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山下義信君 私は多く言いませんが、実にこんなぶざまなありさまは、私は見たことがない。私は厚生
委員、社会労働
委員をずっと続けて今日までやらしていただいておるが、こんな醜悪なぶざまな光景を私はかつて見たことがない。私はこれは非常に大きな政治問題だと思う。今度の新
医療費体系を出すに当って、実に
厚生省は正々堂々たる理由を掲げ、天下をこれだけ大騒ぎをさせて、そして国会の
審議にもここでいたけだかに自分の正当な理由を
説明しておいて、この引きざまというのは一体これは何です。私は芝居が好きですからよく行きますが、千両役者というのは花道の引きぎわが実にすばらしいんですってね、ですからあなた方が馬の足の大根役者ならこれは仕方がありませんが、こうして今までの提案をすべて放棄して退却するというのなら退却のときの理由を、退却するありさまをなぜここで出発のときと同じように、正々堂々とこういうふうにして退きます、こういうふうにしてやりますということをなぜ言わないのです。先ほどから
大臣の
相馬君の
質問に対する
答弁が煮えたとも煮えぬとも、どうするともこうするともわけのわからぬことをぶつぶつ言うようなことであって、はっきりしない。奥歯にもののはさまったようなことを言って、こんなぶざまなことがこれが
日本の
政府ですか、これが国のありさまですか、国を代表しての
発言ですか、私は聞いていられない。
政務次官が先般の
委員会でおっしゃった、はっきりしていらっしゃる、あなたのおっしゃったことはどういうことを言ったかといえば、私は
委員長席に代理でおったときに、
政務次官、あなたはこの
政府原案のこの
提案理由のこの思想、この行き方、私も理想に思うからいいと思うが、諸般の情勢上すべて放棄せざるを得ませんと言ったではありませんか。(「その
通り」と呼ぶ者あり)私の
質疑に答えて……。その
政務次官の
発言を、これを
小林厚生大臣は、裏書きします、同意しますとここで言った以上は、
政府の態度は新
医療費体系はやめにするのだということと同じではありませんか。なぜそれを言わないのです。修正するとか、採用ができないとか、どうとか、その経過は報告できませんとか、そんな、そういうふうな不得要領なことを言っておることは、私は国会を愚弄するもはなはだしいと、天下を愚弄するもはなはだしいと思うのでありますから、あなた方の御方針はやむを得ざる事情によって、その事情というのは知る人ぞ知る、やむを得ざる事情によって新医療
体系をやめにするのだろう、やめにするのだけれ
ども、四月一日の
医薬分業を実施するためには何とかしなくちゃならぬ。何とかしなくちゃならぬというのは
現行制度を何とかするのか、新
医療費体系を何とかするのか、二者いずれであるか、新
医療費体系の精神を取り込むとか取り込まぬとか、そんなごまかしのことを言わぬで、どっちをいじるか、そのいじり方によっては、どっちをすりかえるか、いじり方によってはいろいろ大声な問題が起きるだろう。今保険
局長は何と言われたか。重大なことを言ってるじゃありませんか。示唆しているじゃないか。これは三つ子でもわかっている。このいじり方によっては、三十一年度予算の
審議はできない。ここに予算
委員もいる。私はこれを断言するけれ
ども、このいじり方によっては、三十一年度予算に大なる影響を来たすから、
審議はできない。
政府はいかなる医療
体系に、いかなる
点数表によって、四月一日から
医薬分業、診療報酬をどういう方針でやっていこうということがきまらぬ限りは、三十一年度予算の
審議のできようがない。これがきまらずして、
衆議院が予算を議決してきたということは、大きな
衆議院のミスなんだ。今、参議院の
審議中には、この新
医療費体系をどう修正するかによって、保険経済のバランスが違ってくる、従って私は三十一年度予算に大なる影響があるのだ、この予算の
審議中に少しでも早く、どういう点をいじって、どういうふうに実施するかということを、早く
政府は決定しなくちゃならぬと私は思うのであります。従来のような、今のような
大臣の
答弁、
政府の態度、こういうことは私は国会を愚弄するもはなはだしいと思う。従ってもう聞いておられぬのであって、ついおとなげのない
発言をいたしましたが、
大臣よりはむしろ
政務次官、
高田保険局長で私は十分の
答弁ができると思う。今の
現行制度で、どこをいじらなければ、四月一日の
医薬分業の実施ができないかという点を御指摘願いたい。これは言うまでもなく、どこを何点とするかという点はきめなくても、どこを入れなくちゃならぬということだけはおっしゃい。これはわかり切ったことだ、原則なんですから。それをおっしゃい。それを
答弁をなさい。それでいいじゃありませんか。