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1956-02-16 第24回国会 参議院 建設委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年二月十六日(木曜日)    午前十時三十八分開会     —————————————   委員の異動 二月十四日委員三好英之君死去され た。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     赤木 正雄君    理事            石井  桂君            小澤久太郎君    委員            斎藤  昇君            酒井 利雄君            西岡 ハル君            近藤 信一君            田中  一君            北 勝太郎君            村上 義一君   国務大臣    建 設 大 臣 馬場 元治君   政府委員    建設政務次官  堀川 恭平君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    建設省道路局路    政課長     宮内 潤一君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○道路整備特別措置法案内閣送付、  予備審査) ○日本道路公団法案内閣送付予備  審査) ○参考人出席要求に関する件     —————————————
  2. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) ただいまから委員会を開会いたします。  法案審議に先だちまして、三好委員が逝去されましたので、つつしんで哀悼の意を表します。  また参議院建設委員会一同、弔電を送っておきました。なお委員会といたしまして花輪を一基贈ろうと思いましたが、辞退されるので、議長、副議長同様に、香華料といたしまして三千円を贈りたいと考えています。これに対して皆さんの御賛同をお願いします。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) なお、つけ加えて申しますると、十六日の四時、霊柩車青松寺へ、七時から九時、同等において一般通夜、十七日の零時半から二時まで葬儀、二時から三時まで告別式、これは青松寺において行われますから、これも御通知申し上げておきます。     —————————————
  4. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 政府委員といたしまして堀川政務次官が見えています。  なお、宮内路政課長説明員でありますが、説明員説明させることに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 富樫道路局長は今衆議院の建設委員会出席していますので、向うの審議都合によって、大臣同様、あとで御出席を願う方針であります。  では、これから前回に明き続きまして、道路整備特別措置法案日本道路公団法案、この二つ法案の内容について政府説明を聞きます。
  6. 田中一

    田中一君 これは政府説明だけ一応聞くのですか。それとも、その間に一章ごと質疑をするようになるのですか、どうですか。
  7. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) これはいろいろの方法がありますが、まず一章、一章。ただ説明は、大体の方針はこの間聞きましたから、章を追うて質疑をおやりになった方が審議の進行上いいのじゃないでしょうか。
  8. 田中一

    田中一君 私は従来から、要綱に基いて大体の説明は聞いたわけです。逐条の場合には、この法律条文の問題であって、総括的な質問はやっぱりしておかなければいかぬと思うのです。従って、各市ごと説明よりも、総括質問をまず先にしたいと思います。それから逐条審議に入ってもいいのじゃないかと思うのです。
  9. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) お諮りいたします。田中委員はまずもって総括質問をしたい、それから各章ごと逐条審議に入りたい、こういう御意見でありますが、皆さん、いかがでしょう。
  10. 石井桂

    石井桂君 その方がいいと思います。
  11. 村上義一

    村上義一君 私もその方がいいと思います。
  12. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) では、田中委員提案通りに、総括質問を始めます。
  13. 田中一

    田中一君 これは政務次官が見えておりますから、われわれは新しい道路法が制定された当時から、少くとも公道というものは無料公開原則というものが確立されなければならぬと思うのであります。またどっち道、旧道路法におきましても、新道路法におきましても、その精神というものは一貫して貫いておるというのが原則であります。ことに欧米その他では、有料道路等が多く用いられておるということを聞いておりますけれども、これはやっぱりその立地条件と申しますか、あるいは利用度というものの経済的な効率、負担し得るという観点から、発達したものじゃないかと思うのであります。日本のような国では、これがそのまま原則として通用することはないと思うのです。従って、日本道路公団がやる仕事というものはおおむね有料道路ということになっておりますけれども、この無料公開原則というものに対して、これを修正しようというような政府意図、いわゆる原則というものを変えようというような意図はどこから来ておるものか。同時にまた、そのような形のものがあらゆる日本公共施設の上にもたらされた場合には、結局利用する場合、金がある者は使えて、金がない者はこの公共施設を使えない。従って、こういうものがふえてくると、一面において物価の高騰を来たすということは、これは間違いないのです。いわゆる国民生活というものはそれだけ負担が重くなるということは、これは間違いないのです。それで政府としてはどういう見解、それから将来日本産業というもの、少くとも公共施設というものに対する考え方はどこから出発しようとするのか、これをまず伺いたいと思います。
  14. 堀川恭平

    政府委員堀川恭平君) 御承知のように、御説ごもっとも田中さんの言われる通りでありまして、昔から公道は天下の公道というて、だれはばからず通れたもので、これに料金をとるということは、これはもうほんとうの意義がなかろう、私もさように感じるのであります。ところが、御承知のように、ガソリン税をとって目的税としてやっても、五カ年計画でいわゆる二千六百何億円要るというのが、現在三年目でも四〇何%しかはかいかないというような貧弱な現状では、道路利用相当頻繁になってきた今日では、てとも国民の意思にマッチするほどの道路ができないのじゃなかろうか。また産業が発達し、輸送力相当大きくなっておる今日、そういう五カ年計画でもまだ、三カ年で四〇何%しかはかいかないというような現状では、どうにもならない。また政府の現在の予算では、とうてい政府支出だけでは、橋梁とかあるいは十分なりっぱな道路ができないのじゃなかろうかというような点から、これが出発してきておるのではなかろうか、かように私は考えるのであります。なおそういうことが目的であって、金をとるということはむろん、御承知のように、トラックに一台五百円あるいは千円とるような関門トンネルのようなものができて、千円もとるということになれば、相当物価が高騰することはこれはわかり切った話でありますが、しかし考えによりますと、船に載すとかなんとかして積みかえるというようなことから考えると、またそうでもなかろうという考えも起るのであります。相当苦しい日本財政では、こういう欧米でやっておられるのにヒントを得てやられたものかと思いまするが、こういう方法でなけりゃ、相当道路整備はできないのじゃなかろうかということが、まず第一の意義じゃなかろうかと、かように考えます。
  15. 田中一

    田中一君 私たちガソリン税を大幅にとって、そうして道路整備しようなんという、そんなことは希望しておらないのです。政府は一応国の財政規模の上においてこの道路整備というものを等閑に付すから、やむを得ずあのような五カ年計画をもって、ガソリン税相当額道路に持ってこようということは、はなはだ愉快ではない、あるいは心の中では望んでおらないのです。従って、その前提から見ても、あなたが今言ったように、国の財政、今日の財政規模の上からいってはできないから、有料道路にするのだということは、これは一つの現在の現象であって、根本的な道路政策というものから割り出したものじゃないのです。従って、政府としては道路政策というものに対してどういう見解を持っておるか。基本的な見解です。  道路というものはすべて民間にこれを移譲して、民間がこれを築造する、そうしてことごと利用者から金をとるという、いわゆる資本主義経営に持っていこうというのか。あなたの政府意図というものはどこにあるのか。しかしながら、日本ばかりじゃないのです。世界共通です、これは。道路にしても何にしても、これは国民のものなのです。政府のものじゃないのです。従って、道路に対する無料公開原則というものを破って、今後どういう方向に道路政策というものを持っていこうとするのか。私、考えを聞いておるのです。ただ現象をとらえてどうこう言っているのじゃないのです。基本的な道路に関する政府考えというものを明らかにしていただきたい。
  16. 堀川恭平

    政府委員堀川恭平君) 前にも申し上げましたように、無料公開原則ということは、これはもう古来からそうだったろうと思うのであります。道路整備ということになりますと、何と申しましても、先だつものは財政であろうと思います。その財政の貧弱によってこうするとかああするとかいうことは、また別問題でありましょう。御説ごもっともと存じまするが、それに対して現在政府としてはどういうつもりでやったかということになりますと、私は、御承知のように、政務次官でありまして、大臣の域に達するような御答弁をすることは差し控えたいと存じます。大臣が来たときに一つ質問下さることとして、どうぞ御了承願います。
  17. 田中一

    田中一君 今堀川政務次官は、自分は当の責任者でないから、大臣が来たときに聞いてくれというから、質問は保留します。  それでは路政課長に伺いますが、これはどの辺まで延ばすつもりでおるのか。この法文ではわからないのです。あなたが立案したかどうか知らぬけれども立案者として、日本の悪い道路というものはことごと日本道路公団に持っていって、そうしてこれは一番簡単ですよ。料金をとって全部利用させるならば、これは国なんか要らなくなっちゃうのです。国の資金なんか要らないのです。ペイできるのです。ましてや、財政投資または国民から吸い上げるところの、持たすところの債券でもってまかなうというのは、長いこれは一定の期限が、長期資金ですから、楽なものですよ。そうしてやっていて、どの辺までのものを将来やるのか。日本じゅう道路というものをことごとく全部有料道路にするなら、これは一番早いです。そういうつもりで考えておるのか。もはや道路政策については政府はお手上げだ。従って、国民、お前たちが、自分たちがやれというような意図で、出発しているのか。君は立案者ですか。それならばどういう趣旨でやっているのか、説明して下さい。
  18. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) 今田中委員からお話がありましたような考えをとっているのでありまして、 ことし道路の、無料道路を作る予算が三百四十億くらいあるのでございますが、この有料道路として公団経営しようという資金は約八十億、こういうことでございます。従いまして、全体のせいぜい二割あるいは一割五分というような程度、つまり無料公開道路を補充するという意味でこの法案を書きつづったわけでございます。さよう御了承を願います。
  19. 田中一

    田中一君 数字というものは、八十億を二千億にしてもこれはいいのです、この法案で。では、もう財政、岡の道路整備に関する費用のうちの二割だけを公団がするのだということを規定する意図がありますか。あなたがそういうことを言うならば、将来ともに国が施行する道路整備というものと見合って、そのうちの二割だけが日本道路公団のものであるということを規定してもよろしいのでございますか、そういう意図ならば。
  20. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) 一割にするか二割にするか、そういう数字の問題は別といたしまして、あくまでも大部分は無料公開道路を建設する。ただ非常に絶対額が足りませんので、やむを得ざる措置としてこういう有料道路の制度を発展せしめた、そういう意図でございます。
  21. 田中一

    田中一君 そうすると、これは一千億にする場合も想定されますね、あるいは一千五百億にする場合も想定されるわけですね、この法律によって。
  22. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) かりに有料道路に一千億というような仕事をするときが参りまするならば、おそらくそのときは無料公開道路は五千億なりあるいは一兆円を投ずるような規模のときであろうと。それしかあり得ない、このように考えます。
  23. 田中一

    田中一君 そうすると、国が施行する、財政で施行するもの以外は、このいわゆる公団法のねらいというものは、一番初めには二割にしかすぎないというのですね。将来とも二割程度に押えるというつもりで作文したものですか。
  24. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) さようでございます。
  25. 田中一

    田中一君 これはまあ官内君に聞いてもしようがないが、大体において二割程度のものをやるのだ、どの場合でも、というような意図で作られたものなら、この法文のどこにそれが明示してありますか。
  26. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) 先ほど政務次官が御答弁申し上げました通り道路というものは無料公開原則であるということは自明の理である、かような観点から、特に条文を設けてそういう制限をするというようなことはいたしておりません。ただし、有料道路をどこでもやれるということにはいたしておりませんので・たとえば特別措置法の第三条をごらん願いますならば・有料道路として新設しあるいは改築し得る場合について、相当厳格なる規制をいたしておりますのであります。それによって、立案者といいますか、当局といいますか、そういう意図を御推察願いたいと、かように思っております。
  27. 田中一

    田中一君 私は御推察なんかしないですよ、君の方からの説明を求めているのですから。もし推察せいというなら、はっきりその説明する材料を出したらいいのです。従って、三条に規定しているというものがどの範囲で現在残っている、日本整備しようとする道路のうちどのくらいあるか、わかっていますか、どのくらいあるかということが。
  28. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) まあどのくらいあるかということは、ペイの問題その他の問題とにらみ合せて、いろいろ考えなくちゃならないことであります。特に事業資金との関連において考えなくちゃならないのでありまするが、私どものところの考えは大体、何年間かかってやるかは別といたしまして、三千億程度有料道路としての適格個所がある、かように考えております。これは、ただし、十年かかるか、二十年かかるかは別問題であります。
  29. 田中一

    田中一君 そうすると、何年かかるかしらぬけれども、三千億程度のものはすべて日本公団有料道路で作りたい、こういう意図があるわけですね。
  30. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) 作りたいと申しますか、むしろ一般財源が大いに投入されまするならば、必ずしも有料にする必要はないわけでございます。もし今の程度一般財源しか割り当てられないということならば、適格個所としてその程度あるという、こういう意味でございまして、それをやるかやらぬかということは別であります。  なお、この三千億という中には、問題になっておりまする東京・神戸間の高速自動車道路費用を大体千五百億円と見まして、それを数えての数字でございます。
  31. 田中一

    田中一君 私はもう宮内君に質問しません。あと大臣が来たら、します。失礼しますから、どなたか……。
  32. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) ほかに一般質問ありませんか。
  33. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) この前、田中議員から資料要求がございまして、そのうち二つほどは私どもの所ですぐできますので、今日お届けいたしたのでございまするが、これについて、もし御質問がございますれば、政府としてはお答えいたしたい、かように考えます。
  34. 石井桂

    石井桂君 ちょっとこの表を説明していただいた方がいいと思います。
  35. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) この表の説明を願います。
  36. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) お手元に二枚紙をお配りしてありますが、一つは「有料道路収支現況について」、それからもう一つが「特定道路整備事業現況」、かように相なっておりまするが、特定道路というのは有料道路のことでございます。一枚紙でございますので、誤ってごらんなさるとお互いに大へんだと思いまして、見出しをわざわざ書いた、かような次第でございます。  まず第一に、横の数字になっております「有料道路収支現況について」。これはすでに完成いたしまして料金を徴収いたしておりまする道路について、今まで投入した資金料金徴収状況、それが予定とどのくらいになっておるか、こういう一覧表でございます。  以下この表について御説明申し上げますると、すでに完成いたしました有料道路は、三重以下そこに書いてありまする十三がございます。このほかに最近、つまりこの二月一日から愛知県の濃尾大橋及び衣浦橋完成いたしておりますが、これはまだ二月からでございますので、数字にまとめるのはいかがかと存じまして、省いてございます。  そこでこの表をごらんになりますと、一番左にその道路名前、それからその次に今まで投入いたしました工事費、これが書かれまして、次にいつから料金をとり始めたかということを書いてございます。一番早く、三重有料道路がすでに二十八年の十二月一日から料金徴収をやっております。そうして昨年の十二月一日とございますが、これは誤りでございまして、十二月末でございます。十二月末までにそこに書いてあります通り収入を、四月から九百四十五万というような数字になっております。それからそれを一日平均にいたしますると、三万四千円程度収入がある。これに対して当初の計画は四万六千円であったので、実績はO・七四、つまり七割四分程度実績になっておる、こういうことでございます。なおその収入に見合うものといたしまして、工事費を除きまして料金徴収費用、これが四百万円ほどあります。それから維持修繕をいたさなければなりませんので、そのために使った費用、これが上っておるのであります。  かように見て参りますると、非常にでこぼこがあるわけでありまして、たとえば右から三つ目パーセントのところをごらん願いますると、三重では計画に対して七割四分、明石の方は六割四分、徳島は五割三分、こういうように低いところもございますが、その次の日光に参りますと、一一〇%という工合に、目標をオーバーしておる。次の鳥飼は四五%、それから小田原下田とありますが、これは全線ではございませんで、そのうちの一部、縄地、その地区だけやっております。そこでは六〇%。それから広島−浜田、これは幕の内隧道でございますが、これは五割六分。それからこの近くでは一級国道にございます戸塚が九割三分。戸塚は一〇〇%をこす場合もございまするが、この表には九割三分ということになっております。次に九州佐賀県の住ノ江橋及び富山の立山など、立山は一部完成でございますが、これらは三割一分。非常に低い率になっております。それから静岡県の掛塚橋が五割三分。それから福岡、佐賀県の県境にかかっております大川橋は一二二%、それから西海橋、これは十一月から徴収したのでまだ実績が非常に上っておらないのでありますが、これはまあ一カ月か二カ月でございますので、かような一一%という数字になっております。ただし、最近におきましてははるかにもっと上っております。これが今までに完成した有料道路経営上といいますか、公団がやれば経営上の数字となる表でございます。  次に、「特定道路整備事業現況」というもう一枚の紙がございまして、二段に書いてあるわけでございます。上の五つは直轄でございます。直轄というのは、要するに建設省が直接建設しておる所であります。それから貸付というのは、現在の特別措置法の第七条の規定に基きまして、建設省府県に金を貸して府県に作ってもらうと、こういう道路でございます。  この表で直轄は五つあることになっておりますが、そのうち直轄一群下京葉国道、これは東京−船橋をつなごうということでございますが、三十年度に幾らかつけたことになっておりますが、これは計画でございまして、まだ着工いたしておりません。  それから貸付の方の上から六番目、小田原下田というのがございます。これは先ほど申し上げましたので、一部が完成いたしまして料金をとっておりまするが、なお残りの個所がこれだけあると、こういうことで、同じ名前になっております。それから貸付の一番下の海門橋、これは茨城県の橋でございますが、これもまだ資金の配分はやっておりませんので、未着工でございますが、大体こんなことになろうかという予定を織り込んで書いたのでございます。  そういたしますと、この表でおわかりの通り、右から二番目の着工年度ごらん願いますと、たとえば関門国道昭和二十七年に着工いたしましたけれども資金都合あるいは技術上のいろいろな困難性から、三十二年に完成すると、かようなことになっております。次に松江国道、これは二十八年に着工いたしましたが、これも資金の関係上意外に延びておりますが、公団ができますれば来年完成する。なお一番右の完成年度というのは、たとえばその次の若戸橋等につきましては、これは目下調査段階でございますので、一応予定している数字でございますが、その他につきましてはおおむね、道路公団が成立いたしまして、予定通り明年八十億の事業資金が使えるという場合には、かようにスピード・アップできるであろうと、こういう考えのもとにこの完成年度は定めてありますので、その点御了承を願いたいと思います。なお一月末におきまする工事進捗状況につきましては、その表の右から二番目のところにパーセントをももまして示しています。従いまして、全然着工いたしておりません京葉国道とかあるいは海門橋というものはゼロということにいたしております。それから上から三番目の岩戸橋等調査設計という段階でございまして、実はパーセントに書くことがいかがかと存ぜられましたが、一応調査設計にはかかっておりますので、そういう意味で〇・〇一というような数字を出しておるのであります。  それから貸付のうち、上から二つの濃尾大橋衣浦橋につきましては、先ほどお話し申し上げました通り、この一月に完成いたしまして、二月から料金を徴収いたしておりますが、料金徴収実績はまだ日が浅くて御報告するに至らないので、一応こちらに入れまして、数字としては一〇〇%ということで表示いたしておるのでございます。  以上、田中先生からこの前要求されました資料のうち、二つについて御説明を申し上げました。
  37. 田中一

    田中一君 そうすると、大体まだ工事中のやつですね、これは三十一年度はどのくらい考えていますか、関門国道と、ずっとあと計画は……。
  38. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) この表は、具体的金額につきましてはまだきめておりません。しかし関門国道につきましては、御承知通り、従来特別会計といたしまして継続費になっておりますので、その継続費通りの額を配分する。そして予定通り三十二年度中には完成させる。以下、松江国道以下につきましては、これは従来のように、二十五億程度しか年間使えないということでありまするならば、先ほども申し上げました通り、この一番右の端の完成年度というのはずっと延びるわけであります。このたび公団が成立いたしまして、予定通り八十億の資金が使えるということになれば、大いに資金を配分いたしまして、こういう工合早期完成を計ろう、こういう意図でございます。  どの程度あと金が要るかということにつきましては、右の方から四番目の三十年度残というのが数字でございます。つまり関門国道では、なお二十四億二千八百万、三十一年度と三十二年度に要するであろう。それから松江国道については、あと二億二千万程度が要るであろう。若戸橋は先ほど申しました通り調査設計段階でございまして、そういう調査設計に要する費用を除きまして、工事費といたしまして二十七億近くが要るであろう、こういうことになっておるわけであります。これだけでも、相当費用が要ることはおわかりのことと存じます。
  39. 田中一

    田中一君 ですから、三十一年度は、八十億をこれに全部当てはめるというのですか。
  40. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) 八十億の金がありまするならば、今工事をやっています、つまりこの表に載っている個所に約五十三億円程度が配分されるようになろうと思います。そして残りは、新規の個所一つ選んで工事を始めたい、このように考えております。
  41. 田中一

    田中一君 新規の個所はどこですか。
  42. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) 新規の個所がどこであるかは、目下検討中でございますし、また公団ができ上りますれば、公団総裁その他の御意見もあろうかと思いまして、まだ決定はいたしておりません。
  43. 田中一

    田中一君 むろん決定はしていないのです。それでは府県から来ている貸付の方、あるいは直轄の方——直轄の方はわかるはずなんだ。貸付の方でもって現在どのくらい申し込みが来ているか、それを表に出して下さい。
  44. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) 各府県あるいは地方建設局等から、こういう個所をやったらどうか、あるいはやってほしいという申し込みは、北海道の厚岸橋等、五十数カ所に上っております。
  45. 田中一

    田中一君 資料を出して下さい。
  46. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) それでは、その資料を後日提出いたします。
  47. 田中一

    田中一君 今電話かけて、すぐ取って下さい。  それからもう一つ、それに関連するのですが、形式は都道府県からの要求でやるのか、あるいは市町村から、下からつき上げられてきてやるのか、あるいは地建が必要があるからやるのか。どういう形式で北海道以下五十何件というのが来ているかという、経緯を説明していただきたいのです。もしも国が、あるいは地建なら地建が、北海道開発局がきめているというなら、これはもう国策の線なんですね、そうでなくて、これは相当政治家の選挙の、あるいは自分の勢力拡張の具に供されるんです、どうしても。それはですよ、末端の地元民からの要求を、国全体の道路計画の面から見て、あるいは産業その他から見て、これが妥当なりという判定を下してやっているのか、どういう形で盛り上ってきているかということを説明してほしいと思うんです。
  48. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) 先ほど申しましたたとえば厚岸橋の例を取りますと、厚岸の町長さん、あるいは厚岸の町議会、こういうところで非常に熱心に私どものところまでわざわざ見えております。その途中におきましては、北海道の知事さんなりあるいは北海道開発局の方とも、十分いろいろ打ち合せをしておるようであります。さように有料道路というものは、それを作るところの土地の人の意見を聞かない、あるいは意向を無視するというようなものでは、成功いたしませんので、むしろそういう土地の方々、これは別に町の機関という意味でなくて、広く、平たくいえばそういう町民の方々の熱望というものに基きまして、われわれの方で予算の配分等をも考えまして、そうして箇所を決定いたしておるのでございます。
  49. 田中一

    田中一君 そういう場合には、道路審議会との関連はどうなんですか。
  50. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) 道路審議会は近路法第七十六条の規定に基きまして、道路整備計画その他道路全般につきまして調査審議される機関でございます。従いまして、毎年度無料道路、つまり公共事業費による道路の建設の計測、これは全体計画でありますが、あるいは有料道路の全体計画、そういうものにつきまして御報告申し上げ、御意見を拝聴いたしております。ただ有料道路は従来二十億あるいは二十五億という程度仕事でございましたので、あまりこまかいことまでは御相談申し上げなかったのでございまするが、今度公団ができまして年間八十億なり百億というようなまとまった仕事をするようになりますれば、従来にまして、道路審議会の御意見を拝聴する機会が多くなると申しまするか、御意見を拝聴しなければならない、かように考えております。なお、ただいま御審議願っておりまする二法案につきましては、昨年の九月以来三回道路審議会を開きまして、細部にわたって御説明申し上げまして、道路審議会の同意を得ております。これは蛇足かもしれませんが、御報告かたがた申し上げます。
  51. 田中一

    田中一君 今出ている二つのうちの完成した分は……。私がお願いしたのは、その決算を知りたいと言ったんです。これはもう統計なんです。これの、三重は自動車が幾ら通ってどうなっている、それから通る車があるけれども、これは道路法できめておるところの無料で通っているものなのか、こういう料金の問題ですね、こういうものの明細がほしいんですがね。
  52. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) この資料はおととい御要求を受けましたので、まあできるだけ急いで作ろうという意味で提出いたしたんでございまするが、今のお話の通り、自動車が何台通るとかいうようなこまかいことになりますると、御承知通り、これらはいずれも各府県にその経営を委託いたしておりますので、追って資料を集めまして、私ども一覧表を作って御提出いたしたい、かように考えております。
  53. 田中一

    田中一君 これは何ですか、府県にまかしたものは一切向うにまかしておいて、こちらが取るということになっているんですか。取らなくてもいいことになっているんですか、そういうものの報告は。
  54. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) 私の方では、府県の事務をなるべく簡素化しようという意味で、毎月の収入、それから事務費、つまり事務費と申しましても料金徴収費でございますが、それが毎月どのくらいかかっているか、維持修繕費にどのくらい要しているかという、この表に載っているこの程度のものしか成規の報告としては取らない、かようにいたしております。
  55. 田中一

    田中一君 やはり現在完成したものの実績のいい悪いを勘案しながら、次の計画が立つのであって、一体そんなことでもって、ほかの計画ができるんですか。ことに、たとえば徳島などは維持管理費が千四百三十六万円もかかるんですね。どういう道路なのか、その構造その他の明細を出して下さい。三重道路は、たとえば大体気候もわかりますけれども、あれは零下何度にならぬでしょうけれども、どうなってどういう道路になっているか、出して下さい。片方は四十七万円、明石、徳島の方は維持管理費が千四百三十六万円もかかる。こういうものはどんな道路を作っているかを、料金をとっているかを、そうして構造がどういう構造基準によって作っているかということの明細を出して下さい。おかしいです、これはちょっと。ことに千四百三十六万円もかかるということになると、これはもう一ぺん整備をしなければならぬのじゃないかと思うんですよ。完成していることにならないと思うんですよ。たとえばこれを見ますと、総工事費が十債、明石の場合は維持管理費が千四百三十六万円、これでは完成した道路と、整備した道路というような受け取り方ができないのですよ。どういうものを作っているか、詳細全部出してほしいんです。
  56. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) 詳細の資料は、整い次第、なるべく急いで御提出申し上げます。ただ、ただいまちょっと問題に——維持管理費がでこぼこが多くて、どういうわけかという御質問があったのでございますが、実は明石及び徳島と申しますのは、これは御承知通り、フェリー・ボートでありまして、つまり渡船でございます。大型の渡船で、一般道路ではないのでございます。あと三重であるとか日光であるというのは、これは普通の道路。そこでこの明石、徳島につきましては、維持管理費という中に、船のペンキを塗りかえたり、あるいはいろいろ乗客あるいは自動車の、何といいますか、海難を防止する意味におけるいろいろな金がかかっている。こういう意味でけた違いに大きくなっている、こういうことでございます。御了承を願いたいと思います。
  57. 田中一

    田中一君 立山はどうなっておりますか。
  58. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) 立内は三百万円ほど出してございますが、これは御承知通り、その立山というああいう山の中に一つ有料道路を作ったわけでございますが、これが竣工いたしました後に多少企画変更をいたさなければならないということがありましたので、もう竣工いたしておりますので、これは維持費ということで待避所を作るということで、増額をいたしたものでございます。
  59. 田中一

    田中一君 これは増額なんですか。これは一億になっていますね、事業費が。増額なんですか、これは。
  60. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) 立山は、これも私の説明がはなはだ行き届きませんで恐縮でございますが、この完成の表に上げましたのは、すでに今まで完成した個所について料金を徴収しているので、かように表に入れたのでございますが、全部はまだ完成いたしておりません。で、三十一年度に二千万円程度持ち越すということになっているのでございます。まことに説明がつたなくて恐縮でございますが、先ほど申し上げました小田原下田立山等が、一部完成して料金をとっているが、なお残事業は残っている。ただ立山の場合は二千万円程度あとほんのわずかでございまして、ほんとうは本年度にも完成いたしたいのでございますが、雪が多くてこの冬場は無理なので、やむを得ず持ち越す、そういうことでございます。
  61. 田中一

    田中一君 料金は大体一定にしているんですか。資料をもらいませんけれども料金は……。それで一応償還期限は計画として立っていると思います。償還といいますか、そういう場合は、立山の例をとっても、これは三十四万円あげているんですね、今までに。昨年の半年までに三十四万円あげている。二百九十八万円……。それから二千五百万円の予算を計上してやっておる、こういう工合になっておるように伺いましたが、そうすると、こういうものは観光道路でしょうが、こういうものをやって何年間に償却を見ようという計画だったんですか。
  62. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) 料金の徴収につきましては、現行道路整備特別措置法の第三条の規定によりまして、通行する自動車等が受ける利益の限度をこえてはいけない、こういうことになっておりまして、たとえばその道路を通ることによって節約されるガソリンの代金であるとか、あるいはタイヤ、チューブのいたみが少くなる費用であるとか、あるいは修繕費が減るというような利益を勘案いたしまして、きめております。この場合には特に建設省だけできめてはいかぬというわけで、運輸大臣と協議をしてきめる、こういう建前をとったのでございます。  立山につきましては、先ほども申し上げました通り、まだ全体としては未完成でございますが、ただ、ちょっと田中先生の表のあるいは印刷が間違っておるのかもしれませんが、私が申し上げましたのは、昭和三十年度にはすでに百二十万の、四月から十二月まで——実際立山は夏でなければ仕事が開始できませんので、夏中の経費という意味でお読み願いますが、立山の欄の左から四つ目の金額というところで、百二十万円以上の収入をあげておるということであります。ただ、その事績は、その表にあります通り、一日に六千五百円程度にとどまって、当初の計画といたしましては、大いに夏場は登山客が多くて二万一千五百円程度収入があるだろうと思っておったけれども、そうはいかなくて、計画に対して三割程度しか実績があがっておらない、そういうところもありました、こういう次第でございます。
  63. 石井桂

    石井桂君 ちょっと関連して。料金のことですが、今田中委員がお尋ねしたことに関連しておるんですが、私ども東海道でちょくちょく御厄介になっておる戸塚付近です、あれは四十円ですが、ちょっと用を足して帰って来ても八十円とられる。その八十円という料金は、あれは普通有料道路はコンクリート道路になっておるから、タイヤの切れ方も、そういうことはみな同じだと思う。そうすると、大体キロ数によるんでしょうか、どうなんでしょうか。たとえば、あれが半分くらいの長さになると、二十円になるかという質問なんです。
  64. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) 距離が長くなれば当然その通る自動車の利益率が多くなりますから、従って、料金をとる幅というものは広がるわけですが、逆に、今の戸塚の四キロ二百、あれがかりに二キロということになりますと、おそらく二十円程度になるかと思いますが、別に正確に計算したものではございません。
  65. 石井桂

    石井桂君 なお、その料金の中に、あそこで自動車をとめて切符を買うわけなんだが、その切符を廃止すれば、たとえば料金が三十五円になるという考え方もあるんですが、狭い柵みたいのがあって、自動車から金を取りさえすればいいんで、切符をただ、取るとすぐ捨てちゃうんですが、何もああいうむだをしないで、料金が安くなるように監督した方が私はいいんじゃないかと思う。そういうめんどうは一切みないわけですか建設省は。
  66. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) 御説ごもっともでございますが、ただわれわれの考え方といたしましては、金を取って領収書を渡さぬというのもいかがかと思いまして、ああいう工合に切符を渡すのは、あれは領収書というわけであります。ただアメリカ等におきましては、御承知通り、自動車をストップさせまして、一定の金をそこにほうり込めば、通ってもよろしいという制度もあるやに承わっておりますので、そういう経営費を安くするという努力は今後とも続けていきたいと思います。特に公団となりますれば、そういう点につきましてはわれわれ以上に十分配意してもらえると、かように期待しております。
  67. 石井桂

    石井桂君 もう一つ、あの道路は通行人とか自転車に乗ってくるやつは通さないようになっておるでしょう、その辺をお伺いしたいと思います。
  68. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) 通行を禁止するというようなことはございません。歩いて通るのは許しております。しかも無料で……。
  69. 石井桂

    石井桂君 そうすると、非常に僕は危ないと思うのです。歩道も何も区別がない。そこに、あそこは有料道路ですから、非常な勢いで通りませんと、前の者がつかえてしまう。ですから、びゅうびゅう通る。自転車でゆるゆる通られたら、有料道路目的を達しないし、それを徹底すれば、田中さんの言われる道路公開の原則にそむく。だから、ああいうのは人間が通れるような一メートルぐらいのものを両側に、舗装しなくてもいいからつけるとか、あるいは簡易舗装の自転車が通れるくらいの道をつけておかないと、自動車だけが通るようになって、あそこを通ると交通事故ばかり起りやしないかと思うのですが、そういうものに対して建設省有料道路に対する指導方針はどういうものでしょうか。あのままでいいのかどうかという質問なんです。
  70. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) 戸塚の場合はまわりに人家もほとんどございませんし、一級国道の元の道路が、御承知通り、元の戸塚の踏み切りを経由してりっぱにございますので、現状におきましても一日に十人か二十人が通るという程度でございますので、構造上特別のことを設けておらないわけであります。このことは他の道路についても同じでありますが、たとえば橋等におきましては、石井先生の御質問のようなおそれもございますので、ちゃんと歩道を設けると、このような措置を講じております。
  71. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) ちょっと私お伺いしたいのですが、大臣がいないと工合が悪いのですが、先ほど公団で作る道路の、第三条とおっしゃいましたが、この中に、国の利益に特に関係のあるものをまず作るものと考えられます。しかし、また先ほど宮内課長の説明通り、地方の陳情等を非常に強くおっしゃいましたが、国の利益に特に関係があると、こういうことについては、建設省としては、あるいは今までのいろいろな交通とかその他の観点から、一定の基準というふうなものをお持ちになっているのでしょうか、どうなんでしょうか。
  72. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) 先ほど私が三条と申しましたのは、今の特別措置法の第三条という意味でございますが、委員長の今の御質問は、新しく今御審議を願っております特別措置法の第三条のことかと思います。ただ、ここで第三条で「国の利害に特に関係があると認められるものであるときに限り、」というのは、都道府県道および指定市の市道であるという場合についてのことでございまして、一級国道または二級国道の場合にはそういう制限はないわけであります。このように条文は書いてあります。
  73. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) その点わかりました。  もう一つお伺いしたい。今までできた特定道路整備事業の概況を見ましたが、しかし今までできた有料道路も、大体今度の道路整備特別措置法案に出ているような線でいっているのでしょうね。
  74. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) このたび新しく制定しようとして御審議を願っています特別措置法案は、さきに提案理由でも御説明申し上げました通り道路公団という新しい道路を作る機関ができるという前提のもとに法律を構成しておるのでございまするが、その内容、実質と申しますか、そういう実質は現在の道路整備特別措置法と変るところはございません。
  75. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) もう一つお伺いしたいと思います。先ほど田中委員の御質問に対して、京葉国道といいますか、これは三十年にまだ着手していないとおっしゃいましたが、その通りでありますね。
  76. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) 目下のところ、まだ着手してはおりません。
  77. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) これはいつ着手なさるのですか。
  78. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) 目下大蔵省と予算の折衝を続けておりまして、なるべく早い機会に調査に着手いたしたいと、このように存じております。
  79. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 三十年度の事業に対して、目下大蔵省と予算の折衝なんですか。
  80. 宮内潤一

    説明員宮内潤一君) 詳細に御説明申し上げますると、実は本年度、道路整備事業特別会計、これが二十五億預金部資金から金を借りてやっておるのでございますが、その計画の中には一応この京葉国道というのはやるかやらぬか、——つまりやるかやらぬかという意味は、三十年度に始めるかどうかということは、未決定のままできておるのでございます。と申しますのは、このための工事資金を必要の度合いに応じて有効に使おう、京葉国道は、そこにあります通り、十三億ほどかかるのでございまして、一千万や二千万を急いでつけてもどうというわけにもいきません。まとまってやるのならば、三億なり五億を投入するのでなければ、効果が上らぬ、こういう点から、全体とのにらみ合せを続けてきておるのでありますが、最近二、三の所におきまして工事予定通り進みません。多少特別会計に金を返してもいいという所もございますので、資金が少し余って参りました。従いまして、調査程度のものに着手してはどうか、こういう意味で、かりの数字をそこに上げたのでございます。
  81. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 馬場建設大臣出席されました。何か大臣に対して御質問はありませんか。
  82. 田中一

    田中一君 建設大臣に伺いますが、この新しい道路法を作る場合に、強く道路無料公開原則というものをおうたいになっておったのです。ところが、昭和二十七年に道路整備特別措置法が出て、少くともこの無料公開原則というものが破られたのです。そこで政府としては、この日本道路公団法を通して、これによってどの範囲の有料道路を作ろうとする意図があるのか。それから無料公開道路原則というものを破るのは、これが暫定的な特別措置であるというような解釈のもとに作られておる場合ならいざ知らず、今日ではもはや永久施設としての道路公団ができるということになりますと、少くとも道路行政の面で、あるいは国民が国の主権を持っているという立場からいって、国民に対して利用の差別待遇が行われるという、新しい道路利用原則というものが恒久的な確立をみたというように解釈せざるを得ないのです。そこで政府としては、このように無料公開道路利用原則というものを、どういう観点からこれを変更していこうとするのか、ほんとうの政府の持つところの道路行政に対する見解というものを明らかにしていただきたいと思います。
  83. 馬場元治

    ○国務大臣(馬場元治君) 元来、道路はいわゆる天下の大道として、無料公開であるのが原則であろうと考えます。ただ、御承知のように、自動車の数が激増をいたし、道路整備がなかなか思うように参りませんので、かような方法をとるのやむを得ざるに至ったものであります。自動車の非常に多いアメリカにおきましても、有料道路をやっておることは御承知通りでありまして、ヨーロッパなどでも、イタリーではこの方式を採用しているやに承わっております。  そこで、例の道路整備特別措置法及びこれに伴います特定道路整備事業特別会計というものがさきに国会で成立して、御承知通りに、これでもって有料道を着々建設して参ったのでありますが、この特別措置法並びに特別会計でやっておりました事業を、そのまま道路公団に引き継ぎまして、これでもって有料道路の建設をやって参りたい、かように考えておるのであります。原則として、無料公開原則というのは古来からの考え方であると思いますが、道路整備の必要に迫られまして、かような制度をとることになった次第であります。
  84. 田中一

    田中一君 どこに欠陥があるのです。どこに無料公開原則道路国民に提供することができないという欠陥があるのですか。
  85. 馬場元治

    ○国務大臣(馬場元治君) 御承知のように、道路整備に要します費用相当の多額に上るのであります。で、これを普通の経費で支弁をいたしまして、しかも道路網を少しでも進めていくということが、なかなか困難な事情にあることは御承知通りでありますけれども民間資金も入れまして道路を建設し、その建設費を有料の制度によって回収をしていく、これによって補修もいたし、改修もする、こういう制度をとることが道路網の完成に一日も近づく方法である、かように考えましたので、有料の制度を採用することにいたした次第であります。
  86. 田中一

    田中一君 御承知のように、今日の財政規模では道路整備することができないというように、私は承知をしておりません。どういう理由なのですか。大臣はそう言うけれども、私は承知しておりません。どういう理由で日本道路公団を作って、債券を発行してやらなければならないかということが、私には納得できないのです。政府はどういう理由で有料道路にしなければならないのですか。
  87. 馬場元治

    ○国務大臣(馬場元治君) 道路に関する予算を十分に使うことのできる財政状態でありますれば、それで十分やっていけると思いますが、ただいまの財政状態は御承知通りでありますので、こういった方向によって一段の道路整備をやりたいと、かように考えて、その方策によってやったわけであります。
  88. 田中一

    田中一君 私は日本財政道路整備をする金がないとは考えられないのです。そういうことは承知しておりません。公団がやるという八十億程度の金が、今日の日本財政規模の上からいって、持つことができないということは考えられないのです。どういう意味で、今言う通り有料道路を作らなければならないかということです。  私は、前回の道路整備特別措置法にしても、これは衆議院の連中と私と一緒になって、何とかして政府に、少くとも輸送交通によるところの、これは物価に非常に大きな影響があるものですから、早く道路整備してそうして国民の利益を増大させようという見地から、政府一つの関心を持たすために、いろいろ抵抗があったあの法律案を通したわけなのです。そうしてガソリン税相当額をこっちに取ってきてやらせようという、やむにやまれない気持からやった臨時措置法なんです。ところが、今度は、むろん同じ名前ですけれども、現在ある法律を廃法として、新しいものを作る。そうして恒久的な政策を打ち出しているわけなのです。ここで恒久政策というものを打ち出しておるのです。そうすると、特定なる国民のみが利益を受けるのです、こいつの一応現わしておるものは。有料と無料とは、持てるものと持たないものなのです。そこで政府としては、道路政策に関してはどういう意図から一体——御承知のような財政なんか、知らぬ。私は優に八十億程度の金は幾らでも出せると思うのです。従って、御承知のような財政と言われる大臣の気持というものは、私は納得できない。ですから、鳩山内閣としては、金をとる道路に全部するのだというふうに政策を変えたのか、あるいは一萬田大蔵大臣が常に言っておる公債は発行いたしませんというものの、この一つ方針が破れたために、公団というものを作って、それに社債を持たせようということなのか。これは日本道路公団と言っていますけれども政府がかりに公債を発行してやるならば、こんな公団を作る必要はないのです。  私はだんだん大臣に伺いたいと思いますけれども、この公団が何百人、何千人の役人を養うか知らぬが、少くとも屋上尾を架すような公団を作る必要はないのです。勇敢に道路公債を募集すれば、今日の道路局の機構でりっぱにできます。従って、鳩山内閣としては将来日本道路というものをどういう形に置こうとするのか、伺いたいのです。大臣は御承知のような財政と言っておるが、財政に十分に余裕がございます。八十億程度のものを道路整備に使うというには十分あります。こういうことを申し上げるのは、建設大臣の建設の方に少しでも予算を持たそうと思って言うのです。何もどんな総裁が来るか知らぬけれども、そういうものを作る必要は何にもないのです。これは住宅公団を作るときにも申し上げたのと同じことなのです。ただ違うところは、今日の住宅の場合には、主として日本の伝統というものはこれは借家によってなされておったということでした。これが少くとも公団が建設するということになれば、これは一ついいと思ったのです。道路なんていうものは国が当然すべきことにきまっておるのです。国または国民の税金でやるのが当然なのです。それを金を持っておるものから料金をとってペィするという考え方は、道路行政、道路政策の変更なんです。そこでほんとうに鳩山内閣というものは道路行政道路政策というものを変更して、ことごと有料道路にするのだという意図にほかならない。先ほど課長に聞いてみると、三千億程度のものが想定されていると言っている。そうしてたかだか財政補助、あるいは直轄も入れて、道路費の二割程度のものをこれでやるのだと言っておる。しかしながら二割なら二割と限定しても、何もできない、これでは。その以前に、とにかく無料公開原則を破って、今のような形で恒久施設としての法人を持つことは、いかなる意図かと思うのです。アメリカが、イタリーが、というものじゃない。新日本の経済状態というものは、アメリカのようなものをまねできないのです。  日本には日本財政規模がおのずからあるのです。日本独自の、日本民族の道路に対する感覚というものがあり得るはずなんです。従って、鳩山内閣が、道路に対する民族的な見地から、日本無料公開原則であるところの道路の利用ということに対しては、どういう見解をお持ちかということを明らかにしていただきたいと思います。
  89. 馬場元治

    ○国務大臣(馬場元治君) 道路全部を有料にするという考えは持っておりません。財政が余裕があるではないかという御意見でありますが、なかなか思うように参らないのが現在の財政状態でありまして、これはもう御意見を拝聴はいたしまするけれども、私どもといたしましては、この方法をとることによって道路の建設を促進いたしますることが適当であると、かように考えまして、今のような公団を作るという方途に出たのでありまして、これを維持いたしまするために、建設費を回収いたしまするために、有料道路にするということは、これまたやむを得ざる次第であると考えております。そうして一面、道路の建設によって一番の利益をこうむる者には、いわゆる受益者負担の意味におきましても、有料として料金を徴集することは別に差しつかえはないのじゃないか、かように考えておる次第であります。道路全体を有料にするという考えは毛頭持っておりません。
  90. 田中一

    田中一君 道路公債を国が発行するならば、国がやっているのです。道路財源が要るならば、国が発行すればできるのです。公団を作る必要はないのです。われわれは一応、現在あるところの道路整備特別措置法案というものを承認いたしました。承認いたしましたという前提が立つならば、政府が財源措置として公債を発行すればいい。国ができるのです。公団を作る必要は何もない。公団を作るという意図がどこにあるかということです、大臣に伺う問題は。
  91. 馬場元治

    ○国務大臣(馬場元治君) 公団を作りましたのは、実は御承知通り、過去四年の間有料道路を建設いたしておりました。で、その経営もいたして参ったのでありますが、全国的にこれを拡充いたしますにつきましては、どうしても経営の主体を一つにいたしまして、統一的に運営をした方が効率的である、かように考えましたので、一本の道路公団というものを作りまして、そこで総合的に運営をして参りたい、かように考えたので、公団を作ることにいたした次第であります。
  92. 田中一

    田中一君 まあこれは政策の違いなんですから、やむを得ませんけれども、アメリカなんかの場合はですね、現在もう路面に沿う建築ができ上っておる、車もどんどんふえる。どうにもならぬから、第二の道を作ろうという場合に、有料道路というものがなされたと思うのです。日本の場合は、現在あるところの道路整備しないで、近道か、わき道を作って、そうしてこれを有料道路にする。現に戦後見返り資金が来た際には、どんどん旧国道といういわゆる年をとっておる国道というものを避けて、迂回する道路を作っておる。無料公開です、それは。  それがたとえば戸塚の例をいえば、当然今日の道路法からいえば、あれは立体交差しなければならない義務がある。しなければならないのです。あれは一級国道です。日本の一番重要な幹線なんです。それはもう放置してしまう。むろんやる意思もない。当然われわれは、道路の精神からいえば、立体交差しなければならない義務があるのです、法律の。それをうっちゃっておいて、あの道路を作って、これは金をとるのです。行ってみてごらんなさい、有料道路ができた。これも並行線である。もとの道路というものはどういう維持管理をしておるか、実際廃路です。  政府は、そうした並行線であるから、一つのものを作って有料とするということは考えられますが、当然これは、無料公開道路があるにかかわらず、これが輻湊して困る、急ぐ人はこちらを通りなさいということは考えられますが、当然国が管理する義務のあるものを放置しておいて、刑に便利な道を作ってこれは有料道路なんということは、欺瞞もはなはだしいのです。アメリカの有料道路の発達はそんなものじゃないと思う。こういう点はどう考えられますか。
  93. 馬場元治

    ○国務大臣(馬場元治君) 並行線を整備しないで放置いたしておるということは、私承知いたしておりません。必ず整備はできる範囲においてやっておると思っております。また、さようなお話のようなことがあっては相ならぬ。損耗道路をそのまま放任して荒しておくというようなことは、これはもう考え得られないことと思っております。なお、この有料道路は一級、二級の国道、それから府県道といった道路についてやることになりますから、今御心配のような点はおそらくない、またあらしめてはならないと考えております。
  94. 田中一

    田中一君 では、戸塚国道の格別の立体交差は計画しておりますか。
  95. 馬場元治

    ○国務大臣(馬場元治君) 有料道路ができましたので、交通量の点もよほど緩和されたように考えます。ただいまのところ、立体交差の計画はいたしておりません。なお将来必要が生ずるということになれば、これをしたいと思います。
  96. 田中一

    田中一君 必要も必要でないも、新しい道路法が生まれた場合、これを休むなというのです。あの戸塚の立体交差をこのままに放置しておいて、先年は戸塚さんか竹山建設大臣の時代だった、浜松に立体交差を設けようとした。これは予算をもって調査しております。買収も今目ざしております。そうして戸塚の場合のように、何ら、現在あるところの国道というものを放置しておいて、有料道路に全部依存させようということは、これはあり得ないのですね。こういう点から、全然現在の国道を放置する。もしも、戸塚というものの例を申しますと、実際にこれを、現在の国道整備を十分に計画を持っておるなら、持っておるということを言うべきである。ところが、持っていないのです。これでは当然、有料道路オンリーということに将来の道路政策が変ったとみなさざるを得ないのですね。むろんこの濃尾大橋ですか、これは迂回すれば橋はあるのです。それよりも近距離へ持っていって作った橋なんですね。並行線はあるのですが、その並行線を通るよりもこの方が便利だ、国民の利益だという考えで濃尾大橋をやったのならば、これは了承できます。しかし戸塚なんていうものは、まあ新聞などに書いてある通り、あれは吉田ワンマン道路なんです。単なる権力者の意思によって、当然立体交差にしなければならない道路を放置しておいて、持っていくという考えを持つならば、あれは吉田内閣時代ですけれども、鳩山内閣はそのままその政策を持っていこうというのならば、道路政策に対する政府のほんとうの考え方というものをはっきりと打ち出していただきたい。ただ財政上の理由のみでは受け取れません。たかだか八十億の財源なんですよ。こんなものは決算委員会における七十何億という批難事項から見ても、簡単明瞭です。  一方においては、新生活運動とかなんとかいっていながら、今日新聞に、大蔵官僚の贈収賄の問題は毎日々々新聞に出ていますよ。全部の仕合せを国民に持ってくる、そうして国民生活を楽にさせる反面、段階をつけていくのですね。階級をつけていく。こういう道路政策の面からも、それがうかがい知れるわけです。ほんとうに政府は腹を据えて、ただ財源がどうだとかなんとか言わないで、かくあるべきだという日本の経済、日本産業構造の面から見ても、鳩山内閣は道路政策にこのような考えを持ってこれをやるのだというような、はっきりしたものを打ち出していただきたいのです。  われわれは、くどく言いますけれども、前回の道路整備特別措置法というものは暫定的なものとして、これはどっち道時限法なんです。六年たてばやめてしまいますという計画のもとにやっているのです。それで通したのです。今度そうじゃないのです。そこであらためて政府見解を聞かなければ、私としてはこの審議というものはそこで突きあたってしまうと思うのです。
  97. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 速記をとめて。    午後零時五分速記中止      —————・—————    午後零時二十二分速記開始
  98. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) では、速記を始めて。
  99. 馬場元治

    ○国務大臣(馬場元治君) 先ほども申し上げましたように、道路無料公開原則であるということは、これはさっき申し上げた通りであります。そこで、財政の事情が豊かになって、道路整備一般会計で自由自在にできる、こういうものが必要がないというような情勢になりましたならば、この制度を改むるにやぶさかでございません。     —————————————
  100. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 次に、お諮りいたします。この法案審議いたします関係上から、参考人出席を要求したいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  101. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 御異議ないと認めます。  つきましては、その参考人を召喚する日時は、来たる二十三日(木曜日)の午前十時のこの委員会にいたします。  なお、参考人は次の方々といたします。一応申しますが、中小企業助成会の橋本元三郎君、東大教授の今野源八郎君、国際ラジオセンター社長の長沼弘毅君、経済評論家の木内信胤君、委員長としてこれらの人々を考えていますが、あなたがたの方でなお別に御異議ありますか。
  102. 田中一

    田中一君 やはり都道府県知事もどうでしょうかね、呼んでほしいのですが。
  103. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 今田中君から、どこか都道府県知事を呼べとのことがありましたので、委員長でなるべく近くの知事のうちから選びまして、だれか一人呼ぶ、こういうことにいたしてよろしゅうございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  104. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) では、さようにいたします。  先ほど申しました方々の出席を求めることに御異議ないと認めます。さよう決定してよろしゅうございますか。   〔「異議なし」呼ぶ者あり〕
  105. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) では、本日はこれをもって散会いたします。    午後零時二十五分散会