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海野三朗君 私は企画庁
長官にお伺いいたしたいのですが、この
計画達成のために必要な施策として大へんりっぱにお書きになっておるようですが、
産業基盤の強化といい、
貿易の振興といい、またこの二十七ページには、科学技術の振興ということをうたっておられますが、この科学技術の振興をするためには「一連の諸
政策が強力に推進されなければならない。」こういうふうに述べてあります。そこで私は、この
計画表を見て思いますことは、この科学技術の大切なること、
貿易の振興をはからなければならないことは、この五カ年
計画のほとんどバック・ボーンになっておると私は思うのです。しかるに今日のこの
政府の
あり方、特に企画庁、また通産省においては、課長というものがみな事務官ばかりからなっている。いわゆる法科万能と申しても過言ではないのです。この法科万能の姿が
民間よりもおくれておるのです。こういう
あり方が、で、その法科万能をやって、てんとして顧みないで、そうして科学技術の振興とか何とか、いや
貿易をふやさなければならないとか何とか、品質の
向上で値段を安くしなければならんとかいうことをうたうけれ
ども、この行政官庁の
あり方というものは、この技術者をほとんど眼中においていない
状態でありますが、こんなことでは法科万能でもってこういうふうなことを作文を作っておる、私はあえてこれを作文と申し上げたい。こういう
あり方自体を私は即刻改善することが必要なのではないか、私はこう思うのです。昔は、私が申さんでもよく御
承知のように、軍閥、官僚、これがばっこをした。その結果はどうなったかというと、軍閥というものは敗戦によってたたきのめされたけれ
ども、今日官僚の牙城は依然として、牢固として抜き得ないのである。こういう際にこの官僚の、いわゆる
あり方というものは、言葉をかえて申しますならば、法科万能である、はなはだしきに至っては、高文を通った者がもう次から次といくポストはきまっておる。そうして一年間、長くても一年半ぐらいおると、もうすぐ一段すぐれたる位置に高飛びしてしまう。こういう
人たちが案を作ったりなんかしておる。私はそういう
あり方に対しまして、この科学技術の振興という点からも、この技術出身の技術的な頭脳を持った幹部が、やはりこの行政官庁に位置を占めていなければならないではないか。こういうふうに思いますんで、この五カ年
計画はまことにごりっぱなことでありまするけれ
ども、この基を私は是正しなければならないのではないか。そうでなければ幾ら笛を吹いたって科学技術の振興がどうだこうだと言ってみたところで、本省をながめてみるというと、技術者というものはもう踏みつけられておる。こういう
あり方は私は穏当ではないと思いますが、こういう点について
長官はどういうふうにごらんになっておりますか。私はきょうもこの官公庁職員の抄録を持ってきておりますが、各省を見ると実にひどい。ことに通産省などはひどいんでありますが、こういうふうな課長、しかも技術的な頭を持った人が課長になって、そうしてこの
輸出入の品物についてもいろいろと世話をしてくれなければならないのではないかと思うのに、全部法科出身の人ばかりで、この
あり方が私ははなはだいけないのであると思いますが、
一つ長官の御所見を私は承わりたい。