○高野一夫君 私は
保険局長に伺いたいのでありますが、この
次年度の
保険財政予算を立てられるに当って、過去の何年か——かりに三年としておきましょうか、三年分のいろいろなデータをもとにして
予算を
編成する、こういうような今のお話である。ところで先ほどから小
委員長や皆さんからもお話があった
通りに、過去の三
年間といたしますれば、その最初の二
年間ははっきりした
数字がきまっているわけなんです。あとの前年度は一応
見込みを立てていくより仕方がない。ところで今回は、たまたま
予算にひっかかったこの問題が、三十一年度に入って前年度たる三十年度の
決算がわかったためにここにいろいろな論議が沸騰してきた。昨年まではたとえば三十年度の
予算について吟味する場合は、二十九年、二十八年、二十七年、こういう三カ年についてのデータを
基礎にしてやられた。二十九年度の場合は、その前年度たる二十八年、二十七年、二十六年、こういうふうになるわけです。ところで、三十年度の
予算を組まれる場合においてもやはりその前年度である二十九年度のことは、これは
見込みでいくより仕方がない。二十九年度の
予算を組む場合でも、その前年度たる二十八年度は
見込みを立てるより仕方がない。その前の二年だけがはっきりした
数字である。これは
予算編成上私はやむを得ない当然のことであろうと思います。そこで前年度の
見込みがもしも非常に危険であるというならば、その一番新しい前年度は
見込みをやめてしまって、一年おいた前のたとえば三十一年度の
予算を考えるならば三十年は
見込みだから危ないからといってやめてしまって、二十九年からその前にさかのぼった古いデータで——古くないかもしらぬが、いくより仕方がない。こういうふうに私は考えるわけです。そういたしますと、今度はたまたま三十年度の分だけはわかった。そうしてあと二十八年、二十九年の分もわかったというのが三十一年度の今度の
予算を吟味するについての特殊事情として出てきた。初めてこれは出てきた問題である。ところでこれについて、その前年度は
見込みでもってそれを
基礎数字にしなければならないということで今日までやってこられたわけで、これは当然やむを得ないやり方だと私は思うけれ
ども、その結果——前年度の
見込みを
基礎にされた結果、非常に
予算と
決算との間に
見込み違いが起ったから、そのために思いがけない赤字が出たものであるかどうかということが一点疑問に出てくるわけです。と同時に、来年度分を私は考える。三十二年度の
予算を考える場合には、従来の筆法でいけばやはり三十二年度の
予算は、その前年度たる今年の三十一年度は
見込みでいって、
見込みの
数字を土台にするほか
厚生省として私は
措置のしようがなかろうと思う。そこでかような論議がやかましくなって、前年度の
見込みというものはきわめて怪しいということになるならば、三十二年度の
予算の場合は三十一年度の
見込みは全部やめてしまって、そうして三十年、二十九年、二十八年、こういう確定した
数字を
基礎にして三十二年度の
数字を持ってこなければみんなの満足を得られない、こういう事態になってくる。これはこの
健康保険だけでなくして、各省あらゆる問題について起る私は問題だと思う。そこで、その
意味において私はこの問題を重視しておるわけです。そこで、通産省にしても農林省にしても、各方面のあらゆる
予算を組む場合、前年度は新しい事態を加える、その前年度については、どの省においても、どの問題についても
見込みでいくよりほかしようがない、その
見込みがなるべく
誤差がないような
見込みを立てなければならぬのは当然であるけれ
ども、この
見込みが怪しいとなるならば、これは各省
政府、各行政機関にも
予算の
編成上に非常に大きな
影響を及ぼすことになると思うので、私はこの点についてまだ小
委員会のこの
資料はきょう初めていただいて
検討しておらぬので、そこでこれに対する是非の論は私は御遠慮いたしますけれ
ども、この将来のあり方についての重大
影響を考えました場合、過去三十年度——前年度の
予算編成、その前の
予算編成のあり方を考えた場合に、本年度だけが特殊なる事情のもとに論議が今日展開される、こういうことになるわけでありますが、この点についてどうお考えになりますか。これは私がどういうふうに
質問の方向を向けたらいいかわからぬけれ
ども、私の
考え方としては、今日は三十年度の前年度はわかったけれ
ども、前年度は正常の場合は
見込みの
数字でいくよりほか仕方がない。そこでその前のきまった
数字と合せて
平均のデータを出していく、そこでその後のいろいろの医療の傾向を見込んで、被
保険者の増加その他
受診率の増加現象、そういう現象を見込んで今の
予算を立てるよりほかないと私は考える、その
見込みが非常に狂うならばこれは非常に問題でありますが、狂わないようにしていかなければならない。来年の
予算編成のこともあるので、私はその点を案ずるわけでありますが、これらの点についてどういうふうにお考えになるか。
大臣からでも
保険局長からでもけっこうでありますが、確信がある
見込みで
平均数字を出すのだ、こういうことになるかどうか、
一つその点をまず簡単に御
見解を伺いたい。