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政府委員(岩武照彦君)
開発銀行の金利に二段の差がついておるとの御
質問だろうと思いますが、これは御承知のように電力と造船につきまして六分五厘、その他の一般
産業は昨年までは一割、本年から九分になった。これはこういうふうないきさつになっておりますが、一般の市中金利と大体同じような水準で
開発銀行は金を貸すのが建前です。市中銀行よりも安い金利で競争的に、市中銀行の何といいますか、
業務を上ぱねするというのは、
政府機関たる開銀の本質でけいないというのが、実は
開発銀行の
設立の本旨らしいのでございます。らしいというのは、私どもの方は主管庁でございませんので……。大蔵当局の大体の意向のようでございます。ところが御承知のように電力あるいは海運等は
相当借入金も多数持っておりまして、その結果が直接、電力なら電力料金、それから造船でありますれば海運の運賃コストに響いてくるというふうなのが、実は実情でございます。電力料金の方も一律に申しますことは、何かともう少し金利が下らんかということが、いつも話題になると言いますか、そういうことでできるだけ政策的にその二つの業種を限って安い金利で、料金にはね返らないようにしようということで、特別に六分五厘という金利を設けたことと記憶しております。ほかの業種につきましては一般の市中金融
機関の長期金利並みの一割ないし九分というところが現在の
状況だと思います。
それから中小企業の方の実は金利が高いというお話がございますが、これは中小企業庁の当局からすでに御
説明になっておりますが、今後何とか方策を講じまして、商工中金の金利も今度二銭五厘でございますか、率にしまして約一割近いところを抑えて参ろう、こういうふうにせっかく努力しております。いろいろ大企業の融資と違いまして、中小企業
関係の融資には小口でありましたり、件数が多かったり等の
関係で、比較的いわば
経費というものがかかりますほかに、何分商工中金におきましては、ごらんのように債券発行でまかなっている
資金が大分ございますので、このコストが八分五厘かかってくるというふうな問題もございまして、まあいわば一般の金融
機関よりもやや高いコストの金を使っておるというのが実情でございます。これを何とか安くしようということで、今回二十億の金を比較的安い金利で、もとは財政
資金から出た金でございますが、これを安い金で中金に回し得るような
方法を講じまして、何とかして
資金コストを少しでも下げて、末端の金利を安くして参りたいというふうに
考えたわけでございます。そういうことでいろいろ金利の問題は非常にわれわれとしましてはむずかしい問題があります。これはよく世界一高い金利だと言っている批評もございますが、いろいろ日本の金融
機関のあり方、あるいは一般の何といいますか、資本の収益力といいますか、裏を返しますれば、預金の金利、あるいは株式投資の利回り等の
関係もございますので、なかなか一挙には下らないのであります。今後だんだんと、金融緩慢の
状況、金融
機関の合理化を通じまして、今後、だんだんと下ることだと思っております。われわれ
産業界といたしましても、そういうふうな低金利になりますれば、それで投資の意欲もできて参りますし、またコストに占める金利負担も下って参りますので、従前に比較いたしますればだんだんといい工合になって参るのじゃないか、こういうように
考えておるのでございます。