○
国務大臣(
馬場元治君)
庶民性の問題でありますが、これは常に
考えなければならぬところでありまして、お税のように、
公営住宅を特に重んずべしとする
議論の根拠は、そこにも重大なものがあると思います。まことにお説の
通りでありますが、ただいま申し上げましたように、
公営住宅は、
地方財政の
関係もありまして、ただいま
提案をいたしておりまする
通りに出すよりほかになかったのであります。
そこで、私、都内あるいは
各地を歩いていろいろな
意見を徴しておるのでありますが、昨年の国会の
委員会で御
意見が出ました坪数の
増加とか、あまり小さいものを作っちゃ役に立たないというような御
意見もあったのでありますが、いろいろ直接
国民諸君の
意見を聞いてみますと、たとえ六坪でもよろしい、極端にいえばもっと小さくてもよろしい、
雨露をしのぐことさえできればいいから、
むしろ数をふやしてもらいたいという強い要望をそこここで聞きましたので、実は六坪の
住宅などというものは全廃したらどうかという
議論もありましたけれども、これも昨年四千余りのところを、今年は全廃ということにいたしませんで、千六百戸ばかりはこれを残しておく、かようなことにいたしたのであります。これも特にいわゆる
庶民性を重んずる。ほんとうに困っておる
諸君はもう質の問題よりも、まずもって
雨露をしのぎたいという切実なる要求でありますので、これにはやはり相当耳を傾けるべきである、かような
考えから、六坪のものも千六百ほど残した、こういう
状態でございます。
なお、それと同時に、もちろん質の
改善についても
考えなければなりませんので、御
承知の
通り、二階建以上の割合をふやすとか、あるいは
増築に対する
融資の額をふやすとか、いろんな
方面でそういった質の
改善にも
努力をいたして参ったつもりでございます。
住宅問題につきましては、
庶民生活と最も切実なつながりを持っておりますので、真剣に顧慮しなければならぬと、かように
考えておるのでありますが、
国民所得の増大にかんがみまして、
民間の
自力建設も現在よりも逐年
増加するであろうということを期待いたしながら、なおこれと相呼応いたしまして、
政府資金をなるべく多くこれに投入することによって、
住宅問題を解決いたしていかなければならぬと、かように
考えておる次第でございます。
御
承知のように、本
年度の
予算は、三十一
年度の
予算は三十
年度から比べますれば、約五十億
——四十億数千万円を
増加いたしておりまして、ただ単に数をふやせばよいという
考え方からさらに
前進をいたし卒して、質の上にも
改善を加える、しかも
庶民性を失わないようにという目標のもとに、将来とてもこれを強力に推進していきたい、かように
考えておる次第でございます。