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1956-03-26 第24回国会 参議院 本会議 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年三月二十六日(月曜日)    午前十一時三十七分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第二十五号   昭和三十一年三月二十六日    午前十時開議  第一 永年在職議員表彰の件  第二 肥料取締法の一部を改正する   法律案内閣提出)           (委員長報告)  第三 急傾斜地帯農業振興臨時措置   法の一部を改正する法律案(衆議   院提出)    (委員長報告)  第四 租税特別措置法の一部を改正   する法律案内閣提出衆議院送   付)      (委員長報告)  第五 日本輸出入銀行法の一部を改   正する法律案内閣提出衆議院   送付)     (委員長報告)  第六 賠償等特殊債務処理特別会計   法案内閣提出衆議院送付)           (委員長報告)  第七 科学技術庁設置法案内閣提   出、衆議院送付)(委員長報告)     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 河井彌八

    議長河井彌八君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。      ——————————
  3. 河井彌八

    議長河井彌八君) これより本日の会議を開きます。  日程第一、永年在職議員表彰の件についてお諮りいたします。  国会議員としての在職期間二十五年以上の本院議員野田俊作君、一松定吉君、松野鶴平君に対し、院議をもってその功労表彰いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。  なお、その表彰文につきましては、議長に一任されたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。  議長において起草いたしました三君に対する表彰文を朗読いたします。  議員野田俊作君、君は国会議員とし  てその職にあること二十五年以上に  及び、常に憲政のために力を尽され  ました。  参議院は、君の永年の功労に対し、  ここに院議をもつて表彰します。   〔野田俊作起立拍手〕  議員一松定吉君、君は国会議員とし  てその職にあること二十五年以上に  及び、常に憲政のために力を尽され  ました。  参議院は、君の永年の功労に対し、  ここに院議をもつて表彰します。   〔一松定吉起立拍手〕  議員松野鶴平君、君は国会議員とし  てその職にあること二十五年以上に  及び、常に憲政のために力を尽され  ました。  参議院は、君の永年の功労に対し、  ここに院議をもつて表彰します。   〔松野鶴甲起立拍手
  6. 河井彌八

    議長河井彌八君) 表彰文贈呈方は、議長において取り計らいます。  この際、主君から発言を求められております。順次発言を許します。野田俊作君。   〔野田俊作登壇拍手
  7. 野田俊作

    野田俊作君 一言ごあいさつを申し上げたいと存じます。  ただいま、特に院議をもって御丁重なる表彰を賜わりましたことば身に余る光栄でございます。まことに感謝の至りにたえません。  私、長く議席を汚しておりますものの、はなはだ微力にして、特に功労とて何もなく、ただ大過なく、いたずらに長い歳月を送ったにすぎないのでございます。本日、はからずも、この光栄に浴しましたことは、ひとえに先輩諸賢同僚各位の御懇切なる御指導と御鞭撻、また選挙民諸君の終始かわらざる御支援のたまものと深く感謝いたしておる次第でございます。  終戦後、十余年を経て、わが国民主政治基盤はようやく固く、内外の期待と信頼が、その度を深めつつある今日、その荷せられたる責務の重大さを肝に銘じ、この後も、微力ながら民主政治確立のために、最善の努力を尽す覚悟でございます。  何とぞ、この後も相変らず御指導、御鞭撻を賜わりますようにお願いいたします。  ここに感謝の意を表し、ごあいさついたします。(拍手
  8. 河井彌八

    議長河井彌八君) 一松定吉君。   〔一松定吉登壇拍手
  9. 一松定吉

    一松定吉君 皆様、ただいまは私のために、当院並びに衆議院において、二十五年以上国政のため働いたという御趣旨のもとに、院議により表彰していただきましたことは、ほんとうに身に余る光栄でございます。  私は、多年国会議席を持ってはおりましだけれども、これという何らの功績もありません。それにもかかわらず、本日のこの栄誉ある表彰にあずかりましたことは、ほんとう感謝、感激にたえません。重ねて御礼を申し上げます。  御承知の通りに、私は、年はとっておりますけれども、まだ心身ともに至って健全でございますから、今後とも、国家のために粉身砕骨、職務に精励し、皆様の御厚志にお報い申し上げたいと考えております。また、選挙民諸君が、多年私を国会に送っていただきましたために、今日の栄誉を得るに至ったことと思うにつきましては、その御厚志に対しましても、これにお報いするために、従来に倍して国家のために働かなければならぬと決心いたしております。  こいねがわくは、関係各位におかれましては、私に対し、旧に倍してますます御指導、御鞭撻を賜わらんことを切にお願いを申し上げまして、表彰に対するお礼の言葉といたします。  いささか微意のあるところを申し上げまして、御厚意に対し、重ねて謝意を表します。ありがとう。ありがとう。(拍手)     —————————————
  10. 河井彌八

    議長河井彌八君) 松野鶴平君。   〔松野鶴平登壇拍手
  11. 松野鶴平

    松野鶴平君 お礼を申し述べます。  ただいま、私ども永年在職のかどによりまして、特に院議をもって御丁重なる表彰をいただきましたことは、まことに身に余る光栄と存ずる次第でございます。厚くお礼を申し上げます。  顧みますと、政界に身を投じ、初めて立法府の一員となりましたのは、実に大正九年のことに属するのであります。自来、戦後の一時を除き、大体におきまして、引き続き久しきにわたりまして議席を汚して参ったのであります。その間、微力にして何ら功績の見るべきものもなく、いたずらに長い歳月のみけみしましたことは、衷心ざんきにたえない次第でございます。それにもかかわらず、今日この光栄に浴しましたことは、ひっきょう同僚各位の御親切なる御指導と、選挙民のかわらざる長年の御援助のたまものでございまして、深く感激いたしておる次第でございます。  なお、私ども議員活動の舞台の大部分が、衆議院であったにもかかわりませず、ひとしく公選の議員として憲政微力を捧げたというゆえをもちまして、本参議院において表彰を賜わりましたことにつきましては、本院議員としての経験すこぶる浅い私といたしまして、まことに恐縮にたえない次第でございます。各位の御厚情に対しまして、格別に感謝いたしますとともに、今日以後、さらに思いを新たにいたしまして、本院議員としての職責に邁進いたしたいと存ずる次第でございます。  以上、簡単ではございますが、深甚なる謝意を表する次第でございます。(拍手)      ——————————
  12. 河井彌八

    議長河井彌八君) 日程第二、肥料取締法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第三、急傾斜地帯農業振興臨時措置法の一部を改正する法律案衆議院提出)  以上、両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。まず、委員長報告を求めます。農林水産委員会理事戸叶武君。   〔審査報告書都合により追録掲載〕   〔戸叶武登壇拍手
  14. 戸叶武

    戸叶武君 ただいま議題となりました肥料取締法の一部を改正する法律案及び急傾斜地帯農業振興臨時措置法の一部を改正する法律案について、農林水産委員会における審査経過及び結果を報告いたします。  まず、肥料取締法の一部を改正する法律案について申し上げます。  現行肥料取締法は、肥料品質を保全し、その公正な取引を確保するため、肥料規格公定登録検査等を行い、もって農業生産力維持増進に寄与する目的をもって、旧法にかわって昭和二十五年第七回国会において制定され、その後、第十九回国会においてその一部を改正して今日に至っております。ところが、ここ数年間における技術発達等に伴って、肥料種類や銘柄は複雑多岐をきわめ、さらに戦後わが国における肥料生産は順調に進み、ここにおいて今次及び今後の肥料の供給及び流通の実情に対処して、一段と肥料品質の保全に努め、その取引の公正を期することが必要であると認められるという見地に立って、この法律案が提出されたのであります。  しかして、これがおもな内容は、大略次のようであります。すなわち第一は、保証する主成分指定改正でありまして、肥料含有しているものとして保証する主成分指定は、現行法においては法律別表によって行われているのでありますが、このように、これを法律別表によることにしておることは、肥料分化発達に機動的に応じられないうらみがあるという理由によって、これを政令をもって定めることにいたしたのであります。なおこの際、従来行われてきました化成肥料及び配合肥料について、この両者を区別する理由がほとんどないという考え方から、これを単一名称の種別に統一することが考慮せられております。第二は、登録事項改正でありまして、現行法におきましては、公定規格で定められている事項に関しては、保証成分量、すなわち肥料含有すべき主成分最小量についてのみ登録することになっているのでありますが、これを改めて、保証成分量ばかりでなく、含有する主成分最大量含有を許される有害成分最大量等規格で定められているその他の事項についても登録することにしたのであります。従って、これに違反した肥料譲渡を制限する等の行政処分を行うことができることになるのであります。第三は、異物混入に関する規定を設けたことでありまして、現行法においては、肥料にその品質が低下するような異物を混入してはならないことになっておりますが、今回の改正によって、政令で定める特定種類肥料については、農林大臣許可を受け、その許可に基いてその肥料主成分含有量調整するためにする場合に限って異物を混入することができることとしたのであります。  以上のほか、登録証または仮登録証備付義務登録または仮登録有効期間保証票貼付肥料譲渡保証表記載事項関係業者業務施設表示義務登録証等の書きかえ等の事項について改廃を施したのであります。  委員会におきましては、農林当局から、本法律案提案理由並びに本法律案審査の前提である現行肥料取締り現況及び本法律案内容等について詳細な説明を聞き、続いて質疑に入り、農林及び通産当局との間に、現行肥料行政機構当否肥料及び農薬等の使用が水産業に及ぼす被害及びその防止、肥料市場及び肥料価格調整肥料検査施設、特に都道府県のこれら施設現況及びこれが整備方針肥料含有保証主成分指定政令にゆだねることにすることの当否、単肥の自家配合市販配合肥料及び化成肥料の三者の利害得失、これら三者についての当局指導奨励方針、今回計画されているように、現行市販配合肥料化成肥料とを統合して複合肥料とすることの当否農業協同組合肥料取締法適用対象とすることの当否肥料生産技術改良に関する政府方針及びその対策、保証成分最大量規定しようとするものの例及びその理由保証票の取扱い方、特定の場合に異物混入を認めることにする理由、その他、肥料行政に関する基本的な事項から、肥料取締りに関する現実的な事項にわたる各般の問題について、慎重な質疑応答が行われたのでありまして、その詳細は会議録に譲ることを御了承願いたいのであります。  かくして質疑を終り、討論に入りましたところ、別に発言もなく、続いて採決の結果、本法律案全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、急傾斜地帯農業振興臨時措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  現行の急傾斜地帯農業振興臨時措置法は、急傾斜地帯における農業生産基礎条件を、すみやかにかつ総合的に整備して、農業生産力を高め、もって農業経営の安定と農民生活改善とをはかり、あわせて国民経済発展に寄与する目的をもって、昭和二十七年に制定され、昭和三十二年三月三十一日まで五年間の限時法となっております。ところが、本法実施後四カ年間の実績を見ますると、事業進捗度計画に対して約二割弱にすぎないのでありまして、今後なすべき多くの事業が残されており、しかして急傾斜地帯農業経営改善農業生産力の増強をはかりますことは、わが国農業の特質からみて、ますます必要なことであり、かつ、この地帯の農家の経済向上のためにも無視することができないという見解をもって、本法有効期間を三カ年延長して、昭和三十七年三月三十一日までとしようとするのが、本法律案提案趣旨及びその内容であります。  委員会におきましては、提案者代表及び政府当局から、本法律案提案理由現行法による急傾斜地帯農業振興事業計画及びその実績、本改正法律案による今後の事業計画等について説明を聞き、続いて質疑に入り、提案者代表並びに農林及び大蔵当局との間に、今回の改正により、平年十億円、五カ年間に総計五十億円の経費を必要とすることになっているが、その予算的措置本法適用を受ける土地改良事業対象面積は現在二十町歩以上となっているが、かような措置当否並びにこれを五町まで緩和することについての当局所見等について、質疑応答が行われたのでありますが、これが内実の詳細については会議録に譲ることを御了承願いたいのであります。しかし、ここで本法が成立の場合、「これが実施に必要な経費予算的措置については、今後できるだけ努力したい」旨を大蔵当局から答えられていることを一言申し添えておきたいと存じます。  かくして質疑を終り、討論に入りましたところ、重政委員から、次のような、すなわら、「政府本法に基いて施行せんとする土地改良事業について、急傾斜地帯実情にかんがみ、本法趣旨に従って施行面積の制限、現在二十町を極力緩和し、五町までは必ずその対象として取り上ぐべきである」との付帯決議を付して、本法律案賛成の旨を述べられ、続いて三橋委員から、事業計画を総合的に完全実施できるよう、必要にして十分な予算的裏づけを希望して賛成があり、かくして討論を終り、採決の結果、本法律案全会一致をもって、重政委員提出にかかる付帯決議を付して、原案通り可決すべきものと決定いたしました。  以上、報告申し上げます。(拍手
  15. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。  両案全部を問題に供します。両案に賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  16. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よって両案は、全会一致をもって可決せられました。      ——————————
  17. 河井彌八

    議長河井彌八君) 日程第四、租税特別措置法の一部を改正する法律案  日程第五、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案  日程第六、賠償等特殊債務処理特別会計法案(いずれも内閣提出衆議院送付)  以上、三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。まず、委員長報告を求めます。大蔵委員長岡崎真一君。   〔岡崎真一登壇拍手
  19. 岡崎真一

    岡崎真一君 ただいま議題となりました三法律案について、大蔵委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、租税特別措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。本案は、いわゆる居住外国人に対する所得税特別措置が、昨年末をもって期限満了となったことに伴い、日本経済の健全な発展に資する事業体勤務者等に限定して、暫定的な経過措置を講じようとするものであります。従来、居住外国人に対する課税は、給与所得等のうち、国内支払い額送金額との合計額についてのみ課税することを原則とする国内払い課税方式と、指定重要産業を営む法人が招聘した技術者等所得についても、収入の半額を非課税とするなど、二つの特別措置によって納税上有利な立場にあったのでありますが、これは内外人平等の原則から当を得ていないと申さねばなりません。しかし、昨年末まで実施されておりましたものを、この際一挙に廃止することは、居住外国人租税負担は急増することとなりまするので、一応暫定的な経過措置を設け、その経過期間が過ぎる昭和三十六年以降は、本来の課税に復することが適当であろうと考えられますので、今回半額課税方式についてはこれを廃止し、国内払い課税方式についてのみ所要の改正を加え、昭和三十五年まで暫定的に存置しようとするものであります。  改正の要点を申し上げますると、第一点は、従来、居住外国人給与所得退職所得の全部について適用されておりました特典を、給与所得のうち、日本経済の健全な発展に資する事業で、大蔵大臣指定する法人等から支払いを受けるもの等に限って適用することとしております。第二点は、昭和三十二年から三十五年までの間は、最低課税限度を設け、国内払い分の額の多寡にかかわらず、昭和三十二年は給与総額の六割、三十三年分は七割、三十四年分は八割、三十五年分は九割に課税することとし、三十六年分以降からは全額課税することとしております。  本案審議の詳細につきましては、会議録によって御承知を願いたいと存じます。  質疑を終了し、討論に入りましたところ、岡委員より、「居住外国人に対する特別措置は、諸外国にも例がないし、また、従来あまりにも恩典を与え過ぎたきらいがあるから、五年の経過措置は長過ぎ、少くとも三年程度に短縮すべきであって、独立国になった今日、政府はもっときぜんたる態度をもって処理されたい」との反対意見が述べられ、ついで土田委員より、岡委員と同様な趣旨で、「経過措置が長過ぎるから、将来適当な時期において改正されたい」との要望を付して賛成意見が述べられました。  かくて採決の結果、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、日本輸出入銀行資本金三百五十億円を三百八十八億円に増額しようとする内容でありますが、昭和三十年度予算において、産業投資特別会計から日本輸出入銀行へ百四十億円の出資予定され、第二十二回特別国会で、資本金を二百十億円から三百五十億円に増額いたしたのであります。しかるに、産業投資特別会計から日本輸出入銀行出資予定されました百四十億円の財源のうち、砂糖等特殊物資特別会計から七十億円を産業投資特別会計に繰り入れる予定でありましたが、これに関する法案が不成立となり、産業投資特別会計に七十億円の不足が生じたのであります。そこで産業投資特別会計から日本開発銀行貸付予定の六十億円を日本輸出入銀行出資に充て、日本開発銀行の方は市中銀行に肩がわりさせたのであります。従って、日本輸出入銀行に対する百四十億円出資の当初の予定が百三十億円にとどまったのであります。昭和三十一年度においては、産業投資特別会計からの出資は四十八億円を予定しているのでありますが、前に述べました十億円を差し引きますと、三十八億円の資本金増加となるのでありまして、資本金を三百八十八億円にいたそうとするものであります。なお、三十一年度において、日本輸出入銀行資金運用部特別会計から百九十七億円の借り入れが予定されております。  本案審議の詳細につきましては、会議録によって御承知を願いとうございます。  質疑を終了し、討論採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。最後に、賠償等特殊債務処理特別会計法案について申し上ます。  本案は、ビルマ、フィリピン等、旧連合国に対する賠償、旧連合国財産補償、また本邦の戦争遂行によるタイ特別円戦時クレーム等損害補償及び債務、その他連合国軍隊による占領に関連して負担する放出物資代金等債務など、対外特殊債務処理が逐次その進捗を見つつある現状にかんがみまして、これらの賠償等特殊債務処理に関する経理を明確にするとともに、その実施を円滑にするため、一般会計と区分して、新たに賠償等特殊債務処理特別会計を設置しようとするものであります。内容の概略を申し上げますと、第一に、この会計一般会計からの繰入金等をもってその歳入とし、賠償等特殊債務処理に充てるための経費等をその歳出としております。第二点は、この会計における毎会計年度の決算上の剰余金は、翌年度歳入に繰り入れることとし、またその年度支出残額は、順次翌年度に繰り越し使用することができることとしております。なお、その他特別会計に必要な事項規定しております。本案審議におきましては、賠償交渉現況、三十一年度歳出予定等について質疑応答がありましたが、詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。  質疑を終了し、討論採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  20. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより三案の採決をいたします。  まず、租税特別措置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  21. 河井彌八

    議長河井彌八君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。      ——————————
  22. 河井彌八

    議長河井彌八君) 次に、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案賠償等特殊債務処理特別会計法案。  以上、両案全部を問題に供します。両案に賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  23. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よって両案は全会一致をもって可決せられました。      ——————————
  24. 河井彌八

    議長河井彌八君) 日程第七、科学技術庁設置法案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。内閣委員長小柳牧衞君。     —————————————   〔審査報告書都合により追録掲載〕   〔小柳牧衞登壇拍手
  25. 小柳牧衞

    小柳牧衞君 ただいま議題となりました科学技術庁設置法案につきまして、内閣委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  政府は、本法案を提出した理由として、科学技術を振興し、国民経済自立発展生活水準向上に役立たせることは、国内資源が乏しく、脆弱な経済基盤の上に、膨大な人口を擁するわが国にとっては、きわめて緊急かつ重大な問題であって、現在、わが国科学技術全般に関する基本的な政策企画、立案し、及び推進するとともに、関係各省庁の科学技術に関する行政総合的調整を行う行政機関を設ける必要に迫られている。これがため、政府としては、原子力利用をも含めた科学技術に関する行政を総合的に推進する組織として、今回この法案を提出した次第であると説明いたしております。  次に、本法案内容の主要な点を御説明いたしますと、まず、科学技術庁所掌事務のおもなものは、科学技術に関する基本的な政策企画、立案及び推進、関係行政機関事務総合調整及び科学技術に関する経費見積り方針調整日本学術会議との連絡、試験研究の助成、原子力利用に関する事務等であります。しこうして科学技術庁長官は国務大臣をもって充てることとし、所管行政に関する重要事項につきましては、関係行政機関の長に対し勧告を行い、その結果について報告を徴し、また特に必要と認めたときは、内閣総理大臣に対し、内閣法第六条の規定に基く措置をとるよう意見を具申することができることにされております。  次に、科学技術庁組織としては、内局として、長官官房のほか、企画調整局原子力局資源局及び調査普及局の四局を置き、またその所管行政が広範かつ専門的な分野にわたりますので、特別な職として顧問、参与、科学審議官科学調査官科学研究官等を置くことができることにされております。  次に、科学技術庁の付属機関といたしましては、研究機関として航空技術研究所及び金属材料技術研究所を設け、また審議機関として科学技術審議会、航空技術審議会、資源調査会及び発明奨励審議会を付置することになっております。なお、本法律案は、衆議院において修正議決されて当院に送付されたものであります。  内閣委員会は、本法律案審議のため、前後六回委員会を開き、その間、正力国務大臣及び関係政府委員の出席を求めましたほか、参考人として、日本学術会議会長茅誠司君ほか二名より意見を聴取いたしました。この審議において、政府は、科学技術庁を将来省に昇格したき意向であること、また、従来わが国行政の面で比較的軽視されていた科学技術者の知識経験を今後十分生かし、これを尊重せんとする政府方針のもとに、科学技術庁の主事な職には科学技術者を充てる予定であること等の諸点が明らかにされました。  なお、本法律案審議において、千華委員より、「原案第五条には、科学技術庁の内部部局として、企画調整局ほか三局を置くことになっておるが、外局の庁に内部部局として置くことができるものは、官房、部及び課と限定されておる国家行政組織法第七条第二項の規定に照らし、原案第五条は国家行政組織法に抵触するものであるがゆえに、この抵触を避けるためには、庁を省とするか、または局を部とすべきである。」次に、「科学技術庁長官の権限を規定した原案第十一条の規定中第五項の規定は、内閣制を乱すおそれがあって、内閣法第四条の規定の精神に沿わないがゆえに、これを削除すべきである。」、また、「人文科学に関する日本学術会議への諮問及び日本学術会議の答申及び勧告に関することも、企画調整局所掌事務となるよう、衆議院においては政府原案第七条第五号を修正したが、これがためには、科学技術庁の権限を規定しておる政府原案の第四条において、これに照応する規定を設けなければ首尾一貫しない。」との三点につきまして、政府の所見をただされましたが、質疑の第一点につきましては、政府は、「近く国家行政組織改正の機会に適当な改正をする方針である」旨、質疑の第二点につきましては、「第十一条第五項の規定がなくとも運用で行い得ると思うが、その点を明らかにするため、念のために設けたものである」旨、質疑の第三点につきましては、「日本学術会議の意向を尊重して、科学技術の範囲をゆるめて行くこととしたものである」旨答弁されました。なお、その他の質疑応答につきましては、委員会会議録に譲りたいと存じます。  去る二十三日の委員会におきまして質疑を終了し、直ちに討論に入りましたところ、日本社会党を代表して千葉委員は、「人文科学のみにかかる科学技術に関し、日本学術会議への諮問及び日本学術会議の答申または勧告の事務の総合に関することが、企画調整局事務となるのに照応して、科学技術庁の権限に関する規定においてもこれらの事務を行い得るよう改めること、原案の第五条には、科学技術庁の内部部局として、企画調整局ほか三局を置くことになっておるが、国家行政組織法第七条の規定に照らし、これを企画調整部ほか三部に改めること、原案第十一条第五項の科学技術庁長官の権限に関する規定は、内閣法を乱るおそれがあるので、これを削除すること、以上の三点について原案に所要の改正を加える修正案を提出し、この修正部分を除いた原案に賛成する」旨の発言があり、次いで緑風会を代表し七島村委員は、「政府科学技術振興の重要度とその緊急性にかんがみ、中央地方を通じて試験研究機関、特許行政機構に再検討を加え、科学技術庁をさらに整備拡充し、科学技術の振興を強力に推進すべきであるとの付帯決議案を提出し、原案に賛成する」旨の発言があり、最後に、野本委員より、「修正案には反対、原案及び付帯決議案には賛成する」旨の発言がありました。  討論を終り、まず千葉委員提出の修正案につき採決をいたしましたところ、賛成者少数をもって否決せられ、次いで原案について採決いたしましたところ、多数をもって衆議院送付の原案通り可決すべきものと議決されました。次いで島村委員提出の付帯決議案について採決いたしましたところ、多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  26. 河井彌八

    議長河井彌八君) 本案に対し討論の通告がございます。発言を許します。千葉信君。   〔千葉信君登壇拍手
  27. 千葉信

    ○千葉信君 私は日本社会党を代表して本法案に反対いたします。  国民経済の自立と発展のため、立ちおくれたわが国科学技術の振興が刻下喫緊の要務であることには、われわれも異存がありません。しかし原子力研究を頂点とするわが国科学技術行政が、もしもかつての科学技術院のごとく、それが独善に陥り、あるいは国民生活に寄与するよりも、その破壊に役立つがごとき角度の行政が行われる等に対しては、厳にこれを警戒し、あくまでも民主的に、公明に運営されるものでなければならないことも自明のことわりであります。そのためには科学技術庁の出発に当っては、その合理性、その民主性とともに、いやしくもその権限に明確さを欠いたり、あるいは現行行政法に抵触するがごとき疑義等に対しては、慎重かつ周到な用意のもとに十分に検討をさるべきものであって、如上の見地からいたしますれば、本法案がその立案の過程において先陣争いの傾向がつきまとったこと、その修正に際しても、万全を期されたとは言いがたい個所が散見されますること等は、きわめて遺憾と言わなければなりません。特にわれわれが修正案を提起する必要を認めざるを得なかった次の諸点は、同時にまたわれわれがここに本法案に反対せざるを得なくなった要素ともなったものであります。  その理由の第一は、国家行政組織法に違反する事実であります。国家行政組織法第七条によりますれば、外局としての庁設置に際しては、官房並びに部及び課を設けることとし、局の設置は認められていないのであります。例外としての部局の設置を認める場合には、同法第二十一条及び付則第二十四条に確然と規定されているところであります。委員会審議に際しては、政府はこの事実について、防衛庁の設置に際して前例ありとして、法違反の悪例をたてにとり、また科学技術振興の重要性に名をかり、あえて局を設けるに至ったとして、われわれの了承を求める態度に出たのであります。行政機関組織の基準を定め、その組織を整備することを目的とした国家行政組織法が、かくのごとき、理由とはなり得ない理由のもとに、かくも簡単に、ないがしろにされてかまわぬという考えそのものにも問題があるし、法制局、行政管理庁等が、当初このやり方に反対をしたのにかかわらず、これを押し切った独善ぶりそのものにも容赦できないものがあるのであります。  反対の第二は、科学技術振興の重要性に籍口して、行政権発動の根源をなす内閣法第四条を著しく歪曲していることであります。本法案第十一条第五項によりますれば、長官は各関係行政機関の長に対し、同条第三項に基いて勧告した事項について、もしもその措置に不満を有する場合は、さらに内閣総理大臣に対して、これを閣議で決定せしめるため、意見の申し出をすることができるという点であります。人事院のごとき第三者的立場で行う勧告の場合を除き、行政各機関が他の機関に対して行う勧告そのものは、さながら右手が左手に指図を与えるごときものであり、国会に対して、本来一体となって責任を負うべき行政機関の内部でとられる措置としては、必ずしも当を得たものでないとする意見、任務と権限が明確に区別され、その上に立って有機的な連絡をもって行政に当るべき各行政機関内部に勧告云々の措置を認めることは、相互の権限に混淆を来だすおそれありとする意見のあります中に、この第十一条第五項は、さらにその勧告がきかれなければ、もう一度総理大臣に対し閣議で決定させて、無理やり押し切ってもよいという、これはおそるべき独善的態度と言わなくてはなりません。いわんや閣議には、各閣僚がそれぞれの立場において、対等に議案を提出して審議を求め得るという内閣法第四条からすれば、これは科学技術振興の名に隠れた独裁であし、他にその事例を見ることのできない行き過ぎであります。  反対の第三は、本法案による科学技術庁の権限の不明確という点であります。御承知の通り、任務権限を規制した第三条、第四条においては、人文科学についてはこれを排除しているのであります。しかるに科学技術庁自体の任務外、権限外とした人文科学の分野も含めて、学術会議の諮問、答申、勧告が第七条企画調整局の行う事務の項に規制され、それに基いて一たん排除した権限が単なる部局の事務規定で行い得るというのだから、まさにこれは支離滅裂と言わなければなりません。日本学術会議から参考人として出席されました茅会長が、この疑問に鋭く触れられたのは、しごく当然と言わなければなりません。  以上がその反対の主要な点でありますが、最後に申し上げたいことは、委員会に於ける審議に際しましては、これらの点について、その非を認める態度に終始された同僚委員中、是を是とし、非を非として修正の態度に出ようとされなかったことは、きわめて遺憾なことであり、参議院の良識が居眠りをむさぼり、与党また国会対策上の考慮から、これに同調してタヌキ寝入りに終始したことは、心ある国民の批判に値する態度と言わなければなりません。  以上をもって私の反対討論といたします。(拍手
  28. 河井彌八

    議長河井彌八君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は、終局したものと認めます。  これより本案採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  29. 河井彌八

    議長河井彌八君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。  本日の議事日程は、これにて終了いたしました。次会の議事日程は、決定次第公報をもって御通知いたします。本日は、これにて散会いたします。   午後零時三十四分散会      —————————— ○本日の会議に付した案件  一、日程第一 永年在職表彰の件  一、日程第二 肥料取締法の一部を改正する法律案  一、日程第三 急傾斜地帯農業振興臨時措置法の一部を改正する法律案  一、日程第四 租税特別措置法の一部を改正する法律案  一、日程第五 日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案  一、日程第六 賠償等特殊債務処理特別会計法案  一、科学技術庁設置法案