役割を果すような意味の
座長ではないかと私は考えるわけです。それでまあ、そういう
座長の
性格であるにもかかわらず、私
どもが傍聴いたしておりますと、わが党の
決算委員長の上林君が、
議長さんの
発言に対して
質疑を求められたわけです。
議長さんの
発言は、相当詳細な、
親切丁寧をきわめた
発言でございまして、今日までの、
衆議院においては
会期延長しないという
経過から始まり、そうして、
参議院において
申し入れがあったという
発言がございました。そこでわが党の
上林決算委員長は、それに幾分か疑義がございましたので、念には念を押すために、
議長に対して
質疑を求めたわけです。ところが、私
ども傍聴いたしておりますと、その
質疑を
椎熊委員長は認めない。これは私は、きわめて重要な問題だと思うのです。われわれ普通の
議院運営委員会の
議事においても、われわれの
質疑をむやみやたらにこれを拒否したり、認めないとするようなことはできません。また、その他の
常任委員会においてもその
通りです。ましてや、
常任委員会とは
性格が全く違うところの、いわゆる
常任委員長会議、そこでほとんど司会の
役割にすぎない
椎熊議運委員長が、
議長の重要な
発言に対して、その疑義をただすべく
質疑をせんとしたその
質疑を認めない。これは私は、こうなりますと、まるっきり
議運委員長とその他の
常任委員長とは、全く格が違うような
一つの
扱いをしたようにも思われますし、それから公正な
常任委員長の
発言、特に
会期延長に最も密接不可分な
常任委員会におけるところの法案、
案件等の
進捗状況、
審議状況等の
発言が、全く聞かれぬうちに、
委員長が一方的に押し切ろうとする
態度としか、私
どもには見受けられなかった。そこで
上林委員長は非常に憤激いたしまして、
椎熊委員長に厳重なる抗議を申し込みました。ところが
椎熊委員長は、ともあれ無理やりに押し切って、
与党の
諸君の
意見が多数であるから、この情勢を私は
議長に報告すれば私の
使命は終ります、こういう
態度で
質疑すらもさせなかった。わが党側の
常任委員長は、ただすべきはただして、そうしてそれぞれ
個々の
常任委員長の
意見を発表し、
賛否の
態度を最終的に表明する準備をいたしておったわけです。特に
皆さん御
承知の
通り、わが党の
常任委員長五名の
諸君は、非常に円満な人であり、非常に穏やかな人です。そういう人々が、条理を尽して正規の
発言を求めたにもかかわらず、それを全く許さなかったという行為は、
椎熊委員長の非常に
議会運営上における横暴をきわめた事実だと私
どもは考える。私は
椎熊委員長とは長い間の交際でございますので、そういうことを申し上げることは、まことに忍びないことでありますが、特に私
ども議院運営委員は、
議会の
運営をどのように円満にやるかということが、冒頭申し上げたように重大な
使命でありますから個人の情においては忍びなくとも、
国会の
運営に、いわゆるルールをはずすような、もし
運営の
やり方があるならば、これは私は、将来に大きな禍根を残しますので、その点は特に私
どもは追及しなければならぬ重要な問題だと考えております。
幸いに
議長さんの公正な判断、あるいは
与党の一部の
諸君の非常に公正な
判断等によりまして、
常任委員長会議は再開せられることになったわけです。その再開をするときの、
与党側から私
どもに対する
申し出は、ぜひ
一つ質疑は一人に限っていただきたい、こういう
申し出が私
どもにございました。私
どもは、本来はそれは本意ではございませんけれ
ども、私
どもの主張を正しいというふうに取り入れて、再び
常任委員長会議をやり直される、この襟度と
努力に私
どもは敬意を表しまして、私
どもは、
質疑は一人にすることに同意をいたしました。ただし、他の
常任委員長の一、二の
諸君が
関連質問をすることについては、そこまでは制限はできませんからという点を、私
どもは申し上げた。こういうことで、一応
与党側の
努力を了といたしまして、再び
常任委員長会議が持たれたことも、
皆さんが御
承知の
通りであります。私は、二度目の
常任委員長会議にも、この席で傍聴をいたしておりましたが、最初わが党から
質疑を行い、それからさらに、それに対する
関連質問を二、三行いまして、その結果、それぞれ
委員長の
意見の
開陳、
賛否の
態度を表明する段階へ参ったわけです。最初に
意見の
開陳をいたしましたのは、わが党の
大矢地方行政委員長でございますが、
大矢地方行政委員長が、私は時計を見ておりましたけれ
ども、約七分ほどの
意見開陳をやって、反対の
態度を表明いたしたわけです。次に
大蔵委員長の松原君が、これまた
発言をせられまして、
意見の
開陳に入られました。ほんの三言、四言、時間で言うなら一分とたたずして、
委員長は、時間がありませんから簡単に願います、こういうふうに、すでに、今の抑圧をいたして参ったわけです。私は、なるほど時間がないから、簡単にすることには、やぶさかではございませんけれ
ども、少くとも私は、
常任委員長の
個々の
意見を徴しなければならぬこととなっておりますので、従って、非常識な時間でない限りは、やはり
常任委員長の、
委員会におけるところの
案件、
法律等の
審議状況がつぶさに語られて、その結果、しかじかかようであるという
態度表明をやるべきである。それをわずか一分や、あるいは一分わずかをこえたくらいのところで、これを抑えつけるように
発言をさせない。しかも
発言中に、他の
常任委員長に次の
発言の
指名を行う。こういう不正な
やり方は、特に
緩衝地帯であるべきところの
議院運営委員会の
委員長のとるべきことでは断じてないと、私はこのように考えております。
そこでわが党の
常任委員長諸君、温厚な、円満な
常任委員長諸君も、ついにがまんがし切れずに、このようなことでは、
常任委員長のそれぞれの持っておる
意見の発表ができないではないか。こういうことで再び激高の
状態になりましたが、それにもかかわらず、
椎熊委員長は、その
状態を無視して、勝手に次々と
常任委員長の名前を呼んで、そうしてあげくの果てには、一方的に、独断的に
常任委員長会議の散会を宣せられた。これは私ばかりではございません。
与党の
諸君もその
状況をごらん下さったと思いますが、私は、こういう
やり方をしておったんでは、とうてい、いずれの政党が政権を取ろうとも、これは私は、
国会の円満な
運営は不可能だ、このように実は考えておるようなわけであります。そこで、まずそういう点からいっても、
椎熊委員長は、特に
緩衝地帯といわれておる
議院運営委員会の
委員長としての適格性を完全に欠いておるとしか、私
どもは、言うことができません。それがまず第一の不信任の
理由であります。あとは簡単です。きわめて簡単でございますので、御了承を賜わりたいと思います。
第二番目は、それから引き続いて
運営委員会の
理事会が持たれることになりまして、そうして
常任委員長会議の模様が、
椎熊委員長から報告せられることになったわけでありますが、ところが、その
理事会においてすら、すでに
椎熊委員長は、常と変った異常な興奮
状況でありまして、何だか知らぬが、自分の点かせぎのために、悪く解釈いたしますと——これは単なる解釈ですが、悪く解釈いたしますと、次の新政権の何かポストがいただけるんじゃないかと、こういう錯覚を起されて、そうして非常に、まあ
与党的
立場から、強引に一切の
運営をやられようと思われたわけです。私は、ここに第二の重要な問題があるのではないかと、このように考えております。なるほど
椎熊委員長は、今日までの
運営委員会においても、たびたび激高した
態度がございましたが、本日の
運営委員会並びに
理事会等における
椎熊委員長の顔色は、まことにいつもの激高よりも、もっと蒼白な面持でございまして、最初から無理やりに一切を押し切ろうという
態度であったわけです。御
承知のように、
会期は本日
一ぱいでございまして、私は昨夜、そう血相を変えてまでやって、
混乱を巻き起さなくとも、スムーズな
運営を行うならば、あるいはもっと短時間で
話し合いなり、
結論が出たかと存じます。ところが
椎熊委員長の、ごらんのような、あのような
扱い方は、私
どももついにいたたまれずになって、そこに両者間において全面的な対立を起したわけです。これは明らかに
椎熊委員長の議院
運営の非常に不手ぎわと申しますか、私はむしろ不手ぎわというより、公正であるべき
議院運営委員長が、一党の
立場に立って、一切を主観のもとで
運営せられるという行為は、はなはだもってけしからぬと存じております。従って私
どもは第二の
理由からいたしましても、
椎熊委員長が、
委員長としての適格性を完全に欠いておると、かように考えるわけであります。
さらにもう一点は、
皆さんも御
承知のように、先ほど十一時ちょいと過ぎ——時間ははっきり記憶がございません。十一時ちょいと過ぎの
理事会においての
状況は、もうこれは私が具体的に御説明するまでもないと存じておりますが、私
どもの質問、私
どもの
意見、それなどは全く無視せられて、いきなり
与党側に
賛否を問われる、こういうことを行われたわけです。私は、
椎熊委員長がそういうことをやられたことは、
椎熊委員長が
委員長になられて、これで二度目だと記憶しております。それ以外のときには、どんな対立した事項がありましても、一応
委員長が
案件を諮って、そうして両党間の
質疑があれば
質疑を聞き、それが終れば、両党の
意見をお聞きなすって、その
意見が終った後に採決をして、
賛否の
態度を求められる。また
意見が終っても、従来の慣例からいくならば、話が円満に片づくものならば、党代表以外の、議院
運営委員の
諸君の
意見もこれを取り入れられて、でき得る限り
話し合いでいくような
運営をとってこられたわけです。しかるに、先ほどの十一時過ぎの
委員会におきましては、全く与野党の
意見を問わずに——これは野党ばかりではありません。
与党側の
意見も問わずに、いきなり
賛否を諮られる、こういうことは過去にも一回ございまして、私
どもは注意を喚起した。その注意に対して
椎熊委員長は、これを了とせられて、今後は気をつけるという釈明があったはずです。しかるにもかかわらず、またぞろ昨夜、そのような
運営をせられたということは、これは
椎熊委員長の意思が、もはや議院
運営営
委員長としての
立場を離れて、一党の代表であるというような
立場に立って、
国会運営を行われておられるとしか私には拝察することができません。従って私
どもは、そのような
立場に立たれるところの
委員長に対しては、どうしても信頼をおくことはできないのであります。
私は冒頭
皆さんにお訴え申し上げました
通りに、
議院運営委員会は、最も公正で、そうして最も多くの
話し合いの場を求め、でき得る限り、対立の中にも、この
運営を成規のルールに乗せていこう、こういう
使命を持ち、またこの
使命に
努力をしなけば、私
どもは
国会の
運営を円満に、円滑に行うことは不可能だと考えております。従って、他の
常任委員長もちろんそうでありまするけれ
ども、特に
議院運営委員長はその点に慎重を欠いてはなりません。私
どもも、それはなるほど
皆さんから御指摘を受けるように、時には大きな声も発します。発しまするけれ
ども、常に反省をしながら、
皆さんと議論をしたり、あるいは
相談をいたしておることは、これは私が申し上げるまでもなく、
皆さん御
承知の
通りであります。しかるにもかかわらず、
委員長という冷静な
立場で、各位の
意見を聞きながら、それを取りまとめて、円滑に
運営をすべき人が、先ほど来申し上げておりますような、数々の不当な、独断的な、一方的な
運営の方法を行われるということは、これは単に私だけでなしに、
与党の
諸君といえ
ども、もし何らかの目標と戦術とがない限りにおいては、お認めいただけるものと私は確信いたします。もしこれがお認め願えないとするならば、これはあなた方は、何らかの目標を持って、意識的におやりになっておるとしか、私
どもは解することができぬ、従ってどうか
一つ皆さんも十分その点御検討いただいて、
椎熊委員長が、
委員長としての適格性を欠いておるという点を大胆率直に認められることである、そうして次に適当な人を、やはり
委員長として迎えるような襟度をお持ち下さらぬと、多数党としての権威と価値はないと私は信じます。多数でものを押し切るということが、多数党の仕事ではありません。多数でものを押し切ろうとするからこそ、いろいろ問題が紛糾するのでありまして、私はそういう行為を多数党の
諸君がおやめにならぬ限りは、残念ながら日本の
国会は、常に
混乱に
混乱を続けるものと確信いたしております。
運営委員の
諸君は、きわめて良識的であり、非常に円満な方でありますので、私が今さらそういう点をちょうちょう申し上げなくても、よくおわかりだろうと思います。特に山中君のような青年議員は、非常に良識的で、常に中正な
意見をお出しになる方と私は信じております。(「野党なら一身上の弁明だ」と呼ぶ者あり)どうぞ一身上の弁明をして下さい。従って今私が申し上げましたこと、これは
皆さんみずからも自分の目で見られたことであり、具体的な事業でありますので、それは
一つ皆さんも十分心にとめていただいて、この
椎熊委員長の
不信任動議について同意をせられんことをば、この際特に私はお願いを申し上げて、
趣旨弁明にかえます。これ以上長くやりますと失礼ですから、御無礼いたします。