○久保等君 何べんも御答弁をされておりますが、何べん御答弁されても私の質問に対しては御答弁になっておらないと思います。まあ非常に優秀な
政務次官が、まさかいかに口下手な私の質問でありましょうとも、私の伺っておりまする
内容については大よそ見当がおつきになるのじゃないかと思いますが、しかし、にもかかわらずただ公式的な御
説明、御答弁だけなんです。それで、まあそういう御
説明からお伺いすると、どうもこの法律案のやはり出されて参る経過には、
郵政大臣としても多少私はやはり面はゆいというか、私の質問にそのものずばりの答弁が願えないような御意思の表明があったやに推測せざるを得ないのです。しかし私はここで特に
意見を長々と申し上げようとは思わないのです。それからまた見解の相違とか何とかいうような
意味での御
意見も申し上げようとはさらさら思いません。むしろそういう問題を離れ、イデオロギーとか政策だとかいう問題を離れて、私はやはりすなおに平明にこの
郵政事業というものを
考え、それからまたこの
郵政事業を預かる従業員というものをながめて、それでそれらの人の扱い方をどう扱っていくかという問題について、少くとも私は
郵政大臣なりまた
政務次官というものは、時と場合によれば、かりに与党が横車を押そうとしても、郵政の
事業を預かる責任者という立場で、私は断固として所信に進んでもらいたい。また
事業の発展の
ために全力を上げてやはりやっていただかなければならぬ。これがすなわち
郵政大臣あるいは
政務次官の私は責任だろうと思うのです。従ってそれを党利党略的な
考え方でやられることに対して、もし積極的ではなかったとしても幾らかでも便乗的な気持があり、あるいはないしはこれを積極的に推進したとするならば、なおさら私は非常に遺憾だと思うのです。
全国の一万数千の特定局のポストを利用して、またそれらのポストにある人たちを利用して、私は党の党勢拡張をはかる、あるいはまたそれを選挙対策に利用するということは、私はいかなる党であっても許されないと思うのです。それでこのことについてはおそらく
政務次官も私の
意見をそれこそ公式の立場において反駁をされるお気持はないと思います。しかし私はこれは公開の席上であろうとなかろうと、個人的にしろ、少くとも
事業に対して、わけても
公共事業という
事業に対しては、私はもう少しそのときそのときの党利党略的な
考え方ではなくて、永久の
一つの
事業を
考えて参りまする場合には、もう少し一貫した、それこそ筋の通ったものの
考え方、御判断を願わなければ、これはもう非常に重大な問題だと私は思うのです。まあこういう法律案が私は国会に出されたという事態についてあまりにも非常識なことに対して非常に義憤を感ずるわけなのです。時も時、ああいう小選挙区制法案という問題をめぐってあれだけの問題を引き起したのですが、あの問題と私はこの問題と比較して
考えた場合に、全くうらはらの
関係にあるほど非常に重要視される問題だと思いますし、しかもこの場合には生きている
事業そのものに直接重大な影響がある点において、私はむしろ小選挙区制の法律案以上に非常に重大な問題だと実は思うのです。従って提案者の形が
政府である、あるいはまた議員立法の形であるというその形のいかんを問わず、少くとも私は
郵政大臣なり
政務次官、郵政当局という問題についてはこれはもう重大な責任があると思うのです。また少くとも法律案が出される事前において、私はそのことを万が一あるかもしれないという危惧のもとに、特別の御注意を喚起して善処と御努力を
要望しておいたのです。にもかかわらず、こういう法律案が出されて参った。
内容をあけてみると、従来から問題になっておった従業員の問題なんかをたな上げにしてしまって、逆に特定局長の問題だけについてこの問題を扱って参った、こういう
考え方は私はどう
考えても正常なる常識ではとうてい判断をすることができないと実は思っておるのです。まあこの法律案について先ほど
政務次官からその成り行きたるやどうも今国会での成立はむずかしいというような御答弁がございましたが、私は少くとも与党から出された法律案でありまするだけに、責任ある郵政当局の立場でどうも納得ができないという法律案であるならば、私はこの問題に対して自民党の組織
委員会なり党の幹部、あるいは議員立法をされた諸君そのものに対して忠告と
助言によってこの法律案を引き下げるような御努力をされることも、せめてもの今までの、もし御努力が足りなかったという面がありまするならば、まだ御努力を願っても私はおそくはないと思います。従ってこの法律案の推移に対して、一体積極的にこれを推進しようとする意思を持っておるのか、あるいはこれに対して、これはむしろ引き下げたい、これは撤回すべきが至当なのだという御判断を持つのかということがこの法案の今後の推移に非常に重大な影響を持っておると思います。従ってこれはこの
機会に
政務次官の所信の表明がないのではなはだ遺憾でありますが、しかしいずれにいたしましても、この法律案に対して、この法律案が正式に国会において、将来においても成立しないということに対して御努力をぜひ願わなくちゃならぬと私は思っておるのです。しかしおそらくそういったことを申し上げると、いや、しかし議員立法だというようなことをおそらく公式の答弁では言われると思うのです。私はそういう公式の一片の御答弁で満足をしようと思いますんし、また満足できるものでもございませんが、問題はそういう公式的な議論ではなくて、法律案がすでに国会に出されておりまするけれ
ども、ぜひ
一つこの法律案が撤回されるように御努力を、私はこれはぜひお願いをしたいと思うのです。そうでなければ、むしろ悔いを千載に残す。そのことはいかに
郵政政務次官が愛党精神に燃えておるのかもしれませんが、
郵政事業という
事業以上に愛党精神に燃えておるのかもしれませんけれ
ども、私は実は与党の
ためにもならぬと思っておる。
政務次官もう少しあなたはしっかり聞いてもらわなければ困る、あなたの
ために特に私は御
要望申し上げておるのですから。私はあなたの愛党精神の
ためにもぜひこのことを強く申し上げておきたいと思うのです。この
委員会で正式に法律案を扱うことにはなっておりませんけれ
ども、しかし少くともこの問題についてのすべての責任は今後の郵政当局、
郵政事業にかかってくる問題でありまするだけに、私はこのことを強く申し上げて、もし
郵政大臣がこの法律案に対して若干でも御賛成のようなお気持でも持っておられるならば、この際私は厳重に
一つ御反省を御
要望申し上げたいのです。非常に出過ぎたようなことを申し上げて恐縮ですけれ
ども、私はやはりこの前特に当
委員会でもこの問題について
郵政大臣に申し上げたような経済等を
考えて、今日こういう問題を再び申し上げるということは私も非常に遺憾に存じます。しかしこれも事実ですから、はなはだ残念ではございますけれ
ども、特に本席には
政務次官がおいでになりますので、
政務次官にそのことを申し上げておくのです。もしそれに対して筋を通した形で御反論なり御所見があるならば、私むしろこの
機会に十分
一つ拝聴して御高説を承わりたいと思うのです。もし御答弁がなければ私本日の本問題に対する質問はきょうのところ以上で終りたいと思います。