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政府委員(
中尾博之君) ちょっとお許しを得ましたので申し上げます。先ほど全体のいわゆる
補助金整理について要項並びにその
内容をあとで出せということでございました。御要望に従いましてあとでまた打ち合せをいたしまして御提出申し上げたいと思いますが、御審議の都合があろうと思いますので、その概要をここで御披露いたします。
要項といたしましては、別に閣議の決定を見たというような姿で成文になったものではございませんのでありますが、二十九年以来毎年
検討を加えましていろいろな項目を立てまして、あらましの
考え方は実際問題として貫かれたものがございますので、それに従って
実施いたしましたわけでございます。その
考え方といたしましては、まず地方公共団体に対する
補助金の問題が大事な問題でございまして、これは主といたしまして地方自治体と国との
関係におきまする負担区分をなるべく
整理いたしていきたい。そうして中央の仕事は国の負担とし、地方の仕事は地方の負担とする。同時に地方の負担いたしまする分には地方に必要な財源を保有財源として付与して、地方議会の
批判と御
議決によりましてこれを運営していくという態勢にだんだん持っていきたいということを考えておるのでございます。つまり地方公共団体がどの団体も普遍的にしかも恒久的に、しかも大体経常的に必要といたしますような経費に対しまする
補助金は逐次これを
整理いたしまして、その
整理いたしました金額に相当するものは地方の保有財源としてこれを地方に付与いたすということを考えているわけでございます。これらの
関係におきましては従来から
措置いたしておったものでございますが、今年度におきましても、合計いたしまして、主としてこれは職員の
関係でありますが、九千八百八十六人という
補助職員を純然たる地方負担の職員に切りかえまして、同時にそれに必要なる財源を地方に付与することにいたしております。なお地方公共団体の
財政と国の
補助金というものにつきましていろいろな問題がございます。もちろん
補助金は国の
施策を浸透徹底させます上におきまして大事な制度でございますが、一方地方公共団体の
財政の実情に対しましては、実際にそれが常に調和のとれた姿になっておりませんといろいろと問題が生じますわけで、その間をいろいろ考えまして、主として公共事業費等の
関係、その他臨時的な施設等に対しまする
補助金、こういうものの事業量を相当
程度圧縮することを考えたのでございます。しかしながら、もちろん
補助金だけを圧縮いたしても、実際には地方でやらざるを得ないというような
補助金を圧縮するということは適当でございません。それらのものに対しましては十分なもちろん考慮を払いまして圧縮をいたします。
補助金の
整理をいたしますと同時に、地方の負担をまた緩和するというような
措置を講じたのでございます。これらの
関係におきましても十七、八億の金額を
補助金において浮かしております。これに対応する地方の負担もそれだけ軽減されておるわけであります。なお
補助金の
整理に
関連いたしまして、これらの
考え方と
関連いたしまして、地方
財政の負担を軽減するという点から、従来の残りました方の
補助職員につきましても、存置いたしますものにつきましても、その
補助単価の適正化をはかる、あるいは
補助の
対象額を拡張するというような
措置を講じまして、国費において八億七千五百万円ほどの持ち出しをいたしまして、国庫の
補助金をふやしますと同時に、これに対応いたしまする地方の負担というものが従来やみに隠れておったのでありますが、これを地方
財政計画の
財政需要に新たにこれに対する財源
措置を講じておる次第でございます。
次にいわゆる零細
補助金その他いわゆる不効率なる
補助金といったものに対する
批判がだいぶあるようでございます。これらにつきましては、もちろん運用上の面におきまして解決される面が多々ございますので、それらの努力は別途
予算実行上において講ずることとはいたしましたけれ
ども、そのほかにこれに
予算の
編成に当りまして、いわゆる
補助金の
整理の線からもこれの要望にこたえるという
意味におきまして、主として農林省
関係に多いのでございますが、これらの
補助金、いわゆる零細として検査院あたりから特に指摘されることの多かった
補助金を取りまとめまして、新たに各都道府県に農業改良基金というものを設けまして、これに対する
補助金にこれを一括切りかえるという
措置を講じたりいたしております。こういうことによりましていわゆる行政的な、形式的な
やり方によりまする
補助金の零細化というようなことを避けまして、あくまでこれは借りる金であるというような観念に切りかえることによりまして、合理的な金の使い方が期せられるように、しかも行政の
目的を達する上にも支障がないようにというような面から考えましたのでございます。この
関係が、(
岡三郎君「もういいよ」と述ぶ)まあ大体そんなようなことで
整理の方針を決定いたしましたようなわけでございます。