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井上委員 私は、そういう
前例はありますから、そういう
採決の
方法をやるのは当然であろうと思いますが一御
承知の
通り本件につきましては、
政府与党たる
自民党内部において、
保留条項をつけるとか、あるいはまた継続の条件をつけるとか、いろいろ
議論がございまして、昨日、
自民党内部の
党議決定の際においても、五十八名の
反対者があった。その後いろいろ伝えられるところによると、この
案件に対して、なおかつ納得しない分子があるように伝えられております。これは党としては、一応
党議できまっておりますから、当然のことでございますが、一方また、
国民から選ばれた
議員として、正当な判断に基いて
投票権を行使する。
党議はきまったが、
自分としては
議員としての職分は曲げるわけにいかないという立場から、別な言葉で言えば、党を除名されるようなことに、かりになったにしてもやむを得ない、というような悲壮な
考え方から、あくまで
議員として正出な
権利を行使したいというような人がありはしないかというようにいわれておる。われわれは、そういう仮定的な問題について、今日取り越し苦労的な
議論をする必要はないと思いますし、また、これが
議長の
採決に当りまして、
起立総員、よって
満場一致可決されました、この
宣言が行われることを私
ども双手をあげて期待するわけです。ところが、もし
起立を問いましたときに、
万が一、一、二名なり四、五名なりが
起立しなかった場合、一体これは
満場一致というわけには参りません。
起立多数であります。そういうようなことになりましたときに、一体
議長としては、非常に重大な
責任になってきやせぬか。さような
採決の
方法は、
議長に
責任を負わすこととなり、かつ
国会運営に連帯を持っておる私
どもの
責任にもなる。そういう
情勢が
予想される今日、きわめてこの
案件が重大な課題であるということからも、この際
社会党といたしましては、
記名採決にするという
党議が一応きまっておりますので、この点一応お含みを願います。ただし、
与党側において一名もさような者は出さない、絶対に全員
起立さすという自信が、
責任を持って表明され、また
議長がその点を表明されます場合は、それはまた私
ども党に一応持ち帰りまして、円満なる
運営を期待する私
どもでありますから、あえてとやかく申しません。しかし、今朝来私
ども各方面のいろいろな折衝によって、うかがい知るところによると、なかなか容易ならぬということも察知されますし、
万が一、
起立多数というような
宣言をしたければならぬような
事態が起ることを憂えますので、この際、
採決を明確にするために、
記名投票による
採決をぜひ
一つやっていただきたい、こう
社会党としては望んでおりますから、この点よろしくお願いいたします。