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1956-01-31 第24回国会 参議院 商工委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年一月三十一日(火曜日)    午後一時三十五分開会   —————————————   委員の異動 十二月二十二日委員岡三郎辞任につ き、その補欠として栗山良夫君を議長 において指名した。 一月三十日委員具根登辞任につ き、その補欠として藤原道子君を議長 において指名した。 本日委員藤原道子辞任につき、その 補欠として阿具根登君を議長において 指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     三輪 貞治君    理事            古池 信三君            小松 正雄君    委員            小野 義夫君            西川彌平治君            白川 一雄君            中川 以良君            深水 六郎君            阿具根 登君            海野 三朗君   政府委員    通商産業政務次    官       川野 芳滿君    通商産業大臣官    房長      岩武 照彦君    通商産業省企業    局長      徳永 久次君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○小委員補欠選任の件 ○経済自立方策に関する調査の件  (昭和三十一年度通商産業省関係  予算に関する件)  (昭和三十一年度財政投融資に関  する件) ○委員派遣承認要求の件   —————————————
  2. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) ただいまから本日の委員会を開きます。  まず、国産車振興に関する小委員についてお諮りいたします。栗山良夫君が昨年十二月二十二日商工委員に指名されましたので、同君国産車振興に関する小委員に指名いたしたいと存じます。また、国産車振興に関する小委員でありました阿具根登君が、昨日商工委員辞任されましたが、本日再び商工委員に指名されましたので、改めて同君を小委員に指名いたしたいと存じます。以上の通り国産車振興に関する小委員を指名することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 御異議ないと認めます。それではさよう決定いたします。   —————————————
  4. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) この際、通商産業政策一般に対して川野政務次官より発言を求められておりますので、これを許します。
  5. 川野芳滿

    政府委員川野芳滿君) 通産行政一般方針につきましては、大臣より追って御説明を行う予定でございますので、私とりあえず三十一年度一般会計予算及び財政投融資概要につきまして御説明申し上げたいと思います。  一般会計予算重点通商振興技術振興中小企業対策産業基盤強化、これらを重点として予算要求を行なっておったのでありますが、通商振興につきましては、各省要求通産省におきまして一括計上することにいたしまして、昨年度予算より約一億の増加をいたしておるような次第であります。さらに、技術振興でありまするが、試験所研究所研究費を約倍額増加いたし、さらに金属材料研究所を新設することにいたしたのであります。なお、中小企業対策といたしましては、各種補助金増額、あるいは中小企業相談所の増設、こういうことを行う予算を計上いたしたような次第であります。さらに、産業基盤強化問題でありまするが、産業生産性向上のために、生産性向上運動を滲透いたしたい、こういう考えのもとに予算増額をいたしておるような次第であります。さらに、工業用水確保対策といたしまして、一億八千数百万の予算を計上いたしておるような次第であります。  さらに特別会計予算中、新しい事項といたしまして、輸出保険特別会計海外投資保険を新設する。なおさらにバナナ、パインアップル等利益吸上げのための、すなわち特殊物資納付金処理特別会計を新設いたしたい、こういうふうに考えておるような次第であります。  さらに財政投融資の問題でございまするが、極力民間資金を活用する方針のもとに、開発の方においては自己資金合せて三百六十億を計上し、なお、電源開発資金といたしましては財政資金三百一億余、さらに社債を七十億発行しよう、こういうことで電源開発を促進いたしたい、こういうふうに考えているような次第であります。それからさらに中小企業金融公庫、あるいは輸出入銀行等財政資金を増加し、また商工中金におきましても資金運用部資金から十億、さらに余剰農作物見返り資金から十億繰入れまして、そうして商工中金の金利も引き下げよう、こういうふうに考えているような次第であります。  なお、詳細の数字等につきましては官房長から詳しく説明させたいと考えている次第であります。   —————————————
  6. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) これより公報をもって御通知申し上げました経済自立方策に関する調査を行うことにいたします。ただいま政務次官より概要については御説明をいただきましたが、昭和三十一年度通商産業省関係予算に関する件につきまして、政府当局より詳細な説明をお願いいたしたいと思います。
  7. 岩武照彦

    政府委員岩武照彦君) お手元に昭和三十一年度予算要求額一般会計重要項目別表というのがございます。これから御説明いたしたいと思います。  先ほど政務次官から御説明いたしましたように、予算の四つの柱といたしまして貿易振興技術振興中小企業対策並びに産業基盤強化対策と並んでおるのでございます。  その最初貿易振興対策でありますが、三十年度九億七千九百万円という予算をもちまして各種施策を進めて参ったわけでございます。本年度は大体この施策を継続強化いたしまするほか、先ほど政務次官から御説明ありましたように、各省でそれぞれ輸出振興施設を行いたいという予算要求を、大蔵省とわれわれの方と相談いたしまして、各省ばらばらで行いまするよりは通産省予算に一括計上いたしまして、関係各省連絡をとりながらやった方が、在来輸出振興施設との関係もございますので、明年はそういうふうな考え方のもとに約一億円増加いたしまして十億七千九百万円というようになっております。この詳細は二ページ目の方に詳しく書いてございますので、その次の紙をおあけ願いまして御説明したいと思います。  この貿易振興対策費の明細は、一応海外市場開発費中小企業輸出振興費輸出品検査費というように分けてございます。最初のこの海外市場開発費に一番の重点を置いているわけでございます。一番最初海外広報宣伝費でございますが、これは本年度もやっておりますように、各種宣伝物、つまりカタログでありますとか、パンフレットでありますとかというようなものを役所において買い上げまして、これを在外の公館あるいは適当の施設に送付いたしまして宣伝しようという金でございます。それからもう一つは 映画でありますとか、あるいはテレビ、ラジオ等を利用いたしましてそれぞれの商品等宣伝いたしまするこの金の補助、合わせまして二つ計上したわけであります。商品別にいろいろな一般的なものもございますほかに、特に生糸絹織物等につきましては、それぞれ特殊の施設を利用いたしまして、いろいろな宣伝をするというような事業でございます。なかんずく主力は購買力の一番商いと思われまするドル地域アメリカでありますとか、カナダでありますとか、こういう方面に特に重点を置きたいと考えております。  それからその次の国際見本価参加補助でございまするが、これは本年度も約十数カ所の対象国際見本市に参加しますものの補助を行なって参りましたが、明年度におきましても、やはり相当各地国際見本市計画がございまするので、これに欣然参加いたしまするための所要経費補助を行いたい、こういうふうに考えております。それからなお備考のところに巡回見本船補助とございまするが、これは明年度新規事業といたしまして船を一ぱいチャーターいたしまして、その船上に機械等を展示いたしまして、相手方の港に入りまして、そこでこれを運転して、まのあたり日本機械商品の性能を宣伝して参りたいと思っております。重点東南アジアに置きましてぜひ明年度実施いたしたいと考えております。それからなお備考最後日本国際見本市補助金でございますが、これはすでに御案内のように、東京及び大阪におきまして一年交代に国際見本市を開いております。本年度は五月に東京で行いました。明年度大阪予定でございます。それに対しまする補助を計上してあります。  それから三番目の海外市場調査補助でございますが、これは海外貿易振興会、いわゆるジェトロの行なっておりまする各種市場調査補助でございます。短期、長期等派遣委員等も出しております。あるいは特殊の市場に向けましては調査班等を編成いたしまして市場調査を行い、その市場の動向あるいは見本品宣伝等も行いたいと考えております。おもに情報、市況の収集が中心になると思います。  それから四番目といたしまして、貿易斡旋事業補助でございます。これは備考にございますように、いろいろな費目が入っておりますが、最初貿易斡旋所はいわゆるトレード・センターでございます。現在ニューヨーク、サンフランシスコ、カイロ及びトロントの四カ所でございます。これを本年は既設のものをさらに強化拡充して参りたいという経費でございます。諸般の関係上新設は本年は見送っております。それから農機具サービスセンターでございますが、これは本年度初めてラングーンにこのサービスセンターを置きましたが、なかなか成績もよくなりそうでございまするので、明年はさらにセイロンに一カ所増設いたしたいというふうに考えております。それから電気機械サービスショップでございますが、これは明年度新しく設けたい。ちょうど農機具のいわば例にならってサービスショップを置きたいと考えております。これはパキスタンの予定でございます。このサービスセンターあるいはサービスショップというふうに、機械類につきましてはいろいろ現実の宣伝のほかに、あとからフォローしたアフター・サービスも開く、そういうふうにして現地に根を張るように指導して参りたいと、こういうふうに考えております。  それから五番目の重機械技術相談事業補助でございますが、これは先年来ありました重機械技術相談室というのを機械輸出組合の傘下で東南アジア及び中南米の各地に六カ所ばかりそういう組織をもってやっておりましたが、これを本年度におきまして改組をいたしまして、輸出プラント技術協会というふうに別個な組織といたしまして再発足して、目下その陣容を急いでおります。この事業補助でございます。  それから六番目の海外建設協力事業補助、これは建設事業関係が今後賠償経済協力等の進展に伴いまして、いろいろ海外に足場を持ちあれをする必要がございますので、その関係補助を本年から始めまして、目下ラングーンにありますが、明年度はこれをフィリピンにも増設したいと考えております。これはまあ先ほど申し上げましたように所管ということをやかましくいえば、あるいは建設省関係の団体かとも存じまするが、先ほど来申し上げましたように、すでにラングーン等におきましては、通産省でもそれぞれの輸出振興施設等を持っておりますので、それらと緊密な連絡をとり、効率的に活動いたしますために通産省予算に計上しまして、建設省当局と相談しながら、最もいい方法運営をしたいとこういうふうに考えております。  それから、その次の農水産物輸出振興事業補助、これは農水産物関係輸出と申しますると、生糸、あるいはカン詰お茶等がございまして、この輸出振興事業も、海外におきまして、あるいは輸出組合系統、あるいは生産者系統等いろいろございまするが、これも先ほど来申し上げましたような趣旨におきまして、通産省において一括計上しまして、農林当局連絡をとりながら遺憾のない運営を期したいというふうに考えております。この支出の方法等につきましても目下農林当局と打ち合せ中でございます。  それからその八番目の医薬品輸出振興事業補助、これは本年度も若干の広告宣伝費等がございましたが、明年度は新たに香港に、何といいますか、宣伝施設を設けたいというふうな話が進んでおります。それに対する補助を行う関係で、これも六番目及び七番目と同様の趣旨で、通産省におきまして中心となって、厚生当局連絡をとりながらやりたい、こういうふうに考えております。  それからその次のBの輸出意匠改善費でありますが、これには積極的に新しいデザイン等を考案する、あるいは試作するという問題と、それから消極的に日本品海外デザイン等を侵害しているというふうな非難もございまするので、それを防止するための費用と両方あるわけでございます。その最初の(1)は国内にも海外デザイン等を集めまして、輸出の引き合いがあるごとに、これが海外デザインを侵害しているおそれがないか等のことを行なっているいわゆるデザインセンター的な構想がございます。それに対する補助であります。  それから二番目の海外商品見本蒐集補助でありますが、これから先は積極的な方面で、これは海外の優秀なる見本類を集めまして、日本においてそれを模倣することは悪いわけでありますが、外国市場嗜好等を十分熟知して、その好みに合った品物を作るというふうなことを行う仕事補助でございます。  それからデザイナー育成指導でございます。これも新しいデザイン等を考案しますために外人デザイナーを招聘する、あるいは留学生を派遣するというふうな関係経費でございます。  それから四番目の輸出陶磁器並びに雑貨意匠及び製造技術改善研究費、これもこういう業種におきまする民間研究等を援助いたしまする関係費用で、これは主として名古屋の工業試験所並びに産業工芸試験所二つ中心を置きまして、こういう仕事を積極的に進めて民間指導に当りたい、こういうふうに考えております。  それからCの中小企業輸出振興費であります。これは特に中企業関係では、以上申し上げましたような費目だけでは十分に目的を達しないものがございまするから、まあ補完的に各種措置を行いたいと考えております。そのうちの新規輸出品試作奨励費、これは読んで字のごときものでありまして、新しい輸出品試作に対して相当の補助を行なって奨励して参りたいというふうな趣旨であります。主としてこれは雑貨系統あるいは繊維系統に行われる予定でございます。  それから二番目の中小企業輸出振興技術研究補助でございますが、これはやはり今申し上げました以外のいろいろな機械関係雑貨関係等におきまして、新しい試作といいますよりも、もう少し前の段階研究を、輸出品の、何といいますか、まあ、良質なものを作らせるための研究をやらしておりますが、その補助をします関係でございます。  それから三番目のは、これは海外市場維持対策補助、これはちょっと毛色が変っておりまして、本年度同額経費を計上いたしておりますが、これは海外におきまして、あるいは関税引き上げ輸入制限等が行われて、これに対して、わが方から適切な手を打つという必要がある場合があるわけでございますが、中小企業等ではなかなか簡単に渡航費等も出ませんので、その関係渡航等につきまして補助してやって、機を逸せず手をいたしたいと思って、本年度はたしか陶磁器等につきましては渡米をたしかこの費目で行わせたと考えております。  それから四番目の特産品の対米輸出振興費、これは今各府県でいろいろな特産品が、ことに雑貨系統等ではずいぶんあると思いますが、遺憾ながらこれは外国趣味嗜好、特に雑貨系統アメリカに主たる輸出地を求めておりまするが、これになかなかうまく合わない、もう一息いろいろなことを研究すればというのがたくさんある。漆器にいたしましても、あるいは陶磁器にいたしましても、その他たくさんあると思いますので、そういうふうな特産品に対しまして、外人を招聘して、海外の目で、この特産品をこういうふうにしたら外国の、ことにアメリカ趣味嗜好に合わせられるというふうなことを、まあ、指導してもらうという必要があるかと思います。そういう関係経費がこれでございます。  それから最後農器具でございますが、それは本年度も行なっておりまするような農器具および包装等の展示の費用でございます。  Dのところは、これは私の方にありまする検査所関係検査費用でございます。これは詳細の御説明は省略いたします。  以上をもちまして、まあ、本年度よりも約一億の増額で、ある程度の新規な仕事もできると考えております。  それから前に返りまして、第二の大きな柱でありまする技術振興対策でありますが、これはいろいろな項目がございますが、先ほど政務次官から御説明いたしましたように、一番の重点国立研究所の特別の研究費増額に置きまして、約倍額計上しておりますが、これは実は国立研究所通産省に十一ございますが、この研究所におきまして、ある程度実験室的な規模では成功をいたした技術もございまするが、これをもう少し規模を大きくいたしまして、まあいわば中間工業化段階に近いところで、もう少しこの条件を明確にいたしまして、技術の完成を期する研究も二、三ございまして、実は当初はこれは別途の組織をもって行わしたらどうかというふうに考えておりましたが、なかなかこの際新しい組織を設けることはいかがかと存じますので、むしろこの研究費をふやしまして、せっかくの実験室的に成功しておりまするけれども、埋もれかかっておる技術を生かそうというわけであります。二、三例をあげますれば、たとえば海水の工業利用の問題でありますとか、直流電送の問題でありますとか、あるいは石炭のガス化の問題でありますとか、いずれももう少し注ぎ込んでやる必要がございますから、まあその他の項目もございまするが、そういうふうな趣旨も加えまして、明年特に増額いたしたいと考えております。  それからもう一つ、その上にあります金属材料研究所であります。この金属材料研究所につきましては、航空技術研究所が本年から発足しておりまするが、その設立の最初からこの航空機の製作に必要な金属材料につきまして、現在の日本技術水準があまりにもかけ離れておるようだと、ぜひそういう関係から金風材料研究所がほしいという要望が強くございまして、かたがた在来からのいろいろな機械関係の鉄の素材の材質問題でありますとか、あるいは今後原子力関係の炉の操作用のいろいろな金属等の問題がございますが、この際新しい研究所を増設したらどうかということで、初年度経費といたしまして一億円を計上したわけでございます。  その他の費目、初めの一つ補助金でございまするが、鉱工業技術研究助成、これは応用化研究補助金工業化研究補助金二つございまするが、これはそういう関係もございまして、ほかの費目に少し金を入れました関係上、少し明年は減らしておるのでございます。なお、これにつきましてもいろいろ研究態勢の進め方につきまして、新しい工夫もこらしてみたいと考えております。  それから前々国会におきまして御決定いただきました科学研究所の問題でございまするが、これも明年も本年度同様一億の出資を願いたいと思います。これは予算編成技術的問題から、通産省所管予算には計上いたしませんで、大蔵省所管にそのまま出資は全部それになっておりますので、そちらの所管に移りますから、帳面づらからは落ちるわけでございます。  それから発明奨励、これはまあ大体昨年程度補助でございます。なおこの発明奨励につきましては、外部に出ます補助関係経費は横ばいの傾向でございまするが、特許関係出願処理が著しく停滞しているということで、在来からいろいろ出願者に迷惑をかけておりまするし、本年は特にその関係に留意いたしまして、これはまあ雑件の経費ではございまするが、人員もある程度新規増考えております。また、省内の定員からやりくりいたしまして、一応八十名程度の増員を行いたいと考えております。それから公報の印刷等遅れておりまして、これまた出願者に迷惑をかけておりますので、本年はたまっておりますものを一挙に片づけ、特別に約六千万円近い経費を計上いたしまして、出願事務処理の促進の一部を行いたいと考えております。  それから原子力平和利用研究費等でございますが、これは本年の一月から内閣に原子力局ができましたので、その方の一応経費が主体になりまして、明年度はその関係経費のうちで、通産省管轄試験所等で行いまする原子力局関係研究に要します費用と、それからウラン等の探鉱を地質調査所で行いますが、その関係経費二億五千一百万円ほど計上いたした。  それから工業標準制定実施費でございますが、これは現在やっておりますJIS関係事業を、さらに広く広げまして行うというふうな関係経費でございます。以上の関係では、現在のところ一応法律案予定しておるものが、金属材料研究所関係以外は今年はないかと存じております。  それから中小企業対策でございますが、これは各種費目からなっておりまするが、最初協同施設及設備近代化等補助金、これは協同組合共同施設と、それから組合員たる個人の設備近代化補助金二つからなっておりまして、そのほかに本年はこの中に例の中小企業協同組合中央会補助、それから中小企業関係生産性向上運動に対しまする補助等も一括しております。それらにつきましてはまだ詳細な金額を固めておりません。一応一括しましてここに計上したのでございます。この種の共同施設及び設備近代化補助金につきましては、ちょうど農林省関係農地改良関係補助金をこれを基金的に回転して参ろうという計画でございます。私の方の中小企業関係補助金につきましても、これは御案内のように、いわば無利子の貸付でございます。府県がやや同額に近い金を出しまして両方相待ってやったのでございますが、その関係を一括しまして、府県ごとに適当な組織を設けまして回収金等を合せて回転的に行なって参ったらどうかということでございました。その関係法律案等も一応目下検討中でございます。成案を得ましたら、御審議をお願いするのではないかと存じております。  それから中小企業相談所補助、これは本年大巾にいたして参りまして、現在補助対象がたしか四百カ所近くあると覚えておりますが、これをさらに明年度増額いたしまして参りたいというふうな考えでございます。これはできますれば、今後数カ年の計画をもちまして、全国の市及び町に漏れなく設けたいと考えております。  それから中小繊維工業設備整備補助でありますが、これは繊維産業関係設備が相当需要に対しまして過剰である。その結果操短でありますとか、その他の問題を通じまして、繊維業界の安定もなかなか期しがたい状況でございますから、この際この設備問題につきまして根本的な対策考えたらどうかということで、昨年の夏以来繊維総合対策審議会を設けまして、いろいろな角度から検討して参りました。結局、結論といたしましては、設備につきましてはやはりある一部は格納いたしまするし、ある一部はこれを売却処理いたしまして、積極的に設備を減少して参った方が、繊維産業のためには根本的な安定策を得るのじゃないかという結論を得ましたので、その関係で、この予算段階といたしましては、ことに綿糸布部門、絹、人絹部門につきまして設備調整組合によります買い取りを行い、積極的に減少して参ろうというふうな関係経費でございます。なお、紡績等につきましては、これは負担力がございまするから、自己負担で行わせますが、ただそれにつきましては裏打ちとなりまする所要法的措置も要りますので、その関係法律案につきましては、いずれ本国会で御審議をお願いすることになるかと存じております。  それから企業診断指導費補助、これは本年も行なっております府県におきまする企業診断補助でございます。  水害利子の補給金、これは省略いたします。  それから最後項目、これは役所の事務費でございますので説明は省略いたします。  それから産業基盤強化対策でございますが、これは本年よりも若干減少した格好に相なっておりますが、これは中をごらん願いますと、石油会社の出資等が欠けておりまするから減ったのでございます。最初生産性向上対策補助でございますが、これは日本生産性本部が行います各種の向上運動の経費補助でございます。これは明年におきましては本年も行なっておりますような海外にチームを派遣いたしますほかに、国内におきましても積極的に生産性向上運動を普及宣伝し、指導して参るというふうな事業を行わせたいと考えております。その関係経費補助でございます。  それから新鉱床及び天然ガス探査補助でございます。これは本年ございますと同様な経費補助でございます。天然ガスのほかに砂鉄あるいは磁硫鉄鉱、水銀といった鉱物につきましては、特に重点的に行いたいと存じております。  それから三番目の工業用水道の整備事業補助でございますが、これは明年新しく始めます事業でございまするが、御案内のように、主要な工業地帯につきましては、工場が井戸から水を汲み上げます結果、地盤の沈下を起しておる地域がございまして尼ケ崎でありますとかそのほか相当起っております。それでこれはむしろ水の汲み上げをある程度規制いたしまして、地盤の沈下を防止し、かつかわりの水道を作ってこの水の供給に遺憾なきを期したいということで、一億八千二百五十万円は代替水道を府県をして作らせますこの関係経費補助でございます。大体三カ所程度明年度におきましてスタートできるかと考えております。なお、この関係で申し上げましたように、井戸水を汲み上げる方の規制でございますが、これは別途の法律によりまして規制いたしたいと考えております。これも成案を得次第、御審議をお願いしたいと考えております。  それから石油資源開発会社の出資でございますが、これは前々国会におきまして御審議御決定をいただきました石油資源開発会社の出資金は、明年度におきましては政府から七億の出資、それから民間からの出資が七億と、合計いたしまして十四億程度の金をもちまして積極的にこの石油の試掘の仕事を進めて参りたいと考えております。これは一般会計でございませんで、産投会計の方からの出資産業投資特別会計の出資になりますが、一応数字をあげております。  大体これが一般会計の概要であります。  なおついでに、財政投融資の方の資料をまとめてございますので、これを簡単に御説明したいと思いますが、表で御説明したいと思います。  最初日本開発銀行でございます。これは昨年度五百九十五億の資金量をもちまして重要産業に融資いたす計画で進んで参りましたが、途中におきまして資金運用部資金予定がうまく参りませんので、この金額から百三十億ほど民間にまあ振りかえるというふうなこともありまして、他方民間の資金蓄積も相当進んで参りまして、金融機関の方も資金量も相当ありまするし、かつ金利もだんだん下げてきておりまするから、本年度は主といたしましてこの民間の市中金融の方に移すといたしましたが、なお石炭でありまするとか、あるいは新しい新規の産業等におきましては、なかなか市中金融機関では融資のベースに乗りませんので、この辺は主として開発銀行からの融資に待ちたいと思っております。また電力につきましても本年度は二百二十億の投資予定でございましたが、明年はさらにこれを減少いたして考えておりますが、しかしなかなかこれを全部民間に肩がわりできませんので、結局社債の増加等によりますと、ほかの金融を圧迫いたしまするので、本年は電気も減らしておりまするが、やはり百二十億程度考えたいと思っております。  それから日本輸出入銀行でございますが、これは御案内のように本年相当の輸出船の注文を日本の造船業者が取っております。その契約が明年あたりが大体輸銀の金融に回ってくる時期でございます。かたがたその経済協力等の関係海外に対しまする投資、特にこの設備等の無為替輸出等も行われますので、その関係の金融は相当増加すると考えられます。明年は本年よりもさらに上回りまして財政資金をつけておるわけでございます。  それから中小企業金融公庫でございますが、これは本年は自己資金を合せまして二百五十五億の融資計画でございます。実績はこれよりも若干上回っておると思いまするが、明年はまあ一応三百億、自己資金を合せまして三百億程度、月平均しまして二十五億になるわけでありますが、このうちで直接貸しを月平均まあ五億の程度行なって参ったらどうかというふうに考えております。なお、この中小公庫の運用につきましては、直接貸しの増加のほかに、現在支店の設置個所もわずか四カ所であります。明年はさらに四カ所程度増加いたしたいというふうに考えております。  それから商工中金の問題でございます。それは本年は一般会計から十億の出資を行いまして債券発行限度をふやし、かつ金利の低下の一翼をになったわけでありますが、商工中金につきましては金利が高いということはいつも問題になっております。一般金融機関の金利低下もございます。商工中金におきましても何とかしなければならないというような状況でございますから、明年は新しい二十億という金を商工中金に比較的低い金利で入れまして、金利を下げて参りたいと考えております。その一つ方法は、ここにございまするように、資金運用部から十億回したわけであります。これはあるいは中小企業金融公庫を通じまして六分五厘というような金利で回すことになろうと思います。その関係法律案をあるいはお作り願わなければならんかと思っております。もう一つは、余剰農産物の金から十億回したいと考えております。これで合せまして二十億の低利な金を回しまして貸出金利の低下をはかりたいと考えております。  それから電源開発は……
  8. 小野義夫

    ○小野義夫君 ちょっと、余剰農産物の金利は幾らですか。
  9. 岩武照彦

    政府委員岩武照彦君) これは一応商工中金に入りますときは六分五厘と考えております。これはちょっと御説明を要しますが、実は下にあります生産性本部これに余剰農産物から十億回しまして、それで余剰農産物関係に入ります特別会計から払いまする金利と六分五厘との差額で生産性本部の経常費、つまり人件費あるいは通常の事務費をまかなわせまして、商工中金の方は六分五厘で資金運用部と同じ金利で受け取りまして、まあ一つの金を二つに使うとこういうことでございます。  それから電源開発会社でございますが、これは明年あたり相当工事の山にも参りますので、何とかもう少し財政資金をふやしたいと考えましたが、いろいろな原資の関係が十分でございませんので、やむを得ず先ほど政務次官から御説明いたしましたように社債を公募いたしまして、これは多分政府保証がつくわけであります。そういたしますと、比較的低利の金が調達できますので、一応七十億の公募債を考えております。明年度は奥只見系統が一番の工事の関係があります。その他北海道の問題あるいは美幌の問題等がございます。それから石油資源開発会社でございますが、これは先ほど申しましたように政府出資七億、これに民間出資七億入りまして、合計いたしまして十四億の金で事業を行いたいと考えております。  それから生産性本部の十億は、先ほど御説明いたしましたので省略いたしますが、まあこういう長期かつ低利の金で一応生産性本部の事業の基礎を確立いたしたいというふうに考えておるわけであります。  以上をもちまして一般会計の財政投融資説明を終ります。  なお、先ほど政務次官が御説明いたしました中に、特別会計の話しのように海外投資保険の問題がございました。これも経済協力の進展等に伴いまして、何か国で海外投資に対して考えろという要望がございまして、その関係で現在ありまする輸出保険制度の一部拡充によりまして、海外に投資いたしました元本の保険を担保とする制度を考えております。これもいずれ所要法律案の御審議を願うことになると存じております。  それから前々国会で衆議院におきまして一応審議未了になりました特殊物資の関係の問題でありますが、明年度は砂糖につきましては、これは差益徴収というようなことを考えませんで、これは関税あるいは消費税等の増徴によりまして、国内の農産物価格との調整をはかっております。そして他方バナナとか、パイ鑵とか、その他いろいろな雑多な物資があるいは通商協定の関係で十分に入らないとか、あるいは海外が安くて売れば相当な利益がございますとか、まあ非常にこまかいものもございますが、そういうものにつきましては、これは実は財政収入を得るということよりも、われわれ事務当局におきまして輸入資金の割当を行います際に、なかなかこまかい雑多な物資でございまして、適正かつ明確な割当基準はむずかしいわけでございます。これは一つ差益の納付という格好で、いわばきわめて事務的に処理して参ったらどうかということで、そういう物資につきまして差益を国家に納付せしめ、輸入業者に納付せしめ、一種の割当事務の何といいますか、適正化と合せて、まあ財政収入を持っていくということで、一応十五億円程度のものによりたいと思いまして、これを産投特別会計に入れまして、投資財源といたしたいと思っております。そういうことでその関係の処理いたします法律案の御審議を願うことになると思います。なお、その関係の特別会計はこれは別途あるいは大蔵委員会等で御審議をお願いすることになると思います。  一応以上が明年度予算関係概要でございます。
  10. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) ただいまの政府当局の御説明について質疑のある方はこの際御発言を願います。ちょっと速記をとめて。    午後二時二十八分速記中止    ————・————    午後二時四十一分速記開始
  11. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 速記をつけて下さい。  次に、委員派遣についてお諮りいたします。経済自立方策に関する調査のため委員派遣を行うことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 御異議ないと認めます。つきましては、議長に提出する委員派遣承認要求書の内容及び手続き等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。  本日の委員会はこれをもって終了いたします。    午後二時四十二分散会    ————・————