運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1956-04-27 第24回国会 参議院 本会議 第41号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年四月二十七日(金曜日)    午前十一時二十二分開議     —————————————  議事日程 第四十一号   昭和三十一年四月二十七日    午前十時開議  第一 日本国における英連邦戦死者   墓地に関する協定締結について   承認を求めるの件(衆議院送付)           (委員長報告)  第二 日本国カナダとの間の小包   郵便約定締結について承認を求   めるの件(衆議院送付)           (委員長報告)  第三 外国人登録法の一部を改正す   る法律案内閣提出衆議院送   付)      (委員長報告)  第四 訴訟費用等臨時措置法の一部   を改正する法律案内閣提出、衆   議院送付)   (委員長報告)     —————————————
  2. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 諸般報告は、 朗読を省略いたします。     ————————————— 一昨二十五日議長において、左の常任 委員辞任許可した。  内閣委員      川村 松助君  同        小笠原二三男君  地方行政委員    安井  謙君  同         斎藤  昇君  同         小幡 治和君  同         笹森 順造君  同         田中 啓一君  同         岡田 宗司君  同         佐藤 尚武君  法務委員      上原 正吉君  外務委員      宮澤 喜一君  同         郡  祐一君  同         野村吉三郎君  同         木下 源吾君  同         野田 俊作君  大蔵委員      小西 英雄君  同         井村 徳二君  文教委員      剱木 亨弘君  同         堀木 鎌三君  同         松原 一彦君  農林水産委員    植竹 春彦君  同         平井 太郎君  同         雨森 常夫君  同         北 勝太郎君  商工委員      大谷 贇雄君  同         古池 信三君  運輸委員      木島 虎藏君  同         西郷吉之助君  逓信委員      村上 義一君  建設委員      横川 信夫君  同         石村 幸作君  同         柏木 庫治君  同         三浦 辰雄君 同日議長において、常任委員補欠を 左の通り指名した。  内閣委員      西郷吉之助君  同         木下 源吾君  地方行政委員    木島 虎藏君  同         川村 松助君  同         横川 信夫君  同         大谷 贇雄君  同         宮澤 喜一君  同        小笠原二三男君  同         野田 俊作君  法務委員      郡  祐一君  外務委員      堀木 鎌三君  同         上原 正吉君  同         古池 信三君  同         岡田 宗司君  同         佐藤 尚武君  大蔵委員      植竹 春彦君  同         剱木 亨弘君  文教委員      井村 徳二君  同         田中 啓一君  同         雨森 常夫君  農林水産委員    小西 英雄君  同         小幡 治和君  同         松原 一彦君  同         三浦 辰雄君  商工委員      笹森 順造君  同         野村吉三郎君  運輸委員      安井  謙君  同         石村 幸作君  逓信委員      柏木 庫治君  建設委員      平井 太郎君  同         斎藤  昇君  同         村上 義一君  同         北 勝太郎君 同日外務委員会において当選した理事 は左の通りである。  理事 小滝  彬君(宮澤喜一君の   補欠) 同日衆議院から予備審査のため左の議 案が送付ざれた。よって議長は即日こ れを社会労働委員会付託した。  寄生虫病予防法の一部を改正する法  律案内田常雄君外三名提出) 同日可決した左の本院提出案は、即日 これを衆議院に送付した。  租税特別措置法の一部を改正する法  律案  公共企業体職員等共済組合法案 同日委員長から左の報告書提出し た。  日本国における英連邦戦死者墓地に  関する協定締結について承認を求  めるの件議決報告書  日本国カナダとの間の小包郵便約  定の締結について承認を求めるの件  議決報告書日本院は、衆議院送付の左の内閣提 出案を可決した旨衆議院に通知した。  国家公務員等旅費に関する法律の  一部を改正する法律案  海岸法案 同日左の法律の公布を奏上し、その旨 衆議院に通知した。  国家公務員等旅費に関する法律の  一部を改正する法律  海岸法 同日議長内閣総理大臣宛、左の者を 第二十四回国会政府委員に任命するこ とを承認した旨回答した。      外務参事官 高橋 通敏君 昨二十六日議長において、左の常任委 員の辞任許可した。  内閣委員      木下 源吾君  同         永岡 光治君  地方行政委員   小笠原二三男君  法務委員      郡  祐一君  同         亀田 得治君  外務委員      上原 正吉君  同         古池 信三君  同         佐多 忠隆君  同         岡田 宗司君  文教委員      木村 守江君  商工委員      野村吉三郎君  同         笹森 順造君  運輸委員      三浦 義男君  逓信委員      松浦 清一君  建設委員      西岡 ハル君  同         若木 勝藏君 同日議長において、常任委員補欠を 左の通り指名した。  内閣委員      亀田 得治君  同         岡田 宗司君  地方行政委員    佐多 忠隆君  法務委員      上原 正吉君  同         木下 源吾君  外務委員      郡  祐一君  同         野村吉三郎君  同         若木 勝藏君  同         松浦 清一君  文教委員      笹森 順造君  商工委員      古池 信三君  同         木村 守江君  運輸委員      西岡 ハル君  逓信委員      永岡 光治君  建設委員      三浦 義男君  同        小笠原二三男君 同日逓信委員会において当選した理事 は左の通りである。  理事 久保  等君(久保等君の補   欠)  同  柏木 庫治君(柏木庫治君の   補欠) 同日衆議院から、同院において修正議 決した左の内閣提出案を受領した。 よって議長は即日これを委員会付託 した。  土地収用法の一部を改正する法律案          建設委員会付託  国家公務員共済組合法第九十条の規  定による公務傷病年金等の額の改定  に関する法律案 内閣委員会付託 同日衆議院から左の内閣提出案を受領 した。よって議長は即日これを委員会付託した。  昭和二十三年六月三十日以前に給付  事由の生じた国家公務員共済組合法  等の規定による年金の額の改定に関  する法律案   内閣委員会付託  下請代金支払遅延等防止法案          商工委員会付託  日本国有鉄道法の一部を改正する法  律案      運輸委員会付託 同日内閣から予備審査のため左の議案 が送付された。よって議長は即日これ を内閣委員会付託した。  北海道開発庁設置法案 同日委員長から提出した左の委員派遣 変更要求書記載通り議長は、即日 これを承認した。    委員派遣変更承認要求書  昭和三十一年四月二十四日提出し、  同日議長承認を得た健康保険法等  の一部を改正する法律案等審査の  ための地方実情調査委員派遣承  認要求書中派遣委員山下義信」  とあるのを「藤原道子」に変更いた  したい。  右要求する。   昭和三十一年四月二十六日        社会労働        委員長  重盛 壽治    参議院議長松野鶴平殿 同日委員長から左の報告書提出し た。  外国人登録法の一部を改正する法律  案可決報告書  訴訟費用等臨時措置法の一部を改正  する法律案可決報告書 同日内閣総理大臣から議長宛外務参 事官高橋通敏君(一昨二十五日議長承 認のとおり)を第二十四回国会政府 委員に任命した旨の通知書を受領し た。 同日内閣総理大臣から議長宛外務参 事官法眼晋作君の第二十四回国会政府 委員を免じた旨の通知書を受領した。      —————・—————
  3. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。
  4. 藤田進

    藤田進君 私は、この際、武器輸出問題に関する緊急質問動議提出いたします。
  5. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 私は、ただいまの藤田進君の動議に賛成いたします。
  6. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 藤田君の動議に御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よってこれより発言を許します。藤田進君。   〔藤田進登壇拍手
  8. 藤田進

    藤田進君 私は、日本社会党を代表いたしまして、中近東向け日本製武器弾薬輸出に関し、政府緊急質問をいたすものであります。  まず、質問の要旨を申し上げまするから、鳩山総理ほか各大臣は、御答弁漏れのないように的確にお答えいただきたいと思います。  鳩山総理に対しましては一点だけでありますが、朝鮮動乱のおかげで、日本特需による兵器産業が活況を呈するという、好ましくない戦争により金もうけをする死の商人役割を演じた。政府は、憲法に定める平和主義を基調として、今後は他国間の紛争を助長し、かつ、これに巻き込まれることと、また、戦争相手国から反感を買い、一般貿易支障をきたすおそれのある武器弾薬輸出は、これを許可すべきでないと考えるが、その基本方針はいかに。これが鳩山総理に対してであります。  重光外務大臣に対して四点あります。その第一点は、シリア向け弾薬輸出が取りざたされているが、重大であると考える。外相は、今日までの国内、国外における本問題の経過を詳細に公表されたい。第二点、英ソ首脳会談がロンドンで開かれ、また、ハマーショルド国連事務総長も現地に参りまして、中近東問題も、世界平和の一環としてその曙光が見え初めましたが、世界は今平和に向いつつあることを外相は認めるかどうか。第三点、政府は、国内兵器産業現状外交方針基本との矛盾をいかに解決するか。武器弾薬輸出問題を契機に、外交方針の確立が要請されるが、その外交方針を明確にされたい。最後に第四点として、外務省筋は、今回のシリア向け弾薬などの輸出に積極的であると聞くが、目下紛争中の国に武器輸出することは、あらゆる角度から見て許可さるべきでないと思うが、いかに。具体的な態度を示されたいのであります。  通産大臣に対しましては六点。その第一点は、武器弾薬輸出に関し、通産大臣としての基本的方針を明示ざれたい。これと関連して、今回のシリア向け弾薬引き合いについて、これを許可する考えであるかどうか。第二点、武器弾薬輸出があるとしても、その量、金額は、わが国貿易全体に占める割合が微々たるものであって、将来、中近東市場日本商品の進出に有望な市場であります。紛争に巻き込まれることなく、一般商品市場開拓に今後一そうの努力をする考えはないかどうか。第三点、経済団体連合会東南アジア諸国に派遣した経済協力使節団、これは実は米軍特需減少に伴いまして、余剰弾薬の処分及び兵器産業育成のため、兵器売り込み海外市場開拓にその任務があったと伝えられております。通産当局はどのようにこれを見ているか、お答えをいただきたい。第四点、原水爆及び大陸間の誘導弾などによって、一瞬にいたしまして世界の人類、生物が、下手をいたしますと破滅するという時代になりました。世界平和の絶対的な要求は、実現されねばならなくなりました、かかる際、国内兵器産業は、今日朝鮮動乱でふくれ上った過剰設備を擁しまして窮状その極に達しつつあるのでありまして、政府はこの際、これら兵器産業過剰設備処理、及び平和産業への転換を考えているかどうか、あるいは兵器産業育成に力を注ぐ方針なのか、お答えをいただきたい。第五点、シリア以外の国において、過去、現在にわたりまして、武器弾薬引き合いがどのようにあるか、実情を説明していただきたい。最後に第六点、武器生産系列買上法仮称)、これを今国会に提案されるやに聞いておりまするが、もしそうだとすれば、その内容及び経緯を明確にされたいのであります。  以下、若干の補足説明を申し上げたいと存じます。最近の中近東紛争は、今や大きな国際問題となりまして、世界注目の的であります。その重要性と、これが波及する影響の人なることを憂えまして、国際連合といたしましても、紛争解決ハマーショルド事務総長を派遣するなど、全力を注いでいるのであります。かかるときに当って、その当事者であるシリアに対し、日本製武器輸出が行われんとする情勢にあることは、単にわが国の一武器産業の盛衰にかかわるだけではなくて、国際外交上における重大な問題であります。わが国国際的地位に与える影響は、はかり知れないものがあります。しかるに事態は、確固たる国策の樹立もなく、業界の意向のままに輸出許可方向に進み、各界に混乱と疑惑の念を抱かせつつある現状は、全く遺憾にたえないところであります。  そもそも、かかる問題の起った原因を見ますると、これは全くわが国における武器製造業に対する政府の指導の誤まりから来ているものと言わざるを得ないのであります。朝鮮動乱契機として、一時的兵器産業の景気に幻惑されまして、無節操な設備の拡大と不当な生産競争は、当時識者から強く警告されたにもかかわらず、何らなすすべもなく、受注の急減いたしました今日に至って、もはや再起不能な苦境のどん底にまで兵器産業はたたきつぶされたのであります。かって政府は、武器製造の調整と規制をするという意図のもとに、公共の安全を確保するため、武器製造法国会提出いたしました。わが社会党は、本法の成立に強く反対いたしましたが、多数で可決されました。その結果がかかる状況であり、このどたんばにきて、政府はその責任を転嫁するため、あえて国際紛争の渦中に巻き込まれ、火中のクリを拾わんとするおろかさは、全く不可解千万であると思うのであります。かくまでしてわが国兵器産業を温存せんとする政府意図は、来たるべき憲法改悪と再軍備につながる野望がひそんでいると言わざるを得ないのであります。かかる野望に対し、わが党は断固戦うものであります。これらの背景を持つところの今回の弾薬輸出は重大と考えるものでありまして、わが国兵器産業をして、かかる苦境に陥れたのは、政府武器製造に対する無為無策による結果だと思うが、その責任をいかに考えておられるか。またこの苦境打開策として、わずかの火事どろ的な輸出、そして死の商人、この役割までやらなければ解決のできない問題と思われているのかどうか。また、国際信義までみずから踏みにじって武器輸出をするのか、あるいは今後の貿易振興等から見まして、これが得策と考えておられるのかどうか、疑いを持つものであります。しかも、かかる暴挙をあえてするにとどまらず、その救済策として、急遽武器生産系列買上法案仮称)を今国会提出されるやに聞いております。これが事実であるかどうか、この際明らかにしていただきたい。今回の武器輸出に対しましては、通産省がやや慎重論を持っておりまするのに対しまして、外務当局は非常に積極論が強いようでありますが、これは全く理解に若しむものであります。外務大臣は、最近の中近東紛争を国際問題としてどのように見ておられるか、見解をお伺いしたいのであります。日本国憲法におきましては、日本国民は平和を念願し、人間相互関係を支配する崇高なる理想を強く自覚するものであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意したと述べております。今回の武器輸出は、この崇高なる決意をみずから踏みにじる行為と思われまするが、この憲法精神に反する行為とは思わないかどうか、その所信をお伺いいたしたい。とにかく、いまだ国際信用を回復していない日本暴挙をあえて強行することは、歴史に汚点を残し、悪徳行為と言わざるを得ないのでありまして、ワシントン発十九日共同によりますれば、米国務省スポークスマンは、日本シリア向け武器輸出については同意した旨の新聞発表がなされているが、その真相を国民の前に明らかにしていただきたい。今回の中近東向け武器輸出は、単に国内兵器産業貿易の問題だけではなくて、国際外交上の重大な問題であります。国際信用と正義に基き戦争を放棄した国民が、東西両陣営の争点となっておりまするシリアへの武器輸出は、日本みずから戦争を助長する行為となるのであります。国際外交上、世界に与える影響は非常に大きいと思うが、どのように見ておられるか。なお、また日本製武器輸出は、今回の中近東に限らず、今後憲法精神から見て、国際信義上から見て、政府といたしましての基本方針をこの際明確にされたいのであります。  以上、述べまして、それぞれの的確なる御答弁を要請いたします。(拍手)   〔国務大臣鳩山一郎登壇拍手
  9. 鳩山一郎

    国務大臣鳩山一郎君) 藤田君の御質問お答えをいたします。藤田君の言葉を借りて申しますれば、死の商人役割となる武器輸出について、お答えをいたします。  武器輸出に関しましては、これにより国際紛争に巻き込まれることを避ける意味において、きわめて慎重に取り扱わなければならないと考えております。ただ広義の武器、すなわち軍隊用品等諸般情勢から判断して支障なしと認められるものにつきましては、いずれの国に対しても差別することなく輸出する場合もあり得ると考えられます。これを要するに、国際関係に及ぼす影響を総合的に勘案しつつ、個々の場合について慎重に取り扱うつもりでございます。  以上をもって答弁といたします。(「具体的な問題に対してはどう考えるのだ」と呼ぶ者あり)慎重に取り扱うということであります。   〔国務大臣重光葵登壇
  10. 重光葵

    国務大臣重光葵君) お答えいたします。  中近東情勢が緊迫をいたしておったということは、その通りに私ども考えております。そこで非常に英米等を初めとして、この緊張を緩和したいという努力をいたしておることもお話通りであります。国際連合の問題となりまして、事務総長ハマーショルド氏が中近東に参りまして、そうしてエジプトとイスラエルの間を仲介をして戦争回避方向事態を向けることに成功したという報道がございます。われわれの非常に歓迎しておる報道でございます。かようにして中近東の平和が救済されることを衷心から希望をいたしておるわけでございます。わが国策といたしましては、御承知通りに、国際紛争は平和的にすべて話し合いをもって解決をして行くべきであるという主義を持っております。われわれはこれを平和外交と唱えておるものであります。そこでこれらの紛争の地域に武器輸出するということは、最も慎重に考えなければならぬということであって、それは先ほど御質問によっていろいろ御意見を述べられた、私はそのことについて全然御同感でございます。もとよりこの自衛権を持っておる以上は、軍需産業ということは、これは必要でございますから、これはりっぱにやって行かなければならぬと思いますが、それと海外に対する武器輸出ということは、おのずから別問題と考えております。そこで、シリアにおける武器輸出の問題がございました。この問題の発端は、四月十一日にワシントン発UP電がこういうことを伝えております。米国官辺筋報道として、日本米国規格兵器の対シリア輸出につき、米国許可申請を行なっておると、こう報じたことに基因しておるのでございます。これは日本商社米軍との間の契約に基いて、米国規格を使用する場合には、あらかじめ米国側の承諾を取りつける必要があるとされておるところによってなされたものでありまして、商社としては、この手続を経た上で、その後に政府に、日本政府申請する順序となっておるのでございますが、このUP電報に報ぜられたことについて、いまだ何ら政府申請は出てきておりません。出て参りました場合においては、今申し述べまする方針によって、これはきわめて慎重に取り扱わなければならぬと思います。そこで具体的の問題ができたときに、この方針によって一々これを検討するつもりでございます。そこで、外務省として特に積極的であるというお話がございましたが、外務省は以上のごとき方針をもって進んでおります。あるいは外務省が積極的にいろいろ考えておるということが、新聞にありましたかしりませんけれども、それは新聞が少し行き過ぎております。そういうことは考えておりません。  それから、さようなことによって全体の貿易増進、促進を阻害するような傾向になることは、最も慎しまなければならぬとわれわれは考えておるのでございますから、この問題については、決して行き過ぎたことは外務省考えておらぬことを申し上げて、私は御答弁にいたします。(拍手)   〔国務大臣石橋湛山登壇
  11. 石橋湛山

    国務大臣石橋湛山君) お尋ねは数点ございましたが、大体ただいま総理大臣及び外務大臣からのお答えで尽きておると思います。  今、外務大臣から言われましたように、武器のメーカーが、アメリカ規格によって何かそれを作って、その関係上、アメリカの方へ何らかの接触をしておるということは聞いておりますが、いまだ日本政府の方に、その結果として、輸出許可を求めてはきておりません。(「きたらどうしますか」と呼ぶ者あり)求めてさましたら、むろんこれは慎重に検討すべきものであります。でありますが、今の、まあこれは先走って、許可するとか、しないとかいうことは言うべきものじゃないと思いますが、しかしながら、これも外務大臣が今言われましたように、中近東方面日本の重要な貿易市場であります。その一般貿易市場をくずすがごとき、混乱に陥れるがごとき武器輸出、しかもその武器輸出は、おそらく大したものではないでありましょうから、そういうわずかばかりの武器輸出によって、全体の貿易を破壊するようなことは、これは通産省としては絶対にいたしたくない、かような考えでただいまおります。  それから経団連人たちが、東南アジアへ行って、武器輸出の問題を何か討議したというようなことをお話でありますが、私はそういうふうに聞いておりません。これは政府として、むろん全然関係のないことでありますし、また、特に武器輸出の運動を経団連がしたとも思いません。  それから一つ、武器と申しましても、日本で作っておるのは、御承知のように銃砲禅だけであります。ほかにはほとんどないのであります。銃砲弾生産過剰の状態が起って、その設備処理に困っておることは事実であります。しかしながら、これはその過剰設備を全部どうするというわけには行きませんが、しかし、日本としても自衛軍を持っておる限りは、全然こういうものが要らないとは言えない。将来のことを考えますと、ある程度の設備を持つ必要は、これは自衛軍がある限りは必要であります。そこで、実は私どもとしては、そのうちのある必要な系列のものを、何らかの形で国家が資金を出じまして、これを保留して、将来の生産に備えるという方法を講ずる考究をいたしましたが、これがまだ結論に達しておりません。従って今度の国会に、先ほどお話武器生産産業、何か系列買上げというようなことの法律を出すということは決定しておりません。だが、そういう必要があるということを感じて研究をしておることは事実であります。  それから、シリア以外に何か武器輸出引き合いがあったかというお話でありますが、これは武器らしいものはありません。何かどこかに双眼鏡か何かの輸出があって、双眼鏡なんかも武器の中に入れればあるいは武器になるかもしれませんが、何か双眼鏡の輸出があったということを聞きましたが、そのほかにはございません。  以上、お答えいたします。(拍手
  12. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 藤田進君。   〔藤田進登壇拍手
  13. 藤田進

    藤田進君 ただいまの御答弁では、お尋ねいたしました一番肝心なところがすべて回避せられておりまするので、再質問いたしたいと思います。  鳩山総理は、慎重に扱うというお答えでありましたし、外相も同様であります。その慎重に検討し、扱うことの方法について何ら異議はございません、異論はありませんが、お尋ねいたしておりまするのは、その慎重に扱われた結果、具体的に現在出てきておるこのシリア向けの輸出、これをどういう結論を持つのか、売り出すのか売り出さないのか、その結論だけをお尋ねいたします。これは首相と外相にお尋ねいたします。  それから通産大臣は、ただいま質問いたしました使節団について、稲垣平太郎氏を団長とするこの使節団に対して、全然関知しない、知らない。そんなことがあったのかどうかも知らないという意味だろうと思うが、しかし、これは通商産業に直接関係を持つ使節団であることについては、これはもう否定できないものでありまして、しかも通産大臣が知らないとすれば、この際、重光外務大臣にお尋ねいたしますが、パスポートは出ておると私は思います。密出国ではないと考えられる。だとすれば、外務大臣はどのような扱いで、このパスポートをお出しになったのか、これらについてお尋ねをいたします。なお、通産大臣は思い起されたならば、この際ちゅうちょなく知っておる事情を、さらにお答えをいただきたいことを要請いたします。  日本兵器産業が、通産大臣はきわめてばく然たることを申されておりますが、武器生産実績その他から、ここに数字をあげてみますと、過去三カ年間、三十一年の、今年の一月までに特需が四百七十八億円、防衛庁関係が四億円あります。ところで、受注の残というものが三十年の十二月末が百二十六億で、今年の六月末をもってほとんどもう納入済みになってしまう。六月以降の受注の見通しは全くない、ゼロなんです。こういも実態に兵器産業はおかれておるわけであります。ここに通産大臣として、兵器産業をどう今後考えて行くのか、国策としての兵器産業はどうなのか、こういうことをお尋ねいたしておりまするので、具体的なここに兵器産業処理について、重ねてお答えをいただきたいと思います。  それからシリア以外の国々に対しては、兵器輸出関係の話はないというふうに聞き取れたのでありますが、しかし過去の実績を見ましても、三十年十二月末の輸出実績は七十六万ドル、約二億七千万円、輸出先はビルマ、タイ、台湾、こういう実績がすでにあるし、これはさらに南ヴェトナムあるいはパキスタン、さらにタイ、台湾などに続けられると考えられるのであります。また、さらに情報によると、すでにシリア引き合いの話を出しまする前に、イスラエルがこれよりもずっと先に、日本に対してその引き合いの話があったということであります。これらの事情については、この際やはり明確にせられんことを要請いたします。以上。(拍手
  14. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総理大臣は自席において答弁することを許可いたしました。
  15. 鳩山一郎

    国務大臣鳩山一郎君) ただいまの御質問に対しまして答弁をいたします。  日本武器輸出したという事実はございません。将来についても、考え方は、世界戦争に巻き込まれないように、きわめて慎重に行動しなくてはならぬと思います。(「台湾へ出したことはないか」と呼ぶ者あり)ないはずであります。   〔国務大臣重光葵登壇拍手
  16. 重光葵

    国務大臣重光葵君) お答えいたします。  シリア、また、イスラエルの問題も指摘されました。これについては、先ほど申し上げました通りに、具体問題としてまだこういう問題は起っておらぬということを私は申し上げました。その通り承知をいたしております。そこで、具体問題がそれでは起ったらばどうするかということになりますというと、これは具体的にいかなるものであるか、その実態について検討しなければ、武器と言われないものを武器として禁止するということも行き過ぎでありましょう。それからまた、武器でないといっても、武器のようなものを出していることは、これはむろんいけません。そういうことは十分に検討してやる。その方針は、それではどうであるかというと、これはよほど厳格にやらなければならぬと、こう考えます。そういうことの趣旨を今総理大臣お答えになったのでありますから、それで、御了承願いたいと思います。(拍手)  それから、経団連の調査団派遣に対して旅券を出したかということを言われました。私は、これは出したと申し上げて差しつかえないのであります。出しました。しかし経団連の旅行が、武器の取引にあるということは、私どもは少しも承知をいたしておりません。経団連は、ときどき使節を出して、そうして経済協力のために、もしくは貿易増進のために努力をいたしているのでございます。その意味におきまして、市場調査の任務をしているということで旅券の申請をして参ったのでございますから、これは適当と思って旅券を出したわけであります。  どうぞ御了承願います。(拍手)   〔国務大臣石橋湛山登壇拍手
  17. 石橋湛山

    国務大臣石橋湛山君) 私への再質問の点は、一つは、経団連東南アジアに行った使節団のお話であったようであります。これは、先ほど私は知らないと申したのは、これらの人たちが行ったことを知らないと申したのではないのでありまして、兵器輸出のために稲垣君が行ったということは知らない、そうは聞いておりません。一般貿易のために出たものと私ども心得ております。  それから次に、いわゆる兵器産業、まあ銃砲弾でありますが、それらが一時の特需が減りまして、そうしてもうほとんど需要がなくなった。また、日本の自衛隊の注文も現状においてはほとんどない。こういうわけで、生産設備が非常に余って、ほとんど余ってしまったということは事実であります。これは、このまま放って置いていいかどうかということは大きな問題であります。しかしながら、あの設備を全部どうするかということもなかなかむずかしいことと思いますので、そこで私としては、とにかく先ほど申し上げましたように、日本にも自衛隊があり、この自衛隊を維持するためには、銃砲弾その他の武器のない自衛隊は人形でありますから、人形みたいな自衛隊を置くことはむだでありますから、自衛隊を置く限りは、銃砲弾も必要であります。従って、それに対する生産設備も置かなければならない、その必要な生産設備だけは、何らかの形で維持するようにいたしたい、かように考えて研究をいたしております。しかし、その自衛隊の規模ないし自衛隊がどれほどの今後銃砲弾等の需要があるかということがきまって参りませんと、産業規模がきまりませんから、そこで目下自衛隊といろいろとかかわり合っておりますが、自衛隊の方面と防衛庁の方とその問題は検討をいたしておる段階でございます。で、先ほど申しましたように、もしそういう検討の結果、何らかの結論が出ましたら、必要な系列だけの生産設備は何かの方法で残したい、かように考えております。(「輸出実績は」と呼ぶ者あり)輸出は、私の承知している限りでは、ございません。以上。(拍手)      —————・—————
  18. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 重光外務大臣から、日本・フィリピン間の賠償交渉に関する経緯報告について発言を求められました。この際、発言を許します。重光外務大臣。   〔国務大臣重光葵登壇拍手
  19. 重光葵

    国務大臣重光葵君) 日比賠償交渉は、鳩山内閣以前すでに数年にわたって継続されておりましたが、双方の熱意にもかかわらず、ついに結実するに至らなかった次第であります。今日、ようやくその解決の見通しを得るに至りまして、ここに交渉の経過の大要を御報告申し上げるの機会を得ましたことは、私の最も欣快とするところでございます。  日比賠償問題の解決は、これが日比両国の国交正常化の前提として必要であるばかりでなく、これによって通商貿易の増進もまた期待せられると思う次第でございます。  昨年春、第二次鳩山内閣が成立するや、フィリピン大統領マグサイサイ氏は鳩山総理に、賠償問題を早期に解決し、両国国交の正常化を期待する旨の親電を送って参りました。鳩山総理は、直ちにこれに対して、同感の意を表するとともに、解決促進のために、まず賠償支払い方法について具体的に検討することが適当であろうとの考えのもとに、専門家会議を東京に開催することを提案いたしました。その結果、昨年三月末より六月上旬に及ぶ二カ月以上にわたって、日比両国の専門委員の間に詳細な研究討議が行われたのでございます。その間、フィリピン大統領の外交顧問であるネリ大使が、専門家会議の審議状況視察の目的で来朝し、その機会にわが方と非公式の話し合いをなしたのでございます。ネリ大使の帰国後、マグサイサイ大統領は八月十三日付の書簡をもって、鳩山総理にあてて、ネリ大使のこしらえた試案をもととする案を正式に提案して参りました。このフィリピン側の提案は、大要五億五千万ドルの賠償と、二億五千万ドルの長期開発借款をワクとするものでございます。  政府は、右案の内容についてマニラ駐在のわが代表をして、先方のネリ大使と非公式の交渉を行わしめて、その内容を検討いたしたのでございます。この交渉は約六カ月余にわたって続行されまして、その結果、本年二月末には双方において原則的意見の一致を見るに至ったのでございます。よって政府は、フィリピン側の提案を基礎として正式に協定をなし得るに至り、その趣旨の回答をフィリピン政府に出すことになりまして、特に藤山愛一郎氏を総理大臣の特使として、去る三月十三日にマニラに派遣して、わが方の意向を直接マグサイサイ大統領に伝達せしめたのでございます。  今日までの内交渉によってまとまった賠償協定草案なるものは、わが国が五億五千万ドルに相当する日本人の役務及び日本生産物をフィリピンに提供することを骨子としておりまして、その支払方式は、対ビルマ賠償協定及びその実施細目協定の原則に沿って作られておる次第でございます。  また第二の経済開発協定に至りましては、二億五千万ドルに相当する日本人の役務及び日本生産物をもってする民間借款を提供することに規定されております。  四月十二日、藤山特使が一時帰国しまして、なお残された主として技術的諸点に関する交渉について、政府に詳細報告いたしました結果、政府といたしましては、日比双方の意見の歩み寄りの可能性を認めまして、特に藤山氏を政府代表に任じて、一そう交渉の促進をはからしめたのでございます。かようにして交渉はきわめて順調に進んで参りまして、現在双方の意見は主なる問題について一致するに至り、全面的妥結の時期はきわめて近い将来と認められるように相なったのでございます。  従って、近く右賠償協定及び経済開発借款協定が成立の上は、直ちに国会の御承認を得るために案を上程していただく運びと相なっておるのでございます。その節には、どうぞよろしく御協力を願いたいのでございます。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  20. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) ただいまの発言に対し質疑の通告がございます。順次発言を許します。左藤義詮君。   〔左藤義詮君登壇拍手
  21. 左藤義詮

    ○左藤義詮君 無謀の戦いに敗れたわが国が、戦争中に与えた損害及び苦痛に対して、連合国に賠償の責任を負わされましたことは、残念ながらまことにやむを得ざる宿業でありました。従って、関係国と一日も早く賠償の協定を結び、国交の回復と貿易の伸長をはかるべきは国民当然の要望でなければなりません。吉田内閣は、さきにビルマとの賠償条約を締結しましたが、これと相並んで、フィリピンとも、いわゆる大野・ガルシア協定までこぎつけながら、先方の都合によって、妥結寸前に流産のやむなきに至りました。日比両国ともに、東亜の民主主義国家として長き親善の歴史を有した関係から、両国国交の増進は、東亜、いな世界の平和に裨益するところ甚大なるものがあると信じます。鳩山内閣成立以来、対比賠償の解決に忍耐強き折衝を続け、五カ年におたる長き陣痛の後に、ようやくその成立の見通しを得るに至ったことは、まことに欣快の至りであります。しかしながら、みずから莫大なる戦災の惨禍に悩み、狭隘なる国土に九千万の人口を擁するわが国にとって、賠償の十字架がいかに重く、かつ苦しきものであるかは、今さら申すまでもありません。第一次大戦後のドイツに課せられた賠償のくびきが、後々までも西欧、いな全世界の動揺と混乱の原因となったことは歴史の示す通りであります。さればこそ、サンフランシスコ条約においても、「存立可能な経済を維持すべきものとすれば、日本国の資源は、日本国がすべての前記の損害及び苦痛に対して完全な賠償を行い且つ同時に他の債務を履行するためには現在充分でないことが承認」せられておるのであります。ただいま御報告の対比賠償案が、実に二十年の久しきにわたって私どもの子孫に対する負担を残すという点から見ましても、その内容について十分の検討を加えるべき責任を感ずるのであります。私はここに自由民主党を代表して、以下数点につき外務、大蔵両大臣に質疑を試みたいと存じます。  第一に、賠償の総額でありますが、かつての大野・ガルシア協定が四億ドルであったのに比べまして、五億五千万ドルというのは相当の増額でありますが、そのかおり、これが支払いの期限及び条件については、極端な無理にならぬよう十分考慮されておると思いますが、その内容を比較して国民の納得の行くように御説明をいただきたいと存じます。  第二には、五億五千万ドルの内訳でありますが、マグサイサイ大統領が昨年八月十三日付書簡をもって総理に示された試案によりますと、五億ドルが資本財、二千万ドルが現金、三千万ドルが役務ということでありました。前に引用いたしましたサンフランシスコ条約の趣旨によって、「日本国は、現在の領域が日本国軍隊によって占領され、且つ、日本国によって損害を与えられた連合国が希望するときは、生産、沈船引揚げその他の作業における日本人の役務を当該連合国の利用に供することによって、与えた損害を修復する費用をこれらの国に補償することに資するために、当該連合国とすみやかに交渉を開始するものとする。」ということを定めました。さらにまた「原材料からの製造が必要とされる場合に臓、外国為替上の負担を日本国に課さないために、原材料は、当該連合国が供給しなければならない。」ということを規定しております。この趣旨に基いて、どこまで現金や資本財が減らされて役務の比率が増加せられておるか、いわゆるペソキャッシュは完全に落されておるかどうか。原材料の供給について十分の確保が得られておるかどうか。さらにまた、先方の要求する直接賠償取り立て方式に関連して、外交特権の認められる在日賠償調達官とわが方商社との間に紛争が起った場合の裁判管轄権はどうなのであるか。すでに本日午後には、ト部・ラヌーサ間において仮調印が行われるという段階にさし追っております以上、国民の最も心配する五億五千万ドルの内訳について、この議場から詳細の説明を承わっておきたい。  第三に、二億五千万ドルの経済開発借款について。これは純粋の商業ベースによる彼我商社間の話し合いによるものであって、政府はこれに対して何らの責任または義務を持つ必要がないものでありましょうか。たださえ資本の蓄積が乏しく金利の高いわが国から、国際水準の低金利で政府からの援助や補償もなしに借款に応ずる民間会社があり得るでしょうか。先方から借款の返済期限の最短期間や利率などの規定が要求されてはいないでありましょうか。真に純然たる民間借款であるならば、何の必要があって政府政府との間で協定をいたすのか。政府が保証しないで取りきめるというならば、一体いかなるものを取りきめようとするのか。もし政府において何らかの保証をするというならば、どの程度までの保証をするのであるか。たとえば日本輸出入銀行の借款基準で利率や償還期間などが拘束されぬよう何らかの特別措置が必要とされるのではあるまいか。将来、借款についての紛争が起った場合の処置はどうなるのであるか。タイ国との特別円の処置につきまして両国間に重大なる見解の対立を示しているようでありますが、二億五千万ドルにも上る膨大な民間借款について、あとで見解の相違を生じたり、実施に当っての紛争を起すようなことがありましたら、それこそ両国民の長き不幸と申さなければなりません。こいねがわくは将来に禍根を残さぬよう、日本人の役務及び日本生産物による民間借款の内容について、できるだけ詳細の御説明が願いたい。  第四点、ただいまの御報告に、本問題の解決は、両国の国交正常化に必要なばかりでなく、これによって通商貿易の増進もまた期待せられると仰せられましたが、耐えがたきを忍んで賠償に応ぜんとする私どもの希望もまた実にこの点にかかるのであります。鳩山首相の特使として日本商工会議所の会頭たる藤山愛一郎氏を派遣せられましたのも、これに重点を置かれたものと存じますが、この国民の要望に対してどれだけの見通しが立てられたか。この両協定と同時に通商航海条約並びに通商協定締結せられて、両国間の最恵国待遇が保証せられんことを念願いたしますが、もし同時にというわけに参らぬとすれば、できるだけ早い機会に貿易の拡大均衡を目途とする条約の実現を見るべきだと思いますが、外務大臣のお見通しはいかがでございましょう。現にフィリピン中央銀行は三月二十七日付告示で輸出規則を改めまして、対日輸出はCIF建、すなわち運賃、保険料込みの到着港渡し契約でなければ許さないと決定しております。従来フィリピンからの輸入は、輸送がほとんど日本船なので、木材、鉄鉱石を初め、大部分がFOB建の契約でありますが、これが全部CIF建となりますと、積み船の選択権をフィリピン側にとられ、かつ運賃収入が減ることによって、わが方、特に海運界にとっては非常な損失となることは申すまでもありません。特に賠償交渉中にその告示の出たことは国民の一人として懸念にたえません。今後二十年の長きにわたる賠償の実施が一般の通商貿易を阻害しないよう十分の工夫があるかどうか、戦前における対比貿易の実績等から見て、将来どれほどの輸出入が見込まれているか、あわせて御答弁願いたいと存じます。  第五にお伺いしたいのは、本協定が、さきに締結せられましたビルマとの条約や、次に交渉さるべきインドネシアとの協定に対し、何らかの影響を及ぼすことがないかどうか。ビルマにおいて賠償額及び借款額の均衡上、再検討条項が取り上げられるようなおそれはないかどうか。インドネシアに対しましては、わが国が現在相当の焦げつき債権を持っておりますが、これが来たるべき賠償交渉に借款の重荷にならぬかどうか、右の両国との関係について、政府は十分の考慮が払われ、最善の措置が講ぜられているかどうか、念のためにお伺いしたいと存じます。  最後に大蔵大臣にお尋ねいたしますが、去月二十七日成立いたしました本年度予算においては、その原案作成の途上において賠償実施費が大幅に削減せられた経緯もございまして、今、対比賠償が成立するとして、果して十分にこれをまかない得るかどうか、本年度内において補正の必要が生じないかどうか。役務の労賃にいたしましても、物資調達の支払いにいたしましても、これが重なりますと相当インフレ促進の要因と見られますが、さらにまた、ガリオア、イロアの返済その他も加わりまして、財政経済の前途は、はなはだ容易でないと案ぜられるのでありますが、これらに対する大蔵大臣の明快なる御所見を承わりたいと存じます。(拍手)   〔国務大臣重光葵登壇拍手
  22. 重光葵

    国務大臣重光葵君) お答えを申し上げます。  今回協定を見んとしている賠償問題、賠償額は五億五千万ドルでございまして、残余の二億五千万ドルは、御説明申し上げた通りに民間借款ということになっております。もとよりこの賠償額は、日本にとって非常に大きな負担でございます。戦後の日本の条約上の義務として、難きを忍んで努力してこの交渉を進めてきたことは御推察にかたからぬことでございます。しかし、もちろん日比双方の間において、国交関係を回復樹立して、そうしてそれによって経済関係を密接にして行くということは、ぜひこれは、とらなければならぬことであることは申すまでもございません。そこで、この協定ができましたわけでございます。その内容につきましては、今すべてを発表することはできませんが、これは、発表のできる時期、協定が成立しましたならば、でき得るだけすみやかにその内容をすべて発表いたす考えでございますから、それによって御承知を願わなければなりません。賠償額五億五千万ドルは、役務及び生産物でこれを払うということになっております。そうして、どうしてそれを払うかということにつきましても、先ほど申し上げました通りに、ビルマ協定に準じてすべてやっておりますが、その細目も詳細に取りきめております。また紛争が起った場合のことも、それに規定されておるのでございます。  それから借款の問題について、むろんこの借款の問題が賠償に関係があるから協定をされたのでございますが、しかしその本質は、借款自身の性質は、民間借款であるということを御説明を申し上げました。政府は、その民間借款のできるように努力、援助をいたしたいと考えますが、しかし、政府自身のそれが義務となっておるわけではないということを御説明申し上げたのでございます。それらの点も、すみやかに公表をいたして御批判を仰ぐつもりでございます。  それから、むろんこの賠償交渉は、その目的とするところは、将来国交を樹立して、さらに経済関係を促進するということでございまして、双方の貿易をますます拡大して行こうという考え方は、交渉の初めから両方において、そういう考えは一致して交渉を進めてきた次第でございます。それに、直接は影響があったかということはわかりませんけれども、しかし最近の日比間の貿易は非常な長足の進歩を遂げておることも事実でございます。従いまして、賠償協定がほんとうにできましたのちには、さらに貿易が増進するということは、これはもうほとんど疑いを入れぬと思います。しかしそれに対しては、やはり政府といたしましては努力を具体的にしなければなりません。そこで御推測の通りに、藤山特使が先方に行って、そういう方面のことについて向うの意見を聞き、努力をしておることは、その通りでございますが、政府といたしましては、この賠償協定が片づきまするならば、直ちに貿易協定の交渉にかかりたいと思う。またひいては通商条約の締結をも考慮し、促進しなければならぬと考えておる次第でございます。  なお、最近比島銀行の決定が、貿易に非常に因るという点を御指摘になりました。その通り考えて、これは実に当惑しておることでございまして、目下先方に対してこのことについて交渉をいたしておる状況でございます。  なお最後に、ビルマ、インドネシア等に、この協定が、賠償問題として影響を持つことはないかという御指摘でございました。この点は、ビルマの賠償協定に、将来ほかの国との賠償協定ができた場合において、ビルマとの賠償協定とはなはだしく差がある場合においては、またこれも考慮するというような趣旨の規定がございますのに基因することと思います。十分にその点も考慮し、注意をして、その交渉を進のてきたわけでございまして、今日のところにおきましては、いろいろ比較検討をいたしましても、ビルマ賠償に影響はないという見当を持っておる次第でございます。インドネシアにつきましては、まだ具体的に何らの話し合いがございません。ございませんけれども、将来はなるべくすみやかにインドネシアとの賠償問題を解決しなければならぬと、こう考えております。その方面については、賠償機運の促進という点からみれば、いい影響はあると考えます。  以上をもってお答えといたします。(拍手)   〔国務大臣一萬田尚登君登壇、   拍手
  23. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) フィリピンの賠償協定が成立いたしました後、本年度の賠償実施額でありますが、これは協定の効力が発生いたしました後におきまして、両国間で実施計画を検討いたしましてきめるわけであります。どういうふうになりますか、その検討を待つわけでありますが、予算の関係におきましては、賠償特別会計に相当の予備費を持っておりますので、私といたしましては、特にこの補正予算を組む必要はないと考えておる次第であります。(拍手)     —————————————
  24. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 佐多忠隆君。   〔佐多忠隆登壇拍手
  25. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 ただいま重光外務大臣がなされた日比賠償交渉に関する報告に対して、私は日本社会党を代表し、数点について質問をいたします。  質問の前に、私はただいまの報告に対し非常に遺憾の意を表します。外務大臣は、単に交渉のいきさつを全く事務的に、おざなりに報告しただけです。交渉の内容、問題点について、ほとんど触れておりません。それは片々たる報告記事よりもお粗末なものであります。これでは国会を軽視し、むしろ愚弄しておるとしか思えません。今後はかかることのないように十分に注意さるべきことを厳重に警告をいたします。  わが国が対比賠償問題をすみやかに解決をし、フィリピンの経済復興、開発に積極的に協力をし、同国との貿易を拡大しなければならないことはもちろんであります。この賠償は、対日平和条約の精神にのっとって、役務を原則とし、慎重に検討された支払い可能な適正額にとどめ、ビルマ賠償に準じて行うべきだと思います。しかるに残念ながら、ただいまの重光外務大臣報告からすれば、その精神、態度が少しも認められないのであります。  これらの事情を明らかにするために、まず第一に、いわゆる八億ドル賠償案について、外務大臣と大蔵大臣にお尋ねをいたします。これまでの内交渉においてまとまった賠償協定草案は、わが国が五億五千万ドルに相当する役務と生産物をフィリピンに与えることを骨子とし、また経済開発協定では、二億五千万ドルに相当する役務と生産物をもってする民間借款を与えるということになっております。これでは、昨年の八月十三日にマグサイサイ大統領が提案をいたしました五億五千万ドルの純賠償と、二億五千万ドルの長期開発借款、総額八億ドルを賠償解決のために支払うべしという案と本質的に何ら変っておりません。日本はついに八億ドル賠償案をのまされたと言わざるを得ませんし、フィリピン当局は、総額八億ドルのワクをくずしていないと声明をいたしております。果してこれでいいのかどうか。それとも民間借款は、賠償とは全然別である、従って賠償は五億五千万ドルだと、外務大臣は明確に責任を持ってここで断言ができるのかどうか。この点は非常に重要な点でありますから、重光外務大臣のお得意な、慎重というか、しどろもどろというか、あいまいな答弁でなしに、明瞭にお答えを願いたいのであります。(拍手)  総額八億ドル、年間約四千万ドルの対外支払いは、私たちの計算によりますと、わが国の対外支払い能力、財政支出力等から見て、総合的に勘案をしまして過大であり、支払い困難となる危険があります。のみならず、国民に対する過重な負担となることは明瞭であります。政府はどんな数字的な根拠に基いてこの金額を受け入れられる決断をなされたのか、その検討の内容の詳しい報告を一萬田大蔵大臣に求めます。そういう検討は何らなされないで、卒然としてウのみにされたのだという批判がもっぱら行われておる際でありますから、特にこの点の詳しい答弁要求いたすのであります。  日比賠償がこの案、この金額できまりますならば、インドネシアに対しても相当過重なものを負担せねばならなくなるのでありましょう。インドネシア外相は一両日前、すでに賠償問題解決のためにある提案を日本側になし、日本からの反対提案を待っておると言明をいたしておりますが、しかるに先ほどの外務大臣の御答弁によりますと、そういうことは何らないというお話でありますが、この間の事情はどうなっておるのか、正確に、しかも正直に御報告を願いたいと思います。ビルマも対比賠償に準じた増額を要求することが予想されます。政府はどんな根拠に基いてそのおそれなしと言われるのであるか。衆議院においても、あるいはただいまの御答弁においても、そういうおそれはないという返事をされるだけで、どういう根拠に基いてそのおそれなしと言われるのかが少しもはっきりいたしておりません。この点を詳しく御説明を願いたい。  第二の質問は、純賠償額五億五千万ドルについてであります。マグサイサイ大統領の提案によりますと、五億五千万ドルは、五億の資本材、二千万ドルの現金、三千万ドルの役務と区分をされ、その支払いは、五カ年間に支払わるべき二千万ドルの現金を含み二億五千万ドルは最初の十年間に、三億ドルは次の十年間になさるべしとされておりました。これが交渉の結果、どう妥結したことになったのか。現金賠償は削られて、加工賠償方式に変ったと言われておりますが、一定のフィリピンに対する輸出品について日本側は一割値引きして供給をする、日本政府国内輸出業者にその一割を加工賃として支払うということになると言われております。そうすれば、それだけ外貨の手取りが少くなり、現金賠償と何ら変らないことになると思います。全く見え透いたトリックにすぎません。役務の比率が過小で、資本材が過大な原案はどういうふうに訂正されているのであるか。単にその区分けを一応取り除いたというだけでは、原案の不合理は訂正されません。問題をあいまいにし、紛争を後に残すだけであります。この点は左藤君からも指摘をされ、質問をされたのにかかわらず、この辺のあいまいさは何ら説明がなされておりません。この点はどういうふうに解決されたのか、はっきりとお答え願いたいのであります。  第三に、民間借款についてお尋ねをいたします。昨年の八月十六日、フィリピン大統領府の発表したところによりますと、日本政府は、両国政府の合意する期間中に二億五千万ドルに達する長期にして低利な借款を与えることに便宜をはかり、助成促進することを引き受ける。これらの借款は商業ベースで、従って日本の民間商社がフィリピンの民間商社へ与えるものであるが、それは全額政府出資の日本輸出入銀行を通じてなされると、こういうふうになっております。そして去る十六日、政府、与党首脳会談で了承したと言われる民間借款に関する藤山私案なるものの内容も、またほとんど文字通りこれと同じであります。そうだとすると、フィリピンの主張、すなわち民間借款を純賠償の上積みとし、賠償は依然として八億ドル案ということが貫かれておると言わざるを得ません。民間賠償は純然たる商業ベースで処理すべきで、政府は何ら義務を負うものでないという日本側の主張は全く葬られておるとしか思えません。先日の外務委員会において、藤山私案に対して、重光外務大臣がとんでもないと憤激された心情がわれわれにはよくわかります。その重光外務大臣が、今はこの藤山私案に全く屈服をされたのかどうか、その辺の経緯こそ詳細にお述べ願いたい。  第四の質問は、対比貿易の拡大についてであります。賠償と借款によって多額な日本品がフィリピンに出される以上、正常貿易がそれによって食い込まれることは火を見るよりも明らかであります。とすれば、それと同時に、貿易拡大のための具体的の措置が同時に取りきめられなければなりません。藤山愛一郎氏は、そのためにこそ派遣されたのでしょう。それは一体どうなっておるのか。単に将来通商航海条約を結び、それ以前にも暫定的に通商上の制限を緩和すると共同声明をするだけでは、具体的な措置になりません。具体的措置のためにどんな折衝、努力がなされ、どんな取りきめができたのかを詳しく御報告を願いたいのであります。(拍手)  第五に、そして最後に、鳩山総理にお尋ねをいたします。対比賠償がいかに過大であり、そのためにこれを訂正すべくいかに困難な折衝が長期にわたってなされたか、にもかかわらず、当初のネリ大使提案が、本質的には何ら変っておらないということが今や明瞭であります。そのネリ大使案こそは、昨年五月末、同氏が来日をした際、鳩山総理に直接に提示をしたもので、それを、今後二十年間も国民に非常な負担をかける重要案件を、鳩山総理、あなたが閣議にもかけないで一例の軽はずみに外国にコミットして失ったものにほかなりません。その過ちをどう訂正すべきかに長く苦心惨たんしたにかかわらず、ほとんど修正されずに、そのままで突き出されてきたものが、この対比賠償八億ドル案であります。われわれ国民は、この鳩山総理の軽率を単に不注意の誤りとして許すわけには参りません。国民に末長く過大な負担をかける結果になることを思うときに、鳩山総理はいさぎよく政治的責任をとるべきだと思います。(拍手鳩山総理はいつそれを決意し、いかなる形で決行されるのか、詳しく説明をし、決断をはっきり示されることをここで要求をいたします。(拍手)   〔国務大臣鳩山一郎登壇拍手
  26. 鳩山一郎

    国務大臣鳩山一郎君) 昨年のネリ大使と政府首脳部との話し合いは、意見の交換をなしたものでありまして、了解をし合ったというわけのものではありません。その後の交渉経過によってみましても明らかでありますがごとく、今日の了解に達するためには、長期の折衝を必要としたのであります。ようやく近く賠償問題が解決することは、私としては非常に喜んでおるわけであります。(「責任はどうした」「責任問題だ」と呼ぶ者あり)私は日比の賠償問題が解決したことは両国のために喜ぶべきことだと思います。決して責任をとる気分はございません。(拍手)   〔国務大臣重光葵登壇拍手
  27. 重光葵

    国務大臣重光葵君) 佐多委員の御質問お答えを申し上げます。  私の報告に対して御不満を表明されました。私は交渉の経緯をそのままに御報告申したつもりでございます。それが私の義務だと考えております。御不満の点はよく承わっておきます。  それから次の具体的な問題になります。一体賠償額は幾らか、はっきり言えと、こういうお話でございました。この協定は、でき次第に皆さんの前に出すつもりでおりますことは、先ほど申した通りであります。それによってすぐおわかりになります通り、これは賠償協定と借款協定との二つになっております。そこで賠償は幾らかとおっしゃれば、賠償は五億五千万ドルであると、こうはっきり申し上げます。そこでこういう協定をすることは、日本側にとってずいぶん大きな負担である、なるほど私はこの負担になることはその通りでございます。そこで負担になっても、あらゆる努力をして、これを解決すべきだという見地に至って交渉して参ったということを御説明申し上げました。さような考え方で進んで参りました。しかし、これが全然支払い能力がないということは私は考えません。これでもってあくまでも十分支払いの義務を完了して行くと、う見地に立ちまして、見通しに立ちまして、これをやりました。  それからこの協定が、他国に対して影響を持つということでございますが、私も影響を持つと思います。思いますけれども、それだからといって、ビルマ協定にすぐ反響をして、ビルマからさらに賠償の協定の改訂を申し込まれるとかというようなことには私はならぬと考えておるのでございます。それは具体的にどういうことかと、こう問われますと、具体的には、ビルマ協定にあるその条件がこれによって十分満たされる、こういう見地に立って申すのでございます。それからそういう問題について問題が起りますときには、十分にわが方の理由を説明して納得の行くように努力をいたしたいと考えております。  インドネシアに対しまして、向うから提案があったはすだというお話がございました。インドネシアの問題については、提案というものはございません。問題は、インドネシアは今日の段階におきましては、インドネシアとの間の賠償協定もできるだけ早く解決したいという希望を表示しておる程度でございます。しかし、遠からず具体的の考え方が出てくるだろうかと考えます。しかし、まだその段階に至っておらないことを御報告申し上げます。  それから賠償額の五億五千万ドル、これが役務と生産物となっている、それから交渉の経過において、現金賠償ということがいろいろ問題になったじゃないかということを言われました。そういう過程を経て参りましたけれども、これは協定になりました通りに、役務と生産物で払うということに貫いて参りました。その詳細を今申し上げるのは少し早過ぎるので、でき得るだけすみやかに発表して、御批判を仰ぎたいと考えます。  それから民間借款とは言い得ないんじゃないかという御議論もございました。これはずいぶん委員会等で議論をされた点でございます。これは日本側としては、あくまで民間借款で行こうという方針を貫いて参りまして、この点は、民間借款で商業ベーシスで行くという趣旨は貫き得たと考えます。むろん、こういうことが、私は賠償の観念に全然関係はないと申すわけではございません。そういう借款も政府としては成立するようにできるだけ努力をいたしたいと考えますけれども、しかし、それは政府責任においてやらなければならぬということにはなっていないということを、はっきりと申し上げて差しつかえないと思います。  それから、その点についてフィリピン側でいろいろ発表があったということを言われます。発表があったことも知っておりますし、またそのことを否定するわけではございませんけれども、すべてが正確ではないということを申し上げてもよかろうかと思います。正確のところは、すみやかに発表をいたしますから、どうかそれについて御承知を願いたいと思います。  貿易の拡大について、賠償と一緒に規定をすべきじゃないか、こういう御意見の御発表がありました。これは私どもとしては一応そういうことができるならば、それは一番いいと思いましたけれども、しかしながら、賠償の交渉をやれ、賠償は払うが、貿易額はこういう工合に増すのだということを一緒に解決するということは、これはどうも事態が許しませんでした。しかしながら、賠償を解決して将来貿易を増進しようということについては、先方側も少しも異存がないということは先ほど御説明をいたしました。そうでありますから、それに対しては、具体的にそういう趣旨によって、賠償協定解決後にさっそく取りかかって、先方と話し合いをしたい、こういう段取りになっていることを先ほども申し上げました。これで行きたいと考えます。それによって貿易の拡大ということも目的が達し得ると、こう観察しておるわけでございます。  以上、御説明を申し上げます。(拍手)   〔国務大臣一萬田尚登君登壇、拍   手〕
  28. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) 私が御答弁申し上げる点は、日本の財政力及び対外支払い能力等から見て、今考えられておるフィリピン賠償は過大ではないか、こういう御質問と思うのであります。  大蔵大臣としましては、常に賠償に関しましては、国交の回復、それに基く日本経済との関係考えますとともに、国民の負担力、あるいは国民の負担をなるべく軽くしたい、こういうふうに考えることは当然であります。それに努めておるのでありますが、ここで、しからば、ある賠償が過大であるかどうかという点につきましては、現に負っておる国の対外的な債務、さらにまた将来に予定されるであろうものも考慮いたじて行かなければなりません。そうしますと、全体として国の財政力あるいは支払い能力、まあ一口に言って国力というものを想定しなくてはならないのでありまするが、これはしかし、また賠償自体の具体的な諸条件によりまして非常な差があるのであります。単に金額だけによってどうというわけにも参りません。また賠償協定締結することによって、日本の経済なり国民生活に非常な好影響を及ぼしてくるという、こういうふうな関係がありまして、この財政力とか、あるいは国力というものはよほど幅を持っておりますので、幾らということは、はなはだ私は困難である。また今後賠償等の協定を将来に予定もされております。そういうふうな幅のある弾力性を持つ事柄についても数字的に大蔵大臣はそう軽々には申しがたいのでありまして、特に私は、誤解を招かないように慎重にやるべきだと考えております。ただ、今回のフィリピン賠償は、そういうふうなもろもろの見地に立って考えまして、私は過大であるとは考えておりませんということを申し上げて、御答弁といたします。(拍手
  29. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これにて質疑の通告者の発言は、全部終了いたしました。質疑は、終了したものと認めます。      —————・—————
  30. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第一、日本国における英連邦戦死者墓地に関する協定締結について承認を求めるの件  日程第二、日本国カナダとの間の小包郵便約定締結について承認を求めるの件(いずれも衆議院送付)  以上、両件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。外務委員長山川良一君。   〔山川良一君登壇拍手
  32. 山川良一

    ○山川良一君 ただいま議題となりました二件につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を報告いたします。  まず、日本国における英連邦戦死者墓地に関する協定締結について承認を求めるの件につき申し上げます。  この協定は、横浜市保土ケ谷区にある第二次大戦中に戦病死した英連邦軍人の墓地を、三十年間無償で使用させることを認め、それに伴う墓地の維持管理等に関する事項を取りきめようとするものであります。この協定締結の事情としては、わが国は、サンフランシスコ平和条約付属の宣言において、この種の戦死者墓地に関して連合国と協定締結するための交渉を開始することを明らかにしておるのでありまして、この宣言に基き、昭和二十七年四月に英連邦側から協定締結の申し入れがありまして、自来交渉が続けられ、昨年九月に本協定が署名されたのであります。  次に、日本国カナダとの間の小包郵便約定締結について承認を求めるの件につき申し上げます。  わが国カナダとの間の小包郵便業務は、戦前において大正二年の約定によって規制されており、戦後も、カナダ政府がサンフランシスコ平和条約第七条の規定に基いてこの約定の復活を通告して参っだので、現在のところは、この戦前の約定が両国間に適用されております。しかし、この戦前の約定は大正二年以来一度の修正も行われていないため、現状に適しない点があるので、両国間に交渉の結果、小包交換の条件、小包料金その他の事項を現状に適するように改訂したのが本協定であります。  本件の質疑におきましては、今後この種約定を他の国とも結ぶ計画であるか、中共との間に郵便及び小包に関する協定を結ぶつもりはあるか、それからフィリピンとの間にこの種約定をいつ結ぶつもりか等につき質問がありましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  委員会は四月二十五日、これら二件の審議を行なった上、採決をいたしましたところ、二件とも全会一致をもって承認すべきものと議決いたした次第でございます。  以上、報告いたします。(拍手
  33. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより両件の採決をいたします。  両件全部を問題に供します。委員長報告通り両件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  34. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって両件は、全会一致をもって承認することに決しました。      —————・—————
  35. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第三、外国人登録法の一部を改正する法律案  日程第四、訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出衆議院送付)  以上、両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。法務委員理事小林亦治君。   〔小林亦治君登壇拍手
  37. 小林亦治

    ○小林亦治君 ただいま議題となりました外国人登録法の一部を改正する法律案につきまして、法務委員会における審査の経過からその結果を御報告申し上げます。  まず、その提案理由について政府の説明するところによりますと、現行法は、昭和二十七年講和発効と同時に施行せられ、その後数次の改正を見ておりますが、いずれも形式的な改正でありましたのに対し、今回は、従来とかく紛争を起しました外国人登録証明書の大量切りかえをこの秋に控え、今後この制度を円滑に運用できるように必要な手当をいたしますとともに、あわせてこの制度の実施に当る地方公共団体、特に第一線の市区町村の負担を軽減するため、事務の簡素化をはかり、また、従来の規定の不備を補う等、現行法の実質面にもある程度の改正を加えようとするもので、その内容の要点を申し上げますと、第一に、現行制度によりますと、登録証明書の交付を受けた外国人は、その有効期間の切れる二年目ごとに切りかえ申請をする定めであり、本年十月末ごろから来年一月ごろまでがその大量切りかえの時期に当り、この間に五十数万人に上る外国人が市区町村役場の窓口に殺到することになります。しかも、このたびの切りかえにおきましては、このうち十四才未満の者を除く三十数万人に指紋を押させることになりますので、市区町村の事務をならして計画的に処理できるように、一般に登録証明書を即日交付できないようなやむを得ない事情があるときは、別に期間を定めて交付できるようにし、指紋の押捺もその交付の際にさせてよいように改め、かくしてこのたびの切りかえが無事行われますと、すでに指紋もとってありますことゆえ、この次からは、従来二年ごとに行なった切りかえを、三年ごとにこれをなすように改めるものであります。第二に、事務の簡素化につきましては、外国人が居住地を変更する場合に、事前の届出を要しないものとし、新規登録及び変更登録の申請猶予期間を延長する場合並びに登録証明書を再交付する場合に、都道府県知事の承認を要しないものとし、地方公共団体の廃置分合等の場合は、市区町村長が職権により変更登録を行えば足りるものとするなど、事務的負担の軽減をはかっております。第三に、現行規定の整備につきましては、再入国の許可を受けて出国した外国人が再入国した場合には、出国のとき預かった登録証明書を返せば足りるものとし、また、この法律によるいろいろの手続をする場合の本人の出頭の義務を明文化し、かっ、代理人がそれらの手続をする場合に、これを妨げた者に対する罰則を設けるなどの改正を加えるものであります。  法務委員会といたしましては、羽仁、中山、高田の各委員から、今回の改正の真のねらい、指紋制度、事実の調査権その他について質疑を行いましたが、その論点のおもなものを申し上げますと、まず、「外国人の登録に指紋の押捺を強制することは、警察的な犯罪の取締りには役立つかもしれないが、国際感情を悪くし、観光や学術文化の交流を妨げ、失うところが多いのではないか」との質疑に対しましては、政府側より、「指紋制度のない当時は、登録証明書の売買や再交付の申請が盛んに行われたので、やむを得ずとった措置であるが、密入国の跡を断たない現状にかんがみ、最小限度一指の指紋だけをとることにし、極力不快な感情を避け、公正な外国人管理を行うように努める」との答弁があり、次に、「国際慣習上、外交官や外国政府または国際機関の公務を帯びた者は、登録制度の適用から除外されておるが、実害を生じない限り、これらに準ずる者にも同様の取扱いをすべきではないか」との質疑に対しましては、「除外例をこのほかに認めるのは、人によって差別待遇をすることにもなりまするので、国の政策としてきめられれば格別、事務的には困難である」旨の答弁があり、第三に、「十四才未満の者には指紋を押させないというのは、何を基準にして年令をきめたか、十四才を少しでも越せば、押捺を強制するのは酷ではないか」との質疑に対しまして、「十四才未満でも密入国をする者が多いので、それらの者からも指紋をとるべしとの意見もあるが、他方、不快な感情を起すことは最小限にとどめるべきであり、まずこの程度の年令で線を引くようにした」旨の答弁があり、なお、「とかく思想調査や私生活の調査に類することが行われがちな今日、市町村職員に与えられた事実調査権が乱用されるおそれはないか」との質疑に対しましては、「かかる調査権は行政事務上当然認められる権限で、いまだこのために不快な事態が起った事例もなく、今後も運用に注意をするつもりである」との答弁がありました。  かくて、討論に入りましたところ、羽仁委員は、本案に反対の意を表せられ、その理由として、「もともとこの外国人登録制度は、占領当時の立法の遺物であり、ことに指紋押捺の強制はヨーロッパの国々では行われていないことで、取締りの便宜を先にし、国際感情や基本的人権の尊重を後回しにしておる。今回の改正で手続の簡素化をはかった点は認めるが、指紋制度の全廃が実現されなかったのは不満である」旨を述べられ、次いで採決をいたしましたところ、本案は、多数をもって可決すべきものと決定いたしました。  右、御報告申し上げます。  次に、訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、委員会における審議の経過及び結果について御報告申し上げます。  この訴訟費用等臨時措置法と申しますのは、民、刑事の訴訟事件における当事者、証人等の日当、宿泊料の額や執行吏の手数料等を規定している法律でございますが、このたびの改正案は、この中の訴訟事件における当事者、証人、鑑定人等の日当及び宿泊料について、それぞれ増額しようとするものであります。すなわち、これら証人等の日当、宿泊料の額は、その性質上、国家公務員が出張した場合の旅費の額を基準として規定されているのでありますが、今般政府におきましては、国家公務員の旅費についての支出の適正化をはかり、現時の実情に即するようにするため、別に国家公務員等旅費に関する法律の一部を改正する法律案提出いたしまして、国家公務員の日当及び宿泊料については、その額を約三割以上引き上げるべく措置して参ったのであります。従いまし七、この改正案もかような旅費基準の改訂に応じまして、訴訟事件については当事者、証人、鑑定人、国選弁護人等の日当及び宿泊料の額を、執行事件については、執行吏の日当及び宿泊料の額を、それぞれ約三割増額せんとするものであります。  当委員会の審議に際しましては、質疑もなく、討論に入りましたところ、別に発言もございませんので、採決いたしました結果、多数をもって可決すべきものと決定いたした次第であります。  右、御報告申し上げます。(拍手
  38. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。  両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  39. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって両案は、全会一致をもって可決せられました。      —————・—————
  40. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 参事に報告させます。   〔参事朗読〕 本日委員長から左の報告書提出した。  東北興業株式会社法の一部を改正する法律案可決報告書      —————・—————
  41. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) この際も日程に追加して、東北興業株式会社法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。建設委員長赤木正雄君。   〔赤木正雄君登壇拍手
  43. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 ただいま議題となりました東北興業株式会社法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。  東北興業株式会社は、東北地方の振興をはかるため、同地方における殖産興業を目的として昭和十一年に設立され、政府の財政援助のもとに各種の事業を行なって参りましたが、戦後、その財政援助はすべて打ち切られ、今日に至っております。政府の財政援助につきましては、現行の東北興業株式会社法には、東北興業債券の元利の支払いについて、政府が保証し得る規定がありますが、この規定は法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律の規定によりその効力を停止されております。今回この制限規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、政府が東北興業債券の元利の支払いについて保証契約をすることができることとし、当該会社の事業資金調達の万全を期そうというのが本改正案の目的と内容であります。  三十一年の保証額は九億円であります。その資金の用途はシャフト・キルンによるセメント製造のための資金の一部とされております。  本法案は、去る三月六日、本委員会付託されましたが、審議に当りましては、同会社創立以来、今日までの関係会社の事業内容及びおもなる会社の考課関係書類、今回のセメント事業計画等、詳細な資料の提出を求め、商工委員会と連合審査をいたし、参考人を招致し、その意見を聞き、また経済企画庁、通産省の見解をただす等、慎重なる審議を行いました。審議の過程において問題となりましたおもなる点の第一は、「同会社の経営の内容が健全かいなか」ということであります。これにつきましては、「投資面においては、最盛時九十社の投資会社が現在二十九社に減少しているのは、戦後会社経理応急措置法に基き、特別経理会社に指定されたこと等の結果、投資会社数を減らしたことと、投資先の経営が困難になったことによる、しかし直営事、業面の経営は堅実である」との答弁でありました、第二は、「わが国のセメント製造の操業度が七〇%台に落ちている際、新規事業としてセメント製造を取り上げた理由について」であります。これに対しては、「東北地方は、石灰石の品質がよく、埋蔵量も多いので、セメント事業に適しているのと、低廉なセメントの供給によって同地方公共事業への寄与するところが大である」との答弁がありました。第三は、「今回、セメント製造につき、シャフト・キルン方式を採用した理由いかん」ということであります。これに対しましては、「シャフト・キルン方式の方が在来のロータリー・キルン方式より建設費、燃料費ともに安く、低廉なセメントを供給できること、品質はやや劣るが、公共事業等への使用には差しっかえないこと等によるものである」との答弁がありました。その他この事業計画の原価計算について詳細な質疑が行われました。なお、商工委員会との連合審査会の過程において、苫米地委員より、「東北開発という見地よりして、東北興業株式会社の構想をさらに大きく持ち、資金を拡充すべきである、これに関して監督官庁をいずれにすべきか、これも検討すべきである」との意見が述べられ、また白川委員より、「会社の現状よりして、新規事業に着手するより、現在の事業を整頓するために資金を用うべきであり、また新規事業に着手するとしても、セメント事業より砂鉄製鉄工業等に着目すべきである」との意見もありました。河野委員よりは、「希望せる資料の提出がないため十分の審議ができないのは、はなはだ遺憾である。」また海野委員よりは、「今日まで会社の成績が上らないのは、幹部の責任である、よって幹部の大刷新をやるべきである」との発言があり、これに対して政府より、「その趣旨に沿って努力する」との発言がありました。  かくて質疑を終り、討論に入りましたところ、近藤委員から日本社会党を代表して、「東北興業株式会社は、過去における事業において芳ばしくない点、あるいは政府の監督上にも不十分の点もあり、今回のセメント事業計画も容易でないと思われるが、政府は従来のごとき状態を改め、国費が冗費されることのないよう監督を厳重にし、また国民の期待に沿うよう万全の措置を要望して本案に賛成する」、また村上委員よりは緑風会を代表して、「本案はその内容において、十数億円を投じてセメント工業を興すものであるが、東北地方の需給関係、事業計画におけるコスト及び建設計画について納得できないものがあり、不健全なもくろみであると考える、かくては同会社の経営がますます不健全となるばかりでなく、東北地方の開発事業としても不適当であると考えるから、これに反対する」、また鮎川委員からは、「この程度の計画では着手すべきでないと考え、反対する」、また石井委員からは自由民主党を代表して、「本案に賛成する。なお、セメント製造を契機として、さらに他の事業をも考慮すべきである」とのそれぞれ発言がありました。  かくて討論を終り、採決の結果、多数をもって可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  44. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  45. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。  次会の議事日程は、決定次第公報をもって御通知いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後一時二十三分散会      —————・————— ○本日の会議に付した案件  一、武器輸出問題に関する緊急質問  一、日本・フィリピン間の賠償交渉に関する外務大臣報告  一、日程第一 日本国における英連邦戦死者墓地に関する協定締結について承認を求めるの件  一、日程第二 日本国カナダとの間の小包郵便約定締結について承認を求めるの件  一、日程第三 外国人登録法の一部を改正する法律案  一、日程第四 訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案  一、東北興業株式会社法の一部を改正する法律案      —————・—————