運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1956-02-06 第24回国会 参議院 本会議 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年二月六日(月曜日)    午前十時四十四分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第八号   昭和三十一年二月六日    午前十時開議  第一 昭和三十年度特別会計予算   補正(特第3号)  (委員長報   告)     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 河井彌八

    議長河井彌八君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。      ——————————
  3. 河井彌八

    議長河井彌八君) これより本日の会議を開きます。  日程第一、昭和三十年度特別会計予算補正(特第3号)を議題といたします。  まず委員長報告を求めます。予算委員長西郷吉之助君。    〔西郷吉之助君登壇、拍手
  4. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 ただいま議題となりました昭和三十年度特別会計予算補正(特第3号)の予算委員会におきまする審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、食糧管理国債整理基金及び漁船保険特別会計予算補正であります。  まず第一に、食糧管理特別会計につきましては、その予算額歳入歳出ともに千二百四億円増加いたしまして、歳入歳出ともに八千四百五十億円に改定しようとするものであります。その理由は、豊作と集荷の好調によりまして、三十年産米政府買数量が、当初予定の二千二百八十六万石を一千百万石以上も上回り、三千四百二十万石と見込まれることになりましたので、食糧買入費食糧管理費及び予備費等歳出予算を千二百四億円追加する必要を生ずるに至ったからであります。しこうしてその財源といたしましては、とりあえず食糧証券の増発によることといたしまして、三十年度末における食糧証券発行額を、当初予定の二千四百十億円から三千四百七十億円に、すなわち千六十億円引き上げることといたしております。その他食糧売払代増収等を見込みまして、歳入におきましても千二百四億円の増額補正を行なっております。なお、この会計の損益は、前年度分をも含め合計百六十七億円の損失となりますが、このうち百億円は、この会計一般会計から受け入れておる百億円のインベントリー・ファイナンスを、他日決算確定の上取りくずしまして補てんいたし、残余の六十七億円については、追って昭和三十年度一般会計予算補正の際、一般会計から繰り入れ予定であります。  第二に、国債整理基金特別会計につきましては、歳入歳出ともに二十四億円を増加いたしまして、歳入歳出ともに二千六百八十六億円に改定しようとするものでありますが、これはただいま申し述べました食糧管理特別会計補正による食糧証券発行増加に伴いまして、その利払いに必要な経費が二十四億円増加いたしますので、これの財源食糧管理特別会計から受け入れることとし、これに伴う補正をいたしておる次第であります。  第三に、漁船保険特別会計につきましては、この会計給与保険勘定において、歳入歳出ともに三千五百二十三万円を増加して、歳入歳出ともに一億九十一万円に改定しようとするものであります。いわゆる李ライン付近海域における拿捕による抑留漁夫増加及び抑留長期化等によりまして、予備費を使用してもなお約二千五百万円の歳出不足を生じ、歳入におきましても、中共海域における操業の安全化等に伴う保険加入人員減少等によりまして、約七百万円の減少が見込まれておるのであります。従いまして、歳出補正におきましては、給与保険費不足見込額二千五百万円のほか、予見しがたい予算不足に充てるために約一千万円の予備費を増額いたしまして、三千五百万円を追加計上し、歳入補正においては、加入人員減少に伴う再保険料減少七百万円を修正減額いたしておりますとともに、歳出の増と歳入の減を合せた支払財源不足額四千二百万円につきまして、さしあたり資金運用部からの借入金によりまして処理することといたしておるのでございます。なお、本勘定の三十年度に生ずる損失の補てんにつきましては、後日一般会計予算補正において所要額繰り入れを計上する予定であります。以上が今回の補正予算内容であります。  予算委員会におきましては、三日、一萬田大蔵大臣より提案理由の説明を聞き、四日、関係閣僚に対して質疑を行なったのでありますが、そのうち一点だけ簡単に御報告いたしておきたいと存じます。すなわち食糧管理特別会計予算補正につきまして、「今回の補正は、単に米の買入代金のワクを拡大するということだけではなく、過去の赤字を一掃するということも含まれているが、同会計赤字を補てんするため一般会計からの繰り入れを必要とするにもかかわらず、一般会計予算補正と切り離して単独に提出したのは不当ではないか、一般会計補正予算はいつ提出する予定であるか」というふうな質疑に対しまして、一萬田大蔵大臣及び政府委員より、「でき得れば一般会計補正予算も同時に提出することが望ましいが、一般会計には、このほかにも多くの補正要因があるので時間的に間に合わなかった。従って十一、二日ごろには提出できる見込みである」との答弁がありました。その他質疑の詳細につきましては、会議録によって御承知を願いたいと存じます。  かくいたしまして質疑を終りまして、討論に入りましたところ、まず、日本社会党を代表して、戸叶委員は、三十年産米の買入数量が計画を上回ることは当初から明らかであり、すみやかに補正すべきであったのに、今日になってようやく補正予算を提出するがごときは、はなはだ怠慢であること、また食管会計赤字を補てんするための一般会計補正を同時に提出すべきで、切り離して出したのは違法であること等の理由で、食管特別会計及び国債整理基金特別会計補正には反対漁船保険特別会計補正についてはやむを得ない措置と考えるが、一括されているため本案全体としては反対、次に、自由民主党を代表して、堀委員は、今回の補正は、既成の事実に対処する当然の措置であり、これにはもとより問題はないが、食管会計支払い権限限度一ぱいとなる今日になって補正を提出したのは不てぎわであるから、今後かかることのないよう政府の善処を要望して賛成、次に、無所属クラブ木村委員は、食管会計予算補正の基礎となっている政府農業政策食糧政策反対であること、食管会計経理内容に納得できないものがあること、一般会計補正予算を同時に出さなかったこと、漁船保険特別会計補正は技術的にはやむを得ないと思うが、抑留者家族等に対する措置が不十分であるとの四つの理由をあげて反対、次に、緑風会を代表して、豊田委員は、現下の実情よりして補正そのものはやむを得ぬ措置と考えるが、支払い不能の直前に補正予算を提出するようなことを今後繰り返さないこと、食管制度の改廃について国民を混迷に陥れるようなことのないよう留意し、かつ同制度を根本的に再検討すること、並びに日韓問題につき、政府は真剣に解決をはかるよう努力すること等の希望を付して賛成、最後に、第十七控室の八木委員は、食管特別会計補正予算が、未提出の一般会計補正予算財源措置を求めていることは、国会の予算審議権を無視したものであること、今回の補正食管制度そのものの根本的な欠陥に由来するものであること等の理由により反対の旨をそれぞれ述べられました。  これをもって討論を終りまして、採決の結果、予算委員会に付託されました昭和三十年度特別会計予算補正(特第3号)は、多数をもって原案の通り可決すべきものと決定した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  5. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立
  6. 河井彌八

    議長河井彌八君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。  本日の議事日程は、これにて終了いたしました。次会議事日程は、決定次第公報をもって御通知いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午前十時五十六分散会      ——————————  本日の会議に付した案件  一、日程第一 昭和三十年度特別会計予算補正(特第3号)      ——————————