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1956-05-16 第24回国会 参議院 社会労働委員会保険経済に関する小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年五月十六日(水曜日)    午後一時十一分開会     ————————————— 昭和三十一年五月十日社会労働委員長 において本委員を左の通り指名した。            榊原  亨君            谷口弥三郎君            相馬 助治君            山下 義信君            田村 文吉君 同日社会労働委員長は左の者を委員長 に指名した。    委員長     山下 義信君     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     山下 義信君    委員            榊原  亨君            谷口弥三郎君            相馬 助治君            田村 文吉君   政府委員    厚生省保険局長 高田 正巳君   事務局側    常任委員会専門    員       多田 仁己君   説明員    厚生省保険局健    康保険課長   小沢 辰男君   参考人    社会保険診療報    酬支払基金理事    長       川上 和吉君    東京社会保険    診療報酬支払基    金幹事長    尾関 三三君    東京民生局保    険部長     小林栄三郎君    麹町社会保険出    張所長     須崎  保君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○保険経済に関する件     —————————————
  2. 山下義信

    委員長山下義信君) これより社会労働委員会保険経済に関する小委員会を開会いたします。  保険経済に関する件を議題といたします。本日は本問題に関して参考人の御出席を願っております。参考人の御氏名は別紙の通りでございます。  小委員会を代表いたしまして、一言ごあいさつを申し上げます。参考人の方々には、お忙しいところを御出席下さいましてありがとうございます。厚く御礼を申し上げます。  なお、小委員会におきましては、社会労働委員会において目下審査中の健康保険法の一部を改正する法律案審査上の参考に資するため、保険経済の各方面から見た基礎資料の検討を行う目的をもって調査を進めているのでございます。何とぞ、当小委員会の意のあるところを御了承下さいまして、御意見を御発表下さいますようお願い申し上げます。  これより御意見の御発表を願うのでありますが、その事項につきましては、あらかじめお願いいたしておきました事項について、御提出になりました資料を中心に御説明を願いまして、順次質疑を行い、御意見をいただくというふうにいたします。御了承をお願いいたします。  次に、その順序といたしましては、まず厚生省当局から説明を聞きまして、次に、東京民生局保険部長小林さん、次に麹町社会保険出張所長須崎さんという順に、なおその次に、川上基金理事長、それから尾関さんから承わると、こういう順序でいきたいと存じます。  なおあらかじめお含み願いますことは、ただいま憲法調査会法案の本会議の上程中でございますので、採決投票の前後におきましては休憩いたしたいと存じますので、あらかじめお含みおきを願います。  それでは厚生省から説明を願います。
  3. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) お手元にお配りいたしました資料のうち、まず二十八年度から三十年度までの収支予算決算比較表及び見込みとの比較表をお配りしてございますが、これに基きまして最初御説明を申し上げたいと思います。  二十八年度につきましては、保険料収入並びに保険給付費のうち、医療給付費が相当大幅に見込みの違いがございます。しかしながら、積立金よりのくずしを十億、予備費を三十五億、一応全部くずしまして、どうやら収支は七億九千三百五十一万九千円を一応決算上では計算をいたしてございます。  それから二十九年度積立金よりの受け入れを十八億いたしまして、予備費の十七億二千一百四十九万三千円を使いくずしまして、なおかつ三十八億六千万の赤を出したような結果になってございます。三十年度見込み、おそらくこれが一番の問題だろうかと思いますので、三十年度予算決算の最近までの見込み比較につきましてやや詳細に申し上げたいと思います。三十年度の当初予算を組みましたときには、下欄にその基礎数字につきましてあげてございますように、まず被保険者の数は五百五万と予定をいたします。それから平均標準報酬はこの表では一万一千七百円、こういうふうに書いてございますが、当初御承知の通り、去年法律改正案を提出いたしまして、標準報酬等級改訂区分をその改正案に盛り込んでおったのでございます。ところが、それが不成立に終りました。ところが、この予算金額はその法律がもし成立いたしますと仮定いたしまして、平均標準報酬月額を押えました場合には一万一千八百五十円になったのでございます。ところが、等級改訂区分が行われませんので、それをこの表では除きまして、一万一千七百円という予定を立ったようにこの表は作られてあるわけでございます。  それから徴収率収納率につきましては九三%を目標にいたしまして組んでございます。これは過年度分と現年度分を一応分けまして、それを総平均して全部について九三%平均徴収率をあげるという目標予算でございます。それから一方、この基礎数字の計数には現われておりませんが、標準報酬月額を一万一千七百円と予定いたしましたときに、なぜこの平均を一万一千七百円に見込んだかという、これを算出いたします基礎があるわけでございます。それを一言申し上げますと、これは二つ要素からなっておりまして、毎年八月から十月実施目標にしまして定時改訂をいたします。この定時改訂上昇額をこの予算を組みましたときには千十八円というふうに見込んだのでございます。それから十一月から若干毎月減少いたしまして、翌年の七月まで減少するわけでございますが、この減少の次の減少額平均を、この予算を組みましたときには平均十三円に見たのでございます。そういうことから、この前年度の一万九百四十円という平均標準報酬月額にそういう考え方要素を加味しまして、予算では一万一千七百円という平均標準報酬月額になるであろう、こういう見込みを立てたわけでございます。  以上が収入の方の基礎の見積りでございますが、その結果、保険料収入といたしまして四百六十億七千八万五千円という数字予算上はじいたのでございます。ところが、これは実際には、決算見込にありますように、大幅に狂いができたわけでございますが、この四百六十億七千八万五千円を、今調定額とそれから収納率をかけましたものにそれぞれ過年度分と現年度分に分けてみますと、この四百六十億という数字は、まず調定額全体の額がございまして、それに過年度分と現年度分平均の率をかけるわけでございますが、まず調定額の方を申し上げますと、二十九年度以前のいわゆる過年度分調定額は三十六億百六十九万七千円でございます。これを予算上は五七・五%取ろう、こういう目標を立てまして、実収入額といたしましては、二十億七千三百三十四万二千円というふうに考えたのでございます。それから現年度分調定額は四百五十八億二千九百九十三万八千円というふうに考えまして、現年度徴収率は九六%というふうに考えたのでございます。それで実収入額として四百三十九億九千六百七十四万三千円というふうに考えました。この過年度分の実収入額見込み二十億七千三百三十四万二千円と、先ほどの現年度分の実徴収額見込みの四百三十九億九千六百七十四万三千円の両方を足したものがこの予算見込みの四百六十億七千八万五千円になっておるわけであります。ところが、この収入見込みにつきまして、なぜ決算見込にありますように、四百四十二億四千百三十八万二千円に減少したかということでございますが、まずわれわれが考えておりました平均標準報酬の一万一千七百円というのが結果的に一万一千四百五十四円になったということでございます。そこで先ほど申し上げました予算定時改訂が千十八円上るというふうに見込みましたものが、実績はどうなったかといいますと、これが七百三十三円の定時改訂上昇額であったということでございます。それから毎月平均十三円ずつ減少するであろうという考えのもとに算出いたしましたのが、月平均減少額が、実績として二十七円という数字が出たのでございます。従いまして、定時改訂上昇額が約三百円近くも見込みが違った、それから月平均の十三円の減少見込みが倍の二十七円見当減少になったというようなことからしまして、平均標準報酬月額が一万一千四百五十四円という数字になったのでございます。しかし、一方若干、この基礎数字の下の欄を見ていただきますとわかりますように、被保険者数が五万六千百三十八人見込みよりも増加いたしたのでございます。そんなことを計算に入れて参りますと、この金額が四百四十二万四千百三十八万二千円に減少するのでございますが、さらに九三%という収納率見込みましたものが、実績といたしましては、これはまだ最後的に正確には出ませんけれども、九一・五%というやはりほぼ前年通り実績に終るという見込みでございます。従いまして、先ほど申し上げました過年度分徴収率を五七・五%と見ましたのが非常に狂いまして、過年度のものは徴収は非常に困難なために三五・二%程度になるのでございます。現年度分は、先ほど申し上げました九六%という数字を確保でき得るという結果でございます。いずれにしましても、そういうような結果から過年度と現年度分を総平均いたしまして考えますと、やはり二十九年度決算実績を上回ることが困難であったとこういう徴収率の状況でございます。従いまして、この徴収率見込みの違いと、それから標準報酬月額見込みから実際の実績がそういうように減りましたことによりまして、四百六十億七千八万五千円と考えました収入が、四百四十二億四千百三十八万二千円というようなふうに減少いたしたのでございます。そのほか収入面では、一般会計よりの受け入れ予算通りでございますし、積立金よりの受け入れば大よそ二億と考えておりましたのが一億九千六百四十四万五千円というふうに、これが実際の額でございますし、借入金は六十億そのままでございます。雑収入で若干の違いがございますが、主として保険料収入が今申し上げました理由によって狂いを生じまして、計五百三十二億七千九百十二万円と予定いたしました収入が、五百十四億九千八百九十八万円というふうに約十七億の減少を見たわけでございます。  それから歳出の方でございますが、まず保険給付費につきまして御説明を申し上げます。これのうち、私ども現金給付として現金で払いますものと医療給付費としてのお医者さんに基金を通じて払いますものと、この二つに大きく分けてございます。まず、医療給付費について申し上げたいと思います。医療給付費は、ここに数字が現れておりますように、結果的に十五億程度減少になっております。これは収入と違いまして、二月までの実績でございますので、この数字がすでに確定をいたしております。しかしながら、四百三十一億五千万の見込と、実績の四百十六億三千万を比較いたします場合に、まずもってこの両方からそれぞれ二十九年度未払い分を引いていただかなければいかぬのでございます。それは二十九年度未払いとして赤字が約四十億というふうに考えておりましたために、四百三十一億五千三十八万八千円から四十億を引いていただきまして、三百九十一億五千三十八万八千円というのが三十年度医療費見込額であるわけでございます。同時に、四百十六億三千百十六万の医療費実績から現実に二十九年度未払い分を払いました額を引いていただきますと、本年度実績が出るわけでございます。ところが、二十九年度未払い分は三十四億九千五百三十一万四千円であったわけでございます。予算では四十億と見込んでおりましたのがこういう数字であったわけでございますが、ところが一方あとで申し上げますけれども現金給付の形で前年度未払いがなお出て参っております。これはあとで申し上げますが、要するに、医療給付費両方比較していただく場合に、四百三十一億五千万の方からは四十億を落していただく、それから決算見込みの四百十六億三千万の方からは三十四億九千五百三十一万四千円を差し引いていただく、そうしますと、この実額として三十年度は三百八十一億三千五百八十四万六千円と相なります。従いまして、予算見込みと一応現実の開きといたしましては約十億見当のものが開いてきたということになるわけでございます。これを下の基礎数字について見ていただきまして、この医療給付費の欄の一人当り医療給付費予算では七千七百五十二円五十五銭二厘というふうに出てございますが、この数字過年度分の四十億を除いた数字でございます。  それからその右の決算見込みの一人当り七千四百六十八円六十二銭八厘というのも、やはり今申し上げました三十四億九千幾らの過年度分を引いたものでございまして、従いまして一人当りといたしましては七千七百五十二円五十五銭二厘が七千四百六十八円六十二銭八厘になった、こういうことでございます。  それから現金給付の方でございますが、この予算は一応過去の実績その他を勘案しまして八十八億一千二百七十一万五千円と考えましたものが逆に……この八十八億の中には過年度分のやつを全然見込んでございません。ところが、実際のこの表を作りますまでに地方に送付した金の合計が九十五億五千五百十万円でございます。この中には過年度分未払い分がございます。それを申し上げますと、三億九千九百十一万二千円、従ってそれを引いていただきますと、実際の今年度分としての現金給付地方に送付しました金額になるわけでございます。それは九十一億五千五百九十八万八千円、これだけ一応現金給付の方は増加いたしております。ただこれは今月一ぱいまでに返るものも若干このうちには出て参ります。それで、今月末に全部終りまして来月整理をいたします場合に若干の狂いが出てくるであろうという予想をいたしております。しかしこれ以上になることはない。それからこの合計保険給付費は従ってこういうふうにそれぞれの差額だけなるわけでございますが、全体としてやはり医療給付費の今申し上げましたような減少がございますので、総体としてもやはり減っております。  あとでまた御質問があれば申し上げることにして次に移りますと、業務勘定の経費はこれは見込みといいますか、予定した通り支出でございます。それから諸支出金は若干の増額でございましたが、これはもう問題にならないわけでございます。予備費は今年度収入不足でございますので、これが使えないということになりまして、こういうようなゼロという計上になっております。私どもこの保険給付費につきましては三十一年度見込みを立てますときに御説明申し上げますが、同じ前年度実績比較いたしまして、増加割合を見まして、その割合を前年度数字にかけまして算出をいたして見込みを立てたわけでございますが、従いましてこの三十年度医療給付費の方で若干そうした実績として予算よりも、見込みよりも減ってきたというような格好でございますが、大体九月以降の減少の額が見込みよりも若干下回ったという結果であろうかと思っております。  なおここで申し上げておきたいことは、当初この予算を組みますときに、この数字にありますように、私どもは三十年度保険経済といたしまして、大体七十億見当赤字が出るものと見込んだわけでございますが、大体一般会計からの受け入れ十億と借入金の六十億というものによりまして大体これをとんとんに見ていくというような考え方、それから一方法律改正によって標準報酬を上げまして、それから料率の引き上げをやるというような措置によりまして、この前年度赤字を含めました全体の赤字を処理するという考え方をとったわけでございますが、三十年度決算見込表をごらんいただいてわかりますように当初予定した赤亭は一応それ以上には今年度は出なかったという、大よそそういう結果になるわけでございます。  それから続けてどういたしましょうか、三十一年度予算を作りました三十一年度のものを……。
  4. 山下義信

    委員長山下義信君) 続いて説明して下さい。資料は……。
  5. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) 資料はちょっと長くなりますので一冊にして別冊にしてございます。この方の資料になります。これの一ページ目は保険料収入の方でございます。それと歳出と全体の総括表でございます。それで便宜上次のページから詳しく説明に入りたいと思いますが、結局今年度は前年度借入金の六十億をそのままにいたしまして、その七カ年十億ずつ返済するというものを一年見送りまして、一年繰り下げたわけでございます。給付費関係保険事業に対する国庫補助を別に三十億計上されまして、収入の方としてはそれが特別に変っている点でございますが、保険料収入の方の説明から詳しくさしていただきたい。それがまず先ほど申し上げましたように、保険料収入を御説明する場合に一番の基礎的なものがまず第一点として被保険者の数になるわけでございます。それが六ページにございます。六ページに被保険者の数というものがございます。私ども年度は五百三十一万人と見たわけでございます。前年度実績として先ほどごらんに入れましたように、五百十万六千何がしの人数でやったわけであります。それをなぜ五百三十一万人に見たかといいますと、次に説明の欄にございますように、三十年の八月と三十年の二月、三十年八月以降のこの平均増加数、それを一万五千人と考えたわけでございますが、そうした実績を一方頭におきまして、それから大体考えまして、この今年度の五百十一万という年間平均の被保険者数の約四分増し、四%増、こういうふうに押えたわけでございます。大体この五百三十一万という数字は、過去の実績月平均増加数というものに見合う数字でございまして、この二月末の被保険者数の左の欄にございますように、五百二十万七千四百二十三人という数字月平均増加数を大よそ一万五千人と一方において考えております。申し上げましたその数を大よそ加えて、この数を加えまして月のずっと増加の傾向を見ていきまして、月の、それぞれの月の被保険者数を出し、それを年間全部通算をして平均いたしますと五百三十一万、若干端数が出るんでございますが、なるわけでございます。大体一応前年度実績の四%増というふうに見込んだのと同じ数字でございます。それで五百三十一万人と考えまして、それからその次に平均標準報酬月額をどういうふうに見たかということでございます。主十年の年度実績は、この七ページの一番左の欄にあります一万一千四百四十九円でございます。これから毎月の減少額を毎月減らして参りまして、六月までの月額を出し八月、九月、十月に定時改訂の結果増加するわけでございますが、その増加見込んでこれらの月の額をきめ、十一月からまたきまった額で減少する、こういうふうに計算した表がその次の欄でございます。この場合に前年度は、予算平均十三円と見たのでございますが、これが実績として二十七円の減少であったことは先ほど申し上げた通りでございますが、本年度は毎月十円減少するというふうに見込んでございます。後半の方は十円、すなわち右の説明横にございますように、三十年の十一月から三十一年の二月までの月平均減少見込みは十円というふうに見たわけでございます。それから三月から七月までの平均はまん中に2と書いてありますように、二十五円と見ているのでございます。これがこの十円と二十五円というのを七月までそれぞれ月に減らしていきまして、それから先ほども三十年度のときに申し上げましたように、定時改訂上昇見込みというものを本年度は七百九十一円というふうに押えたのでございます。これは過去の二年間のやつを平均いたしました数字であります。しかし三十年度は、先ほど申し上げましたように、実績として定時改訂のときは七百七十三円しか上らなかったわけでございますが、来年は一応私どもこれを目標といたしまして七百九十一円、この算出基礎は過去二年間平均でいった、こういうことでございます。七百九十一円を八月が五十五円、九月が三十八円、十月六百九十八円、こういうことで定時改訂上昇見込額を七百九十一円と押えたのであります。それを八月、九月、十月にそれぞれ加えていきまして、今度十一月以降の後半をやはり十円と、先ほど申し上げましたように、後半には十円ずつ毎月減少するということで押えていきますと、それぞれこの欄で合計平均一万二千二十二円と書いてありますが、この欄が各月の数字になるわけでございます。それを全部平均をして年間平均を出しますと、平均標準報酬月額一万二千二十二円になるわけでございます。これから予算金額の一万二千二百五十二円という等級改訂要素を入れた最終的の標準報酬を月の平均標準報酬月額にしますのでございますが、その要素として私ども行政努力で五十八円を上げる、約六十円上げるという見当をつけ、さらに等級改訂が、法律案が成立ちますことによりまして、下は三千円から四千円に上げる、上がさらに四階級ふえますので、その結果月の平均標準報酬月額はこういうふうにそれぞれ移動してくるということを書いてあるわけであります。その結果、平均標準報酬月額対策実施後は一万二千二百五十二円になる、ところが対策を、この法律案を考えません場合に平均標準報酬月額として考えますのが、いわゆる三十年度平均標準報酬に相当する三十一年度平均標準報酬月額を抑えてみると一万二千八十円になる、こういうことが一番上にまとめて書いたつもりでございます。  それから三番目の要素として、保険料収納率があるわけでございます。今年度は三十年度と違いまして、行政努力を加味しまして平均九二鬼という徴収率目標にいたしてございます。それは八ページでございます。そこで過年度分がその一のところに書いてございます。これは一、二とそれぞれ現行保険料収納額現行分といろいろ分けて計算をした計算方式を示しておるわけでございます。それから二番目の方は等級改訂区分実施したその分についての保険料収納の内訳を書いてあるわけでございます。それで一番わかりやすいと思いますのは、一番下の保険収入総額総括表みたいなものがございますが、これを見ていただくとわかりますように、現行分とそれから前年度よりの組みかえ分、これは過年度分、それと等級改訂分とそれぞれこういうような徴収率を考えまして、全体の総額を出してあるわけでございますで。徴収率は九一・五%から九二%に引上げよう、それには前年度分は九六・五%まで引き上げ、過年度分は三七・二%にする、これを総平均いたしまして九二%というふうに見込んだわけでございます。それは八ページのちょうど中ほどに九二%を分けまして現年度過年度と書いてございますが、それをそれぞれ調定額収入額のそれぞれの徴収率を勘案しまして、比較していただくために三の総収入の欄を設けたわけでございます。結局以上の保険料収入と、それから被保険者の数と平均報酬月額というものとこれをつかまえてきまして、これに算術をいたしまして、全体の予算として組んでございます総収入五百四億九千四百五十五万七千円という数字を出したわけでございます。  それからその次は、もう御説明は要らぬかと思いますが、三十億の一般会計よりの受け入れ、それから借入金六十億をそのまま持ち越してございます。  あと雑収入でございますが、これは例年のようなこまかい収入金でございまして、積立金の利子の関係だとか、あるいは返納金、あるいは小切手を振り出したものが未払いでそのまま返ってくるとか、そういうような金でございます。  それから支出の方でございますが、次の支出説明いたします場合に十四ページと十五ページになるわけであります。これは支出の方は結局保険給付費が一番問題であろうかと思います。そのうち医療給付費は次のような考え方計算をいたしたわけでございます。これはこの十五ページにありますように、まず医療給付費につきましては、受診率と一件当りの点数をわれわれとしては算定をいたすわけでございます。受診率の方から申し上げますと、まず受診率を左の方に区分と書いてありますように、被保険者と被扶養者に分けまして、それをさらに入院、入院外、歯科と分けます。で、三十年の一応の予算を出しますときに見込みを作るわけでございまして、この三十年度見込みの受診率、入院、入院外、歯科、それぞれこういうように書いてありますような見込みを立てるわけでございますが、この見込みを立てます場合には、先ほど申し上げましたような三十年度予算の見積りを三十一年度予算を提出する際に作りまして、それを基礎にして来年度医療費計算いたすわけでございますので、受診率につきましては三十年度見込みをまずここにあげてありますような入院については〇・二一一四五というふうに、あるいは入院外は三・五二八二〇というような受診率の見込みを出しまして、それが今度はこの受診率がそれぞれ一体前年度との比較においてどういうように増加をするか、あるいは減少するかということを考えます。それは二十九年と三十年のできるだけわかる期間を長くとりまして、それを比較することによってこの増加割合というものを作るわけでございます。その増加割合を三十年度の受診率の見込みに乗じまして、三十一年度見込みを出す、こういうような考え方をとっておるわけでございます。それから一件当りの点数についてもやはり同様な考え方で行なっているわけでございますが、この三十年度見込みの受診率及び一件当りの点数はしからばどうして出したかというようなことでございます。これはやはり最初に二十九年の実数を出します。それから三十年のできるだけ予算を出しますまでの間にわかってつかまえられます三十年度の実数を出しまして、その実数の比較をとりまして、その比較を二十九年度年間全体の実数に割合としてかけるわけでございます。それで三十年度見込みを出す、そういうことをやるわけでございまして、それが二十八年度年間実績がはっきりいたしておりますので、それに二十九年度と三十年度の実数の比率を求めたものを乗じている、こういう計算方式をとっておるわけでございます。従って三十一年度見込みを出す場合と同じ考え方を毎年貫いて出すわけでございます。その結果十六ページ目にありますようなこの計数を出しましたあとに、一人当り金額を入院、入院外、歯科につきましてこまかく計算をいたしまして、それから結核の公費負担の関係金額をそれから差し引くわけでございます。その結果出た一人当り金額に全体の被保険者数をかける、こういう計算を出しているわけであります。
  6. 山下義信

    委員長山下義信君) 議事の都合によりまして暫時休憩いたします。    午後二時一分休憩      —————・—————    午後二時四十三分開会
  7. 山下義信

    委員長山下義信君) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  小沢康保険課長説明を続いて聴取いたします。
  8. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) 結局十五ページにありますような増加割合というものと、それから年度見込みの入院、入院外、歯科の被保険者、被扶養者、それぞれに分けた見込みを出しまして、それを基礎にいたしまして、十六ページの一人当り金額算出いたしたわけでございます。わかりやすい表は十六ページの一人当り金額の表がわかりやすいかと思います。これの一番左は一件当り点数でございまして、これは先ほどのページの結局結論になる一件当り点数の三十一年度見込みを一件当りの点数として入院、入院外、歯科というふうに、それぞれこういうような点数になるわけでございます。この一件当り点数に平均の単価をかけるわけでございます。御承知の通り、甲地は十二円五十銭、乙地は十一円五十銭でございますが、それぞれの加重の全国の平均をとりますと、入院につきまして、一般の方につきましては、入院、入院外とも十一円七十一銭三厘になるわけでございます。歯科につきましては十一円九十八銭二厘になっております。被扶養者の分は点数は同じなんでございますが、結局本人と同じような、本人のようなものに換算して直してみますと、こういうようなことになるわけでございまして、この一件当り点数に平均の単価をかける、そうすると一件当り金額が出るわけでございます。この一件当り金額にそれぞれの先ほどの十五ページで申し上げたような受診率をかけていくわけでございますそうしますと、一人当り金額が出るわけであります。その一人当り金額が出ましたあとに、結核の公費負担として結核予防法の経費で、保険がまかなってもらいます一人当りの費用を一応三十二円と考えたわけでございますが、これをそれから差し引くわけでございます。そうしますと、結局一人当り医療費総額が出て、これに被保険者の総数をかけて参りますと、その次のページの医療給付費総額として一番左の欄に上っております十七ページの欄にある金額になるわけでございます。その金額にさらに基金の事務費を加えるわけでございます。基金の事務費は、やはり一件当りの事務費でございますので、受診率をかけて一人当り金額を出さなければいかぬわけでございますから、その基金の欄にございますようなこまかい計算をしまして、結局基金事務費の入院、入院外、歯科それぞれに応ずる総額を出して参ります。それを出しましたものを全部一件当りに換算——被保険者一人当り金額に換算して参りますと、入院につきましては、前のページで二千九百六十二円六十九銭二厘でございましたものが、この基金の事務費を全部入れますことによって二千九百六十五円七十八銭七厘になる、こういう計算になるわけでございます。これを被保険者の総数の五百三十一万にかけて参りますと、それがこの右の総計欄という欄にありますような総医療費計算されてくるわけでございます。その合計の四百四十三億七千二百三十万八千七百七十円という総医療給付費の額から私どもは一部負担として予定しておりました二十三億五千八百万円、それからさらに薬価の引き下げ等の措置によって行政上医療費を節約したいというふうに考えております六徳、この合計二十九億五千八百万円を引きましたものが、予算数字で、十四ページに医療給付費四百十四億六百三十万九千円という数字になっているわけでございます。  それから現金給付費の方でございますが、これは十八ページにこまかく現金給付費の被保険者並びに被扶養者分のこまかい項目をあげまして、それをそれぞれ計算をいたしております。このうち最も大きな金額を占めますのが、いわゆる四番目の傷病手当金でございます。これはこのもとになりますのは、標準報酬月額でございますので、それをここに書いてございますように、支給日数の全国の平均日数、これは実績をもとにいたしまして計算をいたしたわけでございますが、標準報酬月額にそれぞれのこまかい計算をかけるわけでございまして……、どういたしましょうか、委員長、看護費からずっと計算をこまかく申し上げた方がよろしいと思いますが……。
  9. 山下義信

    委員長山下義信君) これは御省略願って、また議員さんの方から御質疑があったら詳細に解説をしてもらう、こういうふうに願いましょう。
  10. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) それで、結局こういうような御疑問の点、お問い合せいただきたいと思いますが、そういうこまかい計算をいたしますことによりまして、一人当りの費用を現金給付につきましては、被保険者分と被扶養者分を合計して千八百三十円十六銭四厘というふうにいたしまして、これを被保険者総数で乗じたものが現金給付金額になるわけでございます。それが二十ページにさらに現金給付費の積算の基礎を、二十九年度実績増加割合、あるいは見込み、三十一年度計算というものを出しておいたのであります。大部分はあまり変更がないのでございますが、若干の増加割合がやはりございますので、それらを考えまして、来年の現金給付を三十年度現金給付よりも若干増額を見込んでおる次第でございます。  それから支出の方で、その次には保険給付費のほかに、業務勘定への繰り入れというものがございます。これは保健施設の関係の費用あるいは福祉施設の費用で、これは特に健康保険の設置します病院あるいは健康保険の被保険者のための保養所の経費、こういうようなものでありまして、二十二ページに大きな内訳を書いてございます。保健施設費財源の経費、これはいわゆる保養所の経費でございます。それからあるいは予防検診を、特に結核の検診をやっております。そういうような費用がこの経費でございます。福祉施設費財源繰り入れとございますが、これはほとんど大部分が健康保険関係の病院の整備費でございます。  それからその次の国債整理基金特別会計への繊り入れの項目の支出項目につきましては、御承知の六十億の借入金をその年度で一応返すことになります。その場合に、一カ月の分の金利を見込みまして、これを三千万というふうに押えておりまして、それが六十億借りますので、六十億三千万、こういうふうに計上をいたしておるわけでございます。  その他の諸支出金はわずかな金額でございますが、特に説明の要もなかろうかと思います。  それからやはり支出の項目の一つといたしまして最後に、二十五ページに予備費を計上いたしておるのでございます。私ども保険給付費に対します三・五%の割合予備費を組んでございます。これが十七億九千九百万という数字になっておるのでございます。これは前年度予備費が約十億ばかりございましたが、普通の大体これだけの金額の歳入、歳出の勘定を運営いたします場合には、どうしても五%程度予備費が必要であろうといわれておるのでございますが、保険財政の関係もございますので、総体の予算規模からいいまして三・五%程度に押えて予備費を計上してある、こういうことでございます。ここで一応歳入、歳出の見積りにつきまして三十一年度分についての御説明を申し上げたわけでございますが、結局は三十年度比較しまして収入の方では、私ども保険料収入考え方基礎に、三十年度は一応二十九年度比較しますと、標準報酬月額が、最初にお配りしましたが、その表を見ていただいてわかりますように、二十九年度実績が一万九百四十円であるのを、三十年度実績として一万千四百五十四円になったわけでございます。一人当り標準報酬月額でございますが、それが今度三十一年度予算といたしましては、さらに六百二十六円増加をしたいというふうに見込んでいるわけでございます。すなわち、二十九年度実績平均標準報酬月額が、三十年度平均標準報酬月額との実績としての開きが四百八十六円増加したとございますのを、三十年度と来年の三十一年の私ども収入の最も大きな基礎になります標準報酬月額をどういうふうな開きで見たかと申しますと、それは六百二十六円一人当り平均上昇させるということで考えて収入を組んだというわけでございます。ということでございまして、その点も相当な努力を要するものというふうに考えているのでございますが、本年度も、三十年度も相当の努力をしますが、結局収入見込み違いが十七億見当もあったのでございます。来年もこの点相当油断のならない数字であろうかと今から心配をいたしておるのでございます。何としても努力をして、これをさらに一段と増額をして参りたいというふうに考えておるのであります。  それから、もちろんこのほかに等級改訂区分、今度の法律案通りますと、さらに標準報酬月額は、一人当り百七十二円というのがふえるわけでございますが、とにかくこの法律等級改訂区分という対策を抜きにしましても、去年が約四百六十八円見当しか上らなかったものを、来年は六百二十六円に上げようと、こういうふうに努力しておるのでございまして、この点も若干不安な要素があるわけでございます。  それから収納率の方も、実績として、二年間実績が九一・五でありますが、来年は何とか努力して、九二%まで持っていきたいというふうに考えておりますので、果して九二%まで引き上げ得るかどうかという点もだいぶ懸念をいたしておる次第でございます。  それから医療費の方は、結局一人当りの額といたしましては、三十年度の一人当り金額比較いたしまして、約一割一分八厘増加するという見込み見当医療費を組んでおるわけでございます。それはちょっとあとで追加で、お手元に過去五カ年間の一人当り金額の増減表、増加率の割合をお配りいたしておるのでございますが、これをごらんになっていただくとわかりますように、二十五年が二割六厘増加いたしておるのであります。その次の年はそれと逆に増加率が減りまして、八分六厘の増加に相なっております。また二十七年にぐんと上りまして、三割九厘の増加、二十八年はまたそれよりも増加率は減っております。二十九年はまた上昇し、二割五分六厘増加しております。一人当り医療費の過去六年間の推移を見ますと、こういう傾向を示しているわけでございます。特に医療費の実態がいわば生き物的な姿を非常に現わしているということが言えるわけでございますので、なかなかある期間の実績だけをとりまして、前年の増加率というものから計算して参ります医療費が、果して予期した通りにこれでとどまるかどうかということについても相当の不安があろうかと思いますので、一応予算を積算いたします根拠としては、先ほど来申し上げましたように、前年との比較をとりまして、それによって増加割合をとり、その割合計算をして参る、こういうような行き方をとっておる次第でございます。以上非常に概略でございましたが、三十年度予算並びに決算見込みとそれから三十一年度のわれわれが組みました収入支出の見積りの考え方の概要とその数字を申し上げさせていただいたわけでございます。
  11. 山下義信

    委員長山下義信君) それでは先ほど申し上げましたように、質疑等はあと回しにいたしまして、ついで東京民生局保険部長小林栄三郎さんからお願いしました項目等につきまして、御陳述を願いたいと思います。
  12. 小林栄三郎

    参考人小林栄三郎君) 小林でございます。あまり時間的な余裕もありませんでしたし、どういうことを聞いていただけるかはっきりいたしませんので、資料は非常に簡単なものをお配りした次第でございますが、その資料につきまして簡単に御説明申し上げます。
  13. 山下義信

    委員長山下義信君) どういう資料をお出し下さいましたか。
  14. 小林栄三郎

    参考人小林栄三郎君) ばらばらになっておりますが、健康保険の収支状況表というのを最初にごらんいただきたいと思います。昭和三十年度健康保険収支状況表というのがあるわけでございます。これは一応東京都の保険部で扱っております十五の出張所の分をまとめました事業所あるいは被保険者の数、保険料徴収決定済額、収納済額、収納歩合、支出額というようなお尋ねの健康保険料徴収状況と現金給付の状況をかねた表にいたしたわけでございます。事業所につきましては説明するまでもございませんが、四月に四万二百一、これは本年の三月に至りまして四万二千七百七十三、約二千ふえておるような事情になっております。被保険者数におきましては、当初四月に八十九万七千、それが九十五万九千と三月にいってふえておりまして、この差額が必ずしも全部の被保険者数増加とは見られないのでございますが、その月の中身によりますからこれだけふえたということにはならないのでございますが、一応これを見ますると、七万八千八百九十六、昨年よりもふえておるというようになっております。被保険者の数はさようでございますが、それから保険料徴収の決定済額におきましても、ここに昨年の分を一応出しておりませんが、大体におきまして本年度分の旧年度に属する四月分がまだ徴収の額が完全にわかっておりませんので、三月分までしか考えてないわけです。ただ実収決定済額の累計におきまして十億六千ばかりふえております。収納済額におきましては八億程度が昨年の三月と本年の三月を比較いたしますとふえております。これはそこに数字が出ておりませんが、昨年の分と差額を一応ちょっと計算しますとそういうような工合に相なっております。収納歩合につきましては昨年が八割四分一厘、本年の三月におきまして八割四分九厘という数字がここに出ておりまして、若干上回っておるのでございますが、これはこういうような保険の経済の非常な危機に瀕しました関係で、各給付係あるいは適用係等の人員も徴収の方に回しまして極力徴収に努力した結果ではなかろうかと考えております。
  15. 山下義信

    委員長山下義信君) ちょっと小林さん、昨年との比率をおっしゃいますが、昨年の数字はこのあなたの資料には出ていないんですか。
  16. 小林栄三郎

    参考人小林栄三郎君) おりませんでございます。
  17. 田村文吉

    田村文吉君 ちょっと読んでいただきたいんですが……。
  18. 小林栄三郎

    参考人小林栄三郎君) 昨年は八割四分一厘でございます。徴収の歩合、収納歩合でございます。本年が八割四分九厘になっております。
  19. 田村文吉

    田村文吉君 あわせて徴収決定済額も……、これは昨年とことしのは比較はないんですか。
  20. 小林栄三郎

    参考人小林栄三郎君) そうですが、徴収決定済額は、金額において十六億二千百万円ばかりふえております。収入済額において八億、約八億ふえております。それからこの支出の方でございますが、これもついでに申し上げますと、現物給付につきましては、基金の方からお見えになっておるようでございますから、いずれ御説明があると思いますが、この金額は御承知の通り、必ずしも東京の被保険者全部でございませんので、埼玉県あるいは千葉県に居住して東京に通っておるというような方々は、その居住地で多くお医者さんにかかっておりますので、ただ東京で支払った金額というふうに御承知をいただきたいと思います。それからこれについてはただいま申し上げました通り基金の方から御説明があると思いますので省略いたしまして、隣の欄の現金給付でございますが、これは漸次四月から金額において若干ふえてきておるのでございますけれども、一月ごろに至りまして相当減っておるような工合になっております。これも昨年と比較いたしますると一億五千万円ふえております。それでなお参考に申し上げますと、ただいま申し上げましたように不確実な数字でございますが、現物給付と現金給付の合せたものを徴収額から差し引いた額がここに一応載っておるわけでございます。つまり支出額の累計におきまして七億程度、これには書いておりませんが、累計におきまして七億ばかりふえております関係上、その差額において五億八千万ばかりの一応黒字と考えられる数字が出ておるわけでございますが、これにつきましては先ほど申し上げました通り、他府県の分との相殺が完全にいっておりませんから、ただ一応東京で取った額と払った額の差額がこういった工合になっております。  これは一応徴収状況と現物給付の関係を申し上げたつもりでございますが、そのほかに半ペラの三十年度指導及び監査の状況という表がございますが、これは三十年度の保険医の指導、監査の状況をここに表わしてございまして、第一番目の指導及び監査の実績と、これは一般につきましては、集団指導は三十年度においては行わなかったわけでございます。主として個別指導に重点を置きまして、三百十四人の個別指導をいたしたわけでございます。歯科につきましては、集団指導を三千九百二十九名、個別指導を百十八人というふうに行いまして、次の監査に回したもの、あるいは不当、不在の疑いがあって監査いたしたものが一般において二十四人、歯科において十七人、合計四十一人を監査いたしております。監査の結果、行政処分をいたしたものの内訳は隣りの2の表に書いてございますが、一般において取消が十三名、戒告が八名、注意が七、事故のなかったのが一名になっております。歯科につきましては、取消が九名、戒告が九名、注意が三、無事故三というようになっております。で、これにカッコ書きの分がありますが、これは二十九年度におきまして監査いたしたもので、三十年度に行政処分の決定を見たものでございます。  それから、その下の3の表にございます監査及び指導等による返納決定金額、これは監査によって決定をいたしました一般のものにつきましては十六名、歯科においては十三名、指導等によって決定したものは二十四と七というふうになっておりまして、金額がそれぞれそこに掲載してある通りでございます。しかしこの金額の非常に少いのは、基金におきまして定額戻入額的な性質を持った、つまり過誤の整理みたいにいたしまして、その分を差し引きまして払ったという金額がここに書いてあるのであります。従いまして、被保険者あるいは事業主から返納を命じたものにつきましては雑収入になりまして、一般の予算の方に上ってきておるわけでございます。早く申しますと、お医者さんから返してもらった金額だけだというように御承知願ったらよろしいのじゃないかと思います。  それから出張所別の——そのほかに半ペラの紙で、保険医の一般あるいは歯科に対して、おのおの数をあげておきましたが、御参考あとでごらんをいただけたらけっこうだと思います。  なお、いま一枚、この一枚刷りの標準報酬の、東京都におきまする標準報酬額調べというのがお手元に一枚刷りで配付されたのがございますが、これも御参考にごらんいただけたらけっこうだと思いますが、大体東京都におきましては、標準報酬は当初から高い関係から、二十八年を一〇〇といたしますると、二十九年に一〇五、三十年度で一〇九というふうな比較的緩慢な上り方でございます。これを全国で見ますと、二十八年一〇〇といたしまして、二十九年が一〇六、三十年度が一一〇というような上り方を示しておるのでありますが、御参考までに標準報酬の表をお配りいたしておきましたから、あとで御検討をいただきたいと思います。  なお非常に説明不十分でございますが、御質問をいただけば御説明をいたします。
  21. 山下義信

    委員長山下義信君) このつづってあります麹町社会保険出張所の資料につきましての説明をして下さい。それじゃ須崎さんに一つお願いします。
  22. 須崎保

    参考人須崎保君) 私、麹町社会保険出張所長須崎でございます。説明の要点があまりはっきりしなかった観点もございまして、二十九年度との対比は作って参りませんのでございますが、管内の徴収状況を申し上げますと、他管内に比しまして、中小零細企業が大へん少い、事業所の大部分が丸の内、大手町、あるいは有楽町、内幸町に約八割ばかり占めておりまして、自然的に納入されるものが非常に多いというようなことでございまして、これは他管内には絶対に見られないような現象でございまして、保険料の収納状況は納期内に納入されるものが約七割ございます、調定額に対しまして。それから納期を過ぎまして、督促の指定期限までに納入されるものが約一割ございます。あとの二割につきまして滞納処分を強行いたしております。滞納処分を強行いたして、実際に差し押えしなければ支払わないというようなものが当所管内には非常に少くて、それでもやはり月二十四、五件の事業所に対しましては滞納処分をやって差し押えをやっておると、差し押えをやりましても払わないところの二十事業所くらいにつきましては、毎月公売公告を行っておるが、公売の決行日までに大部分の事業所は一部、あるいは分割納入を認めてもらいたいというような申し出がありまするので、大体実際に公売するのは月平均いたしまして一件程度になっております。  なお、この収納機関別に見ますと、日本銀行本店、支店、代理店に納入されるものが約六七%、郵便局の出納官吏の方に納められるものが約一二%、役所の収入官吏で徴収するものが約一四%、あとの七%というものが毎月収納未済で上って参っております。  三十年度徴収状況調べについて簡単に御説明申し上げますと、四月分の調定額が七千百八十一万五千三百八十九円、この中には二十八年度所属以前の、つまり過年度保険料が九百六十七万二千二百三十九円含まれております。五月分の調定額七千四百八十七万七千八百二十円の中には、二十九年度の不足の保険料が一千二百九十一万九千四百二十円含まれております。六月、七月、八月以下の保険料につきましては、毎月調定された額でございまして、一年間の調定徴収決定済額は八億三千四百四十六万二千三百五十六円となっております。四月末日までに当所において徴収した累計総額は八億六百四十一万八千九百二十二円、収納未済は二千六百六万五千百七十八円になっております。収納の累計歩合は九割六分六厘というように、東京都内におきましては、収納の累計歩合は年度末を除きまして、都の平均歩合を一割から二割上回っているというような現状でございまして、麹町管内は非常に収納成績がいいというのが特徴になっております。  次に保険給付費の月別支払い状況につきまして簡単に御説明を申し上げます。大体麹町管内におきましては、月平均いたしまして九百七十二万五千円支払っております。四月が六百六十九万六千二百二十一円、三十年度年間におきましては一億一千六百六十九万九千九百八十三円が現金給付として支払われております。  その次のページを見ていただきます。これは三十年度に支払いましたところの保険給付費の種別の件数と金額が掲げてございます。保険給付費の大部分は傷病手当金として支払われております。一年間の支払い件数が一万四百三十八件、金額にいたしまして八千九百八十一万四千九百二十九円、これは総支払い額の約七七%に該当しております。その他のものが療養費、看護料、移送料、出産手当金というような項目で支払われておる分が約二三%を占めております。  次のページの三十年度の健康保険月別適用事業状況について申し上げますと、当所管内は大体四月現在で一千七百八十九事業所があったのでございますが、現在では一千八百六十三になっております。被保険者数年度当初は六万二千二百三人でありましたが、六万四千二百三十二人、それから平均標準報酬の方は一万六千六百九十六円でございましたのが現在では一万七千五百十四円と、この標準報酬は全国と対比いたしまして約六千円上回っている。東京都の平均を約三千五百円上回っているというような現状でございまして、麹町出張所におきましては調定の決定金額が、標準報酬が高いために保険料徴収の決定額がふえております。それに対しまして収入がまた全国に比較いたしまして、ほとんど年度末を除きまして一位を占めておるというような現状でございまして、麹町管内におきましては保険経済は相当楽ではないかというような見通しを立てておるわけでございますが、この平均標準報酬あるいは保険料の収納歩合を落さないために、出張所といたしましては、できるだけ全力をあげまして努力をいたしておるような現状でございます。  以上、はなはだ簡単でわかりにくい点もありましたと思いますが、説明にかえさせていただきます。
  23. 山下義信

    委員長山下義信君) ありがとうございました。  それでは社会保険診療報酬支払基金川上理事長にお願いいたします。
  24. 川上和吉

    参考人川上和吉君) 私支払基金の理事長川上でございます。  資料につきまして御説明いたします。お渡しいたしました資料に同じようなのが二種類ございます。まぎらわしいのでございますが私どもの方が全国的な状況、もう一つ同じような形で東京都支払基金という表題がございますが、これはあとで御説明東京の幹事長からあるはずでございます。東京都と冠しておりません社会保険診療報酬支払基金とだけ書いた表をごらん願いたいと思います。  第一ページから順次御説明をいたしますが、だいぶたくさん数字がございますので要点だけを御説明をさしていただきたいと思います。第一ページが昭和三十年度診療報酬支払確定件数金額及び前年対比という表がございますが、ここでお断わりをいたしておきますが、この私どもの方の昭和二十年度、この第一ページにあげましたのは、左の方に三十年三月からずっと月別に出まして三十一年二月までございますが、これはあとで申し上げまする実際の金の支払いの方の年度と違いまして、ここにいいまする昭和三十年三月というのは、昭和三十年の三月中に診療の行われました件数、それによる金額、こういうことでございまして、われわれの方の要望から申しますれば、昭和三十年三月診療分、以下四月診療分、五月診療分、こういうように一つおとりを願いたいのであります。御承知かと存じまするが、三十年度診療の分が翌月の四月に基金に提出されまして、審査いたしまして、大体翌月の五月に支払う、こういう段取りに相なっておるのでありますが、そういう意味の三月診療分、さような意味の三十年度の総合計であるというようにごらんを願いたいのであります。  そこで政府管掌、船員保険、共済組合、健康保険組合と順次ございますが、政府管掌の健康保険につきましては、今申しましたような意味におきまする昭和三十年度合計の件数が非常に大きい数でございまするが、その一番上にありまする四千九十七万一千八百一件という、これは基金に提出されまする請求明細書の数であります。そうしてその金額が三百七十六億四千八十五万八千円ということに相なっておりまして、これがその下の欄の前年対比、前年度との対比でありますが、前年度の対比から申しますると、今申しました件数が一〇七・二%、七・二%程度年度より増加いたしておる。金額におきまして一〇八・三%で、八・三%程度増加いたしておるという数字になっておるのであります。各月別は朗読を省略いたしまするが、一番下に一カ月平均で件数が三百四十一万四千三百十七件、金額が三十一億三千六百七十三万八千円というような数字に相なっておるのであります。以下一々朗読いたすことを省略いたしますが、船員保険、共済組合、健康保険組合、そこへ一般社会保険合計、これは便宜上の合計でございまして、その合計がございますが、そのほかに基金として取り扱っておりまするものといたしまして、その次の日雇労働者健康保険の保険、ほかに実はここへあげてございませんが、結核予防法の取扱い、あるいは生活保護法の取扱い、その他若干厚生省関係のいろいろのいわゆる社会医療の診療報酬の取扱いがございまして、基金の全体の規模と申しまするか、ちょうどこの表には載っておりません、主としていわゆる社会保険関係のお尋ねと存じましたので、社会保険関係の分だけがそこへ出ておるのであります。  なお、ここに出ておりまする共済組合、健康保険組合の全国合計というのはこの下にちょっと備考に書いておいたのでありまするが、「共済組合、健康保険組合分については自己診療機関分等は直接支払われているので、その分は含まれていない。」ということを書いてございます。これは組合の自己診療機関につきましては、組合から直接その診療機関に払って、基金を通過しないことになりますので、基金で取り扱いまする分だけでございまして、これが共済組合あるいは健康保険組合の三十年度の全額ではないということに御承知を願いたいのであります。基金の取り扱いまする全額には違いありません。さような意味の全部を合せまして、便宜ここの一般社会保険合計という欄の一番上の数字で申しますると、件数が九千七十四万二千八百四十件、金額が七百四十三億二千八十八万円ということでございまして、件数につきましては前年度に比べまして一〇%二の増加金額におきましては八%七の増加というような数字に相なっております。第一ページはその程度にいたしまして、第二ページに移りたいと存じます。
  25. 田村文吉

    田村文吉君 ちょっと、一般社会保険というのは国民健康保険がこれに加わったというだけですね。
  26. 川上和吉

    参考人川上和吉君) いや、国民健康保険は支払基金では取り扱っておりません。入っておりません。ですから、この一般社会保険合計というのは、政府管掌と船員保険と、それから基金で取り扱いまする共済組合と健康保険組合、この左に出ております四種類の合計であります。  第二ページは、同じ様式の表でございまして、これは第一ページにあげました全部の取扱いの分を、便宜医科診療と、それから第三ページが歯科診療……、歯科診療を除きまする一般医科の診療を第二ページに、歯科診療を第三ページに、二ページと三ページの合計が第一ページということに相なるのであります。これは朗読を省略いたしますが、今の一般社会保険合計の欄におきまして件数、金額の前年度との比例だけを申しますると、三十年度は前年に比べまして、件数において一〇%七の増加金額におきましてやはり一〇%〇の増加ということになっております。医科診療はさような数字であります。第三ページは歯科診療でございまして、これも対応いたしまする一般社会保険合計欄の前年度対比の数字を申しますると、件数におきまして七%六の増加金額におきまして二%三の増加という数字に相なっておるのであります。この二ページと三ページの合計が第一ページの数字、こういうことに相なります。  次に四ページ、五ページでありまするが、四ページ、五ページは、三十年度との対比の意味におきまして、二十九年度のただいま申しました三十年度に対応する数字がどうなっておるか、これは便宜医科、歯科合計三十年度で申しますると、第一ページに対応する数字だけを上げました。それから五ページは、二十八年度の同様の数字を上げておるのであります。二十九年度の一般社会保険合計欄で申しまして、基金の総取扱い件数が八千二百三十一万二千九百件、これが二十九年の前年に対比をいたしまして一六%九の増加金額が六百八十三億六千六百六十六万円でありまして、前年に対比いたしまして三二%二の増加という数字になっております。五ページが二十八年度の同様の数字でありまして、これも一般社会保険合計で申しまして、件数が七千三十八万九千九百八十一件、金額が五百十七億二千三十八万九千円、件数が一八%一の前年に対する増加金額が二七%五の増加という数字に相なっております。政府管掌、船員保険、共済組合、それぞれの区分月別の数字、ごらんの通りでありまするが、一々朗読することを省略さしていただきたいと思います。  次に六ページに移りまして、六ページは、これは以上五ページまでに申しました二十八年度から三十年度までの一般社会保険合計分の件数、金額、五ページまでに出ておりまする数字を便宜グラフにして現わしまして、御理解いただきやすいようにいたしたつもりであります。で、左のグラフが件数のグラフであります。それから右のグラフが金額のグラフであります。二十八年度が一番下の線、二十九年度がまん中の線、三十年度が一番上にある線——というのは、この幅をもちまして毎年ふえてきておるという状況がこのグラフでおわかりやすいと思います。なお、先ほど申しましたように、これも全部診療月によりまする月別のグラフでありまするから、年度初めの三月診療分から始まりまして、毎年同じような傾向で、春から夏にかけて漸次件数、金額ともふえて参ります。八月が一番ピークになりまして、八月診療分がどの年度をつかまえましても最高になります。九月診療分以降漸次また下って参ります。年度末から次の年度に全体の傾向としてはやはり漸次増加しながら、しかし波は、春から夏にかけてふえて、冬になって下るという状況をたどりまして、これが金額につきましても、件数につきましても、同様な格好で現われております。ことに件数におきましては、各年度の波もほとんど同じようなことになっておるのであります。金額におきまして、二十八年度のカーブがややただいま申しました状況と違いまするのは、二十八年度に入院料の引き上げでありましたか、そういった事情の変更がございまして、少し違って参っておりまするが、大体八月をピークとして、春から夏にかけて上っていく、冬にかけてまた下っていくというのが、まずこの三カ年度を見ましても、その以前から見ましても、大体毎年こういうような例だというようにごらんをいただけると存ずるのであります。それが六ページであります。  次に七ページに移りまして、六ぺージのグラフは一般社会保険、先ほど申しました四種類の取扱いの種別につきまして合計を上げたのでありまするが、七ページの数字は、四種類を区分をいたしまして、三十年度だけにつきましての四種類を区分した数字を上げたのであります。一番件数の多い政府管掌が一番上のグラフに出ております。それからずっと下りまして健康保険組合の分、それから共済組合の分、それから船員保険、それから日雇健康保険、それだけのものが——七ページに出ておりまするのは件数であります。どの種別を見ましても、総合計とほぼ同じように、八月をピークとしたグラフが現われておるのであります。本日の主題と少し違うかもしれませんが、グラフが出ておりまするので、日雇健康保険につきましての点線が少し違いまするのは、これは昨年日雇健康保険法の改正がありまして、これによって実勢が変っておるということが出ておるかと存じます。さような意味でごらんを願いたいと思います。  次の八ページが、ただいま申しました件数に大体対応する金額数字でありまして、これがやはり政府管掌の健康保険、それから健康保険組合、共済組合、日雇健康保険、船員保険ということで現われております。やはり同様なカーブがごらんの通り出ておるわけであります。いずれも初めに申しました数字をグラフに現わしたにすぎないのであります。  次に九ページに移りますが、これは少し角度を変えまして、基金で取り扱っておりまする支払いの実情がどうかという点を、九ページに現わしておるのでありますが、九ページの表は、表題にありまするように、昭和三十年度社会保険分の支払完了日調ということになっております。これは備考に現わしておりまするが、概況をごらんを願う程度のものでありまして、非常に的確な数字といいますか——ものというわけには参りません。なぜかと申しますると、厳密な意味の支払い完了というものは、いろいろな事情で若干、たとえば国立病院等は特別な手続がございまして、先方からの手続によって払い込みをするというようなことになっておりますので、そういう関係一で、特殊な場合、ごくわずかな金額でありますが、それだけは別の日に払う場合がございます。そういう意味で、厳密な意味の完了は、それらを含んだものになるのでありますが、これは主として一般の開業医を中心にいたしまして、各都道府県の支部別に、大多数の完了をいたした日付というようにごらんを願いたいのであります。で、一番上の北海道……、これは四十六の都道府県支部別に現われております。実際の支払いが支部別に行われておりまするので、支部別の数字を現わしたのでありますが、一番上の北海道支部の数字でたとえて申しますると、三十年二月分——これはやはり二月診療分でありますが——の一番最後に払ったものは、五月の十日という数字が出ております。以下一々何月何日ということを申し上げることはわずらわしいので省略をいたしますが、大体これでごらんを願えると思いますが、現在診療いたしました月の翌々月の末までには終りたいということで、努力をいたしておるのでありまするが、ちょうどこの三十年度の表で現われておるところでは、完全にそこまで参っておりません。中には翌々月の末、たとえば二月診療分で申しますと、四月三十日までで終っておるところが、ごらんのようにございますが、それで払い切れないで五月に延びるというところも出て参っております。この辺がいわゆる赤字問題の影響が出ておるわけでありますが、しかしそれでも、延びましても、ごらんのように、五月十日には大体払っておる。特殊なところが、それよりも少し延びたところが出ておりますが、大体の傾向は翌々月の末までに払い切らぬでも、そのもう一つ次の月の上旬には支払いをしているというような状況になっておるのが、この数字であります。  各月別に申し上げるのは省略をいたしますが、そこの三十年十月分というのが中ごろにございますが、これは、十月診療分がちょうど年末に当りますので、いろいろ保険者側の方にもお願いをいたしまして、年末だけはせめて支払いを完了いたしたいということで、十月診療分につきましては、全部十二月末までに支払いを完了いたしておるというような状況になっておりまするが、その他の月につきましては、先ほど申しましたように、翌々月の末までに払い切れないで、若干そのもう一つ次の月の上旬に延びておる。これが現在の支払いの実態だと、かように申し上げてよろしいと存じます。それが九ページの表でございます。  次に十ページの表は、ただいまの支払いの状況を、角度を変えまして、これは実際の金の取扱いにおきまして、どういう数字が現われておるかということを現わしましたので、左の方に扱月ということになっております。これは非常に便宜ごらんになりやすいために現わしましたので、扱月四月、その次に診療月二月、これは先ほど申しました二月診療分につきましては、四月末までに払うことを目標にして、どの程度実際金の取扱いの面で支払いが行われておるかということでありまするが、全国を集計しました資金の動きから見まして、二月診療分の支払確定額は五十七億二千九百八十二万一千円でありまするが、そのうちで四月末までに——月末までというのは、その欄は四月末とお取りを願うのでありますが、四月末までの支払額が四十二億四千七百三十二万四千円でありまして、その支払率が七四%、月末までの支払額が十四億八千二百万円という数字になっております。以下さような意味でこの表をごらんを願いたいのであります。しかしこれも全国の取扱いの実際の資金の動きから押えました数字でありまして、どの診療担当者に対しましても七四%を支払うという趣旨ではございません。御承知かと存じますが、地域別当りに順次払っておりまするので、まあ大勢から申せば、七四%程度のものには払ったということになるかもしれませんが、これが先ほど申しました実際の支払は各支部別で行われておりまするので、ある支部におきましては、言いかえれば、ある都道府県におきましては、ほとんど一〇〇%に近い支払いが行われている、ある都道府県におきましては、資金の事情で、それよりズレておるというようなのが実情でありまするが、これは金の取扱いの面から、ただ全国を集計すれば、かような数字になるということをごらんを願いたいのであります。  で、この状況が、これは三十年度を現わしておりまするが、二十九年度の夏ごろまで、二十七年、八年、九年、あるいは六年ごろもそうだったかもしれませんが、二十七年度、八年度、九年度の中ごろまでは、ここに現われまする支払率というのは、一〇〇%に近い。特殊の事情で若干ズレておるのがありまするが、少くとも九八、九%というような数字がずっと出ておったのでありますが、二十九年の夏ごろから率が下って参っております。ちょうどこれが政府管掌の資金事情等の影響が多いのでありまして、政府管掌の赤字問題とうらはらをなして現われておる数字に相なるわけであります。さようなことでごらんを願いたいと思います。  次に十一ページに移りまするが、これは昭和三十年度月別管掌別一件当りの点数でありまして、これは第一ページの表からいきまして、その各月分の支払件数金額におきまして、これが一件当りでどういう数字になって現われておるかということを、政府管掌健康保険、船員保険、共済組合につきまして現わしたのが十一ページであります。で、これを政府管掌健康保険の例で申しますると、医科診療と歯科診療に分けまして、歯科診療につきまして、入院と入院外に分れております。それがさらにそれぞれ本人と家族、被保険者本人とその被扶養者に分れております。歯科診療についても同様ということで、入院、入院外、本人、家族別、各月別に表われているのであります。  入院の本人の分で申しますると、三月診療分につきましては、一〇四六・七、四月分は一〇一八・六というように、若干月によって異同はございます。家族の分につきましては、三月が七七三・三、四月が七四五・二というような状況でありまして、入院外につきましては、三月が六〇・六、四月が六〇・八、五月が六一・五。家族は四月が四七・二、五月がやはり四七・二、たまたまこれは一致をいたしておりますが、必ずしも毎月同じとは申せません。  歯科診療もごらんのような数字が出ているのであります。  以下般員保険共済組合、それからその続きが十二ページに出ております。十二ページは健康保険組合の数字で、以上四種類の合計の一般社会保険合計数字。それから日雇労働者健康保険の数字というのが、それぞれ一件当りの点数がここに出ているのであります。これも一々の朗読は省略させていただきたいと存じます。  十三ページでありますが、十三ページは、ただいまの十一ページ、十二ページの表をグラフに表わしたものでありまして、数字が非常にこまかくなっておりますので、月別にどの程度の動きになるかということをグラフでごらんをいただくように表わしたのであります。  入院等につきましてはあまり大きな開きのカーブは出ておりませんが、若干毎月異同はあるという程度はわかるのであります。以下十一ページ、十二ページの表をグラフでごらんになりやすく表わしたにすぎません。かような意味で一つごらんを願いたいと思います。
  27. 田村文吉

    田村文吉君 年別のグラフはありませんか。これは月別ですね。年別のグラフがあると非常に参考になるのですが、ありませんか。
  28. 川上和吉

    参考人川上和吉君) 用意してきておりませんが、年別のもあると思います。
  29. 田村文吉

    田村文吉君 厚生省で出ておりますか。
  30. 川上和吉

    参考人川上和吉君) 最後に十四ページに、これは基金の活動面の別の面でありまして、管掌別、医科歯科別、査定率及び返戻率、われわれの内部で便宜呼んでおる字句で表われておりまするが、これがいわゆる審査の点の数字で表われまする一つの実績としてごらんを願いたいのであります。  査定率と申しまするのは、基金に出て参りました請求額を正しい点数に是正をいたします。その場合の表われまする率といったものでありまして、医科診療につきましては、政府管掌で申しますると、請求点数、これは便宜三十一年度二月分一月だけをとっております。毎月これも若干の異同はございまするが、三十一年二月診療の分につきまして、政府管掌健康保険につきましては、請求の総点数が二億七千二百九十五万一千二百八十五点というのが、集計をしますればそういうことになって、診療担当者から請求されて参るのでありまするが、それをいろいろ点検審査いたしまして、最後に支払いの決定をいたしました場合の決定の点数を合計いたしますると、二億六千九百二十六万八百八十点ということになるのでありまして、査定率が九八・六%という数字になって出ております。歯科診療につきましては、政府管掌健康保険の査定率が九九・七%、以下船員保険、共済組合、健康保険組合、一般社会保険合計、日雇労働者健康保険、それぞれにごらんのような数字になって表われておるのであります。それが(イ)として現わしました査定率の点であります。  それから(ロ)の返戻率と申しまするのは、これはあるいは順序が逆になるかもしれませんが、審査査定をいたしまする前に、請求書を受け付けた段階におきまして、いろいろ内容的に不備がありまして、診療担当者にそのまま返してしまうものがございます。ある意味の、広い意味の審査活動の一つとも申されまするので、まず受付の場合に不備のあるものを返戻をいたしまして、その残りの分について、残りの分を請求点数とみて、これを査定をしてゆくというのが上の(イ)に表われるわけでありまするから、仕事の順序からいうと逆になるかもしれませんが、さような意味の返戻率がどうであるか、これは上の査定率と違いまして、点数まで一々数字をおいておりません。受付の点数に対して返戻率がどのくらいあるかという程度に表われるのでありまするが、これは便宜一般社会保険合計で出ておりまするが、受付の件数が六百三十四万一千七百四十二件、それだけのものを受け付けて、そのうちで不備で返戻いたしまするものが六万七千七百二十九件、その率が一・一%という数字になっております。従って、受け付けましたうちで一%前後は不備で返戻をいたし、その返戻しなかった、受け付けたものにつきまして、これが上の請求点数になって表われる。これを査定いたしまして決定件数になった場合の査定率が先ほど申しました政府管掌につきましては九八・六%、こういう数字になって表われておるのであります。  大体以上のような状況で、お尋ねの点に合致するのか、一応用意しました資料につきまして申し上げました。  なおお尋ねによってお答えをいたしたいと思います。はなはだお粗末な説明で……。
  31. 山下義信

    委員長山下義信君) ありがとうございました。  今田村委員から希望せられました一般社会保険分の、これは月別のグラフでありますから、あなたの方の基金が始まってからといいますか、各年別のこういうグラフ、いただけませんか。
  32. 川上和吉

    参考人川上和吉君) 先ほどお話のありました一件当りでございますか。
  33. 山下義信

    委員長山下義信君) 点数のグラフですね。
  34. 田村文吉

    田村文吉君 件数ですよ。
  35. 川上和吉

    参考人川上和吉君) 件数でございますか。
  36. 田村文吉

    田村文吉君 お作りになってなければけっこうでございますよ。
  37. 川上和吉

    参考人川上和吉君) 件数は六ぺージに二十八年度、九年度、三十年度とあります。
  38. 田村文吉

    田村文吉君 三年間ですね。
  39. 山下義信

    委員長山下義信君) それではありがとうございました。  次に東京社会保険診療報酬支払基金幹事長尾関さんの御陳述を願います。
  40. 尾関三三

    参考人尾関三三君) 私東京基金の幹事長尾関でございます。よろしくお願いいたします。  東京基金の取り扱いまする点につきまして御説明申し上げたいと存じますが、ただいま川上理事長から御説明申し上げました数字と内容——ただ数字が実は変っているだけでございまして、同じ方式で答えましたのでございます。これの各支部の集計されましたのが結局先ほど御説明いたしました数字でございますので、ただ数字を御説明いたしますと、ほとんど同じようなことになりますが、やはり一応御説明申し上げますか、ずっと数字について。
  41. 山下義信

    委員長山下義信君) そうですか、それじゃようございますね。
  42. 尾関三三

    参考人尾関三三君) ただ東京の点を申し上げますと、この第一表をごらんいただきます。三十年度の取り扱っております件数の金額が出ております。各管掌別に出ておりますが、これの政府管掌は、件数におきましては六百四十一万五千百八十一件、金額が六十六億四千百九万七千円となっておりまして、件数においては昨年の一二%、金額におきましては一〇%三の増となっております。全体といたしますと、件数におきまして千二百八十三万六千三百六件、金額が百二十二億六千三百二十九万三千円となっておりまして、昨年の増加率は件数が一三%七、それから金額が一〇%四となっております。これを大体東京の分を全国と見ますと、件数におきまして大体全国の一四%を占めております。金額におきましては約一六%くらいだと思います。多少月によっては増減はございますが、大体一割五分前後を、件数、金額においても東京が占めております。東京の占めております比重が非常に重いものですから、私どもといたしましては、懸命に努力いたしておる次第でございます。あとの二ページ、三ページは先ほども説明されましたように、これはこの三十年度分の医科と歯科とを二つに分けたのでございます。大体医科と歯科と見ますと、件数におきましては医科が八一%、それから歯科が一八%強となっております。金額にいたしますと医科の方が約七九%、それから歯科が二一%になっております。これは一件当りの点数等の関係によりまして歯科の方が若干高くなっておりますから、件数と金額割合はさように多少異なっておるものと存じます。  四ページはこれは二十九年度の総計を掲げてあるのでございまして、ここでちょっと御訂正いただきたいと存じますが、五ページの最後の一般社会保険合計、件数、金額がございまして、そこの件数が九百十一万五千九百九十三件、増加率は一二五%七となっております。金額が七十七億八千九百十六万九千円、増加率が一一〇%八とございますがこれは誤まりでございます。一四〇%八と一つ御訂正願いたいと思います。一四〇%八でございます。この五ページまでの数字はむしろその後出ております六ページ、七ページ、八ページのグラフでごらんいただきますとかえってはっきりいたすと存じますが、六ページはこれは二十八年度、二十九年度、三十年度の件数と金額増加の趨勢といいますか、を月別に出したものでございまして、これも先ほど川上理事長からお話がございましたように、大体毎年見ましても八月、九月あたりがピークになっておりまして、それから順次下りまして、また春ごろからだんだん上っていく、こういうようなほとんど同じような傾向でございます。金額におきましても大体これと同じような状態をたどっているのでございまして、ただこれで見ますと、二十九年度、三十年度の下半期が割合に三十年度が上っているような傾向でございます。  それから七ページ、八ページは各管掌別にそれをグラフを作ってみたのでございます。これも件数におきましては、月々の趨勢は全体とほとんど同じような傾向でございます。八ページは、これは金額を表わしております。これも先ほど川上理事長の方で御説明がありましたように、全国とも同じような傾向だと存じます。  九ページの支払いのことについて申し上げます。これは東京都支部といたしましては、政府管掌の分につきましては、本部で一括して厚生省からいただき、それから他の管掌健康保険組合、あるいは共済組合等におきましては、各支部でそれぞれ保険者に請求いたしまして、この両方の資金をプールといたしまして、毎月支払っているのでございまして、大体月の二十二、三日から四、五日ごろに支払いを開始いたしまして、翌月の五日ぐらいから十日までにほとんど支払いを完了いたしております。かような状態になりますのは、一つは各健康保険組合とか政府共済組合等の資金が月末の二十五日過ぎになって入って参りまして、そうして月末のおくれた分は月を越すというような状態になりますので、一番資金の操作のできますのは、どうしても二十五日ごろからになりますために、これと政府管掌の本部送金とを一緒にいたしまして各保険医にお払いしているのでございます。ただ、東京のように非常に保険医の数も多いのでございまして、金額もかさんでおりますので、一度にはなかなか支払えません。ただ、同時に支払いがあまり不公正になっても困りますので、大体二区ぐらいづつ毎日区分して支払っております。それも毎月同じところを常に一番に支払っておりますと、かなり初めと終りで十日ほどぐらいございますので、それも考慮いたしまして、今月一番早く払ったところは二番目にして、今月一群おそいところを二番にしておりまして、順次繰り返しまして、半年ないし十カ月くらいで一回りずつとして平均されるというような形をとっております。同時に、十二月におきましては、各保険医の方におきましても資金の点がいろいろ都合もありますので、できるだけこれは組合の方にも督励いたしまして、月末に、年末には支払いを完了するように努力をいたしまして、大体毎年これだけは実行して参っております。
  43. 山下義信

    委員長山下義信君) ありがとうございました。その程度でよろしゅうございます。
  44. 尾関三三

    参考人尾関三三君) それじゃまたあとは御質問がありましたときにお答  えいたします。
  45. 山下義信

    委員長山下義信君) 質問がありましたときにお答え願うことにいたします。  それで、大体参考人の皆さんから有益な御意見の御陳述をいただいたのでありますが、ちょうどいい機会でありますので、ごく簡単に、参考人という資格でおでまし下さった東京都の保険部の所掌事項ですね、東京都保険部というのは何を、健康保険に関する限りつかさどっているかという、ごく大体でいいですから、それから麹町の社会保険出張所ですね、いわゆる社会保険出張所というのは何の仕事をするのかということを一つおっしゃっていただきますと、参考になりますから。  それから川上さんに、この基金の預託金のことを伺うはずになっておったと思うのですが、それと同時にまあ金繰りといいますか、ごく概略でよろしゅうございますから、これを一つおついでにお話しおきを願いたいと思います。  それから尾関さんには、医療費審査の実際状況ですね、これも簡単でよろしゅうございますから、今の減点の率は基金の方から、あなたの方も多分東京都に関する限り同じような数字があるのだろうと思いますが、数字でなしに、実際の審査の工合を何か参考になることがありましたら、この機会におっしゃっておいていただきたいと思います。  それだけ一つ委員長からお願いします。補充御陳述といいますか……。
  46. 小林栄三郎

    参考人小林栄三郎君) 東京におきましては民政局のもとに保険部がありまして、保険部には課といたしまして三課ございます。健康保険課と国民保険課、船員保険課と三つあるのでございます。で、船員保険におきましては、船員保険の現業を扱っております。すなわち保険料徴収、保険給付一切をやっておるということでございます。それから国民健康保険におきましては、国民保険の指導育成並びにこれの認可というような仕事を一切やっているわけでございます。健康保険課におきましては、現業の十五の管下の出張所を扱っておりまして、現業はやっておりませんのでございます。主として出張所の監督、あるいは健康保険組合の監督、その他管理事務をやっておるわけでございます。その内容といたしましては、保険医の指導、監督とか、あるいは基金の監督というような仕事をやっておるわけでございます。各出張所におきましてはただいま申し上げましたように、現業のうち、健康保険と厚生年金保険、日雇健康保険の実際の現業を扱っておるわけでございまして、その出張所の各管轄は必ずしも区と一致しておりません。十五しかありませんから区と一致しておりませんが、十五の出張所で扱っておるということになっておるわけでございます。大体事務の扱い方はさようになっておりまして、各出張所におきましては先ほども申し上げました通り保険料徴収並びに保険給付というような実際上の実務、仕事をやっておるわけでございます。  なお御質問等がありましたならばそれを補っていきたい、かように考えております。
  47. 須崎保

    参考人須崎保君) 麹町社会保険出張所の管内は、千代田区の旧麹町区を管轄区域といたしておりまして、厚生年金保険、健康保険、日雇労働者健康保険の現業事務を取り扱っております。出張所の機構は四課に分れておりまして、庶務課、給付課、適用課、徴収課と四課になっております。庶務課ではさらに庶務と会計に分れておりまして、庶務では文書の受付をやっております。会計ではあらゆる給付金の支払いを行なっております。大体健康保険の給付の支払額は月に平均いたしまして一千万、それから厚生年金の方は大体月の支払額がこれも七百万から八百万ございます。ただし三十年度は特別に脱退手当金、東京都の交通局が厚生年金を脱退したというような関連がございまして、大体交通局だけに対しまして一億円ばかりの脱退手当金が支払われております。次に給付課ではあらゆる給付の決定をなしておりまして、大体傷病手当金が、健保で申しますと傷病手当金が大部分を占めておりまして、決定から支払いまでに、大体二週間以内には支払われているというような現状でございます。  それから適用課について申し上げますと、適用課では健康保険、厚生年金保険、日雇労働者健康保険の適用事務を取り扱っております。管内の健康保際の適用事業所は約千八百ございます。被保険者数にいたしまして六万四千、東京都の各出張所に比較いたしますと、東京都におきましては、一事業所の被保険者平均が二十二人になっていますが、麹町管内は一流の会社が多いというような関係をもちまして、一事業所の平均が、被保険者平均が三十四人強になっております。上野、新宿、墨田あたりの出張所と比較いたしますと、大体一事業所の被保険者平均が十七、八人になっている。麹町は三十四人強になっているというような工合で、小さな、小さいと言えば語弊がありますが、よそ比較的小さな事業所を扱っているところの出張所と比較いたしますと、麹町では一事業所の被保険者平均が二倍になっているような現状でございます。
  48. 山下義信

    委員長山下義信君) よろしゅうございます。その程度でよろしゅうございます。
  49. 川上和吉

    参考人川上和吉君) 書類を実はあとでいただきましたので、少し追加して差し上げるわけであります。  なお預託金というお尋ねでありますが、これは少しほかの、要するに基金での支払いの原資の状況を御説明せぬとおわかりにくいかと思いまして、そういう意味でお聞き取りを願いたいと思いますが、それを御理解願う表が今お手元にお配りしました表でありまして、毎日多額の金が出入りをいたしております。従ってその辺の収支ははっきりいたしておりまするが、かなり毎日の動きは大幅なものがあるのであります。そこでごらんわかりやすいように、これは三十一年二月末の現在の状況、三月末をごらんに入れればよろしいのですが、三月末は年度末になりまして、今いろいろ集計をいたしておりますので、二月末の状況、これは先ほども申しました二月診療分とかいうことではございません。三十一年の二月二十八日現在の全国の都道府県支部で取り扱っておりまする資金のその日現在の状況をまとめた数字であります。で、それが表題にございまするように「管掌別診療報酬収入状況」、この中にお尋ねのいわゆる預託金も収入の中に入っておりまするので、そこで全般を申し上げた方がよかろうと存ずるのであります。要するに支払いの原資に充てられまするところの資金が保険者別に、これを管掌別に合計いたしますと、かような数字になっておるということを表わしたものであります。で、政府管掌健康保険につきましては、請求額がこれは基金側からいたしまして、基金の側からしまして保険者たる政府に請求した額が本月中というのは二月一ぱい——二月一日から二月の末日までの合計が三十億四千八百五十万二千円、その次の累計というのは、これは三十年度年度初めからの累計を表わしているのであります。言いかえれば昭和三十年の四月一日から昭和三十一年の二月の末日までの総累計の請求額が政府管掌の分では三百八十四億百五十八万三千円ということになっております。こうした額を請求したのに対して、現実基金の受け取ったのはどのくらいかというと、収入額の本月中は三十一億九千八百三十二万五千円、累計で三百七十二億四千二百四十六万円ということになっております。で、これは毎月こういうような格好で前年度末の決算になるわけでございまするから、累計といたしましては、昭和三十年四月一日に前年度から持ち越してくる金を見ますると、これは帳簿上のことでありまするので、△で出ておりますが、昨年の年度末におきましては、結局ほかの管掌の、これはプール計算で払っておりまするので、帳簿上の計算をしますると、ほかの管掌の分をたまたまその年度繰り越しの日を抑えますると、他管掌の分を食って払っておるということになるわけでありまするが、その額が二十一億八千六百九十五万五千円という数字であります。これを差し引いて、収入合計が三百五十億五千五百五十万五千円、二月末現在の、請求したがまだ受け取っておりません額が十一億五千九百十二万三千円ということになっておるのであります。  以下、同様なことでごらんいただきたいのでありますが、共済組合健康保険組合はこのうちにいわゆる預託金と申しまするか、があります。それはこの累計の中に入っておるのでありまして、その合計を申しますと——全国の合計したものを申しますると——これはその表にございませんから、ちょっとお書き込みを願いたいと思いまするが、共済組合の全国の合計におきまして——基金がこれははなはだちょっと、便宜上三月末現在として一カ月ズレておりまするが、ほとんど変っておりませんと思います。共済組合のいわゆる預託金の合計額が五億九千百八十三万円——以下省略いたしまするが——という数字が出ております。それから健康保険組合の全国の合計額が十三億八千七百八十二万円という数字が出ております。これは、政府管掌につきましては、政府が一本で基金に払い込むわけでありますが、組合につきましては口数が非常にたくさんございます。実際上ただいまのような預託金をあらかじめ頭に持っておりまして、それに加えて毎月の診療報酬の払い込みがある。正常な状態と申しまするか、いわゆる赤字問題の出る前の状態から申しますれば、さような状態のもとに各管掌がやや比例がとれておったのでありまするが、現在はその均衡が被れて、政府管掌の分がややおくれておるというような状況になっております。
  50. 山下義信

    委員長山下義信君) わかりました。ありがとうございました。
  51. 田村文吉

    田村文吉君 今の問題について、関連しているのですが、この請求額というのは、その月請求する権利は何月分の治療に対して請求するということになるのでございますか。
  52. 川上和吉

    参考人川上和吉君) 二月でありますると——これは実は先ほどのいわゆる診療月ということで表わしましたのと、資金の動きは毎月の現実の動きで表わしておりまするから、お尋ねの点にちょっとぴったりすることにならぬのであります。なぜかと申しますると、ちょうど仕事の段取りからいいまして、月末あたりが組合に請求を出す時期になります。従いまして、支部の仕事のはかどり方によりまして、二月末現在には通常は一月診療分、一月診療分は二月の初めに基金が受付をいたしまして、審査をして、それを保険者に請求するということになりまするから、通常の状態から申しますれば、二月末現在のお尋ねの請求額というのは、一月診療分までが入っておるということに申してよろしいのでありまするが、たまたま仕事の段取りで一日でも——三月一日あるいは二日、そういうときにズレたのは入らぬということになります。
  53. 田村文吉

    田村文吉君 いや、そうしますとね、正常の通り請求して、正常の通りにその金が入ってくるというと、基金の方では金が、一カ月とか二カ月の金が浮くわけですね、普通ならば。
  54. 川上和吉

    参考人川上和吉君) 正常と申しまするか、いろいろ保険者の都合、事務の段取りを見ますると、正常というのははなはだ……まあ赤字等の問題がない状態を考えたといたしますれば、しかし組合の財政状況にもいろいろございまするから、いわゆる診療の翌々月中に払う。翌々月中に払うというような段取りにおきましては浮くようなことにまでなりません。実際払い込みがズレておるというようなことでですね。私ども基金としては金は浮かさないという方式で、入れば支払いに充てるというような状況をとっておりまするので、なかなかお尋ねのような浮くような格好になりません。もし浮けば支払いをもっと早めると、こういうことになります。
  55. 田村文吉

    田村文吉君 それで私が伺ったのは、この請求額というのは一体先月分のものを請求していらっしゃるのか、その月の分を請求していらっしゃるのか、その請求した額がその月に払われたならば当然に、今のような支払い方法をしていらっしゃれば、あるいは一カ月とか二カ月の金が浮いてくるのだから、こういう数字になるのですよ。なるのだから、それが一律に請求はするけれども実際は払われていないと、こういうことなんですか。請求というものの根拠は……。
  56. 川上和吉

    参考人川上和吉君) 請求はするが、ちょうどその請求が月末になりまするから、基金に振り込まれるのはそれから十五日とか二十日とか過ぎた時期に組合から入ってくるという格好になります。
  57. 田村文吉

    田村文吉君 なお念のために確かめますが、請求というものは先月分に対して請求するのですか。はっきり一つそこを言って下さい。
  58. 川上和吉

    参考人川上和吉君) それが先ほど申しましたように……。
  59. 田村文吉

    田村文吉君 多少のズレはいいですよ。
  60. 川上和吉

    参考人川上和吉君) ちょうど月末ごろになりますから、通常は一月診療分を二月末ごろに請求すると……。
  61. 田村文吉

    田村文吉君 請求なさるのですね。
  62. 川上和吉

    参考人川上和吉君) そうです。
  63. 田村文吉

    田村文吉君 そうすると、一月分を二月に請求なさいましてですね、三月の上旬とか中旬に金が入ってくれば三月下旬には当然に払われなければならぬことになるのですね。それが払われていないという理由はどういうわけかと、こういうことを伺いたいのです。
  64. 川上和吉

    参考人川上和吉君) ただいまのお尋ねの点、その通りでありまして、それだけ払われていないということは、政府あるいは組合の方で——ことに組合は非常にその口数が多うございますから、非常に順調に入るところと、そこまで入らぬところがある。従ってそこの収納関係がズレておるということに御了解を願ってけっこうだと思います。
  65. 田村文吉

    田村文吉君 そうなるとですね、ここに請求額が健保組合に対し十六億二千三百万円の請求をしてあって、収入額が十六億九千六百万円その月は入っておるのですね。だから請求額に対してはちゃんと組合のものは入っている。こういう状況じゃないか。要するに入らぬのは政府の金が入らぬ場合があるというような狂いが出るのじゃないか。もうちょっとそこをはっきりして下さい。
  66. 川上和吉

    参考人川上和吉君) ただいまのお尋ねの点はですね、ちょうど毎月こういうふうにズレておりまするから、このたまたま数字がほぼ同じようになりまするが、収入の今月の十六億九千六百万円というのはむしろそのうちのこれはどのくらいになりますか、半分とか三分の二とかというのはむしろこの二月に請求した分じゃなしに、もう一カ月前に請求した分ということになります。
  67. 田村文吉

    田村文吉君 わかりました。
  68. 榊原亨

    榊原亨君 私ちょっと中座いたしましたので、あるいは御質問が出たかもしれません。出たらばあとから速記録で拝見しますから、出たということでけっこうでございますが、一応お聞きします。厚生省がこの予算をお作りになりましたときの十一円七十一銭三厘、あるいは歯科診療において十一円九十八銭二厘というのはいつの単価をおとりになりましての御計算でございますか。
  69. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) 現在の甲地の十二円五十銭と乙地の十一円五十銭、これを平均いたしますと、十一円七十一銭三厘、これよりもちろん多くなるわけでありますが、これを耳のまますぐ平均もできませんので、甲地、乙地のやはり加重平地でとらなければなりません。それを平均したのが……。
  70. 榊原亨

    榊原亨君 その加重平均は何年の何月から何月までの加重平均をおとりになったのでございますか。  あわせて基金の方にお尋ねしますが、ごく最近の単価の平均は何ぼでありますか、川上理事長にお尋ねいたします。まず厚生省の方から一つ。
  71. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) 十一円七十一銭三厘を出しましたときは、この予算を編成しますときまでの今年度実績を加重平均いたしております。
  72. 榊原亨

    榊原亨君 そういたしますと、二十九年の実績ですか。
  73. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) 三十年でございます。
  74. 榊原亨

    榊原亨君 昭和三十年の何月から何月の実績ですか。
  75. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) 三十年の三月からの実績を加重平均にとったわけであります。
  76. 榊原亨

    榊原亨君 何カ月ですか、これは一カ月ごとに違うでしょう。
  77. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) 十一円七十一銭三厘を計算しましたのは十月でございますから、三月から十月までの……。
  78. 榊原亨

    榊原亨君 昭和三十年の三月から十月までですか。
  79. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) そうでございます。
  80. 榊原亨

    榊原亨君 基金川上さんにお尋ねしますが、ごく最近の単価の平均を一つ。
  81. 川上和吉

    参考人川上和吉君) はなはだ申しわけありませんが、私の方ではちょっといわゆる甲地、乙地別の資料は手持ちがございません。
  82. 榊原亨

    榊原亨君 厚生省はどこからの資料で、この申地、乙地の基金がおわかりにならないのを、十一円七十一銭三厘というのをどこから……。
  83. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) 先ほど申し上げましたように、三十年度の三月から十月までに実際に払った総金額というものがはっきりしております。それから同時に点数というものも実績ではっきりしております。それを割れば一点当り金額が出るのでございます。
  84. 榊原亨

    榊原亨君 それじゃ基金もそのことがおわかりになるわけですが、いかがですか。
  85. 川上和吉

    参考人川上和吉君) ただいまのお尋ねのようなことであればこれは計算機で出て参ります。ただ私どもの方も、はなはだ言い方が悪かったかもしれませんが、各支部別にはむろんわかっております。ただ甲地、乙地のあるものは御承知のように、数府県に限られておるわけですから、たまたま私どもの本邦でさような集計を持っていないということであります。従って今これは数字をここでお答えする材料がないのであります。
  86. 榊原亨

    榊原亨君 これは非常に重大な点でありますので、それじゃ厚生省厚生省だけでそういうふうなことで御計算をしたのですか。やはり支払基金を通じた報告とか何とかによって御計算にならなければできないと思うのですが、その点はいかがでしょう。
  87. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) その通りでございまして、ただ今私どもとしては私どもが一点当り金額平均して出さなければ総医療費が一人当り金額として押えられない。それから総医療費計算できないので、そういう必要性に基いて一点当り金額平均単価を出しているわけであります。基金にはその必要がなくて出してない、必要性に基いて一点当り金額平均単価を出しているわけであります。基金にはその必要がなくて出してない、こういうことだろうと思います。使っている数字は全部私どもと違うわけはないのです。
  88. 榊原亨

    榊原亨君 それじゃ一つ川上さんにお願いいたしまして、昭和三十年度におきますところの単価の平均を一つ御計算になって至急お出しを願いたいと思います。
  89. 川上和吉

    参考人川上和吉君) それは今のお尋ねであればおそらく政府管掌別でなければならぬと思いますが、政府管掌だけでよろしゅうございますか。
  90. 榊原亨

    榊原亨君 政府管掌だけでよろしゅうございます。
  91. 川上和吉

    参考人川上和吉君) 政府管掌だけでございますか。ちょっと今、期日までお約束することにいかぬかもしれませんが、一つ御趣旨に沿うようにやってみたいと思います。
  92. 山下義信

    委員長山下義信君) 川上さんに御相談するのですが、今の資料は非常に至急を要するのでありますが、あなたの方の資料の御提出をお待ちしなければならぬことになるのですが……。
  93. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) ちょっと先生の御要求についてでございますが、必要ございましたら私の方ですぐ計算いたします。これは基金資料で、金額は私の方で二月まで払っております。その払っている金額と私の方の計算で、私の方は必要があるからこういうものはずっと毎年予算ごとにやるわけでございますので、もとの数字は、もし御信用にならなければ別でございますけれどもございますから……。と申しますのはこれは金額が、おそらくお尋ねの趣旨は、この単価が年平均からするともっと下るのじゃないかということだろうと思いますが、この単価は総点数と総金額のあれでございますので、金額が下れば当然こちらも下るのでありますが、同時に点数が下っていきますと、この平均の単価というものはあまり下らない、こういうことになりますので、計算は私の方であすまでにはできると思います。もしあれでしたらお出します。
  94. 川上和吉

    参考人川上和吉君) だいぶ複雑なお尋ねのようだったので何ですが、今お話を伺って、総点数を総金額で割って出すのならこれは私どもの方でも出ると思います。
  95. 山下義信

    委員長山下義信君) そうじゃないでしょう。おそらく榊原委員の要求の資料はただ算術で割って、それで平均の点数というのじゃなしに、甲地、乙地の実際の支払いの実績をこれを基礎にして、そして平均値が出てきたならば、その内容の資料をもらいたいということだろうと思うのですがね。総点数で総医療費を割って平均の単価が出た、そういう算術的じゃなしにですよ。
  96. 榊原亨

    榊原亨君 一応厚生省でそういうものがお出しになることができますならば、一つ厚生省からもお願いいたしますし、あわせて基金からも一つなるべく早く願いたいと思います。
  97. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) 私ども明日までに何とかして一つお出ししたいと思いますが、おそらく基金で無理だというのは、結核予防費の一人当り金額を出さなければならぬので、それは基金には資料がないと思います。そういう関係もありましてであろうと思いますから、私どもの方で出しまして、もしまた御疑念がございましたら、それをいろいろあれしていただければけっこうだと思います。
  98. 榊原亨

    榊原亨君 被保険者数増加厚生省は四%増しと、これは私の聞きそこないかもしれませんが、五百三十一万ということで御計算になってこの資料ができていると思います。基金の方におかれましては、被保険者数はおわかりにならないかもしれませんが、大体四%増しで五百三十一万という厚生省のお見込みは、現在昭和三十年度におきまして実際そういうふうにお考えでございましょうか。
  99. 川上和吉

    参考人川上和吉君) これも私どもの業務の関係で被保険者数というのはほとんど関係がございませんので、ちょっとお尋ねに合うことを申し上げる資料はございません。
  100. 榊原亨

    榊原亨君 標準報酬月額が、先ほどお伺いいたしまするというと、月平均十円減少する、二十五円増すとかいうようなお話でありますが、それはやはり昭和三十年度実績においても厚生省のお見込み通りでございましたでしょうか。
  101. 川上和吉

    参考人川上和吉君) 標準報酬でございますか。
  102. 榊原亨

    榊原亨君 ええ、報酬月額です。
  103. 川上和吉

    参考人川上和吉君) それも私どもの方には……。
  104. 榊原亨

    榊原亨君 保険料収納率を九二%とみておられますが、昭和三十年度におきましては、やはりそれくらいでございましたでしょうか。それは基金でおわかりでありますか。それもわかりませんですか。
  105. 川上和吉

    参考人川上和吉君) 保険料収入関係も、私どもの方ほとんどございません。
  106. 榊原亨

    榊原亨君 受診率の増加が、大体厚生省の三十年のお見込み実績は同じでございましたでしょうか。
  107. 川上和吉

    参考人川上和吉君) 受診率と申しますか、私どもの方は、先ほど御説明しましたように、実際の取扱いから診療の件数というのが出て参ります。受診率は、これは被保険者数で割った点になりますから、被保険者数は、私どもの取扱いとは関係ございませんが、件数の動きであります。件数の動きは、先ほど各年度別に御説明しましたようなことでありまして、これが三十一年度にどうなるかという点は、これは私どもの方から申しますると、この表から見て何らか算術をして予想を立てるというようなことでありまして、これも私どもの方の仕事の段取りから申しますれば、直接の——結果的には非常に重要な関係を持って参りまするが、さような予想の点はむしろ、たとえば私どもの方の事業計画を立てまする場合には、各保険者の予想をいただきまして、それをそのままとる。まあこの予想が非常に見当がむずかしいものでありますから、私どもの方ではさようなことをいたしておりまして、その程度のことしか申し上げられないと思います。
  108. 榊原亨

    榊原亨君 先ほどから川上理事長にお伺いいたしましたことは、厚生省におかれましては、昭和三十年度実際やってみての数はおわかりでございましょうか。
  109. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) まず最初お尋ねの月減少額でございますが、これは三十年度は、先ほど御説明申し上げましたように、毎月平均して十三円減少するというふうに見込んだのであります。ところが、実際上は二十九円の減少でございます。  それから標準報酬は、先ほども申し上げましたように、お配りしてあります基礎数字を見ていただくとわかりますが、一万一千七百円の予定をいたしましたところが、一万一千四百五十四円であったということで、二百四十六円ばかり差ができたのでございます。  それから収納率は、九三%の見込みを立てておりましたところが、九一・五%の実績を示すような点でございます。これは決算が来月でないと正確なやつが出て参りませんので、はっきりしませんが、九一・五%の実際の食い違いが生ずる。  それから最後にお尋ねの受診率等の占用でございますが、先ほども申し上げましたように、当初は医療給付費は前年度分未払いを除きまして三百九十一億五千万はかりの医療費見込んでおりましたのが、実際には今年度三十年度分だけの医療費としては三百八十一億三千五百何方ということで約十億見当見込みよりも減少を見ておると、こういうことを申し上げたのであります。従いまして、三十年の見込みにつきましては若干の給付費の面では減少を来たしております。
  110. 榊原亨

    榊原亨君 被保険者数はいかがですか、三十年度末。
  111. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) 三十年度の被保険者数見込みは五百五万と一応予算では考えたのでございますが、これが五百十万六千百三十八人というふうに結果的には被保険者数増加いたしました。来年は五百三十一万と見込んでございますが、これは過去二年の大体毎月の増加の数を平均いたしまして、この毎月の増加人員数が約一万五千人でございます。それを一方に頭に置きまして、それでこの五百十万六千人を切り上げて五百十一万とし、その約四%増の五百三十一万というふうに踏んだわけでありまして、これを個々に毎月の平均に直してみますと、一万五、六千人見当増加になる、こういうことでございまして、その数字は過去の実績とほぼ合っておる、こういう状況でございます。
  112. 榊原亨

    榊原亨君 東京都の保険部長にお伺いいたしますが、ごく最近の査定率と同月における前年度の査定率を一つ承わりたいと思います。
  113. 小林栄三郎

    参考人小林栄三郎君) 査定率の問題は、むしろ基金にお尋ねいただいた方がよろしいかと思います。
  114. 榊原亨

    榊原亨君 川上理事長の方で……。何用でもけっこうです。
  115. 川上和吉

    参考人川上和吉君) 先ほど十四ページのところを御説明をいたしたのでありますが、これは三十一年二月診療分につきましての各管掌別の請求点数、決定点数、その査定率、こういうように表われております。先ほど御説明したのですが、その(イ)が査定率、(ロ)は返戻率という変な言葉を使っておりますが、これは受け付けて不備返戻をした分でございます。
  116. 榊原亨

    榊原亨君 私の承わりたいのは、昭和三十年度の二月の率はそれじゃどれくらい。御記憶なければ、またあとからでも……。
  117. 川上和吉

    参考人川上和吉君) それは各月別にございます。
  118. 相馬助治

    相馬助治君 川上さんにお尋ねしたいのですが、最後に配られた「昭和三十一年二月末現在管掌別診療報酬収入状況」というこの紙片について伺いたいのですが、お話の中に、政府管掌の健康保険が他の保険を食っているという、こういう話がありました。数字でもそういうふうになっておりますが、食っているという事実は、この単位の月では明らかにこれは食っておりますが、それは何に原因をしておるのでしょうか。どこの金が入らないためにこういうことになっておるのでしょうか。それからまた、この事実から制度上の何か欠陥をお考えでございましょうか。これを尋ねることが一点なんです。  それからずっとお述べ下すっておすわりになる直前に、政府管掌の分がおくれている、こういうふうにおっしゃったのですが、それがどういうことをさすのだか、私はっきり聞き取れなかったものですから、一つそれらを重ねてこの資料をもう一度ちょっと教えていただきたいのです。実はこの点に、今度の健康保険法改正の非常に大きなポイントがあると思うものですから、お尋ねしておきたいのです。
  119. 川上和吉

    参考人川上和吉君) 先ほどお尋ねがありましてお答えいたしましたように、基金の資金操作におきましては、収入、入ってくる方の分は各保険者別にばらばらになっております。それから支払う方はこれは医者ごとにしかもばらばらじゃなしに、これは地域的にまとめておりまして、そこでしかもこの健康保険、一般社会保険、先ほどから一般社会保険といって説明しております分につきましては、いわゆるプール計算、各管掌の資金を一緒にしましてそこで支払っておるということになっておりますので、こういう資料等でごらんになりますると、あるいはこの数字だけでもまだ資金の事情を的確に表わすには不十分かもしれませんが、ちょうど昭和二十九年の夏ごろまでは今も御指摘のありました当面の問題のいわゆる赤字問題の出る少し前、何年間か診療の翌々月中には支払いが全国的にできておったという状況のときの数字を見ますると、一時は共済組合がほかの管掌の分を食っておる、私の言葉で申しますと、食っておるという時代もありましたが、しかし昭和二十九年の初めごろの状態を申しますると、ほとんど全部の管掌が同じような状況にそろっております。先ほど御質問の通りたまたまその月分の請求額と収入額と合すと同じじゃないかとおっしゃったが、額は同じですが、実際の請求と収納はズレてきておる。しかしズレておりながら毎月は同じだというような現象が二十九年の夏からあとに表われておるというのは、それが政府管掌の分で表われてきておるのでありまして、結局政府管掌の赤字の影響も一たん順調にいっておったのがズレた、ズレてもあとはだんだんその一カ月分は払っておるが、前のおくれたのは取り戻すことができぬというような状況が現在の状況で、これが各組合別に見ましても同じような格好になっておりまして、ここに出ておりますように、その月の請求額とその月の収入額はたまたま一致しておるがズレたまま一致しておる。一たん赤字を出せば、それを取り戻すためには請求額と収入額と同じじゃなしに収入額の方がオーバーしなければいけない。赤字が解消すればオーバーして同じ歩調にそろうのですが、そうもいかないし、つまりそこにズレがあるということになりまして、その点がちょうど二十九年の初めごろと現在の基金の資金事情を比較してみますると、持ってきた金を区分せぬでプールで払っておりますから、それを帳面上分けますと、たまたま政府管掌の分が帳面づらからいうとほかの管掌の分を食っておる。帳面づらのことでありまして、実際の金は入った金を全部一緒にしてやるという形でやっておりますので、そのことが赤字問題に出ると同時に、こういう資金面に表われてきておる、こういうようなことであります。
  120. 相馬助治

    相馬助治君 そうすると、この三十一年度二月というこの数字の姿はしかし特異なものじゃなくて、結局政府管掌の分が他の保険を食っている、これは帳面づらだけのことだとおっしゃったが、事実上他の保険におんぶしておるという形が毎月の実態だ、こういうことなんですね。
  121. 川上和吉

    参考人川上和吉君) 二十九年の夏以来は大体お話のような状況であります。
  122. 相馬助治

    相馬助治君 そうして最後に累積した赤字をどう埋めるかというようなことで大騒ぎをして、政治的にその赤字の分だけを出して、あとからそこに注ぎ込んで、最後にはどうにか帳面づらが合ってきた、こういうことなんですね。
  123. 川上和吉

    参考人川上和吉君) 大体お話の通りでありますが、最後に帳面づらが合ってくるまでまだ赤字が解消されていない状況だと思います。
  124. 相馬助治

    相馬助治君 それはよくわかっております。
  125. 田村文吉

    田村文吉君 小林さんに伺いますが、御説明の中に、十二月から黒字に変更した、その御説明はちょっと十分でなかったように思うのですが、あなたの御説明でなかったでしょうか。
  126. 小林栄三郎

    参考人小林栄三郎君) それはお配りしました収支状況表に表われておるのでございますが、年度初めのころは、どうしても徴収率が非常に表に表われておるように低いわけであります。だんだん一年度全部計算をしてみないとわからないわけであります。数字の上では四月、五月、六月とだんだん赤字が減ってきておるわけなんであります。徴収率が違いますから……。前年の組みかえ分でございます。
  127. 田村文吉

    田村文吉君 それは毎年そういうふうになるということの御意味ですか。そうでなくて、この年は十二月から黒字になっておるのですね。
  128. 小林栄三郎

    参考人小林栄三郎君) 毎年こういう状態をとるわけでございます。
  129. 田村文吉

    田村文吉君 毎年こんな傾向をたどる……。
  130. 小林栄三郎

    参考人小林栄三郎君) さようでございます。
  131. 田村文吉

    田村文吉君 それからはなはだ素朴な質問ですが、基金の方で計算なさる件数というものは、一件々々というものは、その月の患者が翌月にまたがった場合には、やはり一カ月々々々切るのですか、切って計算なさるのですか。
  132. 川上和吉

    参考人川上和吉君) お尋ねの通りで、一人の患者についてその月のうちのが一件になりますから、同じ患者でも翌月になれば二件になります。
  133. 田村文吉

    田村文吉君 それからもう一つ伺いたいのは、八月が非常に多いということは何か……どういう理由で八月が多くなって四月が少いということになるのでしょうか。何か基金の方としての御解釈ありませんか。これはもう例年そうですね。
  134. 川上和吉

    参考人川上和吉君) その通りでありまして、これはむしろ榊原先生なり谷口先生の方が私どもしろうとが申し上げるよりよろしいかと思いますが、毎年こういう形で表われておりまして、これはやはり何といいますか、夏には消化器関係、食い過ぎとか寝冷えとかそういったような病気が多い、冬になればそれほど多くない、こういう格好で、毎年こういう格好で表われております。
  135. 田村文吉

    田村文吉君 反対に非常に四月が少いのですね、それはどういう関係ですか。
  136. 川上和吉

    参考人川上和吉君) 四月が少いと申しますよりも、むしろ冬に下って夏にかけてずっと上って参るカーブがそのままで、四月が特に少いということよりもむしろ三月分が異例に多少多い、これはあるいは請求の都合で、各医療機関、ことに公的の官公立病院等で年度末に整理をして持ってくる分がありまして、三月に毎年非常に上っておるのがむしろ異例で、冬から夏にかけてのカーブの一つの段階として、四月はむしろそれほど異例とは私ども思っていないので、三月にはそういう事情があります。
  137. 田村文吉

    田村文吉君 今お示しの表を拝見すると、これは東京だけの表でもそうですし、全国のでもそうですが、四月になるとがぜんとして落ちるんですね。このいただいた表を拝見すると八月へぐるとがぜんとふえるんです。それは何か事務上の問題でそういうことが起るのか、そうでなくて、実際そういう生理的の現象が起るのか、私はそれを知りたい。ずっと表をごらんになるとわかるんですよ。四月は毎年落ちている。だから診療の月別とおっしゃるが、これは実際は診療の月別でなくて、何かほかの事務的の取扱い上こういうことになるのか、それを伺っておきたい。
  138. 川上和吉

    参考人川上和吉君) 先ほども申しましたように、三月がむしろですね、多少診療の実態よりも事務的なそういう点が出ると思うので、お言葉に対してどうもこの表がちょうど三月から始まっておりますから四月が非常に落ちてるようですが、二月、三月を除いて考えますると、それほど四月が落ちた感じでないのでありますむしろ、四月は非常に少い月になっておりますが、むしろ、私は三月が多少そういう事務的な事情、つまり病気の事情以外の事情が三月分についてはあるんだ……。
  139. 田村文吉

    田村文吉君 それで病気、実際生理的の実際ではなくてという問題でもって三月が低いというならそれでいいんですが、実際は三月が下っていないで四月が下っている。これは両方の表とも、いただいたものが全部そうなんです。毎年四月が下って一番最低であって、そうして八月というものは毎年最高なんです。これは何かここに一つ三年間同じ現象が出ているということについては何か理由がなけりゃならぬとこう思うのであります。それで伺うんです。
  140. 川上和吉

    参考人川上和吉君) 三つの年度だけじゃなしに、この前をつかまえてもほぼ同じ状況が出ておりますが。
  141. 田村文吉

    田村文吉君 どういうわけですか。
  142. 川上和吉

    参考人川上和吉君) はなはだ、私どもがむしろ繰り返して申すように、四月だけの特殊の何は考えておりません。
  143. 田村文吉

    田村文吉君 実際の人体は四月になれば非常に陽春の候で健康によろしいために病気が減るのであって、八月は暴飲暴食をやるために病気がふえるのだというならそれでいいんですよ。それならそれでいいんです。何かはかに社会的の事情があって四月は特に減る、八月が特にふえるというようなことは何かということを私は基金のお払いになるお方々の面から考えて何か御解釈はないか、こういうことを伺っておる。
  144. 川上和吉

    参考人川上和吉君) はなはだ何度も同じことを申して恐縮なんですが……。
  145. 田村文吉

    田村文吉君 おわかりにならなければよろしゅうございます。
  146. 川上和吉

    参考人川上和吉君) それよりも二月と比較して前年度のこれはカーブが続いてくればよろしいのですが、二月と比較してごらんになると、四月が特に低いとは考えられない。前年度の二月を……。
  147. 田村文吉

    田村文吉君 前年度のは出ていないものだからね。
  148. 川上和吉

    参考人川上和吉君) ここに出ております。
  149. 田村文吉

    田村文吉君 その翌年の分が出ておるので、その前年度のが出ておらぬものですからちょっと比較ができぬ。
  150. 川上和吉

    参考人川上和吉君) いや、たとえば二十九年度の二月が出ておりますから、二十九年度の二月と三十年度の四月と比較してごらんになると、むしろ四月の方が上っております。
  151. 田村文吉

    田村文吉君 その問題はこれは専門のお医者さんに伺いますから、ただ基金の方として何か社会的の事情があるかないかということを私はお確かめしたかったのですが、その事情は別に考えておらぬ、こうおっしゃればそれでけっこうです。そこで私はもう一つ伺いたいのは、やはり件数が非常なふえ方なんですね。被保険者の数というもののふえ方はその割でないのに、件数が三割も五割もふえていくような情勢にあるということは、これはどういうことであろうかということを、まず基金の面からおわかりになりませんか。
  152. 川上和吉

    参考人川上和吉君) 件数のふえるのは、お話しのように被保険者の数の増加と、それから受診率の増加との相乗積になるわけなんで、被保険者数もそれほど増加せぬとおっしゃいましたが、ある程度やはり被保険者の数の増加もかなり影響しております。やはり受診率の増加と被保険者の数の増加、これは先ほどもお答えしましたように、私どもの方では保険者資料によるしかありませんが、これはやはり両方増加をいたしております。受診率、被保険者数とも一つ一つの月をつかまえますると、それほど大幅じゃなしに、じりじりと、ほとんど下ったことがないんですから、過去数カ年間保険者数もそれから、受診率もほとんど下ったということはない状況でございますから、結局だんだん累積して各年度別に見るとかような数字になっているわけです。
  153. 田村文吉

    田村文吉君 それはですね。おっしゃるまでもなく、私は調べてみて、ただ比率が被保険者の数のふえ方に比べると、非常に件数がふえているということが事実このいただいた表に表われている。それはどういうふうに説明なさるかということを聞いているんです。むろんあなたの言うような意味でふえておることはふえておる、被保険者もふえておるのだから当然ふえるのはわかる。その割合以上に件数が非常にふえているということはどういうふうに実際の窓口においでになって判断なさいますか、こういうことを伺っている。
  154. 川上和吉

    参考人川上和吉君) 私ども計算では、被保険者増加と件数の増加と同じ結果が表われていると思うのでありまして、数字を御検討になってということでありますが、ただこういう点はございます。総件数から申せば、たとえば先ほども健康保険組合、共済組合で申しましたように自己診療機関の分は、これは基金に出てこないという状況でありますが、この表に表われておりますのは、単に被保険者数、それから受診率の総合計のほかに、そのうちで基金に表われてくる分だけでありますから、共済組合につきましては、そういう点の影響が若干あると思いますが、しかし、これも私どもは、ただお尋ねのむしろ数字に合う、どうも私どもも非常にこんなにどうして毎月ふえるであろう、毎年ふえるのか、やってみますと、やはり被保険者増加と受診率の増加と符合するように思うのであります。
  155. 田村文吉

    田村文吉君 受診率が増加するから当然ふえるんですよ。その点はわかるんです。なぜそんなにふえていくのであろうかということ、被保険者の数に比例してならこれは議論はないんです。非常に受診率がふえるから結局件数もふえる、こういうことになるんですが、どういうことでございましょうかということを私は伺いたい。(相馬助治君「田村さん、そう思わないというんですよ。そんなにふえちゃいない、こういうんじゃないの。」と述ぶ)
  156. 川上和吉

    参考人川上和吉君) 私もふえているということは申しているので、今のなぜ受診率がふえるかという点のお尋ねになりますと、これはなかなか分析がむずかしいのでありますが、やはり病気にかかるよりは医者にかかる場合の率の方が……、たとえば入院等なんかは、これははっきり施設の増加等で説明ができると思いますし、それから今問題が政府管掌の点が多いようでありますが、これは私どもからお答えするのははなはだ当を得ないのでありますが、同じ健康保険組合の被保険者と、政府管掌の被保険者比較してみますと、同じふえているにかかわらず、まだ政府管掌の受診率の方は低いという状況でありますから、条件は違いますが、健康保険組合の受診率まで極端な場合はいき得る可能性は含んでいるということまでは申せるのじゃないかと思います。
  157. 田村文吉

    田村文吉君 それはそれでけっこうなんですがね。さっきデータをお持ちでないから私はしいて申し上げなかったのですが、各月の点数の増加表はここに出ているんですね。毎年の点数はどんなふうの傾向にありますか。点数の増加、少なくも点数計算の変更はこの三年間はしていないでしょう。点数の計算方法は……、ない場合にこの三年間点数というものはどういうふうにふえているのか、減っているのか、その傾向を一つお示しいただきたい。
  158. 川上和吉

    参考人川上和吉君) ここに二十九年度資料は持ち合しております。お尋ねは一件当りの点数になると思いますが、二十九年度と三十年度比較は出て参るわけでありますが、二十九年度比較してみますると……。
  159. 山下義信

    委員長山下義信君) 川上さん、それをあと資料としていただきたいのですが。
  160. 田村文吉

    田村文吉君 二十八年、二十九年、三十年と。
  161. 川上和吉

    参考人川上和吉君) 三十年度はここに出ておりますから、二十八年と九年度資料として差し上げたいと思います。
  162. 田村文吉

    田村文吉君 三十年度比較していただきたい。
  163. 川上和吉

    参考人川上和吉君) むしろグラフの方がわかりやすいと思いますが。
  164. 田村文吉

    田村文吉君 グラフの方がいいですね。
  165. 山下義信

    委員長山下義信君) 大体この程度にいたしたいと思いますが、審査の状況は、承わりたいと思いますが、時間がありませんので、次の機会にいたしますが、私からちょっとお尋ねしますが、保険医から、医療担当者から医療費の請求書が出ますが、これを各地の基金でもって審査しますね。あと数字だけを中央の川上さんのところへ、基金へ持っていくのですね。そうしてその実際の保険医から出てくる請求書のその書類そのものはどこへいくのですか、どこが持っているのですか。東京でいえばあなたのところが持っているのですか。つまり言いかえますと、私の伺いたいことは、その内容等のいろいろな縦横無尽の統計が作ってなくちゃならぬはずです。それは請求書が基礎ですから、請求書のいろいろな内容といいますか、すべてのものの統計をとってみるというと、いろいろな現象がはっきりとわかってくるのですね。それはどこでやっていますか、そういう仕事は。
  166. 尾関三三

    参考人尾関三三君) 請求書は各診療担当者から毎月出て参りますが、それを一度審査委員会にかけまして、診療内容をすっかり審査します。あと事務職員が事務的に点検いたしまして計算いたしまして、計算ですっかり保険医に支払う額が確定いたします。今度それを保険医別から保険者別にほぐしてしまいます。明細書が病院によって非常にたくさんついております。これは多いときには五百も六百も被保険者がかかっているわけであります。それを全部保険者別に分類いたしまして、それを全部保険者の請求に出してしまいます。請求いたしますと手元には、私どもの方には何ら残りません。総括表といって、一本に全部各保険医別に総括したものはあります。
  167. 山下義信

    委員長山下義信君) その請求書を保険者へ持っていきますというと、どこへ持っていきます。
  168. 尾関三三

    参考人尾関三三君) それは政府管掌ですと、各出張所別に仕分けして私どもは送るのでございます。
  169. 山下義信

    委員長山下義信君) 送ってきますと、そうすると出張所はどうしますか。
  170. 須崎保

    参考人須崎保君) 出張所に参りました請求書はこれを全部事業所別に分類いたしまして、名簿と対照いたしまして、被保険者の資格のないものは本人から返納させる。それから組合管掌の分がまざって参りますので、これは基金に返しまして、過誤調整をやっておるわけであります。
  171. 山下義信

    委員長山下義信君) まざったやつは保険者別ですな。その一件ごとの内容のいろいろな分析なり資料としてそれを統計的に検討するのはどこでやるのです。あなたのところじゃやりませんわな。
  172. 須崎保

    参考人須崎保君) 統計的のことはやっておりません。
  173. 山下義信

    委員長山下義信君) やっていない……中身のことはどこでやっているのですか。やっていないのですか、請求書の中身の分析検討は。
  174. 高田正巳

    政府委員(高田正巳君) 中身の分析はやっておりません。ただそういうものからいろいろ出てくる統計は、今とっておりますものは保険の月報で公開をしております。
  175. 山下義信

    委員長山下義信君) 出張所から集まったやつの集計ですね。
  176. 高田正巳

    政府委員(高田正巳君) ただ、先生のおっしゃることはどういうことかわかりませんが、中身の分析ということはやっておりません。
  177. 田村文吉

    田村文吉君 さっきどなたでしたろう、監査の報告をなさいましたね、監査の結果。それは幾つの例を拾ってどうなったというのか。ただ全部を監査なさった場合の報告なんですか。
  178. 小林栄三郎

    参考人小林栄三郎君) 監査はでき得れば全保険医についてやりたいのでございますが、なかなか時間の余裕もございませんし、職員の人手もございませんので、先ほど申し上げました通り、集団の指導をやりましたり、ないしは個々の指導をやるというようなことにいたしております。なお先ほど申し上げました通り、不当あるいは不正の疑いのあるものに対しては監査をするというような監査要綱ができておりますので、基金の診療報酬の関係を通じ、または投書などを読みまして、そういった疑いのあるものに対して監査を実施している、こういうふうなことでございます。
  179. 田村文吉

    田村文吉君 ちょっと伺いますが、監査行政処分内訳の一般で合計二十九、歯科で二十四、合計五十三と出ておりますのは、幾つの例でこれだけのものが出たのですか。
  180. 小林栄三郎

    参考人小林栄三郎君) それは前の第一の表と御比較いただけるとよろしいと思いますが、一の表で個別指導あるいは監査をやったこの数字が出ておりますが、このうちでこれだけを処分したということなんでございます。
  181. 田村文吉

    田村文吉君 集団指導も入っているのですね。
  182. 小林栄三郎

    参考人小林栄三郎君) 集団指導は入っておりません。被監査者の数のうちの数字でございます。
  183. 田村文吉

    田村文吉君 そうしますとおかしいですね。監査された数が四十一名でしょう、歯科医もで。それで、今の無事故とそれから注意、戒告、取り消しを受けた合計が五十三でしょう。数が合わないですね。
  184. 小林栄三郎

    参考人小林栄三郎君) その下に註と書いてございますが、二十九年度中に監査したものもここで三十年度で処分いたしましたので、カッコの数字をお引きいただければ……。
  185. 田村文吉

    田村文吉君 前の年の分ですね。
  186. 小林栄三郎

    参考人小林栄三郎君) はあ、そうでございます。
  187. 田村文吉

    田村文吉君 およそどのくらいのパーセンテージになっておりますか。
  188. 小林栄三郎

    参考人小林栄三郎君) パーセンテージと申しますと、監査の……。
  189. 田村文吉

    田村文吉君 破り消し、戒告、注意を受けた人の数というものは、監査を受けた数の中でどのくらいのパーセンテージですか。
  190. 小林栄三郎

    参考人小林栄三郎君) 処分をされたもの……これは大体九〇%ぐらいは結局注意ぐらいはするような格好になると思います。監査をするのは先ほど申し上げました通り、不正、不当の診療をしている疑いのあるものを監査しておりますから、大体において何らか処分を受けるというような格好になることが多いのでございます。
  191. 田村文吉

    田村文吉君 それじゃ伺いますが、一体三十年度は幾つ監査をなさったのですか。四十一というが、三十年度これだけしかなさらなかったのですか。
  192. 小林栄三郎

    参考人小林栄三郎君) さようでございます。
  193. 山下義信

    委員長山下義信君) 私からお願いしておくのですが、三十年度東京都の指定取り消しをしました資料を一つ至急にちょうだいしたいのですが、出していただきたいと思います。  それでは本日はこの程度にいたしたいと思いますが、御異議ございませんか——。御異議ないと認めます。  参考人の方には長時間まことに貴重な御意見御陳述をいただきましてありがとうございました。  本日はこれをもって散会いたします。次回は明日午後一時から開催いたします。    午後五時十九分散会