運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1956-03-09 第24回国会 参議院 商工委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年三月九日(金曜日)    午後二時五分開会     —————————————   委員異動 本日委員木島虎藏君辞任につき、その 補欠として小野義夫君を議長において 指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     三輪 貞治君    理事            古池 信三君            河野 謙三君    委員            井上 清一君            西川平治君            島津 忠彦君            白川 一雄君            深水 六郎君            海野 三朗君            藤田  進君   政府委員    通商産業政務次    官       川野 芳滿君    通商産業大臣官    房長      岩武 照彦君    中小企業庁長官 佐久  洋君   事務局側    常任委員会専門    員       山本友太郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○中小企業金融公庫法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○中小企業信用保険法の一部を改正す  る法律案内閣送付予備審査) ○連合審査会開会の件     —————————————
  2. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) ただいまから本日の委員会を開きます。  まず、委員異動について報告いたします。本日木島虎藏君が辞任され、小野義夫君がその補欠として指名されました。以上報告いたします。     —————————————
  3. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 次に、中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案並びに中小企業信用保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。初めに政府側より提案理由説明についての補足説明を求められておりますから、これを許します。
  4. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案つきましては、先般提案理由の御説明を申し上げましたが、重ねて若干の補足説明をさしていただきます。中小企業金融公庫商工中金あるいは国民金融公庫、そういう各機関中小企業金融については、相当活動もいたし、また年々資金増加をいたしまして、かなりの成果をおさめておると思うのでありますが、一般的に輸出が非常に伸び、あるいは非常な豊作であって、きわめて一般的な見方をすると、経済状況もかなり改善されたといいながら、やはり中小企業方面にはその恩恵というものがまだ十分に浸透していない、こういう状況でありますので、政府といたしましても商工中金資金をもう少し増したい。同時に低利の金を商工中金にやりまして金利の引き下げもはかりたい、こういうことを考えまして、一応二十億の政府資金商工中金に回すことにいたしたのであります。ところがこの政府資金資金運用部資金でありまして、今の法律の建前から申しますと、直接には商工中金に金が貸せないという形になっておりますので、一つの便法といたしまして、運用部資金中小企業金融公庫に一度貸しまして、その金を商工中金中小企業金融公庫から貸し付けるという形をとったわけであります。もう一つの先ほど二十億と申しましたが、そのうちの十億は今のような形で商工中金に流す。残りの十億は余剰農産物円資金特別会計から生産性本部貸しまして、生産性本部から商工中金に貸す、こういう形をとったわけでございます。  そこで先にかえりまして、中小企業金融公庫から商工中金に金を貸す場合には、現在の中小企業金融公庫法では貸せませんので、新しく条項を設けまして、商工組合中央金庫に金が貸せるという条文を起した。それが御提案申し上げました公庫法の一部改正でございます。  なお、この金利つきましては、運用部資金が六分五厘でございまして、従いまして中小企業金融公庫商工中金に貸す場合もそこでさやかせぎは全然ありません。六分五厘で貸す、こういうことにいたしたわけでございます。  次に、この中小企業信用俣険法の一部改正でございますが、これはこの法律自体中小企業者に対する金融円滑化をはかる一つの方処として昭和二十五年に作られた法律でございます。先ほど申し上げましたように、中小企業は必ずしも金融状況がよくならない。特に零細企業におきましては、依然として苦しいという状態にあるので、零細企業に対する金融対策として、中小企業信用保険法の一部を改正いたしまして、その信用補完措置を講ずる。こういうのが中小企業信用保険法の一部改正法のねらいでございます。  現在中小企業信用保険法によって行われておりまする保険は大別して四種類ございますが、一つ融資保険と申しまして、これは一般金融機関中小企業者に金を貸した場合につける保険でございます。填補率が八〇%で、保険料率は二分一厘九毛ということになっております。  次に、保証保険の中でいわゆる各都道府県にありまする信用保証協会保証をした場合の保険がございます。その中でまた二つにわかれておりまして、普通保険小口保険というのがございますが、普通保険というのは信用保証協会保証をした場台填補率が七〇%、保険料率を二分という条件で保険をかけるのが普通保険小口保険と申しますのは、保証金額を限定いたしまして、従来は個人企業においては十万円、それが組合の場合においては三十万円、それまでの金額について保証した場合にかける保険小口保証保険ということになっております。これを今度の改正法によりまして、従来の十万円、三十万円というのを二十万円と五十万円におのおの限度を引き上げるという改正が一点であります。  第四番目のこの保証保険の形は、いわゆる公庫代理業務を行なっている銀行が金を貸し出し場台にそれを保証するための保険であります。保証するためと申しますか、金融機関代理業務をやった場合に一つ保証を行なっておりますので、それを保険にかける場合の保険でございます。  それから新しく零細企業金融をねらいまして、拘括保証保険という制度を設けたわけでございますが、これは都道府県信用保証協会がある一定のワクを政府と契約いたしまして、そうしますと金を貸し出すつど自働的に保険がついていくという制度でございます。この保証限度は、今度改正しました小口保証保険限度と同じように二十万円、五十万円というふうにいたしまして、ただ填補率を九〇%に上げて保証協会のリスクを減らしておるということと、保険料率を一分四厘六毛というふうにきわめて低くいたしまして利用者の便をはかったという点が新しい妙味であります。これによりまして保証協会活動もかなり活発になることと思いますし、それに基いてまた零細企業も金を借りる場合に相当利益があろう、かように考えて御提案申し上げた次第でございます。
  5. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 以上両法案について質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 海野三朗

    海野三朗君 この提案理由説明のうちで、昭和三十一年度において二十億円の低利資金を同金庫に供給することとした、このうち十億円は中小企業金融公庫から貸し付けるものとした、そうするとあとその十億円というのは政府出資になっておるのですか、どうなっておるのですか。
  7. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 二十億のうちの十億は資金運用部資金でございます。残り十億は余剰農産物円資金特別会計の十億円でございます。
  8. 海野三朗

    海野三朗君 そうすると、まだ十分読んでみておりませんが、金を貸し付ける部門としまして非常に出口が多いように思うのですが、こういう点については政府はどういうようにお考えになっているのですか。その運用を定めて万遺漏なきを期すお考えでここに書いておられるのだろうと思うけれども、ある程度一元化する必要がないのか、中小企業金融公庫とそれから商工中金、いろいろたくさんございますね、そういう方面に対してはどういうふうにお考えになっておるのですか。
  9. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 中小企業に対する金融制度がそのときそのときの状況に応じましていろいろに講ぜられたいきさつがございます関係上、現在は大きく分けますと中小企業金融公庫とそれから商工組合中央金庫国民金融公庫、この三つがあるわけでございますが、国民金融公庫は主としてこれは零細企業と、それから何と申しますか個人企業に必ずしも限定しない。資力のきわめて乏しい者に対する金融を扱っておるのであります。商工中金の方は主として組合の系統的な金融を扱っておりまして、組合組織化一つのねらいとしております。それから中小金融公庫の方は長期の設備資金あるいは運転賃金というものを貸し出す組織でありまして、必ずしも組合に限定はしない。組合組織し得ないような企業者に対しても貸し出しをやっておるということでありまして、おのおの特徴もありますし、若干ずつ目的も違っている状況にあるわけでございまして、従いましてこれを一本にすることが果していいか悪いかという点については、よほど研究を要する問題じゃないかと、かように考えておるわけであります。よく、商工中金中小企業金融公庫を合併してみたらどうかというような話もございますが、目的が違うという点はさておいたとしましても、現在の商工中金中小企業金融公庫を合併した場合に、果して金利というものが大きく下り得るかどうか。それから合併するということになれば、おのずから現在全国に五千くらいある代理店というものは相当減ってくるというふうになろうと思いますが、従いまして、合併した新しい機関が直接貸し出しをやるということにした場合に、借りる方の側からいって果して便利になるだろうかというような点もまあ検討の余地があるのではないかと思います。なお、現在五千の窓口中小企業金融公庫代理業務を行なっておるのを直接貸しということになれば、相当のまあ人間もふやさなくちゃならぬ。ようやく過去五千の代理店業務になれてきた今日、それを全部廃止して新しく技術的に不なれなものをふやして、どこまで能率が上るだろうかというような点も考慮しなければならないと思いますが、今、私どもはこれを合併した方がいいという結論には実は到達しておりません。今後の研究課題として検討はいたします。
  10. 海野三朗

    海野三朗君 私前国会からもだいぶこのことについて質問してきたのでありますが、この地方代理店を置いておられますから、中小企業金融公庫の発足した本来の趣旨にもとるような場合が多々あったように思うのです。どうしてかというと、代理店はみな銀行にまかしてあるものですから、銀行というものは、ほかの中小企業はどうあろうと、貸した金が間違いなく取れることをもって主眼としておる。従って本来の目的よりも少し逸脱した方面にも流れておった形跡を私は見ておるのでありますが、そういうことがあってはならないということを、この前委員会で私が強く要望したのでありました。その後中小企業庁としては、直接貸しというようなことは一体パーセントにしてどれくらいおやりになっておるのか。その点を一つ伺いたいと思うのです。私ここにつけ加えて申しますが、中小企業金融公庫というのは、中小企業を助けるためのものである。金を貸す窓口はもちろん銀行でやっておるからして、銀行の方がもうかりのいい、率のいい方面にばかり走っていっているように思うのです。そうして実際の製造工業とかそういう方面の堅実なる方面、それが十分利益が上っていない、特にかつかつというようなところには、さわらぬ神にたたりなしというようなことで逃げておるのです。都民銀行について私はこの前、去年の八月でありましたか、ずいぶん話をしてみたのでありますが、関東金属に関するすなわちこの機械メーカー、そのメーカーでもみすみすそこには大した利益がないからといって逃げておった。都民銀行です。名前を言ってもいいのですが、私は本来の目的からいうとけしからない現象であるのじゃないかと思いましたがね。直接貸しをするようにされたらどうかということをこの前申したのでありますが、直接貸しにそのようなものがありとすれば、パーセントからいえば何パーセントぐらいになっておりますか、それをお伺いいたします。
  11. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 中小企業金融公庫代理店が必ずしも本来中小公庫が設立された趣旨通りに円滑な貸出しをやっていないという点についての御指摘は、私もしばしば耳にしておりまして、それの改善にはそのつど努力をして参ったつもりであります。最近むしろ商工中金に対する批判よりも中小企業金融公庫に対する批判が非常に強いという点は、確かに何かそこに大きな原因があるに違いないと思いまして、中小企業金融公庫の当事者にもしばしば警告をいたし、改善措置も講じて参っておりますので、なお今後そういう方面についての努力を十分いたしたいと考えております。  また今お話しの直接貸しの点でございますが、これは昨年の十月から開始いたしまして、三十年度としては二十億を直接貸し貸し出そうという計画で始まったものでございます。今日まで貸し出された金額は三億三千万円でございます。なお年度末までに貸し出されると思われる金額はざっと十億でございます。それから三十一年度におきましては貸し出し金額を三百億と予定しておりますが、そのうち六十億を直接貸し貸し出そう、こういう計画でございます。
  12. 海野三朗

    海野三朗君 今日までお貸しになったところで焦げつきになったところがありますか。それがもしありとすればどんな割合でありますか。焦げつき、つまり規則通りに金を入れられなかったところ、金を借りた上で焦げつく、いわゆる期間が来てもそれがきちんと返し得なかった金高はどのくらいでありますか。
  13. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 今日まで焦げつき金額というのを、貸し出しを始めましてから期間がまだ到達していないのでありますが、期限経過後三カ月以上を経過したものにつきましては若干ございまして、件数として七%、金額で二・四%ございます。
  14. 海野三朗

    海野三朗君 もう一つ伺っておきたいのですが、多少の焦げつきがあることもまたこれはやむを得ないことであると思うのです。これはとにかく本来の目的に向ってこれを使用するという点については、やはり中小企業庁の方から出店を作るというときになると、経費の点もあるでありましょうし、人員の配置の関係もあるでありましょうが、出張所というものを一体何カ所ぐらいに今お持ちになっておるのですか、銀行以外の。
  15. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 現在は東京本店がございますほか、大阪、名古屋、福岡、札幌、四カ所に支店がございます。なお三十一年度におきましては、仙台、金沢、高松、広島に支店を設置する予定でございます。
  16. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 速記をやめて。   〔速記中止
  17. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 速記をつけて下さい。
  18. 海野三朗

    海野三朗君 中小企業庁長官に伺いますが、この三十一年度において二十億円云々とありますが、申込件数のうち何件くらいに金を出しておられますか。二十億円で一体金は十分なんですか。国の予算から見るというと、鼻くそほどのように思うのでありますが、中小企業なんというのは、ほとんどこれはお情け的に何か金を出したように考えられるのですが、申し込み件数に対して何件くらい金を融通しておられますか。
  19. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 先ほど申しました二十億と申しますのは、それだけが商工中金の三十一年度の原資ではございませんので、政府貸し付ける金が二十億である、こういうことでございます。そしてその二十億のうちの十億が先ほど申しましたように資金運用部資金であります。残りの十億は余剰農産物円資金特別会計のもの、そのほかに商工中金としては債券の発行あるいは積金増加というようなものを考慮いたしますし、さらに状況に応じましては借入金というふうなことも考えまして、三十一年度としては純増として百億を考えているわけでございます。
  20. 海野三朗

    海野三朗君 申込件数に対して何パーセントぐらい金を貸しておられますか。申込みはやってもこれは落第だというようなのがありましょうか。申込件数にどのくらい金をお出しになっていますか。大体の見当でいいです。
  21. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) ここで正確な数字を持っておりませんが、商工中金の場合には大体組合あるいは組合員でありますから、見ず知らずの人が金を借りにくるという例はないのでありますから、相当申し込みに対する貸し出しの率が高いのではないかと思っております。正確な数字は調査の上わかりましたら、お知らせいたします。
  22. 海野三朗

    海野三朗君 それではもう一つ、今まで私が地方の話を聞いて見ますると、なかなか金が借りられない。それでまた容易に銀行はうんと言わなかったのですね、金がないかどうか知りませんが。それでたくさん申し込み件数があって、そのうち合格して借りられるのは、実にその九牛の一毛であるという話を私は聞いておるのでありますが、年間まあ百億ぐらいの金を何件ぐらいにこれはなるのでしょうか、大体件数は。
  23. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 先ほどの申し込みに対する貸し出しの率、これは正式に、ただ口頭で貸してくれますかというようなことでなしに、正式に申し込みをやった場合、それに比較して大体八割が商工中金貸出率となります。それからただいまのお話は、商工中金お話一般金融機関お話と何か混同しているように私には聞こえましたが……
  24. 海野三朗

  25. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 中小企業金融公庫の方は残高で見ますと一万八千二百件でございます。
  26. 海野三朗

    海野三朗君 私は中小企業庁長官に重ねてお話を申しておきたいと思うのですが、昨年でありましたか、関東金属という会社があるのです。ここは機械製造工業です。でここで金を借りたいからと言うてきましたが、それはこうこうこういうふうにしてその出先に行って金を借りろということを教えてやりましたところが、その取引銀行都民銀行であった、そうしたところが書類を出せと言われて、出し青写真の数が何と四十枚以上になっておるのです。それをようやく作成をして、注文先はこれこれである、それでこれから上る利益はこれこれ、それであるからこれに金を七百万円ほど出してもらいたいという話だったのです。ところが結局その青写真も私見たのですが、四十枚以上ですよ。ところが結局都民銀行の方ではそれには貸されない、不確実であるから貸されないということになってそこがばかをみたわけです。四十何枚の青写真を幾組も作りましたが。それと私が重ねて申しますのは、単に銀行屋だけにまかせておっちゃいけないんだ、銀行屋はその利益の上る方にしか出しませんから。それで今この工業方面資金に因っておるところを救うということにはなっていない。都民銀行です。これは明らかに私ははっきり申し上げますが、東京都内にある都民銀行です。私はこの中小企業金融公庫というものを設立したその根源にさかのぼって考えてみると、本来の趣旨に沿うていない。そういうことがありますから、特に私は中小企業庁長官にやかましく申し上げますのは、本来の目的に沿うようにしていただかなければならない。そうでないと利益の上る方面にばかり銀行がやっていくものですから、中小企業の方にはあまり力を注がない、都民銀行はその一つの例でありますが、青写真も作れということであって、青写真が一組で四十何枚です。これは大した膨大なものです。機械設備から全部作らして、作らしたあげく、お金を貸さない、ああだめだ、それでは仕方がないと断わったのです。何ともしようがない。こういうのを私は眼前に見ておるのでありますが、これらに類似した事柄はたくさんあるだろうと私は思うのです。もしだめなら初めからだめだと言ってくれればいいのだけれども窓口まで引きよせておいて、さんざん青写真を作らしてしまって、それから断わるという、たしか関東金属かなんかの会社です。相手方は都民銀行、そこにも私は電話で言ってやったことがあるのです。ここの工場をよく調べてどうにかしてくれということを言ってやった、結局そこで都民銀行重役会議にかかった。ところがどうも不安心である、ここには金を出さんということに重役会議できまったから出さないと、こういう返事であった。そういうような現象東京都ばかりではなしに、地方にも私はあるだろうと思うのです。注文がこれだけある、これこれから注文をもらっておるから、これだけの還元債務をすれば助かるのであるからと言って精細に調べた、四十何枚ありました。そういうことがありましたので、私は法案が出ると、また去年のことを思い出して、特に企業庁長官にその辺に対するはっきりした御信念を私は重ねて伺っておきたい、こう思うのです。
  27. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 実際の窓口、つまり代理業務を行なっておる窓口相当行き過ぎをやっておると思われる件数がしばしば私も耳にしますので、実際に中小企業金融公準から、各代理店に対して必要上取るべき書類等も、かなり詳細に指示をしておるのでありますが、窓口としてはそれ以上のものを取っている例があるようです。これはそういう窓口指導監督という趣旨をもちまして、本店の方からも常時人を各方面に回しまして、ブロックごとに人を集めて、その行き過ぎのないようにという指導はしております。なお、今後は、先ほど申し上げましたように、支店相当拡充されますので、そういう方面活動と相待ちまして十分に改善をしてゆきたい、かように考えます。
  28. 西川彌平治

    西川平治君 二、三点伺ってみたいと思いますが第一に、中小企業金融公庫は、今最高の貸付を一千万ということをきめておるようでありますが、ところが聞くところによると、暫定的にそれを一千万は貸さないで、それからかなり下げたものを最高として貸しておるやに私は聞いておるのですが、その後におきましては、さらに一千万まで貸しておるという話も聞いておるのですが、実際最高限度貸しておるのであるか、おらないのであるか。さらにまた最高限度をどのくらいの程度まで貸しておるのであるか、これをちょっとお伺いしたいと思います。
  29. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 現在は個人企業については一千万組合については三十万というのが最高限度でございまして、これを何と申しますか、それよりも特に下げて貸しておるということはないはずであります。また今の一千万、三千万というのも一応の限度でございまして、たとえば昨年あたりまでの石炭の不況のような場合にはこれを三千万まで上げた例もございますし、なお中京地区のある大きな組合に対しては三千万をこして貸した事例もございます。
  30. 西川彌平治

    西川平治君 組合に対してはその通りであります。ただしかし個人企業に対してはどうも一千万は貸さないのだというような、いかに一千万まで借りたいといってあらゆる資料を出しても、一千万まで貸さないという話を私は聞いたのです。聞いたのですが、その後また貸すのだということを聞いておるのですが、その辺の程度をもう一ぺん、どうもはっきりしないのですが……。
  31. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) それは具体的な例があると一番よくわかるのですが、一千万は貸さないのだという方針は、これは全然ございませんし、それから必要がある場合には一千万貸しているはずでございます。こういうふうに現実に貸し得るにもかかわらず貸さなかったのだという例があると、私ども調べが非常に楽なんでございますが、今のお話しだけでは、私どもの知る限りでは特にそういう一千万円を限度としながら実際には貸さないということは考えておりません。
  32. 西川彌平治

    西川平治君 それからこの中小企業という見解でございますが、資本金千万円というようなことをやはり言われておったように記憶しておりますが、実際そういうふうになっておるのでありますか。それと同時にもう一つ資本金は、これはたとえであります。たとえ五百万円であるけれども、その会社の内容がものすごく資産を、いわゆる固定資産を持っておるという、流動資産はないけれども固定資産を持っておる。そうするとこれは資本金が小さいけれども実際は中小企業ではないというような判定を下されて、金が借りられなかったというようなことを聞いておるのでありますが、実際どうなんでしょうか。
  33. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 資本金千万円、従業員で申しますると、一般製造工業は三百人以下というのは、中小企業金融公庫法に明記してございます。それからただいまの資本金は五百万円だが、固定資産その他から見て非常に優良会社だというような場合は、金融公庫としては、そういう内容の非常にいいものについては、一般市中金融機関に依存した方がいいというアドバイスはやったかもしれません。まあ大体中小公庫の貸出対象というのが比較的に何と申しますか、中小の中でも力の弱いもの、つまり一般の市中金融機関では、金が借りられないというような場合にそれを補完するのが本来の目的でございますから、ただいま御引例のような場合には、一般市中金融機関にお回りを願った方がいいというような話し方はしたかもしれません。
  34. 西川彌平治

    西川平治君 商工中金に対して二十億の低利資金出してやるということは、私はまことにいいことである思いまするが、商工中金は現在非常に業績がよい関係かどうか知りませんが、配当をしておるようであります。配当をしておるのでありますが、一般に配当などはもらわなくとも金利を下げてもらいたいという借りる方の考えでおるのであります。さらにここに低金利の金を二十億をつぎ込んでいくということになると、さらに私は商工中金利益が上るのではないかと思うのでありますが、この利益が上るものをどういうふうに御処分なさるお考えでおられるのでありましょうか、貸出金利を下げてもらうというようなことはできないものでありましょうか、その点をお伺いいたしたいと思います。
  35. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 現在商工中金の株主というのはほとんどが組合であります。もともとあまり豊かでない組合が多いものですから、全然無配という工合に参りませんので、まあ五%の配当、一般の市中金融機関が一割二歩の配当でございますから、それとの見合いも一応考えなければならぬということで五分ということにしてあるわけであります。  それから金利引き下げの問題、これはもう商工中金金利が高いということは定説でございまして、特に最近一般市中金融機関金利というものはかなり下って参っております。中小企業貸し付けの対象とする商工中金金利が高いということはどうしてもおかしなことでありますので、大蔵省、商工中金の当事者ともいろいろその問題を検討いたしまして四月一日から金利を引き下げる方針をきめて、その数字もほぼ結論に達している次第であります。
  36. 西川彌平治

    西川平治君 そうすると、まあ商工中金から借りる金利は今後下るということを考えていいわけでございますな。
  37. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) さようでございます。
  38. 西川彌平治

    西川平治君 なお一つ伺いたいのは、中小企業金融公庫も先般、たしかわずかでありますが金利を下げていただいた。これは非常に喜んでおるわけでありますが、さらにまあ大企業におきましては金融が緩漫になってきているのでありますが、こういう際にさらに金利を下げていただくことができないかどうか。  それからこういうことを聞いていいのか悪いのか知りませんが、中小企業金融公庫自体が今あれだけの仕事をやっておって、かなりの利益を上げておるのではないかと私は想像しておるのですが、あそこは決して利益を上げる必要はないところだと思うのでありますが、そういう面から考えてみていただいても、金利を下げていただけるのじゃないかと思いますが、その点いかがですか。
  39. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) お話しのところは全く同感でございまして、中小企業金融公庫の利子が九分六厘でありますが、大企業を対象とする開発銀行が九分、中小企業を対象とする中小企業金融公庫が九分六厘というのは、どうしてもそういう方面から見ればバランスがとれない。これは下げなくっちゃならないと思っております。ただこれを四月一日から幾ら下げられるというところまで実は結論が出ておりませんが、今後の方針としてはもっと下げたいというふうに考えておるわけでございます。  それから利益金の問題でございますが、これはお説の通り、本来公庫利益を得ることを目的とする性質のものじゃございません。かりに利益があればこれは全部国庫に納付するという建前になっております。ただいまのところは納付したことはないのでございますが、将来、今後利益が上ればこれは納付すると、こういうことになっております。
  40. 西川彌平治

    西川平治君 最後に一つ伺っておきたいと思いまするのは、これはちょっと聞き方によっては、非常に悪く聞こえるかもしれませんが、そういう悪い意味でないことを一つ前提としていただきたいと思いますが、一般普通銀行から金を借りるよりもまあ中小企業金融公庫とかあるいは商工中金から金を借りるのは、いとその手続その他が簡単にできて、いわゆる金を借りるための経費が安くつくというようなことを、われわれはこいねがっておるのでございます。ところがそれが逆だというようなことを言うておる人がありますが、要するに手続が非常に一般銀行よりむずかしい、また、その手続をするための経費がかかるということを言っておるのでありますが、こういう点に対して中小企業庁あたりがどういう見方をしておられるか。また、そういうことに対する監督をどういうふうにお考えになっておりますか、伺いたい。
  41. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 一般市中金融機関でも、全然見ず知らずの人が行って、その調査をするということになれば、やはり相当めんどうくさいことをやられるのだろうと思います。ただ、普通の場合においては、大体そこと取引のある人が一般市中金融機関に借りにくるのでありますから、あらためて資産調査とか信用調査をやる必要がない、こういう点から見ますと、中小企業金融公庫へ来る人は大体新しい人が多いのでありますから、その比較においては若干めんどうだという面もあるかと思います。しかし、特に市中金融機関と比べてきわめて繁雑だというような手続は、少くともこの公庫の定められた手続としてはないのでございます。先ほど申しましたように、出先、出先と申しますか、代理店がそれ以上のことをやっておるという例があれば、これは別の話でございますが、手続はなるべく簡素化して、特に零細企業、あるいは貸出金百万円以下というようなものについては、企業自体が大体零細でありますから、特にそういうものに対する貸出の場合には、手続を簡素化するようにという指導は今日までやってきております。近くまた一段と簡素化するような政策をきめたい、遠からずこれは発表できると思います。
  42. 西川彌平治

    西川平治君 わかりました。
  43. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) この際、私から一つ聞きたいのですが、中小企業金融関係の資料の一番あとのページ、これにずっと業種別、設備、運転資金別に数字が載っておりますが、サービス業、これに設備で約九億、運転で四億一千何がしというものが出ておりますが、総計十三億、比率で二%を占めておる。このサービス業の内訳はどういうふうにこれはなっておりますか。
  44. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) これは、おもな業種は機械修理業とか、外食券食堂、それから風呂屋等が主な業種でございます。
  45. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) おもなのはそうでしょうが、まさかパチンコ屋や特飲店は含んでいないでしょうね。
  46. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) それはもう全然含んでおりません。
  47. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) その金額はどうなっておりますか、おもな業種別の金額は。
  48. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) ここに資料がございませんので、あとで調べて御報告申し上げます。
  49. 古池信三

    ○古池信三君 ちょっとお尋ねしますが、今までにあるいは御説明があったかとも存じまするが、今度の改正によって、二十億円の低利資金商工中金の方に回ることになるわけですが、そうしますと、それによって商工中金の方の金利がどのくらいに下るのか、その見通しはわかっていますか。
  50. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 二十億の金を出しまして、浮いてくる金と申しますと千五百万円ぐらいでございますから、これだけではそう大した金利の引き下げということはできません。金利の引き下げをやるためには、企業努力とか、あるいは今後の中金債の発行の場合に、発行の条件がだいぶ下ってくる、そういうことを期待する、あるいは、年末の金融の際に、今までは日銀から借りておりますが、市中金融機関から短期のものを借りた方が利子が安いというような関係で、そういうものに依存する、いろいろな方法を講じまして、ただいまのところは三億数千万円の余裕というものを出しておる。それで金利を引き下げたい、こういうふうに考えておるわけであります。
  51. 古池信三

    ○古池信三君 そうすると、二十億による金利の引き下げということは大したものじゃない。むしろ九牛の一毛といいますか、そういう程度なんですな。
  52. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 九牛の一毛というほどひどくもないのですが、大体私どもが推算いたしまして、かりに二厘五毛下げるとしても三億四、五千万円要るわけでございますから、その中の千五百万円ではわずかだと、こういうわけであります。
  53. 古池信三

    ○古池信三君 こういうふうなやり方というものは、三十一年度だけですか。あるいは将来も引き続いてやられる考えがあるのですか。
  54. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) これは考え方の問題でありますが、商工中金金利を引き下げるためには、実は運用部資金というような、現在のほかの金に比べれば低利なものでありますから、そういうものを今後といえども商工中金に流していくという必要があろうと思います。ただ、ただいま御提案申し上げておる法律改正は三十一年度限りのものであります。
  55. 古池信三

    ○古池信三君 むしろ商工中金金利引き下げということを考えるならば、中小企業金融公庫を通じないで直接商工中金の方に資金運用部資金がたくさん行くように法的にも考えられたらいいじゃないかと思うのですが、これについてはどう考えますか。
  56. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) お説は全く私どもも同感で、その点を私ども考えたのでございますが、資金運用部資金法によりますと、国または国に準ずる機関以外に政府の金は貸せないということになっておりまして、それは実質的な議論をすれば商工中金政府機関ということになるかもしれませんが、法律的な議論としては、国または国に準ずる機関ということにはなりませんので、全くのこれは便法として中小企業金融公庫を通して貸すという手段を講ぜざるを得ないわけであります。
  57. 古池信三

    ○古池信三君 関連したことになりますが、生産性本部から十億円をやはり借り入れるということになっておるわけですが、これは余剰農産物による資金が年産性本部に入って、それがさらにこちらへ回ってくる、こういうふうに了解しているわけですが。
  58. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) お説の通りでございます。
  59. 古池信三

    ○古池信三君 そうしますと、余剰農産物資金の利用ということは生産性本部の運動を強化するということに目的があるだろうと思うのです。ところが、その目的を逸脱して、商工中金の方の資金に回すということは、これは余剰農産物資金の本来の運用という点から見て果して許されることかどうか。また、これについてはアメリカとの間の話し合いが必要であると思うのですが、そういう点は十分アメリカは了解しておるのかどうか。
  60. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) これはアメリカとの話は完全についております。それから生産性本部貸した金を商工中金貸してしまったのでは生産性本部を援助することにはならないというお説でありますが、これは内輪を打ちあけたところを申しますと、生産性本部に貸すときには余剰農産物資金から四分で貸すわけであります。商工中金はそれを六分五厘で借りまして、二分五厘というものは生産性本部の事業資金として出るわけでございます。まあかたがた商工中金金利引き下げの一助にもなり、同時に生産性本部活動資金にもなるということをねらい、それで、商工中金に十億貸したというのも、結局は中小企業に対する貸し付けでありますから、生産性本部目的の一部もかなえられる、こういうような考え方で講じた方法であります。
  61. 古池信三

    ○古池信三君 大体わかりましたが、生産性本部が十億円という金を運用を受けて、そして二分五厘の利ざやをかせぐと、そういうことは生産性本部としてはあまりやるべきじゃないように思うのです。むしろそういうことよりも、十億円なら十億円の金を直接生産性本部の運動に使えばいいのであって、その利息のさやをもうけるということは、これはちょっと筋が通らぬように私は思うんですが、どうですか。
  62. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 筋の問題はまあ別としまして、実はいきさつから申しますと、運用部資金をまるまる二十億商工中金に貸すという形が望ましいというので、私どももそういう考えで初めはいったのでございますが、運用部資金の金も非常に窮屈であるというようなことで、どうしても十億しか出ない。ところが十億ではどうしても金利引下げ、その他の財源からいって足りない、こういうので、窮余の策と申しますか、考えようによっちゃ名案だと言う人もあるのですが、最後にとられた手段でございます。
  63. 古池信三

    ○古池信三君 どうもその政策の考え方が不徹底なように思うのですが、もしも中小企業を援助してやるという意味ならば、生産性本部が借り入れた四分の金利で、そのまま利ざやをかせがないで、商工中金貸してやったらいいじゃないか。あるいはまたこの本来の生産性向上の運動に寄与せしめようと、こういうのならば商工中金を通じて使わせる場合に、これだけの十億の金は生産性向上の費用に使うべしと、こういうひもをつけて貸すとか何か、そうならわかるのですが、ただばく然と商工中金貸して、しかもその間に金利はさやを取るというのでは、はなはだどうも不明朗な感じがするわけなんです。特に国がこういう点を世話をしてやるという場合には、少し納得のいかぬような感じがするんですが、それについてはどう考えておりますか。
  64. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 今先生のお説のような議論も、こういうことがきまる過程においてはしばしば論議されまして、生産性本部が本来その十億の金を一番金融に困っている中小企業者に貸すという制度が認められるならば、それが一番いいと思います。ところが外国ではそういう例はあるそうですが、日本ではそれが認められておりませんので、やむを得ず中小企業者を対象とする機関であって、しかもよそのものには流れないという確実な商工中金というものを選んで貸し付けるという方法をとった次第であります。
  65. 古池信三

    ○古池信三君 もしそういう場合だったらですね、やはり生産性本部としては、あくまでその十億円の使途については生産性向上という目的を直接達成するような用途でなくては困ると、一般商工中金貸したその中へ入ってしまって、どういう目的に使われるかということを明確にしないで、その金が流れるということはおもしろくない、こういうふうな考え方も私はできると思うのです。特にこの十億円についてはそういうふうな注文がつけられておるのかどうか、その点はどうですか。
  66. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 特別にそういう注文が明記されたとか、はっきりつけられたということはありませんが、実際の運用に当っては御趣旨に沿うように運用をするということになろうと思います。
  67. 古池信三

    ○古池信三君 それからこの生産性本部から回っていく資金はやはり三十一年度限りですか、将来もこういうことは考えられるのですか。
  68. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) これは一応三十一年度限りとして考えているのでありますが、将来のことは、そういう例をまた踏襲してやるかどうかということは、今のところはっきりいたしておりません。
  69. 古池信三

    ○古池信三君 ちょっとほかの方をお尋ねしたいのですが、今各地に専門店会というような運動が、だいぶ盛んになってきているのです。これについては、今どんなふうな実情にあるかということをお調べになっていることがございますか。
  70. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 各地方全部にわたって詳細に調査をした資料はございませんが、大体どういう団体が、どういう構成でできているかという程度の調査でございます。
  71. 古池信三

    ○古池信三君 こういう専門店会の活動、運動というものに対して、政府はどう考えておられるか、これは大いに助成してやるべきだと考えておられるか、放任していいとお考えになっているのか、ちょっと伺いたい。
  72. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 専門店会のお互いの何と申しますか、その活動の中にもいろいろあると思います。大きくと申しますか、一般的に中小企業の問題として取り上げられている税制の問題だとか、あるいは経営の問題だとかというようなことは、もちろんこれは大いにやっていただいて、できれば全国的にまとまった意見というようなものも出してもらうということもけっこうでありましょうし、それからお客様に対するサービスの改善というようなことについても、かなり熱心に研究をしておるところもあるようであります。こういうことは私ども大いに奨励したいというふうに考えております。
  73. 古池信三

    ○古池信三君 こういう中小の商店がやはり一番困っている問題は、税金の問題もそうでありますが、もう一つは、中小企業金融公庫あたりから融資を受けようとしても、設備に要する資金でないから非常に困難である。いわゆる運転資金ですね、そういうものに対しては、今どんなふうに考えておられるか。
  74. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 中小企業金融公庫が貸す金の中にも、もちろん運転資金が入っております。ただ、比率から申しますると、長期の設備資金が多いということでございます。それから今の専門店の中で、商業協同組合というようなものがあれば、これは商工中金の方から金が出ているはずでございます。
  75. 古池信三

    ○古池信三君 中小企業金融公庫から貸し出しをする運転資金というものは、大体最高限はどのくらいになっておりますか。
  76. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) これは一般製造工業と同じでありますから、個人については一千万円、組合については三千万円ということが限度になっております。
  77. 古池信三

    ○古池信三君 実際問題として、運転資金を一千万円も出すような例はあったですか、どうですか。あるいは今までの実例として、最高限はどのくらい出ているか。
  78. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) ただいま手元にある資料ではちょっとわかりかねますので、調査をして御報告申し上げます。
  79. 古池信三

    ○古池信三君 後日お願いします。それから最後に一つお尋ねしたいのは、これは前々からしょっちゅう言われている問題なんですが、これに対する政府の御所見を伺いたいと思うのですが、中小企業協同組合と、それから中小企業安定法による調整組合、これを一本にしてほしいというようなことを、地方によってはだいぶ熱心に希望している向きもあるように思いますが、これはやはりどうしても一本にはする気はないのか、あるいはしてはならないものであるか、その辺の一つ御所見を伺いたい。
  80. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 便利であるという点から考えると、協同組合が同じメンバーで同じ事務所で、調整組合も同じ事務所にあるというようなそういうものについては一本にした方が便利であるということは確かに言えると思います。ただ、協同組合と調整組合とは性格が全然別なものでありますので、法理論として議論しますと、どうもこれは一本化することは工合が悪いということになりまして、実はこの国会におきましても、それを合併したものを作るような法律を御提案申し上げようかというので、部内でだいぶ検討いたしたのでありますが、まだ何と申しますか、研究不十分であるという段階のために、おそらく間に合わないことだろうと思います。
  81. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 速記をとめて。   〔速記中止
  82. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 速記をつけて。
  83. 海野三朗

    海野三朗君 中小企業庁長官にお伺いしますが、この物品販売業に相当金を出しておるようでありますが、今日百貨店法がいろいろ問題になっているときに、この物品販売業という中には、地方の購買会とかそういう方面に金を出しておられることはこの中に入っておりませんか。
  84. 佐久洋

    政府委員佐久洋君) 物品販売業の中には、購買会は全然入っておりません。
  85. 海野三朗

    海野三朗君 じゃ、それで……。
  86. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 以上二法案についての質疑は本日はこの程度で終了いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  87. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) それではさよう決定いたします。     —————————————
  88. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) この際、お諮りいたします。東北興業株式会社法の一部を改正する法律案について、建設委員会との連合審査会を申し入れることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼が者あり〕
  89. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。委員長は右の旨建設委員会に申し入れることにいたします。  本日の委員会はこれをもって散会いたします。    午後三時二十四分散会      —————・—————