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山田節男君 この問題はさっき私言い忘れましたが、たとえば具体的に言うと、香港へ打つ電報料と台北へ打つのとでは、台湾の方が距離的には近いにかかわらず高い、こういうようなことを私は聞いておるわけです。これは無線による電話、電信である限り、距離というものはあまり関係はないわけです。たとえばモスコーと台湾と言えば、これは時間の多少の差があるかもしらぬけれ
ども、しかし何時間と違うわけのものじゃない、そういったような問題、それから英連邦の方の範囲内においては電話
料金も非常に安くしておきながら、よそから、たとえば今問題になっているオーストラリアへ打つと非常に高い
料金になる、こういったような非常に複雑な関係があるわけです。オーストラリアにオリンピックがあるから、
日本から直接無線電話を開設しようとする場合、英連邦としての国策といいますか、といったようなことからとれが許されるかどうかということが問題になっておるように私は了解しております。ですから、この
料金問題というものは、国内の
貿易業者の保護ということはもちろんこれは大事なことですけれ
ども、まずそういう
方面から整備してきて、そしてまだ利益があるならば、年一億なら一億をそっちへ回し得る利益があるならば、国内の発信人に対してサービスをするということは、これは当然であると思う。しかし、その前にこういう特殊な国際的な、しかも相手のある仕事です。
料金を下げるというようなことは、そう私は簡単なことではないと思います。ですから、これももちろん
貿易業者、あるいは
一般の利用者にとっても安い万がいいということはこれは申すまでもない当然のことなのです。しかし、もっと
内容は複雑なものだということを認識してもらわなければいかぬ。
それからもう
一つは、さっき
八木委員が申されたようなことが事実とすれば、御承知のようにあの
法律案が参議院でもって二回も審議未了になって、しかも公聴会の記録なんかを見ますと、そういう点をおそれて、あの一部改正
法律案に反対だという
意見が述べられているわけです。ですから今のような
郵政大臣の監督規程を、もう字句
通りじゃない、それを越えても、精神解釈をしてもやるということになれば、先ほど私の申し上げましたように、何の
理由で
株式会社組織にしたのかわからなくなります。
国際電電は所管
大臣の監督下にある特殊の独占企業なので、監督を受けるのは当然のことなのです。初めからわかっていることなのです。でありますから、
株式会社としての
一つの自由な行動をとる。しかし、この今の公共福祉ということは、これは当然のことであります。ですから、そういうあくまで自由主義の
立場でいくならば、いわゆるレッセフェアーでやるべきなのです。干渉というのは極力避けるということが
株式会社にした
政府の意図であろうと思う。同時にこういうものは日進月歩です。とにかく電子科学というものは日進月歩なんです。
電電公社というものは相手が変ればこちらも変る、こういうふうな
立場の事業の
内容から見て、そう一律に縛ってしまうということは、かえってこれはもう
公社の収支をこわすようになる。私は
公社にすべきだということを議論したけれ
ども、これは
法律がこれを通してしまった以上は、私は本旨に合ったようにしないといかぬと思います。ですから、今の新谷君のような
発言が今ごろ出てくるということは、それみたことかというふうにわれわれとしては言いたくなる。ですから、そう簡単なものでない。事業そのものが、電子科学が発達してしまって、戦前に夢想もしない日進月歩なんです。たとえばアメリカへ行ってみると、テレプリンターはすでに古くなって、デスクファックスというものが非常に発達普及してしまった。ドイツへ行ってみればテレファックス、こういうものが発達しちゃって、
日本電電公社もも国際
電電公社も新しくやるべきサービスが非常に変ってしまった。こういう点を
考えて、ただ政治的に
考えて、この利益がどうするのだこうするのだということは、これは官僚的な
考えだ。実際やるものがそういうようなものでないということを私は認識してもらわないと、何もかもふん縛ってしまうような結果になったら、これは目まぐるしい日進月歩の事業に反したことになると、かように
考える。ですから、今
八木幸吉君の言われたようなことが、たとえばまあ今月の末に
総会がある。そうすれば
総会に出すべき議案について
郵政大臣の
認可を経なくちゃならぬ、そういうことになれば、
郵政大臣としてはその期限までに何とかこれを解決しなくちゃならぬということになるわけです。これをおくらすとか、あるいは
認可申請事項中のものを不許にしてしまうという工合に
会社の自主独立性を全然認めないということになれば、
株式会社にした
理由を没却することになり、それじゃ何で
株式会社にしたかということになる。その点は
郵政大臣が十分御認識だと思いますが、もしそれを一歩誤まるとすれば、例の
電電公社法の一部改正法案を参議院でもんだようなことが、それみたことかというようなことになり、これは大きな問題になると思いますから、この点は十分
大臣の方で細心の注意をもって善処していただきたいと思います。