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1956-03-01 第24回国会 参議院 社会労働委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年三月一日(木曜日)    午前十時五十四分開会   —————————————   委員異動 二月二十七日委員上條愛一君辞任につ き、その補欠として藤原道子君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     重盛 壽治君    理事            高野 一夫君            谷口弥三郎君            山下 義信君    委員            榊原  亨君            寺本 広作君            横山 フク君            竹中 勝男君            相馬 助治君            森田 義衞君            長谷部ひろ君   国務大臣    厚 生 大 臣 小林 英三君   政府委員    厚生政務次官  山下 春江君    厚生省公衆衛生    局長      山口 正義君    厚生省医務局長 曾田 長宗君    厚生省薬務局長 森本  潔君    厚生省保険局長 高田 正巳君   事務局側    常任委員会専門    員       多田 仁己君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○検疫法の一部を改正する法律案(内  閣提出、衆議院送付) ○未帰還者留守家族等援護法の一部を  改正する法律案内閣提出衆議院  送付) ○社会保障制度に関する調査の件  (新医療費体系に関する件)   —————————————
  2. 重盛壽治

    委員長重盛壽治君) ではただいまから社会労働委員会を開会いたします。  先に委員異動を御報告いたします。二月二十七日付をもって委員上條愛一君が辞任せられ、同日付をもって、補欠として藤原道子君が選任せられました。御報告いたします。   —————————————
  3. 重盛壽治

    委員長重盛壽治君) 次に、検疫法の一部を改正する法律案及び未帰還者留守家族等援護法の一部を改正する法律案議題といたします。提案理由説明を願います。
  4. 山下春江

    政府委員山下春江君) ただいま議題となりました検疫法の一部を改正する法律案提案理由について御説明申し上げます。  現行検疫法は、昭和二十六年六月公布施行されたものでありますが、その後わが国が加盟している世界保健機関において、世界保健機関憲章に基いて国際衛生規則が制定されました結果、現行法国際衛生規則との間に若干の相違点が生じ、国際的協力の面から申しましても検疫法を是正し、国際的な検疫制度に即応せしめる必要が生じて参ったのであります。また、一方従来の経験に徴しまして、検疫の実施上簡易化できる面はできるだけ簡易化し、国際間の交通を円滑にすることも考慮いたし、その改正につきまして鋭意研究を進めまして、ここに検疫法の一部を改正する法律案を提出した次第であります。  次に改正案の内容について御説明申し上げます。  本改正の第一点は、回帰熱検疫伝染病にとり入れたことであります。回帰熱国際衛生規則の規定にのっとり、諸外国とも検疾伝染病に指定しておりますので、わが国においてもこれを検疫伝染病に加えることといたした次第であります。  本改正の第二点は、検疫伝染病患者委託収容範囲を拡大したことであります。現行法では検疫所以外の病院収容を委託できるのは、痘瘡発しんチフス患者だけであります。従って、場合によっては重症患者でも回航しなければならないようなことにもなりますので、改正案ではこれを回航することなく、附近病院にその収容を委託できるようにいたしたのであります。  本改正の第三点は、検疫港以外の港においても検疫を行い得る制度を設けたことであります。現在、関税法に規定せられている開港が六十四カ所存在するのに対し、検疫港として指定されている港は三十四カ所でありますので、検疫港以外の港に入港しようとする船舶は、検疫港に迂回して検疫を済ませた後目的港に向わざるを得ないのであります。これが、船舶の運航に多大の不便を与えておりますので、これを緩和する一方策として、良好な衛生状態にあると検疫所長が認めて許可した船については、検疫港以外の港において検疫を行う道を開こうとするものであります。  本改正の第四点は、検疫所長の行う衛生措置として、新たに検疫伝染病予防上必要な調査を加えたことであります、これは検疫目的を有効適切に達成するためには、検疫所長検疫港または検疫飛行場衛生状態を絶えず正確に把握しておかなければなりませんので、港内及び埠頭附近倉庫地帯等において検疫伝染病予防上必要な調査ができ得るようにいたしたのであります。  以上が改正案のおもな点でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決されますように御願いいたします。  次に未帰還者留守家族等援護法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。  未帰還者留守家族等援護法の一部を改正する法律案提案理由について御説明申し上げます。  改正点は、法第十三条に規定する過去七年間に生存資料のない未帰還者留守家族に対する留守家族手当支給打ち切り期日を三カ年間延長することであります。  政府といたしましては、これまでも未帰還者調査究明とその帰還促進についてはあらゆる努力を払って参ったのでありますが、諸般の事情から現在なお多数の状況不明の未帰還者を残しておるのであります。しかして国際情勢現状等より推しまして、昭和三十一年八月一日までにその調査を完了し、それに基いて必要な措置をとることがきわめて困難であると考えられるに至りましたので、留守家族手当支給打切期日をおおよそ調査最終段階に達するに至るであろうと予想される昭和三十四年八月一日まで延長することとした次第であります。  以上提案理由につきまして御説明申し上げましたが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに可決あらんことを切望する次第であります。
  5. 山口正義

    政府委員山口正義君) ただいま政務次官から検疫法改正案提案理由を御説明申し上げましたが、この際それに添えて二、三私から補足説明をつけ加えさしていただきたいと思います。  改正の第一点でございますが、現在検疫法に基きまして、海外から来航する航空機並びに船舶に対して検疫を実施いたします際に、その対象といたします疾病は五種類ございます。痘瘡発しんチフスコレラペスト黄熱、その五種類について検疫を実施いたしているのでありますが、ただいま提案理由説明にもございましたように、世界保健機関憲章によります国際衛生規則に基きまして、世界各国では回帰熱という病気検疫伝染病に加えられているのでございます。回帰熱という病気は現在日本にございません。これは病原体は梅毒の病原体と同じようないわゆるスピロヘーターという病原体で伝染するものでございまして、ただその媒介いたしますのはシラミ、ダニというような動物によって媒介されるのでございますが、主としてこの国際的な問題になりますのは、シラミによって媒介される回帰熱でございます。それでこの病気は数日間の間隔をおいて、ちょうどマラリヤの発作のような高い熱を出す病気でございまして、ときによりますと、その地区によりましては、それは流行によりましては死亡率が三〇%、四〇%という非常に高い死亡率を示します危険な病気でございます。現在主として流行いたしておりますのはエチオピアやあの辺の近東地区に多く流行いたしております。わが国には、終戦前に北海道に二、三百名発生したことがございます。これは炭鉱地区に、主として北支、朝鮮から働きに来ておりました人たちの間に発生しております。その後終戦後も二、三名ずつ昭和二十四年ごろまで出ておりましたが、その後は発生いたしておりません。しかし現在のように交通が激しくなって参りますと、こういう伝染病がいつ日本に来るかもわからないというような危険性もございます。また国際衛生規則もそれを指定いたしておりますので、この際これを検疫伝染病につけ加えさしていただいて、検疫対象にしたというわけでございます。  それから第二の点は、先ほど説明されましたように、検疫伝染病患者収容できる範囲は、現在は全国に三十四カ所検疫所がございますが、そのうちで病院施設を持っております検疫所はわずかに八カ所でございまして、それらの検疫所におきましては、検疫伝染病患者が発生しますとすぐさま収容できるのでございます。そのほかの検疫所では近くの予防施設のある伝染病院、私立の伝染病院などに委託して収容することができるようになっておりますが、その委託できまする患者痘瘡発しんチフスだけでございまして、コレラペストなどは一々検疫病院のあるところまで回航しなければいけないというようなことでございます。しかし最近国内伝染病施設も非常によくなって参りましたので、万一そういう患者が発生いたしましても、単に痘瘡発しんチフスに限らずにそのほかの伝染病収容できます。そういたしますと重症患者をわざわざほかの港に回航することはないというので、こういうふうにいたしたのでございます。  第三は、これは先ほど御説明いたしましたように、検疫所のない港に入ろうといたしましても直接入れませんで、いろいろ不便がございます。従いまして六十四カ所から三十四カ所を引きました三十カ所の港から検疫所を作ってほしいという陳情がしばしば出て参っておるのでありますが、せいぜい二、三隻しか入らない所にわざわざ検疫所を作るということは相当の費用を要しますので、その点は隻数と見合せてやらなければなりません。しかし実際に寄り道をいたしますと、日数の上からも、あるいは費用の上からも相当かさんで参りますので、それが貨物代とかいろいろなものにかかって参ります。国民経済全体の上から考えまして、できるだけ便宜をはからなければならないというふうに私ども考えております。しかしすべての船をそういうふうにするということもこれも疾病予防危険性がございますので、あらかじめ船医が乗っておりまして、そうしてその船の健康状況を無電で検疫所長に連絡をするということが一つ。それから検疫伝染病流行地から来ているのではないということがわかった船だけについて今回のような特別の措置を講ずると同時に、疾病予防の点にも手落ちのないようにしたいという趣旨でございます。  それから第四の点は、これは元来国内土地でございますので、その土地を所管しております保健所長がいろいろ調査をすべきでございますが、保健所長はなかなか十分に手が回らないという点もございますし、また港湾地区あるいは空港地区というような特別な地区でございますと、一般民家があまりないところでございますので、保健所長の方はむしろ一般民家の方に力を入れるという点が多く行われておりますので、その検疫所の付近の特別な地区だけにつきまして検疫所長ネズミ生息状況ネズミについておりますノミ状況、それによりましてペスト防疫予防措置を十分に講ぜられるというような、それから蚊の発生状況、これは黄熱などの入って参ります際に非常に重要な資料になりますので、ネズミ発生状況ノミ状況、それからシラミ生息状況、あるいは蚊の発生状況というものを検疫所長が行い得るというようなことを法的に規定していただきたいという趣旨でございます。  以上簡単でございますが、補足説明を終ります。
  6. 山下春江

    政府委員山下春江君) 未帰還者留守家族等援護法改正関連をいたしまして、ちょうど本日ソ連の引き揚げの方をお迎えに行かれた大成丸が舞鶴を今朝の午前九時に出帆をいたしました。そのときにかねがね委員先生方からも非常に御心配をいただいておりました慰問品をこの大成丸に積み込みまして送り出しました。その慰問品は日赤の本社分が三百個であります。それから今回から初めて政府みずからが慰問品を送るということも御協力を賜わりまして、ようやく達成いたしました二千五百八十個、これは大体一個、一千四百円相当の慰問品でございます。それを二千五百八十個積みました。それからその他一般の方々から寄せられましたもの三千個を積みまして、計六千個の慰問品大成丸に積みまして送り出しました。なお衆議院の議員の先生方から大約四十万円くらいの御寄贈がございました。これはバター九百九十四ポンドを購入いたし、この大成丸に積みまして、一緒に発送いたしました。いろいろお世話になっておりましたので、この際御報告を申し上げます。
  7. 山口正義

    政府委員山口正義君) 先ほど補足説明をさせていただきましたのに落しましたので、つけ加えさせていただきたいと存じますが、お手元に差し上げました資料改正要点の第一点は第二条関係でございます。それから第二点が第十五条関係でございます。それから第三点が二十一条関係でございます。第四点が二十七条関係でございます。その他二、三の改正点がございますが、これは他の法令等関係で定義的なことを改正したという点でございますので、その点御了承を願いたいと存じます。
  8. 山下義信

    山下義信君 私は資料を要求しておきますから次回に一つお出しを願いまして、質疑は次回に譲らしていただきたいと思いますが、検疫病院等施設のあるところが八カ所と言われたのでありますが、そういうところの検疫所名称位置、それから検疫港名称位置、それから全体の防疫港の名称位置、その表をいただきたい。それからそこへ書き加えていただいてもいいのですが、また別の資料でですね、最近の検疫の実績の資料、なおこの業務に従事をする人員及びその配置その予算等を、これは審議に必要と思いますから、この資料の中にそういう数字的な資料がありませんからこれを一つ御提出願いたいと思います。
  9. 山口正義

    政府委員山口正義君) 承知いたしました。
  10. 重盛壽治

    委員長重盛壽治君) それでは、本件の質疑は次回以後にいたしたいと思いますが、いかがですか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 重盛壽治

    委員長重盛壽治君) それではさようにいたします。  ちょっと速記をとめて下さい。    午前十一時十五分速記中止    ————————    午前十一時四十四分速記開始
  12. 重盛壽治

    委員長重盛壽治君) それでは速記を始めて下さい。  次に、社会保障制度に関する調査の一環として、新医療費体系に関する件を議題といたします。御質疑を願います。
  13. 相馬助治

    相馬助治君 この際小林厚生大臣に二、三点ただしたいことがございます。  先般、すなわち、二月二十七日の当委員会におきまして、同僚谷口委員の、質問に答えまして、山下政務次官より、現在議題に供されております新医療費体系については、世論その他芳ばしからざるものもあるので、厚生省といたしましては、十分世論に聞いて、直すべきものは直して、当委員会の諸氏の意見に対応して御満足のいくように努力をしたいという旨の発言があったわけでございます。この発言はきわめて重大であると存じたものでございまするから、私は関連質問をもって山下政務次官にただしましたところ、山下政務次官という立場における山下春江個人意思であるというような意味発言をもなさったのでございまするが、私どもといたしましては、この委員会において、政府委員としての山下政務次官の御発言でございましたので、それ以上この問題について追及することはいたさなかったのでございます。従いましてこのことは新聞等にも報道されたので、大臣におかれても御承知だろうと存じまするが、小林厚生大臣の御所見は、山下政務次官の御所見と当然同断のものと承知いたしておりまするが、私の了解に誤解があるかないか、この際明瞭にしていただきたいと思います。
  14. 小林英三

    国務大臣小林英三君) 相馬さんの御質問でございますが、私はこの新医療費体系につきましての私の最初からの考え方というものは、当委員会におきましても常に申し上げておる通り、もう厚生省が昨年の十二月二十日ごろに発表いたしました新医療費体系並びにそれに伴いまする新点数表、これは厚生省といたしましては、まあこれなら確かに医薬分業に対応して実行できるという最善の策と考えて発表したものでございます。しかしながらこれはもうあらゆる観点から考えましても、私は始終申し上げておりますように、人間が作ったものでございますし、今日新医療費体系の問題につきましては、全国的に各種の反対も私も承知いたしております。しかしながら私は最初から申し上げておりまするように、できるだけ努めてそれら関係諸団体の幹部、あるいは各県のそれらの代表者に、努めて私は面会をいたしまして、形式的でなく、ほんとうにそれらの御意見を拝聴して、そうして現在厚生省が発表しておりますものにつきまして、御高見を取り入れて、直すべきものはもう進んで直すという虚心な態度でこの問題に私は対処しておるのであります。これは今日も、あるいはずっと前からも私の考え方は変らないのでありまして、現に本日も栃木県の医師会の人々にも面会いたしまして、いろいろ努めて意見を聴取しておるようなわけでございます。今、相馬委員から御質問がありました山下政務次官のこの前の当委員会における発言につきましても、言い回し方はいろいろあったと思いますけれども、大体私が考えておりますようなことをおっしゃったものだと確信をいたしております。従いまして私もこの問題につきましては、関係者の各位の立場ということも、これも十分尊重しなくちゃならぬ。画期的なものでございますから、十分慎重を期さなければならぬと思います。また悪い点がありましたならば、厚生省みずからといたしましても、これを修正することはやぶさかでないという私は考えを十分に持っておりまするし、また私も党出身の閣僚でございますので、党の考えもやはりしんしゃくしなくちゃならぬと思います。いずれにいたしましても、この問題につきましては十分慎重を期しましてやって参りたいと考えております。
  15. 相馬助治

    相馬助治君 ただいまの厚生大臣の御答弁は、私十分了解いたしました。すなわち、山下政務次官のおっしゃったことと同じである、厚生省は、この新医療費体系については、直すべき点は世論に耳を傾けて直す意図があると、かように承わりました。そこで同断発言は、約一カ月前に小林厚生大臣においてもなされておるのであります。約一カ月以前には、私どもはその発言を了として、それ以上具体的にこれをただすことをしなかったのですが、本日はこれを一歩突っ込んで、もう少し具体的にたださざるを得ません。御案内の通りに、中央医療協議会におきましても、本委員会におきましても、高田保険局長のおっしゃったことは、大体三月一日、すなわち本日、官報に登載し、四月一日には法律二百四十五号の施行に伴って新医療費体系を実施したい、また本委員会も、それに見合うようにぜひとも御意見を聞かせていただきたい、それを期待するという旨の御発言があったわけでございます。従いまして、法律二百四十五号が四月一日から発効いたしますことは、これはもう当然であり、何人も疑っておりません。そういたしますと、慎重審議をして直すべき点は直すと申しますが、二つの点をたださなければなりません。一体いつまでに直して、四月一日に間に合せるつもりか。第二の点は、どのような手続で、内容的にはどのような改正をして、これに間に合せるつもりか、厚生省自体作業がどの程度に進んでおるかということを明瞭にされて、この際、具体的に厚生大臣所見を承わっておきたいと思います。
  16. 小林英三

    国務大臣小林英三君) 今のお尋ねでございますが、この前の委員会におきましても、私は大体この三月の上旬ごろまでには方向をきめたいということをお答えしておいたのでありますが、できるだけ早く医薬分業のスタートに支障のないようにいたしたいものだと思っておりました。ただ私といたしましては、そういうふうに今までありましたものを一部修正して出すというようなものでないだけに、非常に画期的の問題でございますから、私が従来考えておりました期日よりも多少おくれましても、私はこの問題については最善を期したいと、こういうふうに考えております。  なお厚生省の中におきまして、どういうような方向作業しておるかというお尋ねでありますが、これは今いろいろの御意見などを拝聴して、それぞれ厚生省内部におきまして意見を交換をしておるようなわけでございまして、今具体的に、こういう方向にこうきまったということは、今日申し上げる段階ではございません。
  17. 相馬助治

    相馬助治君 これはかなり微妙ですけれども、またきわめて内容的に重大な大臣の御発言だと思うのです。それは新医療費体系の問題を片づけずに、法律二百四十五号は発効させて差しつかえないという建前をおとりなのですか。それとも、まだまる一月ございまするから、その間に何らかの措置を講じて、具体的に申しまするならば、法律二百四十五号を新医療費体系とともに発効せしめたいという御意図でございますか。そのいずれですか。
  18. 小林英三

    国務大臣小林英三君) いずれにいたしましても、医薬分業の問題に支障のないようにいたしたいということを申し上げる次第であります。
  19. 相馬助治

    相馬助治君 厚生省は、たびたびその言明事務当局は変えております。すなわち、当初におきましては、医薬分業法案密接不離なものであるという建前をとって、われわれに説明をいたしました。その中途においては必ずしも密接不離ではないというふうな答弁もあったやに承わりますが、常識的な見解からいたしましても、また立法府にあるわれわれの当然の妥当した考え方からいたしましても、これはやはり密接不離なものでなければならぬというふうに私自身は考えております。そうしますと、厚生大臣のただいまの答弁は、それまでに何とかして支障のないようにすると、こう申しますが、いかんせん、もう一月しかない。高田保険局長意思をもってするならば、一カ月間は天下にこれを公示して、医療担当者の理解を深める準備期間を必要とすると、こう言い切っておる。これはきわめて当然だと私は思います。そういたしますと、本委員会においてのただいまの厚生大臣のお話のような程度をもって私は満足することはとうていできない。これは私だけでなくて当委員会といたしましても、非常にこの問題を慎重審議して参って、結論を出さなければならない段階に至って、ただいまの厚生大臣の御答弁は、もう一歩突っ込んで具体的に承わらなければ承服することは困難でございます。しかも、もう一つ問題になりますことは、この新医療費体系立法事項ではありません。しかしながら、医薬分業法案の成立の過程において明らかにされておりますことは、新医療費体系医薬分業法案密接不離関係を持つから、これを、立法事項ではないけれども、国会の審議にゆだね、その意見を徴すということを申して、川崎当時の厚生大臣は言い切っております。しかるところ、衆議院はこの問題について、ただの一回も委員会を開いておりません。他院のことにつきましては、私はとやかく言うべき筋でありませんから、これ以上申しませんけれども、ともかく厚生大臣といたしましては、この新医療費体系が不満である、直さなければならないというならば、これに対応するところの新体系新々体系となりましょうか、それを出して、積極的に四月一日に間に合せるようにしなければならない段階に来ておると思います。そこで厚生大臣に、そのことを一歩突っ込んでぜひとも承わりたいし、また作業を急がせておるというただいまの御言明でございまするから、高田保険局長手元においては、どのような作業がどの程度に進んでおるかということを一つ明瞭にしてほしいと思います。
  20. 小林英三

    国務大臣小林英三君) 私が先ほど相馬さんに申し上げましたのは、私はこの前の当委員会におきまして、医薬分業のこういういろいろな民間の医療関係者におきましてこういうふうにして出すという問題につきましては、大体三月の上旬ということを申し上げておいたのであります。今、さらにそれに対する御質問がございましたから、私は慎重を期する意味におきまして、多少の日にちのズレはあっても、とにかく医薬分業支障のないようにいたしたい、こういうことを申し上げた次第でございます。
  21. 高田正巳

    政府委員高田正巳君) 作業の内容をどういうふうにしておるか、それを言えという仰せでございますが、まだ申し上げる段階に至っておりません。私どもは非常に実は当惑をしておりますることは、いろいろと関係団体なり関係者の方でいろいろと御意見はありますけれども、ここをこうしたらいいじゃないかという御意見はまだまとまって出てきておりません。従ってその意味におきまして、非常に私どもは当惑をいたしておるわけであります。省内でいろいろな場合を考えまして、いろいろと相談はいたしておりますけれども、ただいま相馬先生にお答えをするだけの段階に至っておりません。
  22. 相馬助治

    相馬助治君 保険局長は、何か医師会とか、歯科医師会とか、あるいは薬剤師協会とか、あるいは学者グループとか、あるいは野党とか、そういうものから代案が出ることを期待するかのごとき発言でございまするが、これは一片の法律の問題ではなくて、きわめて具体的な専門に属する問題でありまして、私どもが長きにわたってこの委員会を開いて参りましたが、厚生省の不備な点は指摘いたしましても、その代案としてこういうものをこうせよというまでに至っておりません。これはこちらが不勉強でも何でもなくて、あなたたちは昨年一年間にも二千六百万の国費を使って本調査をやったのであります。従いまして医師会や歯科医師会から意見を聞くことはできると思いまするけれども、これに対する全面的な代案を期待するというがごときことはきわめて厚生当局としてはいかがかと存じまするが、厚生省の事務局を代表して、保険局長はこの点をどう考えますか。
  23. 高田正巳

    政府委員高田正巳君) 仰せごもっともと思います。当委員会等で、こういう非常に有機的な膨大なものについての代案というようなものがなかなか出てこないということは、十分私どももわかるわけであります。ただ御存じのように、医療協議会におきましては、これは非常に詳細に、専門的に審議をいたしておるわけであります。さような詳細な専門的な審議ができる機関として、あの機関が置かれておるわけであります。従いまして、私がさような場所におきましても、これは何と申しますか、代案と申してはあれでありますが、まとまった、ここをこう直したらという、全面的ではありませんが、まとまった、ここをこう直したらという御意見は私は当然出てしかるべき機関と思っております。しかしそれが今日までのところ出ておりません。前回の医療協議会で、ある診療担当者の代表の方は、そのうちに自分としても出すつもりであるというふうな仰せがちょっとございましたけれども、さような段階でございまするので、私どもも非常に当惑をいたしておる、こういうことでございます。
  24. 相馬助治

    相馬助治君 私は厚生大臣の退席を遺憾といたしますが、どうしてもやむを得ないとあればいたし方ありませんので、その質問を保留いたします。おそらく関連して他の諸君からも質問があろうと存じますので、これは明瞭にここで保留させておいていただきます。  高田保険局長にもう一点お伺いしたいと思いますが、中央医療協議会の役割といいますか、使命といいますか、そういうものを私は法制的に正しく理解していないのですが、あれは諮問機関で、厚生省から出したものについて妥当であるとか妥当でないとか、こういうものを期待するのではないのですか。同時に医療協議会は膨大な事務局等を持っていて、厚生省の代案を出したような前例がございますか。そしてまたそういうものを期待する発言厚生省はこの協議会でやっておりますか。それからある委員がこれに対して代案を出したいということを言ったと言いますが、それは医療協議会の医療担当者ですか、学者ですか、それとも他の者ですか。差しつかえなかったらその名前まで聞かせて下さい。
  25. 高田正巳

    政府委員高田正巳君) 医療協議会はただいま先生仰せのごとく諮問機関でございます。従って大臣の諮問に対してここはいい、ここは悪い、全般的に悪い、あるいはいい、あるいは部分的にこの部分はいいがあの部分は悪いというふうに御答申をいただく機関でございます。しかしながらその御答申によりまして私ども当局としましては、自分の最初考えておった原案を変えるというふうなことは、これは他の社会保険審議会等におきましても同様でございますが、幾らもあるわけでございます。  それから何かそういうふうなものを期待するような発言を当局はいたしておるかという御質問でございますが、特にその点については、当局は何となくこの原案を押しつけるような気魄といいますか、気持がちらりちらり見えるのであるが、さような官僚的なことであってはいけないではないかというふうな御趣旨の御質問医療担当者の代表の方からございました。それに対しまして、いや決して最初から申し上げているように、私どもとしては十分自分たちの能力の及ぶ限り検討をいたしたつもりであるけれども、しかしながら大臣もしばしば仰せになっておりまするように、これを原案のままで押し切るというつもりで、この協議会にお諮りを申し上げているのではない、その点につきましては、どうぞ御遠慮なく、この点は悪い、あの点はいいというふうに一つ御批判を願いたい、それについては自分たちは十分に考慮をいたしていくつもりでございますということはしばしば申し上げておるところでございます。
  26. 相馬助治

    相馬助治君 ちょっと速記をやめて下さい。
  27. 重盛壽治

    委員長重盛壽治君) 速記をやめて。   〔速記中止
  28. 重盛壽治

    委員長重盛壽治君) 速記を起して。
  29. 山下義信

    山下義信君 私は多く言いませんが、実にこんなぶざまなありさまは、私は見たことがない。私は厚生委員、社会労働委員をずっと続けて今日までやらしていただいておるが、こんな醜悪なぶざまな光景を私はかつて見たことがない。私はこれは非常に大きな政治問題だと思う。今度の新医療費体系を出すに当って、実に厚生省は正々堂々たる理由を掲げ、天下をこれだけ大騒ぎをさせて、そして国会の審議にもここでいたけだかに自分の正当な理由を説明しておいて、この引きざまというのは一体これは何です。私は芝居が好きですからよく行きますが、千両役者というのは花道の引きぎわが実にすばらしいんですってね、ですからあなた方が馬の足の大根役者ならこれは仕方がありませんが、こうして今までの提案をすべて放棄して退却するというのなら退却のときの理由を、退却するありさまをなぜここで出発のときと同じように、正々堂々とこういうふうにして退きます、こういうふうにしてやりますということをなぜ言わないのです。先ほどから大臣相馬君の質問に対する答弁が煮えたとも煮えぬとも、どうするともこうするともわけのわからぬことをぶつぶつ言うようなことであって、はっきりしない。奥歯にもののはさまったようなことを言って、こんなぶざまなことがこれが日本政府ですか、これが国のありさまですか、国を代表しての発言ですか、私は聞いていられない。政務次官が先般の委員会でおっしゃった、はっきりしていらっしゃる、あなたのおっしゃったことはどういうことを言ったかといえば、私は委員長席に代理でおったときに、政務次官、あなたはこの政府原案のこの提案理由のこの思想、この行き方、私も理想に思うからいいと思うが、諸般の情勢上すべて放棄せざるを得ませんと言ったではありませんか。(「その通り」と呼ぶ者あり)私の質疑に答えて……。その政務次官発言を、これを小林厚生大臣は、裏書きします、同意しますとここで言った以上は、政府の態度は新医療費体系はやめにするのだということと同じではありませんか。なぜそれを言わないのです。修正するとか、採用ができないとか、どうとか、その経過は報告できませんとか、そんな、そういうふうな不得要領なことを言っておることは、私は国会を愚弄するもはなはだしいと、天下を愚弄するもはなはだしいと思うのでありますから、あなた方の御方針はやむを得ざる事情によって、その事情というのは知る人ぞ知る、やむを得ざる事情によって新医療体系をやめにするのだろう、やめにするのだけれども、四月一日の医薬分業を実施するためには何とかしなくちゃならぬ。何とかしなくちゃならぬというのは現行制度を何とかするのか、新医療費体系を何とかするのか、二者いずれであるか、新医療費体系の精神を取り込むとか取り込まぬとか、そんなごまかしのことを言わぬで、どっちをいじるか、そのいじり方によっては、どっちをすりかえるか、いじり方によってはいろいろ大声な問題が起きるだろう。今保険局長は何と言われたか。重大なことを言ってるじゃありませんか。示唆しているじゃないか。これは三つ子でもわかっている。このいじり方によっては、三十一年度予算の審議はできない。ここに予算委員もいる。私はこれを断言するけれども、このいじり方によっては、三十一年度予算に大なる影響を来たすから、審議はできない。政府はいかなる医療体系に、いかなる点数表によって、四月一日から医薬分業、診療報酬をどういう方針でやっていこうということがきまらぬ限りは、三十一年度予算の審議のできようがない。これがきまらずして、衆議院が予算を議決してきたということは、大きな衆議院のミスなんだ。今、参議院の審議中には、この新医療費体系をどう修正するかによって、保険経済のバランスが違ってくる、従って私は三十一年度予算に大なる影響があるのだ、この予算の審議中に少しでも早く、どういう点をいじって、どういうふうに実施するかということを、早く政府は決定しなくちゃならぬと私は思うのであります。従来のような、今のような大臣答弁政府の態度、こういうことは私は国会を愚弄するもはなはだしいと思う。従ってもう聞いておられぬのであって、ついおとなげのない発言をいたしましたが、大臣よりはむしろ政務次官高田保険局長で私は十分の答弁ができると思う。今の現行制度で、どこをいじらなければ、四月一日の医薬分業の実施ができないかという点を御指摘願いたい。これは言うまでもなく、どこを何点とするかという点はきめなくても、どこを入れなくちゃならぬということだけはおっしゃい。これはわかり切ったことだ、原則なんですから。それをおっしゃい。それを答弁をなさい。それでいいじゃありませんか。
  30. 高田正巳

    政府委員高田正巳君) 山下先生のお説はごもっともなことと私も了承いたしますが、私が先ほど申し上げましたことは、新医療費体系をやめるというようなことで、そういうつもりで申し上げたのではさらさらございません。(「だから問題だ」と呼ぶ者あり)その点はどうぞ、私の言葉として御了承願いたいと思います。  それから医療分業をやるには、現行体系のどこをいじらなければならないかという御質問でございますが、私の考えておりまするところは、少くとも薬治料には手を触れなければならない、かように考えております。薬治料に手を触れますると、薬治料に含めております潜在技術料というものも、どこかに持って行かなければならない。そういたしますると、おそらく診察料というようなところに持ってゆくことになると思うのですが、そういたしますると、薬治料の非常に多い科の診察料と、しからざる科の診察料というものを、別々に診察料ということにきめなければならぬということになると思う。そういたしますと、これも非常に実施上不合理であり、また非常に実施上も混乱を来たしまするので、従って各科の診察料についても触れてゆかなければならないということになる。それからさらに薬治料をそうするのであれば、注射料をどうするかという問題が必ず有機的なバランスとして起ってくる。さようなわけ合いでございまして、今の山下先生の御質問に対しましては、そのどこまでいわゆる合理性というものをどの程度で不合理に眼をつぶるかということが結局この範囲の問題になってくると存じます。従いまして今私が申し上げた程度においては、これはどうしても触れていかなければならないのではないだろうか。これは私即座に先生の御質問にお答えをいたしましたので、まだいろいろと問題が有機的な点数表のことでございますので、まだ私が今ここで気づいておりませんいろいろな問題が伏在すると思いまするけれども、即座に気のつきましたことだけをお答え申し上げます。
  31. 山下義信

    山下義信君 私はね、まだこの段階ではこれ以上の追及をしようとは思いません。しかしながら今高田局長答弁するがごとく、四月一日からの分業を真に実施するとするならば、それに必要な点だけをいじるとしても実に膨大です。言いかえると、現行制度の、現行点数表のごく小部分の修正でいこうとしている。いけない。いこうとしながら実は新医療体系をそのまま持ち込むよりほかに手がない。私はそう思う。でありまするから、全く不合理なものをやるか、いささかでも合理的なものにしようとすればするほど現行制度の一小部分の修正ではできないのであって、現行制度でやりますと大きな摩擦にこたえつつ、実は思い切って新医療体系をすりかえていかなければ私はいけるはずはないと思う。そこでおそらくそういう事態に相なりますると、いかに厚顔無恥な人たちであってもそんな不合理なものをもって、暫定的なことを言うて、やがて合理性なものは一つ日にちをかしまして、なんという言いわけをしてみたところで、そんな天下の笑うような、しかもそういう合理性になればなるほど予算に対する影響が顕著に現われてくる。そういうことができるはずはない。従って私はこの新医療体系をいまだにもやもやさせているこの情勢が続く限りは、四月一日の医薬分業の実施は好むと好まざるとにかかわらず、私は実行不可能であると考えるのであります。政務次官の御所見いかがでございましょうか。
  32. 山下春江

    政府委員山下春江君) 日本の医療保険が社会保障制度の一環であるということはだれも疑う人がないのでありますが、その医療保障を強力に推進達成いたしますためには、どうしてもその一方のにない手である医療担当者の納得を得る努力をいたさなければならないと思います。その努力なくして一方的に科学的な、合理的なものだと言って押しつけることは、合理性はあるかしれませんが、政治ではないと思います。そういう点で山下委員の御指摘のような場合を想定いたされますけれども、私ただいまの、本日この時間にその結論を申し上げる私は決意を今もっておりません。しかしながら構想をもっております。私に次回までかくゆきたいという答弁を保留さしていただくことをお願いいたします。
  33. 山下義信

    山下義信君 そういうことでありますと、しいてこれまた伺おうとは思いませんが、明日は私ども本会議で健康保険関係審議をいたす。おそらく本日の午後は衆議院の方でも御続行になることでございましょう。できれば大略でも政務次官のお考えをこの席で承わっておく方が、私どもとしては明日伺わなくても済むのじゃないかという気持がするのでありますが、どちらでもよろしゅうございますが答弁していただければ、大体のお考え方を承わりたいと思います。
  34. 相馬助治

    相馬助治君 私は厚生次官の答弁に対する見解は、そしてまた私ども所見山下委員と同じです。ただ私は今の山下委員のお話では、明日までに健康保険法との関連で承わらなくちゃならないということですが、私はきょうの午後厚生大臣に向ってこの問題を質問するのです。予算委員会で。私は予算委員ですから。それで結論出ないというが、結論はおっしゃったものだと私どもは理解していたのですが、いわゆる厚生省は全面的に退却のきざしを見せたというふうに理解をしていたわけですね。従って今の山下委員の御質問のように、できたら明日まで、明日までには何でもかんでも、できたらこの場でと、こういうことですが、私の場合にはおそくも午後の二時ぐらいまでに、できたらこの場で、こういうわけですから、一つ御見解をぜひともここで承わっておきたいと思うのです。素案でよろしい。
  35. 山下春江

    政府委員山下春江君) いつも私は個人の発言という言葉を使いますことをはなはだ恐縮に存ずるのでありますけれども、実は事務当局とも、大臣とも私は打ち合せておるものではなく、ただ私の頭の中にこういたしたいということでございますので、それはむしろもう少し慎重に私が考えて申し上げることの方が事態を混乱させないと考えましたが、何か考えずにそういうものをやってはいけないというおしかりでございますから、御参考に、政府意見ではありません。(「政府委員として答弁を求めているのですよ」「御参考ならこの次にして下さい」「政府委員として来ているのじゃないか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
  36. 重盛壽治

    委員長重盛壽治君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  37. 重盛壽治

    委員長重盛壽治君) 速記を始めて。
  38. 山下春江

    政府委員山下春江君) 私今自分で考えても、もし願えるならば厚生省考え方、いわゆる構想というものの発表を次回まで御猶予願いたいというのが私のお願いであります。それを、もう一度それに対する御意見を承わらしていただきたいと存じます。
  39. 山下義信

    山下義信君 私は山下厚生政務次官の個人の意見でもけっこうですから、どういう考えをもっておられますかということを聞いておるのです。御答弁の最中に何かまたお考えが変ったようでありますが、私はずっと最初のように、個人の意見一つ大体においてここで承わりたい、かように考えておりますから御発言を願いたいと思います。
  40. 榊原亨

    ○榊原亨君 関連とて。この席で政務次官が御答弁になりますことは、政府政務次官としての御答弁でございまするから、従ってこれはきわめて慎重にお願いをしないと、非常な混乱を来たすと私は思うのであります。従いまして、先ほど山下議員が山下春江議員個人の意見という御希望でありますから、それは幾らおっしゃってもいいと思いますが、従ってそれは政府全体としての御答弁にはならないと、こういうことの条件でなければ、非常な混乱を来たすと私は思いますから、(「その通り」と呼ぶ者あり)、特に私は御注意申し上げます。
  41. 山下義信

    山下義信君 御答弁を願います。
  42. 山下春江

    政府委員山下春江君) 前回の私の発言に対して私自身は責任を感じておりますから、どうしてもそういうふうに処置をいたしたいと思っております。従いまして、その上に立って考え考えでありますが、現在の医療担当者である医師会というものは、占領中に全く医師会の力を無力にされまして、自来そのままになっております。日本の今日おかれている予算の上からいいましても、日本が向わんとする将来の社会保障の膨大な構想から考えましても、あるべき姿ではないと私は確信をいたします。どうしてもこれはこの大きな仕事をやっていただいておる日本医師会というものは、りっぱな法律に基いて、そうして厚生省と堂々と団体交渉のできるりっぱな資格のある団体でなければならないと思います。今日私どもがいろいろな法律を通して考えますときに、当然団体交渉において何の支障もなく片づけられるであろう問題を、一々法律に書かなければならないという事態を私は深く悲しむものでございます。そういうところから考えまして、二百四十五号を私はここで足踏みをさせるということは、これは法律を無視した考え方でありまして、二百四十五号はあくまで発足をいたすべきものであります。それに対する対応策としては、非常に不備なものができるかもしれませんけれども、それは私ども医療担当者あるいは学識経験者あるいは議会もあるいは厚生省も参画いたしました権威ある協議会を作りまして、その協議会において今後われわれが文句なしに、みんなが納得の上で、みんなが忍ぶべきを忍び、納得の上で発足できるりっぱなものを期限を切って努力をして発足すべきである。一方に非常に納得しにくいといわれておるものを、理屈の上で、数字の上で押しつけて、りっぱな成果を上げようとすることは、私はこの際政治家として考えますときに慎しむべきである。かく考えまするがゆえに、私はそういう方向にもっていきたいということの希望をもっておるものでございます。
  43. 高野一夫

    ○高野一夫君 山下さんの今のは個人の御意見ということでありますが、前回も個人の御意見が出まして、この委員会に非常な波紋を投じた。そこでわれわれは政府委員としての、よくお打ち合せになった上での発言でないと困るということはそれなんです。ことにわれわれ与党でありますから、あまり深く追及したくないと思いまするけれども、今の御発言を聞いておっても、先ほど来の保険局長の御発言を聞いておってもますます私はわからなくなる。それでしからば一つ伺いたいのであります。中央社会保険医療協議会にはどういう意味で御諮問なさったのか。今の考えであるならば、直ちにその諮問を取り消さなければならない。撤回しなければならぬ。その点はどうなんですか。
  44. 山下春江

    政府委員山下春江君) 中央社会保険医療協議書に諮問してありますその事態を撤回するという意思はございません。ただその協議会でこいねがわくは保険局長が前に当委員会で言われましたごとく、一カ月の期間をおいて、非常に画期的な措置であるから、周知徹底をはかりたい。告示して周知徹底をはかりたいという希望は協議会でももちろん御承知であったと思います。そこでいろいろ重大な問題でありますから、時間がかかりますことはやむを得ないこととは考えますけれども、代案を作るとかあるいは別にあらためての操作をお願いするとかいうことでございませんので、できるだけすみやかな答申をいただきたいということは諮問に当ってお願いしてあるはずでございます。そういう点からその答申を待たないで、われわれがかくのごとき発言をしたということがきわめて不謹慎であったということも私は承知いたして恐縮に存じておりますけれども、しかしながら事態が毎日々々刻刻迫るときに答申が出ないということであるので、私は発言をしたのでありますが、答申は最初の希望通り答申をしていただきたいと思っております。
  45. 高野一夫

    ○高野一夫君 私はこれ以上政府委員山下次官に対する質問はやめたいと思うのです。なぜかならば、あなたの御発言は個人山下春江衆議院議員の御意見であるものやら、政府委員としての御意見であるものやら、その限界のほどがほとんどわからない。従って政府委員としてはっきりした御説明、御見解が伺える時期がくるまで質問をやめます。ただ一点高田さんに私伺いたい。それは先ほど山下委員がおっしゃったことは、実は私も胸の中でもやもやしておって、もっと強く言いたかった。しかしながら山下先生がおっしゃったから私は黙っておるわけです。しからば四月一日分業実施に備えるためにどの点を操作をするかという具体的なお考えくらいは、現在の厚生省にすでになければならないと思う。それをたとえば薬治料を動かせばこの辺を動かさなければなるまい、これを動かせばこれを動かさなければなるまい、ここも考えなければなるまいというような、なるまい、なるまいというような考え方では、われわれ委員会としても結論を出すことができない。すでに今まで十数回にわたってこの委員会質問をお聞きになっておる。協議会でもやっておる。従って事務当局の方で早くこの点は操作しなければならない。少くとも保険局長これだけはいじらなければ四月一日に間に合わぬというだけの確信あるお考えをもっていなければならない。これは政務次官の方はともかくとして、事務当局の担当者たるあなたたちの方では、そういう少くとも限界またはたとえば点数をどういうふうに動かすかは別問題として、少くともこれとこれを、これだけはやらなければならないというはっきりした考えがきまっておるはずなんです。それはまだきまらぬのですか。さっきの山下委員に対する御答弁では、薬治料を動かせばこっちも動かさなければならぬ、こっちを動かせばここも考えなければならない、まことにどうも困ったむずかしい問題であるというような御答弁であって、あなた方の事務当局としてのお考えは那辺にあるかということはつかめない。だからそこの考え方がどこにあるかということの是非はともかくとして、それがわれわれが賛成できなければできない通りにまた発言をします。賛成するなら賛成するで発言をします。だからそれはともかくとして、思い切ってこういうようなふうに、この点は措置しなければいかぬのだというはっきりした御答弁とかお考えがあるはずだと思う。それを一つきょうは出していただきたい。
  46. 高田正巳

    政府委員高田正巳君) 高野先生の仰せ全くごもっともでございますが、私ども先ほど相馬先生にお答えをいたしましたように、まだどこをどうするということを別に申し上げる程度にまで作業をいたしておりません。あの点とこの点と仰せになりましても、非常に膨大な体系でございまして、しかも先生がよく御存じのように、総医療費あるいは管掌別、それから受け取る方の各科別、診療所、病院、しかもその各科別があまり出入りのないようにという一つの制約があるわけです。これは一つの私どもがものを考えまする前提であります。そういたしますと、一つのものをいじってもそれだけで、先ほど相馬先生が御指摘になりましたように、ただいじるだけじゃ済まないわけであります。従ってそういうふうなものでございますので、今先生のお気持は十分私わかるわけでございますけれども、今どこをどうするというようなことを考えておるかという仰せでございましても、私はそれに対してはお答えできないわけであります。どうぞ一つ御了承を願いたいと思います。
  47. 高野一夫

    ○高野一夫君 あなた方の考え方はこの間からも、先ほど来からも、しばしば聞く考え方であるのだけれども、それはそれとして、しからば先ほど厚生大臣も、三月上旬までには四月一日の問題について支障なき一つの方法を講じなければならぬ、講じたいと思う、こういうお話だった。多少の日がずれてもというのは、一日、二日くらいのことであろうと思っている、あの言葉から言うと。あなたはそうおっしゃるが、もうきょうは一日だが、あと十日間の間に、四月一日に支障なき面の措置の結論が出ますか。
  48. 高田正巳

    政府委員高田正巳君) ごく率直にお答えをいたしますが、私どもとしては先ほど山下先生のお言葉にもお答えを申し上げましたように新医療費体系、これをやめて退却するとかなんとかということはまだ考えておらないのです。これは山下政務次官は個人の立場でいろいろ御所見がございましたが、特に個人であるということで御発言になっております。従いまして、(「大臣が裏書きしたじゃないか」と呼ぶ者あり)大臣はいろいろ意見は聞いて、十分意見をとり入れていきたいと思って(「それは違う」と呼ぶ者あり)ということを申しておるのであります。それで私の気持といたしましては、何かこういうようにしたら、ああいうようにしたらという御意見がそのうちに必ず出てくるものだという期待をもっておるわけでございます。われわれがただ独断的にこうする、ああすると申しましても、(「日にちがない」「間に合わない」と呼ぶ者あり)私はこれはそういうことをやりましても適当ではないと存じます。それで今高野先生の仰せのように、間に合わぬということになりましては、これは私ども行政当局の責任でございまするので、間に合うようにはぜがひでもいたしたい。ただ当委員会でも申し上げたように、私ども希望といたしましては、行政当局の希望といたしましては、三月一日ぐらいには告示をいたしたい、こういう考えを持っておりました。しかしそれはすでに三月一日が参りまして、その希望は実現いたすことができません。しかしながら四月一日に間に合うような措置は私どもはとりたいと、かように考えておる次第でございます。
  49. 高野一夫

    ○高野一夫君 私もう質問をやめますが、どうか一つ大臣政務次官を中心にして事務当局は速急に一つ態度をおきめになって、そうしてわれわれが何らかの結論を出すにしても出しやすいような、そうしてまたそれが実行できるような点も考えなければならない。そこでこんとんとした御答弁、見解、態度では困るので、速急に一つ省議をおまとめになって——もう十日しかない、あすから九日間、金曜日はどうか、土曜日はどうか、日曜日はどうかとつもっていったら、十日しかない。そういうような方法で案が立つものやら、あなた方が四月一日支障なくやれるお考えがきまるものやら、どうやら……速急に一つ御相談をまとめておいていただきたい、それを一つ要望しておきます。
  50. 相馬助治

    相馬助治君 非常に厚生省答弁は遺憾しごくです。それで何か暫定的なことでお茶をにごそうとしても、実は一番この問題に関心を持っておる医者、歯科医師は承知せぬと思う。というのは、十一円五十銭の単価をきめるときには、これは暫定だから最近に直してやるから、お前らもがまんしろというて、家族診療の場合には二十五銭というはした金の出る単価を押しつけておいて、この医療の革命的な変革にもかかわらず、単価をいじらないで出しておるというところに、非常に厚生省に対して世間一般が、医者を含めて不信の念を高めておるわけです。従ってそういう支離滅裂な答弁をわれわれは聞くにたえないから、私は委員長に対して議事進行の発言を次のようにいたします。  まずこの委員会において、一つ厚生省並びに傍聴者等の退席を願って、何か当委員会としての最終的結論を出すべき段階であると委員長、理事などにおいて御理解になるならば、さように一つお取り計らいを願いたい。あるいはもう一度委員会を開いて、そこで統一した厚生省意見を聞いた上でさような措置をするというならばそれでもよろしい。また他の委員から、私が出した二つの案以上の取扱いの名案があるならば、この際意見を徴されて、何らかここで当委員会として十数回にわたって委員会を開いてきた最終的な一つの見解をまとめるべき段階がきていると思いますので、議事進行に名をかりて以上のことを発言し、特に厚生省に対して私は重大なる反省を求めるものです。
  51. 高野一夫

    ○高野一夫君 今の相馬委員の動議でありますが、われわれ委員会としてもそろそろ一つの線を出さなければならぬ段階にはきていると思います。しかしながら本日の質疑応答の結果なり、内容なり、あるいは時間が短かった点なり、まことにまだ遺憾に思いますので、せめてあなたの後段の方法でもう一回近々に、最も近い日時にもう一回この委員会を開いて、そうして大臣に出てきてもらって、さらに最後の質問をし、見解を聞いた上で、われわれの態度をきめるべき相談をするということでどうであろうかと思うのでありまして、あなたの後段の方の案に私は賛成いたします。
  52. 榊原亨

    ○榊原亨君 ただいま高野君のお話しごもっともだと思うのでありますが、次回たとえ厚生省のお話しを承わりましても、今日御答弁になりましたような御答弁が繰り返されるということになりますと、ますますこの委員会の空気も非常に厳格な意味が含まれてくると私は思うのであります。先般山下政務次官が御発言になりましたことは、当時十分に個人的の御見解であるか、政府当局としての御見解であるかということを承わりましたところが、これは責任を持って政務次官としての答弁であるというお話しでございました。またそれに対して、きょうは厚生大臣山下政務次官の御趣旨には賛成だというお話しがあったすぐそのやさきにおきまして、厚生省事務当局はまるで逆のような、今度出しました新医療費体系の方針には、もう撤回するなんという気持は、退却するなんという気持は毛頭ないのだというような強い発言があったことは、私はなはだ与党としても遺憾に思います。なるほど新医療費体系につきましてはいろいろあるのでありますが、数字の問題よりもこの先払い的な思想、あるいは潜在技術料以上の毛のを初診料に含ませたというところに非常に難点があるのでありまして、少くともその点は撤回されるという意思がなければこの問題は解決しないことを私ははっきり申し上げる。従いまして、さてそれじゃどういう具体的な案があるかということは、私自身持っておる。持っておりますけれども、私はまだあなた方からそういう御相談がないから私は申し上げませんけれども、そういう段階にきておるときにかかわらず、言を左右されまして政府の御答弁が不統一だ。そういう不統一な御答弁を今後いただきましてもこれは問題にならぬ。従いまして、今高野委員の御提案のようでありますならば、少くとも次回におきましては、政府が統一ある御答弁がいただけるという一つはっきりした御確答がなければ無意味だと思う。その点についての政府の所信を一応承わりたいと思います。
  53. 高野一夫

    ○高野一夫君 私もそういう条件付で……。
  54. 榊原亨

    ○榊原亨君 もしも不統一の答弁しかできないならば、それはもう意味をなしません。直ちにもうわれわれは決意をせざるを得ない。
  55. 山下春江

    政府委員山下春江君) 厚生省部内を統一いたしまして、次回までに明確なお答えのできるように整理して参りたいと存じます。
  56. 山下義信

    山下義信君 そういうことでありますれば、先ほど相馬委員の御提議になりました次回の委員会を待ちまして、その御見解を聞いて委員会の態度を決定してもいいんじゃないかと思いますが、私もこの際付言しておきたいと思うのでありますが、本日は私がお尋ねして山下政務次官の御答弁をいただいたのは、衆議院議員山下春江氏の御答弁をいただいたのじゃない、政務次官山下さんの御答弁をいただいた、ただし個人的な御見解をいただいた。個人といっても、政務次官としての山下春江衆議院議員の分離はできません。言うまでもなく個人的意見とは、いまだ省議を経ざるということであります。これは当然である、でありますから、事務当局だって何だって、ここで出てくる質疑応答の一々がことごとく省議を経ていなければならぬとは限らない。あとからつじつまを合わす場合もあるでしょう。せんだっての場合のごとくであります。いかなる質疑が出るかわからぬのであるから、初めから省議をことごとく経て百般の質疑に応答するだけの用意を持っておるというわけにはいきません。従って卒爾にお尋ねすることに対する御答弁は個人の御意見でけっこうでありますけれども、ただし責任のあることは大臣であろうと、次官であろうと、事務当局であろうと同じであります。私は先ほどの御答弁を伺って、ほぼ推察のできることは、政府意見の統一だけじゃない。政府意見の統一できないことは、与党の意見の統一していないからでありますから、与党の諸君は自由民主党の御意見をおまとめになりまして、それで御指示なさったら採用することは明らかじゃありませんか。私どもは社会党としてこれを黙過することはできません。従って採用を早くさせようとすれば、与党の御意見をすみやかに今日中にでもおまとめになって、ここをこう直せというと、一時間たたないうちにできる、そういうことをおっしゃらないで、当局を困らせる、どうか、どうかということは、これは無理をしいるものであると私は思います。きょうの答弁は私は率直でいいと思う。あれで事態が判明したのであります。できるだけすみやかに与党の方も御協力願いまして御指示のほどをお待ちしております。
  57. 重盛壽治

    委員長重盛壽治君) われわれはまあ新医療費体系に対しては相当長時間にわたって協議をし、広範ないろんな資料を集め、御参考になる意見を、高田局長に言わせれば出ておらぬと言うが、われわれは相当意見を出しておるつもりであります。そこで書類によるわれわれは衆議院のこの扱い方がどうなったかということは実は知らぬのでありますが、委員長として一応聞いておきたいことは、厚生省当局は衆議院社会労働委員会で、この問題をどういうふうに審議し、どういう結果になっておるか、一応次官からお聞きしておきたい。
  58. 山下春江

    政府委員山下春江君) 衆議院社会労働委員会で正式な御審議をまだいただいておらないと思います。私の記憶では正式な委員会におかけをいただいたとは思っておりません。従いまして、衆議院の方は党の社労の部会では御審議を願っておると思いますが、常任委員会としてはまだ一回も御審議をいただいておらないと記憶いたしております。
  59. 重盛壽治

    委員長重盛壽治君) そういうことになりますと、これはそういうこと自体が意見の不統一になることは当然であって、参議院でこれだけ熱心に審議をし、あすにも、できればきょうにも結論を出そうというところにまでわれわれは進めて来ておるのに、衆議院で一向審議しておらぬという、その考え方が一体どこにあるのか。さらに言うなればどうでもいいものを参議院に押しつけて、これだけ長時間を費さして衆議院審議しなくてもいいようなものを、これを実際に押しつけておるのかその点ちょっと一つ……。
  60. 高田正巳

    政府委員高田正巳君) 新点数表ができましたのは昨年でございましたが、そのときに医療協議会に提出をいたしますると同時に、衆参両院の社会労働委員会の方に点数表はお配りしてございます。これはその前の厚生大臣を初め、厚生省当局の委員会に対するお約束通りにいたしたわけでございます。その後衆議院社会労働委員会におかれましては、一般的な行政調査のあれに基きまして、健康保険と一緒に御質問がございまして、それに対して答弁を当局はいたしております、相当な時間を費されたはずでございます。それからなお数種の資料もそのときの御要求により、衆議院の社労のほうに御提出を申し上げました、そういうふうなことでございます。ただ当委員会のように、この問題だけを取り上げてたびたび御審議をいただいておる、そういう状況ではございません。
  61. 重盛壽治

    委員長重盛壽治君) 重ねて言っておきますが、厚生大臣、それから次官の考え方のように、各方面の意見を十分しんしゃくしてできるだけ御期待に沿うように修正あるいは訂正することにやぶさかでないと言われた、従ってもしそれがその通りにわれわれ受け取って修正あるいは新しい形で出すという場合には、当然若干の予算等も考慮に入れなければならぬ問題である。先ほど山下議員の言われるように、この問題を審議もせずに予算は通過してしまった、そういう形の中で参議院の方だけで何とか善処をいたしますと言っておることは、私ども立場からいきますれば参議院を侮辱しておるように考えられるのだが、事実衆議院でそういう傾向が起きておっても、参議院でこれが今までかわされた意見を中心にして、しかも厚生省意見を統一して処理するということが、衆議院の社労にかかっておらぬでも、もちろん法律じゃないからいいと、そういう考え方もありましょうし、その点をもう少し明確にしていただきたいと思います。
  62. 高田正巳

    政府委員高田正巳君) 予算と関連があるではないかという仰せでございますが、この何と申しますか、直接に私どもこの問題は予算とは関連がないというふうに実は了解をいたしておるわけであります。たとえば来年度の健康保険の、政府管掌健康保険の医療費の支出予算というふうなものにつきまして、私ども作業といたしましては、点数表がどちらになさろうと、それに関連なく実は過去のいろいろな実績から割り出しをいたしております、そういうふうな関係から直接の関連がない……。
  63. 重盛壽治

    委員長重盛壽治君) 途中ですけれども局長考え方はそうであることはわかっておる、局長考え方で君が割り出したものであって、これでは不合理であるということを論議されておる。将来さらによりよいものにし、各方面の意見を徴してというためには、当然予算のことを考慮に入れなければ処理のつかない問題のようにわれわれ考える、これは高田局長に答えてもらわなくてもよろしいのであって、むしろ厚生当局の考え方がそれでなければ、まだ幸いにして参議院の予算の審議が残っておるから、それらと全然関係なしというような機械的な考え方では、すでに今まで論議された通り、それではいかぬというところに事態は来ておると私は思う。そういう意味合いから、山下政務次官から十分な意見を一ぺん聞いておきたいことと、それから先ほど来出たいろんな希望意見の統一をはかる、こういう点を一つ山下政務次官のお考えを伺いたいと思います。
  64. 山下春江

    政府委員山下春江君) 新医療費体系の問題が諸般の情勢及び御意見を参酌してこれが直されるといたしますときに、医療費に対する予算総額が変更するような修正は、予算が決定いたしました今日では、私どもとしてものめないことでございますし、もし医療費体系の修正がございましても、予算のワク内における操作でなければならないということは、これは私固く信じております。
  65. 重盛壽治

    委員長重盛壽治君) 私はまあ納得できぬが、それでは一応それでやめましょう。ほかに御意見がなければ一応きょうは打ち切りたいと思いますが、御意見がありましたら……。
  66. 高野一夫

    ○高野一夫君 次回は……。
  67. 重盛壽治

    委員長重盛壽治君) 次回の委員会委員長に御一任願えないでしょうか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 重盛壽治

    委員長重盛壽治君) 速記をとめて。   〔速記中止
  69. 重盛壽治

    委員長重盛壽治君) 速記を始めて。  それでは本日はこの程度にいたしまして散会いたすことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 重盛壽治

    委員長重盛壽治君) では散会いたします。    午後一時三分散会    ————————