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關谷委員 あまりほかの
委員諸君が長らく時間をとって、私の時間がなくなってしまいましたが、簡単に私申し上げてみたいと思います。
主税局長の
お話を聞いておりますと、何といいますか、何でもかでもこれを取り切らなければならないのだ、どんなに無理をしてでもやらなければならぬのだ、こういうふうな気持がありありと現われております。私もいろいろと指摘をいたしまして、
大蔵省が提出をせられましたこの
資料について御
質問を申し上げたいと思っておったのでありますが、時間の
関係で一、二点だけで省略をしてみたいと思います。
あなた方が提出をせられました
大蔵省の主税局というこの
資料の十二ページでありますが、これをごらんになっていただきたいのであります。これによりますと、未改良
道路と改良舗装済み
道路というので
比較をしてもらいたいと思うのでありますが、これを見ておりますと、維持修繕費、燃料費、油脂費、タイヤ・チューブ費というようなものから、
営業費というようなものの
比較が出ております。一日平均の走行キロが八十キロから百五十キロになる、こういうふうなことが出ておるのであります。これを基礎としていろいろ
計算をせられたためにこういうふうなものが出たのだろうと思いますが、維持修繕費、燃料費、油脂費、タイヤ・チューブというものの費用、これはある場合、十分納得はいたしませんけれ
ども、私たち認めなければならないと思います。しかしながらこの
営業費の点であります。あなた方は、一日の走行キロが八十キロから百五十キロになるのだ、だから
営業費が減ってくるのだ、こういうふうな簡単な
考え方をしておられるようであります。あなた方は実際に実
業界におったことのない人でありますので、こういうことを言っても恥かしくはないのでありますが、私たちが
資料を出すのだったたらば、こんな
資料は出しません。世間の物笑いになります。あなた方いろいろ統計を出されますが、
日本の統計は昔から魔物である、こういうふうにいわれております。あなた方大学で習ったときも、その
通り教えられておるはずであります。あなた方がみんな自分たちの勝手なように
資料を作りますために、
日本の統計は魔物であるというふうにいわれております。またそうであるためとも思われますが、
主税局長が答弁をしておられますその答弁は、前提に必ず私たちの調査によりますと、私たちの
資料によりますと、まことに用心深く言っておられる。まさに私は、みずからこの
数字の魔物であるということを前提として言われておると思うのでありますが、
営業費がなぜ減るかということについてはよくお
考えを願いたいのであります。これはこの
営業費が未改良
道路の場合には十七円五十銭、これが九円三十三銭になるのであります。八円十七銭、これが低くなってくるというのでありますが、未改良
道路はいなかに多いのであります。今の大都会を除いてのいなかでは、需要というものが大体わかっておるのであります。
道路がよくなったから、今まで
自動車に乗らない者が
自動車に乗るというような現象は起きてこないのであります。
道路がよくなれば、むしろ
自動車に乗らないで歩いていってもいいということになる、自転車でいってもいいということになってくるのでありまして、いなかにおきます
自動車の需要がふえてくるということは、現実には
考えられません。
道路がよくなったからといって、いなかの走行キロが延びるのではないのであります。早く行ってきたからといって、今まで一日に十人乗り手があったのが、二十人になるということはない。
自動車が走ることは走れるにしても、それだけの需要がないのであります。決して走行キロが延びて
営業費が安くなるということは
考えられないのであります。大都会の東京その他を中心としたところを
考えますと、今は延び切って走っておるのであります。タクシー
あたりは三百五十キロから走っておるので、たとい
道路がこれ以上直るにいたしましても、大したことにはなりません。これ以上走るということでありましたならば、今でさえ神風といわれるタクシーが今度はどういうふうに、神風よりもう
一つ上は何というのかわかりませんが、もう
一つひどいことになる。そんなことはとてもできるものではないのであります。走行キロが延びるというふうなこと、ことに自家用を含めて統計を出しているようでありますが、自家用
あたりの走行キロが延びることはないと思う。用もないのに、
道路がよくなったから
一つ行ってこようかということは
考えられないのであります。実際にあなた方、事業をやってみたことがない人が出す統計でありますので、この
営業費が安くなるということは、あなた方がこういうふうな魔物の
数字を出して、そうして安くなるということでやっているのでありますが、この統計
一つ見ましても八円十七銭というふうなものが下り得るという
考え方をしておられますが、こういうふうなことは、実際の
営業としては成り立たぬ。これは事業をやったことのないあなた方のような、官庁のただの
自動車ばかり乗ってきておる、
ガソリンもただ、
税金も払ったことのないというような人が
考えることであって、実際には決して
営業費が、それだけのものが安くならない。これだけ
キロ当り八円のものが
計算で全部違ってくるということになりますと、この統計自体全部が空になってくるのであります。間違いだらけの基礎によってできた、こういうふうなものによって
議論すること自体がおかしいということになってくるのでありまして、私はいろいろ
主税局長にお尋ねをしようと思っておったのでありますが、こんな
資料で
委員会をごまかそうといたしましても、そうやすやすとごまかせるものではありません。事業を実際にやってみた場合には、こういうふうなことはばかげた話じゃ、これが役人の
考え方かというふうなことで、これを世間では笑っておる。この笑いものを
資料にしてあなた方がこれを強行する、これが今までの官僚のやり方であります。実にもってのほかといわなければならないのであります。
なおまた先ほどから、
道路を直したならば、その
道路でやがて将来においては受ける
利益が大きくなって、それで
コストも下げることができるようになってくるが、ただいまのところは
運賃の値上げをしなければならぬという事態も起るのだというふうに、
主税局長も認めておられるのでありますが、先に
税金を取って、それで
道路を直して、あとでお前たちよくなるというふうな、これが税の取り方でありましょうか。こんな
税金の取り方はないと思います。お前、先に金を払っておけ、やがてよくなるかもわからぬというのは、これは国家として、為政者としてとるべき策ではないのでありまして、まず政府が
道路を直してやる。そうして恩恵を受けてそこで収益が上ってくる。
コストを下げていい事態になったならば、それを下げる必要がなければ、そのときにそれだけのものを、恩恵を受けることになったから
税金をかけるというのが建前であろうと思います。まず払っておいて、その間は苦しかろう、倒れることも仕方がない、倒れてしまえ、そしてあとよくなるだろうからそれを希望に——希望は持てるかもわかりませんが、希望を持っておる間に、よくなったらそのときには死んでしまうかもわからないということになるのでありまして、私はこういうことは筋が立っておるかもわかりませんが、
考え方自体がよくないと思うのであります。頭がいいのかもわかりませんが、血のけがないということであります。人情味がないということであります。こういうふうな税のかけ方はすべきものではない、こういうふうに私たちは
考えます。これについてでも、あるいは
主税局長は、それはそうじゃないと強弁されるかもわかりませんが、もしそうじゃない、お前の言うことは間違っておるのだというのなら御答弁を願いたいと思います。間違うてないということなら、けっこうであります。