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1956-03-22 第24回国会 参議院 予算委員会第二分科会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年三月二十二日(木曜日)    午前十時五十分開会     —————————————  出席者は左の通り。    主査      吉田 法晴君    副主査     豊田 雅孝君    委員            川村 松助君            佐野  廣君            西郷吉之助君            田中 啓一君            野村吉三郎君            亀田 得治君            佐多 忠隆君   国務大臣    国 務 大 臣 船田  中君   政府委員    防衛政務次官  永山 忠則君    防衛庁長官官房    長       門叶 宗雄君    防衛庁防衛局長 林  一夫君    防衛庁人事局長 加藤 陽三君    防衛庁経理局長 北島 武雄君    防衛庁装備局長 久保 龜夫君   事務局側    常任委員会専門    官       正木 千冬君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和三十一年度一般会計予算内閣  提出衆議院送付) ○昭和三十一年度特別会計予算内閣  提出衆議院送付) ○昭和三十一年度政府関係機関予算  (内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 吉田法晴

    主査吉田法晴君) ただいまより第二分科会を開会いたします。  本日は都合によって大臣出席が困難のようでございます。政務次官、それからその他防衛庁局長は全部そろっております。
  3. 亀田得治

    亀田得治君 海上自衛隊関係についてまず若干聞きたいと思います。  三十一年度の増勢計画が完成した後の勢力ですね。これは九万九千三百八トンということはわかっておりますが、その艦種別トン数ですね、これはどういうふうになるのでしょうか。隻数別についてはすでに資料をもらっています。
  4. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) ちょっと足し舞いたしまして……。昭和三十一年度におきまして増勢を計画いたしております艦船が完成いたしました暁におき豪して、海上自衛隊の有しまするところの海上勢力を申し上げますと、これは大きな分類で申し上げますが、警備艦、これはPFアメリカから供与を受けましたパトロールフリゲート艦を含めまして三十四隻、潜水艦が二隻、掃海艇五十隻、揚陸艇三十五隻、上陸支援艇五十隻、敷設艦二隻、駆潜艇十七隻、特務艦十一隻、その他の小型艦艇及び雑船二百十八隻、合計いたしまして四百十九隻、九万九千九百四十九トンに相なる見込みでございます。
  5. 亀田得治

    亀田得治君 それのトン数別は出ておりませんか、今隻数別説明があったのですが。
  6. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 非常に詳しい分類になろうと存じますが、ただいまの内訳をさらに細分して申し上げますと、PFパトロールフリゲート艦でございますが、合計いたしまして二万五千七百四十トン、一隻当り千四百三十トンに相なるわけでございます。それから上陸支援艇と申しましたが、LSSL、ランディング・シップ・サポート・ラージと申しております。これが合計一万二千五百トンでございまして、一隻当り二百五十トン、それから警備艦甲型、これが合計二万三千トンでございます。一隻当り約千六百トン、それから警備艦乙型が合計いたしまして三千二百トン、これは船によって多少トン数が違いますが、千六十トンまたは千七十トンという型になっております。
  7. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 ちょと、今の警備艦というのは、先の二万五千トンの内訳ですか。
  8. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 警備艦は三十四隻、いや、内訳ではございません。PFというのは米軍から供与を受けました。パトロールフリゲート、これも先ほど警備艦三十四隻の中に入れておりま世ん。PF二万五千トン、そのほかに警備艦甲型、それが二万三千トン、警備艦乙型が三千二百トン、それからDD、これは駆逐艦でございますが、三千二百六十トン、それからDE、同じく駆逐艦ではございますが、デストロィヤ・エスコート、護衛用駆逐艦と申しますか、これが三千二十トン、それからSS、これはサブマリン、潜水艦でございますが、潜水艦が二千六百トン、掃海艇、これが合計四千トン、これも型はあるいは三百十トンのものもあり、あるいは三百三十五トンのもあり、それより小さいのもあるわけでございます。合計いたしまして四千トン。魚雷艇四百九十五トン、それから敷設艦千五百八十トン、駆潜艇潜水艦を駆逐する艇であります。駆潜艇二千六百トン、このほかに「梨」の改装をいたしまして、これがDE先ほど申しました護衛用駆逐艦程度に改装いたしまして、それが千二百五十トン、先ほど申しました魚雷艇四百九十五トンと申しましたのは、七百十五トンの誤まりでございます。御訂正願いたいと思います。大体以上のような内訳でございます。
  9. 亀田得治

    亀田得治君 このフリゲート艦というのはどういうふうに使うのですか、用途、ほかのものは大体名前でわかりますが。
  10. 林一夫

    政府委員林一夫君) フリゲート艦と申しますのは、これは先ほど説明がありましたように、アメリカから供与を受けたものでございまして、アメリカ駆逐艦として使っておった、やはり内航防衛船団護衛の一部として使うわけでございます。型は、製造は十年くらい前に作った古いものでございます。大体船団護衛の一部として使うという程度でございます。
  11. 亀田得治

    亀田得治君 船団護衛というのは、どういう船団を予想しているのですか。
  12. 林一夫

    政府委員林一夫君) いろいろございまして、たとえば内航防衛と申しますのは、わが国沿岸の航路の防衛、たとえば北海道から東京九州から東京、あるいはその各沿岸地帯の船の輸送、その場合に防衛する、あるいはさらに外航防衛と申しますのは、遠くへ船団を組んでそれを防衛して行くというような場合も考えられるわけであります。PF性能が、先に申しましたDDとか、あるいは警備艦甲と比べまして少し速力がおそいものですから、長距離の船団護衛にはいささか使えないと考えております。
  13. 亀田得治

    亀田得治君 それから上陸支援艇というのは、どういう場合に使うのですか。
  14. 林一夫

    政府委員林一夫君) 上陸支援艇と申しますのは、たとえば部隊輸送する場合、たとえば関東方面から北海道輸送する場合、そこに上陸する場合に、その上陸を支援する、あるいは九州方面に船でもって部隊輸送する場合に、その上陸を支援するというように、上陸を支援する船でござい標す。
  15. 亀田得治

    亀田得治君 北海道とか、九州兵隊を送る、そういう場合に上陸を支援する、そういうことを想定されてこういう船があるのですか。
  16. 林一夫

    政府委員林一夫君) もちろんこれは上陸支援艇でございますから、これはもちろん米国から供与を受けておるものであります。アメリカとしては上陸を支援する船として使っておったのであります。現在わが国においての使用方法は、これは港湾警備、たとえば国内重要港湾がたくさんありますが、その警備のために用いる、哨戒という意味で使っております。これはきわめて性能が悪いのですが、あまり高度の力はない。大体現在のところは、港湾警備沿岸哨戒ということに使っております。
  17. 亀田得治

    亀田得治君 その上陸支援という点は、これはお取り消しになるのですか、訂正になるのですか。
  18. 林一夫

    政府委員林一夫君) 私が先ほど申しましたのは、上陸支援艇として米国で作られたのでありますが、やはりいろいろの性能を調べましたところ、むしろ沿岸警備あるいは港湾警備というような、哨戒艇に使った方がさらに効果的であるという労えで、現在のところは、その方面に使うことにいたしております。
  19. 亀田得治

    亀田得治君 しかし、その艦の名前上陸支援艇となっておるのですね。
  20. 林一夫

    政府委員林一夫君) 上陸支援艇というのは、LSSLという名前をそのまま使っておるのでありますが、もちろん防衛庁といたしましては、現在哨戒艇という言葉を使っております。もっぱら哨戒用に使うということにいたしております。
  21. 亀田得治

    亀田得治君 そうすると、先ほどちょっと説明があいまいだったのですが、結局その任務は、港湾警備だということのようですが、最初説明された北海道とか、九州あたり兵隊を送るときに支援する、あの説明訂正されたことになるのでしょうか。
  22. 林一夫

    政府委員林一夫君) 現在のところは、先ほど申しました沿岸警備とか、港湾警備に使うということで訓練をいたしております。部隊上陸させるときに支援するというような訓練はいたしておりません。もともと上陸支援艇として作られたのでありますが、防衛庁といたしましては、現在その性能等考えまして、港湾警備とか、あるいは沿岸警備哨戒というものに使うことにいたしております。
  23. 亀田得治

    亀田得治君 念を押すようですが、最初説明は御訂正になったわけですね。
  24. 林一夫

    政府委員林一夫君) 訂正と申しましょうか、現在のところは哨戒艇警備艇、こういうものに使うということにいたしております。
  25. 亀田得治

    亀田得治君 これは何か写真で私見た記憶があるんですが、海岸上陸する、それを何か大いにバック・アップしてやってるような演習写真を見たように思うのですが、そういう演習はやっておるでしょう。
  26. 林一夫

    政府委員林一夫君) 部隊輸送する訓練もやっております。一度やりました。この場合にはもちろん砥かの船で輸送する船があります。LCMというような小さな船がありまして、そういうものに乗せて輸送をやるというような訓練はいたしております。
  27. 亀田得治

    亀田得治君 そういうのが常識的に考えると、内地間の島の間であるということよりも、やはり海外に出て行って外国に上って行く、それが普通想定されての演習じゃないかと思うのですが、どんなものでしょう。
  28. 林一夫

    政府委員林一夫君) 私の方で練習をいたしておりまするのは各地域、たとえば北海道内地というようなことで訓練はいたしましたのでありまするが、このLSSL上陸支援艇のことについて申し上げますと、これは先ほど申しましたように、性能が非常に悪いもので、風速十五メートル以上の場合には非常に危険を伴うというような、きわめて性能の悪いものです。これをもって遠いところへ輸送して、これを支援するというようなことはもちろん毛頭考えられないことであります。もっぱら港湾とか、あるいは沿岸哨戒警備というものに使うということにいたしておるのであります。また部隊を遠方の距離のところに持って行って上陸させるというようなことは、これは現在考えておらないので、その点をお含みおき願いたいと思います。
  29. 亀田得治

    亀田得治君 しかしまあ演習ですからね。結局外国上陸するにしても、日本海岸を使わなきゃこれは演習にならぬわけです。演習だからといって外国の近所へ行ってやるというのは、そんなことはできないんでね。それともう一つは、なるほどそういう演習に使っておる艦は非常に古くて性能が悪くて、実際上海岸上陸なんかには役立たぬというような御趣旨のようですが、しかしそれは演習ですからね。陸上の演習なら空砲でも撃ったりして間に合うわけですから、だからそういう演習をやっておるということは、場所が内地であろうと、あるいは艦そのものが古いものであろうと、やはり海外に出て行くということが予想されなきゃ私あり得ないと思うしね。一回だけはおやりになったというのですが、その一団はどこでおやりになったのですか、いつ……。
  30. 林一夫

    政府委員林一夫君) これは時は記憶がはっきりしませんが、昨年の暮だったかと思いますが、北海道部隊輸送するときにLCMを使ってみたのであります。もう一つ先ほど海外部隊輸送する訓練ではないかということにおこだわりのようでございますが、内地における輸送ということは非常に大事なことであります。平時の際、万一外から武力攻撃あるいは上陸というような場合に、外国部隊上陸するという場合に、その方面に機動を集中する場合に、いろいろの輸送方法考えられるのです。その輸送方法として海上輸送ということも考えられるのです。そのような訓練も必要だというような考え訓練をいたしておるのであります。
  31. 亀田得治

    亀田得治君 質問事項が非常にたくさんあるのですが、途中で非常に重要な間逆にぶつかったものですから、いかがかと思うのですが、外国軍隊日本の領土のどこかにおる、そういう場合には、国内間における問題でも上陸のための訓練等が平生から必要だというふうなお答えですが、一体今の防衛庁は、外国軍隊によって日本の国土がたとえ一時的にでも占領されると、そういう想定をもっていろいろおやりになっておるのかということ、この点は私、防衛庁長官一つ委員長の方から呼んでもらいたいと思う、重大な問題ですから……。で、こういう点はどうも小手先の技術的な答弁だけでは私満足できないのですが、どうですか、委員長
  32. 吉田法晴

    主査吉田法晴君) 政府委員の方に、今のような希碓がございますので、代理で政治次官が来ておられるわけですが、御答弁が願えればよい、願えなければ、長官の御出席を願うように一つ取り計らうようにいたします。
  33. 林一夫

    政府委員林一夫君) その前にちょっと私から……。私が申し上げた点についてさらに詳しく申し上げますが、やはり自衛隊は直接侵略に対処するということが一つの目的でございまして、やはり外国軍隊攻撃ということは、外国軍隊上陸するということもあり得るということも考えておるわけです。まあいずれの場合にいたしましても、各地に部隊が存在しておるのでありまして、これをある方面に集中するという必要性考えられるのです。まあそのような国内輸送というようなことを考慮しまして海上輸送のことも考えております。そのような場合に、上陸という意味が、輸送してそこに上陸させるという意味で申し上げたのであります。何と申しますか、国内輸送の一方法として、そういう点を考えておるわけでございます。
  34. 亀田得治

    亀田得治君 これはやはり非常に重大だと思うのです。私はたとえ現在の自衛隊がありましても、日本外交方針というものは、あくまでも平和外交、これはもう大きな確固たる方針でなければならぬのです。これは憲法の建前からいっても……。ところが、ただいまの説明を聞いておりますと、日本の国が占領される、そういう事態も予想して自衛隊演習等をおやりになっておると、どうもこれが本音のようだし、このことが自衛隊の中では常識になっておるんじゃないかと思うのですが、そうなりますと、私はそのような行動はこれは憲法改正をしなければできないと思うのです、絶対に……。それで先だって外国に対する反撃の限度、こういうことについて予算委員会等鳩山総理見解等を私ども聞いた。これはもう非常に限られた特殊な場合を一応総理大臣としては例に出しておるのですね。ところが、ただいまの御説明によりますと、これは全く普通の戦争状態と少しも変らないことを予想しておる。で、これは私は憲法改正をしなければそういうことはできない。明らかにこれはそう言えますよ。で、そうすれば、結局憲法改正を待たないでかくのごとき自衛隊の整備に取りかかっておるということは私は大きな問題だと思うのです。だからそういう意味で、こういう御説明がある以上は、私これは一つ長官にもう一度出てもらってその辺の質疑をいたしたいと思うのです。
  35. 吉田法晴

    主査吉田法晴君) 亀田君に申し上げますが、現在アメリカ軍ウエイランド大将ですかに会っておられて昼過ぎに御出席になるということであります。
  36. 亀田得治

    亀田得治君 私、はなはだ失礼ですが、時間の都合で昼過ぎでは困るのですけれども、これはどうですか。この分科会を今おやりになっておるわけでありますが、こまかい自衛隊の内容について聞かなければならぬのですが、何か自衛隊そのものが、もう憲法なんかおかまいなしにいろいろなことをやっておるような印象を私さっきから非常に受けておる。少しも変らぬですよ。これはただ日本自衛隊の力の状態が弱いから、それは一応受身の立場だけを予想しておるだけで、これが少し強くなれば、ただ戦闘の線というものはもっと向うへ行くだけなのだ。そうすれば、ちっとも戦前の状態と変らないし、その辺をどういうふうにお考えになっておるのか、今のような憲法のもとにおいて、先ほど説明になったようなことを想定して自衛隊の運営をやっていいのかどうか、大へんな問題だと思う。政務次官はどういうふうにお考えですか。
  37. 永山忠則

    政府委員永山忠則君) 重大でございますので、大臣からこれは答弁してもらうようにいたしたいと思います。
  38. 亀田得治

    亀田得治君 こういう重大なことを実際明確にしないで国の予算をお使いになるというのははなはだ私心外です。で、これは保留しておきましょう。保留しておいて先の方を少し聞くことにします。  で、この貸与期間、例のアメリカから供与フリゲート艦貸与期間が五年でしたか、きまっておりますね。その期間が来た場合には、これはアメリカに返すのですか、あるいはまた継続して契約をし直す、こういうことになるのでしょうか。
  39. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 特別の意思表示がない限り継続できるようになっております。
  40. 亀田得治

    亀田得治君 特別の意思表示というのは、アメリカから返してくれという意思表示を言うのですか。
  41. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) ただいまの私の申し上げ方が正確でなかったので、改めて申し上げます。フリゲートに関する貸借協定の第一条に、「この船舶貸借は、各船舶について、船舶借受者へのその引渡しの日から五年の期間及び、日本国政府の要請がある場合には、相互の合意によって定める五年をこえない追加の期間、その効力を有する。」と、これが正しい条文でございます。
  42. 亀田得治

    亀田得治君 そうすると、やはり日本の要求によって、そうして相手方が承諾しなければならぬわけですね。
  43. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) さようでございます。
  44. 亀田得治

    亀田得治君 それから三十五年度の目標としては海上自衛隊十二万五千トン、こうなっておりまして、現在との開きが約三万五、六千トンくらいありますが、その場合にも三万五、六千トンが新しく現在のやつに加わると、こういうふうになるのか、あるいは現在のものでも相当更新されて、従って実際に加わるのは五万トンとか、六万トンとか、もっと多いものなのか、その辺はどういうことになるでしょう。
  45. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 三十一年度末の予算が完成したときの九万九千トンと申しますのは、ただいまお話しのPFもしくは艦艇貸与協定によりますものをそのまま引き続いて借り受けることを予想いたしましての、そういうものを含めましての数字でございます。
  46. 亀田得治

    亀田得治君 そうすると、現在持っておるものはそのままずっと三十五年まで持って行く、そこヘプラス三万五、六千トンが新しく加わってくる、そういうことですか。現在のものはもう三十五年まではどれも更新されない、更新というか、廃艦なりにして保有の中からもう抜いてしまうということ、そういうことは全然ないのですか。
  47. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) ただいま私の申し上げたのは、一応先ほどの九万九千トンについて申し上げただけでございまして、三十五年度に至って廃艦あるいは取りかえ、今までの船齢等を見ますと、大体ないものと思いますが、ごく小さいもの、あるいは引き船等について、国有財産から引き受けたもの等については絶無とは言えぬと思いますが、大体の姿といたしましては、大きなものについて取りかえをするような船齢のものは大体ないものと存じております。
  48. 亀田得治

    亀田得治君 現在保有されておる艦艇も非常に性能としては古いものだというふうにわれわれは聞いておる。従って五年間もそのまま行くのだということになると、これはもう非常に世界全体の水準からいったら、ますます占いものになるわけでありますね。そういうことになると、これはほとんど使いものにならぬのじゃないか、大部分が……。これはまあしろうと考えにそう想像できるのですが、その辺はどういうふうに見込んでおられるのですか。
  49. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 米軍から給与あるいは貸与を受けておりますものの中で一番古いものは、先ほども話しが出ましたPFだと思いますが、これは当時十年強というふうに承わっておるのです。まあ三十五年というところで申しますと、通常艦艇の寿命は二十年、二十五年、場合によっては、使い方によってはもっと使っている場合もありますが、私ども三十五年までに、これは貸与が将来受けられるかどうか問題がありますが、一応継続して受けられると想定いたしております。これを特に使いものにならなくて、返さなければならない程度のものと、四、五年後の時期において……。そういうものは今のところ考えておりません。
  50. 亀田得治

    亀田得治君 まあ使いものにならぬことはないという御説明のようですが、これは軍備ですから、相対的のものですね、どういうところを対象にして使いものにならぬことはないというふうにおっしゃるのか、その辺もうちょっと詳細に説明してほしい。
  51. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) それは船の安全度あるいは速力点等もちろん性能はかなり低いものでございますが、現在持っておりまする性能を著しく低下することはない、そうして同時に安全について心配はない、こういう程度考えられますので、現在程度使い方についてはその年次においては一応支障はないのではないか、かように考えております。
  52. 亀田得治

    亀田得治君 私のお聞きしましたのは、そういう意味じゃなしに、日本以外の国ですね、それとの比較において大体これでも間に合うのじゃないか、そういうことだろうと思うのです。だからそこでお聞きしておるのは、日本以外の国をやはり予想されておるわけでしょう、それに比較してこっちのやつも古いがあっちのやつも大したことはないから、まあまあこれでもいいのだということなんでしょうから、その日本以外のどこの国を一体対象にとって大丈夫だというふうにお考えになっているかと聞いているのです。
  53. 林一夫

    政府委員林一夫君) ただいま装備局長から説明がありましたように、別によその国の艦艇に比べてどうのこうのということではなくて、現在持っておる性能は数年後においてももちろん維持できるという考えである、数年後においてこれが全然使いものにならぬというのではなくて、現在持っておる性能はそのときにおいても維持できるというふうに説明しました。よその国の装備と比べてどうのこうのというようなことで申し上げたのではございません。
  54. 亀田得治

    亀田得治君 これはしかしちょっとおかしいじゃないですかね、そういう言い方をすれば、二十年前の船だってやはりこれは走るということだけは走るのですからね、ただ物理的に使用できるとかできないとかそういうことを聞いておるのではなくて、あくまでも警備防衛という以上、これは対象があると思うのです。それとあなた自身先ほど相当何かを予想されておるようなことをおっしゃったので、そこで私は当然なことだと思って聞いたわけですが、そうなりませんか。
  55. 林一夫

    政府委員林一夫君) ただいま申し上げましたように、別にそういうおっしゃるようなことを予想しましてこの艦艇がどうのこうのというのではないのであります。現在相当の性能は持っておる、この性能を維持することができるということを申し上げたのであります。物理的にただ動くだけではないのでありまして、もちろん現在性能を持っている、それを維持できる、そういうことを申し上げたのであります。
  56. 亀田得治

    亀田得治君 しかし、それじゃこういう自衛隊は、ともかく間接侵略、直接侵略両方に備える、そうなれば当然これは準備する方はどういうようなものが来るかということを予想するのは当然じゃないですか、そういうことをちっとも考えないで、ただともかく動くものを相当程度そろえておく、そういうおつもりでおやりになっているのでしょうか、これははつきり聞きますが。
  57. 林一夫

    政府委員林一夫君) 別に外国特定国がどうのこうのというようなことは予想していないのであります。ただ直接侵略間接侵略があった場合には、これに対して措置をするというようなことで考えておるのです。たとえばある国からこういう力のものが、来るからこういうふうにするとか、この国からは、こういう力のものが予想されるからこうするというようなことは考えていないのでございます。私の方で考えておりますのは、外国からの武力攻撃があった場合においては、これはもちろん受け身の、自衛権は受け身でありますから——外国から武力攻撃があった場合においては、これに対処できるというような点も考えております。
  58. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 今のそれに関連してですが、よく武力攻撃があった場合にはとか、あるいは直接侵略があった場合には、それに対応するものとしてそういう自衛の態勢を固めるんだというお話ですが、そういう武力攻撃あるいは直接侵略というようなものがどういう戦略的な、あるいは戦術的な態様で来るということを想定し、それに対応してどういうふうな防衛の仕方をし、特に海上自衛隊防衛方式としてはどういうふうしに、そういう面から今追及されておる艦種別その他がどういうふうな配備がなされるというふうに考えておられるのか。その辺をもう少し具体的に一ただ一般的に侵略があったときとか、武力攻撃があったときとかいうのでなしに、特に専門家の皆さん方にお聞きしておるのはその点です。そこをもう少し具体的に御説明を願いたい。
  59. 林一夫

    政府委員林一夫君) 陸の方につきましては先ほど申し上げましたように外国部隊上陸、あるいは国内における治安の維持というようなこと、こういう点を考えておる。海の方につきましては、警備艦というのは先ほどからありましたが、駆逐艦の方はこれは現在のところは船団護衛訓練に使っておる、船団護衛するときにばこういう駆逐艦が必要であり、船団護衛という点を考えておる。その他LSSL先ほども申し上げましたように潜水艦の侵入あるいは敵航空機の攻撃、その他そういう点を哨戒警備をする、港湾攻撃警備する警備艦哨戒艇掃海艇は御承知のように万一事がある場合においては相当の機雷が流される、あるいは機雷が設置されるというようなおそれがある、これを掃海して航路の安全をはかるというような点を考えまして、掃海艇を作っておる。こういうようなものは相対的に機能を発揮しましてわが国沿岸警備できるという考えで計画しておる。
  60. 亀田得治

    亀田得治君 ちょっと質問を中止いたしておきますが、ほかの方にお願いいたします。
  61. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 海上自衛隊に保有機が昭和三十一年度末には百二十七機になると説明には書いてあるわけでありますが、一方航空自衛隊の保有機は三十一年度末五百八十二機になっておるというのでありますが、この両者の関係はどういうふうになっておるのでありましょうか、まずその点を伺います。
  62. 林一夫

    政府委員林一夫君) お尋ねの点は海上自衛隊の航空機と航空自衛隊の航空機の任務の違いということでありますか。
  63. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 任務の違い並びに相互の連絡調整、そういうことです。
  64. 林一夫

    政府委員林一夫君) 海上自衛隊の方の航空機は現在のところは練習機が主でありますが、主として対潜哨戒機と申しまして、潜水艦攻撃があった場合に、その潜水艦を発見してこれを攻撃するという、主として潜水艦に対する対抗機であります。航空自衛隊の方ば戦闘機が主力となります。外国から航空機の攻撃があった場合において、これを阻止する、これを撃墜するというような任務を持っております。主として海のかは対港機であります。空の方は外国からの侵入機に対してこれを防ぐというような任務を持っております。でありまするから、相互の関係は大体はっきり任務ば区別されるのであります。これを総合的に運営するということになるのであります。
  65. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 御承知のように戦前は海軍でも空軍を持ち、陸軍でもまた空車を持ち、これが相互に競争をし、競合し、それがために非常なロスが出てきて、何とかこれを空軍として一元化しなければいかぬということですったもんだの末、敗戦直前にようやく一元化せられんとしてその実を十分にあげ得なかった。こういう逝去において苦い経験があるわけですね。で自衛隊としては圏全体の予算の中から血の出るような予算をしぼり出して空軍を整備しておるわけですが、過去の経験、実績等から見まするというと、これはやはり一元化した方が能率が上るんじゃないか。どうしてこういうふうに三つに分けなければならぬか。先ほど説明によりましてそれぞれ任務が違うというのでありますが、大いに効率を上げるのには航空自衛隊に一元化して、そうして適当にこれを海上自衛隊の対潜関係などにも活用するということで十分いけるんじゃないかというふうに考えられるのですが、その点をお伺いいたします。
  66. 林一夫

    政府委員林一夫君) 今おっしゃるように、昔の陸軍と海軍の航空機がほとんど同じような機種を使って混乱しておったというような点も考慮いたしまして、現在におきましては海上自衛隊各実用機はその任務に応じまして各自衛隊に所属いたしておるのであります。申しますれば海上自衛隊の航空機は海上作戦、具体的に申しますと潜水艦を発見し、これを攻撃する、陸上自衛隊の航空機はもっぱら連絡供祭機に限られている。自衛隊の航空機ば戦闘機、輸送機、外国から航空機の攻撃があった場合にこれを撃墜する、そして国土を防衛する、こういう任務を持っている。そのような航空機を配属している。しかもそれらの航空機の操縦士を訓練する場合も統一して訓練をしている。海の方の航空機の操縦士も峯の方の航空機の操縦士も統一して基礎訓練をいたしておる。その他補給整備の面においてもなるべくこれを統一してやるという方針のもとにいたしておる。ただ航空機そのものは特殊の任務を持っているものでありますからして、対潜哨戒機は海上自衛隊、戦闘機、輸送機は航空自衛隊に所属させるということになるのであります。これらの操縦士の訓練とか整備補給につきましては統一してこれを訓練し、あるいは統一組織で補給するというような考えでやっているわけです。
  67. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 最少の経費で最大の効果を上げなければならぬということについては、いろいろ今御説明もありますけれども、一元化してそうして総合的にやった方がいいのじゃないか。これはだんだん今後経費をこの方面に単入していくということになればなるほど、だんだん両方対立的になり、その結果また過去の苦い経験のようなことになるおそれが多分にあるのではないかというふうに考えるのでありまして、むしろ今のような初期の時代に、しかも経費も大して導入しようにもできない間においてすらこういう二元的な行き方がすでに現われているというところに非常に問題があるのじゃないかというわけなのでありまして、これこれ以上質問しましてもいやそういうふうに思う。これからどうこうというふうにはっきりここでも言い切れないでありましょうから、十分にこの点を一つ研究せられて、敗戦の苦い経験をせめて生かしていくようなふうに十分に御研究になることを希望いたしておきます。  それから次の問題はさっきも出ておりました掃海艇関係のことでありますが、最近の新聞によりますというと、日本海に魚雷がまただいぶ出ている。瀬戸内海にまで現われているということなんでありますが、自衛隊としての掃海業務ばどういうふうになっているのか。それからまた今質問をせんとしておりまする日本海の魚雷、ことに瀬戸内海まで魚雷の危険がある。これが今なお一掃せられておらぬということについては、非常に困ったことであり、と同時にまたどうしてうまくいかぬのかという疑念を持つのでありますが、その点についてのなにを伺いたいと思います。
  68. 林一夫

    政府委員林一夫君) お話のその機雷につきましては、日本方面には相当に浮遊機雷が流れてきているのであります。大体年間を通じて三十個くらい発見し、これを処置いたしておるのであります。特に十二月、一月、二月、この冬の期間は海流の関係で特に日本海、津軽海峡の方面にいくのであります。これに対しては海上保安庁とよく連絡をとりまして、発見次第処置をいたしておるので、瀬戸内海のお話もありましたが、これはまだ現在瀬戸内海方面に浮遊機雷が流れてきているということはないのでありまして、ただこれは戦時中の爆発性の危険物がまだあるというような危険性を考えまして、毎年計画を立てて掃海はいたしておるのであります。だんだん危険区域は少くなっている実情でございまして、この危険区域は大いに力を入れて少くしょうということを努力いたしております。
  69. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 瀬戸内海の機雷すらまだ危険があるというようなことで、私は、非常に前途いろいろなことを今後施設としてやられ、また整備拡充強化せられるのでしょうけれども、この瀬戸内海の機雷すらまだ一掃せられておらぬということでは、莫大なる経費を使うというのも、果して将来それにふさわしいだけの効果があげられるのかどうかという全体的な不安を持つので、その点について、こういうふうに努力もしておるのだが、こういう点でうまくいかぬというようなもっと具体的なことをお話し願えないかと思うのであります。日本関係の方は、これはまあいろいろ新規に出てくる問題もあるのでしょうけれども、瀬戸内海の方はもう古い問題なんですから、その点についてどれだけの努力をし、しこうしてしかもこういう状態になっているのだというようなことを、もっと具体的に一つ説明してもらいたいと思います。
  70. 林一夫

    政府委員林一夫君) 掃海については、大いに力を入れておるのでありまして、その意味におきまして、掃海艇は非常にふやしてきておるのであります。瀬戸内海方面の掃海につきましても、毎年区域をきめまして、本年度はあの区域、本年度はこの区域というわけで、毎年区域をきめて計画的に掃海はいたしておるのであります。けれども、一応危険区域と考えられる区域が広いのでありまして、まだその全部を掃海するというところまでには至っていないのでありますが、相当なところまで掃海はもうできつつあると、こういうふうに考えております。困難な点と申しましても、いろいろ原因はあるのでありまするが、まあ掃海艇が、まだ全区域を急速にやるということについては、掃海艇が少い、あるいは人員の点、いろいろ原因があると思うのであります。少くとも今までに掃海艇を比較的たくさんふやし、また掃海ということに非常に力を入れて、伍年掃海にできるだけの力を入れておるということは申し上げられるのでありますが、毎年計画的に相当の地域を掃海はいたしておることは、これははっきりしておる点であると思います。
  71. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 瀬戸内海関係だけについて言いますというと、今の掃海の程度はどの程度まで進んでおるのか、また逆に言いますというと、危険度というものがどれくらいまだ残っておるというふうに見たらいいのか。そうしてその危険が現われるということは、どういう場合に危険が現われるのか。そういう点について承わりたいと思います。
  72. 林一夫

    政府委員林一夫君) 瀬戸内海の危険の程度でございますが、まあこの危険区域というものの想定の範囲がまちまちであります。なるべく危険区域というものを広く判断いたしまして、なるべく広く掃海しようという計画のもとにやっておるのであります。全般的に見て、まだ危険区域に対して五割までは至っていないと思いますが、相当今後掃海をすべきいわゆる危険区域といわれるものが残っておるのであります。現在のところ三〇%程度いっておるのではないかと、こういうふうに考えておりますが、まあはっきり記憶いたしておりませんから、的確なところは申し上げられませんが、一応危険区域に対してまあ三〇%ぐらいは掃海はできておるのじゃないかと、こういうふうに思います。もちろん、その危険度のことにつきましてのことですが、瀬戸内海で船舶が航行する主要航路につきましては、もちろんこれはほとんど全部掃海をいたしておるのであります。主要航路を優先的に考えまして、その方面から掃海をいたしておりまするから、大体主要航路については危険度は薄いのではないかと、こういうふうに考えられます。
  73. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 お話聞いてみると、私が想像しておったよりかも非常に危険な感じを受けるのでありますが、というのは、三〇%の掃海が大体済んでいる。そうすると七〇%未掃海の地域があるということになるんですか。
  74. 門叶宗雄

    政府委員(門叶宗雄君) ただいま防衛局長から御説明申し上げたのを若干補足さしていただきたいと思いますが、瀬戸内海の浮遊機雷は、御承知の通り終戦直前米軍によってまかれたものでありまして、終戦後すでに十年を経過いたしておりますので、今日おきましてはさしたる危険性はないと考えておりますが、昨年でしたか、一昨年でしたか、下関の沖で、もうすでに危険がないと思っておりました浮遊機雷が爆発した例もございまして、まだ全然この作業を中止するという段階には至っておりません。呉を中心といたしまして、瀬戸内海の掃海に依然全力を傾倒している次第であります。主要航路につきましては、ただいま防衛局長からお話がありました通り、大体掃海を完了いたしまして、その範囲をさらに拡張すべく、目下努力を続けている次第であります。ただ全然危険がないという状況に立ち至りますまでには、なお相当の年月を要するのではないかと、海幕関係の、この方面を担当している自衛隊は、昼夜をわかず懸命なる努力を続けている次第であります。御了承お願いいたします。
  75. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 主要航路については、まあ危険はないという説明なんでありますが、しかし主要航路でも、どういう場合においてはそういう危険がまず想定せられるというような、見当がついておられるでしょうか。その辺を一つ伺いたい。
  76. 門叶宗雄

    政府委員(門叶宗雄君) 先ほどもちょっと申し上げました通り、内海におきましては、まずほとんど危険がないとお考え願って差しつかえないのじゃないかと思っております。それは先ほど申し上げました通り、もうすでにまかれてから十余年経過をいたしております。従って大体触れても危険はないと思うのでありまするが、中に若干例外が出て参っている次第でありまして、まだとても目が離せない。しかし大体においてもう危くないのじゃなかろうかとは考えております。
  77. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 瀬戸内海のああいう内海で、それほど広いところでもないし、手を尽せば尽し得るところで、安全が絶対安全だというところにまでいかぬというのは、費用の関係なんでしょうか、あるいはその他の、どういうところに難点があるのでしょうか。
  78. 門叶宗雄

    政府委員(門叶宗雄君) これまた防衛局長から先ほど説明申し上げました通り、人員の関係、あるいはこれに対する掃海艇その他船の関係でありますが、相当やはりしんぼう強く、瀬戸内海狭いと申しましても、絶対に危険のないところまで掃海をするには、相当長年月をかけて、しんぼう強くやって行かなくちゃいかんのじゃないかと考えている次第であります。
  79. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 しんぼう強くやると言われるのでありまするけれども、今までにかれこれ十年もかかっているし、それから先ほど説明だと、未掃海区域が七〇%だというのですから、これはまあ少し大ぎょうに言えば、ほとんどやっておらんのじゃないか、しっかりやったところが三〇%だ、こういうふうにまあ聞えるのですね。それで方この繰り越し費は、御承知のように年々歳々莫大なる金額に上っているのです。繰り越し費をそういう方面に使うか使わぬか、これまた技術的な面もあるでしょうけれども、やろうと思えばやれるんですけれども、それに関連いたしまして、繰り越し費は三十年慶どれくらいのお見込みになるお見込みでし、井、か。
  80. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) まだ年度末まで若干ございますし、さらにまた四月の出納整理期間がございますので、的確なことはちょと申し上げかねると思うのであります。ただいまいろいろ試算いたしまして推測いたしますと、約二百億見当、こういうふうに考えております。御案内の通りに、昭和二十七年度におきましては、繰り越しが二百九十億、二十八年度が二百五十七億、二十九年度が二百三十五億というふうな金額でございまして、年々減少はいたしておるわけであります。三十年度はさらに二十九年度よりも今言った程度の減少になっているのではなかろうか、こういうふうに湾えております。
  81. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 これは、今の繰り越し費は、掃海方面などには何らかの方法で、使うようなことはできないのですか。
  82. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 予算総則におきまして、繰り越し明許費は一応限定されておりまして、御承知の通りに器材費、施設費、それと艦船受取外国旅費、さらにもう一つは運搬費でございまして、ただいまお話ありました掃海関係の費用で繰り越し得るというものはほとんどないのではないかと思うのであります。もちろん人件費の繰り越しは認められていませんし、また繰り越しにつきましては、一応大体におきまして契約済みということになっております。契約につきましては、それぞれ次の年度におきまして、当然また支出が予想されるのでございます。それから契約未済のものといえども一応の予定はありますが、あるいは仕様書その他の関係で、あるいはまた用地収得が困難のためになかなか実行に至らないのでありまして、これを他の目的に向けるということはちょっと困難であります。
  83. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 それに関連して、第一管区の装備の状況調べというのを前にぼくはもらったことがありますが、それによりますと、装備が六〇%、あるいは七〇%ぐらいしかやっておらぬものが相当あるのですね。これは一面において繰り越し費の方は今のように相当莫大なものが、物件費だけについても昭和三十年度は繰り越し額四十六億九千五百万円、支出未済願は二百六十四億円にも上っておるという状態なんですね。そして第一管区の例を一つとってみても、装備がその目標にまで達しておらぬものが相当ある。一〇〇%にいっているものというのはむしろ少いので、八〇%はいいとしても、六、七〇%のものが相当あるというところはどういう関係からそうなるのか、われわれ了解ができぬのですけれども、その点はどうなんでしょうか。
  84. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 御説明申し上げますと、一応編成装備表というのがございますが、これは防衛庁といたしまして、終局的には保有すべき定数でございますが、ただ前年と申しますか、これはどの程度を充足するかにつきましては、別に保有基準というのがございます。その保有基準につきましては、編成装備表に定めましたもののあるいは六〇%のものもあり、あるいは七〇%、八〇%、さらに九〇%、一〇〇%というのもございますが、ただいまお話の第一管区の保有率が六〇%ないし七、八〇、こう申しますのは、おそらく編成装備に掲げましたところの、防衛庁において終局的に保有すべき基準に対しての率でございまして、現実に保有基準、この程度現況においては保有すべきものと定めました保有基準につきましては、これはほとんど充足されておるのでございます。
  85. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 それにしても、とにかくちゃんと出される資料に、目標に対して六〇%や七〇%ということがはっきり図解にまで出ているというのは、一方莫大なる繰り越し費がありながら、非常に奇異なる感じを与えるのです。一例ですが、掃海関係についても今のような大きな問題がある。そして一千数百億の金をもっと効率的に使おうと思えば、これは演習の効果をあげつつ、しかも実効はどんどんあげられるのですね。そういう点については、災害の場合などにも出動もやられておる面もありますけれども、しかし今の掃海関係なんかはもっと徹底的にやられる。それから今の装備の方も、とにかく図解にまで六〇何%あるということを平然と出しておられるような繰り越し費が一方残って問題になっているということは、これは私は自衛隊のために非常に悲しむのですね。今後一つ十分に御研究と御努力を願いたいと思うのです。  それからもう一つは、最近工場監督官のようなものを出されようというあれがあるように聞くのですが、この説明書には戦闘機百十機の継続国産計画というものが出ておりますが、そういうことに関連して工場監督賞を出される経費というものは、この説明書のどこに出てきているのか、そういうような点を一つ
  86. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 御承知の通りF86、T33につきましては、現在国産化を計画いたしております。着々進行中でございますが、それに伴いまして、いわば昔の工場監督係に相当するものを新三菱及び川崎航空機に出すわけであります。これは監督官はきわめて僅かな人数でありまして、全体の御審議願っておりますそれぞれのと申しますよりも、具体的なF86、T33につきましては、航空自衛隊の定員二万四千四百三十四人の自衛官が昭和三十一年度は見てございますが、この中から派遣されるわけでございます。
  87. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 それで実際の任務のほんとうのねらい所ですね、端的に言うとどういうことをやろうといっているのか、それを二つ。
  88. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 航空機の関係で、T33とF86の関係で、三菱と新三菱および川崎のそれぞれ名古屋及び岐阜の製作所に、若干名ずつ監督官ということで、昨年訓令を作りまして、出しております。これはどういう任務かと申しますと、御承知かとも存じますが、現在の防衛庁の仕事の建前は、国産化に関する契約をいたします担当責任者は調達実施本部でございます。調達実施本部が契約をいたしまして、ただしその契約を実施するにつきまして、検査をする、中間検査をする。製作の工程について、これは米軍と一々相談しながら検査をする。監督と申しますか、それででき上りますと領収検査をする。これに調達実施本部の人間が立ち合いまして最後の領収をするという、こういうことになるわけであります。そこで工場監督官と申しますのは、いわば調達実施本部とそれから幕僚監部から指し向けております検査監督、これは技術的面の混成団のような形でございまして、一応、長は航空幕僚監部から出しまして、生産自体のスケヂユールの監督あるいは品質の検査等をいたしまして、これを並行いたしまして、これは概算契約になっておりますから、調達実施本部の方からは原価計算を中心とするやはり監督官がおりまして、これを一堂におきまして全体の統制をいたしまして、これがそれぞれの仕事において、調達実施本部長もしくは契約担当官、あるいは若干規格の変更等をいたします場合は、やはりそれの出て参ります場所は航空幕僚監部であります。そういった仕事にっいては航空幕僚長の指揮を受けるといったように、製作監督と契約事務の遂行と、こういった両方の面をそれぞれの立場で渾然一体として仕事をさせておる、かようなことになっておる。
  89. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 秘密保持のために、特に工場監督官を出すというようなことはないのですか。
  90. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) もちろん秘密の保持に関しましては、防衛秘密保護法、あれによりまして米側から受けたもののうち秘密のあるものについては当然それぞれの処置をとらなければならないわけですが、それについては業者との契約面上に、これに従って秘密保持の措置を会社としてはとらなければならぬという一条が入っておりまして、これによりまして工場監督官には一応機密保持についても第一次的な責任を負わせまして、契約上会社としてはそれによって秘密保持の処置をする、かような仕組みにいたしております。
  91. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 それでその秘密保持の具体的な措置というのはどういうことを今までやり、また今後やられようとしておりますか。
  92. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 率直に申し上げますと、今度のF86、T33につきましては、今のところ公式に秘密区分に属するようなものはありません。しかしもちろん将来について、ことに装備品、通信関係等については若干予想されるものもございますが、これらにつきましては、具体的にこういったもの、あるいはこういったもののこういう図面、こういうふうに具体的にこれは長官が指定することになっておりまして、指定されました当該物件等につきましては、それぞれ表示をいたしまして、監督官が責任をもって会社に手渡す。会社に対して責任者がこれをリリースする。そしてこれの扱い方については、場所あるいは担当範囲を明確にいたしまして、秘密の保持の万全を期すると、こういうふうなことにいたしております。
  93. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 これから工場監督賞というのはだんだんふえていくお見込みでしょうか。大体どれくらいになっていくお見込みでございますか。
  94. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 航空機の関係につきましては、大体先ほど申し上げました幕僚監部の関係と調速実施本部の関係とを合わせまして、各社それぞれ十五、六名ずつ程度かと存じます。
  95. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 今の工場監督官派遣制度に関連して伺いたいと思うのでありますが、防衛庁としては、兵器産業に対して今後どういう根本的な対策を立てようとしておるのかということは、特需もだんだん減少してくる、まあそういう点から、今、日本の兵器産業というものは非常な危機に立っておることは御承知の通りですが、これを維持育成していくのにはどういう方法をとったらいいのかどうか。そしてまたそれについては、兵器産業を買い上げるという案も一部にあるようなことも聞くのですが、果して買い上げてそれを維持できるかどうか。輸出の見通しでも立たぬというと、なかなか維持も困難じゃないかというような点が考えられると思うのですが、これはまあ通産省の関係もありましょうけれども、防衛庁自身この最も関係の深い立場にあるわけでありますので、この防衛庁を中心にしての兵器産業の今後の基本的対策というものをどういうふうに見ておられるのか。まだ確定はしておらぬかもしれませんけれども、こういうふうに自分らとしては考えておるというような点を端的に伺いたいと思います。
  96. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 防衛生産、防衛産業のあり方ということでございますが、私ども防衛庁といたしまして、今日考えておりますことは、やはり一番大切なことは防衛六カ年計画、防衛の将来の規模並びにこの五年間非常にむずかしい時期における六カ年計画、この中に防衛力の増強の裏づけとしての防衛生産をどう持っていくかということでございます。これは何と申しましても、防衛六カ年計画の規模ないしは六カ年計画の過程というものがはっきり出まして、それに対して一体どういうものがどれくらいどういう時期に需要が起ってくるということをまず的確に確立しなければならないのじゃないか。私どもとしては、もちろん頭の中でいろいろ試案と申しますか、あの数字この数字ということはいろいろ考えておりまするが、やはりこれがきまらないと、私どもとしてどうしても確実な基礎の上に立っての構想が描けないということでございますが、しかし考え方といたしましては、私どもとしても、これは経済といいますか、一般経済というものを無視して考えることは当然ございませんで、たとえば適正な系列をきめまして、これは需要の数量にもよりますが、二重投資を防止するということも考えなければなりません。これにはやはり数字の見通しもなければならないわけでありますが、できるだけ経済的な基礎の上に立ってと申しますか、採算規模ということも考えながらの防衛生産でなければならぬということに原則として考えていきたい。ただしかし、やはり防衛生産の特殊性からいいまして、非常にフラクチュエーションといいますか、需要の変動の多い、弾薬等は特に著しいものでございますが、武器にいたしましても、一般の産業と同様にはいかぬ面もある。それから航空機等につきましては、もちろんそういった変動もございますし、二面非常に多くの資本を要するといったような特殊性がまたございます。こういったことを合せて考えまして、適正な規模における系列を湾えると同時に、一つにはやはり国としてどうするか。国有と申しますか、国の要素はやはり強く入れていかなければならぬ。実は現に航空機の場合はジグ等はこれはアメリカから供与を受けた関係もございますが、ほとんど全部防衛庁貸与いたしております。機械までには、至っておりませんが、そういったような考え方をいろいろ組み合せまして、民有民営を一つの基調に置きつつ、特に試作等につきましては、やはりものによっては国有国営ということも将来ごく一部には港えなければならぬ。またものによっては国有民営、機械、設備等を貸与するというものも考えなければならぬ。その中でただいま特需等の関係で非常に問題になっておりまする銃砲弾関係につきましては、防衛庁側から見まして、どうしてもこれはいわば米の飯でございますが、そういったたまたま特需という需要でできた設備は何とか維持していきたい。同時にまたこれは変動の多い、有時の際には非常に消耗量の多いものでございますから、こういうものにつきましては、何らかの形で国でめんどうをみるといいますか、国有民営と申しますか、そういった考え方を、あるいは維持対策といいますが、こういったことはどうしても考えなければならぬ。ことに今日の事情においては考えなければならぬのじゃないかということを、通産省初め関係各省ともいろいろ、非常にむずかしい問題ではございますが、何とかそういう方向で防衛生産、特に弾薬の問題につきまして当面方針を立てて、防衛生産、ことに弾薬生産の将来の確保をはかりたい、かように考え関係各省とも相談をいたしておる次第であります。
  97. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 お話の中にありました、国有国営でいかなければならぬと最小限度今防衛庁考えられておるものというのは、具体的にはどういうものでしょうか。
  98. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) これは具体的事例にもよるわけでございますが、たとえば試作の一部、もっともものによりましてはもちろん会社を通じてやるということも考えられます。これは設備との関連にもよりますが、たとえば将来赤羽の工廠等が日本側にリリースされるといったような場合に、これを有効に活用すると同時に、ただいま申しましたような火器等の試作は、あるいは国有国営でやることが設備とあわせて妥当ではないか、これは単に今日一応の考え方としてあるだけでございまして、もちろん防衛庁としても決定しているわけでも何でもございませんが、それから秘密の兵器と申しますか、米軍から供与を受けて、これを秘密部分についてこれから国産していくといったような場合に、あるいはそういう必要が考え得るのじゃないか、的確にどういうものを国有国営でなければならぬというふうに具体的に考えているわけではございませんが、そういうものも将来考え得るのではないかということでちょっと申し上げた。抽象論として申し上げたわけであります。基調はまあやはり民営あるいは国有民営、ごく一部については、そういうものは考えられるのではなかろうか。そういう程度で実は申し上げたのであります。
  99. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 そうすると、防衛庁としては、大体兵器生産設備の買い上げということについては、消極的だというふうに考えていいんでしょうか。
  100. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) さような意味ではございませんでして、ただいま申し上げましたように、民有民営を基調としていく、しかし常に変動の多いもの等について、あるいは非常に採算が取れん、需要数量が少なくて採算が一取れんといったようなものについては、国有国営までは考えないが、設備の貸与もしくば維持を会社にさせるといったようなことは、考えられるのではないか、その中で特に弾薬につきましては、有事の際の変動が非常に大きいということが一つと、それからもう一つは、今日すでに特需という関係で相当りっぱな弾薬生産設備ができており、しかも今日の防衛庁といたしましては相当大量に弾薬の供与、現物の供与を受けておるということで、さしあたり大量の発注というものはここ二、三年来一応考えられないのではないか。その間にせっかくの設備が散逸するということは、将来の防衛力の保持の上から言って、非常に遺憾なことではないかということとあわせて考えまして、何らかこれを維持する方法を国として、特に防衛庁の立場から考えなければならんのじゃないかというふうに考えているわけでありまして、買い上げと申しますか、あるいはこれを何らかの方法で会社において維持してもらう、散逸しないようにしてもらうと申しますか、そういった方策について、防衛庁としても非常に熱意を持っているわけであります。
  101. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 弾薬関係について今具体的なお話がありましたが、弾薬関係以外にも考えておられるかどうか、その点一つ
  102. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 弾薬関係以外につきまして、そういうことはないというふうにも考えておりませんが、さしあたり窮迫した事情でありますので、全体の防衛生産の一環として、弾薬生産の問題を取り上げているということでございまして、弾薬以外に、将来設備器械あるいは、シグ等、国で持ちまして会社に貸与するということはないようには考えておりません。たとえばすでに航空機の場合、これはズグでございます。やはり十数億の価格のいたしますものを会社に貸与してやっているわけであります。たとえば将来試験設備等は、できるだけ防衛庁で持つといったようなことになりましょうし、あるいは将来かりに米軍が赤羽の工廠をリリースするというようなことがあれば、そういった機会に向うの持っている機械をもらうというようなこともないとも申しまん。そういったものを有効に活用するといった具体的なものをあわせて、そういったことも考えるかと思いますが、一般的に弾薬以外に今後方針として強く考えているということを申すのではございません。
  103. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 最後に一つ伺っておきたい。と申しますのは、防衛庁アメリカといろいろ具体的に折衝せられつつある間に、どういう感じを受け取っておられるかということなんでありますが、日本防衛産業の樹立についてでありますが、アメリカ側は好ましいと思っているのかどうか、そういう点を伺いたいと思います。
  104. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 私どもが米軍関係の方々と接して感じますことは、非常に好ましいというよりも、米側といたしても、積極的に推進したいと、たとえば航空機、ジェット機の生産に現われておりますような形、あるいは言い方がございますけれども、非常に好ましい、望ましいと考えていると判断いたします。
  105. 吉田法晴

    主査吉田法晴君) それでは午前中の分科会は、この程度で休憩をいたします。    午後零時二十六分休憩      —————・—————    午後一時五十五分開会
  106. 豊田雅孝

    ○副主査(豊田雅孝君) ただいまより開会をいたします。
  107. 吉田法晴

    吉田法晴君 午前中に引き続いて事務的なことからお尋ねして参りたいと思いますが、現在の九万九千トンにあと三万トンぐらいのものを増加せられるわけでありますが、それはどういう種類の艦艇を追加せられるのか。御計画あるいはおつもりがございますならばお示しを願いたいと思います。
  108. 林一夫

    政府委員林一夫君) 年次の増加計画並びにその内訳をどういうふうにするかということは現在まだ検討いたしておりまして、まだはっきり申し上げることはできません。
  109. 吉田法晴

    吉田法晴君 そうしますと、先ほどの御説明によると、警備艇なんかにいたしましても、速力がのろい云々ということ、まあ現状維持できるという話でしたけれども、現状はおくれた機能しか持たぬ、こういうことのようですが、そういうものをやっぱり増加するということなんですか。それともあるいは速力の点についてはもう少し速いものをといったような御計画でございますのか、何も無方針であるというようなことではなかろうと思います。
  110. 林一夫

    政府委員林一夫君) 艦艇の増加については、いろいろの点から考えられるのでありまして、たとえば警備艦をふやすということも、あるいは掃海艇をふやすということも、いろいろ考えられますけれども、これはいろいろの観点からどういうものをふやしていくかということにつきましては、今検討いたしているのであります。もちろん現在ある古いものをそのまま維持していくということもいたすのでございますが、そのほかに新設もいたすのでございますが、どういうものをふやすということについてはまだきまってはいないのであります。
  111. 吉田法晴

    吉田法晴君 その数字はとにかくきまっている。十二万五千トンと九万九千トンの差額をふやすということでありますが、中味はあるのだと思うんですが、それではその三万ばかりというものをこれから四年間にどういう工合にふやすということについても全然御計画はないんでしょうか。
  112. 林一夫

    政府委員林一夫君) その点については検討いたしているのでありますが、何を何隻、どういうものを何ばいというようなことはまだ具体的に決定いたしておりません。
  113. 吉田法晴

    吉田法晴君 今お尋ねしているのは、その艦種についてはきまっておらぬというお話ですから、その三万ばかりというものをふやしていくということについて年次計画というものは全然ない、こういうことなんでしょうか。
  114. 林一夫

    政府委員林一夫君) 年次計画について現在検討いたしているのであります。従いまして、その内容につきましても、ただいま申し上げることはできないということでございます。
  115. 吉田法晴

    吉田法晴君 防衛庁に試案にはあるのだけれども、政府としてきまっておらぬから出さないということなんですか。防衛庁の中には試案はおありになる、こういうことですか。
  116. 林一夫

    政府委員林一夫君) 試案というものもいろいろできているのでございますが、まだそれについてもはっきりきまっていないのでございます。全般的に試案についても検討いたしておるような状態でございまして、明確に申し上げることはできないのであります。
  117. 吉田法晴

    吉田法晴君 次官なり官房長なりでもいいですが、防衛庁の中にはおありになるのだろうと思いますが、いつごろそれは出るようになるのですか。いつまでもございません、ございませんと言うわけにはいかん。来年なら来年の予算を細まれる前には来年度追加する、これは陸海空とも数字は出て来なければいかん。そうすると今年の半ばごろにはきめなければならぬということになるだろうと思うのですが、今年の半ばごろできるものが、固まる程度がございましょうけれども、私はあるのだろうと思うのですけれども、いつごろになったらそれは出てくるのですか。
  118. 門叶宗雄

    政府委員(門叶宗雄君) ただいま防衛局長からお答え申し上げた通りでありまして、ターゲットは、一応防衛庁試毒として策定いたしておりますが、その具体的内容につきましては、まだ防衛庁試案としてもございません。たびたび長官からお答えになっております通り、いずれ国防会議ができた場合におきまして、これに付議して政府案をおきめ願わなければならないことになるわけでありますから、それまでに何とか作り上げたいと考えておる次第であります。これまた長官からお答えになっております通り、米国からの供与期待がどの程度まで期待し得るか、これらにつきましても、的確なる情報を得るのになかなか困難な事情にありまして、まだその段階に至っておりませんので、御了承願いたいと思います。
  119. 吉田法晴

    吉田法晴君 これは、陸の方に返りますけれども、どういう工合にふやしていくかということはまだきまっておらん。こういうような話がありましたが、できるだけ早く米地上部隊の引き揚げが行われても支障のないように云々という大臣の御答弁がありましたが、そうしますと、今まで年に二万ふえて参った場合もありますし、一万ふえたこともありますが、十八万までの差額が三万ですから、四年でしますというと、二万か一万か、あるいはフラットでいきますと五千かということになると思うのでありますが、なるべく早くということになるならば二万、こういうことになると思うが、数字は出さないかもしらんけれども、長官のなるべく急ぐということからするならは、それは二万か一万かは知らんけれども、来年、今年よりも増員するものは五十じゃない、なるべく多い数伊だと、こういうことになると思うのですが、その点はどうですか。
  120. 門叶宗雄

    政府委員(門叶宗雄君) 現在十六万でございまして、最終目標が十八万、三十二年度から三十五年度まで四年間でございまするが、その間どういうふうに増強していくかということにつきましても、今日全く白紙の状態でございます。長官からもそういうふうにお答えになったと思います。
  121. 吉田法晴

    吉田法晴君 あるけれども答えぬということになっているようですが、民主的なとにかく自衛組織を持つというのなら、私はあるものはあるもの、固まっておらんにしても、国会にお漏らしになっていくのがこれは私は当然だと思うのですが、そういう点で何かしらん、秘密主義と言いますか、あるいは言い逃れをしようという態度に非常に不満を持ちます。そういうことでは民主的な軍隊というものはできやせん、また昔のような軍隊が育つ以外にないと私は思います。私は厳重にこれは警告いたしておきます。ターゲットがおありになるというのだし、それからただいま申し上げますように差額がわずか二万、その二万を五千ずつ増していくか、あるいは最初五千じゃなくて、できるだけ大きく、あるいはその数字は言えぬにしても、そのくらいのことは、とにかくこれは今までの意見として部内で御討議になった点からしても私はおありになると思う。それもまあ言えんというわけですか。
  122. 門叶宗雄

    政府委員(門叶宗雄君) この点先ほどもお答え申し上げた通り、防衛庁としての試案といたしましても、二方の増強をどういう年度に振り分けていくかということについては、まだきまったものを持っておらないのが実情でございます。
  123. 吉田法晴

    吉田法晴君 きまっておらんし、正式にきまってなくても、あと二方だが、それを毎年同じに五千ずつふやしていくか、それとももう少し、長官はなるべく急ぎたいというのだが、急ぐというならば、毎年五千というのじゃなくて、二方か、あるいは二方になるかもしれんけれども、初めの方でふやしていくのかどうかという、そのくらいのことは私は答弁できると思うのですが、まあ言えぬということになっている、言うなということだと私は了解いたしますが、そこで、そういうことでは民主的な軍隊というものは育たん、また軍部が復活し、あるいはコントロールのきかぬ軍隊を育てるということを警告を発しておきます。  艦艇に返りますが、これも今のような調子で、あるいはきまっておっても言わぬということかもしれませんが、艦種についてきまっておらんという話ですが、具体的にあるいは潜水艦をふやすとか、あるいは小型空母を持ちたい、あるいは軽巡洋艦を持つとか、そういう点については、計画じゃないですよ、希望も何もございませんか。
  124. 林一夫

    政府委員林一夫君) そういう点について現在検討いたしているわけでございます。まあ、いろいろの点から、どういうものを持っていくかということを考えなくてはいけないと思います。どういうものを持っていこうかということにつきましては、まだきまつていないのであります。
  125. 吉田法晴

    吉田法晴君 駆潜艇が前にあまり実用性に乏しかったと言われたり、それから午前中の説明でも、警備艇その他にしましても、速力がおそくて、どの程度役に立つかということは、これはまあ問題だろうという疑問が出されておりましたが、そういう点についても改善と申しますか、あるいはどうしようという御意図も全然おありにならないのかどうか。
  126. 林一夫

    政府委員林一夫君) そういうものについて、どういうふうにやっていくかということについても検討いたしているのであります。先ほど申しましたのはLSSLであったかとと思いますが、これが比較的性能がよくないということを申し上げたのであります。これは海湾の警備とか、沿岸警備哨戒というようなことにつきましては相当の力を持っているのであります。そういう点についても、性能によって使用方法考えなくてはいけないのであります。そういう点から考えまして、ただいま申し上げましたような方面に使うようにいたしているのであります。
  127. 吉田法晴

    吉田法晴君 長官に来ていただきましたから、午前中に問題になっておったところ、それから今長官に、方針らしいものがあれば簡単に御説明を願いたいと思います。午前中に問題になりましたのは、上陸用の、何と申しますか、艦艇を借りている、こういうことで、それでは外国に使うのか、そういう演習をやっているじゃないか、こういう質問でありました。それは外国にいくつもりはございません、国内で、これは外国軍隊攻撃をしてくる場合に備えて上陸訓練をする、こういう答えですが、そうすると、その場合に、それならば自衛隊としては外国軍隊日本にやってくるということを、攻撃してくるということを想定して、そして訓練をし、あるいは戦略と申しますか、防衛態勢を整えているのかと、こういう質問が出ております。それが午前中の質問の一つで、それをまず答えて下さい。
  128. 船田中

    ○国務大臣(船田中君) 上陸用支援艇をわが海上自衛隊が持っておるということは、これは必ずしも海外に派兵をするというような目途をもって訓練をしておるのでは絶対にございません。御承知の通りわが国は島国でございまして、たくさんの烏から成り立っておるのでありますから、外部からの侵略がありましたときに、どの方面侵略がありましてもそれを直ちに救援し、わが国土を守るということのためには、やはり上陸支援艇のような関係の船がありまして、その訓練を平素から積んでおくということは必要であると、かような考え方から上陸支援艇訓練ということもやっておりますが、これは決して海外派丘等のことを意味するものではないということは、ここに明言しておく次第でございます。
  129. 吉田法晴

    吉田法晴君 海外派兵という言葉を使いますが、海外派兵をするかどうか、想像されておる事態が海外派兵であるかどうかと、こういうことは判断ですが、事実問題として午前中ありましたのは、外国から日本攻撃をしてくるということを想定して、あるいは防衛態勢を整える、あるいは訓練をする、あるいは艦艇なりあるいは陸上、航空にしてもそうですが、態勢を整えておるのか、こういう質問だったのです。今の御答弁海外派兵をするのではございませんという、ちょっと答弁が質問と違っておる。
  130. 船田中

    ○国務大臣(船田中君) ただいまの御質問でございますが、これもたびたび申し上げておりますように、わが自衛隊といたしましては特定の国を仮想敵国として、戦前にやっておりましたようにその仮想敵国に対していかなる防衛態勢を整備すべきかというようなことを計画はいたしておりませんし、またさような訓練もいたしておりません。しかしこれは御承知の通り自衛隊法にも防衛出動、治安出動、災害出動等の規定がございますように、それらの出動に対して平素訓練をし、またその非常の場合が起りましたときに、わが国防衛することのできるような訓練と準備を整えておるということでございまして、具体的にどこの国を仮想敵国にしておるかというようなことについては、全然仮想敵国というようなものは持っておりません。
  131. 吉田法晴

    吉田法晴君 その点、午前中防衛局長その他から答弁がありましたのは違っておったように思うのですが、特定の国を予想せず云々ということですけれども、防衛局長なり、何なりの御答弁は、具体的に国をあげてのお話ではございませんですが、外国から攻撃を受けることを予想して部隊国内移動を考え上陸訓練をしておるのだ、こういう御答弁でありました。これはあとで速記録を調べて別の機会に御質疑いたしたいと思います。それは亀田君なり、同僚議員から質問をいたしまして、その答弁に関連をして長官に御答弁を願いたい、こういうことで午前中の委員会を終りましたから私がかわってやったのです。私はその午前中の質問を聞いておりますと、警備艦艇が主で、あるいは対潜水艦艦艇ということである。海上自衛隊の目的は輸送の保護、こういうふうに了解が大体できました。午前中の答弁を聞いておりましても、それから予算を見ましても、実際のあれを見ましても、地上部隊についてはたとえば空挺隊、あるいは落下傘の訓練、そういうものが中心になるだろうということは、これはこの予算書を見てもわかります。それからアメリカ軍に指導されておるということは従来の現状からいってもそうです。そうしますと、これはアメリカの新聞なり、あるいは書き物で言われておること、あるいは日本の軍事専門家が言っておりますように、日本に対しては本格的の海軍、空軍は持たせるほ図はない、アジアの局地戦争でアメリカの地上部隊にかわって日本自衛隊を持っていって使う。これが日本自衛隊を作った意図だということを言っておる。これは過去において評論だけでなしに当事者もそう言っておられた。だから海上自衛隊の午前中聞きました実態にいたしましても、あるいは自衛隊予算のその大部分のもの、あるいは訓練等からいっても、私は客観的にそうではないかと思うのですが、長官の御説明を願いたい。
  132. 船田中

    ○国務大臣(船田中君) アメリカ側が、特に日本に対して陸上自衛隊は増強をさせるが海上及び空軍についてはあまり大きくなることを欲しないというようなことは、従来まで何もそういうようなことはございません。このことにつきましては、私も予算委員会、その他の機会に申し上げておりますように、アメリカ軍の陸上戦闘部隊は早期に撤退をしたいという意向を持っておりますので、それと必ず相呼応してということは言えませんけれども、大体そういうこととにらみ合せてわが陸上自衛隊は海星に比較いたしまして重点的にこれを早く整備するということになりつつあります。また御承知の通り五年半前に警察予備隊が発足いたしました時以来、一番長い歴史を持っておりますから、そこで陸上自衛隊は他の室及び海に比較いたしまして早く整備され、また大きくもなっておるということでございますが、決して海禁の方を軽視しておるものではございません。わが防衛態勢といたしましては陸上自衛隊ばかりではなく、日本のまわりは海にめぐらされており、海岸線も非常に長いのでありますから、将来の陸上自衛隊考えましたときにはやはり海の上における掃海あるいは港湾防衛、それから船団の護送というようなことを考えまして、海上自衛隊も順次整債して参りたいと考えております。また室の方におきましても発足以来わずか一年半でございますが、割合によく整備されてきておるのでありまして、今後におきましても峯の方の整備もして参らなければならぬと考えます。ただ何と申しましても、海及び峯におきましては艦船、飛行機等非常に金がかかるものでございますから、財政の都合ともにらみ合せまして、できるだけの整備はいたしたいのでありますが、陸に比較いたしましてこれが非常におくれているというととは事実でございます。しかし決してこれを軽視しておるわけではないのであります。
  133. 吉田法晴

    吉田法晴君 それでは軽視しておらぬということでしたら、先ほど局長なり官房長に尋ねますと、どういう艦艇を持つかは目下研究中であって、全然きまっておらぬという話ですが、今の充実という点からいいまして、もう少し足の早い艦艇を持ちたいという御希望があるのかどうか。それからあるいは巡洋艦や空母を持ちたい、こういう希望があるのかどうか、お尋ねをしたい。
  134. 船田中

    ○国務大臣(船田中君) 長期防衛計画につきまして、今御指摘のようなことも大いに研究して参らなければならぬことでございますが、今までのところではまだそこまで具体的に計画を考えておりません。
  135. 吉田法晴

    吉田法晴君 具体的に考えておらぬということは、そういう希望を持っておらぬということですか。希望は持っておるけれども、どういうものを何トン持つかということがきまっておらぬだけですか。私が聞いておりますのは、その数字はまだきまっておらぬということですが、そういうものを、巡洋艦なりあるいは空母のようなものを小さくても持ちたい、あるいは全然持つつもりはないということ、あるいは持つ可能性はあるというようなこと、その辺を聞いております。最小限度の……。
  136. 船田中

    ○国務大臣(船田中君) まだ空母を持つかどうかということについては全く具体的に何も考えておりません。安保条約、その他対旦平和条約においてもうたわれておりますように、再び軍国主義が復活するとかあるいは近所の国に脅威を与えるような再軍備をするというような考えは毛頭持っておりません。全くできるだけの、国力、国情に沿う自衛態勢を整備するというところに目標を置き、重点を置いて順次整備をして参りたいという考えを持っておるわけであります。
  137. 吉田法晴

    吉田法晴君 それでは今の答弁攻撃的な武器としての空母のごときは小型といえども持つつもりはない、こういうことですか。
  138. 船田中

    ○国務大臣(船田中君) 空母の問題につきましては、まだ具体的にそれが攻撃的の武器であるか、防御的のものであるか、あるいはそれを持つか持たぬかというようなことは、まだ全く具体的に考えておらないのであります。
  139. 吉田法晴

    吉田法晴君 先ほど下の方に伺って御答弁がなかったのですが、それじゃきのう長官アメリカの地上部隊が引き揚げても真室状態にならぬために、なるべく急いで地上部隊を整備するという御答弁でした。なるべく急いでということは六カ年計画、三十五年の十八万という数字が出ておるのです。現在は十五万、今年の終りには十六万というこういうことになるわけですが、あと二万。急いでということは四年間に五千ずつということじゃなくて、その数字はとにかくとして、その数字も今年の半ばころまでには出なければならぬことでしょう。少くとも五千じゃなくて、一万かあるいは慕情が許すならば……こういうことになるだろうと思います。その辺はどうなんですか。
  140. 船田中

    ○国務大臣(船田中君) 防御の責任者といたしましては、なるべく早い機会に目標数に達するようにいたしたいと思いますが、これは財政との関係がございますから、従って昭和三十二年度以降の年次計画につきましては、今のところまだ何もきまっておりません。これから研究をして参りたいと考えております。
  141. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 ちょっとそれに関連して。今の寮母を持つのかどうかというような御質問がありましたが、それに関連して、一体その六カ年計画なり、何なりの場合には、新兵器に対してどういうふうな考え方を持っておられるのか。ということは、第一に、現在日本に持ち込まれている新兵器といいますか、特に原水爆に関連する兵器、そういうものがどの程度これはアメリカ軍でも、さらには日本自衛隊に対してもどの程度持ち込まれていて、どういう扱い方に現在すでになっておるのかという点と、さらにもう一つ将来の問題として、それがどう扱われるかということの見通しなり意図を御説明願いたいと思うのです。というのは、昨日でしたか、おとといでしたか、例の大統領の新対外援助の教書が出て、その中に、それに基いて日本自衛隊にナイキ、マタードルのような誘導弾や、オネストジョン、ロケット砲などの新兵器が供与されることは十分に可能である、ということがあの教書の発表と同時にアメリカの政府当局の意見として伝えられています。そういうことを日本長官はどういうふうにお考えですか。現状と将来の見通しを詳しく承わりたい。
  142. 船田中

    ○国務大臣(船田中君) 原子兵器が日本に持ち込まれておるということは、今日のところございません。原爆というような非常な危険な兵器を持ち込むというようなことにつきましては、これは重光・アリソン会談によりまして、必ず日本側の了解を得て初めてアメリカ側が日本本土に持ってくるということでございまして、現在まで日本政府といたしましては、さような原爆兵器を持ち込むということに同意を与えておりませんし、またアメリカ側としても、持ち込むというような話を日本政府に言ったことはございまん。今日のところ原爆兵器が日本に入ってきているということはございません。ただオネスト・ジョン及びB57につきましては、ある程度のものが入ってきておることは、これまた予算委員会において御説明申し上げた通りでありまして、B57につきましては、おそらく二十数機現在日本にきておると存じます。しかし今後どれだけの数が入るかということにつきましては、これは正確なところわかりません。B57は御承知かと思いますが、従来日本にきておりましたB36にかわるものでありまして、これはいわゆるジェット・エンジンの中距離爆撃機ということであろうと思います。それが正確にどういう性能を持っておるかということにつきましては、これはアメリカ側でも軍機として発表いたしておりませんので、正確なところはわかりかねます。オネスト・ジョンにつきましては、これはすでに昨年の春以来説明をいたしまして、ある程度その内容が公表されております。あれ以上のことは今日ないと存じます。  それからただいま御質問のありましたナイキまたはマタドールというような新兵器を日本供与するかどうかということについては、まだ公式には何らの通告には接しておりません。今まできわめて非公式な話のうちにナイキのような新兵器、ことにこれは将来飛行機をもって侵入を受けたという場合に、これを防衛する上においてきわめて有効な新兵器でありますから、わが方といたしましてはそういうものがあれば非常に心強いという考え方でありますので、もしそういうものが供与されれば非常にいいことだと思いますが、しかし現在までのところ公式に何らアメリカ側からそういうことについての通報は受けておりません。またおそらくナイキとかマタドールというそういう新兵器が日本に多量に持ち込まれるというようなことも、まず予想はできないのではないかと、現在のところは考えております。
  143. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 今のお話によると、向うがナイキだとかマタドールのような誘導弾を持ち込むことを向うの駐留軍のために持ち込むことのみならず、日本自衛隊としてもそれの供与を受けることをむしろ欲しているというような長官の御答弁でありますが、そうなると、この援助計画の発表と同時にアメリカ政府当局もそういう意向を表明しているので、これは近い将来において現実にこういうものが持ち込まれるということになると判断をしていると思うのですが、原子兵器その他の持ち込みに対しては、むしろこれを拒否するというような精神のもとに、先ほどお話のようなアメリカとの話し合いができておると思うのですが、そういう精神に全く反することになるのではないか。今のような重要な御説明、御答弁は、その精神に反することになるのじゃないか、こういうふうに思いますが、その点は長官どうお考えになりますか。
  144. 船田中

    ○国務大臣(船田中君) ナイキの性能がどういうものであるかということを私も実は正確には存じておりません。しかしながら侵略してくる飛行機を防ぐという上においてきわめて有効な防御手段としてナイキというものが工夫されてできておるのでありますから、そういうようなものをわが方で供与を受けまして、そうしてこのごろ非常に盛んになってきておりますGMの研究をするということは、わが防衛態勢を整備する上において有効なことではないかと私は考えておるわけであります。
  145. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 そういう考え方からすれば、原水爆の実験なり原水爆の保有、製造その他についてもそれを防衛の必要上それが許容されるのみならず、日本に持ち込む等々のことも差しつかえないのだ、むしろその方が有効なんだというような判断になると思いますが、政府としてはそういう判断で日本自衛隊の増強なり何なりをお考えになっておるのかどうか。
  146. 船田中

    ○国務大臣(船田中君) 原水爆ということになりますと、これは話が全く別だと存じます。原水爆を研究し、原水爆兵器を持つということは、これは何といっても近所の国々に非常な脅威を与えることになると思います。従いましてこの原水兵器を持つことについては、わが方としては全くそういう考えをもっておりませんし、今後におきましても持つ考えはございません。
  147. 豊田雅孝

    ○副主査(豊田雅孝君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  148. 豊田雅孝

    ○副主査(豊田雅孝君) 速記を始めて。
  149. 吉田法晴

    吉田法晴君 長官がおられる間に、うしろに防衛局長もおられますが、私が今申し上げるまでもなく、オネスト・ジョンとそれから原子砲とをアジアに届ける。日本にオネスト・ジョン沖繩に原子砲、こういうことでした。それから私もまた現物を見に行きました。なるほど今はコンクリートがついている。ところがコンクリートをつけて、いつもあれを使うものだという御説明にばならぬだろうと思う。オネスト・ジョンなりあるいはナイキなりが、それが戦略兵器か戦術兵器かといったようなことはございます。ございますが、本来飛行機の防衛に使いますための兵器だ、こういうことではなくて、本来弾頭に原子兵器をつけて、その規模あるいはその破壊力はどの程度であるかということは別問題といたしまして、それを使うものであるということはこれは常識だと思うのですが、防衛庁長官はあるいは軍事的な知識がおありにならぬかと思いますが、防衛局長、やっぱり長官の言われるようにあのオネスト・ジョンなりナイキなりというものは防衛用のもので、弾頭に原子核分裂兵器がりかぬものだ、こういう工合に御説明になるのですか。
  150. 林一夫

    政府委員林一夫君) オネスト・ジョンとナイキとのお話で、ございますが、オネスト・ジョンの性能につきましてはこれは公表されまして御存じのことと思いますが、射程は大体十五マイルないし二十マイルであります。ナイキの方は、これは私の方はいろいろの新聞とか雑誌で得た知識でございますが、この距離は大体射程が三十キロメートルというような、ごく短距離のものでございまして、ナイキの方は地上から航空機を射撃するという防空的なものでございます。オネスト・ジョンもやはり非常に今申しましたように距離が短かいものでございまして、これは大体本来は地上から地上ということになっておるのですが、ごく短かい距離でありまするから、航空機なりあるいは地上から上陸部隊の集団というようなものというか、ごく近距離の地上攻撃に使うという性能を持っておるわけであります。原子弾頭の関係でございますが、ナイキもオネスト・ジョンも元来はこれは原子弾頭をつけるものではない、ナイキについてははっきりしたことは存じておりませんが、オネスト・ジョンについては、元来これは原子弾頭をつけるものではないのでありまするが、御承知のように原子兵器といいましょうか、こういうものが非常に小型化されておるということで、オネスト・ジョンにも原子弾頭をつけることができるということになっておるようでございます。
  151. 吉田法晴

    吉田法晴君 つけることができる、言いかえるならば、原子弾頭をつければ原子兵器になるものだということは、これは否定をするわけには参らぬでしょう。しかもその射程もその当時いわれました。それから原子弾頭をつけた場合に、広島の原爆の四分の三程度の破壊力を持っておるということも説明された、これは否定にはならぬでしょう。今のおっしゃる通りに、防衛庁長官の言われたように飛行機を防衛する、飛んでくる飛行機を防衛するためのあれだ、こういうわけにはこれは参らぬでしょう、どうですか。
  152. 林一夫

    政府委員林一夫君) 私が申しましたのは、オネスト・ジョンはもともと作った当時は原子弾頭をつけるというようなことは潜えていなかったということを聞いておりますが、先ほど申しましたように、原子兵器と申しまし、うか、原子弾は小型になったものですから、このオネスト・ジョンにもっけることができるということを聞いております。ただその原子弾頭を日本に持ち込むかどうかにつきましては、これは別問題でありまして、これは前国会で御答弁があったように、その場合においてはわが国の政府の了解を得て、了解を必要とするというようなことを答弁されておったと思います。そのことは別問題であります。
  153. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 だから今の問題は、ナイクには原子弾頭を用いることができるし、マタドールには機首に原爆を装填することができる。そういう意味ではこれは疑いもなく原子兵器であると思うのですが、そういう点からいえばさっき御質問をしたように、原子兵器はわが国軍隊で使わないのみならず、アメリカの駐留軍のためにも持ち込みば絶対に拒否するのだという精神にもとることになっているわけですが、さきの長官の御答弁、もう一ぺんその点をはっきりしていただきたい。
  154. 船田中

    ○国務大臣(船田中君) ただいま佐多委員の抑せられたように、わが方といたしましては原水爆を持ち込むということについては、これを拒否する考え方で進んできております。今後におきましても同様の考えを持ち続けていくつもりでございます。ただ、今防衛局長答弁申し上げましたのは、原子弾がだんだん小さくなりますから、物理的にいえばそれは弾頭につけることもできるということを申し上げただけでありまして、わが方の政策、方針といたしては、さような原子兵器を日本に持ち込むことは拒否をいたしまするし、また日本政府としてはさような原子兵器を研究し、あるいはこれを使用するというような考え方は全然持っておりません。
  155. 吉田法晴

    吉田法晴君 そうすると、先ほど来の局長答弁を交えますと、オネスト・ジョン、ナイキ、マタドールについても同様だと思うのですが、弾頭に原子兵器をつけるならば、それは原子兵器になる、それから先はこれはまあ説明と私どもの知っておるところと違うのですが、オネスト・ジョンにしても、ナイキにしてもマタドールにしても、あるいは戦略的な用途をなすか、あるいは戦術的な用途として考えられるかという違いはあるかもしれません。あるいは距離が数千マイル大陸間を飛んでいくというこれはロケットもあります。それから今お話のように二十マイル、三十マイルというオネスト・ジョンもある。あるいは三十キロ前後というナイキもある。しかし今のお話のように、原子兵器の小さくなるのと関連をして、そういうものが今原子兵器として脅えられつつあるということば間違いない事実である。あるいは昨年のネバダの演習にいたしましても、ことしのSEATOの演習にいたしましても、それに原子兵器が使われるということは、演習に使われておるということは、これは間違いない事実だと思うのです。そうするとオネスト・ジョンにしても、ナイキにいたしましても、マタドールにしても、それを、新聞なり日本の世論が問題にいたしますのは、原子兵器となり得る、あるいは初めは原子弾頭がついてきておらぬかもしれぬけれども、いっでも原子弾頭をつけ得る、そういうものだから、そういうものが日本に入ってきてはこれはアジアで使われるとしても、あるいは日本が、日本自衛隊が外地へ行った場合に使うということになり得るであろうし、日本に原子兵器の持ち込みになるじゃないか。あなたは、その原子弾頭を持ってくることば、重光・アリソン会談で先手を打たれて、了解なしで持ってこぬということになった。だから持ってこぬと言われるけれども、しかしその弾頭はともかくとして、弾頭を迎び得るものは日本にすでに入ってきておる。あるいはB57にしてもそうです。しかし常識的に見て、原子兵器を迎び得る飛行機が日本の中へ入ってくるし、もうすでに外堀は埋められたというか、原子兵器を日本に持ち込むか持ち込まぬかということになるならば、運び得る、あるいはロケット砲弾はきておる、あるいは飛行機がきておるというならば、原子兵器を日本には絶対に持ち込ませぬ、あるいは持ち込まぬということであるならば、そういう原子兵器持ち込みということも断われるじゃないか、こういう質問をしておるわけであります。入口のところでとにかく答弁を逃げられて……、まあお急ぎのようですけれども、その点は一つはっきりして下さい。
  156. 船田中

    ○国務大臣(船田中君) オネスト・ジョンやナイキが必ず原子兵器だという断定のもとに立って御議論になればそういうふうな御議論もあるかもしれませんけれども、これは政府の方針としてわれわれは原水爆弾とか、あるいは原子兵器持ち込みということに対しては、これを拒否する。そうして今後もそういうものは使わないようにする。そうして近所の国々に脅威を与えるような再軍備はしないということを申し上げておるわけでありまして、それを信用願う以外にないと思います。吉田委員も御承知の通り、軒の旧刑法には持凶器強盗というもが特別にありまして、そうして罪を過重にしたことがあります。ところがそのときに手ぬぐいを持って入って人を殺した。それは果してそれが持凶駅強盗かどうか。手ぬぐいといえども凶器にはなる。ですからこれはわが方で政府の方針として政策として、原水爆を使うようなことはしないという以上には、それを御信用いただくより仕方ないと思う。ただ形の上でオネスト・ジョンあるいはB57が入ったから直ぐ原水爆に使うんだろうという断定をされることは、私は非常にこれはわれわれの考えておることと違うのでありまして、B57が入ってきたからといって、原水爆をもって攻撃をするというような考えは持っておるものではないのであります。この点は繰り返し総理大臣もまた私からもたびたび申し上げておりますように、原水爆を日本に持ち込むことについてこれは反対をいたし、また原水爆を日本自衛隊が研究をしたり、あるいはこれを製造するというようなことは全然考えておりしなせんから、その点は重ねてここにはっきり申し上げておきます。
  157. 吉田法晴

    吉田法晴君 原爆を持ち込んだりあるいは研究をしたりすることはしない。その点は何度繰り返されてもこれはわかっておるわけです。了承しておるわけです。ただ世間で、あるいはアメリカでもオネスト・ジョンなりナイキというものは、これは原子兵器と考えられている。これは防衛年鑑でもその辺にあるのをごらんになってもわかりますが、あるいは日本の、今防衛局長もそういうお話をいたしましたけれども、今世間にあるとにかくあれは、原子弾頭がくっつくのが常態になってきております。最初はそうでなかったということなんです。その事実を否定されれば別問題ですが。そこで原子爆弾なりあるいは核分裂による兵器というものを持ってこぬというならば、それを運搬する可能性のある兵器というものも持ち込まないというのが、これがあなたの、あるいは政府の方針ではありませんか、そう聞くのに、いやあれは手ぬぐいと同じだ。オネスト・ジョンと手ぬぐいとこれは一緒になりませんよ。あるいは小刀とオネスト・ジョンとも一緒になりませんでしょう。弾頭をつければ広島のときの原爆の四分の三の能力があるというものが、手ぬぐいと一緒にはなりませんよ。その辺はどうなんですか。お急ぎのようですけれども、一応その点だけは明らかにしておいてもらいたいと思うのですが、原子兵器を運ぶ危険のある兵器については、それを遠慮をするというのが、私は総理大臣あるいは船田長官が今まで言ってこられたあれからすれば、当然だと思うのです。どうなんです。
  158. 船田中

    ○国務大臣(船田中君) 攻撃的兵器か防御的兵器かということ、をせつ然と区別することは私は困難だと思います。防御兵器が攻撃的兵器になることも、それはないとは言えません。しかし、今吉田委員が御指摘になりましたけれども、原藤を運ぶ飛行機といえば、B29でも昭和二十年の八月六日及び九日には、広島、長崎に運んで、そうしてB29からあれは投下して、そうして原爆が爆破しておるのであります。ところがH29が今度はB36に変り、最近ジェット・エンジンのB57に変ってきておるというだけのことでありまして、これは原水爆を運び得る飛行機ということと、それから原水爆を持ち込むか持ち込まぬかという問題とは、これはせつ然と区別されるべきでありまして、わが政府の方針といたしましては、原水爆を持ち込むということには反対をいたし、そうしてまた今後も自衛隊として防衛態勢を整備する上において、さようなものを研究し、またはこれを将来使うというようなことは、これは全然考えておらないのでありますから、その点については十分一般大衆にも説明をし、御了解を得るように努めますが、ぜひそういう御心配のないように一つ御配慮を願いたいと思います。
  159. 吉田法晴

    吉田法晴君 その点はそれでは議論になりますし、あれしていると時間がかかりますから、またにいたしましょう。  もう一つ予算を審議をしておりまして、一般質疑でやりましたが、これはあとで局長やその他に聞くのですが、たとえばこれは過去において艦艇建造予算と国会で説明されておるが、実際には艦型が違ったり、たとえば六十トン型の駆潜艇が百十トン型になったり、あるいは新艦建造のものが沈船引き揚げに変ったり、あるいは国内建造のものを艦種を変更して魚雷艇を英国に発注したり、こういうように予算の流用と申しますか、ございます。それはたとえば艦船建造なら艦船建造として、ことしで言うと七十八億ですか、こういう書き方をしてある。そこでその中は、まあいわば自衛隊の自由だと、こういうことになっておるのが、私が一般質問で指摘をした、あるいは従来言われてきた四億もの不当不正の使用が起った原因だと思うのですが、これらの点について当局にも大きな装備、施設等については積算の基礎を出してもらいたい、こういうことを言ったのですが、長官としてもう少しこの費目を項、目の細分を予算上こまかくして、再びそういう、何と申しますか、流用なりあるいは不正使用がないようにすべきではないかと思うのですが、その点は長官どういうようにお考えになりますか。
  160. 船田中

    ○国務大臣(船田中君) 防衛庁費の使用につきまして、これもたびたび申し上げたことでありますが、不当な支出があったという御批難を受けましたことは、これはまことに遺憾でございます。しかし、それがただいま吉田委員の御指摘になりましたようなことが原因で起ったというふうに結論づけられることは、これは私は少し過ぎやしないかと思います。もちろん艦船建造費というような相当大きな経費につきまして、できるだけ詳細に艦型であるとかあるいは装備だとかあるいは速力だとかいうような、詳細にわたって予算をいただく前に御説明を申し上げて、そうしてその通りのものを作ればよいのでありますけれども、しかし、なかなかこれも一寸一分違わないというようなものを、ここで御説明するまでには至っておりませんので、予算をいただくときには大体の案を申し上げ、そうしてその予算の範囲内においてなるべく安上りに、しかも性能のいいものを作ろうという非常な努力をいたしますので、従って艦型あるいはトン数装備等につきまして予算のときに説明申し上げたことと、でき上ったものと多少違うということは、これはあり得ることでございまして、今後もそれは絶対にないとは申し上げかねるのであります。しかし、それが予算をいただくときに御説明申し上げたよりも悪くなっておるというものは数年の実験においてはないと存じます。この点は個々の具体的の船についてごらん下されば明瞭であると思いますが、予算のときよりも悪くなっておるというものを作っておる例はございません。しかし、防衛庁費の経理の上において十分注意して行かなきゃならぬということにつきましては、これもたびたび申し上げておることでありますけれども、私就任以来特にこの点は下僚にも要望いたしまして、厳に戒師をいたして今後間違いのないようにして参りたいと考えております。
  161. 吉田法晴

    吉田法晴君 今の点に、これは装備局長ですか、御答弁を願いたいと思うのですが、艦型が違ったというのはよくなったからいいじゃないかという今の答弁ですが、ところが、新艦建造のものが沈船引き揚げに変ったり、あるいは国内建造の予定のものが艦種を変更して魚雷艇になって英国に注文をされた、こういうことがあるのですが、そういうように勝手にできることになっておるというのでしょうか。それから計画自体が動いておるのですが、そうすると、単価の積算なんというのはこれはまあ腰だめと言わざるを得まいと思うのですが、もう少し詳細に計画ができてから予算を要求してもおそくはないと思うのですが、責任者としてどういう工合に考えておるか。
  162. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) さきほど大臣があまり完璧なお答えをなさいましたので、事務当局としてちょっと付け加えることもないのでありますが、御承知の通りもともと国会で御議決を願いますのは項でございます。この項の下にさらに目がございまして、艦船建造費は目でございます。予算の積算に当りましては、もちろん防衛庁といたしましてもその編成当時の状況をしさいに検討いたしまして、過去における実績を十分参酌した上、積算いたしておるわけであります。ただこれが予算編成のときから実際に施行になりますまでには数カ月以上経過いたしておりますので、そのうちにさらに設計いたしてみますと、若干の食い違いが出て参りましたり、あるいはまたさらによりよいアイデアができまして、これを変えるということもあり得るわけであります。この点は各省におきましてももちろん相当あることと私は存ずるのであります。ただ同じ艦船建造費にいたしましても、ただいま申しましたように、船の型を予算において見積りましたときよりも変えるというような問題につきましては、たとえばこういう経費につきましては、予算の執行に当りまして一々大蔵省と協議いたしまして、大蔵大臣の承認を要するものでございまして、その都度厳密な審査を経まして、国費の効率的使用に最もいいようにいたしておるわけであります。予算編成の当時に想定いたしましたものを、そのままかりに実行しなければならぬということになりますと、かえって国費が不経済になるということも種々あり得るのでありまして、この点につきましては何とぞ御了承願いたいと存じます。
  163. 吉田法晴

    吉田法晴君 今の場合に、先ほど大臣の御答弁のあったような六十トンが百十トンになるというのはよくなるからいいじゃないかと、こういうのですが、艦種の変更というようなものもそれじゃよくなることですか。
  164. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 今までの建造の実績で、正確に艦種の変更と申すのはなかったと思いますが、たとえば掃海艇にいたしましても一応三百トン程度というものを三隻ということで積算いたしましたが、予算成立後あるいは新しいアイデア、あるいは新しい情報を得るようなことで、新しいアイデアを入れると、たとえば三隻でやはり小さいものがまた別のアイデアで大きいものができるといったような例、魚雷艇が六十トンのものが、百トンのものができる、あるいはこれは性能要求から若干出て参るわけでありますが、反面また小さいものができるというような点が若干ございますのと、それから先ほど御指摘になりました魚雷艇一隻、サンダースロー、これは英国から購入予定で今準備を進めておりますが、魚雷艇三隻ということは予算で御承認いただいたわけであります。一応は国内調達の予定でございましたが、いろいろな情報を集めまして、このサンダースローのは速力あるいはその他の性能等々から見まして、国産をしていく上においても非常に製造上の参考になる、また実用面からいっても参考になるというようなことで、三隻の範囲で一隻をこれに充当いたしましたわけでありまして、国内調達ではありませんが、そういった事情からいきまして、予算の目的に違背するというようには実は考えなかったわけであります。ただいま御指摘の艦種をはっきり変えるといったようなものはなかったかと記憶いたしております。
  165. 吉田法晴

    吉田法晴君 海上自衛隊用の航空機もそれから航空自衛隊の航空機もですが、これは航空機については大部分アメリカ供与に依存するということですか。
  166. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 海上自衛隊の航空機につきましては昭和三十一年度に三十四機増勢になりますが、そのうち三十機が米供与、四機が日本側調達でございます。航空自衛隊の航空機につきまして申し上げまするが、航空自衛隊の航空機につきましては百十一機を米供与に期待し、日本側で購入いたしますのは百二十機と予定いたしております。
  167. 吉田法晴

    吉田法晴君 そうすると大体どうなんですか、航空機にしてもあるいは艦艇にしても、順次国産をふやすということなんですか。どういうことなんですかその辺は。
  168. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 御承知の通り航空自衛隊の航空機につきましては、目下F86、T33の国産化を計画いたしておりますが、これは従来米側から供給されておったものでありますが、今後におきましてはこれを次第に国産に切りかえていくという建前のものでございます。ただしこの国産化の計画期間中におきましても米供与を若干期待していることば事実でございます。
  169. 吉田法晴

    吉田法晴君 さっきちょっと長官にも伺ったのですが、航空自衛隊の機種の中で、あるいは爆撃機、そういったものをこれは供与に期待するとかいうことがあるのですか。
  170. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) ただいまの機種の中には爆撃機はございません。
  171. 吉田法晴

    吉田法晴君 ちょっと速記をとめて下さい。
  172. 豊田雅孝

    ○副主査(豊田雅孝君) 速記をとめて。   〔速記中止〕   〔副主査退席、主査着席〕
  173. 吉田法晴

    主査吉田法晴君) 速記を始めて。  他に御質疑もないようでありますから、これをもって本分科会の審査を終了いたします。なお委員会に対する報告につきましてはあらかじめ主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  174. 吉田法晴

    主査吉田法晴君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  それではこれをもって散会いたします。    午後三時九分散会