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1956-02-21 第24回国会 参議院 建設委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年二月二十一日(火曜日)    午前十時三十一分開会     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     赤木 正雄君    理事            石井  桂君            小沢久太郎君    委員            斎藤  昇君            酒井 利雄君            西岡 ハル君            武藤 常介君           小笠原二三男君            近藤 信一君            田中  一君            北 勝太郎君            村上 義一君   政府委員    建設省道路局長 富樫 凱一君    建設省計画局長 町田  稔君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○日本道路公団法案内閣送付予備  審査) ○道路整備特別措置法案内閣送付、  予備審査) ○建設事業並びに建設計画に関する  調査の件(中野区内土地区画整理  組合問題に関する件) ○参考人出席要求に関する件     —————————————
  2. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) これより委員会を開きます。  過日の委員会におきまして、日本道路公団法案及び道路整備特別措置法案審議のために、参考人といたしまして交通審議会委員長沼氏及び経済評論家木内氏の出席を求めることに決定いたしましたが、御両人とも都合によって当日出席されません。つきましては、この両君を取りやめまして、富士銀行の調査部次長紅林茂男君の出席を求めたいと思います。なお交通審議会の方も、適当な人がありましたら、どなたか一人御出席願いたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) それから次に、県知事の方の一名はだれか適当の者を選定してという話でありまして、それで茨城県知事友末洋治君の出席を求めることにいたしました。この点も御了承願います。  では、御異議ないとして、決定いたします。     —————————————
  4. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) つきましては、これから日本道路公団法案道路整備特別措置法案、この二法案について逐条審議を進めたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) では、まず方法といたしまして、日本道路公団法案から始めまして、このうちの各章ごとに逐次審議を進めたいと思います。御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) では、さよう進めます。  まず、政府から各章ごと説明を求めます。
  7. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 日本道路公団法案条文説明を簡単に申し上げます。  この法律案は、七章四十二条と附則十九条からなっております。  第一竜は、総則でございまして、日本道路公団目的法人格事務所資本金登記名称使用制限等に関する事項規定しております。  第一条は、日本道路公団目的に関する規定でありまして、公団設立の趣旨を明らかにしたものであります。  第二条は、公団法人格に関する規定であります。公団はこの規定によりまして本法に基く特殊法人であることが明らかでありますが、学問的に見た場合は、いわゆる営造物法人の範疇にあるわけであります。  第三条は、公団事務所設置について定めた規定であります。公団の主たる事務所東京都に置くことにしており、従たる事務所は、建設大臣認可を受けて、公団が必要と認める地に置くことができることにいたしたのであります。公団発足のときにおける従たる事務所は、事業量から見まして、東京都、名古屋市、大阪市及び福岡市になると考えております。  第四条は、公団資本金に関する条文であります。公団資本金は、附則第九条の第二項の規定によりまして、公団が成立いたしましたときにおいて、現行の特定道路整備事業特別会計の有する資産の価額から負債の金額を控除した額に相当する額が政府から出資されたものとされることになっております。その額は、昭和二十八年度にこの特別会計一般会計から借り入れました十億円を加えて、十億三千六百万円ぐらいと思われます。  第五条は、公団登記に関する規定であります。公団は、すべて登記をもって対抗要件とすることは法人一般の通則でありまして、それによったものであります。  第六条は、公団でない者は、日本道路公団という名称またはこれに類似する名称を用いることを禁止する旨の規定で、取引の安全をはかるための条文であります。  第七条は、民法必要規定公団準用した条文であります。すなわち民法第四十四条の準用により、理事その他の代理人がその職務を行うにつき他人に加えた損害については、公団がその賠償の責めに任ずることになり、民法第五十条の準用により、公団の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとす、すなわち東京都にあることになるのであります。この規定によりまして、公団に対する訴訟等につきましては、通常の管轄裁判所が定まるというような効果があるわけであります。  以上が第一章の説明でございます。
  8. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 第一章について、何か御質疑はありませんか。
  9. 石井桂

    石井桂君 この第一条の目的の「道路新設」という道路の中に、高架道路のようなものは含まれておりますか、どうですか。
  10. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 高架道路その他高速道路というものを考えに入れております。
  11. 石井桂

    石井桂君 もし、そういうような場合に、都市の中に三隅とか四階に当るような、つまり高架の下を建築物にするというようなものの使用とか、維持管理とか、そういうことは、この公団目的でありますか、どうですか。
  12. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 高速道路の下を建築物として利用し、その管理をするかということでございますが、日本道路公団は、建築物を作る、またはその建築物維持管理するということを、目的といたしておりません。
  13. 石井桂

    石井桂君 都市では非常に地価が高いですから、だから、その高架道路を作るような場合には、下は必然的に、これに多少命を加えて、そしてその空間を利用するようなことを、だれでも考えると思うのです。またそうしなければ、きっとその高架道路は私はペイしていかないだろうと思うのです。だから、そういうことまで一緒に考えないと、道路だけ作って、路面は非常に地上から高いところにあって、構造体で高いところに支持されておる、そういう場合に、有料道路にしても、それがなかなか償還できないのではないかという気がするのです。そうすると、少しの金を加えて、そこを人に貸すことも併用すれば、償還も容易だろうし、そういうような場合にこの道路公団は、路面を単に作ってお金を取るだけでなくて、やはりその下の構造物を生かして建築物に加工して、そうしてそれからも料金をとるというようなことをすれば、償還も容易だろうと思うのですが、そういうことは全然考えてい一ないのですか。
  14. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) お話のような構想はごもっともと考えますが、公団は面接にそういう建築物を作りまた管理するということは考えておらないわけでございますが、高架道路の下を利用するという面につきましては、これは適当な利用方法があれば利用していきたいという考えでおります。
  15. 近藤信一

    近藤信一君 道路公団ができれば、今石井委員が言われましたようないろいろなことを公団でやられるわけなんですが、今都市として非常に困っておるのは平面交差の所ですね。あれは県でも、市でも、非常に平面交差の問題については、何とか立体交差にしようということが、なかなか実現しない。そういうことに対して道路公団はやるようなお考えはないのですか。
  16. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 道路公団有料道路をやることにいたしておりますが、都市内の平面交差の問題は、お話のように、まことに解決されなければならぬ問題ではございますけれども、有料道路として的確であれば、これは公団が取り上げてやることになるわけでございますが、小さなと申しますか、延長の短かい交差点立体交差に改良するような事業につきましては、公団は取り上げにくくはないかというふうに考えておりますけれども、有料道路として的確なものであれば、公団がやることになります。
  17. 近藤信一

    近藤信一君 橋梁の場合なら的確性だということで、どうも公団でも考えておられるようですが、都市なんかも交通がひんぱんで、三十分ぐらい立ち往生させられることがしばしばあるのですが、ああいう件なんかでも、私は有料にして、下の方に行くとか上に行くとか、そういう構想ができれば、もっと都市交通というものが緩和されるのじゃないかと、こういうふうに私は思うのですが、そういう点も一つ十分考えていただきたいと思います。
  18. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) お話のような場合につきましては、公団がやられるわけでございますから、適当な個所がございましたら実施いたしたいと考えます。
  19. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) ほかに御質疑ございませんか。
  20. 石井桂

    石井桂君 私は前に高架の場合だけ考えましたが、トンネルを、地下道を作らなければならぬような場合も、公団の仕事の目的に入りますか。
  21. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 地下道のようなものも、公団目的に入ります。
  22. 石井桂

    石井桂君 そうすると、何か今道路局長のところで、そういう例を具体的に考えられた例がありましょうか。
  23. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) まだ具体化してはおらないのでございますが、たとえば祝田橋の交差点などは、あれは地下道を設けて高低交差にすべきだと考えておりますけれども、ああいうものを実施することになりますれば、公団事業目的にするわけであります。
  24. 石井桂

    石井桂君 ちょうど私が質問しようと思ったものを道路局長は答えられたのですから、非常に敬意を表するわけで、道路局長の先見の明に敬意を表するわけです。どうぞ、そういうお考えがあれば、非常に望ましいことですから、一つやる目的の中にお加え願いたいと思うのです。ありがとうでございました。
  25. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) ほかにこの章について御質問がなければ、次に移ります。第二章。
  26. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 第二章につきまして御説明申し上げます。  第二章は、役員及び職員について規定いたしております。  第八条は、公団に置く役員について定めております。公団役員としては、総裁一人、副裁総一人、理事五人以内及び監事二人以内を置くことにいたしたのであります。  第九条は、役員職務及び権限を規定した条文でありまして、総裁は、公団を代表し、その業務を総理することになります。副総裁及び理事は、それぞれ総裁の定めるところにより、公団を代表し、公団業務を分掌することになります。監事は、公団業務を監査いたします。  第十条は、役員任命に関する条文であります。総裁及び監事は、建設大臣任命することにいたし。副総裁及び理事は、建設大臣認可を受けて総裁任命することにいたしております。  第十一条は、役員任期を定めた条文でありまして、役員任期は四年でありますが、補欠の役員前任者残任期間任期といたします。また役員の再任を妨げません。  第十二条は、役員欠格条項についての規定でありますが、役員欠格事由は、公団に対する監督土立場、政治上の中立の保持及び公団との取引その他の利害関係者の排除という見地から、具体的に列挙いたしたものであります。  第十三条は、役員を解任することについて定めたものであります。役員前条欠格条項に該当するに至ったときは、建設大臣または総裁は、それぞれその任命した役員を必ず解任しなければならないのであります。次に、役員が、心身の故障のため職務執行にたえないと認められるとき、及び職務上の義務造反があるときは、建設大臣または総裁は、その役員を解任することができることにいたしたのであります。  第十四条は、役員兼職禁止規定であります。役員は常勤でありますし、またその地位及び職務公的性格にかんがみまして、営利目的とする団体役員となったり、あるいはみずから営利事業に従事することを禁止したのであります。この規定に違反した場合は当然、前条規定により解任されるものと考えるべきであります。  第十五条は、監事以外の役員代表権に対する制限についての規定でありまして、公団総裁、副総裁または理事との利益が相反する事項については、これらの役員はすべて代表権はないものとし、最も公平な立場にある監事公団を代表することといたしたのであります。これは副総裁及び理事総裁任命にかかわりますので、連帯することが可と考えられるからであります。  第十六条は、代理人の選任に関する規定であります。総裁、副総裁及び理事は、地方支所業務について支所長を選任するごとく、その所掌する業務の一部について代理人を必要とする場合が考えられますので、この規定を設けた次第であります。  第十七条は、公団職員任命に関しての規定でありまして、公団職員は、総裁任命することになります。  第十八条は、公団役職員の特殊な地位を定めた条文でありまして、公団の有する公的性格からいたしまして、役職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなすことにしたのであります。  以上が第二章の御説明でございます。
  27. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 御質問はありませんか。
  28. 石井桂

    石井桂君 第十五条の説明のうち、「公団総裁、副総裁又は理事との利益が相反する事項については」というのは、目八体的にはどういうことですか。具体的の例を説明をしていただきたい。
  29. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 具体的には、用地の問題で、たとえば総裁所有地を収用するとかいうようなときに起るわけでございます。
  30. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) ほかに御質問ございませんか。——なければ、第三章に進みます。
  31. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 第三章について御説明申し上げます。  第三章は、業務でございまして、この章では、業務範囲及び業務方法書に関する事項を定めております。  第十九条は、公団の行う業務範囲を定めた規定であります。公団業務は、まず第一に、あわせて御審議を願っております道路整備特別措置法規定に基きまして、有料道路新設、改築、維持、修繕、その他の管理を行うことであります。第二は、公団管理いたします道路にかかる災害復旧工事を行うことであります。第三に、有料自動車駐車場建設及び管理を行うことであります。第四に、以上の業務に付帯する業務を行うことであります。次に、受託業務でありますが、これは、今まで申し上げました業務の遂行に支障のない範囲内で、国または地方公共団体委託により、道路に関する工事または道路に関する調査測量設計試験等を行うことができることにいたしたのであります。  第二十条は、公団業務方法書に関する規定であります。業務方法書公団業務執行の基準を定めるもので、公団業務開始の際に、この業務方法書を作成して建設大臣認可を受けなければならないこととし、これを変更するときも建設大臣認可にかからしめることにいたしました。  以上第三章に関する説明でございます。
  32. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 御質問ございませんか。
  33. 近藤信一

    近藤信一君 第十九条の第三に「有料自動車駐市場の建設及び管理云々と、こうありますが、これは有料自動車駐車場を作るという建前でしょうが、どういう所に作ろうというお考えですか。
  34. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この三は、有料駐車場建設管理することでございますが、有料自動車駐車場民間でもやっておるものがございますが、これは他の事業付帯業務として行われる場合が多いのでございまして、企業の採算上からは大して有利な事業とはなっておりません。従って、この民間有料駐車場がどんどんできるということは期待できませんので、この公団有料駐車場も作れるようにいたしたわけでございますが、大都市における交通輻湊の度はますます激しくなって参りますので、自動車駐車場設置ということは強い世論になってきておるわけであります。そこで、そういった駐車場を作って有料管理していこうという業務公団ができるようにいたしたわけでございます。
  35. 近藤信一

    近藤信一君 たとえば、外国にありますね、道路有料駐車場があるが、ああいうものの構想か、ガレージの駐車場か、どちらも兼ねるというようなあれですか。その点。
  36. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) これは両方でございまして、道路付属物としての有料駐車場考えておりますし、また独立した有料駐車場考えております。
  37. 田中一

    田中一君 第十九条の第五の受託業務、このうち「道路に関する調査測量設計試験、」ここで私は先だっても資料の提出を願ったのですが、設計とかあるいは試験というものはどのようなものを考えてやっておるのか。私は、日本道路の築造といいますか、道路構造等は、一元的な、日本の国土、日本道路というものを、ある一つの目標というか、ある一つのテーマでもって——大学でもあるいは試験所でも、どこでもばらばらにやっておるような危険を多分に感ずるのです。そこで、寒冷地道路、それから暖かい所の道路地盤等の軟弱な所か固い所か、いろいろ構造が違うと思う。こういうところをぽんと条文に盛り込んで、こういうものでなくちゃ条文にならないのだということだけではいかぬと思うのです。そこで、設計とか試験とかいう問題は、どういう程度のものをどういう構想のもとでやろうとするのか、根本的な道路構造というものを明らかにしてほしいと思うのですが、それは公団がやるべきものは何十%含めるものか、あるいは研究所は何をするつもりか、あるいは文部省がこういう技術に対して研究費を出しておるのがたくさんございます。こういう関連が学問的に、どの大学でどういうものを研究しているかというような点を明らかに説明してほしいと思う。
  38. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この第十九条の五号は、公団委託を受けて実施いたします業務を書いておりますが、この中で、試験という項もございますが、これも委託を受けて実施し得るようにいたしておるわけでございます。ただいまのお話道路に関する試験研究所につきましては、前回お求めがございましたので、資料を用意いたしておりますが、次の委員会には提出できると考えております。  お話のように、道路構造につきましては、非常にたくさんの問題があるわけでございます。根本的には、寒冷あるいは暖かい所のその気象条件いかんによる問題もございますし、また土質いかんによるという問題もございます。ただいまは建設省機関としましては、土木研究所がこの試験研究をいたしておりますが、また各地の大学におきましてもこれらの問題につきまして研究を進めておるわけでございます。まあ大学においての試験は、今調査しておるところでございますが、たとえば寒冷地道路の問題などは北海道大学などが非常に熱心に研究を進めております。また土質の問題につきましては、各大学においてそれぞれの構想によって研究を進めておりますが、これらの点は、資料にいたしまして、次回に御説明させていただきたいと思います。
  39. 田中一

    田中一君 日本行政機構というものは当然、研究なら、一つ道路なら、構造上の研究なら研究はどこでやってもかまいませんけれども、ばらばらな思いつき的な研究をやるものがたくさんあるのです。私はかつてもここで技術尊重論を一ぺんぶったことがございますけれども、ただ、何といいますか、逐条説明では研究という文字を取ってありますけれども、本文では研究というのが入っておる。研究も、むだな金を使ってばらばらに研究をするよりも、たとえば土木研究所で三〇%進んでいる研究があるならば、また一から公団が始めないでも、土木研究所の三〇%から出発するところの研究をともにしてもいいと思うのです。  そこで、私はせんだっても伺ったように、日本道路構造というものはどういうところに結論づけているのか。むろん学問ですから、日進月歩するものと思います。思いますが、一応の、一つの、今日の段階ではというものの結論があるはずなんです。あるからこそ、今日の道路構造というものは実施されているものと思うのです。研究というものは公団が持つ必要はないと思う。金があればまた、研究所を持って云々ということになるでしょうけれども、そういうものよりも、こういうものは、少くとも土木研究土木研究所にまかしてしまう。そしてこちらからこういうものを研究してくれという注文を出すということでいいと思うのです。どの大学でも、どの研究所でも、どの地方庁の間でも、こういうものを持っておるのですよ。公団はこんなことをする必要はないと思うのですよ。それは施工したものの試験は必要です。しかしながら、研究までする必要はないと思うのです。研究はおのずからその研究専門にやっている土木研究所なら土木研究所に頼めばいいと思う。私はこういう点は、住宅公団にいたしましても、道路公団にいたしましても、ただこういう点を書きゃいいのだというつもりだけでは、とても私は納得しないのです。  なぜ、ここに、逐条説明には研究という文字を抜いているのか。本文にはちゃんと「研究」とあります。どうもこういう点が納得できないのですがね。もしも金があれば、研究所でも建てようというつもりなんですか、道路公団は。
  40. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 逐条説明の方は「試験等」といたしまして、研究は入れておりませんが、これは公団業務として、委託を受けて研究する場合もあり得るわけでございますので、その意味で「研究」を入れておるわけでございます。お話のように、相当研究をしなければならない、機関においても、経費においても、相当研究をするというようなことは、この公団委託を受けてやる研究の中には考えておらないわけでございます。土木研究所等研究いたしておりますので、それらのものについては公団委託ができることに建設省設置法を変えておりますから、そういったものは研究所の方に委託したいつもりでございます。
  41. 田中一

    田中一君 それでは、何ですか、こういう系列を踏むことが法律の立法上の作文としては、何というか、見合うというか、調子がとれているという意味で、書いたのか。私は将来公団剰余金でもどんどん出てくるようになると、自分でもって研究所をやるということになるかもしれない。こういうむだはやめてほしいということなのです。それは現在実施するための研究は当然しなければならぬのでしょうけれども、よそから委託されてまでも研究所を作ったりなんかするということも考えられるのです。今あなたは小視模研究とかなんとかというようなことを言っておりますけれども、大規模研究所設立考えられるのですよ。はっきり、ちゃんと、そういうものは自分で受けないのだという方が、もっとすっきりするわけです。どう考えています。
  42. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) まあ形の上からこう書けばよろしいというつもりで、書いたものではございません。試験をいたした結果、その結論が必要になる場合がございます。それらのことはやはり研究に属することではないかと考えるわけでございますが、この第五号は、そういう委託があった場合にやるわけでございまして、公団の本来の業務とはしておらぬわけでございます。
  43. 田中一

    田中一君 まあ見解の相違ならやむを得ませんけれども、すべてこういうものに、新しい公団や営団を作っちゃ、国家機関としてりっぱに持っておる機関というのを無視して、また同じような屋上屋を架するような研究所を作るということに対しては、不満なんです。そんなむだな費用があるならば、土木研究所の方に相当予算も流して研究させれば、もっといいものが研究されると思うのです。成果が上るものと思うのですよ。  もう一ぺん伺いますが、どういう程度規模のもの、それから将来土木研究所より以上に委託を受けるとするなら、土木研究所よりもっとすぐれたスタッフと施設と予算を組まなければできないのです。公団がどういう研究所を作るか知らぬけれども、少くとも今日国家機関として土木研究所があって、鋭意道路研究をやっておるのです。にもかかわらず、ここにまた公団道路研究機関を持つということになると、私はむだだと思うのです、そういうことは。ただ自分の方でしない、委託してするんだというならば、委託はどうぞ、土木研究所委託すればいいのです。こういうところに非常に危険を感ずるのです。日本道路公団の役目というものは、こんなものじゃないのです。これは委託費をもらってやるのだから金がかからぬとおっしゃるけれども、それを研究するには、それだけのスタッフと施設と、それから維持する予算がなくちゃ、できないのです。日本道路公団の趣旨はそういうものじゃないのです。だから、資料を出せというのですよ。同じようなテーマで各大学研究したり、国が研究したり、また公団研究したり、前進はちっともしていない。こういうところにむだがあると思うから、資料の提出を要求したのですが、あなたはこの次の委員会に出すとおっしゃっているけれども、私はこの研究というものはどういう限界のものをやろうとするのか、伺いたいのです。実施に伴う研究試験程度のことは、これは研究じゃなくて、これは当然すべきことなのです。日常が研究なのですよ。日本道路公団の実施面というものは、あらためてここに研究というものをやると、今言う通り、五十人、百人をかかえた研究所も想定できるのですよ。すべてこういう外郭団体的なものを作る、そこにまたむだがあるのですね。どういう程度のものを考えておるのか。  一体、土木研究所より以上の研究をしようとするならば、土木研究所よりも以上のスタッフと、施設と、命を持たなければできないということは、明らかなんです。どういうものをやるつもりなのですか。
  44. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 御説明が足らなかったかと思いますが、この第五号は、業務の遂行に支障のない範囲内で研究委託も受けるようになっております。受けられることができるようになっておるわけですが、研究所というようなものを公団が作るということは考えておりません。本来の業務といたしましては、この一、二、三に掲げる業務でございますが、しかし委託を受けた方が都合がいい場合があり得るわけでございます。たとえば有料道路をこしらえ、それに付帯した他の道路工事が起るというような場合には、公団委託を受けてやった方が便利に早くできることもあろうということも考えておるわけでございますが、その工事に伴いまして、また試験とか研究とかの委託を受けた方がいい場合もあり縛るわけでございます。ここにいう研究というのは、研究所を設けて大がかりにやるということは考えておりませんで、試験に伴う研究があり得るわけでございますので、その意味研究ということを言っておるわけでございます。
  45. 田中一

    田中一君 それでは、研究する部門というものは、何人くらいの定員で、どのくらいのものを想定されて、これを載せたのですか。将来の問題もありますから、明らかにしていただきたいです。また公団がたとえば、何というか、中央道でも作るために、これを公団がやるのだときまった場合には、ここでもって二百人、三百人の優秀な技術家、学者を集めて、研究をやるということになるかもしれない。そういう点でもって、どういう構想委託を受けてやるか。それは設備とそれから研究員がいなければ、頼んでこやしない。またそんな部門がないというところに、頼むのは一これは日常の仕事なんです。あらためて研究ではない。実施面に携わる者は日々が研究なんです。ここを最初から僕は心配しているんですよ。研究というものを入れるとすると、五十人、百人の研究所も建てられるということになるんですよ。それではわれわれの常に主張しているところの簡素化しようというものと全然逆コースにいく。ことに学者というやつは、道路工事なんていうものに対しては、森豊吉君のように、弾力性のある道路がいいと言う学者もあれば、あるいはかたい、こちこちのコンクリートの道路がいいと言う者もあるんですよ。今でも構造の問題としては、建設省土木研究所一つ結論によって実施しておりますけれども、いろいろな問題がある。今のような鉄輪の車ではなくて、ゴム輪の——ゴム輪というより、空気の入ったゴムのタイヤで走っている道路ですから……。またここに道路公団が変な研究所を持つという危険が多分にあると思う。はっきり言って下さい。  道路公団の方は研究員が何人おって、どのくらいのものを受けるということなのか。あるいは日常実施面においてやる範囲のものならば、これは人も何も要りはしません。現場についておる者、あるいは設計する者即研究員で済むわけですから。どういう規模のものを想定しておるか。またそういうものはスタッフでないならば、何も地方公共団体道路公団なんかに頼みやしない。ちゃんと国の機関があるんですから、国の機関へ持っていきます。私はこの逐条説明に「研究」を落したのは、故意だとは思いません。故意だとは思いませんけれども、私はこの法律が出るときに最初から心配するのは、それなんです。だからこそ、資料の要求もしているんです。どういう規模のものを持とうとするのか、明らかにしていただきたい。人間がどのくらいで、どういう研究室を持って、どういう程度のものをやるか。一つのワクを、こういうものを作りますと、お山の大将になって、勝手気ままをやるんですよ。現在の住宅公団なんかも同じですよ。むだもむだ、話にならぬくらい、むだをやっています。そうして家賃を高くして、公費を浪費して、それはみんな国民にかかってくる。今度の場合でも、どういう研究をしようとするか。立案者の、政府の精神というものは、これはこの程度のものだ、そうしてあとのものは委託を受けないで、土木研究所なら土木研究所の方に回してやるんなら回してやるんだというような、意思をはっきりしていただきたい。
  46. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この研究所を設けて専門職員を置き、また設備をして、そうして委託を受けて研究しようという考えはございません。ただ、それぞれの現場において材料試験所、その現場の材料を試験する試験所などは、これは事業を遂行する上において必要な場合があるわけでございます。そういったものができた場合に、たとえば県あたりから、ついでだから試験もしてくれということもあろうと思います。そういうのは委託を受けて試験をするわけでありますが、試験をしたばかりで結論が出ないというのも困ることがあろうと思いますから、そういう場合には研究をしてその結論を出す。まあ委託を受けるんですから、本来の業務の遂行に支障のない範囲内でやるわけでございます。大がかりな研究ということは考えておりません。
  47. 田中一

    田中一君 設計試験はいいですよ、当然なことですから。研究所も作らない、研究員も置かない。ただ日常現場その他でもってやっている設計とか実験とかいう面の上において、委託があった場合には受ける、いわゆる委託された場合に受けるという条文にすぎないんだ、こういう工合に解釈してよろしゅうございますね。
  48. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) さようでございます。
  49. 田中一

    田中一君 業務方法書は案ができていますか。案ができていましたら、お示し下さい。
  50. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) まだ案ができておりませんのですが、考え方を申し上げたいと思いますが、この業務方法書建設省令で定めたいと思っております。そのときには、有料道路事業の許可申請に関すること、それから有料道路に関する工事の施行に関すること、有料道路に関する管理権限の行使に関すること、有料道路の料金徴収の手続に関すること、有料自動車駐車場建設基準に関すること、有料自動車駐車場に関する工事の施行に関すること、有料自動車駐車場の料金に関すること、これらのことを業務方法書に記載するようにいたしたいと考えております。
  51. 田中一

    田中一君 それは一つ、大体きまっておるなら、詳細の案をお示しいただきたいんです。委員会に出していただきたい。よろしゅうございますか。
  52. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 次の委員会に提出いたします。
  53. 田中一

    田中一君 ちょっと前に戻るのですが、第十九条の二号、災害復旧工事施行の窓口がふえればふえるほど、その工事というものは粗悪になる危険が多分にあるのです。自分の施行する分野の接点といいますか、そこで、同じような設計でやっておっても、違っている人間がやれば、監督員が指導すれば、やはりその乗りになる所がしくじる危険が多分にあるのです。まあ、あなたも御存じでしょうけれども、府県の分、公団の分、あるいは市町村の分というようなものが乗り合ってくるときに、何といいますか、工事現場の……。こういう場合にはどうなんです、委託して付帯工事としてある程度までやれるというようなことは考えてないのですか、十九条の災害復旧の場合ですね。これまでは自分道路だ。そこから向うは全然直さない、あるいは直しても一時を糊塗するような直し力をしているというようなことがあると思うのです。その場合には、自分の所だけやればいいということなんですか。
  54. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 公団管理する道路について災害を受けました場合は、公団みずからその災害の復旧工事を行うわけでございます。しかし公団事業につきましては委託もできるようにしておりますから、委託した方が便利である災害復旧工事については、委託いたしたいと考えます。
  55. 田中一

    田中一君 そうすると、そういう場合には、自分の所だけでなくて、やはりこちらから進んで向うに——これはむろん有料道路ですから、あなたの方で管理することは当然のことなんです。悪い道路じゃ料金はとれないのです。が、それにくっついている道路には、悪い場合がうんとある。設計が違ったり、工事法も違ったりする所がある。こういう場合はどういう工合に工事しているのですか。委託されない場合でも、こちらから進んでそれを慫慂しますか。この場合は、ああしてくれこうしてくれということを、相手の施行者に対して……。
  56. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 委託を受けた方が都合のいい場合には、こちらからその管理者に委託を申し出たいと考えます。
  57. 田中一

    田中一君 自分の方の管理するところのに道路と、それからそこの終り方——終りを起点とするところの都道府県なら都道府県の道路というものとの設計などは、やはり協定してやりますか。協定して同じようなものをやろうとするのか、自分の所は自分で独自の設計でもって、向うと連絡せずにやるというような考えを持っているのですか。そういうことがえてしてあるのです。たとえば伊勢の道路にしましても、なるほど有料道路はよろしい。向うに出たら、そこでもってがくんと悪い道路になって、その辺は穴が掘れております。
  58. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 道路整備特別措置法の方に規定いたしておりまして、道路管理者と協議し、また道路管理者の同意を得るということにいたしておりますから、設計その他につきましては道路管理者と協議をいたすことになります。
  59. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) ほかに御質問がなければ、第四章。
  60. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 第四章について御説明申し上げます。  第四電は、財務及び会計でございますが、本章は、公団事業年度、予算等の認可、決算、財務諸表、損益金の処理、借入金及び道路債券、政府からの貸付、政府の債務保証、償還計画、補助金余裕金の運用、給与及び退職手当の支給の基準等に関して規定しております。  第二十一条は、公団事業年度を定めております。公団事業年度は、一般の例にならって、毎年四月一日に始まり翌年三月二十一日に終ることにいたしております。  第二十二条は、公団予算等の認可に関する規定であります。公団は毎事業年度、予算事業計画及び資金計画を作成し、建設大臣認可を受けなければならないことにいたしております。建設大臣認可を受けるのは、通常事業年度の開始前でありますが、初年度は年度途中でありますので、附則第八条に経過規定を設けまして、昭和三十一年度は、公団の成立後、遅滞なく、予算等を作成して建設大臣認可を受けることにいたしたのであります。  第二十三条は、公団の決算についての規定でありまして、公団は、毎事業年度の決算を翌年度の七月三十一日までに完結しなければならないことといたしております。  第二十四条は、公団の経営の実態を把握するための財務諸表に関する条文であります。公団は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書などの財務諸表を作成して建設大臣の承認を受けることにいたしております。第二項及び第三項は、財務諸表の添付書類及びその公告方法についての規定であります。  第二十五条は、公団の経営上の利益及び損失の処理の仕方について定めた規定であります。  第二十六条は、公団の借入金及び公団の発行する道路債券に関する規定であります。公団は、建設大臣認可を受けて長期または短期の借入金をし、あるいは道路債券を発行することができることにいたしております。第二項及び第三項は、短期借入金の借りかえに関する規定でありまして、第四項以下は、道路債券に関して、債権者を保護するために光坂特権を認める等の規定及び債券発行事務の委託等について規定したものであります。  第二十七条は、公団に対する政府からの資金の貸付及び政府による道路債券の引き受けに関する規定であります。  第二十八条は、道路債券の元本の償還及び利息の支払いについて政府が保証することができる旨を規定しております。法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律第三条の規定によりまして、政府は会社その他の法人の債務についての保証契約をすることが原則として禁止されているのでありますが、本条はその特例といたしまして、国会の議決を経た金額の範囲内において、道路債券の元利について保証することを規定したものでありまして、これによりまして公団民間資金の導入は円滑に行うことができるものと考えております。  第二十九条は、公団の長期借入金及び道路債券の償還計画に関する規定であります。この償還計画は最も公団の経営上重要なものでありますので、建設大臣認可にかからしめております。  第三十条は、公団の行う業務に要する経費について、政府がその一部を補助することができる旨を規定したものであります。補助の対象となりますものは、第十九条に規定いたしております公団業務のうち、第一号及び第二号、すなわち、公団の行う有料道路新設、改築、維持、修繕その他管理に要する費用及び公団管理する有料道路災害復旧工事に要する費用につきましては、その一部を政府から補助することができることにいたしたのであります。  第三十一条は公団業務上の余裕金の運用に関する規定であります。公団業務上の余裕金の運用は、その安全性を確保する必要がありますので、国債の保有、銀行への預金または郵便貯金に限定したのであります。  第三十二条は、公団役職員の給与及び退職手当の支給の基準に関する規定であります。公団がこの給与及び退職手当の支給の基準を定め、または変更しようとするときは、建設大臣の承認を必要とすることにいたしておりますが、その理由は、役職員の給与及び退職手当の支給の基準が公団の経営採算上重要なものであるからであります。  第三十三条は、この法律及びこれに基く政令に規定するもののほか、公団の財務及び会計に関し必要な事項は、建設省令で定めることにしたのであります。この省令は予算事業計画、資金計画、財務諸表及び決算の作成、執行等に関する事項、その他財務及び会計の細部の手続事項について規定する予定であります。  以上が第四章の説明でございます。
  61. 田中一

    田中一君 公団にした理由はどこにありますか。
  62. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 公団にいたしましたのは、全額政府出資でございます。また民間資金も入れて事業をするということでございますので、公団にいたしたわけでございますが、住宅公団その他の公団と同様の趣旨に出たものでございます。
  63. 田中一

    田中一君 公団が発行する道路債券、これと国が発行する公債とは、実態においては差がございますか。
  64. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 一般の公債と道路債券とは差があるわけでございます。道路債券におきましては、これは有料道路の料金で返していくわけでございますが、一般の公債は、一般の税金で返していくことになるわけでございます。
  65. 田中一

    田中一君 税金で返そうが、有料道路の料金で返そうが、返す金には、金という克換券、これには差異がございますか。
  66. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 金には差がないわけでございます。
  67. 田中一

    田中一君 もし、ほんとうに国がこの道路整備の重要性を考えているなら、道路局長が、あなたの手元でもって公債を発行してもらって、それを府県の有料道路に貸すことも可能なんです、金がないというならね。いいですか、税金でも道路を作っているんです。国民の預託したところの金でも道路を作っているんです。御承知のように、預金部資金からも出しているでしょう。それから公債を発行して、その金で作ってもいいんです。従って、なぜその民間資金の導入——民間資金の導入というのは、公債でも民間資金の導入なんです。公団が与えられた権限で出すところの道路債券でも、民間資金の導入なんです。それから銀行等がやっているところの銀行債券、これも民間資金の導入なんです。商工中金でやっている商工債権も、これも民間資金の導入なんです。民間資金の導入、の金を集めるということに対しては、何ら差異がないんですね。従って、その違いはどこにございますか。有料道路の料金で返そうとするには債券でなくてはならないという点は、どこから生まれますか。
  68. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 道路公団の行う事業に要する資金を、道路公団有料道路から上る料金で返していこうということでございますので、この償還していくのは道路利用者が償還していくということでございますので、その辺に違いがあるのではないかと考えます。
  69. 田中一

    田中一君 どうも変な答弁で、関門隧道は、初期は国が出しておりました。現在では有料道路構想でもって、預金部資金といいますから出るように思っております。これですら、有料道路でもってこれを返していこうという構想だったはずですね。それを確認して下さい。
  70. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) お話の通りでございます。
  71. 田中一

    田中一君 そうすると、道路債券を発行するには、公団でなくてならぬという理由にはならない。国が、道路債券という形の内容を持ったところの公債を発行しても、できる。私はそう思うんです。またその公債を税金で払わなければならないという理由もないんです。国が道路利用者から料金をとって、国庫に入れる。金にはマークがついてございませんから、同じような金になる。それでもって償還していくことは可能なはずです。あなたはさっきちょっと変なことを言っておりましたが、それは可能なはずなんです。有料道路の料金というものを国庫に納める、そうしてその見合ったものだけを、かりに公債を発行したそれの分を償還してもいいと思います。ちっとも実態は変っていないんですね。  なぜ公団にしなければならないか。道路整備のためには、なぜ公団にしなければならないかという根拠が、民間資金の導入という点だけでは非常にあいまいであり、かつ、弱いんじゃないかと思うんですが、もう時間がないから結論を申しますと、一万田大蔵大臣が公債を発行しないと言った、その言質をいかにして合理化しようかといったところにあるんじゃないかと思うんです。しかし、そういうことは、一兆円の予算のワク内でと言っておったところが、もう昨日の補正予算でそれを突破しているということもあるんです。だから、公団を作るなんということは、実際のところはナンセンスなんです。公団を作らぬでも、国が直接できるんです。無料公開の原則であるところの、国が管理する道路というものから、これを利用する利用者から料金をとるという、その例外的なあり方を認めるならば、できるんです。私はこういう公団にしなければならないという点が非常にあいまいだと思うんです。これはまあ道路局長に聞くべきものでないけれども、建設大臣に聞いた方が早いかもしれませんが、こういうところは、その根拠をもっと明らかに、明快に、なぜ道路公団にしなければならないかということを明らかにしていただきたいと思うんです。今のような程度じゃ、答弁になりません。
  72. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この公団にいたしましたのは、単に民間資金を導入するということだけではないわけでございまして、この公団有料道路を総合的に運営しようというところに、公団意味があるわけでございます。目的に「管理を総合的かつ効率的に行う」ことにいたしておりますが、工事の面からいきますと、これを公団が総括して行うことによって工事の実施の緩急よろしきを得る、また経済的に工事を進行せしめることもできる。また資金の面におきましては、公団で一括して経理いたすことによって、資金の性質に応じて、適時適切なる運用をいたすことができるというような点で、企業体の特色を発揮することができるわけでございます。こうすることによりまして、難破のコストの低下もはかることができるわけでございますから、公団を適当と考えた次第でございます。
  73. 田中一

    田中一君 総合的な運営は、今あなたの、るると並べたようなお題目というものは、国がやることによって、一番完全にできるんです。国がやることによって、一番国民も納得するんです。あなたが今効率とかなんとか言うけれども、では、役人というものは無能力でもって、悪いことをすることなんですか。なぜ、公団にすればその効果が上り、いいということの定義が生まれてくるんです。はなはだこれは国家公務員に対する自分自分を非難する言葉になるんじゃないんですか。私は国がやることによって一番効果が上る、総合的な運営ができるという強い信念を持っています。国がやることによってこそ、初めて国民も納得し、資金の面につきましても、運営の面につきましても、研究の面につきましても、さっき言ったような土木研究所も動員する、あらゆる機関を動員する、そうして総合的な運営効果を上げるには、国がすることが一番大事なんです。国がする以上にいいことはございません。あとは私企業的な、資本主義社会におきましては、いかにしてもうけようかという利潤追求のために、あるいは国よりより以上のもっと効果の上る発明をする場合もあるかわからないんです。工夫する場合もあるかわからないんです。しかし現在の段階では、私は国がやることによって一番の効果が上り得るんだというように、僕は強い信念を持っているんですが、民間資金を導入するばかりでなくて、総合的の運営が公団によってこそ初めて達せられるんだという根拠を、明らかにしていただきたいのです。
  74. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 先ほど申し上げましたような理由でございますが、この公団は独立採算制をとっております。で、企業を良好に維持管理して参りまして、収入を増加させ、この公団で独立採算をとっていくという必要がございますので、やはり公団のような形が必要であろうと考えます。
  75. 田中一

    田中一君 独立採算制をとるから、いい運営ができるとおっしゃいますか。そうすると、あなた方は国家公務員として、あなた方が使っているところの公共事業費というものは、むだに使っておるんですか。独立採算制をすればいい結果が生まれるということを、のめのめと国家公務員であるところの道路局長が口にするなんということは、はなはだもってこれは問題だと思うのです。国家公務員が公共事業費を完全に使うことがうまくない、独立採算制の公団を作れば非常にうまく運営されるなんていうことになると、これは国家公務員に対する冒涜ですよ、これは。そういう言葉を局長から聞くとは思わなかったです、実際。あなた方は自分相当たくさんな事業費を持っている、これを地建においてやらしている。自己否定ですよ。国がやっているところの公共事業費の施行というものに対する、それを否定し、それを冒涜するということは、国家公務員の局長から聞くとは、はなはだおもしろくないです。私はそんなものじゃないと思うのですよ。なぜ公団にしなければ円満な運営ができないかという論拠というものは、そんなものじゃないと思うのです。もし、そんなものであるとするならば、あなた自身が自分を冒涜し、自分を否定し、ひいては国の公共事業費をきめておりますところの国会をすら否定する言動です、それは。それは不謹慎きわまると思う。私はそういうものじゃないと思う。なぜ公団にしなければならないかということの論拠が、理由が明らかでないんです。今局長のるる言った二つの問題は、自分に対する冒涜ですよ、これは。あなたはなんですか、国家公務員が、国の機関でもって道路の整備をする、円満な運営ができない、総合的な効果が上らない、だから公団を作って、公団でやらせるんだということを言ったわけですね。先ほど言ったように、予算が、民間資金の導入ということは、何も公団だからできるのだというのではございませんといって、その問題だけはあなたは否定しました。こういう点は大事な問題ですよ。日本道路公団を作る作らないのポイントです。もう少し明快に、国民が納得するような形でもって、説明して下さい。ましてや、これによらなければできないのだというようなことになりますと、あなた方の自己否定ですよ。
  76. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 説明がまずくて申しわけございませんが、有料道路管理する点からいきますと、有料道路は料金をとる道路でございます。そこで民間資金も入れて、民間資金を入れるということは、これは国の経営ということにはなってこないわけでございます。やはり公団を設けて民間資金を導入した方が都合がいいわけでございますし、またこの公団を設けて有料道路を総合的に運営するということは、これはやはり採算をとっていかなければならぬ関係から、公団のような組織でやるべきものであると考えるわけでございます。公共事業費の方は、それじゃ、採算ということは考えなくてもいいということを、私は申し上げておるわけではございませんが、有料道路という特別の道路をやるわけでございますから、こういう形で運営した方が最も適当であるというふうに考えておるわけでございます。
  77. 田中一

    田中一君 こういう形がいいという根拠が薄いというのです。どうしても公団にしなければだめなんだという根拠を、明らかにしてほしいのです。現にやっているじゃないですか。ことに、あなたは、道路というものを作る、そうして料金というのは何かといいますと、勝手にきめるのです、あなた方が。それは当然採算が合いますよ。これは一億かかった、これは二十カ年でやって、そうして何百人の人間を使って、これに月給も払い賞与もやって経営をするには、料金をこれだけにするのだといって、料金は一方的にあなた方がきめるのです。当然採算が合いますよ。自分の方で料金をきめるのだから、合いますよ。ほかの商売と違いますよ、競争者がないのだから。並行道路が二つあった場合、同じような道路があった場合には、安い方を通りますよ、安くて便利な方を。勝手に料金をきめて、採算が合わぬというようなことは、ありようがない。ナンセンスです。  もう少し私は、あなたに申し上げますが、大臣呼んできて下さい。大臣にこれを聞かなければわからぬ。おそらく大臣もわからぬと思うが……。実際に、なぜ日本道路公団にしなければならないかという根拠が明らかじゃないのですよ。なぜ国がやらないのだ。あなたがいろいろと説明しておる逐条説明した問題は、ことごとく国がやっても可能です。私は国がやった方がりっぱなものができて、安い料金でいくのじゃないか。せんだって建設大臣の御答弁がありましたから、無料公開の原則は言いません、今のところは。やった方が安いものができる。また公債を発行すれば、民間資金の導入も微微たるものです。料金を国に入れることも当然できます。なぜ国家公務員の事業が悪くて、こうした公団というようなあいまいな形の方がいいのだということになるのか、私には了解できないのです。おそらくここにいらっしゃるところの同僚の議員でも、あるいは与党の方々も、今のような説明だけでは満足せぬと思う。なぜ日本道路公団などにしなければならないのか。  政治的に割り切ればいいのですよ、割り切ってくれれば。大蔵大臣が公債を発行せぬと言ったものだから、何とかして民間資金を入れなければならぬが、どうにも方法がない。だから、しようがない、こうした形でやるのです、といって答弁してくれれば、これはまああなた方の分野でなくて政治的な分野だから、それも無理なかろう、こう思うのです。この間の建設大臣の答弁でも、こっちが答弁を教えているようなものです。あなたの方にも答弁教えます。こういう資金難であるから、一属僚であるところの私には何ともいたしかねます、ただ竹山君の生み放しの卵がこれでなければいかぬというから、これを作るのです、という答弁ならば、これは私も了承せざるを得ない。けれども、国家公務員であるあなたの口から今のような説明では、国民は納得しません。あるいは頭がつかえているのだ、菊池技監がいては、人がつかえていて困るから、何とかしてこれを追い出さなければ困るからやるのです。あるいは、どうも現業官庁の国家公務員が多過ぎる、何とかこれをさばかなければ困る。三十一年度予算では一割だけ人間を減らさなければならないから、こんなものでも作って大量に送り込もうとか、何でも説明する条件がたくさんそろっておるでしょう。(笑声)そういう割り切ったもので説明しなければ、この問題をはっきり解明する理由にならないのです。  くどいようですけれども、あなたが今まで説明していることは全部、自分を抹殺しようとする御答弁なんです。自分を否定する、そんなことを言うのは、国家公務員に対する自演ですよ。  まあ委員長、これは速記をとめてやりましょうか。
  78. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 速記をとめて下さい。   〔速記中止〕
  79. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 速記をつけて下さい。
  80. 田中一

    田中一君 ここに「役員及び職員」と出ていますが、役員にどういう形の人を選ぼうとしておりますか。総裁建設大臣がきめなければなりませんが——総裁はきめなければならぬのでしょう。給与の問題があるから伺うのですよ。役員の給与とかなんとかいうことがここにあるでしょう。だから、伺うのですが、住宅公団における加納総裁か、ああいう方を総裁に選ぼうという考えなのか。これはどういう考えを持っているのですか。答えられなければ、答えられないと答えて下さい。そして八十億の事業を行うために、構成人員は何人くらい想定していますか。それから公団の経費というものは、どういう形で生み出そうとするのですか。それからもう一つ公団に従事する職員というものは、どこから求めようとなさいますか。
  81. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 総裁につきましてはお答えできません。それから人数の問題でございますが、ただいま考えておりますのは、およそ八百名くらいになろうかと考えております。それから公団の経費はどうして生むかということでございますが、これはそういった経費も含めて、三十一年度は八十億。それから職員をどこから採るかということでございますが、現に料金を徴収しておりますところは、その人間を公団に入れる考えであります。それからその他の構成人員につきましては、建設省及び県並びに民間から、選んで入れる考えでございます。
  82. 田中一

    田中一君 三十一年度の道路予算の案は、三十年度に比べてどうなっておりますか。
  83. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 三十年度は、道路整備費といたしまして二百六十三億でございます。三十一年度が三百二十七億であります。
  84. 田中一

    田中一君 この中には失対も入っておりますか。
  85. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 失対も入っております。
  86. 田中一

    田中一君 そうすると、建設省から職員、準職員、補助員、等を公団に持っていった場合には、当然仕事に支障を来たすようなおそれはありませんか。
  87. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 建設省の定員減は考えておりません。ただ定員外の職員相当おりますから、それらの職員と現在の定員とをにらみ合せまして、建設省から相当出したいつもりでおります。
  88. 田中一

    田中一君 ですからね、どっち道この公団法案は通るのでしょう。通って八百人増員する場合に、もうあなたの方じゃあなたの部下に対して、ちゃんと一応の目安をつけておるのでしょう。もう少し明確に説明して下さい。またうるさいですよ、変なことをすると。
  89. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この構成につきましては、今案を練っておるところでございます。大体の案はできておりますが、まだ申し上げる段階にはたっておりません。
  90. 田中一

    田中一君 定員が減になった場合には、準務職員から——あなたの方の現在の道路局ですね、公共事業の方の定員職員が減った場合には、準職員を転格さす考えでいるのか、あるいは新規採用するつもりでいるのか、伺いたい。
  91. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 道路局の定員は現に減少しない予定でございます。しかしその定員の中で、公団に転出する者があろうと思います。それを埋めるには、まあ準職員の場合もございましょうし、また新規採用もございましょうし、すると思います。で、公団の方は、これは新規も相当入れなければ構成できないと考えております。
  92. 田中一

    田中一君 今局長の手元でもって考えておられるところの……。建設省から出向をするのか、やめていくのですか、建設省の人間は。
  93. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) やめて参るわけであります。
  94. 田中一

    田中一君 八百名のうち、建設省からどのくらい考えておりますか、職員、準職員、補助員も含めまして。
  95. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) その数をまだ申し上げる段階になっておりませんので、御了承願いたいと思います。
  96. 田中一

    田中一君 では、現在直轄工事をやっておるところの、さっき言いました現場におる従業員ですね、職員、準職員、補助員は何者おりますか。これは言えるでしょう。
  97. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 資料を持って参りませんでしたので、正確な数は今お答え申し上げることができないのですが、全部で一万五千ぐらいおりまして、そのうち、道路関係として三千名くらいであります。
  98. 田中一

    田中一君 ですから現在やっておる四つの直轄工事有料道路、これに要る人間は何人かと聞いているのですよ。
  99. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 先ほど申し上げました数字は、直轄工事全部を含めて申し上げました。有料道路だけですと、関門に二百数十名おります。それから松江国道、これには十数名、それから笹子、これにはまだ十名足らずと思います。それから直轄でやっておりますのは京葉というのがございますが、これはまだ調査の段階で、そのために人間を専従させておる職員はございません。それだけでございますから、問題は関門でございますが、関門につきましては、これは公団建設省委託する工事として実行いたしたい考えでございます。
  100. 田中一

    田中一君 建設省はどのくらい使っておりますか。二十五ぐらいありましたが、現場は。それも全部ひっくるめて、公団の方でちょうだいしようというわけですか。
  101. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 人間そのものが来るかどうかはわかりません。ただ人数を引き受けたいと考えております。
  102. 田中一

    田中一君 民間というのは、一応新卒を考えておるのですか。それとも、民間のあっちこっちにいるものを吸収しようというのですか。たとえば住宅公団みたいに、何千人も大臣がまた履歴書を持ってきて、あなたの方で採るのですか。
  103. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) これは新規の卒業生も考えております。それからまた現在道路公団に入ってもよろしいような職業についておる方から選んで採用する予定にいたしております。
  104. 田中一

    田中一君 まだ全部これは見ておりませんけれども、恩給その他あとで出ると思いますけれども、大体住宅公団と同じような形で、身分は保障しようという考えを持っているのですか。それとも、あれでは不満足だから、もう少し優遇といいますか、条件をよくしようというような考えでおるのですか。どちらです。
  105. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 恩給につきましては、住宅公団と同様にいたしております。
  106. 田中一

    田中一君 料金はどういう……。建設費からの算定でやるのか、建設費並びに償還期間というものを考慮されて、料率をきめるのか。一応の基準というものをもって考えられたものか……。
  107. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 料金につきましては、道路整備特別措置法の方に規定いたしておりまして、第十一条に、「料金の額の基準」という規定があります。これは第一項は、「料金の額は、第、二条第一項、第五条第一項又は第八条第一項の許可にかかる道路の通行又は利用により通常受ける利益の限度をこえないものでなければならない。」と規定いたしております。で、第二項に、「前項に規定するもののほか、同項の料金の額の基準は、政令で定める。」というふうに規定いたしておりますが、この政令の内容として考えておりますのは大体次のようなものであります。  一つは、一般的に料金の額は、通行もしくは利用の距離もしくは時間の短縮、道路構造の改良または通行もしくは利用の方法の変更に伴って車輌の運転費、輸送費、荷役費、積みおろし費、包装費等について、通常節約することのできる額をこえないもの、一つはこう考えております。  それから第二は、道路新設しまたは改築して徴収する料金の額は、前項の規定によるほか、その徴収期間における徴収総額が当該道路新設または改築に要する費用及び新設または改築にかかわる中務取扱費並びにこれらの財源に充てるための借入金の利子並びに当該料金の徴収期間内における料金徴収の事務取扱費、維持修繕費及び災害復旧費の合計願から政府からの補助金の願を差し引いた額をこえないように、これが第二でございます。その二は、総額のことをいっておるわけでございます。  第三は、公団維持及び修繕に関する工事に特に多額の豊川を要する道路維持、修繕及び災害復旧を特に行なって徴収する料金の額は、第一に申し上げた規定によるはか、その年間平均徴収総額が当該道路の年間平均の維持修繕費、料金の徴収の事務取扱費及び災害復旧費の合計額から年間平均の政府からの補助金の額を差し引いた額をこえないものとする。  ちょっとおわかりにくかったかと思いますが……。
  108. 田中一

    田中一君 そんなこと言ったって、わからない。そうじゃなくて、もっと……。そんな条文は言わなくてよろしい。今のやつを要約して、建設費と——私が質問しているのは、建設費をもとにして考えておるのか、あるいは利用者が受ける利益というものから考えておるのか、またそれを一緒に考えておるのか。そこのところをもっと短かい言葉で説明できるでしょう、料金をきめる場合の要素というものは。
  109. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 利用者の利益範囲内で考えております。それからもう一つは、その償還年限も考えてきめなければならぬわけでございますが、この二つをあわせて考えております。
  110. 田中一

    田中一君 第三十一条の業務上の余裕金の運用の問題ですが、これは究極どうなるのです。余裕金があった場合に、国債の保有、それから銀行への預金または郵便貯金しておけというのですが、究極どうなるのです、これは。どこかにありますか、この始末をつける条文がありますか、どっかに。
  111. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) これは二十五条に規定いたしておりまして、残余がありましたときは、積立金として整理することにいたしております。
  112. 田中一

    田中一君 積み立てておいて、究極どうするのです、それを。
  113. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 究極におきまして、積立金がたくさんになってくれば、それだけ償還が早くできるわけでありますから、償還が早くできれば、有料道路が早く無料になるということになるわけです。
  114. 田中一

    田中一君 そうしてなお究極余裕金が出てきたら、どうするのです。
  115. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) そんなに出す考えはございません。(笑声)
  116. 田中一

    田中一君 私はね、あなたが先般出した資料に基いて考える場合には、この公団よりも……。この臨時措置法にあるのですが、せんだって建設大臣が、一日も早く償還して無料公開の原則に立ち返るといった言明がありましたね、この間。これはどこにそういうことが書いてあるのです。
  117. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 明文には書いてございませんが、これは道路法の特例と考えておるわけでございます。道路法は無料公開が原則でございますから、むろんこれは特例として考えておるので、償還が終ったら一日も早く無料にしなければならぬという考えがあるわけでございます。
  118. 田中一

    田中一君 それはどこにもなくても、そういう考えでいいのだということだけで、いいのですか。せんだって建設大臣は、最後にそういう答弁をしていましたがな。
  119. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 料金を徴収する期間は、この道路整備特別措置法の第五条にきめてあります。こういう道路については料金徴収期間後においても料金をとり縛るということになっておるわけでございまして、料金をとり縛るものはこの第五条に規定されております道路だけで、その他の道路につきましては料金を引き続いて徴収することができませんので、これは無料になるということでございます。
  120. 田中一

    田中一君 今の八百名の人間をどこから使うかということ、どこから採用するかということは、これは非常にあなたの部下たちが——部下といいますか、地方にいらっしゃる方々が非常に心配しておるのです。この法案はどっちみち通るでしょうからね。(笑声)だから、もう人心の動揺のないように、一つ、これはしなければいかぬと思うのですね。またこの前の住宅公団の二の舞をすると、うるさいですよ。ちょうど春季闘争やっていますからね。そういうところはやっぱり先手を打って、動揺のないようにしなければいかぬですよ、これは。
  121. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) だんだん時間もたちましたから、午前はこれで休憩して、午後は一時半から再開することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  122. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) それでは、さよういたします。  これをもって休憩いたします。    午後零時十七分休憩      —————・—————    午後一時五十七分開会
  123. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 午前に引き続き、委員会を再開いたします。  第五章。
  124. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 第五卓について説明を申し上げます。  第五章は、監督に関する規定でございまして、公団に対する建設大臣の監督について規定しております。  第三十四条は、公団に対する監督の責任は建設大臣にあること、及び建設大臣業務監督命令を発することができる旨の規定であります。  第三十五条は、建設大臣公団に対する監督権行使の手段として報告を求め及び検査する権限について規定しております。  第五章は以上であります。
  125. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 質問はありませんか。——次に第六革。
  126. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 第六葦は補則でございまして、公団の解散、公団役職員の恩給に関する事項及び大蔵大臣との協議事項について規定しております。  第三十六条は、公団の解放についての規定でありまして、公団の解散に関する事項は、別に法律で定めることといたしております。  第三十七条及び第三十八条は、公団役職員の恩給に関する事項を定めております。  第三十七条は、昭和二十二年に恩給法の一部を改正する法律が施行されました際に、現に公務員であった者でその役公務員または公務員とみなされる者としての身分を保有している者が、公団役職員となり、将来地方公共団体職員となります場合には、恩給法の規定準用するものとし、また公団の成立の際に現に公務員または公務員とみなされる者である者が、公団役職員となり、将来公務員または公務員とみなされる者となります場合には、公団の在職年月数を普通恩給の基礎となる在職年月数に通算する旨を規定したものであります。ただし、公団役職員になりますときにすでに十七年以上在職して普通恩給の受給資格を持っている者については、これを適用しないことにいたしております。  第三十八条は、前条規定によりまして在職年月数を通算されましたところの公団役職員またはその遺族の恩給の支払いに充てる金額を、政令で定める基準と手続に従いまして、国庫または地方公共団体に納付することにいたしたのであります。  第三十九条は、大蔵大臣との協議事項、について規定しております。大臣は次の場合におきまして、すなわち、  一、予算事業計画及び資金計画認可、長期借入金、短期借入金及び道路債券の発行の認可、短期借入金の借りかえの認可道路債券の発行委託認可及び借入金等の償還計画認可をしようとするとき、  二、財務諸表の承認及び役職員の給与、退職手当の支給の基準を定めまたは変更するときの承認をしようとするとき、  三、業務方法書及び財務会計に関し建設省令を定めようとするとき、  には、あらかじめ大蔵大臣と協議することにいたしております。  第六章は以上でございます。
  127. 田中一

    田中一君 「公団の解散については、別に法律で定める。」とありますが、これは公団を解散しなければならないような時期が来たときには、単行法でこれを出すという意味ですか。
  128. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 言われるような意味でございます。
  129. 田中一

    田中一君 第三十七条並びに第三十八条は、前国会ででき上った日本住宅公団と同じ、少しも変らない、同じような規定でございますね。
  130. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 全く同じでございます。
  131. 田中一

    田中一君 この三十九条の規定ですが、長期借入金は、どこを予想しておりますか。
  132. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 長期借入金は、資金運用部の資金を予定いたしております。
  133. 田中一

    田中一君 短期借入金は……。
  134. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 短期借入金は、銀行でございます。
  135. 田中一

    田中一君 銀行というのは、特殊銀行ですか、それとも一般市中銀行ですか。
  136. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) どの銀行でもいいと考えております。
  137. 田中一

    田中一君 道路債券は、一般公募の形でやるのか、それとも、あるいは日本銀行なら日本銀行が引き受けて、日本銀行から売り出すという形にするのか。どういう構想を持っているのです。
  138. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 普通の銀行に引き受けてもらう考えでありますが、興業銀行でありますとか、その他の信託会社に引き受けてもらう予定にいたしております。
  139. 田中一

    田中一君 道路債券の大体の条件というものは、一応草案があると思うのですが、どういうものですか。
  140. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 額面百円の公団債を九十九円五十銭で売り出しまして、利率は七分五厘を予定いたしております。
  141. 田中一

    田中一君 期間は……。
  142. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 一年据え置きで、六年で償還する考えでおります。
  143. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 次は第七章に移ります。
  144. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 第七章について御説明申し上げます。  第七章は、公団役員または職員及びその他の者が違反行為をした場合の罰則について定めたものであります。
  145. 田中一

    田中一君 これも、この罰則の過料並びに罰金は、従来同じような種類の法人の場合と変っておりませんか。
  146. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 法務省と協議いたしまして、他の同様のものと同じようにきめております。
  147. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) では、次……。
  148. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 最後に附則でありますが、これは十九条にわたっております。  附則第一条は、この法律の施行期日を定めた規定でありまして、附則第十条及び附則第十一条の規定は、公団の成立のときから施行することとし、その他の規定は公布の日から施行することといたしております。  附則第二条から附則第八条までの規定は、公団の設立手続等について規定しております。  附則第九条の規定は、国の権利及び義務の公団に対する承継及び政府からの出資について規定したものであります。現行の道路整備特別措置法に基きまして、建設大臣がみずから行う有料道路の整備事業及び地方公共団体が行う有料道路の整備のための資金の貸付に関しまして、公団の成立の際現に国が有する権利及び義務は、昭和二十八年度における特定道路整備事業特別会計の歳出の財源の特例に関する法律第二項の規定により、特定道路整備事業特別会計から一般会計に繰り戻さなければならない繰入金にかかわる義務を除きまして公団が承継することとし、公団が国の権利及び義務を承継したときは、その承継の際における特定道路整備事業特別会計の資産の価格から負債の金額を控除し、さらに先ほど申しました繰入金に相当する額を差し引いた額は、政府から公団に対し出資されたものとすることにいたしたのであります。  附則第十条及び附則第十一条の規定は、特定道路整備事業特別会計法等の廃止及び同特別会計法の廃止に伴う経適措置を定めたものであります。  附則第十二条は、本則の第三十条の特例的規定でありますが、本則の第三十条の規定によりまして、政府から有料道路新設、改築、維持、修繕その他の管理及び公団管理する有料道路の災害復旧について補助される補助金のうち、道路整備費の財源等に関する臨時措置法第二条第一項に規定する道路整備五カ年計画にかかわる道路に関する工事に関連するものにつきましては、同法第三条第二項の規定にかかわらず、揮発油税の収入額の予算額の一部を財源として充てることができることとした規定であります。  附則第十三条から附則第十七条までの規定は、公団に対する非課税措置に関する規定であります。  附則第十八条は、行政管理庁の所掌権限といたしまして、公社及び他の公団等に対すると同様、日本道路公団業務の実施状況に関し必要な調査等を行うことができるように措置したものであります。  附則第十九条は、公団の設立に伴って必要とされる建設省設置法の一部改正でありまして、新道路整備特別措置法の施行に関する事務及び公団業務の監督その他この法律の施行に関する事務を建設省の所掌事務及び権限とするとともに、公団の使命の重要性にかんがみまして、公団の業物の監督に当らせるため、日本道路公団監理官制度を設けること等を規定したものであります。  以上でございます。
  149. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 何か御質問ありませんか。
  150. 田中一

    田中一君 附則第十九昂のうち第五条の四ですが、日本住宅公団の監理官は一人だったと思うのですが、どうして二人になったのですか。
  151. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 住宅公団も二名と承知いたしております。
  152. 田中一

    田中一君 今、だれだれがおりますか。
  153. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 宮前監理官、菅監理官と、二名おります。
  154. 田中一

    田中一君 これは大臣が次回に来たときに聞こうと思っておったのですが、現在当委員会に継続審議になって付託されておりますところの国土開発縦貫自動車建設法案、この考え方に対しては、これはむろん議員提案でございますが、今回政府が出したところの日本道路公団との関連には、どのような考慮を払われて提案されたかを伺いたい。
  155. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) ただいま参議院で継続審議になっております国土開発縦貫自動車建設法案につきましては、この法案の通過によりまして、必要な調査建設省において実施いたしたく、準備をいたしております。この日本道路公団では有料道路をやることになっておるわけでございまして、道路運送法に規定する自動車道は実施いたすことになっておらないのでございます。ただ縦貫自動車法案にいうような路線を、これを道路として設定し、有料道路として適格でありますれば、その道路公団が実施し得るわけでございます。
  156. 田中一

    田中一君 今道路局長は、現在参議院に継続審議になっております法案が、もしも有料道路であったならば、今度出てくる日本道路公団でもこれは仕事がなし得る。この法律範囲内に入っているんだという見解ですか。
  157. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 有料道路である限り、道路公団が実施し得ると解釈いたしております。
  158. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 引き続き、道路整備特別措置法案について御説明願います。
  159. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 道路整備特別措置法案につきまして、逐条説明申し上げます。  この法律案は本則三十条及び附則六条からなっております。  第一条は、本法制定の目的を明らかにいたしたものでありまして、この法律は、日本道路公団または道路管理者が行う有料道路建設維持管理等について、道路法に対する特例的措置を規定すること等によって、道路の整備を促進し、交通の利便を増進しようとするものであります。  第二条は、この法律を簡明ならしめるために、この法律における用語の定義を規定したものであります。  第三条第一項は、公団建設する有料道路の要件及び建設大臣の許可について規定したのであります。すなわち公団は一定の条件に該当する一級国道、二級国道、都道府県道または指定市の市道につきまして、道路法で定める道路管理権限の規定にかかわらず、みずからそれらを新設し、または改築して料金を徴収することができることとした規定であります。なお指定市とは、横浜市、名古屋市、京都市、大阪市及び神戸市を指すものであり、「次の各号に規定する条件に該当し」とは、第一号及び第二号にともに該当することを要する趣旨であります。  条件中第一号は、たとえば当該有料道路の通行または利用によって輸送距離を短縮したり、運転経費を節約することができる場合等であり、第二号は、原則として他に無料公開の道路があって当該有料道路の通行または利用が強制されない場合をいうのであります。  第二項は、公団有料道路建設しようとする場合における許可申請書の提出についての規定でありまして、公団建設大臣の許可を得ようとする場合には、同項各号に列記する事項を記載した申請書及び設計図その他の必要書面を添付することといたしております。  なお、公団建設大臣に許可を申請するに当りましては、第六条の規定により、申請にかかわる道路が一級国道または二級国道であるときは当該道路管理者と協議することを要し、当該道路が都道府県または市道でありますときは当該道路管理者の同意を必要といたします。  第三項は、建設大臣の許可基準を規定したものでありまして、「第一項に規定する要件に該当し」とは、第二項各号に規定する条件のほか、都道府県道または指定市の市道にあっては、当該道路新設または改築が国の利害に特に関係があると認められるものであるときという要件を含むことを意味し、「申請書に記載された事項が適正である」かいなかは、後に第十一条関係で説明申し上げます「料金の額の基準」その他のこの法律規定及び道路法特に第二節、これは道路構造についての規定でございますが、第二節及びこれに基く道路構造令等の規定に従って許可するかいなかを判断いたすこととなります。  第四項は、公団が同条第二項の許可を受けた後に、路線名及び工事の区間、工事方法工事予算、料金並びに料金の徴収期間を変更しようとするときは、あらためて建設大臣の許可を受けさせることととし、第五項は、許可事項のうち、工事の着手及び完成の予定年月日及び収支予算の明細のみを変更しようとするときは、届け出ることで足りるものといたしたものであります。  第六項は、有料道路建設の許可または許可要件の変更は、道路管理者の管理権に影響を与える結果となりますので、建設大臣はそれらの事項道路管理者に通知するものといたしたのであります。この規定が先ほど述べました公団道路管理者の協議または同点の結果を確認せしめる意義をも持つものであることは当然であります。  第四条は、有料道路維持管理の原則を定めたものでありまして、公団建設大臣の許可を受けて新設または改築した道路につきましては、道路法の維持、修繕及び災害復旧の権限に関する種々の規定にかかわらず、工事完成の日の翌日から料金の徴収期間の満了の日までは、公団が料金を徴収するとともに、当該道路維持、修繕及び災害復旧をいたす権限を有することを明らかにしたのであります。  第五条第一項は、前条規定する有料道路維持管理の原則に対する例外を規定したものでありまして、公団が第三条第一項の規定により新設しまたは改築した道路が、その維持及び修繕に関する工事に特に多額の費用を要する場合があって、かつ、当該道路道路管理者の財政上の理由等によって、当該道路管理者において維持及び修繕に関する工事を行うことが著しく困難または不適当である道路につきましては、公団道路管理者と協議しまたはその同意を得て建設大臣の許可を受けて、引き続いて、修繕等を行なって料金を徴収することができる趣旨を規定したものでありますが、本筋の適用についてはきわめて慎重でなくてはならないことは当然でありまして、目下のところ関門国道と明石−鳴戸間のフェリーボートがこの適用を受けるのではないかと考えられております。  第二項は、公団が前脚の許可を受けようとする場合の手続を規定したものであります。ただ、本項に規定する料金につきましては、本条の規定の趣旨からして、当然当該通路の維持、修繕費及びこれに付随する費用を償う額に限られることは申すまでもありません。  第三項から第五項までの規定も、第三条関係において御説明した趣旨とほぼ同様であります。  第六条については、第三条及び前条において説明いたした通りであります。  第七条は、公団が第三条から第五条までの規定により、建設大臣の許可を受けて道路新設もしくは改築または維持修繕を行います場合におきまして、当該道路道路法上の道路である関係上、道路法による道路管理者の権限との調整をはかる必要がありますので、公団が行使し得る道路管理権限を明定いたしたものであります、すなわち本条によりまして、公団は、道路に関する工事及び維持に密接不可分の関係にある十四の事項については、道路管理者の権限の一郎を行使できることといたしたものであります。  第二項は、第一項の規定により公団道路管理者にかわって行使し得る権限のうち、道路の区域の決定、変更、兼用工作物に関する協議、鉄道との立体交差の協議、道路予定地に関する許可等、本来道路管理者が重大なる利害関係を有するものの行使にあっての道路管理者との連絡調整を密接ならしめた規定であります。  第三項の規定は、第一項に規定する公団の権限の行使について、その期間等を明らかにしたものであります。  第八条第一項は、都道府県または市町村である道路管理者が行う有料道路建設等に関する規定であります。すなわちこれらの道路管理者は、公団有料道路として新設しまたは改築できる二条件のほか、当該道路新設または改築に要する費用の全部または一部が償還を要するものであるときに限り、建設大臣の許可を受けて有料道路新設し、または改築することができるとした規定であります。  第二項は、許可申請書の提出について規定したものであって、第三条において説明したところと同趣旨であります。  第三脚から第五項までは、第三条において御説明したところと同趣旨であります。  第六項は、本条の規定により新設または改築した道路のうち、指定市を除く市町村が行なったものについては、都道府県知事をしてその工事の検査を行わしめることといたしておりますので、当該都道府県知事にその間の事情を知悉せしめる趣旨の規定であります。  第九条は、有料道路工事の廃止についての規定でありまして有料道路は当初建設大臣の許可を得て権能を付与された事業でありますので、やむを得ない理由によりそれを廃止しようとする場合も建設大臣の許可にかかわらしめようとする趣旨であります。  第十条は、公団有料道路建設を行う場合には、本来の道路管理者の権限を排除しその権限を、代行するという建前をとっておりますので、その管理権の発生、消滅の時期等の関係事項を一般民衆に対して明らかにしておこうという趣旨であります。
  160. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) ちょっと、第十条までについて一応質問があれば……。
  161. 田中一

    田中一君 これは局長に伺いますが、結局これは日本道路公団、われわれが今まで審議していた問題の内容を実際にさせようというための規定に終始するわけですね、ここまでは、十条までは。
  162. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 十条までは、公団について有料道路建設管理をなし得る規定を置いたものでありまして、第八条だけが、これが道路管理者の行う有料道路について規定したものでございます。
  163. 田中一

    田中一君 この工事中の権限はどっちが持つのですか、管理者としての。
  164. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 道路管理者の権限を公団が代行することにいたしておりますが、第七条に列記されておりますようなものが公団が代行する権限でございます。そのほかの権限はすべて道路管理者にあるわけでございます。
  165. 田中一

    田中一君 交通上の問題はどうなります。交通上の問題は、この工事中その権限は公団に与えられるのか、与えられないのか。
  166. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この七条の十一号にございますが、「法第四十六条の」規定により道路の通行を禁止し、又は制限し、及び法第四十八条第三項の規定により通知すること。この法四十八条の第三項というのは警察署長に通知することでございますが、この十一によりまして工事中の交通については処置できることになっております。
  167. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 質問がなければ、引き続き第十一条から。
  168. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 第十一条は、建設大臣公団または道路管理者の申請に対し、料金について許可をするにあたっての基準を定めた規定であります。ここに「通行又は利用により通常受ける利益」とは、距離の短縮による運転経費の節約、舖装道路による運転経費の節約、構造の改良、平面交差の除却による運転効率の向上、他の施設を利用しないことによる経費の節約等を考えております。  第十二条は、料金徴収の対象についての規定でありまして、通常の場合は一定の車両からのみ徴収し、例外として、トンネル、橋、渡船施設、道路用エレベーター等一定の施設については、特殊の理由がある場合には人からも徴収することができる旨を規定したものであります。  第十三条は、料金の決定に際しましての運輸大臣の意見の聴取に関する規定でありまして、有料道路の料金が道路運転法による事業免許を受けた者からも徴収されるので、その運賃行政に携わる運輸大臣の意向を徴しようという趣旨であります。  第十四条は、公団または道路管理者が料金を徴収しようとするときの公告または公示について規定したものでありまして、この公告または公示によって、当該道路を通行しまたは利用する者は、料金の額及び徴収期間を了知いたすことになるわけであります。  第十五条は、有料道路に関する工事の中間検査及び竣工検査に関する規定であります。  第十六条第一項及び第二項は、前条規定による検査に合格した道路のうち、特に公団がこれから料金徴収を開始しようとする道路について、道路管理者の供用開始の権限の発動を円滑にならしめ、かつ、公団の料金徴収権と道路管理者の供用開始の権限との調整をはかる趣旨の規定であります。  第二項の規定は、道路管理者の固有の権限である供用開始について、完了検査に合格した後でなければこれを行使することができないものとし、施設の完全を期したものであります。  第十七条第一項は、第三条から第五条までの規定によって公団管理する道路について、道路管理者が自己に保留している権限のうち各号列記のものを行使しようとするとき、公団の意見を聞かなければならないものとし、これらの権限の行使が、公団の行う道路管理の実情に沿うこととなるよう配属いたした規定であります。  第三項の規定は、道路管理者は、第一項各号の権限の行使の結果について公団に通知することとし、公団との連絡を緊密ならしめんとする趣旨であります。  第十八条は、道路管理等につきまして、公団の権能が制限されておりますので、中業の円滑なる実施を期するために、道路管理者の権限の発動を求めてその協力を得ることができるよう配属いたした規定であります。  第十九条は、公団管理する道路については、その管理に関する費用は公団が負担するという原則を定めた規定であります。  この法難に特別の規定とは、第二十条、第二十一条及び第二十四条の規定をさし、日本道路公団法に特別の規定とは、同法第三十条の規定をさすものであります。  第二十条は、前に述べましたように、第十九条の例外規定でありまして、道路と他の工作物——堤防、護岸、ダム、鉄道または軌道用の橋、踏切道、駅前広場その他公共の用に供する工作物または施設、これが他の工作物でありますが、他の工作物が効用を兼ねるものであるときは、公団は他の工作物の管理者と協議して、その分担すべき金額及び分担の方法を定め、協議が整わないときは、建設大臣及び当該他の工作物に関する主務大臣——鉄道用橋については運輸大臣、たとえばそういうことでありますが、主務大臣に裁定を求めることができることとし、裁定の効力は協議が成立したときと同様の効果があるものと規定したものであります。  第二十一条の規定は、道路法第五十七条、これは請願工事に要する費用についての規定でありますが、それから第五十八条、これは道路工事に原因を与えた者の負担金に関する規定であります。それから第五十九条、付帯工事に要する費用についての規定と、第六十条これは他の工作物の管理者が道路丁半の施行命令を受けたときの工事費用についての規定であります。第六十一条、これは道路工事によって著しく利益を受けた者の負担金に関する規定であります。第六十三条、これは道路の占用工事の費用についての規定であります。及び第六十三条、これは以上の負担金の額の通知及び納入手続その他負担金に関し必要な事項を政令の規定に委任した規定でありますが、この規定準用して、これらの規定と同趣旨の費用分担を行わせようとする趣旨であります。
  169. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 以上の第二十一条までについて、質疑はありませんか。
  170. 田中一

    田中一君 料金の算定が「通行又は利用により通常受ける利益」、これはまあいいと思うのですが、距離の短縮による運転経費の節約とか、舗装道路による運転経費の節約、構造改良、平面交差の除却による運転効率の向上ということが書いてありますが、これは何ですか、料金算定の基礎という意味ですか。
  171. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 料金算定の基礎になるものと考えております。
  172. 田中一

    田中一君 そうすると、たとえどの道路にいたしましても、一級国道あるいは二級国道は舗装はしないのだ、それから距離の短縮はやらないのだ、勾配は直さないのだという前提のもとに考えておるのか。前回の委員会のことへ戻るのですけれども、選定しようとする有料道路の区域というものは、ほぼあなたの方では現在では考えられておるのですか。
  173. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 現在有料道路に対する計画を立てておりまして、具体的には今の考えでは約三千億くらいの有料道路の仕事があるというふうに考えております。
  174. 田中一

    田中一君 どうもこういう無料公開の原則から、今度はここに「通行又は利用により通常受ける利益」、これはまあ観念的な書き方でもって、いいと思うのですが、ただ具体的にこう書いて、かりに勾配を面さない場合、カーブを直さない場合、これは料金は安いというのですか高いというのですか。
  175. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 有料道路を作ったことによって生ずる利益一つに、曲線とか勾配等の改良による利益があるわけでございます。そこで、今一級国道、二級国道について、現在の道路はこの五カ年計画によって整備いたしていくわけでありますが、これにいっておりますのは、他に迂回する方法もあるわけでございますから、その迂回する道路と比較して、構造上曲線が大きくなる、勾配がゆるやかになるというようなことで受ける利益も、利益として勘定するのであるということをいっているわけであります。
  176. 田中一

    田中一君 何も載っかってない、からのトラックと五トン積んでいるトラックとの料金差はどうなります。
  177. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) これは、からであるのと載っているのとでは、料金に差をつけないように考えております。
  178. 田中一

    田中一君 そうすると、通行または利用によって通常受ける利益というものの算定に苦しむわけですよ、実際いうと。運送トラックならトラックが物を載っけて通れば、利益を通常受ける、からっぽならば、ただ近道をする、勾配がゆるい、カーブが少いということの利益だけなんですね。また今度道路に与える障害といいますか、五トン積んでいるトラックとからのトラックとでは、やはりその道路に与える衝撃というか何というか、損といいますか、こういうものが少い。それをやはり不公平に——公平のようで不公平なんですね。からっぽの方が道路に与える衝撃というものは少いのです。かりにこんどそこに、二十トンぐらいの大きなトラクターが牽引する大きな荷物が行った場合に、こういうものも考えた場合に、「通常受ける利益」というのは非常に段階があると思うのです。こういうことの規定はどこでもってこようというんです。
  179. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 車の種類によりまして料金は変えますが、同じ車が物を載せているか、からであるかによっては、料金の差を考えていないわけであります。お話のように、理屈から申しますと、道路に与える影響というのは、からである車と物を載せている車ではだいぶ違うわけでございますが、この有料道路の料金というのは、もしこの有料道路を通らなければ他の迂回道路を通らなければならないわけであります。その迂回道路有料道路とを比較して、有料道路を通ることによってどれだけ自動車利益を受けるか、その利益範囲内で料金をきめるという趣旨でありますので、まあ理屈はその載せたものと載せないものとの差はあるが当り前でありますけれども、それならばどのくらい載せたものがどうということになってくるわけでございますから、われわれとしましては、車の種類では料金を分けておりますが、同じ車で物を載せているか載せていないかでは、料金に差等をつけないように考えております。
  180. 田中一

    田中一君 トラックの上に乗用車を載せた場合にはどうなりますか、二台分とるのですか、一台分でいいのですか。
  181. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) トラックの上の乗用車は走っておりませんので、これは料金をとらない考えでおります。
  182. 田中一

    田中一君 どうも料金のきめ方というものが非常にむずかしいのじゃないかと思うのでですね、これは。それでここにやはり不公平があると思うのですね。おそらく国の所有するものが国家的な目的でそこを通る場合には、おそらく無料であるのは、今日でも通例ではないかと思うの、です。そうすると、一応道路を作って道路費というものを料金をとってペイしようと、そうして道路の整備をうんとやろうという場合、三十トンくらいの自衛隊の持つトラックがどんどん通った場合、料金をとらないのですか。この場合どうですか。
  183. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 防衛庁の車は、緊急自動車考えておりませんので、料金は徴収いたすことにいたしております。
  184. 田中一

    田中一君 では、アメリカ駐留軍の車は。
  185. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 駐留軍の車も、同じように、料金を徴収いたします。
  186. 田中一

    田中一君 では、はっきり確認しますが、国のものでも、道路局長が向うへ行った場合には、その車に乗った場合には、とるのですかとらないのですか。
  187. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 私は払っております。
  188. 田中一

    田中一君 そうすると、どの場合でもこの上を通る車は、アメリカ駐留軍であろうと、自衛隊の車であろうとも、一台幾らと、型によってきめるということなんですね。そうしますと、まあ荷物を搭載している、搭載していないの問題は、判定というか、計算に苦しむからやめるとしても、どのくらいの種類に分けますか。
  189. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 現在行なっておりますものについて申し上げますが、普通乗用自動車、それから普通貨物自動車、小型乗用自動車、小型貨物自動車、特殊自動車、乗合自動車、この乗合自動車は定期とその他に分けております。それから軽自動車、それから原動機付自転車と軽車両、このくらいに分けております。
  190. 田中一

    田中一君 そうすると、この中には三十トン、四十トンの駐留軍あるいは自衛隊の車は規定していないですね。どこに入りますか。
  191. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 特殊自動車考えております。
  192. 田中一

    田中一君 特殊自動車というのは、普通トラックと比べて、どのくらいの積載量の違いをもって特殊といっておるのですか。
  193. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 普通貨物日勤車と考えておりますのは、七トン半積みくらいのものを考えております。それ以上のものを特殊自動車といたしております。
  194. 田中一

    田中一君 これは、車輪の十二もついているような駐留軍の車がありますね、ああいうものもやはり七トン半以上のものだったら、同列になるのですか。
  195. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 同列に並べております。
  196. 田中一

    田中一君 区別する考えはないのですか、将来……。
  197. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 理屈から申しますと、もう少し重量によって料金もこまかに分けた方がよいかと思いますけれども、また徴収の面から考えまして、あまり繁雑でも困りますので、この程度が適当ではないかと考えております。
  198. 近藤信一

    近藤信一君 今田中君から料金の問題が出たのですが、私も実はその点について質問をいたしたいと思いますが、先ほどの利益を縛る云々という問題ですが、たとえば有料道路の問題にも当てはまると思いますが、この前局長が行きました衣浦橋の例をとってみましても、たとえばタクシーが、往きはお客を乗せて行くから、向うに渡ったらお客から利益を得る。帰りはからで来なければならぬ。あそこの場合には、普通の自転車も料金をとるわけですね。ある人が言っていましたが、自転車をかついで行けば、人間が通るのだから、無料になるのじゃないかという笑い話も出ている。そういう点で、非常に料金のきめ方あるいは基準というものがはっきりしていない、こういうふうにも思うのですが、いかがでしょうか。
  199. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 私どもの考えでは、料金の基準は政令で定めることにいたしておりますが、それではっきりさせたいと考えております。そこでお話の、たとえばタクシーが、往きはお客さんを乗せて行ったが、帰りはからで帰って来るという場合、これは料金を変えた方がよいのかもしれませんが、しかし、からで帰りましても、他の迂回路を通るよりは利益があろうと思いますので、その範囲内できめるということにいたしておりますから、どうもそこまで区別できないと考えております。
  200. 近藤信一

    近藤信一君 結局帰りには迂回して行くガソリンだけの問題になるのですが、たとえばガソリンの代金とこの道路に支払う代金と、あまり差異がない場合があるわけですね。そういう点なんかで、非常にあそこは通りたいが、料金が高いから、ガソリンは大したことはないということで、回らなければならないという、距離的にも遠いという場合があるのではないか。こういう点で非常に料金が高いのじゃないかというような例も、話もあるわけなんですが……。
  201. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) ごもっともなお説と考えますので、政令をきめる際にもう少し研究いたしたいと思います。
  202. 田中一

    田中一君 現在やっているものは何でやっているのですか、回数券を使ってやっているのですか。
  203. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 回数券も定期券も使っております。
  204. 田中一

    田中一君 定期のパスなどは全部前納かなにかでやって、一々切符の授受をするということをしていないのですか。しているのですか。
  205. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 料金は前納することにいたしております。回数券の場合は、その回数券を一々授受するわけでございますが、定期の場合は、その定期券を見せるわけでございます。
  206. 田中一

    田中一君 三重の有料道路、この入口なんですが、ずいぶん狭いのですが、今の二十トンくらいの車が通るには通れないのですが、そういう場合どうするのですか。
  207. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) お話は、有料道路でない道路のことかと思います。
  208. 田中一

    田中一君 有料道路のことです。入口が非常に狭いですね、あそこは。
  209. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) これはそういうのは通れるように初めからしておかなければならぬと考えますので、よく調査をいたしまして、その辺は処置いたしたいと考えます。
  210. 田中一

    田中一君 二十条をもう一ぺん説明して下さい。「道路が他の工作物と効用を兼ねるもの」という場合には、その建設地の費用の分担という意味ですか。
  211. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 建設費の分担についてきめてあるのでございます。たとえば堤防と道路と兼用をしているという場合のことであります。
  212. 田中一

    田中一君 そういう場合を想定して響いたのですか。そういうことが、現在あなたの方のお考えにあるのですか。
  213. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) これは道路法にこういう規定がございまして、実際にこういう場合はしばしば起る問題でございます。
  214. 田中一

    田中一君 たとえばダムの上の、何というのですか、橋というのですか、こういうものとか、それから提防とか護岸とかいうものは、効用を共にするなんということの場所を、有料道路にしようという考えを持っているのですか。それとも、そういう場合があっちゃ困るから、一応こういう規定を置くという考えなんですか。
  215. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 有料道路も、橋などの場合には、堤防を兼用する部分が取りつきのところには出てくるわけでございます。そういうことを予想いたしておりますので、こういう規定を設けたわけでございます。
  216. 田中一

    田中一君 橋は橋でわかりますがね。橋から続くところの提防まで有料道路にしようという考えを持つのですか。私は堤防などは何か、有料道路にするしないにかかわらず、なくちゃならぬと思うのですよ。それが多いと思うのですね。そういう例外規定として、こういう場合があった場合に困るから、これを規定しておくということなのか。橋を作る、橋と続いて何キロでも堤防をやはり有料道路にするのだ、という考えが持てるかどうかが問題なんですよ。そういう場合があると困るから、こういう規定を置くというのか、事実において橋は一応よろしいのでございます、有料道路でも。けれども、橋から続くところの堤防ですね、これも有料道路として日本道路公団がやろうというつもりでやっているのか。そこのところが非常に私は問題だと思うのですがね。そういうところもやろうというつもりなのか。
  217. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) どうも私の説明が悪うございました。橋のときの堤防というのは、その取りつきの道路が堤防とクロ穴するわけです。その部分だけのことについて言ってるわけなんで、その橋と堤防を一緒にやろうというそういう考えではなくて、堤防を越さなければなりませんから、その部分のことについて申し上げているわけです。
  218. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 引き続き、第三十二条。
  219. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 第二十二条の規定は、前条において列挙いたしましたところの種々の負担金のうち郵便その他国の事業または日本国有鉄道、日本専売公社、もしくは日本電電公社の行う事業の負担となるものにつきましては、これらの事業の公共性にかんがみ、かつはこれらの事業が全国的に事業を行なっておりますので、その協議を適正、迅速ならしめるため、負担金の額の決定及び徴収方法について、これらの基準を特に政令で定めることができることにいたしたのであります。  第二十三条の規定は、公団がこの法律規定により徴収する衣料道路の料金及び公団が第二十一条の規定によって課する負担金は、公団の収入とするものとするとともに、道路管理者が徴収する有料道路の料金は、当該道路管理者の収入とするものとし、費用負担に対応する収入帰属を明らかにしたものであります。  第二十四条は、本条も第十九条の例外規定であります。道路管理に関する費用は、前条のごとく、広範囲にわたるものでありますので、法律上の義務履行のための費用について、条理上は当然のことでありますが、明文をもって規定したものであります。  第二十五条は、公団が徴収する有料道路の料金及び前述の負担金について、公団に強制徴収の権限を与えた規定であり、公団の行う有料道路事業の公共性に立脚いたすものであります。  第二十六条は、擁護大臣が公団に対してする法令違反等に関する監督を規定したものでありまして、道路法第七十五条の規定に対応するものであります。第二十七条は、雑談大臣が公団に対し、有料道路管理に関し必要な勧告、助言または援助をすることができる旨の規定でありまして、建設大臣有料道路管理に関し、公団を監督する反面、必要な勧告、助言または援助を行うことができることにいたしたのであります。  第二十八条は、公団管理する有料道路の敷地等に関する規定であります。  第一項は、公団道路新設または改築のために取得した道路敷地等は、公団がその費用の全部を支弁する関係上、公団に帰属すべき旨を定めた規定であります。  第二項は、公団有料道路の用に供する国有の普通財産は、国有財産法第二十二条の規定にかかわらず、公団に無償で貸し付けることができる旨を規定したものであります。  第二十九条は、訴願に関する規定であります。  第一項は、公団がした第一号から第十号まで掲げる処分について不服のある者は、処分のあった日から三十日以内に建設大臣に訴願することができる旨の規定であります。  同様の規定は、道路法第九十六条に規定されているのでありますが、同条と相違いたしておりますのは、公団がする処分という点を考慮致しまして、直接建設大臣に訴願するよういたしたことであります。  第二項は、第一項の規定による建設大臣の裁決に不服のある者は、行政事件訴訟例法第五条第一項の規定にかかわらず、三日以内に限り、訴えを提起することができることを規定したものであります。  第三十条は、有料道路管理についての道路法の適用関係を規定したものであります。  第一項は、有料道路新設、改築、維持、修繕その他の管理については、本法に定めるものを除くほか、第五十条から第五十三条までを除いて道路法の規定の適用があるものとした規定であります。道路法の第五十条から第五十三条までと申しますのは、一級国道または二級国道の管理に関する費用、市町村の分担金または一級国道もしくは二級国道の新設または改築にかかわる負担金の納付または支出に関する規定であり、有料道路については、道路管理に関する費用についての国の負担なり、市町村の分担という考え方は介在する余地がないので、ことさら道路法第五十条から第五十三条までの規定を排除したものであります。  第二項は、公団管理する道路については道路法第十条第七十四条及び第八十五条の規定は適用しないこととする旨の規定であります。道路法第十条は、都道府県道または市町村道が一般交通の用に供する必要がないと認められる場合における道路の路線の廃止について規定したものであり、第七十四条は、都道府県道の路線の廃止変更及び国道の新設改築について、建設大臣認可によらしめている規定であり、第八十五条は、道路付属物新設、改築に関する規定であります。  第三項は、この法律規定により道路管理者の権限を代行する公団は、道路法中の罰則関係の規定の適用については、道路管理者とみなす旨の規定で、公団の代行する各種の権限について、道路管理者の行使する権限と同一の法律効果を持たせようというものであります。  最後に附則でありますが、これは、この法律の施行期日、旧法の廃止及び経過規定に関して規定いたしております。
  220. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 今読まれましたことに対して御質疑ございませんか。
  221. 田中一

    田中一君 この二十二条の国の行う事業云々と書いてあるものに対しては、これは事業費の負担のことをいっているのですか、それとも、何をいっているのですか。
  222. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) これは工事費の負担金のことでございまして、その基準を政令で定めることにいたしておるわけでございます。
  223. 田中一

    田中一君 河川法にも原因者負担ということが、最近、前々国会ですかで通って、現在ありますが、また今度提案される国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律案というのが今度出ますね。こういうものはやはり全部地方税をよくするために、固定資産税をつけようということになっているのですね。税金の問題だと思うのですよ。従って、現内閣の思想としては、日本国有鉄道であろうと専売公社であろうと、電電公社であろうと、やはり負担すべきものは負担するのだという建前に変更していったのじゃないかと私は考えておる。こういうふうに、理解しなければだめだと、こう思うのです。公社特例は道路法にあるかもしれません。しかし、こうしたものは自分の同じ、何というか、財政規模の中でありながら、今度の固定資産税もとるのだというようなことになると、こうした意味の扱い方というものはくずれてくるのじゃないかと思うのです。そこでどういう形で、負担金の決定の徴収方法とかあるいはその額、こういうものをきめようとするのか。何か案があるのですか、政令できめようというのは。
  224. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) ここでたとえて申しますと、日本国有鉄道との協議がございますが、これは現在の平面交差立体交差に直すというようなときの工事費の負担の割合をきめるわけでございまして、これは現在建設省と国有鉄道との間に協定がございますが、こういう協定について政令で定めることができるようにしたわけでございます。
  225. 田中一

    田中一君 河川法の改正では、はっきりと原因者負担ということになったはずなんです、改正して。この点、どう考えておりますか。かりに鉄道が敷いてあるにかかわらず、そこに交差する日本道路公団が敷設をする場合、当然これは新道路法によって立体交差にしなければならないわけですね。その場合に、協議という問題があろうと思います。それは道路法にあるのですか。
  226. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この二十二条の中に法第五十八条というのがございますが、これは原因者負担についての規定でございます。で、道路の上をたとえば鉄道が越そうというような場合、それは鉄道の工事でありますから、その費用については全部鉄道が負担しなければならない。
  227. 田中一

    田中一君 道路の上を鉄道を敷く場合——今度は鉄道があるにかかわらず、そこに交差するのに道路を敷く場合に、平面道路は設けられないですね。そうでしょうね。立体交差にしなければならぬでしょう。その費用は鉄道に負担させるというのですか。
  228. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 道路が新たに鉄道と交差しようという場合には、通路が原因者でありますので、全額道路が負担するわけであります。
  229. 田中一

    田中一君 逆の場合は。
  230. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 逆の場合は鉄道が負担するわけでありまして、従来平面交差があって、それを改良して、それをなくするという場合には、おのおの工事費について協定、協議した率で負担するわけであります。
  231. 田中一

    田中一君 二十八条の一項なんですが、むろんこれは公団道路を作るときには、最後は土地収用法に規定される方法が残されてあるわけですね。それでこれはやります。やって、そこに保有地といいますか、道路敷地が余った、余裕は敷地ができたとしますね。これはこうなっているでしょう、「公団道路新設又は改築のために取得した道路を構成する敷地又は支壁その他の物件は、公団に帰属する。」こうなっていますね。こうなっていると、その道路敷地そのものが全部公団の所有に帰属するのだということも、むろんこれは当然でありましょうけれども、そうでない場合があるのですね。ぎりぎりまでとっていないと思うのですね。橋から今度はカーブして道が曲る場合には、やはり余分な保有地、余分な土地をとっている場合はありませんか、そういう場合は……。
  232. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 原則としましては必要なだけの用地を確保するのでありますけれども、お話の場合のようなことがこれはあり得るわけでございます。その場合には道路法の九十二条によりまして、この九十二条の「不用物件の管理又は交換」という規定がございますが、この規定によって処置いたして参ることになります。
  233. 田中一

    田中一君 そうすると、この道路公団が持っている道路は、すっかり料金で建設省償還してしまったという場合、その帰属はどうなるのですか。
  234. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 償還を終りましても、通路用地は公団の財産であります。ただ、道路そのものは管理者に戻るわけでございますから、道路管理管理者がいたしますが、道路用地は、道路の敷地は、公団の財産として残ることになります。
  235. 田中一

    田中一君 この日本道路公団というものの新しい一つの人格は、結局永遠に続く所有権というものは設定されるわけですね。ここに先ほど言ったように、これを廃止する場合には、廃止する法律を出して廃止する。廃止した場合には、これはむろん当然国に帰属すべきその権利というものは、国が所有すべきものだと思うのですが、しかしながら今の段階では、この建設費というものを全部償還してしまっても、なおかつ道路公団はかつての有料道路というものの維持管理並びに所有権を持つということと解釈していいですか。
  236. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 敷地を持っておりますだけで、維持管理の権能はないわけでございます。
  237. 田中一

    田中一君 いや、償還してしまっても、償還してしまった場合はどうなりますか。建設費というものは。
  238. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 償還が終りましても、土地は財産として公団にあるわけでございます。
  239. 田中一

    田中一君 私はこう解釈しておりますがね。少くとも日本道路公団の設立というものは、日本道路公団のために設立するのじゃないのです。これは少くとも国定のために、国民の利便のために作るべきものなんでしょう。当然従って、国がすべきものだという議論、無料公開の原則というものは変っていないのです。そうして一切の問題を料金でペイして、もはやこの建設費というものは全部公団の、手段として公団を使って建設した道路並びにこの費用というものは、償還してしまったのだというにかかわらず、道路の所有権だけを道路公団が持っておるということなんかは、この日本道路公団の設立そのものに対する見解がわれわれ違ってくるのです。私は少くとも日本道路の整備ということが主眼となって、手段として日本道路公団というものが生まれたのである。同時に、かつ道路の整備をやり、その資金というものを国民大衆から吸い上げて、利用者から吸い上げて、それでそれを償還する。償還すれば、おのずからそれは国に帰属しなければならぬと私は考えておるのです。今のように、償還しようがしまいが、永遠に料金をとってやっていくなんというような考え方は、むろんこの法律じゃないと思います。思いますが、そうとも受け取れるようなことになるわけですね。私はこれは重大だと思うのですよ。日本道路公団がですよ、作り上げた道路の所有権というものを永久に持っておることはあり得ないのですよ。公共性というものは疑わしくなってくる。当然これは府県道なら府県にそれを帰属すべきです、終ったなら。国道なら国に移すべきです。あなたがさつき、ここに条文にもあるように、金を出して、費用を出してこの土地を買収したのだから、当然公団のものだという規定は、これはあり得ないのですよ。日本道路公団の設立は手段なんだ。これをもしそういう考えでいくならば、根本的にこの日本道路公団に対する認識を新たにしなければならぬのです。とうていこういうものは認められない。私はこう考えるのですが、どうなんですか、それは。
  240. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) これは道路敷地の所有は公団でありますけれども、これは所有権があるというだけでありまして、道路そのものは、これは償還したあとは、道路として道路管理者が管理して参るわけでございますから、この敷地はやはりこの公団事業をやって取得したものでございますから、公団の財産としなければならぬものかと考えております。
  241. 田中一

    田中一君 私は、こいつは不当なる財産です。日本道路公団はだれのために、何のために公団を作って事業を行うかということなんです。国民の利用者の負担によってこれはなされることになる、結論づければ。だから、法律の上にははっきりと、すっかり償還を終ったならば、都道府県道とみなすべきものは都道府県に、国道とみなすべきものは国に、市町村道は市町村に当然戻すべきが正しいのだと思います。新しい道路敷地所有者という一つの持てるものを、持てる団体を作るなんということは、ちょっと手段として、われわれが日本道路公団を認めようというこの際は、納得できないのですが、ことにせんだっても建設大臣は、国家財政が豊かになるならば建設というものを国が公共事業費として出して、そうして一日も早く無料公開の原則に立ちかえって、国民の利便に平等に公平に無料に供したい、こう言って、最後には、私が教えたらば、ちゃんと答弁したじゃないですか。あなた御存じでしょうそれは。それにかかわらず、まだここに……。何のために日本道路公団がその道路敷地というものを所有しなければならないか、了解に苦しみます。なぜ持たなければならないのですか。だれのために日本道路公団というものが今日設立されようとしておるのですか。
  242. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) これはまあ、有料道路償還したあとは使うわけでございますが、これは道路道路敷地は、この管理権者と所有権者が必ずしも一致しなくてもいいわけでございまして、たとえば道路法の第三条には道路の敷地の使用等について私権の行使を制限する規定があるわけであります。が、しかし所有権の移転、抵当権の設定は容易にされておるわけでございまして、この所有権者と管理権者と必ずしも一致しなくてもよろしいわけであります。公団といたしましては、そういう土地を有償で取得したわけでありますから、解散までの間は、それを財産として保有しておく必要があるわけであります。
  243. 田中一

    田中一君 日本道路株式会社と違うのですよ、これは。これに従事するところの従業員は国家公務員と同じような資格も与えようという配慮も払われているのです。全くこの手段として道路の整備をやろうというこの設立の理由からいえば、なぜ何にもならない道路敷地というものを道路公団が持たなければならないということは、了解に苦しむのです。法律でもって、都道府県道とみなされるものは都道府県に、すっかり償還したあとは、維持管理も一切の問題を都道府県にまかす、国道の場合には国にまかす、これこそ日本道路公団の設立の第一の公共性じゃないのですか。  まあ、この問題は局長に聞いてもしようがない、これは次の機会に譲ります。次に進めて下さい。
  244. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) では、次に、引き続き政府の御意見を……。
  245. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 附則第一条は、この法律の施行期日に関する規定でありますが、この法律日本道路公団法とは相互に関連する法律でありますので、公団成立の日にこの法律を施行することを予定いたしまして、公布の日から三月をこえない期間内において政令で定める日から施行することにいたしたのであります。  附則第二条は、現行の道路整備特別措置法を廃止する旨の規定であります。  附則第三条から第六条までの規定は、新法の施行及び旧法の廃止に伴う経過規定であります。  附則第三条第一項は、新法が施行されました際現に旧法の規定により建設大臣新設または改築している道路につきまして、その経過規定を設けたものでありますが、これらの道路につきましては、公団が引き続いて新設または改築を行うことにいたしたのであります。  第二項は、前項の規定により公団新設し、または改築することとなった道路に関しまして、公団は、公団の成立の日から一年以内に工事の完成の予定年月日、収出予算の明細、料金の額及びその徴収期間について建設大臣の許可を受けなければならない旨規定したのであります。  附則第四条は、新法が施行されました際旧法の規定により建設大臣がすでに料金を徴収している道路につきまして、その経過規定を設けたものでありますが、これらの道路につきましては、公団が引き続いてその道路維持、修繕その他の管理を行うことにいたしたのであります。この場合におきましては、旧法の規定に基き建設大臣が決定し、かつ告示した料金の額及び徴収期間は、公団が新法の規定に基いて建設大臣の許可を受け、かつ、公告した料金の額及び徴収期間とみなすことにいたしております。  附則第五条は、新法が施行されました際現に旧法の規定により道路管理者が新設または改築を行い、あるいは料金を徴収している道路についての経過規定であります。  第一項は、これらの道路につきまして、旧法第六条の道路管理者の行う有料道路についての根拠規定、第八条の貸付条件に関する規定、第九条の貸付金に関する報告及び検査の規定、第十条の有料道路の検査の規定及び第十三条の道路法の適用に関する規定を適用する必要がありますので、旧法の廃止後もこれらの規定は、なおその効力を有するものとしたのであります。  第二項は、新法が施行されました際、現に道路管理者が旧法の規定によって新設または改築を行い、あるいは料金を徴収している道路につきましては、その道路管理者と協議いたしまして、新設または改築中の道路にあっては、その新設または改築を、料金徴収中の道路にあっては、その維持、修繕その他の管理公団が引き継いで行うことができることにいたしたのであります。  第三項は、道路管理者との協議が成立いたしまして、公団道路管理者から引き継いで行うことになりました道路新設または改築は、新法の規定により公団建設大臣の許可を受けて行う新設または改築とみなし、また道路管理者との協議が成立いたしまして公団道路管理者から引き継いで行うことになりました道路維持、修繕その他の管理は、新法の規定によって公団が行う維持、修繕その他の管理とみなし、道路管理者が同法の規定によって告示した料金の額及び徴収期間は、公団が新法の規定によって公告した料金の額及び徴収用間とみなすことにしたのであります。  第四項は、第二胆の規定により道路管理者が協議に応じようとする場合におきましては、その協議の内容について地方公共団体の議会の意向を反映せしめる必要がありますので、その議決を必要とすることにいたしたのであります。  第五項は、第二項の規定により道路管理者との協議が成立いたしましたときは、公団は、その協議の内容について建設大臣に報縛しなければならないことにした規定であります。  附則第六条は、この法律が施行になります以前に旧法または旧法に基く命令によりまして許可、承認等の処分をし、またこれらの処分等に関し手続その他の行為がなされておることが予想されますので、これらの行為は、新法の中に、これに相当する規定があります場合には、新法の規定によってしたものとみなすことによって、その効力を存続せしめる措置を講じたのであります。  以上、本法律案条文逐条説明を申し上げた次第であります。
  246. 田中一

    田中一君 私はこの際政府に要求します。道路整備費の財源等に関する臨時措置法に基く五カ年計画、この五カ年計画はもはや政府はできておる。この路線の図面を調製願いまして、そうして現在三千億円かかるといわれておるこの公団計画路線というものをその図面の上にしるしを願って、本委員会に提出していただきたいと思います。
  247. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) お諮りいたします。大臣に対する両法案質問が残っていますが、本日は大臣が見えませんから、その点は次の委員会に譲りたいと思います。  なお、この両法案に対する質疑は終了したものと認めます。  ただし、ただいま田中天女員から要求されました資料委員会に提出してもらうことに、委員諸君の御意見、御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  248. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) では、その資料を提出してもらいます。
  249. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 先ほど有料道路計画として、どのくらい持っておるかと言われまして、約三千億ぐらいを今考えておると申し上げました。ただ、その三千億の内容を、この路線、この路線、どこどこであるというようなところまでまだ具体化しておらないわけでございますので、その点は、五カ年計画につきましては図面に入れることができますが、三千億円を図面にと申されますと、ただいまの段階ではなかなかむつかしいので、御了承願いたいと思います。
  250. 田中一

    田中一君 では、今まで完成した有料道路と、それから都道府県でやっているもの、直轄でやっているものとの色分けをして、出して下さい。同時にまた、この法案が成立した暁には、三十一年度は八十億というものが予定されておるのだから、この予定路線をともに記入して、提出願いたい。
  251. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 承知いたしました。
  252. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) ただいまの田中君の要望は、御提出願います。     —————————————
  253. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 次に、田中委員から政府に対して質問があるようでありますから、それを許すことに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  254. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) では、田中君。
  255. 田中一

    田中一君 私は計画局長がおいでになっておりますから伺いたいのですが、二月十四日並びに一月二十五日の読売新聞に、東京の第二区整理組合の不正摘発という問題が報道されております。  そもそも、土地区画整理法を本委員会審議するにあたりましては、耕地整理法を準用してやっておるところの当時の区画整理そのものに対する、新憲法下における精神を全く没却して、権力と権謀によって無辜の市民が左右されるというような、法の欠陥と申しますか、盲点を是正して、少くともこの整理をされるところの市民の利益のために新しい法律案が作られなければならぬということを強く要望をして参ったのであります。そして先年土地区画整理法が制定されました際にも、私の強き要望によって、旧組合は五カ年聞これを延期する、そうして五カ年たてば必然的に旧法に基くところの区画整理組合というものは解消されて新法に移らなければならないというような規定を盛り込んでありましたけれども、この際、少くとも行政施行の場合でも種々の問題があって、現に終戦後十カ年たった今日においても、まだまだ完全に戦災後の区画整理すら行われないときに、戦前からあるところの組合というものはいろいろな悪い要素を含んでおることは当然であって、これは五カ年の猶予期間があるけれども、少くとも新法の精神によってこの運営をはかるということは、当時の建設大臣並びに政府は言明しておるのです。  ところが、この新聞を見ますと、新興宗教であるところの立正交成会が周辺の約一万坪以上の土地を取得して、自分が主となって和田堀第二土地区画整理組合を作り上げて、そして少数の意思によって左右したという、不当な施行を行なったという事実です。これは現にその組合長、組合副長であるところの二人が、現在警視庁に逮捕されておる、虚偽公文書行使、背任容疑で逮捕されているという事実にかんがみまして、政府としては、かかる悪徳をなすところの土地区画整理組合に対しまして、どのような見解を持っておるか。最高の監督権を持つ建設省として、どういう見解を持っておるのか。またこれに対する調査を今日までなしておるかどうかという点について、第一に伺いたいと思うのです。
  256. 町田稔

    政府委員(町田稔君) 田中先生の御指摘の通りに、和田堀第二十一地区画整理組合におきまして、組合長及び副組合長が、公文書偽造、背任等の容疑をもちまして、逮捕、取調べを受けております事件が起りましたことは、監督官庁といたしまして大へん遺憾に存じておるところでございまして、まことに申しわけないと思っておるのでございます。  この区画整理組合の事件の内容につきましては、その後建設省におきましても、第一次監督官庁であります都庁の職員等を通じ、調査をいたしておるのでございまして、なお現在におきましても内容調査を続行いたしております。ただこの組合に関しまする正式の書類が全部現在警視庁に押収されておりますので、十分実態がつかめないうらみがあるのでございますが、現在におきましても、なおその他の写し等によりまして、できるだけの調査をいたしておる次第でございます。  なお今後こういう事態の再び起りませんように、組合施行の土地区画整理事業につきましては、第一次の監督官庁でございます各府県知事を十分督励いたしまして、厳重に注意をいたして参りたいと思うのでございまして、先刻も田中先生のおっしゃった通りに、新しい土地区画整理法の精神にのっとりまして、従来の旧組合につきましても指導いたして参りたい、このように存じておるのでございます。
  257. 田中一

    田中一君 私はこの新興宗教であるところの立正変成会の何たるかを存じません。従って、立正変成会の今日敷地になっておるといわれておる区画整理事業の全貌というものに対して、信教の自由の面において、立正交成会を一非難するわけじゃない。しかしながら、今日までこの被害者であるところの市民が調べたもの、それからこれを立証すべく収集しておるところの資料に基いて、告発した。それがやはり取り上げられる根拠があって、現に捜査中であるということは、これは今日はっきりしております。そして何ら補償もせずに、承諾もせずに、いわゆる狂信的な信徒の多数によって区画整理事業が遂行されたという事実、ことに国有地がこの中に千五百七十坪も含まれておる。これは払い下げをしたかどうか存じません。しかしながら、今の段階では払い下げがないという見方をわれわれはしております。それから東京都の所有地が六百五十八坪、これも同様であります。同時にまた、組合員の宅地が無条件で接収されておるという現状から見て、これはこのままで看過すべきものではない。むろん刑事的な責任というものは、この二人の整理組合長並びに組合副長の刑事事件として追及されるではございましょうが、三十坪、五十坪等寡少宅地を持っておる市民がこれをたてにとって、立正交成会——これは現在は立正交成会用地になっております——あるいは組合の役員を告発したところが、何にもならないのです。従って、もしこれが刑事事件となって処罰されたとしても、というものは是正されるものでない。一切の問題が不正不当なるものとして判決が下った暁には、最高監督官庁であるところの建設省は、これを原形復旧、元通り直すという決意があるかどうかを伺いたい。
  258. 町田稔

    政府委員(町田稔君) 今のお尋ねでございますが、現在刑事事件の容疑として取り調べております事件が、判決がありまして有罪になりましたといたしましても、それに基いて直ちに、必ずしもすべての組合がやって参りました事業が無効になるということは、今確定的に予測することはむずかしいと思うのであります。もし判決の結果、その及びます効力があるいは従来組合のやっておりましたことを全部無効にする結果になりましたといたしました場合には、これは組合自体におきまして、善後措置等につきまして各種の処置を講じなければならないと思いますが、場合によりますれば、その際には原形復旧等の問題も起ってくるかと思います。しかしながら、これは監督官庁である主務大臣がこれを命令して直ちにきめるべきことかどうかの点につきましては、なお研究の余地があるというように考えるのでございます。
  259. 田中一

    田中一君 私の調査したところによりますと、この和田堀の第二土地区画整理組合というものが、安井都知事がここへ来て調査した結果、昭和二十二年ごろに除外区域として指定されておるということが確認されているのです。で、昭和二十二年の十一月二十六日に内務、農林、戦災復興院の三次官から共同通達が出されていたかと思います。そこで九月十日にさらに係員を派遣して、全部これを見た上、農地買収のために禁止するということに決定したのは、当時の組合長の大高彦三郎君等ははっきりその示達を受けておる。そして組合は知事の指示によってさっそく解散手続をとって、二十六年の七月に組合財産たる事務所の敷地その他を全部処分して、清算を完了した。そしてその日をもって組合ははっきりなくなっておる。しかしながら区画整理事業というものは、告示に始って告示に終るというのが通例でございます。東京都知事が告示を怠っておったというために、新しく二十八年になって、おそらく知事が慫慂したのではないかと思うのです。これは真偽は知りませんけれども、聞くところによりますと、安井都知事もこの交成会の信者だそうでございます。そうして二十九年九月十二日に知事の、認可があったといって、新しい組合を作って、この聖業を強行しておる。私は現に現地視察に行って参りました。ほかのところはいざ知らず、この立正交成会という宗教団体使用しておるところの敷地は、全部完了しております。もうほかにないくらいです。  そうして、こうした内容を持っていながら、都知事がそれを告示しないからといって、まだ生きておるのだといって、再びこれを持ち上げたということが、はっきり証言あるいは証拠によってわかるわけなんです。現に二十四年十月に、地元におりますところの浅見竹造君というのが建築をしようとして、建築許可の申請をしたわけなんです。そうしますと、当時の建築局長石井桂君が、はっきりとこの土地は土地区画整理関係は全然ありませんということを指示しておる、公文書によって。こういう現状から見ても、これは石井桂君が間違ってめくら判を押したとは言い切れぬのです、公文書ですから。それが突如として二十九年六月十四日に、知事の認可があったとこういって、小数の人間が集まって、組合の設立を宣告し、事業を進めていくということは、これは何ら形の上においては、旧法からくるのですから、違法でないというけれども、このときは新しい土地区画整理法はできたはずです。こういう点から見ても、直ちに都知事の責任ばかりじゃなく、建設大臣にも相当大きな責任があるのではないか、かように考えるわけであります。もしも入用なら、私の集めましたところの資料並びに口述書などの証言等もお目にかけます。徹底的にこういう問題をわれわれが究明しませんと、われわれが一生懸命新しい法律を作った意義がなくなってくる。  そこで政府に伺いたいのは、現に刑事問題としての容疑を受けておる二人は逮捕されておりますから、これは事業はそのままストップしていると思うのです。また地元からもおそらく、工事を遂行するための、何といいますか、法律的な措置はとっておるものと思うのです。そこで建設省は、最高なる監督官庁として、新法を制定した責任者として、かかる区画整理組合のあり方というものに対して、一応刑事事件としての黒白がつくまでは、この事業を停止するというようなお考えはないかどうか。現に耕地整理法第八十三条には「主務大臣又ハ地方長官ニ於テ会議ノ表決又ハ整理施行者ノ行為カ設計書、規約又ハ法令二違反シ其ノ他公益ヲ害スルノ虞アリト認ムルトキハ会議ノ表決ヲ取消シ、組合長組合副長若ハ聯合会会長聯合会副会長ヲ解任シ、評議員若ハ組合会議員ノ改選、脚業ノ停止若ハ組合組合聯合会ノ解散ヲ命シ又ハ整理施行ノ認可ヲ取消スコトヲ得」。この旧法の条文のうちの「事業ノ停止」という措置をとる決意があるかどうか。これは冗談じゃございません。はっきり腹を据えて御答弁願いたいのです。
  260. 町田稔

    政府委員(町田稔君) こういう組合に対しまして八十三条の監督に関する規定を適用する必要が多いことは、今田中先生のおっしゃる通りでありますが、実はこの組合に関しましては、現在裁判所におきまして、組合名称使用とそれから組合長、副長、評議員の職務執行等に関しまして、停止の命令がすでに出ているわけでございます。そこで現在もうすでに裁判所のこういう命令が出ておりますから、従って事業が停止されているわけです。それで現在の状況からいたしますというと、法律上もうすでに事業が停止されているわけでございますので、この八十三条にいう「公益ヲ害スルノ虞アリト認ムル」ことが困難でございまして、八十三条の規定は、現在この規定に基きまして事業の停止を行政上命じますことは、必要がないというように感ずるのでございます。
  261. 田中一

    田中一君 裁判所がそういう事業執行を停止しているというから、現在では屋上屋を架する必要はない。しかしながら、もし裁判所がそのような決定をみない場合ならば、計画局長はどういう措置をとったろうと考えますか。
  262. 町田稔

    政府委員(町田稔君) 裁判所におきましてこういうすでに処置を命じておりますが、そういうことがなかったといたしました場合には、もし八十三条に書いてございますような、整理施行者の行為が設計書、規約または法令に違反しているといたしまするならば、事業の停止等も命令したことがあり得たと思うのでございます。
  263. 田中一

    田中一君 そういう抽象的なことを言って、観念的な議論をしているから、善良なる市民がいつもこういう目にあうのです。事業をとめて、調査をすることも可能なんですね。では、今まで耕地整理法でもってこの八十三条を適用した例がございますか。ないでしょう、おそらく。
  264. 町田稔

    政府委員(町田稔君) ございません。
  265. 田中一

    田中一君 だから、こういうような犠牲者がたくさんできるのです。もう一ぺん聞きます。検察庁が取り上げているような問題になったから、初めてもしも裁判所がそれを決定しないならば、あり得るなんていうなまぬるいことを育っているんでしょう。実際そういう問題が起きた場合には、まず事業停止をして、後に調査をするのでなければ、完全な調査はできないのです。悪いことをするやつは、十分にちゃんと裏を用意に用意をして、悪いことをするのです。私はこの際もう一ぺん伺いますが、このような事態というものはほかにもあるかもしれません。こういう点について、今後とも新法の精神にのっとりまして現在あるところの眠っておるような区画整理組合に対して、急速に直ちに実態調査をするという意思があるかどうか。それも、こんな長いことやっていたんじゃ、たまりません。東京都に命ずるばかりでなくて、新法を提案したところの建設大臣に、自分の方の手を使っても実態調査をする意思があるかどうか、伺いたい。
  266. 町田稔

    政府委員(町田稔君) 今後、各旧法によります組合につきましては、十分なる調査をして参りたいと思います。
  267. 田中一

    田中一君 東京に現在、旧法によるところの区画整理組合は幾つあるのですか。
  268. 町田稔

    政府委員(町田稔君) 大体東京都内に約二十組合ございます。
  269. 田中一

    田中一君 その二十組合は活動していますか、しておりませんか。
  270. 町田稔

    政府委員(町田稔君) 十分調査をして参っておりませんので、はなはだばく然たることを申し上げて恐縮でございますが、大体七割程度の組合は現在活動をいたしておると思います。
  271. 田中一

    田中一君 叫びこういうことのないように、和田堀第二組合の方々の犠牲の上に立って、無異の良民がボスの跳梁にまかせられて犠牲を受けないように、いつまでに、その二十の組合に対する調査を当委員会まで、調査を完了して報告してくれますか。
  272. 町田稔

    政府委員(町田稔君) 実は組合の調査に、書類等の関係もございまして、どの程度の日数を要しますか、今直ちに私想像がちょっとつかないんですが、誠意をもちまして極力早く調査を完了いたすように努力いたしたいと思います。
  273. 田中一

    田中一君 それはお願いします。それから和田堀第二区画整理組合の実態について、これから東京都を通じないで、最高の監督権を発動して実態調査をする意思がありますかどうか。
  274. 町田稔

    政府委員(町田稔君) 建設省におきまして直接調査をいたします。
  275. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 本日は、これをもって閉会といたします。    午後三時五十五分散会      —————・—————