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国務大臣(
太田正孝君)
地方財政の中の大きな問題は、
地方自体の税と国の
交付税との
関係、これが
財政計画上において、お
言葉のように、赤字が出るか出ないかという問題につきましては、赤字の出ないように措置をとっている次第でございます。しかし、
地方税そのものは、全体の収入の中の確か三割二分ぐらいしか当っておらんと思います。今総括してみまして、
地方税の
負担は高いと思います。これが一点でございます。もう
一つは、
地方税が直接税に
相当強くかかっているのじゃないか。これも私の非常に
心配している点でございます。こんな点を
考えますというと、
地方税につきまして、どうやったらいいか、
地方税がそんなになかったら、
交付税の方で回したらどうか。もちろん現在の収入の建前は、一方に
地方税を高めて、他方
交付税をからんで、並行してやっているわけでございます。よく世間でも、
交付税をもっと多くしたらという
議論、従って
地方税の方よりも
交付税の方に主力をおいたらどうかという御意見もございますが、私の
見方といたしましては、国の大きな三つの税、酒に法人税に
所得税、六千四百六十四億円と記憶しておりますが、これの四分の一にまで行ったということは、
地方財政から見ましても、国家財政から見ましても、非常に
考えなければならんところへ来ておりますので、私としては、簡単に
交付税をふやすという
議論にも賛成することができないのでございます。しかし、これでいいかという、限界とは思いませんが、非常に大きなものだと、私の頭の中には強くたたかれているのでございまして、従って、
交付税の点を
考えつつ、
地方税をどうなおすかという問題になってきますと、非常に税源の少いときでございますし、世間には、あるいは
販売税などを唱えられるお方もございますが、こういうふうになりますると、どうしても
国税と
地方税との税源の按配ということが大きな問題になります。国の方でも
相当に直接税が高い、こういう
考えがある。
地方税の方でも直接税が高い。その上に
地方税の
負担というのは、
相当に私は今強いと思うのでございます。でございますから、
国税と
地方税をあわせまして、どんなところへもってゆくか、そことのからみ合いにおいて、
交付税をどういうふうにしていくか、こういうことになるかと思います。私としては、まだきまった案を持っておりませんが、三十二
年度におきましては、
一般の財政とからみまして、また、
地方財政の健全化ということとにらみ合せまして、税の措置を
国税と
地方税との間にとっていきたい。どちらにいたしましても、
交付税主義一本によれないことは言うまでもありませんが、
交付税と
地方税とのからみ合いということがどの点にいくのか。その
地方税が
国税との
関係においてどういうところへ持っていっていいか。残されたる
地方税源としての問題は、もう学者諸先生は大部分出しておりまするけれども、今踏み切って、どういう税をどういうふうにしたらいいかというところまでは強く断言するところへ行っておりません。
考え方といたしましては、
交付税と
地方税のからみ合い、
地方税の中に
国税との
関係におきまして、どういうふうに持っていったらいいか、私の
考え方の方向はかような点でございます。