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1956-01-31 第24回国会 参議院 商工委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十一年一月三十一日(火曜日) 午後一時三十五分開会
—————————————
委員
の異動 十二月二十二日
委員岡三郎
君
辞任
につ き、その
補欠
として
栗山良夫
君を
議長
において指名した。 一月三十日
委員
阿
具根登
君
辞任
につ き、その
補欠
として
藤原道子
君を
議長
において指名した。 本日
委員藤原道子
君
辞任
につき、その
補欠
として阿
具根登
君を
議長
において 指名した。
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
三輪
貞治
君 理事 古池 信三君 小松 正雄君
委員
小野 義夫君 西川彌平治君 白川 一雄君 中川 以良君 深水 六郎君 阿
具根
登君 海野 三朗君
政府委員
通商産業政務次
官
川野
芳滿
君
通商産業大臣官
房長
岩武
照彦
君
通商産業省企業
局長 徳永 久次君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○小
委員補欠選任
の件 ○
経済自立方策
に関する
調査
の件 (
昭和
三十一
年度
の
通商産業省関係
予算
に関する件) (
昭和
三十一
年度
の
財政投融資
に関 する件) ○
委員派遣承認要求
の件
—————————————
三輪貞治
1
○
委員長
(
三輪貞治
君) ただいまから本日の
委員会
を開きます。 まず、
国産車振興
に関する小
委員
についてお諮りいたします。
栗山良夫
君が昨年十二月二十二日
商工委員
に指名されましたので、
同君
を
国産車振興
に関する小
委員
に指名いたしたいと存じます。また、
国産車振興
に関する小
委員
でありました阿
具根登
君が、昨日
商工委員
を
辞任
されましたが、本日再び
商工委員
に指名されましたので、改めて
同君
を小
委員
に指名いたしたいと存じます。以上の
通り国産車振興
に関する小
委員
を指名することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
三輪貞治
2
○
委員長
(
三輪貞治
君) 御
異議
ないと認めます。それではさよう決定いたします。
—————————————
三輪貞治
3
○
委員長
(
三輪貞治
君) この際、
通商産業政策一般
に対して
川野政務次官
より発言を求められておりますので、これを許します。
川野芳滿
4
○
政府委員
(
川野芳滿
君)
通産行政
の
一般方針
につきましては、
大臣
より追って御
説明
を行う
予定
でございますので、私とりあえず三十一
年度
の
一般会計予算
及び
財政投融資
の
概要
につきまして御
説明
申し上げたいと思います。
一般会計予算
の
重点
は
通商
の
振興
、
技術
の
振興
、
中小企業
の
対策
、
産業基盤
の
強化
、これらを
重点
として
予算
の
要求
を行なっておったのでありますが、
通商振興
につきましては、
各省
の
要求
を
通産省
におきまして一括計上することにいたしまして、昨
年度
予算
より約一億の増加をいたしておるような次第であります。さらに、
技術
の
振興
でありまするが、
試験所
、
研究所
の
研究費
を約倍額増加いたし、さらに
金属材料研究所
を新設することにいたしたのであります。なお、
中小企業対策
といたしましては、
各種補助金
の
増額
、あるいは
中小企業相談所
の増設、こういうことを行う
予算
を計上いたしたような次第であります。さらに、
産業基盤
の
強化
問題でありまするが、
産業
の
生産性向上
のために、
生産性向上運動
を滲透いたしたい、こういう
考え
のもとに
予算
の
増額
をいたしておるような次第であります。さらに、
工業用水確保対策
といたしまして、一億八千数百万の
予算
を計上いたしておるような次第であります。 さらに
特別会計予算
中、新しい事項といたしまして、
輸出保険特別会計
に
海外投資保険
を新設する。なおさらにバナナ、
パインアップル等
の
利益吸上げ
のための、すなわち
特殊物資納付金処理特別会計
を新設いたしたい、こういうふうに
考え
ておるような次第であります。 さらに
財政投融資
の問題でございまするが、極力
民間資金
を活用する
方針
のもとに、
開発
の方においては自己資金合せて三百六十億を計上し、なお、
電源開発資金
といたしましては
財政資金
三百一億余、さらに社債を七十億発行しよう、こういうことで
電源開発
を促進いたしたい、こういうふうに
考え
ているような次第であります。それからさらに
中小企業金融公庫
、あるいは
輸出入銀行等
は
財政資金
を増加し、また
商工中金
におきましても
資金運用部資金
から十億、さらに
余剰農作物見返り資金
から十億繰入れまして、そうして
商工中金
の金利も引き下げよう、こういうふうに
考え
ているような次第であります。 なお、詳細の
数字等
につきましては
官房長
から詳しく
説明
させたいと
考え
ている次第であります。
—————————————
三輪貞治
5
○
委員長
(
三輪貞治
君) これより
公報
をもって御通知申し上げました
経済自立方策
に関する
調査
を行うことにいたします。ただいま
政務次官
より
概要
については御
説明
をいただきましたが、
昭和
三十一
年度
の
通商産業省関係予算
に関する件につきまして、
政府当局
より詳細な
説明
をお願いいたしたいと思います。
岩武照彦
6
○
政府委員
(
岩武照彦
君) お手元に
昭和
三十一
年度
予算要求額一般会計重要項目別表
というのがございます。これから御
説明
いたしたいと思います。 先ほど
政務次官
から御
説明
いたしましたように、
予算
の四つの柱といたしまして
貿易振興
、
技術振興
、
中小企業対策
並びに
産業基盤強化対策
と並んでおるのでございます。 その
最初
の
貿易振興対策
でありますが、三十
年度
九億七千九百万円という
予算
をもちまして
各種
の
施策
を進めて参ったわけでございます。本
年度
は大体この
施策
を継続
強化
いたしまするほか、先ほど
政務次官
から御
説明
ありましたように、
各省
でそれぞれ
輸出振興施設
を行いたいという
予算要求
を、
大蔵省
とわれわれの方と相談いたしまして、
各省ばらばら
で行いまするよりは
通産省予算
に一括計上いたしまして、
関係各省
と
連絡
をとりながらやった方が、
在来
の
輸出振興施設
との
関係
もございますので、明年はそういうふうな
考え
方のもとに約一億円増加いたしまして十億七千九百万円というようになっております。この詳細は二ページ目の方に詳しく書いてございますので、その次の紙をおあけ願いまして御
説明
したいと思います。 この
貿易振興対策費
の明細は、一応
海外市場
の
開発費
と
中小企業
の
輸出振興費
と
輸出品検査費
というように分けてございます。
最初
のこの
海外市場
の
開発費
に一番の
重点
を置いているわけでございます。一番
最初
の
海外広報宣伝費
でございますが、これは本
年度
もやっておりますように、
各種
の
宣伝物
、つまりカタログでありますとか、パンフレットでありますとかというようなものを役所において買い上げまして、これを在外の公館あるいは適当の
施設
に送付いたしまして
宣伝
しようという金でございます。それからもう
一つ
は 映画でありますとか、あるいはテレビ、
ラジオ等
を利用いたしましてそれぞれの
商品等
を
宣伝
いたしまするこの金の
補助
、合わせまして
二つ
計上したわけであります。
商品別
にいろいろな一般的なものもございますほかに、特に
生糸
、
絹織物等
につきましては、それぞれ特殊の
施設
を利用いたしまして、いろいろな
宣伝
をするというような
事業
でございます。なかんずく主力は
購買力
の一番商いと思われまする
ドル地域
、
アメリカ
でありますとか、カナダでありますとか、こういう
方面
に特に
重点
を置きたいと
考え
ております。 それからその次の
国際見本価
の
参加補助
でございまするが、これは本
年度
も約十数カ所の
対象
の
国際見本市
に参加しますものの
補助
を行なって参りましたが、
明年度
におきましても、やはり相当
各地
で
国際見本市
の
計画
がございまするので、これに欣然参加いたしまするための
所要
の
経費
の
補助
を行いたい、こういうふうに
考え
ております。それからなお
備考
のところに
巡回見本船補助
とございまするが、これは
明年度
の
新規事業
といたしまして船を一ぱいチャーターいたしまして、その船上に
機械等
を展示いたしまして、相手方の港に入りまして、そこでこれを運転して、まのあたり
日本
の
機械
、
商品
の性能を
宣伝
して参りたいと思っております。
重点
を
東南アジア
に置きましてぜひ
明年度
実施いたしたいと
考え
ております。それからなお
備考
の
最後
の
日本国際見本市補助金
でございますが、これはすでに御
案内
のように、
東京
及び
大阪
におきまして一年交代に
国際見本市
を開いております。本
年度
は五月に
東京
で行いました。
明年度
は
大阪
の
予定
でございます。それに対しまする
補助
を計上してあります。 それから三番目の
海外市場調査補助
でございますが、これは
海外貿易振興会
、いわゆるジェトロの行なっておりまする
各種
の
市場調査
の
補助
でございます。短期、
長期等
の
派遣委員等
も出しております。あるいは特殊の
市場
に向けましては
調査班等
を編成いたしまして
市場調査
を行い、その
市場
の動向あるいは
見本品
の
宣伝等
も行いたいと
考え
ております。おもに情報、市況の収集が
中心
になると思います。 それから四番目といたしまして、
貿易斡旋事業補助
でございます。これは
備考
にございますように、いろいろな
費目
が入っておりますが、
最初
の
貿易斡旋所
はいわゆるトレード・
センター
でございます。現在ニューヨーク、サンフランシスコ、カイロ及びトロントの四カ所でございます。これを本年は既設のものをさらに
強化
拡充して参りたいという
経費
でございます。諸般の
関係
上新設は本年は見送っております。それから
農機具
の
サービス
・
センター
でございますが、これは本
年度
初めて
ラングーン
にこの
サービス
・
センター
を置きましたが、なかなか成績もよくなりそうでございまするので、明年はさらにセイロンに一カ所増設いたしたいというふうに
考え
ております。それから
電気機械
の
サービス
・
ショップ
でございますが、これは
明年度
新しく設けたい。ちょうど
農機具
のいわば例にならって
サービス
・
ショップ
を置きたいと
考え
ております。これはパキスタンの
予定
でございます。この
サービス
・
センター
あるいは
サービス
・
ショップ
というふうに、
機械類
につきましてはいろいろ現実の
宣伝
のほかに、あとからフォローしたアフター・
サービス
も開く、そういうふうにして現地に根を張るように
指導
して参りたいと、こういうふうに
考え
ております。 それから五番目の重
機械技術相談事業補助
でございますが、これは先年来ありました重
機械技術相談室
というのを
機械輸出組合
の傘下で
東南アジア
及び中南米の
各地
に六カ所ばかりそういう
組織
をもってやっておりましたが、これを本
年度
におきまして改組をいたしまして、
輸出プラント技術協会
というふうに別個な
組織
といたしまして再発足して、目下その陣容を急いでおります。この
事業
の
補助
でございます。 それから六番目の
海外建設協力事業補助
、これは
建設事業
の
関係
が今後
賠償経済協力等
の進展に伴いまして、いろいろ
海外
に足場を持ちあれをする必要がございますので、その
関係
の
補助
を本年から始めまして、
目下ラングーン
にありますが、
明年度
はこれをフィリピンにも増設したいと
考え
ております。これはまあ先ほど申し上げましたように
所管
ということをやかましくいえば、あるいは
建設省
の
関係
の団体かとも存じまするが、先ほど来申し上げましたように、すでに
ラングーン等
におきましては、
通産省
でもそれぞれの
輸出振興施設等
を持っておりますので、それらと緊密な
連絡
をとり、効率的に活動いたしますために
通産省予算
に計上しまして、
建設省当局
と相談しながら、最もいい
方法
で
運営
をしたいとこういうふうに
考え
ております。 それから、その次の
農水産物輸出振興事業補助
、これは
農水産物
の
関係
の
輸出
と申しますると、
生糸
、あるいは
カン詰
、
お茶等
がございまして、この
輸出振興事業
も、
海外
におきまして、あるいは
輸出組合
の
系統
、あるいは
生産者系統等
いろいろございまするが、これも先ほど来申し上げましたような
趣旨
におきまして、
通産省
において一括計上しまして、
農林当局
と
連絡
をとりながら遺憾のない
運営
を期したいというふうに
考え
ております。この支出の
方法等
につきましても目下
農林当局
と打ち合せ中でございます。 それからその八番目の
医薬品輸出振興事業補助
、これは本
年度
も若干の
広告宣伝費等
がございましたが、
明年度
は新たに香港に、何といいますか、
宣伝施設
を設けたいというふうな話が進んでおります。それに対する
補助
を行う
関係
で、これも六番目及び七番目と同様の
趣旨
で、
通産省
におきまして
中心
となって、
厚生当局
と
連絡
をとりながらやりたい、こういうふうに
考え
ております。 それからその次のBの
輸出意匠改善費
でありますが、これには積極的に新しい
デザイン等
を考案する、あるいは
試作
するという問題と、それから消極的に
日本品
が
海外
の
デザイン等
を侵害しているというふうな非難もございまするので、それを防止するための
費用
と両方あるわけでございます。その
最初
の(1)は国内にも
海外
の
デザイン等
を集めまして、
輸出
の引き合いがあるごとに、これが
海外
の
デザイン
を侵害しているおそれがないか等のことを行なっているいわゆる
デザイン
・
センター
的な構想がございます。それに対する
補助
であります。 それから二番目の
海外商品
の
見本蒐集補助
でありますが、これから先は積極的な
方面
で、これは
海外
の優秀なる
見本類
を集めまして、
日本
においてそれを模倣することは悪いわけでありますが、
外国市場
の
嗜好等
を十分熟知して、その好みに合った品物を作るというふうなことを行う
仕事
の
補助
でございます。 それから
デザイナー
の
育成指導
でございます。これも新しい
デザイン等
を考案しますために
外人
の
デザイナー
を招聘する、あるいは留学生を派遣するというふうな
関係
の
経費
でございます。 それから四番目の
輸出陶磁器
並びに
雑貨
の
意匠
及び
製造技術改善研究費
、これもこういう業種におきまする
民間
の
研究等
を援助いたしまする
関係
の
費用
で、これは主として名古屋の
工業試験所
並びに
産業工芸試験所
の
二つ
に
中心
を置きまして、こういう
仕事
を積極的に進めて
民間
の
指導
に当りたい、こういうふうに
考え
ております。 それからCの
中小企業輸出振興費
であります。これは特に中
企業関係
では、以上申し上げましたような
費目
だけでは十分に目的を達しないものがございまするから、まあ補完的に
各種
の
措置
を行いたいと
考え
ております。そのうちの
新規輸出品
の
試作奨励費
、これは読んで字のごときものでありまして、新しい
輸出品
の
試作
に対して相当の
補助
を行なって奨励して参りたいというふうな
趣旨
であります。主としてこれは
雑貨系統
あるいは
繊維系統
に行われる
予定
でございます。 それから二番目の
中小企業輸出振興技術研究補助
でございますが、これはやはり今申し上げました以外のいろいろな
機械関係
、
雑貨関係等
におきまして、新しい
試作
といいますよりも、もう少し前の
段階
の
研究
を、
輸出品
の、何といいますか、まあ、良質なものを作らせるための
研究
をやらしておりますが、その
補助
をします
関係
でございます。 それから三番目のは、これは
海外市場維持対策補助
、これはちょっと毛色が変っておりまして、本
年度
も
同額
の
経費
を計上いたしておりますが、これは
海外
におきまして、あるいは
関税引き上げ
、
輸入制限等
が行われて、これに対して、わが方から適切な手を打つという必要がある場合があるわけでございますが、
中小企業等
ではなかなか簡単に
渡航費等
も出ませんので、その
関係
を
渡航等
につきまして
補助
してやって、機を逸せず手をいたしたいと思って、本
年度
はたしか
陶磁器等
につきましては渡米をたしかこの
費目
で行わせたと
考え
ております。 それから四番目の
特産品
の対
米輸出振興費
、これは今各
府県
でいろいろな
特産品
が、ことに
雑貨系統等
ではずいぶんあると思いますが、遺憾ながらこれは
外国
の
趣味嗜好
、特に
雑貨系統
は
アメリカ
に主たる
輸出地
を求めておりまするが、これになかなかうまく合わない、もう一息いろいろなことを
研究
すればというのがたくさんある。漆器にいたしましても、あるいは
陶磁器
にいたしましても、その他たくさんあると思いますので、そういうふうな
特産品
に対しまして、
外人
を招聘して、
海外
の目で、この
特産品
をこういうふうにしたら
外国
の、ことに
アメリカ
の
趣味嗜好
に合わせられるというふうなことを、まあ、
指導
してもらうという必要があるかと思います。そういう
関係
の
経費
がこれでございます。 それから
最後
の
農器具
でございますが、それは本
年度
も行なっておりまするような
農器具
および
包装等
の展示の
費用
でございます。 Dのところは、これは私の方にありまする
検査所関係
の
検査費用
でございます。これは詳細の御
説明
は省略いたします。 以上をもちまして、まあ、本
年度
よりも約一億の
増額
で、ある
程度
の新規な
仕事
もできると
考え
ております。 それから前に返りまして、第二の大きな柱でありまする
技術振興対策
でありますが、これはいろいろな
項目
がございますが、先ほど
政務次官
から御
説明
いたしましたように、一番の
重点
を
国立研究所
の特別の
研究費
の
増額
に置きまして、約倍額計上しておりますが、これは実は
国立
の
研究所
、
通産省
に十一ございますが、この
研究所
におきまして、ある
程度
実験室的な
規模
では成功をいたした
技術
もございまするが、これをもう少し
規模
を大きくいたしまして、まあいわば
中間工業化段階
に近いところで、もう少しこの条件を明確にいたしまして、
技術
の完成を期する
研究
も二、三ございまして、実は当初はこれは別途の
組織
をもって行わしたらどうかというふうに
考え
ておりましたが、なかなかこの際新しい
組織
を設けることはいかがかと存じますので、むしろこの
研究費
をふやしまして、せっかくの実験室的に成功しておりまするけれども、埋もれかかっておる
技術
を生かそうというわけであります。二、三例をあげますれば、たとえば海水の
工業利用
の問題でありますとか、
直流電送
の問題でありますとか、あるいは石炭の
ガス化
の問題でありますとか、いずれももう少し注ぎ込んでやる必要がございますから、まあその他の
項目
もございまするが、そういうふうな
趣旨
も加えまして、明年特に
増額
いたしたいと
考え
ております。 それからもう
一つ
、その上にあります
金属材料研究所
であります。この
金属材料研究所
につきましては、
航空技術研究所
が本年から発足しておりまするが、その設立の
最初
からこの航空機の製作に必要な
金属材料
につきまして、現在の
日本
の
技術水準
があまりにもかけ離れておるようだと、ぜひそういう
関係
から
金風材料研究所
がほしいという要望が強くございまして、
かたがた在来
からのいろいろな
機械関係
の鉄の素材の材質問題でありますとか、あるいは今後
原子力関係
の炉の
操作用
のいろいろな
金属等
の問題がございますが、この際新しい
研究所
を増設したらどうかということで、初
年度
の
経費
といたしまして一億円を計上したわけでございます。 その他の
費目
、初めの
一つ
の
補助金
でございまするが、
鉱工業技術研究助成
、これは
応用化
の
研究
の
補助金
と
工業化研究
の
補助金
と
二つ
ございまするが、これはそういう
関係
もございまして、ほかの
費目
に少し金を入れました
関係
上、少し明年は減らしておるのでございます。なお、これにつきましてもいろいろ
研究態勢
の進め方につきまして、新しい工夫もこらしてみたいと
考え
ております。 それから前々
国会
におきまして御決定いただきました
科学研究所
の問題でございまするが、これも明年も本
年度
同様一億の
出資
を願いたいと思います。これは
予算編成
の
技術
的問題から、
通産省所管
の
予算
には計上いたしませんで、
大蔵省所管
にそのまま
出資
は全部それになっておりますので、そちらの
所管
に移りますから、帳面づらからは落ちるわけでございます。 それから
発明奨励
、これはまあ大体昨年
程度
の
補助
でございます。なおこの
発明奨励
につきましては、外部に出ます
補助関係
の
経費
は横ばいの傾向でございまするが、
特許関係
の
出願処理
が著しく停滞しているということで、
在来
からいろいろ
出願者
に迷惑をかけておりまするし、本年は特にその
関係
に留意いたしまして、これはまあ雑件の
経費
ではございまするが、人員もある
程度
新規増
も
考え
ております。また、省内の定員からやりくりいたしまして、一応八十名
程度
の増員を行いたいと
考え
ております。それから
公報
の印刷等遅れておりまして、これまた
出願者
に迷惑をかけておりますので、本年はたまっておりますものを一挙に片づけ、特別に約六千万円近い
経費
を計上いたしまして、
出願事務処理
の促進の一部を行いたいと
考え
ております。 それから
原子力平和利用研究費等
でございますが、これは本年の一月から内閣に
原子力局
ができましたので、その方の一応
経費
が主体になりまして、
明年度
はその
関係
の
経費
のうちで、
通産省管轄
の
試験所等
で行いまする
原子力局関係
の
研究
に要します
費用
と、それから
ウラン等
の探鉱を
地質調査所
で行いますが、その
関係
の
経費
二億五千一百万円ほど計上いたした。 それから
工業標準制定実施費
でございますが、これは現在やっております
JIS関係
の
事業
を、さらに広く広げまして行うというふうな
関係
の
経費
でございます。以上の
関係
では、現在のところ一応
法律案
を
予定
しておるものが、
金属材料研究所関係
以外は今年はないかと存じております。 それから
中小企業対策
でございますが、これは
各種
の
費目
からなっておりまするが、
最初
の
協同施設及設備近代化等補助金
、これは
協同組合
の
共同施設
と、それから
組合員
たる個人の
設備近代化
の
補助金
、
二つ
からなっておりまして、そのほかに本年はこの中に例の
中小企業協同組合
の
中央会
の
補助
、それから
中小企業関係
の
生産性向上運動
に対しまする
補助等
も一括しております。それらにつきましてはまだ詳細な金額を固めておりません。一応一括しましてここに計上したのでございます。この種の
共同施設
及び
設備近代化補助金
につきましては、ちょうど
農林省関係
の
農地改良関係
の
補助金
をこれを基金的に回転して
参ろう
という
計画
でございます。私の方の
中小企業関係
の
補助金
につきましても、これは御
案内
のように、いわば無
利子
の貸付でございます。
府県
がやや
同額
に近い金を出しまして両方相待ってやったのでございますが、その
関係
を一括しまして、
府県ごと
に適当な
組織
を設けまして
回収金等
を合せて回転的に行なって参ったらどうかということでございました。その
関係
で
法律案等
も一応目下検討中でございます。成案を得ましたら、御
審議
をお願いするのではないかと存じております。 それから
中小企業相談所補助
、これは本年大巾にいたして参りまして、現在
補助対象
がたしか四百カ所近くあると覚えておりますが、これをさらに
明年度
増額
いたしまして参りたいというふうな
考え
でございます。これはできますれば、今後数カ年の
計画
をもちまして、全国の市及び町に漏れなく設けたいと
考え
ております。 それから
中小繊維工業設備整備補助
でありますが、これは
繊維産業
の
関係
の
設備
が相当需要に対しまして過剰である。その結果操短でありますとか、その他の問題を通じまして、
繊維業界
の安定もなかなか期しがたい状況でございますから、この際この
設備
問題につきまして根本的な
対策
を
考え
たらどうかということで、昨年の夏以来
繊維総合対策審議会
を設けまして、いろいろな角度から検討して参りました。結局、
結論
といたしましては、
設備
につきましてはやはりある一部は格納いたしまするし、ある一部はこれを売却処理いたしまして、積極的に
設備
を減少して参った方が、
繊維産業
のためには根本的な
安定策
を得るのじゃないかという
結論
を得ましたので、その
関係
で、この
予算段階
といたしましては、ことに
綿糸布部門
、絹、
人絹部門
につきまして
設備
の
調整組合
によります買い取りを行い、積極的に減少して
参ろう
というふうな
関係
の
経費
でございます。なお、
紡績等
につきましては、これは
負担力
がございまするから、
自己負担
で行わせますが、ただそれにつきましては裏打ちとなりまする
所要
の
法的措置
も要りますので、その
関係
の
法律案
につきましては、いずれ本
国会
で御
審議
をお願いすることになるかと存じております。 それから
企業診断指導費
の
補助
、これは本年も行なっております
府県
におきまする
企業診断
の
補助
でございます。
水害利子
の補給金、これは省略いたします。 それから
最後
の
項目
、これは役所の事務費でございますので
説明
は省略いたします。 それから
産業基盤
の
強化
対策
でございますが、これは本年よりも若干減少した格好に相なっておりますが、これは中をごらん願いますと、石油会社の
出資
等が欠けておりまするから減ったのでございます。
最初
の
生産性向上
対策
の
補助
でございますが、これは
日本
生産性本部が行います
各種
の向上運動の
経費
の
補助
でございます。これは明年におきましては本年も行なっておりますような
海外
にチームを派遣いたしますほかに、国内におきましても積極的に
生産性向上運動
を普及
宣伝
し、
指導
して参るというふうな
事業
を行わせたいと
考え
ております。その
関係
の
経費
の
補助
でございます。 それから新鉱床及び天然ガス探査
補助
でございます。これは本年ございますと同様な
経費
補助
でございます。天然ガスのほかに砂鉄あるいは磁硫鉄鉱、水銀といった鉱物につきましては、特に
重点
的に行いたいと存じております。 それから三番目の工業用水道の整備
事業
補助
でございますが、これは明年新しく始めます
事業
でございまするが、御
案内
のように、主要な工業地帯につきましては、工場が井戸から水を汲み上げます結果、地盤の沈下を起しておる地域がございまして尼ケ崎でありますとかそのほか相当起っております。それでこれはむしろ水の汲み上げをある
程度
規制いたしまして、地盤の沈下を防止し、かつかわりの水道を作ってこの水の供給に遺憾なきを期したいということで、一億八千二百五十万円は代替水道を
府県
をして作らせますこの
関係
の
経費
の
補助
でございます。大体三カ所
程度
明年度
におきましてスタートできるかと
考え
ております。なお、この
関係
で申し上げましたように、井戸水を汲み上げる方の規制でございますが、これは別途の法律によりまして規制いたしたいと
考え
ております。これも成案を得次第、御
審議
をお願いしたいと
考え
ております。 それから石油資源
開発
会社の
出資
でございますが、これは前々
国会
におきまして御
審議
御決定をいただきました石油資源
開発
会社の
出資
金は、
明年度
におきましては政府から七億の
出資
、それから
民間
からの
出資
が七億と、合計いたしまして十四億
程度
の金をもちまして積極的にこの石油の試掘の
仕事
を進めて参りたいと
考え
ております。これは一般会計でございませんで、産投会計の方からの
出資
、
産業
投資特別会計の
出資
になりますが、一応数字をあげております。 大体これが一般会計の
概要
であります。 なおついでに、
財政投融資
の方の資料をまとめてございますので、これを簡単に御
説明
したいと思いますが、表で御
説明
したいと思います。
最初
の
日本
開発
銀行でございます。これは昨
年度
五百九十五億の資金量をもちまして重要
産業
に融資いたす
計画
で進んで参りましたが、途中におきまして
資金運用部資金
の
予定
がうまく参りませんので、この金額から百三十億ほど
民間
にまあ振りかえるというふうなこともありまして、他方
民間
の資金蓄積も相当進んで参りまして、金融機関の方も資金量も相当ありまするし、かつ金利もだんだん下げてきておりまするから、本
年度
は主といたしましてこの
民間
の市中金融の方に移すといたしましたが、なお石炭でありまするとか、あるいは新しい新規の
産業
等におきましては、なかなか市中金融機関では融資のベースに乗りませんので、この辺は主として
開発
銀行からの融資に待ちたいと思っております。また電力につきましても本
年度
は二百二十億の投資
予定
でございましたが、明年はさらにこれを減少いたして
考え
ておりますが、しかしなかなかこれを全部
民間
に肩がわりできませんので、結局社債の増加等によりますと、ほかの金融を圧迫いたしまするので、本年は電気も減らしておりまするが、やはり百二十億
程度
は
考え
たいと思っております。 それから
日本
輸出
入銀行でございますが、これは御
案内
のように本年相当の
輸出
船の注文を
日本
の造船業者が取っております。その契約が明年あたりが大体輸銀の金融に回ってくる時期でございます。かたがたその経済協力等の
関係
で
海外
に対しまする投資、特にこの
設備
等の無為替
輸出
等も行われますので、その
関係
の金融は相当増加すると
考え
られます。明年は本年よりもさらに上回りまして
財政資金
をつけておるわけでございます。 それから
中小企業金融公庫
でございますが、これは本年は自己資金を合せまして二百五十五億の融資
計画
でございます。実績はこれよりも若干上回っておると思いまするが、明年はまあ一応三百億、自己資金を合せまして三百億
程度
、月平均しまして二十五億になるわけでありますが、このうちで直接貸しを月平均まあ五億の
程度
行なって参ったらどうかというふうに
考え
ております。なお、この中小公庫の運用につきましては、直接貸しの増加のほかに、現在支店の設置個所もわずか四カ所であります。明年はさらに四カ所
程度
増加いたしたいというふうに
考え
ております。 それから
商工中金
の問題でございます。それは本年は一般会計から十億の
出資
を行いまして債券発行限度をふやし、かつ金利の低下の一翼をになったわけでありますが、
商工中金
につきましては金利が高いということはいつも問題になっております。一般金融機関の金利低下もございます。
商工中金
におきましても何とかしなければならないというような状況でございますから、明年は新しい二十億という金を
商工中金
に比較的低い金利で入れまして、金利を下げて参りたいと
考え
ております。その
一つ
の
方法
は、ここにございまするように、資金運用部から十億回したわけであります。これはあるいは
中小企業金融公庫
を通じまして六分五厘というような金利で回すことになろうと思います。その
関係
の
法律案
をあるいはお作り願わなければならんかと思っております。もう
一つ
は、余剰農産物の金から十億回したいと
考え
ております。これで合せまして二十億の低利な金を回しまして貸出金利の低下をはかりたいと
考え
ております。 それから
電源開発
は……
小野義夫
7
○小野義夫君 ちょっと、余剰農産物の金利は幾らですか。
岩武照彦
8
○
政府委員
(
岩武照彦
君) これは一応
商工中金
に入りますときは六分五厘と
考え
ております。これはちょっと御
説明
を要しますが、実は下にあります生産性本部これに余剰農産物から十億回しまして、それで余剰農産物
関係
に入ります特別会計から払いまする金利と六分五厘との差額で生産性本部の経常費、つまり人件費あるいは通常の事務費をまかなわせまして、
商工中金
の方は六分五厘で資金運用部と同じ金利で受け取りまして、まあ
一つ
の金を
二つ
に使うとこういうことでございます。 それから
電源開発
会社でございますが、これは明年あたり相当工事の山にも参りますので、何とかもう少し
財政資金
をふやしたいと
考え
ましたが、いろいろな原資の
関係
が十分でございませんので、やむを得ず先ほど
政務次官
から御
説明
いたしましたように社債を公募いたしまして、これは多分政府保証がつくわけであります。そういたしますと、比較的低利の金が調達できますので、一応七十億の公募債を
考え
ております。
明年度
は奥只見
系統
が一番の工事の
関係
があります。その他北海道の問題あるいは美幌の問題等がございます。それから石油資源
開発
会社でございますが、これは先ほど申しましたように政府
出資
七億、これに
民間
出資
七億入りまして、合計いたしまして十四億の金で
事業
を行いたいと
考え
ております。 それから生産性本部の十億は、先ほど御
説明
いたしましたので省略いたしますが、まあこういう長期かつ低利の金で一応生産性本部の
事業
の基礎を確立いたしたいというふうに
考え
ておるわけであります。 以上をもちまして一般会計の
財政投融資
の
説明
を終ります。 なお、先ほど
政務次官
が御
説明
いたしました中に、特別会計の話しのように
海外投資保険
の問題がございました。これも経済協力の進展等に伴いまして、何か国で
海外
投資に対して
考え
ろという要望がございまして、その
関係
で現在ありまする
輸出
保険制度の一部拡充によりまして、
海外
に投資いたしました元本の保険を担保とする制度を
考え
ております。これもいずれ
所要
の
法律案
の御
審議
を願うことになると存じております。 それから前々
国会
で衆議院におきまして一応
審議
未了になりました特殊物資の
関係
の問題でありますが、
明年度
は砂糖につきましては、これは差益徴収というようなことを
考え
ませんで、これは関税あるいは消費税等の増徴によりまして、国内の農産物価格との調整をはかっております。そして他方バナナとか、パイ鑵とか、その他いろいろな雑多な物資があるいは
通商
協定の
関係
で十分に入らないとか、あるいは
海外
が安くて売れば相当な利益がございますとか、まあ非常にこまかいものもございますが、そういうものにつきましては、これは実は財政収入を得るということよりも、われわれ事務当局におきまして輸入資金の割当を行います際に、なかなかこまかい雑多な物資でございまして、適正かつ明確な割当基準はむずかしいわけでございます。これは
一つ
差益の納付という格好で、いわばきわめて事務的に処理して参ったらどうかということで、そういう物資につきまして差益を国家に納付せしめ、輸入業者に納付せしめ、一種の割当事務の何といいますか、適正化と合せて、まあ財政収入を持っていくということで、一応十五億円
程度
のものによりたいと思いまして、これを産投特別会計に入れまして、投資財源といたしたいと思っております。そういうことでその
関係
の処理いたします
法律案
の御
審議
を願うことになると思います。なお、その
関係
の特別会計はこれは別途あるいは大蔵
委員会
等で御
審議
をお願いすることになると思います。 一応以上が
明年度
の
予算
関係
の
概要
でございます。
三輪貞治
9
○
委員長
(
三輪貞治
君) ただいまの
政府当局
の御
説明
について質疑のある方はこの際御発言を願います。ちょっと速記をとめて。 午後二時二十八分速記中止 ————・———— 午後二時四十一分速記開始
三輪貞治
10
○
委員長
(
三輪貞治
君) 速記をつけて下さい。 次に、
委員
派遣についてお諮りいたします。
経済自立方策
に関する
調査
のため
委員
派遣を行うことに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
三輪貞治
11
○
委員長
(
三輪貞治
君) 御
異議
ないと認めます。つきましては、
議長
に提出する
委員派遣承認要求
書の内容及び手続き等につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
三輪貞治
12
○
委員長
(
三輪貞治
君) 御
異議
ないと認めます。よってさよう決定いたしました。 本日の
委員会
はこれをもって終了いたします。 午後二時四十二分散会 ————・————