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1956-05-29 第24回国会 参議院 決算委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年五月二十九日(火曜日)    午前十一時一分開会   —————————————   委員の異動 五月二十八日委員島津忠彦君及び酒井 利雄辞任につき、その補欠として山 本米治君及び小幡治和君を議長におい て指名した。 本日委員安部キミ子君及び菊川孝夫辞任につき、その補欠として千葉信君 及び海野三朗君を議長において指名 した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     田中  一君    理事            青柳 秀夫君            白井  勇君            大倉 精一君            石川 清一君    委員            海野 三朗君            久保  等君            近藤 信一君            村尾 重雄君            山田 節男君            梶原 茂嘉君            島村 軍次君            高橋 道男君            溝口 三郎君            八木 幸吉君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修蔵君   説明員    会計検査院事務    総局次長    小峰 保栄君    日本国有鉄道副    総裁      小倉 俊夫君    日本国有鉄道総    裁室文書課長  谷  伍平君    日本国有鉄道厚    生局厚生課長  山崎  武君    日本国有鉄道経    理局長     久保 亀夫君    日本国有鉄道施    設局長     佐藤 輝雄君    日本国有鉄道施    設局建築課長  成田 春人君    日本国有鉄道管    財部長     今井 四郎君    日本国有鉄道東    京鉄道管理局長 潮江 尚正君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和二十九年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十九年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十九年度国税収納金整理資金  受払計算書内閣提出) ○昭和二十九年度政府関係機関決算書  (内閣提出)   —————————————
  2. 大倉精一

    理事大倉精一君) ただいまから第二十回決算委員会開会いたします。  まず委員変更を御報告申し上げます。  なお、その前に、委員長若干おくれますので、指名によって私が代理いたしますから、さよう御了承を願います。  委員変更は、五月二十八日、酒井利雄君、島津忠彦君の辞任に伴いまして、小幡治和君、山本米治君が補欠として選任されました。  また本二十九日、安部キミ子君、菊川孝夫君の辞任に伴いまして、千葉信君、海野三朗君が補欠とした選任されました。  昨二十八日の理事会経過を御報告申し上げます。今日の委員会開会の件、参考人に関する件、現地視察に関する件。   —————————————
  3. 大倉精一

    理事大倉精一君) それではこれより議題に入ります。  昭和二十九年度一般会計歳入歳出決算  昭和二十九年度特別会計歳入歳出決算  昭和二十九年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和二十九年度政府関係機関決算書議題といたします。  公務員不当事項に対する処分に関する件を審議いたします。本件について御出席の方は、小倉国鉄総裁細田運輸省国有鉄道部長小峰会計検査院事務総局次長上村検査院第五局長であります。なお、十河総裁出席要求しておりましたが、病気のために出席ができないという通知がありました。そのほか施設局長佐藤輝雄君、施設局建築課長成田春人君経理局長久保亀夫君、厚生局厚生課長山崎武君、管財部長今井四郎君、東京鉄道管理局長潮江尚正君、東京鉄道管理局施設部長渡辺寅雄君が出席されております。  ちょっと速記をやめて。   〔速記中止
  4. 大倉精一

    理事大倉精一君) 速記を起して。  それでは、まず本日提出されました資料について関係者から説明を求めまます。
  5. 山崎武

    説明員山崎武君) 前回要求ございました資料のうち、まず第一に「総裁、副総裁宿舎変せん調」、こういう御要求がございましたので、ここにあげておきましたのでございますが、総裁と申しますと、一、下山初代総裁でございますが、これは昭和二十四年六日一日から二十四年七月五日まで自宅におりました。二に、加賀山総裁でございますが、これは副総裁初代の副総裁時代に、昭和二十四年六月一日から二十四年九月二十三日、これは副総裁時代、それから二代の総裁が二十四年九月二十四日から二十六年八月二十五日になっております。そこで宿舎居住模様は、ここに書いてございますが、業務局長の当時は世田谷松原町四の一四八所在宿舎昭和二十二年三月六日居住いたしました。その後引き続きまして副総裁就任、これが昭和二十四年六月一日でございますが、そのまま居住しておりましたのですが、二十四年九月一日に退去しております。そうして世田谷松原町四の一四六の二の所在宿舎に副総裁として二十四年九月一日に居住いたしました。なお総裁就任、これは二十四年九月二十四日でございますが、引き続いて居住いたしております。  次に三代の総裁長崎惣之助でございますが、二十六年八月二十五日から三十年五月十三日まで総裁になっておりましたが、これは世田谷区北沢四の三三六所在の秋田県所有建物に住んでおりました。これを宿舎として無償で借り入れまして、二十六年の十月一日総裁として居住いたしまして、三十年の五月に総裁をやめましたので、そのまま解約したわけです。  その次、四代、現十河総裁でございますが、昭和三十年五月二十日、これは渋谷代々木山谷町二〇八所在宿舎昭和三十年十二月六日総裁として居住いたしております。  それから副総裁のことでございますが、天坊二代副総裁でございますが、昭和二十六年八月二十七日から三十一年一月十六日まで在職しておりましたが、これは加賀山長崎十河、各総裁当時の副総裁をずっと歴任しておりました。宿舎関係は、運輸総支配人として世田谷松原町四の一四八所在宿舎に二十四年九月一日居住いたしました。副総裁として就任いたしました二十六年八月二十七日の後も引き続いてずっと居住中でございます。現に居住中でございます。  その次に、小倉現副総裁でございますが、三十一年一月十六日、これは自宅に今おります。  その次に、前回お話ございました宿舎に二ヵ月以上居住しておるのがだいぶいると、中で局長以上というお話でありますが、天坊総裁、これは三十一年一月十六日に退職されました。自来四ヵ月になりますが、現に居住しております。これは現在ほかに住宅を物色中で、いろいろとあちらこちら当っております。遠からずこれは退去すると思います。  それから元東京鉄道管理局長森田義衞でございますが、昭和二十八年三月一日退職いたしました。管理局長時代宿舎にずっと入っておられたわけでございます。まあもちろん正規の退去要求を申し上げているわけでございますが、宿舎交換希望が非常に強くありましたのでずっと現在に及んでおるわけでございます。もちろん私の方といたしましては、前回お話のありました有利性の問題で、あまり有利でないという意味で、また宿舎の必要から考えましても、ぜひ一つ退去をしていただきたいということをお話しているわけであります。  それからその次の表でございますが、交換いたしましたあと下代田宿舎の利用はどうなっているかというお話でございます。これは前回説明申し上げました交換登記済み昭和二十八年の三月十八日でございます。これで国鉄宿舎になりまして、二十八年の四月一日、公安本部長久留義恭、これが転任して参りましたので居住いたしました。同時に三十年十二月二十四日に志免鉱業所に転出いたしましたので退去いたしましたあと、続いてそのあとをおそいました高倉公安本部長居住して現在に至っておる状態であります。
  6. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 続いて資料を御説明申し上げます。  国鉄退任者局長以上の宿舎交換したものの調べを出せ、こういうお話でございまして、そのプリントを出したわけでございます。御説明申し上げます。  三木正、これは元経理局長でございます。退任年月日昭和二十七年三月三十一日、交換年月日二十九年三月三十日、交換渡し物件所在地が目黒区平町七十一の七、これは大体柿の木坂でございます。土地面積が二四四・六平米、価格にしまして二十六万九千六十円、建物及び工作物構造は木造かわらぶき、二階建一むね物置及び付帯設備面積が一四四・六平米、物置付帯設備一式価格はおもやが百二十八万六千九百四十円、それで物置付帯設備一式が十六万五百円、合計いたしまして百七十一万六千五百円。交換受の方でございます。受け物件所在地が文京区駒込上富士前町七十三番の十一、土地の方の面積が二一〇平米、価格にしまして六十九万三千円、建物の方は木造かわらぶき、二階建一むね、これが一三八平米、価格にしまして九十三万四千三百四十二円、付帯設備一式が九万円、合計いたしまして百七十一万七千三百四十二円そうして交換受け交換渡との差額でございます交換差金七百四十三円は三木正が放棄しました、向うが受け取りませんでした。  それから次が吉次利二元資材局長退任年月日昭和二十七年三月三十一日、交換年月日が二十九年の十月十二日、交換渡しが藤沢市片瀬町西浜二千九百三十二番地、土地面積は四四三平米、価格にしまして九十三万八千五十二円、建物構造は木造かわらぶき、平家建一むね、九八・四平米、価格にしまして九十七万七百十六円、物置及び付帯設備一式が二十三万二千五百九十二円。交換受け物件所在地が大田区馬込町東3の八百二の四、これは大森の駅の上の方です。面積にいたしまして二八三・五平米、価格にいたしまして百二十八万六千三百八十一円、建物は木造かわらぶき平家建一むね、九七・二平米、価格にしまして六十一万一千五百八十二円、付帯設備一式十六万九千四百円、合計いたしまして二百六万七千三百六十三円、それで交換差金七万三千九百九十七円は国鉄が収受した。  その次は田坂泰廸、元理事退任年月日が二十七年一月三十一日、交換年月日三十年十月十三日、交換渡し物件所在地が北区稲付西町三丁目七十五番の二、土地が五〇九・六平米、価格にしまして百六十九万五千九百四十八円、建物が木造かわらぶき平家建一むね、一〇九・二平米、価格にしまして百七万四千五百二十八円、物置及び付帯設備一式が二十五万一千五百八十七円、合計しまして三百二万二千六十三円、交換土地物件所在地が品川区北品川四丁目七百三十三番の十一、土地面積が二六五・六平米、価格にしまして百九十二万八千二百五十六円、建物は木造かわらぶき二階建一むね、一四七・二平米、価格にしまして百三万四百円、物置及び付帯設備一式が十五万六千八百四十九円、交換差金九万三千四百四十二円は田坂泰廸が放棄した、受け取らなかった、こういうことになっております。  それから次は交換物件評価をだれがやったかということでございますが、直接の関係者といたしましては、評価土地関係施設局管理課の副参事加藤三郎建物の方は施設局建築課の元技師佐野正一、これはやめております。  土地については東京都及び日本勧業銀行評価口頭をもって聴取したが、その職氏名は不明である。できればその人の名前もというお話だったのでございますが、これは口頭で現在残っておりません、不明でございます。なおこのほかに近傍類似価格をもって評価を行なっております。  以上でございます。
  7. 大倉精一

    理事大倉精一君) 「総裁宿舎買収調」を御説明願います。
  8. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 申し上げます。「総裁宿舎買収調」、所在地渋谷代々木山谷町二百八番の七、土地が九八九・四平米(二百九十九坪三合)、建物は木造かわらぶき二階建一むね延べ一六一・二平米ほか付帯設備一式、こうなっております。価格が七百六十二万五千円、内訳が、土地が四百九十四万七千円、建物が百九十五万七千六百十三円、付帯設備が七十二万三百八十七円、こうなっております。5といたしまして、その他参考となる事項は、評価土地坪当り一万六千八百円、一平方メートル当り五千円、建物復成価格によっております。部外評価といたしまして、東京都及び三和銀行信託部、これによっております。それが建物経過年数が三年、旧所有者、これはあるいは書いてないかもわかりませんですが、岡崎広吉と申されまして、群馬県新町で、しょうゆ醸造業をやっております。  以上であります。
  9. 大倉精一

    理事大倉精一君) では質疑のある方は順次御発言を願います。
  10. 八木幸吉

    八木幸吉君 総裁、副総裁宿舎変遷調、それと国鉄退任者交換宿舎調、これについて伺います。この中に三件書いてございますが、国鉄交換受けをした建物を、退任者の方がいつごろからお持ちになっておったか、あるいはいつお買いになったか、それぞれおわかりになっておりますか。たとえば三木さんが交換受け交換のために国鉄へお渡しになった建物は、前から御自身がお持ちになっておったのか、あるいは退任後にお買いになったのか、退任前からお持ちになっておったのか、そういう意味合いを伺っております。
  11. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) こまかい調べがまだできておりませんので、今わかりませんけれども、後ほど書類が探し出せればわかりますから、そのとき御報告申し上げます。
  12. 八木幸吉

    八木幸吉君 どれがわかっておるのですか。
  13. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) いずれも贈与ということじゃございませんで、この交換割合に近いときであろうと思っおります。
  14. 八木幸吉

    八木幸吉君 私の伺っておるところは、問題になっている加賀山さんの問題も同じようなことですが、退任されて、それから交換された間に、あるいは三木さんの場合は約二年、それから吉次さんの場合も二年半、田坂さんの場合は三年十ヵ月、おのおの退任交換の日にちの間には、相当の開きがあるわけです。そこでこれは大へん悪いような邪推かも知れませんが、前からお持ちになっておったものを交換になさるのではなくて、何か今まで住んでおった家を欲しいために、交換の適当なものを物色されてお買いになった、それを交換されたのではないか、こう実は伺っておるので、われわれの常識から言えば、交換のためにお買いになるよりも、公舎をおあけになって、お買いになった方に自分自身おいでになる方が常識であろうと思いますが、その点を実は伺っておるわけであります。
  15. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) これは今の年月日がはっきりわかりませんのでございますが、ただ申し上げていいことは、この交換のより長い前に持っておられなかったということは事実だと思います。
  16. 八木幸吉

    八木幸吉君 もう一つ伺いたいと思うのですが、家賃が書いてございませんが、どれくらい家賃を払っておいでになりましたか。
  17. 山崎武

    説明員山崎武君) さっさく調べまして御返答いたします。
  18. 八木幸吉

    八木幸吉君 もう一点伺いたいのですが、家賃自体がおわかりにならなければ、おそらくこの点もおわかりにならないと思いますが、退任されてから後の家賃金額は、退任前と同額であるかどうか。これは民間でよくある問題でありまして、たとえば立ちのきを要求すると、入っておる人が立ちのかない。家賃を従来通りとっていれば、新しく賃貸契約をしたかのように見えるというので、家賃を損害賠償的な意味においてとり得るという場合がありますが、一体この辺どんなふうになっておるか、大体のことは……。
  19. 山崎武

    説明員山崎武君) 前回もちょっと御説明申し上げましたけれども、私の方では大体七万戸ぐらいの宿舎のうち、半数以上が義務居住官舎となっております。たとえば駅長官舎とか保線区長官舎とか、総裁、副総裁もそれに入ってくるわけでございますが、それと業務厚薄がございますけれども、それ以外の宿舎と分けてございます。それ以外の宿舎を一応標準にいたしまして、義務居住官舎はそれの三分の一になっております。それで在職中に義務居住でございましても、また退職いたしますと義務居住になりませんです。と申しまして、現在の規定では、高額の家賃をとるわけに参りませんので、元の三倍に直しまして、家賃をそのままとっているわけでございます。  なお、ただいまお話の、罰則的意味でもう少し高くとったらどうかというお話に触れられたのかと思いますけれども、これは前回もお答えいたしましたが、ただいま検討中でございます。
  20. 八木幸吉

    八木幸吉君 引き続いて一般の問題を伺ってよろしいか、あるいはこの程度でやめますか。
  21. 大倉精一

    理事大倉精一君) いや、どうぞ。
  22. 八木幸吉

    八木幸吉君 いいですか。今、この義務的にお入りになるお話があったので、その点これから引き続いて伺いますが、現在義務宿舎は七万と仰せられましたが、それで十分でありますか。
  23. 山崎武

    説明員山崎武君) ただいま七万と申し上げましたのは、正確に……。それは宿舎の全体の数字でございます。で、義務居住官舎は現在そのうち三万一千六百四十六戸ございます。ところが所要いたします官舎が三万八千くらいございまして、約七千近い宿舎が現在義務居住官舎としては不足しております。これは非常に各地方に分散しておりますので、いろいろな関係でもって次々とあとを追って建てるというわけには参らないのであります。たとえば、職務変更をいたしましても、その場合に義務居住になった場合でも、すぐに家を建てるというわけには参りませんですが、いずれにしても現在なお不足している状態でございます。
  24. 八木幸吉

    八木幸吉君 義務宿舎が七千不足している、この点はよくわかりましたですが、義務宿舎以外で、世帯を持っておる人と独身の方の宿舎の総数はどれくらいでありますか。
  25. 山崎武

    説明員山崎武君) 世帯数独身者とは現在調査がはっきりいたしておりません。あとで調査いたしまして御報告いたしたいと思います。
  26. 八木幸吉

    八木幸吉君 世帯数独身寮不足はどれくらいありますか。
  27. 山崎武

    説明員山崎武君) 実はその世帯数独身寮不足はどのくらいかということははっきりいたしておりませんので、私お答えになりますかどうか、実は国鉄職員の現在の住宅困窮調べというのをとっておりますが、それが大体四万四千戸くらいございます。その中に、たとえば遠距離通勤するとか、あるいは現に立ちのき要求をされておるとか、あるいは同居をしているとか、いろいろのそういうことを合せまして、一応四万四千戸くらいございますが、中に独身であったが、結婚したけれども、間借をしているというのもございます。それ以上は現在のところちょっとわかりかねております。ちょっとなお結婚適齢期、大体二十八才以上を標準にとったのでございますが、住宅を求めているのは、概数といたしまして、約一万戸くらいはあると思います。
  28. 八木幸吉

    八木幸吉君 今、不足と仰せられました四万四千は、このうちに義務不足の七千も入っていますか。四万四千の不足の数の中に……。
  29. 山崎武

    説明員山崎武君) 入っております。
  30. 八木幸吉

    八木幸吉君 そういたしますと、義務以外のものが三万七千戸不足している。このうち今の結婚適令期が一万あれば、二万七千がこれは世帯を持っている人で住宅不足している、こう見ていいですか。
  31. 山崎武

    説明員山崎武君) よろしゅうございます。
  32. 八木幸吉

    八木幸吉君 その四万四千を一日も早く充足するというのについては、副総裁何かお考えございますか。
  33. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 実は鉄道の特殊な仕事の質からいたしまして、ぜひ義務居住官舎を充足いたさなければならぬと、かように思っておりまするが、何はさて、それだけの予算を捻出することが非常に困難でございまして、さらに突っ込んで申し上げますれば、現在の七万五千戸の官舎につきましても、従来の耐用命数が切れておるものもございますし、終戦後のバラックのもございますので、まあ私どもとしましてはできるだけ新規も充足いたし、かつ老朽の官舎もできるだけ早く修繕いたしたいと、目下極力勘案中でございます。
  34. 八木幸吉

    八木幸吉君 今、七万余りの宿舎のうちで退職者が入っているのは全体でどのくらいですか。
  35. 山崎武

    説明員山崎武君) 実は宿舎管理は各局でやっておりますので、はっきりした数はわかりませんですが、最近の数字、三月末で六百三件か四件だったと記憶しております。
  36. 八木幸吉

    八木幸吉君 従業員宿舎のうちで一番下級宿舎のモデル、一戸当り幾らでできますか。
  37. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 現在作っておりますのは、土地を入れまして約百万円近い金額になります。
  38. 八木幸吉

    八木幸吉君 土地を除いたらどれくらいになるのですか。
  39. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 約七十万円前後でございます。
  40. 八木幸吉

    八木幸吉君 そこで私伺いたいのですが、義務宿舎の中に、総裁、副総裁局長等最高幹部義務宿舎に入ってもらわなければならぬということになっておるそうですが、たとえば駅長さんは駅の付近に住んでいなくちゃならないといったようなことはよくわかるのですが、総裁や副総裁が一体義務宿舎というのはどういう意味ですか。どうもちょっと納得がいかないのですが、たとえば東京都内にどこにおっても、あるいは小田原から通っておってもそう大して不便ではない、下級の人と問題はだいぶ違うわけで、たとえば七百万円ばかりで新しい総裁の家を買っていらっしゃるが、下級の方ならこれは十軒家が買えるわけですね、だから私の不審に思うのは、高級幹部が一体義務宿舎の中、カテゴリーに入るという納得すべき理由を伺っておきたい。
  41. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 義務居住につきましては、いろいろな考え方がございます。先ほど申し上げましたように、鉄道の現場の駅長その他はぜひ必要でございます。これとまた見方が違いますが、総裁というような、国鉄として一番首脳者でございまするので、本社業務中枢部にできるだけ近いところにおらないと、いろいろな事務の打ち合せあるいは書類決裁等におきまして非常に不便を感じます。また、私副総裁で、言いにくいのでございまするが、総裁でありますれば非常に住宅の訪門客も多うございまするので、   〔理事大倉精一君退席、委員長着席〕 遠隔な地にありましてはやはり業務上支障が起る、かような考え方をもちまして、国鉄としては従来とも総裁には都内あるいはできるだけ都近郊に住まっていただくようにしております。
  42. 八木幸吉

    八木幸吉君 局長理事技師長監察役、これらの人はやはり義務宿舎に入るべき地位におる方だという解釈ですか。
  43. 山崎武

    説明員山崎武君) 現在義務居住宿舎は、本社におきましては総裁、副総裁幹部といたしましてはそれでございます。あとはたとえば総裁室の秘書一人とか、自動車運転手を何人とかいう工合にきめておりまして、各局長あるいは研究所長、そういう者は義務居住に指定されておりません。
  44. 八木幸吉

    八木幸吉君 現在局長が十人、理事が十人、部長が四人、技師長監察役、ほかに本省の課長が五十四人あるように、この公務員便覧では今ちょっと拝見するのですが、この人たち宿舎を使っておる方と使っておらない方の調べがおつきになっておりますか、ついていれば一つ伺っておきたい。
  45. 山崎武

    説明員山崎武君) 職名別居住数でございますか。
  46. 八木幸吉

    八木幸吉君 今、申し上げたような局長理事技師長監察役課長、これらの中で、局長の十人のうち八人とか、課長の五十数人のうちで三十何人というようなことがおわかりでしょうか、あったら……。
  47. 山崎武

    説明員山崎武君) ございます。ございますが、今手元にございませんので、追って調べて御報告いたします。
  48. 八木幸吉

    八木幸吉君 大体の割合は御記憶ですか。
  49. 山崎武

    説明員山崎武君) あまりうろ覚えの数字を申し上げられませんので、詳細に調べまして後ほど御報告いたしたいと思います。
  50. 八木幸吉

    八木幸吉君 きょう国鉄幹部がいろいろたくさんお見えになっておりますけれども、資料をもう少しよけい持ってきて、あとで出して御説明しますというのじゃなしに、私の聞いていることなどはごく初歩のことを伺っているわけで、今度お出ましになるときはもう少し資料をお持ち願いたい、かように思います。  そこで私伺いたいのですが、義務宿舎が必要だ、東京の中にいなければならぬ、あるいは局長部長理事等は約半分くらいは宿舎に入っているだろうというふうなお話なんですが、この総裁、副総裁宿舎の変遷表を拝見しましても、また交換資料を拝見しましてもごくまあ俗な言葉で言えば行き当りばったりのような感じがいたします。たとえば東京駅あるいは管理局と申しますか、それを中心に交通の便なり、あるいは自動車で来る距離なり、職掌柄それぞれ理想的のところに入れるということはこれはむずかしいかもしれませんが、大体の方針をきめて、そうしてどこにはだれがお住まいになるということをおきめになるのがほんとうではなかろうかと思うのでありますが、たとえば、ここの総裁、副総裁の変遷表を見ましても、業務局長時代に加賀山さんがお住まいになっておったのが、今度その近くへおかわりになったあと天坊総裁がお入りになっておる。それからこの前の委員会で施設局長お話を伺えば、さように天坊総裁もごくわずか番地が二つか三つ違うところにお住まいになっておるのに、急にそれをどうもあそこは不便だと、下代田といったら、松原とおそらく十町くらいしか離れていないのだと思うのですが、その方が便利だからかえたんだと、交換ということを前提としてあっちこっちふらふらと宿舎をかえているというようなことは、これは全体的に見てどうも私は納得がいかないんで、何らか公舎に対して、宿舎に対して一定の確たる方針が必要だ。総裁、副総裁に公邸が必要であれば、大体どれくらいの金額のどれくらいの大きさのものをどの距離にきめる。局長に、あるいは部長に、あるいは課長宿舎が必要であれば、どのくらいの大きさのものをどの辺にきめる。一たんきめたら退任者交換してもらいたいというお話があっても、そう簡単に交換をしない。ここの交換の表を見ましても、一体、藤沢市に国鉄が前に宿舎を持っておったというのは、片瀬にあったというようなことも、ずいぶんこれは不便なところじゃないかと思うのですが、その辺の一体基準というものをおきめになっておれば一つ伺ってみたいと思います。
  51. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) お答え申し上げます。私先般も申し上げましたごとく、国鉄ではまあ遠い不便なところは場所として整理していく、こういうことを申し上げたのでございますが、きょうお渡しいたしましたこの宿舎の変遷調に載っておりますような宿舎はいずれも終戦後間もなく買ったものでございまして、当時は住宅事情も悪かったもので、相当遠いところも買っておるのでございます。この当時とすればやむを得なかったのだろうと、今思っておるのでございます。それで現在ではなるたけ東京付近に、本社に勤めるような人の宿舎はなるたけ環状線以内、あるいはそれをちょっと出たくらいのところに場所を求める、こういうふうにしております。私きょうも出るときに……実は書類が見つかりませんでして、交換の方の調べのうちの買い入れた年月日、これを探していたのですが、まだどうしても書類が見つかりませんので、今言いにくいのでございますが、先ほど申し上げましたごとく、吉次さんのところがこれは片瀬でございまして、これは非常に不便でございます。こういうところもまだ二、三軒ございます。それから田坂さんの家も、これは赤羽の駅から二十分くらい歩いていったところにございまして、これも不便でございます。私たち昔、住宅事情の悪いときにこういうところへ買ったので、今はやはり先ほど申し上げましたようにできれば旧市内近くに持っていきたい、こういうふうな今方針でやっております。なお地方の宿舎になりますと、大ていはもう駅のそばに、何か鉄道が事故があったり、また夜の勤めもございますから駅の近くに置く、こういうふうにしております。
  52. 八木幸吉

    八木幸吉君 この東京都区内における宿舎敷地として買い入れ中の用地調、この中に約五万平米ありますが、五万平米のうちでなおあき地のところがどのくらいございますか。
  53. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) これは今の御質問ちょっとよくわからないのでございますが、この調書は民間の人が持っている土地をお借りしている土地でございます。
  54. 八木幸吉

    八木幸吉君 今借りていらっしゃる土地のうちで、まだ使っていらっしゃらないあき地がどのくらいあるかと、こう伺っておるのです。全部使っていらっしゃるのですか。
  55. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) そういうものはないはずでございます。
  56. 八木幸吉

    八木幸吉君 いや、私はずを伺うわけでなくて、この五万平米の地面の上には全部宿舎が建っておるのか、なお宿舎を建て得る余地のある土地が幾らかでも残っておるのか、こういうことを伺ったのです。
  57. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 全部建っております。
  58. 八木幸吉

    八木幸吉君 何軒ぐらい建っているのですか。
  59. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) ここに書いてありますのは、これは全数でございまして、これは東京鉄道管理関係でございます。で、全国ですと非常な数になりますものですから、東京鉄道管理局管内のだけここに記載したのでございまして、これは総数——数は当っていないのでございますが、今これ数えまして御報告いたします。
  60. 八木幸吉

    八木幸吉君 私の伺うのは、この五万平米の中に百六十一件と書いてありますが、これは件数の件であって、宿舎が何軒建っているか、こういうことを伺っているのです。
  61. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) この中には長屋になったりなんかしているのもございますから、それではこれは数えまして御報告申し上げます。
  62. 八木幸吉

    八木幸吉君 いろいろ御答弁伺っていますと、どうも住宅——ことに下級の人の住宅に対する中枢幹部の、何と申しますか、幹部というか、関心が比較的に薄いのじゃないかという私は印象を受けますので、幸い副総裁ここにお見えになっておりますから、厚生施設の一環として、下級職員の住宅問題についてもう少し中枢部が熱心に、真剣に取り組まれることをこの機会に私切に要望いたします。  それから家賃の基準でありますが、義務宿舎とほかとはむろん違いますでしょうが、大体どのくらいの基準になっておりますか。どういったような基準でお建てになっておりますか、家賃は。
  63. 山崎武

    説明員山崎武君) 基準といたしまして……坪当りの料金を申し上げてようございますか。
  64. 八木幸吉

    八木幸吉君 ええ、基準……。
  65. 山崎武

    説明員山崎武君) これは昭和二十九年の三月に一応作ったのはございます。これは毎年——毎年といいますか、時勢に応じてある程度上げてはきておりますが、現在では国鉄宿舎の料金は、木造として坪当り約三十円でございます。それからブロック建築が約六十円でございます。端数はございますが、切り上げまして……。それから鉄筋が七十六円となっております。  御参考に申し上げますが、公務員宿舎の料金との比較をいつもされるのでございますが、公務員宿舎は六大都市とその他の都市、町村とおのおのばらばらになって段階が設けてございますので、国鉄宿舎の料金は大体その中間くらいのところにあるのじゃないかと、こう思っております。
  66. 八木幸吉

    八木幸吉君 邸内のこの敷地は家賃関係ございませんか。
  67. 山崎武

    説明員山崎武君) これは現在のやり方ではいろいろと固定資産税とかいろいろな要素を入れて作るべきではございますけれども、そういう点は現在入っておりませんのでございます。畳の数、建坪、そういう点を考慮してきめております。
  68. 八木幸吉

    八木幸吉君 総裁が今度お買いになった山谷の宿舎家賃は幾らでございますか。
  69. 山崎武

    説明員山崎武君) ちょっとお待ち願います。今調べますから。
  70. 近藤信一

    ○近藤信一君 過日の質問に対しまして国鉄当局の答弁で若干疑問の点がございますので質問いたしますが、下代田の現在の公邸でございます交換した公邸、これを加賀山君が買われたのに対しまして、私どもは国鉄でだれか、これはそれに対してあっせんしたのじゃないか、こういう質問をいたしました。ところが国鉄はそういうことに対して関係がありません、こういう御答弁でございましたが、その後私どもの調査によりますると、当時、東鉄局の管理局長森田義衞君であり、そのもとに営繕局長である今井四郎君という方がおられまして、東鉄局の営繕局長今井君がこれのあっせんをした、このように聞いておりまするが、本日ここに今井君の御出席があったのでありまするが、そういう事実があったかどうか、この点今井君からはっきりと一つ御答弁をお願いいたします。
  71. 今井四郎

    説明員今井四郎君) ただいまの御質問の事情がよくわからないのでありまして、私は昭和二十五年七月八日に施設局の管理課長をいたしておりまして、二十七年の三月十五日まで在職いたしましたがその間ただいまの問題の宿舎交換の件については、何ら関与いたしませんので、何か人違いじゃないかと存じます。
  72. 近藤信一

    ○近藤信一君 いや、東鉄局ではこういう問題をだれが当時やっておられたんですか、その点お答えを願いたいと思います。
  73. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) これは、この交換本社で全部取り扱っておりますから、東鉄は関与してないはずでございます。
  74. 近藤信一

    ○近藤信一君 本省で全部やっておられて、東鉄局では関係がないと、こう今施設局長から言われましたが、その点若干疑いがあるというのはですね、いわゆる先日も御質問をいたしましたが、加賀山君が買われたのに対して、これは加賀山自身が直接行って話をしたんじゃないだろう、ここでだれか国鉄の方でこれは関係したんだろうと、こういう質問をしたんですが、そういうことはないと、こういうことでございましたが、私どもはその後調査いたしました結果によると、東鉄局の方がこれをあっせんをしたと、こういうふうに聞くわけなんです。そういう事実があったかないかということをはっきり一つ御答弁が願いたいと思います。
  75. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 私たちといたしましては、この交換当時の人に、この人はよく知ってるだろうという人に聞いたんですが、別に関係してないように聞いております。あるいは個人的にどなたが世話したのがあるかもわかりませんが、それはわかりません。
  76. 近藤信一

    ○近藤信一君 東鉄局の方の方はどうですか。
  77. 潮江尚正

    説明員潮江尚正君) 今のお話のようなことを存じませんでございます。
  78. 大倉精一

    大倉精一君 さっきの御答弁によると、こういうような宿舎関係東京関係のものは全部東鉄局が管理をしておるという御答弁があったんですが、東鉄局でおやりになっておるのか、直接本社関係のものは本社でおやりになっているか。
  79. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) このうち本社関係のは、この保守関係のもので本社の中にあります営繕区で管理しております。それから買収の場合はやはり東鉄が関係することはございます。
  80. 大倉精一

    大倉精一君 松原町の家をお買いになったときには、これは買収担当者はだれでございましたか。
  81. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 松原町の家の買収は東鉄でございます。東鉄当局で買っております。
  82. 大倉精一

    大倉精一君 そこでこの松原町の家を交換する場合ですね、下代田の家を物色されるその動機については、先般どなたでしたか、山崎さんでしたか、これは交換するためにあそこを買ったんだと、こういうようなお話がどこかにあったような気がするのですが、これは単に交換するために買ったのであるか、あるいは久留さんが新潟からかわっておいでになるそのときに松原町に久留さんがお入りになるという予定を立て、ここに入られては困るからというのでかわりの家を物色されるということ、動機はどっちでありますか。
  83. 山崎武

    説明員山崎武君) ただいまのお話前回どなたでございますか、新聞にこういうことが書いてあるけれども事実なりやいなやという、こういうお話でございましたけれども、私といたしましては、新聞記者が参りましてそういう話は出ました。出ましたが、そうかもしれないが、私どもの方の所管でないから施設の方に聞いてもらいたいと、こういうことを申し上げたわけでございます。
  84. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 今の件は、私たちは交換のためにお買いになったと思っております。
  85. 大倉精一

    大倉精一君 久留さんはこちらにおいでになるときに、久留さんの公邸については新しく買収される予定があったんでございますか。
  86. 山崎武

    説明員山崎武君) ございませんでした。
  87. 大倉精一

    大倉精一君 久留さんはこちらにどこか宿舎の予定はあったんですか。
  88. 山崎武

    説明員山崎武君) 要求はございました。
  89. 八木幸吉

    八木幸吉君 久留さんは公安部長ですが、公安部長義務居住宿舎に入る資格の人ですか。
  90. 山崎武

    説明員山崎武君) 義務居住ではございません。
  91. 八木幸吉

    八木幸吉君 公安部長はどうしてこの義務居住じゃないのですか。どこにおってもいいのですか。
  92. 山崎武

    説明員山崎武君) 現在の規定では実は義務居住者に指定されてございません。しかし先ほどちょっと話されたと思いますが、義務居住宿舎というのは、どうしてもそこにいなければならないという現場職員が大体基準になっておりまして、一応指定してございます。それから第三種といいますか、義務居住でない宿舎ですが、これはだれが入ってもいいということではございませんで、やはり業務の点を考慮いたしまして、厚薄をつけたわけでございます。現在では入っておりませんけれども、その義務居住以外の宿舎でもそういう点でもって一応居住を割り当てておるわけでございますが、公安本部長が入るべきか入るべからざるか、一応検討いたしたいと思います。
  93. 八木幸吉

    八木幸吉君 義務居住と内規と、その内規に従っておる数と資格と、それの調べを後刻資料としてお出し願います。
  94. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 私もお伺いしたいのですが、国鉄の規則によりますと、財産を処分されるときに交換というのがあって、有利な場合はいい、それがまあこの問題に該当してきておるようでございますけれども公舎と申しますか、公邸といいますか、こういうようなものは、多くはその職にある方の公けの資格に必要だというのであるので、軽々しくこれを他に譲るというようなことは原則としては認められないと思うわけです。で、まだこれは詮議中でございますけれども、有利な場合とかといいましても、住んでいる方がそのままそれを他と交換してお住みになるということは、御本人には便宜でしょうけれども、ややもすれば評価等に誤りなきを期せないのじゃないかと思われる。その点ははなはだ失礼なんでございますけれども、この前の御答弁に、間違いないように、はっきりもうそれは評価してやるから一切間違いがないというお話で、これは当然のことと思います。しかし万が一ですね、何かのときに、誤るようなことがあるといけませんですから、御方針を聞きたいのですけれども、有利な場合に交換するという規定は、それは一般の場合には、私は国鉄でずいぶん線路を敷かれたり、いろいろ土地が入り用ですから、もちろんあっていい規則だと思いますけれども、今まで住んでいたえらい人がそのままお住みになるというようなことは誤解を招くことがあるから、むしろその規則にただし書か何かつけて、よその第三者に譲られる場合はいいけれども、そういう方にはちょっと不便になってお気の毒なような気もしますが、公私をはっきりされるならば、そういう便宜扱いをされない方がいいんじゃないかと、こう思いまして、副総裁の御意見を伺いたいのです。
  95. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) お話の点私も全くさように考えます。交換につきましては、これはあくまで有利の場合に限るのでございまして、私ども従来の書類調べてみましても、必ず有利な場合に限っておるようでございます。ただ有利、不利と申しますのは、いろいろの見方がございまして、坪数だけでもなく、環境だけでもなく、いろいろな点がございますので、そこの判断が多少むずかしいということはございますが、それだけにまた世の中の誤解を招く原因にもなるというふうに考えます。ただ、今いろいろお調べ加賀山総裁の件につきましても、私いろいろの点から調査いたしましたが、少しも事務的に間違いございませんが、少くとも私どもばかりでなく、御本人にも御迷惑をかけるというようなことが交換の場合に時たま起ることもございますので、今回を機会といたしまして交換はやめるつもりでおります。
  96. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 御所見よくわかりましたのですが、いま一度お尋ね申し上げたいのですけれども、それはあの規則にできておることは必要もあるし、またそれを適用されていくことが、国鉄の財産管理に私は必要だと思っておりますが、ただその場合、今の御答弁もございましたけれども、国鉄の方から積極的に自分の建物がもう要らなくなったのだからだれか要らないかという場合には、私はこれは国鉄の方が主でございますから、比較的問題がないんじゃないか。ただそうでなくて、逆に国鉄じゃそのままにしておく方がいいのだけれども、住んでいる人の方がほしい、断わるにはどうも断わりにくいというようなところで、こういう方はみんな長くお勤めになって、ずいぶん御功労もある方ですから、便宜をはかろうというようなところが加味されて処理されるんじゃないかというふうな気もいたしまして、私さっき交換について申し上げましたけれども、国鉄の方がもう要らなくなったからそれをどっかへ売る、そのときはほかの方の有利なものがあれば、これもこのときは不利じゃ困りますけれども、有利なものが数字の方で出てくれば、もちろんそこをおやめになって他をとるという、そこのどっちが発動していくかという点についてやはりはっきりと御方針を立てられた方がいいんじゃないか。本人が望むからしてこういう公務員住宅というようなものをむやみに変動することは非常に弊害があると思いますので、その点について、これは今のに入っているような点でございますけれども、いま一度一つお答えを願いたいと思います。
  97. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 交換の場合には、まあ主として御本人からの御要求が多いと思います。それはやはり居住しておりますれば、子供の通学であるとか、近所のつき合いだとか、そういうことがどうしても固定して参りますので、やはり引っ越し、立ちのきということはいろいろな点において御本人に不便になるだろうと思います。ただ現場の駅のようなものは、これはもう絶対的に駅の前が必要であるということでございまするからして、これはそういうふうな個人の事情は一切見るわけには参りませんです。ただ、東京都内でございますると、その点は多少大まかに考えてよかろうと思います。しかし大体こちらでさらに交換が有利であるということがはっきりいたしました場合には、私はおっしゃるようにさしていただきたいと思いまするが、ただその有利か不利かということの判定がなかなかむずかしいのでございます。交換は大体におきまして、原則として等価交換を考えております。差額があまりに出るいうことは、交換自体の性質から考えまして避くべきではないか。そういたしますると、ちょうど等価くらいの標準でございますると、これの見方によりまして、それは交換受けの方が多いのじゃないか、あるいは交換渡しの方が多いのじゃないかというような、いろいろそこに見方が出て参りまするので、やはり国鉄の財産管理といたしまして、できるだけ、どこから見ましても御批評の余地がないようにするということにつきましては、やはり交換はなるべく避けていきたいということがいいと思いまして、今回交換はしないことにいたした次第でございます。
  98. 大倉精一

    大倉精一君 先ほどの継続なのですが、久留さんが公安本部長に任命されたのはいつでございますか。
  99. 山崎武

    説明員山崎武君) 先ほどお配りいたしました資料の中に、二十八年四月一日に居住ということになっておりますが、任命されたのはちょっと今失念しておりますが、さっそく調べたいと思いますが、おそらく四月一日のずっと前ということじゃないかと思います。ほとんど近くだと思いますが、さっそく調べます。
  100. 大倉精一

    大倉精一君 そこで東京においては、御承知のように非常に住宅が窮屈でありまして、久留さんの方から東京住宅についていろいろお世話をしてもらいたいという申し出があったと聞いておるということを、今御答弁がありましたが、久留さんの転任に対しまして当局の方としては、久留さんの住宅についてやはり物色中であったのか、あるいはそれは個人でお入りなさいという方針であったのか、どっちでありますか。
  101. 山崎武

    説明員山崎武君) それは久留さん自体につきましてどうであったかはっきりいたしませんが、大体転任されてきます方の宿舎は、東京にはほとんど借家もございませんので、できるだけこちらの方の宿舎を割り当てたいという気持でいつもやっております。多分久留さんのときも公舎に入りたいということがその気持だったと思います。
  102. 大倉精一

    大倉精一君 多分ではなくて、久留さんがこちらに転任されなければならぬのですが、しかも家がない、こういう状態土地の物色方も入手方も依頼があったというのですが、これは国鉄の方に、久留さんの家についてはいろいろ御配慮になっていると思うのですが、それは国鉄の方では関知しないから君の方でやれというようなことであったのか、あるいは久留さんの住宅について国鉄の方でいろいろ物色されておったのか、このときにたまたま下代田のうちがあったのか、その点の関係はどうですか。
  103. 山崎武

    説明員山崎武君) たまたまこれになったのだと思います。
  104. 大倉精一

    大倉精一君 と思いますじゃなくて、具体的に……。
  105. 山崎武

    説明員山崎武君) 実は久留さん個人のことのいきさつがよくわかりませんですが、調べまして、後刻お答えいたします。
  106. 田中一

    委員長(田中一君) ちょっと委員長から注意いたしますけれども、御答弁が常にあいまいな答弁ばかりなんです。少くとも厚生課長としてはそのような居住地域に対する把握方の正確なものがあるはずなんです。非常に不誠意であいまいで、御答弁に少し注意して下さい。
  107. 大倉精一

    大倉精一君 私はこれをお伺いしておるのは、加賀山さんが個人として単に交換のためにお買いになったのか、あるいは久留さんを松原町のうちへあなたの方で予定になっておった、それでは加賀山さんに対しても悪いので、そのかわりのうちを探すというような経過であったのか、そういう点をお聞きしておるのであって、今の御答弁によるというと、久留さんは転勤の任命、辞令はもらったけれども、東京に住むうちがないという状況なんです。うちがないという状況であって、それを国鉄が放任しておかれたはずはないと思う。どっかやはりその居住を予定をされ、あるいは物色されておったと私は思うのですが、それがわからぬはずはないと思うんですがね、その点のいきさつについてだれかわかる方ありませんか。
  108. 山崎武

    説明員山崎武君) ただいま調べましたところによりますと、久留さんが転任いたしまして宿舎を物色をしていたのでございます。どこの宿舎を充てるということではございませんでしたが、たまたまこれがありましたので、都合がいいということで久留さんの宿舎に割り当てられたのだと思います。
  109. 大倉精一

    大倉精一君 たまたまあったと言われますけれども、これは加賀山さんが松原町を交換されるために物色されて下代田のうちを買われた、でこれを交換するので、そこで久留さんを入れるのだ、そういうコースが出たということと思うんですが、私はどうもそういうケースじゃなくて、久留さんのうちというものを物色しておられて、同時に加賀山さんも交換の希望があった、そういうようなことが一緒になって、そうして当然これは加賀山さんの下におられたところの施設局長なりあるいはあなたなりがいろいろそれに関連して職掌柄物色された、そうして交換された。交換するについては久留さんの工合が悪いから、加賀山さんの名義にしてお買いになった、こういうコースが出てきたのではないかと思うんですが、そういうようなコースじゃありませんか。
  110. 山崎武

    説明員山崎武君) 同じことを繰り返すようでおそれ入りますが、実は私交換ということにつきましては厚生としてはタッチしておりませんです。ただ宿舎政策といたしまして、転任してくる者がある、どこがいいだろうということを私たちの方でやっておるわけです。ですから私の御答弁といたしましては、転任の希望があってどっかいいところがないか、たまたま宿舎があるということで、それではそこへ入ってもらうということでやったわけでございます。
  111. 大倉精一

    大倉精一君 私は下代田のうちの入手の経過については少し詳しく知りたいと思ってお尋ねしておるんですが、これは全然国鉄がタッチしていないとすれば、ほかにお尋ねする方法がないので、加賀山さん個人にお尋ねしなければならないわけであります。で、これ以上尋ねてもこれはあなたの方ではわからないと思いますので、あらためてほかの方からお尋ねするとして、次にお伺いしたいのは、この前資料をちょっとお願いしておいたんですが、これは鈴木ちよさんから下代田のうちをお買いになったときに三十七万幾らということになっておるんですが、これはほんとうの価格と違うんだという施設局長の答弁がございました。そこで加賀山さんは現実に幾ら支払っておるかということをお尋ねしたんですが、この資料が出ておりませんが、これはどうでありますか。
  112. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) それはいろいろ私の方でわかりませんので、いろいろお聞きしたのですが、いまだにわかりません。
  113. 大倉精一

    大倉精一君 これも加賀山さんに聞かなければわからぬということになりますか。
  114. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 結局私の方に資料がないのでございまして、やはりお聞きしまして、資料がありましたらそれを伝えるというよりしょうがないと思います。
  115. 大倉精一

    大倉精一君 この前からだいぶ日にちがたっておるのですが、これは聞いてもらえばわかることであって、これはお聞きしてお知らせします、こういうことでありますか、今からでもちょっと聞けませんか。
  116. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) きのうお聞きしていたのですが、どうもまだきのうのうちでわかりませんでして、あるいはきょうぐらいにわかっているかもわかりません。
  117. 大倉精一

    大倉精一君 これは本人の宅に電話もありますし、それから国会にもおいでになっているし、加賀山さんにお聞きしてもいいのですが、なかなか各方面の反対があってお聞きするチャンスがありませんが、あなたの方でさっそく今からでも幾らお払いになっておったか、加賀山さんの方で幾らお払いになったかということをお尋ねになって、至急御報告願えませんか。
  118. 田中一

    委員長(田中一君) 佐藤君に申し上げますが、そのような手続をとりますから、今行ってお聞き願えますか。
  119. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) よろしゅうございます。私の方で連絡いたします。
  120. 大倉精一

    大倉精一君 さらにお伺いするのですが、加賀山氏の松原町のうちを交換された後、やはり総裁公邸というものが必要になるわけで、現に代々木の山谷町に総裁公邸をお買いになったのですが、松原町の交換後においてやはり総裁公邸を買うという計画は立てておられたのですか。その点についてあったかなかったかをお答え願いたい。
  121. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 次の総裁長崎さんでございますが、長崎さんは秋田県の方の寮に入っておられましたので買う必要がなかったものですから、そのときは買う予定を立てておりませんでした。
  122. 大倉精一

    大倉精一君 そこで、たまたま長崎さんは総裁として住むうちがあって買う予定がなかったのですが、必要がなかったのですが、もし総裁公邸を買わなければならぬとすれば、相当多額な金が私は要ると思うのです。そこで先ほども有利、不利というお話がありましたが、二百十万円という評価でもって交換をされて、そうして次に買わなければならぬときには、もう修繕費全部も含めて一千万円も出さなければ買えないというような結果であったのですが、現に十河さんの公邸は、この資料で見ますというと七百六十二万五千円かかっている。このほかに修理費もかかっていると思うのです。そういうような点からいって、あそこを総裁公邸としてお買いになってお使いになるというそういうことについて、あなたの方でやれ不便だ、国鉄から遠いからというような話があったのですが、遠いといってもこれは電車で通うわけじゃないのですから、車で通うのですから、これは遠い近いということは問題じゃないと思うのです。そういう点からいって、あそこを交換しなければならぬ、交換した方が有利だという点が出てこないのですが、そういう点について、次の総裁邸を買収するということの関連性を一つ御説明を願いたいと思います。
  123. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 先般私あの交換しました建物を何のために最初買ったのか——松原町でございますね——そのことで総裁公舎のためだ、宿舎のためだ、こう申し上げたのでありますが、私あとでまたちょっとこの点疑問があるので、後ほど御返答申し上げます、こう申し上げまして、帰りまして書類調べましたら、松原町の家は副総裁宿舎として買うのだというふうになっておりまして、あれは副総裁宿舎として大体国鉄は求めておったのであります。それで結局、ですからあの当時といたしまして、やはり総裁宿舎というのはなかったというふうに考えられます。
  124. 大倉精一

    大倉精一君 どうもその答弁も、総裁公邸として買ったという勘違いをした答弁をしたというようなことでありましたが、私はそういうのはどうも勘違いの中に入らぬと思いますが、かりに副総裁公邸としてお買いになって、副総裁がお入りにならなければ、今度加賀山さんが総裁におなりになった。そうすれば、やはり総裁公邸というものを買って総裁公邸に移る。副総裁公邸を総裁が横取りしておるような格好は、私はどうも腑に落ちない。特に天坊さんあたりも役所から買われるというと、近所であるのにすぐお変りになっておる、こういうような経過もあるのですから、どういうわけで総裁におなりになって、総裁公邸を別に買って、副総裁公邸として予定されたところに副総裁を住まわせないか、そういう点はどうなんですか。
  125. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) これは私の答弁が……、厚生局の実は答弁かと思いますが、当時宿舎はやはり足りませんでして、特に局長級が足りませんものでしたから、加賀山さんが入っておられた宿舎が狭いので、その隣ですか、約隣です。隣の松原町の家、これを求めまして、それは書類上はっきり施行事由として、副総裁宿舎として適当な建物があったので、新築にかえてこれを買う、こういうふうな書類になっております。ですから結局加賀山さんが今まで入っておられたのは、あれは職員局長のとき入られまして、それから業務局長になられまして、それから副総裁までおられて、副総裁から今度は総裁になられる直前に隣へ買いまして入りましたのですが、結局そのあとはまた天坊さんに入っていただく、結局ほかの宿舎をあけて局長宿舎に回した、こういうふうになっております。
  126. 大倉精一

    大倉精一君 どうもその点が明確じゃないのですね。これは義務居住ですね、総裁とかそういう人はですね。ですからここは総裁の家だ、ここは副総裁の家だ、ここは局長の家だと、ちゃんと格といいますか、そういうものがあるはずです。それを便宜的に副総裁時分に入ったから総裁になっても入るのだというような格好になっておるのですか、あるいは副総裁は副総裁としてちゃんと公邸があって、副総裁という任命になればその公邸に引き移るということになるのですか、その点は国鉄の内部の運営はどうなっておりますか。
  127. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 私先ほどちょっと申し上げましたが、現場の駅の義務居住でございますと、線路というものと密着して参らなければならぬというはっきりした標準がございますが、総裁、副総裁あるいは局長というような事務を見ます者につきましては、東京都内の便利なところであれば差しつかえないのでございまして、おっしゃる通りにはっきりとこれは総裁公館、これは副総裁公館というふうに場所まできめて大体引き継ぎするというふうなことになっておりますれば一番便宜なんでございまするが、終戦後いろいろ住宅も払底でございまして、そういうふうなはっきりした公館を持つ機会と余裕がございませんでしたものですから、現在のようにいろいろ転々して、どれが総裁、あるいはどれが副総裁というふうなはっきりした公館制度がございませんのははなはだ遺憾に存じておるのでございます。先ほど来の御質問でございましたが、ただいまの住宅難でございますれば、なかなか適当なものが入手できない。そういう場合にあるいは副総裁に充てるつもりであっても、副総裁が都合でその家には入らなくても済むというふうなときには、それは他に回すということも当然のことでございまして、住宅の問題はもちろんお話のように事前にはっきり確認いたすことが、そうして居住者をきめて物色する、あるいは固定して何職の公舎であるというふうにきめるのが理想的でございまするが、現実としてはなかなかそうゆきかねるのでございまして、従いましてただいまの御質問にありますような、副総裁を入れるつもりで買収しましたのが久留の官舎になりましたような場合もございまして、なかなかはっきり官舎問題を事前に計画いたしまして、計画通りにゆくということはなかなかむずかしいことでございまするが、今後はかような事例にかんがみまして、できるだけはっきりして参りたいと、こう思っておるのであります。
  128. 大倉精一

    大倉精一君 今のちょっと終りのところで、副総裁を入れるつもりで買ったのが久留の公舎になった、こういうふうなあれがあったのですが、あそこはそういうことになったのですか。
  129. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 私の記憶違いでございましたが、施設局長から訂正いたさせます。
  130. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 副総裁用として買いましたのは松原町の方の宿舎でございます。それでいいのでございますか。
  131. 大倉精一

    大倉精一君 そうしますと、代々総裁がかわれば、総裁公邸はかわったたびに変るというふうな結果が出てくるということもあり得るわけですね。総裁の公邸を買って、総裁がそこに入らなければ、これは必ずしも総裁が入るわけじゃないのだ、必ずしも副総裁が入るわけじゃないのだ、こういうことになれば、これはそのときの都合々々によって、総裁がかわれば公邸も変る、副総裁がかわれば公邸も変る、こういう格好になってくるのですね。
  132. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 場合によりまして、あるいは総裁公館がございましても、新しい総裁都内住居を持っておるというような場合を考えますれば、必ずしも公館が一定しておるということがない場合もございまするけれども、ただいま申し上げましたように、今後交換ということはいたさないことに考えますので、従いまして、今後は原則といたしましては総裁その他がかわりますれば、居住が変ってくるというふうに御承知願います。
  133. 大倉精一

    大倉精一君 副総裁は何か十二時半から御予定があるそうですから、ちょっとお伺いしておきたいのですが、きょうの日本経済新聞を見ますというと、何か国鉄の住居の問題について、総裁名でもって国民にわびるとともに、今後も厳重な管理を約束する声明文を発表するということが新聞に出ておりましたが、これはどういうような形でおやりになるのですか。
  134. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 新聞に出た通りではございませんで、声明するというふうな、一般に声明するというようなことは考えなかったのでございます。ただ、かような財産管理上、いろいろ事情はございますけれど、新聞に出ましたような点がございますので、たとえて申しますれば、許容された月数以上にまだ立ちのきができないといったような例もございまするので、今後管理をさらに一そう徹底せしめる、そういうことが国鉄として必要だろうと、こう考えまして、総裁から部内の監察局、施設局、管財部、そういうふうな関係個所に今後財産管理は徹底してするようにという部内の指令を出す、こういうつもりでございまして、それが新聞にそのように記載されたのでございます。
  135. 大倉精一

    大倉精一君 この問題に対する当初の局長の答弁によりますと、この問題については決して不正はないんだ、何ら不正はないというような御答弁があったんですが、しかしながら、この新聞によりますというと、この種の始末となっておるので、その点の考え方なり何かだいぶずれていると私は思うのですね。ですからここに不正はないのだということになれば、こういう必要はないと私は思うのです。この点はどうなんですか。
  136. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 私は、不正は絶対にないと存じます。ただ、私がちょっと考えたことを申し上げますると、現在の住宅困難の情勢下におきまして、役をやめた者が二ヵ月で必ず立ちのけという規定があるいは少し窮屈なんではないかというふうな気もいたします。しかしながら、他方にそれをいつまでも立ちのかないということになりますれば、これは財産の管理上はなはだ困るということでございまして、そういう点に検討を加えまして、財産の管理を一そう完全にいたしたいと、そういう意味でございまして、繰り返して申しますれば、不正ということは絶対にない。しかしながら、まだ研究の余地があるし、さらに現在長期間にわたって官舎をあけてもらえないというようなところには、この際徹底的に立ちのきをしてもらう、そういうふうなことにつきまして、今後の行き方をはっきりするという意味でございます。
  137. 田中一

    委員長(田中一君) 関連して伺いますが、今の加賀山さんほか退官した幹部職員は、退職手当を幾ら支払っているか、またそのほかにプラス・アルファというような形で何らかの便宜を与えたことが通例であるというようなことを聞いているのですが、はっきりした退職手当金並びにそのほかのプラス・アルファというもの、国鉄王国として慣例としてやられている数々の利益——利益を与えることですね、ということのリストをお出し願いたい。今わかれば、それをはっきりここで御答弁願いたいと思うのです。
  138. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) ただいまは持っておりませんので、それを調べまして提出いたしますが、ただいまお話のプラス・アルファというようなものは、私はまだ来ましたばかりでして何も存じませんのですが、退職金の額につきましては、おそらく申し上げればこんなものかと思われるくらいの低いものでございます。しかし、ばく然としたお答えではいけませんので、詳細に調べまして、さっそく提出いたすことにいたします。
  139. 田中一

    委員長(田中一君) これは今言う通り、一等のパスは何ヵ年分もらうとか、いろいろあると思うのです。ないとは思っていない。あるわけです。そういうものを全部提出していただきたい。加賀山君の場合にはこれはおわかりじゃないですか。人事関係の方来ておりませんか。久保経理局長、御存じないですか、御存じのはずでしょう。
  140. 久保亀夫

    説明員久保亀夫君) 退職手当もいろいろと規則が変っておりまするし、またことに公社になって以来変っておりますので、すぐに昔のようにぴたっと出ないものですから、ただいま私存じておりません。これは今、副総裁申し上げましたように、すぐわかることでございますから、さっそく調べて御報告いたします。
  141. 田中一

    委員長(田中一君) 会計計検査院にお願いしますが、これは会計検査院は国鉄並びに運輸省との連絡はとっては困ります。現在あるところの松原と下代田の会計検査院として評価を、会計検査院の意見として至急に御提出願いたいと思うのです。  それからこういう事例が数々あったことを今日まで会計検査院は等閑に付しておったということがこれではっきりするわけです。今言う通り大へんな数に上ると思うのです。どういうわけでこれがあなた方の目をくらましておったか、あるいはこれに触れたことがあったかどうかという点について、検査院側の方の意見を伺いたいと思う。
  142. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) 加賀山総裁の公邸の問題でございますが、これは二十七年の十二月に交換になったものであります。当時私どもといたしましては、公社につきまして計算証明書類の簡素化ということが諸方面から言われまして、二十六年度から証明書類を一切取らん、こういうことにして間もない時期のケースでございます。二十六年、二十七年は一切証明書類を取らなかったのでありますが、これでは何としてもどうも検査がやりにくい、こういうことで、また二十八年に元へ戻るということにいたしまして、逐次官庁並みに引き上げてきているのが現状でございます。三十一年の四月からはだいぶ一般官庁に近く証明書類を出してもらう、こういう段階に来ているのであります。当時この案件は、大体財産の管理というような現業的な業務鉄道管理局でやるのが普通であります。私どもも鉄道管理局へ参りますと、こういうことをあちらへ参りまして——証明書類は精細には出て参りませんが、調べるということをやっていたのでありますが、このケースは、これは最高の幹部という関係もあったかと思いますが本庁では交換を一切おやりになっていたのであります。先ほど施設局長からもお話がありましたが、私ども本庁には検査には参りますが、本庁に参りますときには、これは御承知のように、大体計画的なこととか、こういうような大綱的なことをいろいろ調べるというのが普通であります。資材の調達というようなことになりますと、これは本庁が大々的におやりになっておるのであります。こういうものにつきましては、向うへ参りまして書類も検査するのでありますが、こういう異例な事態で、それまでにはあまりたくさん実はなかったのであります。そうたくさん交換というような事態があったわけではございません。ことに本庁関係のものというのは、おそらくこれが初めてじゃないかと思うのであります。私どもといたしましては、今考えますと見落しだった、こういうあれは強いのでありますが、当時そういうような事情で、私どもとしては十分な検査をしてない、こういうことを申し上げるのでありますが、その後別にそうたくさん交換というのはあるわけではございませんが、しかしながら一般官庁、これは国鉄もかつてはそうだったのであります、国有財産法の相当厳重な適用を受けているのであります。国有財産法には交換については原則としてこれは禁止しているのでありまして、土地とかあるいはコンクリートの建物、いわゆる堅固な建物、これだけの交換を認めておるのでありまして、こういう木造を簡単に交換してしまうというようなことは、これは一切認めていないのであります。ことに今のような土地交換あるいは堅固なコンクリートの建物など、それがぜひ必要だというようなことで交換する場合でも、必ず会計検査院に事前に協議するということに法律上規定がなっております。こういう事態があまりたくさんあれば、私どもとしてはすぐわかるのでありますが、国鉄の場合は、先ほどもお話がございましたように、総裁たちで国鉄が有利と認めた場合にはことごとくできるような規定になっております。あらかじめ会計検査院にお話がないのでありまして、これにつきましてはそういう事情で、今まで検査をしてきたわけであります。
  143. 田中一

    委員長(田中一君) もう一ぺん小峰君に伺いますが、提示されている書類では三十七万数千円で買った家を一ヵ月を経ずして二百万に評価されてすなわち交換をしているんです。佐藤施設局長は、三十七万五千円じゃないだろう、通念として脱税をするために、そういうものはあとの実際取引はもっと上回っているのじゃないかという答弁をしている。もしそうでなくて三十七万数千円のものなら、会計検査院はどういう工合に今までの経験上考えられますか。一ヵ月をたたない間に二百万と評価されるということについては……。
  144. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) 三十七万数千円の問題でございますが、これは当時、先ほど申し上げましたように、会計検査院には証明書類が全然出てきていないのであります。それがかりに出ましても、三十七万数千円というものは、交換のこちらから、国鉄から出します家屋のかわりに相手側から提供するものであります、これが前にどういう関係にあったかということは、ちょっと会計検査院ではこれは普通の場合、正常の場合でもちょっとわかりかねるのであります。そのもらう財産の前歴であります。これがどういう関係にあったかということは、ちょっとこれはわかりかねる。三十七万というものもおそらくこれは登記の価格じゃないかと思うのであります。登記の価格でも私どもの方といたしまして調べるよりほか手がないのであります。お互いがかつてどのくらいの値段で売買されたかという私人間の売買であります。これがちょっとわかりかねる、こう思うのであります。  それから先ほど現況を評価しろというお話でありますが、これはできるだけの手は尽しますが、現在の状況ということで会計検査院として一体評価ができるかどうかという点も、これはもう私人の個人のものになっておりますので、そういうものに会計検査院が評価できるかどうかという点は、これは研究してみないといかぬのであります。あるいは御満足なお答えができないんじゃないだろうか、さっきとっさでありますが、そういうふうに考えているわけであります。あらかじめ一つ御了承を願っておきたいと思います。
  145. 八木幸吉

    八木幸吉君 会計検査院に伺いますが、国有財産を交換する場合には協議するということが法律上の規定にありますか。
  146. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) 国有財産法の二十七条にございます。これは非常にやかましい規定でありまして、土地あるいは土地の定着物、溝とか、そういう土地と一体になっている定着物であります。それからあとの場合は建物の場合に堅固の建物の相互の交換、こういうことになっております。二十七条の三項だと思いましたが、それにあらかじめ会計検査院に協議しなければならぬ、こういう規定がございます。
  147. 八木幸吉

    八木幸吉君 そういたしますと、国鉄交換しても、やはりこの規定は準用されると見る方がいいんじゃないですか。
  148. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) これは準用されません。別に国鉄が達としておきめになっているわけであります。
  149. 八木幸吉

    八木幸吉君 副総裁お忙しいらしいですが、今後一切交換をやめるという方針をここでおきめになるということは何か非常な不都合がございますか。
  150. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) ただいまのお尋ねはここできめろということでございますか……、よろしゅうございます。もしそういうことでありますれば、そういう趣旨で進めたいと思っておりますので、なお一応帰って総裁に了承を得るということだけ御承知願います。今後交換ということをやめると申し上げてけっこうでございます。ただここで一言申し上げたいのは何か交換をやめるということが、従来不正があったんじゃないかというふうにおとり下さいますと非常に困るのでございまして、先ほど申し上げましたように従来の交換につきましてはすべて厳重な評価制度をとっておりまするので、その価格につきましては見方によりいろいろ多少の出入りはございますかもしれませんが、私どもといたしましては交換の場合常に第三者の評価もとりましてきちんとして参ったつもりでございます。ただし先ほども申し上げましたが、交換というのは大体等価、同じ価格の付近をねらうということでございまするので、そういう場合には人人の見方によりまして受けの方が多い、あるいは渡しの方が多いというようないろいろな批評の出る余地がございまするので、そういう誤解を除きたい、そういう意味だけで今後の交換をやりたい、こう考える次第であります。
  151. 八木幸吉

    八木幸吉君 まだ質問してよろしいですか……。先ほど退任者居住の表をいただきましたが、これは新聞記事があるんですが、その中には高井軍一さん、それから牛島辰弥さん、藪虎芳さん、大槻丈夫さん、これらの方々はいずれも退任者であってなおかつ宿舎を立ちのいていらっしゃらないというふうにきょうの新聞に出ているんですが、これはこの表には載っておりませんが、どういうのでしょう。
  152. 山崎武

    説明員山崎武君) 実は局長以上の職にあるものの退職二ヵ月以上というお話でありましたので、大槻さんはまだ二ヵ月になっておりませんので、それで載せてありませんです。それから藪谷さんと高井さんはもう宿舎を出ております。それから牛島さんの関係は、おそらくこれは土曜の日に急遽御提出申し上げたんでございますけれども。牛島さんは実は国鉄宿舎に入っておられましたが、運輸省に転任いたしまして、退去の関係その他運輸省の方に一応あるものでございますので、この表から抜いてあったと思います。
  153. 八木幸吉

    八木幸吉君 牛島さんの話は、ほかはよくわかりました。牛島さんの場合ちょっとややこしいのですが、今、牛島さんのお入りになっておる宿舎国鉄のものですか、あるいは運輸省のものですか。
  154. 山崎武

    説明員山崎武君) 建物国鉄のものでございます。ございますが、運輸省から国鉄になりましたときでございますね、そのときに居住していた人は、一応申し合せによりましてそのままそこにいてもらう、しかし公務員宿舎もできる際でございますから、徐々にこれを適宜振りかえていくということになっておるのでございます。牛島さんが入りますときは、国鉄の多分職員局長だと思いますが、それから運輸省に転任されまして、それから次官になられたわけでございます。
  155. 八木幸吉

    八木幸吉君 結局牛島さんは局長以上の人で、退任者で今国鉄宿舎に入っているというのだから、この中に落ちているのは間違いじゃないですか。
  156. 山崎武

    説明員山崎武君) 急いでやりましたものでございまして、ただいまもお話ししましたように、運輸省で退去関係をやっておるものでございますから、一応抜いてありましたが、ほんとうはあげるべきであったと思います。
  157. 八木幸吉

    八木幸吉君 じゃ同じようなことを追加して御提出をいただきたいと思います。それから引き続いて……まだいいですか。
  158. 田中一

    委員長(田中一君) ちょっと速記をやめて。   〔速記中止
  159. 田中一

    委員長(田中一君) 速記を起して。  本件に関連して大蔵省に対して資料要求いたします。ただいま大蔵省管財局総務課長武樋君がお見えになっております。資料は、公務員宿舎調べであります。国家公務員宿舎で退官後二ヵ月以上居住しているものの資料要求いたします。部局長以上のものについては姓名、官庁別、官職、退官年月日及び交換渡したもの及び将来の見込み等について調べたものをお願いいたします。部局長以下のものは、各省庁の件数だけでよろしゅうございます。また政府関係機関についても同様の資料要求することに御異議ございませんか。
  160. 大倉精一

    大倉精一君 今の資料、訂正をしたいのですが、退官後二ヵ月というのを退官後続いてという工合にお願いしたいと思います。従ってその続いて居住しておる期間ですね、将来交換をする予定なのか、退居をしてもらう予定なのか、あるいは譲渡をする予定か、このようなことも……。
  161. 田中一

    委員長(田中一君) ちょっと速記をやめて。   〔速記中止
  162. 田中一

    委員長(田中一君) 速記を起して。  部局長以上の者については姓名、省庁別、官職、退官年月日及び交換渡したもの及び将来の見込み等について調べたものをそのように訂正して、また政府機関についても同様の資料要求することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  163. 田中一

    委員長(田中一君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。  さらに日本銀行の宿舎についても同様の資料要求したいと思いますが、必要がある場合には成規の議長経由の手続をもって要求することに御異議ございませんか。
  164. 八木幸吉

    八木幸吉君 異議ありませんが、家賃を入れておいて下さい。
  165. 田中一

    委員長(田中一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次に国鉄側に、先ほどの質疑の中において後刻調査の上答弁するというもののうち、国鉄退任者交換した宿舎調べのうちの、受け物件の取得時期。同じく同上の借料在、任中と退任後に分けまして。それから三は、義務居住者の世帯持ち、独身者別の内訳、なおこれの不正調べ課長以上職名別居住状況調べ。山谷宿舎家賃義務居住の内規、資格別状況調べ。次に久留氏のために居住の配慮をしたかどうか。鈴木ちよに対する実際の支払い額。退職手当とその他の便宜的処置等の資料をお出し願うことになっておりますが、よろしゅうございますね。  なおその他御要求のものがあったらば御発言願います。
  166. 八木幸吉

    八木幸吉君 今の交換のために買った年月日を出して下さい、金額も。いつ幾らで買ったか、金額を入れていただきたい。
  167. 田中一

    委員長(田中一君) 取得時並びに金額。  以上、資料要求国鉄側よろしゅうございますか。  それでは暫時休憩いたします。    午後零時五十七分休憩    ————・————    午後三時二十五分開会
  168. 大倉精一

    理事大倉精一君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  午前の会議に引き続いて質疑を続行いたします。  なお、委員長所用のため、依頼によりまして暫時委員長代理をいたしますので、御了承願います。
  169. 久保等

    久保等君 午前の質問にも関連するのですが、会計検査院にちょっとお伺いしたいと思うのですが、国鉄の場合について、不動産の交換の場合に同類の不動産を交換するということは常識的にある程度許されるとしても、同類でない、たとえば土地と家屋の交換をする値段が同等であるからというので、土地と不動産とを交換するというようなことは、私は国有財産なり、これに準ずる不動産の処分といいますか、やり方としては非常に当を得ないじゃないかというふうに考えるのですが、すなわち、土地の場合ですと、これはいわば不滅の不動産でありまするが、特に木造家屋といったようなものの場合においては、交換する当時には値段の面ではほぼ同じ程度のものであったとしても、これが恒久的に同一価格で維持して参るということもできないでありましょうし、火災等によって焼失をするといったようなことは、これはもう十分に予想せられる不動産であるわけですが、従って国有財産なり、また国鉄の場合における国鉄財産の場合においても、そういったような家とそれから土地交換する、しかもそれが相手方の方が土地であって、こちらの方が家であるというような場合に交換するのであれば、これは有利な交換だとも考えられるのですが、逆のような形で交換をするということは、これはすなわち本質的にいって私は有利な交換とは認めがたいのじゃないかというように思うのですが、これは一般的な問題の質問なんですけれども、会計検査院の立場から見て、国鉄財産がそういう形で交換せられるということも、これは許されるというふうに判断しておられるのか、そういったことは私は当を得ないというふうに判断をせられるのか、お尋ねしたいと思います。
  170. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) 先ほどお答えいたしました通り、国有財産の場合には、これは非常に厳重な制限がございます。国有財産法の規定にあるのでありますが、国鉄の場合には事業上の必要ということが主たる要素だと思いますが、国有財産の場合ほど厳重な制限はないわけでありまして、総裁達で、今の有利であればということだけが条件になっておるわけであります。従いまして法令上違法であるということは、私どもとしてはこれは言えないわけでございます。ただ具体的に妥当かどうかという点になりますと、これはまた別な判断が入ると思いますから、やはり個々のケースについて考えるほかないのじゃないかと思います。
  171. 久保等

    久保等君 なおその問題については副総裁がお見えになってからお考え方をお伺いしたいと思うのですが、副総裁お見えにならないようですから、一つその問題については保留といたしまして、多少事務的な、けさ参考書類をいただいたので、その資料について国鉄の当局の方にお尋ねをしたいと思うのですが、けさほどちょうだいしましたこの「総裁、副総裁宿舎変せん調」というものに関連してお尋ねしたいと思うのですが、今、天坊前副総裁が入っておられます松原の四丁目百四十八番地の宿舎というのは、これはいつ国鉄がお買いになったのか、日時がおわかりになりましょうか。
  172. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 今のところわかっておりません。調べればわかります。
  173. 久保等

    久保等君 これは何ですか、今おわかりになりませんか。
  174. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 今ここではわかっておらないのです。前のもので……。
  175. 久保等

    久保等君 今、天坊総裁がお入りになっているのは国鉄宿舎なんでしょう。
  176. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) これはだいぶ前に買いましたので、書類がみんな古い、十年も前の古い書類ですから探し出すのが大へんでございます。
  177. 久保等

    久保等君 おわかりにならないということではやむを得ないと思いますが、土地なり家屋の大きさはおわかりになりますか。
  178. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) はっきりしたことはわかりませんのですが、加賀山さんにお譲りしました副総裁宿舎よりだいぶ狭いのです。
  179. 久保等

    久保等君 その点も一つこれはお調べになってこちらの方に資料としてお出し願うように委員長を通じてお願いしたいと思いますが、なおその松原のただいま申し上げた宿舎の問題は、やはりけさほどのいろいろ質疑がなされております過程で指摘されておりますように、お買いになったときも、一体どういう意味でお買いになったのか、私、その点をお伺いしたいと思うのですが、買われたのが、ただいまの御説明でも明らかにならなかったのですが、いつごろ購入せられたのか、これがわからないからその当時の状況を判断するわけに参らないのですが、ただ明らかになっているのは、二十二年三月六日に加賀山さんが業務局長当時にお入りになったというその当時からの経過はわかっておりますが、それ以前のことがわからないので、あるいはおわかりにならないかとも思うのですが、一体どういう当時の状況で、どういう必要のためにお買いになったのか、御説明願えるでしょうか。
  180. 山崎武

    説明員山崎武君) 先ほど佐藤局長からお話がありましたように非常に前の話でございますので、調べてお答えしたいと思いますけれども、一般宿舎不足のときでございますから、ただその宿舎を充足する意味だと思います。
  181. 久保等

    久保等君 それから天坊総裁が今日までずっとその宿舎にお住みのようですけれども、天坊総裁はこの宿舎に入られる前はどこにお住まいになったのでしたか、松原の今の宿舎にお住みの前には、二十四年九月一日以前は。
  182. 山崎武

    説明員山崎武君) 私の記憶では、前回は大阪の鉄道局長をやっていたと思います。
  183. 久保等

    久保等君 それも何かあまり明確でないようですが、また後ほどはっきりして一つお答え願いたいと思います。
  184. 大倉精一

    理事大倉精一君) これは委員長からもお願いをするのですが、大体きょう皆さんここへおいで願ったということは、そういう関連事項に対していろいろお尋ねしたいということでおいで願ったのですが、どうも質問の過程で不明である、わからぬ、古いからわからぬという答弁がたくさんあるのですが、これは見方によっては非常にふまじめだと私は思うのですが、そういうこの重大な問題が提案されておりますので、当然こういう関連した資料というものはお調べになって、そうしておいでになることが至当だと思うのですから、今後一つ十分この点御注意願いたいと思います。
  185. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 関連して。途中で悪いのですけれども、国鉄宿舎でございますか、公舎、これはさっき七万戸ばかりあるというお話がございまして、その中で私がお伺いしたいのは、役員の方のうちで、特に総裁あるいは副総裁、このお二人、代表は総裁だと思うのでありますが、総裁についてはあれなんでございますか、総裁公邸というものと総裁宿舎といいますか、私邸というものと二つあるんですか、それとも一つだけなんですか、その点一つお尋ねしたいのですが。
  186. 山崎武

    説明員山崎武君) 現在では二つございます。総裁宿舎と、総裁のいわゆる会議用の目的で買いました公邸でございますね。
  187. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 私は一切事情に通じないものですからお伺いするのですけれども、国鉄というのはまあ非常に大きな公社で、総裁は国務大臣級の方であるし、この公邸というようなものは、大臣の公邸があるのに対比して、やはりほんとうの意味における公邸というものが必要なんじゃないか。これはいろんな方面から、何と言いますか、大きさとか、設備とかがきまってくるのだと思うけれども、よほどぜいたくであるというようなことは避けるべきでしょうけれども、やはり品位に応ずるだけの公邸というものがいろんな意味で必要だと思うのですが、そういうものが今のお答えだとあると、それはどこにあるのでざいますか。
  188. 山崎武

    説明員山崎武君) 麹町一番町にございます。
  189. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 そうすると、その公邸の方は国有鉄道の方でもちろん、所有権を持っておいでになる、それから総裁の私邸、宿舎といいますか、私邸の方もやはり国鉄の設備なんですか。総裁自身自宅と言いますか、所有されているものなんですか、どうなっているのでございますか。
  190. 山崎武

    説明員山崎武君) 公邸はもちろん国鉄所有でございます。それから宿舎はもちろん一般宿舎と同じように国鉄所有でございます。
  191. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 そうすれば住んでおいでになるのはどっちに住んでおいでになるのですか、総裁は。
  192. 山崎武

    説明員山崎武君) ただいま申しました麹町一番町のはいわゆる公館でございまして、こちらには住んでおりませんです。別に総裁宿舎の方に住んでおります。
  193. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 それじゃ久保さんの御発言中ですから、私はこの程度でやめておきます。
  194. 近藤信一

    ○近藤信一君 ちょっと関連して。今青柳さんの御質問の麹町の公邸でございますが、この麹町の公邸は、これはいつごろ国鉄の方がお買い取りになったのでございましょうか。
  195. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 二十五年の三月三十日に買収登記をしております。
  196. 近藤信一

    ○近藤信一君 二十五年の三月だといたしますると、加賀山総裁当時にお買いになったわけなんでございますね。
  197. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) さようでございます。
  198. 近藤信一

    ○近藤信一君 敷地、それから建物等の坪数、わかっておりますか。
  199. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 申し上げます。土地が八百六十四坪四合七勺でございます。それから建物面積が百七十五坪四合三勺。
  200. 近藤信一

    ○近藤信一君 この値段は、お幾らでお買いになったのでございましょうか。
  201. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 一千百万二十五円でございます。
  202. 近藤信一

    ○近藤信一君 これは一千百万円でお買いになって、修繕も何もせぬと、そのままでございますか、すぐ使えるようになったのでございますか。
  203. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) その後修繕はしております。今修繕にどのくらいかかったかはわかりませんですが、修繕はしております。
  204. 近藤信一

    ○近藤信一君 これは、もとどこの建物であったのでございましょうか。
  205. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 横井英樹という方です。
  206. 近藤信一

    ○近藤信一君 これは横井さんという人の持物でございますか。
  207. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) さようでございます。
  208. 近藤信一

    ○近藤信一君 聞くところによれば、これは七百万円だったというような話も聞くのですが、これは一千百万円に間違いございませんか。
  209. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) きょうの某新聞にそういう記事が出ていましてですね、どうも私も初めて聞いたことなんですが、この土地が八百六十四坪ございまして、内容を見ますと、土地の値段が四百五十三万七千円になっております。これは大体都、勧銀の査定をもとにしておりますが、都は大体あの辺は六千円だと、こう言っておりますし、勧銀はやはり六千円ないし五千円だということを言っております。この買収の、今申し上げました四百五十三万七千円というのは、坪当り五千二百四十九円、ですから私たちこれは妥当の値段だろうと思います。それから建物は百七十五坪で、建物の値段が三百九十八万七千円になっております。ですから坪当り二万円ちょっとでございます。ですからこれも非常に安いものであると思っております。付帯設備が百五十八万円、これは電気その他だと思っております。それから庭園も、あれも大きいものでございますが、八十九万五千四百円、合計いたしますと、先ほど申し上げました一千百万二十五円となりまして、この内容から検討いたしますと、私たちとしては妥当、むしろ安いくらいなものじゃないか、こう思っております。
  210. 近藤信一

    ○近藤信一君 じゃ当時の契約書というようなものがありますか。
  211. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 契約書がございますし、それからいずれ金を払っておりますから、その受け取りみたいなものがあると思います。
  212. 近藤信一

    ○近藤信一君 あったらその写しを一つ出していただけませんでしょうか。
  213. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) はあ。
  214. 久保等

    久保等君 先ほどの質問を継続して私なお御質問したいのですが、今日前副総裁天坊さんが入っておりまする家のことなんですが、これは副総裁用ということでおそらく使用をせられておったと思うのですが、最近といいますか、今年の一月にやめられて、なお継続してお入りになっておるようですが、家賃は一体おわかりになりますか、在任中の家賃とおやめになってからの家賃
  215. 山崎武

    説明員山崎武君) すぐ調べてお答えいたします。
  216. 久保等

    久保等君 その点一つあとからお知らせを願いたいと思うのですが、ただ、副総裁用の宿舎といいますか、公邸の大きさがわからないので、これは私はもう少しはっきりした御答弁のできるような御準備を願って、決算委員会にはぜひ一つ御出席を願いたいと思うのですが、少くとも副総裁用の公邸、それから総裁の公邸という問題で資料も出していただいているくらいなんですから、その公邸の大きさがわからない、また宿舎料が幾らか、これも即答できかねるという状態だと、非常に無準備で委員会に臨んでおられるので、私質疑を行うにいたしましても非常に支障を感ずるわけですが、そういった点の自後ないように一つ十分御注意を願いたい。  引き続いて、次にお伺いしたいと思うのですが、やはりけさほど出していただいた資料の中であげられております森田義衞東京鉄道管理局長、これの経過概要の中で、「宿舎交換希望もあるが認め難いので退去を要求している。」というような概要が書かれているのですが、宿舎交換希望ということで具体的な申請があったのだと考えてくれるのですが、どういう宿舎交換宿舎として国鉄側に引き渡したいというお話があったのですか。その交換希望がなされた際の具体的な一体家屋の大きさないしは土地、そういったようなものの事情はおわかりでしょうか。
  217. 潮江尚正

    説明員潮江尚正君) 交換に対する具体的希望の文書は出ておりませんでございます。従いまして、具体的にこういうふうな家と交換したいということも承わっておりません。
  218. 久保等

    久保等君 しかし、少くとも交換希望があるからには、何か実体の備わった家屋なり土地、そういうものがあって、私は交換希望なり、交換をしてもらいたいという申請が国鉄側になされるのが常識じゃないかと思う。少くとも交換希望もあったけれども、それは認めがたいので拒否したというお話なんですが、そうすると果してそういうものを持っているかどうかもわからない。何とか一つあれ交換してもらえんかという程度の話なんでしょうか。もしそうだとすると、これは非常に私は交換を申し出る側の者も何というか、物があって初めて交換が成り立つのですが、物がなくてまず一つ何とかあれを払い下げてもらえんか、極端に言えば、それにはもしそういうことが許されるならば、適当なものを一つどこかから見つけてきて交換しようというふうにも推測できるのですが、しかし少くともそうではなくて、私は相当具体的というか、何か物があって交換を申し出られているのじゃないかと思うのですが、そのあたりのことは、少くとも交換の申し出があるという事実だけをとって考えても、国鉄側でははねるにしても、受け入れるにしても、一体どういうものと交換するかということについては大体のアウトラインでも、書面で出す出さぬは別として、お知りになっているのじゃないかと思うのですが、またそうでなければ、むげに交換を拒否されるということになると、これは森田さんも前の国鉄局長をやった方ですから、おそらくこれは相当な根拠があって、交換はこの際応じられないというような御返事もなさっているのじゃないかと思いますが、単に話があったのを、いきなりそんなことには応じられませんとは、今までの総裁あるいは副総裁等の公邸のこういう経過を伺っておりまする経緯からすると、納得しがたいのですが、森田さんのお持ちになっておる、交換したいという家屋なり土地なりはどういうものか、ある程度具体的におわかりになっているんじゃないでしょうか。
  219. 山崎武

    説明員山崎武君) そういうお話はごもっともだと思いますが、実は交換という意味は、そう強い意味でないのでございます。私の聞きました範囲では、実はあそこは東鉄の管理に属しているのでございまして、貸与関係も東鉄で具体的にやっておるのでございます。その場合に、現在規定としましては二ヵ月以内に出ると、出てくれということを規定によって申し上げるわけなんですが、なかなか出られない。これにつきましてはいろいろな手段でもってお話をしたわけなんですが、ずっと日時をかけたわけなんです。そのうちに現在住んでいる宿舎が非常に気に入っていると、ここに住みたいんだが、ほかと交換してくれないかと、その交換の前提としてはやはりいろいろ評価の問題もありますので、そういうことを果して幾らで交換してくれるのかという話があったんでございますが、私の方としましては、宿舎も非常に不足なときでございますから、そういうところに立ち至らないでこれは明け渡してもらいたいのですから、この交換という意味は、現在国鉄の財産としまして売り払いはもちろんできませんのですから、適当なのをほかに物色して、もちろんそれを交換しなければならないというのが現在までの実情でございます。
  220. 海野三朗

    海野三朗君 関連して。交換希望があるがというときには、交換すべき何かを森田という人が持っておるべきはずだと思うのです。それがなしに交換してくれと言ったって、持たないものでもらて交換するというはずがないから、どこかにその対象となるものがあると私は思う。そういうところは国鉄当局御存じだと思うのですが、どうですか。
  221. 山崎武

    説明員山崎武君) くどいようでございますが、その交換意味は、払い下げはできない、だから適当なのを探して交換したい、まあしばらく待ってくれ、こういう意味なんでございます。決し交換の希望を——向うで交換すべき宿舎を持ってきて、これと一つはかりにかけてやってくれというようなことではございません。
  222. 久保等

    久保等君 そういうことだと何ですか、森田さんは全然私宅——私有の家屋なり土地というものは全然お持ち合せじゃないのですか、今日。
  223. 山崎武

    説明員山崎武君) お説の通りでございます。ございません。
  224. 久保等

    久保等君 そうだとすると、これは私はまあこういう資料の中でも、宿舎交換希望があったという、しかし認めがたいので、とにかく出てくれということを要求しておるというふうに書かれてあるのですが、この交換希望があったのはいつごろなんですか。
  225. 山崎武

    説明員山崎武君) 約一年前でございます。
  226. 久保等

    久保等君 私は、そういうような形で宿舎等の管理を行なっておるとすると、これは非常に遺憾に思うわけです。しかも国鉄の大幹部がやめてからすでに三年半程度の長期にわたっている。しかもその間ほかに宿舎がないからということだけで、もしじんぜん日を送っているということだけでも、まあ相当問題があると思うのですが、その間途中全然何ら交換すべきものもないのに、交換を一つぜひしてもらいたい。言葉をかえれば、あの家は一つ永久に使わしてもらいたいと、機会を見て何か一つ適当なものを物色してそれと交換をするという形で処分をしてもらいたい。従って結論から言えば、あの住宅が気に入ってるから一つ永久的に使わしてもらいたいというようなことを、一年前かいつか知りませんけれども、途中で申し出られたりするというようなことになると、非常にあつかましいというか、全然交換すべき対象物も持っておらないで、そういうことを申し出るということ自体が不見識きわまるし、またそういうことを拒否するとかしないとかではなくて現物の現存しない話を、交換するとか、認めるとか認めがたいとかいう、問題外の問題だと思うのです。少くとも交換という観念そのものが、非常にルーズな申し出によってまず交換する、交換するのはいつかと言えば、ふところの都合もあるでしょうし、それからふところ工合があっても、なかなか思うような家なり土地なりが見つからないということになれば、これまたいつのことになるかわからないと思うのですが、全く公舎を、公邸といったようなものそのものを私有物的な考え方をして宿舎を利用しておると判断をしても、これは間違いでないと思うのですが、しかも幹部である人たちがそういう考え方で私は宿舎を扱っていくとすると、一体下に対してどういう指導ができるかということを非常におそれるわけなんですが、私はここに書いておる文面からは、おそらく適当な宿舎を持っておるけれども、しかしそれがいろいろな世間的な批判なりそういうものをおそれて、慎重にこの際むしろお断わりした方が適当だろうということでお断わりをして、とにかく早く立ちのいてもらいたいという方向でこの問題の処理に当っておると理解をしておったのですが、内容を承わりますと、実体がないのにただ交換を何とかしてもらえんかという話があった。何かいかにも交換をすべき対象物をはっきり持っておられるようなふうに経過の概要が書かれておるのです。従いまして、こういう書き方をするようなところに、宿舎管理の私は態度というものが文面の上に現われておるのではないかと思うのです。こういう点については私は非常に重大だと思うのですが、これは一体宿舎料はどういうことになっておるのですか。在任中、入っておられる当時の最終時の家賃がどの程度であったのか。今日入られておる家賃はどの程度とっておられるのか。それから大きさの点は、もしここに印刷物にあるようでしたら御説明を願いたいし、なければなおあげていただきたいと思うのですが。
  227. 山崎武

    説明員山崎武君) お話を伺いまして、私たちの宿舎管理に非常に至らない点があったことは認めます。実はくどいようでございますけれども、一般宿舎は私の方で、退職いたしましたら無資格者として、居住の資格はないということで、二ヵ月以内に出ろという通達を行うわけでございます。もちろん、これは昨日まで二十年も三十年も勤めていた者が、一片の通告でもって出るということは、やはり同僚として忍びがたいものがございますので、係員が参りまして、実はこういう規定になっておるから出てもらいたいということで、まあ大体現在の宿舎事情としては、非常につらい点もあるのですが、出ている者は相当あるのでございます。ただ先日来お話いたしましたように全国で六百件ございます。東鉄はそのうち百三十八件、その百三十八件のうち七十七件というものは、前にも御説明申し上げましたように、ことしの三月末の退職でございまして、二ヵ月たつかたたないかでございますが、非常にまあそういう手だてはとっておりますけれども、非常に無理ではないかと、こう思っております。地方の事情は、ちょっと余談になりますが、実は全国の厚生課長会議を開きまして、地方の事情をよく聞きましたが、非常に厳格に地方ではやっておるようでございます。もちろん二ヵ月以内に出る者も相当あります。しかしほとんど現在入っております半数というものは、ことし三月退職した者でありまして、あとの者は非常に未亡人であるとか、病気になったため退職金を使い果したといういろいろな理由がございます。あるいは現在建物を建てておる、よそに物色中というものがございます。それで最後に残った者は、前にも話しましたようにレッド・パージなんかになって出ないという、いわゆる居すわり組なんでございます。この森田前局長のも同じような例で、やはり退去をずっと要求してきたわけでございます。もちろんその方法としましては、すぐに訴訟に持っていくというようなことはちょっと考えておりません。ぜひ出てもらいたい、それにはなかなか東鉄の力でもできない点もあるし、私の方でも役所の名前でもってぜひ出てもらいたいというような書面も差し上げております。そこでこの文書の交換というのも、実は非常に文句の不備であったことも、お話を伺いまして私ども認めざるを得ないのですが、やはり払い下げという意味でございます。しかし、いろいろ資金の関係もございますので、その点払い下げの意味と言うとおかしいのでございますが、現在の国鉄では払い下げなどということは全然認めない、それはやはり相手方もよく存じております。適当な家を物色してこれと交換したい、こういう意味交換でございまして、非常に文意の足らない点をおわびいたしたいと思いますが、意味としてはそういう意味でございます。その話が出ましたのが一年ぐらい前で、その前までは普通の退去をしてもらいたいということで参ったのでございます。
  228. 久保等

    久保等君 答弁が、私の質問に対しての答弁は全然なされておらないのです。私のお伺いしております具体的な点は、まずその屋敷の土地の広さ、家の大きさ、さらにはやめられる当時の、最終時の家賃、それからやめられてから今日幾ら家賃を払っておられるのか、その点をお伺いしたわけです。
  229. 山崎武

    説明員山崎武君) まことに相済みません。東鉄で管理いたしておりますので、さっそく連絡いたしまして調べます。
  230. 大倉精一

    理事大倉精一君) それに関連してお伺いしたいのですが、どうも今の答弁で私は納得がいかないのですが、この交換意味は払い下げの意味だということなんですが、払い下げと交換とはずいぶん違う。しかもこれは文書の書き方が悪いというお話でございましたが先ほど委員長からの要求によって資料説明がなされておるわけでございますが、その資料説明は、ちゃんと会議録に記載をされておるわけです。明らかにこのときも宿舎交換希望があったということになっております。これはこの交換希望というふうに進めていくよりほかにはしようがないのです。訂正されれば別なんですが、一年前に申し入れられた内容はどういう内容ですか。交換したいというのか、払い下げてもらいたいというのか、払い下げならば幾らぐらいで払い下げてもらいたいと言ってこられたのか、あるいは交換だとするならば、将来交換を希望するから、こういうようなことであったのか、一体一年前の申し入れはどういう内容だったのですか。
  231. 山崎武

    説明員山崎武君) 率直に申し上げますと、この払い下げということにはっきり言い切ってしまってどうも相済みません。意思としまして、できるならばまあ払い下げてもらいたいのだが、現状の規定では絶対できないので、適当な家を物色して交換してもらいたいということで、具体的にどこそこの家と交換するという意味ではございません。そういうい意味でございます。
  232. 大倉精一

    理事大倉精一君) それではやはり交換ということだと思うのですが、そうすれば、この交換を認めがたいという理由ですね、これは交換されておる例がほかにたくさんある。ですから、たとえば宿舎払底の際というお話があったのですが、他に適当な宿舎を見つけられて交換されるということをもできるわけなんです。そういう具体的な問題がなくて認めがたいという理由はどういう理由だったのですか。
  233. 山崎武

    説明員山崎武君) やはり宿舎払底が理由でございます。もちろん、ほかに交換の事例もございますけれども、これは頭から受け付けなかったということなのでございます。
  234. 大倉精一

    理事大倉精一君) 頭から受け付けなかった……どういう理由なんです。
  235. 山崎武

    説明員山崎武君) 理由と申しましても、とにかく現在の宿舎を出てもらいたいという意味でございます。
  236. 大倉精一

    理事大倉精一君) そうしますと、交換希望されておる場合に、場合によっては許すが、場合によっては許さない、別にそこに理由はないのですね。その人によって違うという意味ですか。たとえば、宿舎払底というようなことをおっしゃったのですけれども、これは、やはり加賀山さんの交換の場合におきましてもそういうことも言えたと思うのです。しかも調査によると言うと、鈴木ちよさんは、加賀山さんの買収一ヵ月前に、登記されたのか買収されたのか、とにかく一ヵ月前に鈴木ちよさんになっておるという記録があるわけです。ですから、住宅払底と言いましても、ほんとうに交換される意思で物色すればこれはできると私は思う。そういうようなことから、ほかに何か適当な認めがたいという理由がおありになったのですか。
  237. 山崎武

    説明員山崎武君) お答えになりますかどうか。交換すると言いますのは、やはり家の交換すべきものを的確に持ってこなければいけませんのですか、全然そういう話もございませんので、私の方としては、はっきりしないものについては、気持としては交換という気持はございません。とにかく相当長くなっておるのでございます。現在退職いたしましてから三年三ヵ月になっております。一年前と申しますと、二年ぐらいになっておるのでございますから、それは、出てもらいたいということを何回も言っていたいきさつ上、ぜひ出てもらいたいと、こういう気持もずっと持ってきたわけでございます。
  238. 大倉精一

    理事大倉精一君) そうしますと、適当なところがあれば交換するが、そうでなければ交換しないというふうなあなたの方の返答だったのか、適当な家があろうがなかろうが、それは別として、とにかくこの建物交換することはできないと、こういう工合だったですか。
  239. 山崎武

    説明員山崎武君) さようでございます。
  240. 大倉精一

    理事大倉精一君) どっちですか。
  241. 山崎武

    説明員山崎武君) 今までのいきさつからかんがみまして、二年間もとにかく退去してもらいたいということを言ってきたのであります。相手方は交換すべき建物もはっきりしていないのでございますし、具体的に取り上げてどうこうということもできません。私の方はずっと続けて、とにかく出てもらいたいということを言い続けてきた、こういう意味でございます。
  242. 久保等

    久保等君 先ほどの質問で、重要な点が今ここで答弁できないというお話で、実態を把握することが困難ですが、しかし、副総裁の公邸と思われる宿舎、それから今の前東京鉄道管理局長の森田さん、これは何ですか、やはり東鉄局長の公邸というか、局長宿舎なんでしょうか、宿舎としてお買いになった……。
  243. 山崎武

    説明員山崎武君) 宿舎でございます。
  244. 大倉精一

    理事大倉精一君) 局長宿舎ですな。
  245. 山崎武

    説明員山崎武君) はあ、さようでございます。
  246. 潮江尚正

    説明員潮江尚正君) 吉祥寺の宿舎は、八王子に管理部がございました当時、八王子の管理部長宿舎として買ったものでございます。その後、機構改正等に伴いまして、旧東鉄の部長用の宿舎として使用しておりました。その後局長用の宿舎として森田氏が借りたわけでございます。
  247. 久保等

    久保等君 それではここでお答え願えないとしますとやむを得ないので、天坊前副総裁、森田東鉄前局長の入っております宿舎について、それぞれ購入した当時の値段、それから土地建物のそれぞれの面積構造価格所在地、なお参考になる点があれば一つ詳細に文書で早急にこちらの方へお出しを願いたいと思います。明日お出しを願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
  248. 山崎武

    説明員山崎武君) 明日お示しのようにお出しいたします。ただ、森田さんの宿舎は、今調べましてわかりましたのでございますが、申し上げてようございますか。——敷地はちょっと今はっきりわかりませんが、建物は全部で百四十五坪の建坪でございます。家賃は現在千百円となっております。
  249. 久保等

    久保等君 前の家賃はわかりませんか、入っておられたときの、就任現職当時、同じですか。
  250. 山崎武

    説明員山崎武君) ほかの資料もございますから、明日まとめてくわしくお話しいたします。それから百四十五坪ではございません、百四十五平方メートルでございます。
  251. 久保等

    久保等君 それでは一つその点書類でお出しを願いたいと思います。なお非常に疑念の点がありまするが、それは十分に資料をいただいてからお伺いをしたいと思っておりまするし、その点保留しまして、なお長崎総裁の当時は、この資料によりますると、秋田県の所有建物の方に寄舎をして借り入れて入っておられたというふうになっておるのですが、これはどういう関係で、無償提供せられたというふうになっておるのですけれども、どういういきさつなんですか。
  252. 山崎武

    説明員山崎武君) 長崎総裁はずっと何か自分の郷里でありまする秋田の寮にお住みになっているときに総裁を拝命したわけでございます。それで前前から、あるいははっきりしてないとおっしゃいましたように、たまたま当時公邸もございませんし、自分でもそこに住んでいたいという気持がありましたので、現在の住んでおる寮を寮としておくわけにいかないから、いろいろ不都合が生じますので、借り上げて一応公舎とする、公舎といいますか、宿舎として考える。そのかわりに無償であるということできたわけでございますから、退職いたしますと同時にこれは解約している、こういういきさつでございます。
  253. 久保等

    久保等君 その大きさはどのくらい……。
  254. 山崎武

    説明員山崎武君) まことに相済みませんが、わかりませんので、ほかの資料と一緒に詳細調査いたしたいと思います。
  255. 海野三朗

    海野三朗君 それに関連して。この無償というときに、国鉄では、宿舎をただこの総裁が入るのに無償で借りて、それで黙っていたのですか、お金を払ったのですか、国鉄としてはどうなんです。
  256. 山崎武

    説明員山崎武君) 無償でございまして、全然借り上げの対象として対価を払っておりません。
  257. 久保等

    久保等君 この資料加賀山総裁長崎総裁とを比べてみて非常に奇怪に思われるのは、加賀山総裁の場合にはあの問題の松原宿舎の方にお住いになったのが、二十四年の九月一日から現職中の二十六年の八月までを考えてみますと、約二年程度なんですが、その間特に総裁用、あるいは御説明で副総裁用ともいわれておりますが、いずれにいたしましても、とにかく公邸にお住いになっておった。二年間の在職中公邸に入っておられたが、さらにその後も、おやめになっても引き続いて入られて、しかも最後にはこれを全く私有物に交換してしまったというふうになっておりますが、そのあと長崎さんは約四年間総裁をやっておられますが、これは秋田の寮に入っておられた。しかも、それは無償で、ただ貸してやるというからただ入っておったというのですが、これは大きさはどんなものかわかりませんが、とにかく時の総裁に、あるときには非常に——もう総裁とか何とかいうことは別にして、特定個人のための宿舎を確保し、最後にはその公邸そのものが私有物化されるというような形の処理方法をやり、あるときには総裁が全く他の、県の宿舎に寄生しておって、しかもそれに対しては何らの対価も払わないというようなことは、私はこれは全く、特に総裁という大国鉄の最高責任者の宿舎問題を扱う態度としても、これは非常に不見識なやり方ではないかと実は思うわけなんです。四年間の長期にわたって好意的に無料で貸してやるからということであったのかもしれませんけれども、公邸という形で、その前の先代の総裁当時には確保されておったものが、ないからというので、次の総裁はそういう形の住居をかまえておるというようなことは、公邸というものが、非常に重要なポストにある人の宿舎を確保するこにによって、その任務を十分に果してもらわなければならぬ、また果さなければならぬという観点から宿舎というものが確保されるのであるならば、やはり私はもう少ししっかりした考え方の上に立ってやって参らなければならないと思うのです。御本人がまあいいからということだけで、しかも非常に安いから、ないしはただだからということで、四年間にわたって総裁の公邸が、前はあったが、もうなくなったからということで、そのままになっているという点を考えますると、前の加賀山総裁当時に入っておられたその公邸というものは、有利であるから交換したのだとは言うけれども、現実には総裁公邸用として確保してあるのであったならば、その後総裁用の公邸がないがゆえに、大国鉄総裁が人の宿舎にただ入って、四年間にわたってお世話になっておったという形は、いかにぶざまな状態か、私はこの書面をちょっと拝見しても出てくると思うのです。ほんのわずかばかりの間間借りをしておった、あるいは秋田県の建物の方にお世話になっておったということではなくて、最も長期の総裁で、初代総裁から考えてみますると、最も長期の総裁であったのではないかと私は思うのですが、四年間にわたって、その当時は総裁宿舎がないというような状態を招来しておる点を考えますると、ますます加賀山総裁当時の公邸の処分の問題が、交換という名のもとにおいてではありまするが、とにかく公邸というものがなくなってしまったということになって、私は非常に有形無形のこれは不利な点が出て参っておると思うのです。加賀山総裁の入っておった公邸が下代田の公邸と交換せられた、しかしそれは総裁にはとても使用にたえない狭い宿舎であるという点から、その後はずっと公安本部長が入っておるようでありまするが、特定個人のために宿舎が左右されたり、あるいは特定個人の利益のために、宿舎交換せられておるという事実だけは、これは明確だと思いますし、先ほどの天坊総裁宿舎の問題にしても、あるいはまた森田前東鉄局長宿舎の問題にしても、それぞれ最高責任者ないしは鉄道管理局の最高責任者の宿舎が、特定個人の利益のために全く私は壟断されておるようなふうに見受けられるのですが、こういった点についてもぜひ私は総裁自身の御出席を願って、従来からの一般宿舎の問題については、これはもうなおさらよけいいろいろな問題があると思いまするが、しかし、とりわけ最高責任者の宿舎がこういう形で扱われておるということについては、これは単に私は不適当であるという程度で済まされない重要な問題じゃないかと思うのですが、通牒を出したとか何とか言っておられますが、通牒を出す実はお立場の人たちばかりだと私は思うのです。こういう事態を作っておいたのでは、これは全く威令下部にはとうてい行われないと思うのですが、森田さんの問題についても、文書で何か立ちのきの請求をやられたというのですが、その文書はいつお出しになったのですか。それから何べんぐらいいつお出しになったのか、念のために伺っておきたいと思うのですが。
  258. 山崎武

    説明員山崎武君) 東鉄からも出しておりますし、私の方の局長の名前でも出しております。三回か四回だと思いますが、いずれも日付ははっきりいたしておりませんが、調べて御説明いたしたいと存じますが……。
  259. 海野三朗

    海野三朗君 私はこの長崎総裁として居住したときに無料でこれを借りておったと、そうして総裁をやめたら解約したという、総裁をやめても無償で借りておったらいいじゃないですか。ここに非常な疑義がひそんでおる。総裁であることのために無償で貸した、つまりそのかわりに何かその代償を要求しておった、それは私にはよくわかる。秋田県に、あの管理部を管理局にして秋田に持っていった。そのときには長崎君がおったときでしょう。そういうふうな交換条件のために無償で貸したということ、ただ貸すものじゃない。無償というときには何かほかに求めるべきものがなければならない。こういうことを国鉄自体がやっておるから、上の欲するところ下これになろう、まだまだたくさんこまかい方面を探ってみれば出てくる数々が私はあると思うのです。この無償であるということに対しては、あなた方はどういうふうにお考えになっていますか。ただ貸すというときには、ただ借りてもいいと思っていなさるか、どうなんですか。このことの答弁を、ほんとうに長崎という人の人格によって無料で貸したとするならば、総裁をやめてからでも無料で貸しておけばいいのに、しかるに秋田県の所有建物総裁をやめたらそれを解約した。総裁であることのために無償で貸したということは、何かかわりに要求するものがあったからでありましょう。国鉄当局はどういうふうに見ておられますか。
  260. 山崎武

    説明員山崎武君) 長崎さんはずうっと秋田の寮に無料で入っていたそうでございます。たまたま総裁になりましたので、公舎としての性質上、私どもの方で無償借り上げという形にいたしましたのであります。総裁をやめましたので、こちらで借りておく理由はございませんので解約をいたしました。なお現在長崎さんはそのまま無料でおられる、こういう話を聞いております。
  261. 海野三朗

    海野三朗君 それはその辺にしておきますが、この国鉄退任者住宅を入れかえしたやつですね。これを見ると、交換してこの金の余ったやつ、実に気持がよくすぱすぱと金を捨てておられる。ある人の場合には七万円もこれをとらないでおくというような、これはそれ以上の得るところがあったからでありましょう。これは実地にこの場所を検証してみなければわからないけれども、こういうふうなところをあやふやなことをして国鉄当局はごまかしをやっていらっしやるから、今度の森田氏の場合においてもこの交換を申し出られてしかも三年有余になるのに、たたないからしようがないといって平然としておられるのは、こういう弱点をつかんでおるからでしょう。どうなんですか。あなた方がこういうふうなふまじめな、この住宅交換とかそういうことをやっておることを森田氏はよく知っておる。知っておるからして二年以上もここに便々としておられる、おられても何ともしようがないという、実にだらしがないじゃないですか。どうなんですか。
  262. 成田春人

    説明員成田春人君) 今差額についてお話がございましたのですが、私ども積算いたしますと、その交換の二者がぴったりと金額が合うということはなかなかまれでございまして、必ず積算の結果差額が出るのでありまして、出る方が普通といいますか、自然じゃないかと思います。そうしてなおそのときに国鉄の方が安いように勘定になりました場合に、非常に些少でありますと、国鉄はその予算を新たに盛るというような手数その他の関係上、お話し合いで相手方の方が棄権なさる場合があるのであります。今度の事例はそういうことになっております。
  263. 大倉精一

    理事大倉精一君) 関連をしてお伺いするのですが、先ほどの長崎さんの無償の借り入れの問題ですね。ちょっとこれは腑に落ちないところがあるのですが、これはいつごろから無償で借り受けておられたのですか。無償ということとは関係なく、長崎さんはいつごろからこの秋田県の建物をお借りになっておったのですか。
  264. 山崎武

    説明員山崎武君) 何年前でございますか、実はこれは秋田県の学生寮でございまして、長崎さん、何か寮監を兼任していたということでございます。それで無料でずうっと借りていたということを聞いております。いつごろからその寮監をしておりましたのですか、ちょっとはっきりわかりません。
  265. 大倉精一

    理事大倉精一君) それで今もそこへお入りになっておるというようでありまするが、総裁になられて、あえてこれを貸借契約をしなければならぬという理由があったのですか。貸借契約をしなくても、長崎さんはそこにお入りになっておることができる、ちょうど私邸のおありになる方が私邸から通勤なさっておると同じ格好で、別に総裁におなりになったからといってあえて無償貸借契約をしなくてもいいように思いますが。どうなんですか。
  266. 山崎武

    説明員山崎武君) 私宅としてもちろん差しつかえないと思います。思いますのですが、一応総裁義務居住ということになっておりますので、公舎としての何といいますか、整理をするために無料借り上げとして、こちらの借り上げの宿舎としていただいた、こういうわけでございます。
  267. 大倉精一

    理事大倉精一君) そうすれば、十河総裁は今の公邸にお入りになる前はどこにお入りになっておったのですか。
  268. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 国府津に自宅がございまして、国府津におられました。
  269. 大倉精一

    理事大倉精一君) そうすると、総裁になると必ず総裁公邸に入らなければならぬということになっているのですか。
  270. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) そういうことはございませんと思います。と申しますのは、自宅がありますれば自宅から通っても差しつかえないものでございまして、ただ十河総裁のときには老人でございますし、遠隔の地でございますので、通い切れないで交換をいたしたのでございます。それでただいま国鉄にははっきりした総裁、副総裁が必ず入るという公舎というようなことは手当しておりません。で、はなはだ場当り的のことでそういうおしかりをこうむるかもしれませんが、そのつどに用意いたしております。
  271. 大倉精一

    理事大倉精一君) そうすると、今の長崎総裁の場合、これをあえて借り上げをして総裁公邸とするという必要はないわけなんですが、依然として秋田県の所有建物総裁公邸としての任務を果しておられれば差しつかえないわけでありますが、それをあえて無償で借り上げをする、こういう契約をなすった理由がわからなくなってくるのですが、もう一回伺います。
  272. 山崎武

    説明員山崎武君) 何か備品を備えつけるとか、いろいろな関係だと思いますが、私は当時おりませんでしたので、詳しく調べまして報告いたしたいと思います。
  273. 大倉精一

    理事大倉精一君) これは詳しく調べるといって……、あなたは今、総裁になればこれは義務居住であって、総裁公邸としなければならぬので、それで借上契約をしたと、こうおっしゃったのですが、今、小倉総裁説明によるというと、必ずしも総裁公邸に入らなくても、居住をする場所、私宅なり何なりがあれば差しつかえないのだ、ですからお調べになると言っても調べられる何かあるのですか。今のお答えだというと、総裁になれば総裁公邸が必要だからそういう契約をしたのだとおっしゃったのですが、ほかに何か理由があったのですか。あったとすればその無償でというのはどういう理由ですか。
  274. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 私が聞いておりますところによりますというと、長崎総裁が従来あそこにおられまして、そしてあそこから通ってもよいというふうなお話であったんで、そのままになっておったと聞いております。それでございますからして、できるならば総裁公館という一つのきまった公館があるのが、これはベターでございまするが、長崎さんのときには長崎さんの御意思でああいうふうになったんだと聞いておりますから、先ほどのを訂正いたしておきます。
  275. 大倉精一

    理事大倉精一君) かりに総裁公館が必要としてお借りになるという場合に、これを何ら対償給付なくって無償でということはどういうことなんですか。これは国鉄が適当な評価をされて、これこれによって借り上げるというのを先方に断わっておられたのか、あるいは初めから無償で提供しますという申し入れがあったのか、その辺はどうなんですか。
  276. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) もちろん国鉄としては総裁が入っておりますれば、それだけの手当をいたさなければならぬのでございまするが、それは従来あそこは特殊の御関係にあるので、そういう点であちらから御辞退されたのだというふうに聞いております。
  277. 大倉精一

    理事大倉精一君) それは聞いておられるのか、こうだという御答弁はできませんか。さらにまたそれに関連しまして、無償で借り上げになってからこちらで内部修理はだれがやっておったのかということです。
  278. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 調査いたしまして至急御返事申し上げます。
  279. 大倉精一

    理事大倉精一君) その当時から施設局長ないしは厚生課長は、その当時は現任じゃなかったんですか。
  280. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 私、途中から施設局長になりました。
  281. 山崎武

    説明員山崎武君) 私は、厚生課長になりましたのは、まだ一年足らずでございますが、当時はおりませんでした。
  282. 大倉精一

    理事大倉精一君) その当時の現任者はだれでございましたか。
  283. 山崎武

    説明員山崎武君) 今、調べましたところ、現在大分の管理局長をやっております猪岡という人が当時の厚生課長でございました。
  284. 大倉精一

    理事大倉精一君) それでは今の御答弁で、まず第一番には総裁になれば必ず総裁公邸に住まなければならぬというそういうことはない、こういうことも言える、そういうことですね。それから無償で借りたという理由、それから借りてから後における修理の状態、その負担をどちらでやっておったかというお答え、そのお答えはすぐわかりますか。
  285. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) これは調べればわかると思っております。それで私、さっきの無償のことを今度初めて実は知ったんでございますが、やはり何か親戚か何かの関係があるんじゃないかと思います。よく調べまして御報告申し上げたいと思います。
  286. 大倉精一

    理事大倉精一君) 親戚か何かの関係は別に、いやしくも国鉄が借り上げ契約をする、借り上げ契約をするという以上は、そこに何らの反対給付もなしにされるということは私はないと思う。もしあればその事例を言ってもらいたいと思うのだが、今の親戚とか何とかいう問題を別にしまして、そういう点をお伺いするわけです。
  287. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 私の申し上げましたのは、借り上げ契約をして無償にするというのは、あるいは国鉄が修繕を持ったということかもわかりませんが、その点よく調べまして御報告いたします。
  288. 海野三朗

    海野三朗君 ただいまの副総裁からのお答えと午前中のお答えとは違うでしょう。総裁及び副総裁はこの公邸に入らなければいけないという、それを原則としておるというお話であった。今の副総裁お話では、それを原則としないのだというようなお話で、何だか午前中と午後とのお答えが一致しておりません。午前中八木委員からの御質問に対しては、総裁は公邸に入っていなければいけないのだというような御答弁でありました。今の副総裁お話とは全然違っております。これはどうしたのですか。午前中の八木委員に対するお答えとは違う。
  289. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 私が申し上げましたのは、従来、昔大臣官邸というようなものがあったことを記憶いたしております。鉄道大臣の入っておられたというのは、大臣官邸ということできまっておったように存じますが、私が申し上げましたのはそういう意味合いで、ただいま鉄道総裁官邸——公邸というものを持っておりませんと申し上げたのでございまして、午前中に私が申し上げましたように、総裁あるいは副総裁というものはいろいろ業務が激しいものでございますからして、できるだけ都内の便利なところに家があることが要件である。そういう意味から申しますれば、もし不便なところに、たとえば現十河総裁のように国府津にありますれば、非常に不便でございますからして、そういう場合には移っていただく。しかし差しつかえない場合には特に鉄道では総裁公館——代々の総裁が必ず入られる公館というものは持っておりませんと思し上げたのでございまして、たとえば私は鎌倉におりますが、公邸は持っておりません。そういうふうな意味合いで申し上げたので、答弁の食い違いは私はないと考えております。
  290. 海野三朗

    海野三朗君 そうしますと、総裁の公邸というものはあってもなくてもいいというわけですか。きめてもきめぬでもいいのだ、そのときの行き当りばったり、出たとこ勝負でやろうというお考えですか。
  291. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 残念ながらただいままで、ここが総裁居住する公邸であるということははっきりきめてはおりませんでした。
  292. 海野三朗

    海野三朗君 そういうことがありますから、すべてこの住宅交換とか何とかいうことが、そういうところから私は起ってくるのだと思うのです、今日までの国鉄のあり方としまして。場合によっては、この取りかえる、取りかえるということで、取りかえてみんな相当にもうけているのです。実際調査してみればわかるのです。損するようなところは取りゃせぬ。私はこういうところにわれわれがどうしても遺憾であると考えないわけにはいかない数数があるのです。現に長崎総裁の、これは無償で貸して、無償で借りて、それを国鉄がだまっていたということも解せないことであるし、その間に修繕はどれだけされたのか、無償のかわりにうんと修繕をさせたのかもしれない。この秋田県の宿舎を新築するぐらいの金をかけたのかもしれない、そういうところはどうなっておるのですか、修繕はいかほどしましたか。
  293. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 今の御質問に対しましては、先ほどお答えしましたごとく、後ほど、修繕費わからないものでございますから、調べてお答えいたします。
  294. 海野三朗

    海野三朗君 ただいまのこういう場合に無償で借りるというときには、国鉄でだまっていなさったということは実に私たちはおかしいと思うのです。これはどうですか。無償で貸すというときに、ただ提供する人はありません、世の中を見れば。たとえば商人から無償でやるというときには、必ずそこに収賄なり贈賄の事実がひそんでいるのである。国鉄ともあろうものが無償で借りて、のっぺらぼうとしておられないじゃないですか、その点はどうなのですか。
  295. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) この無償につきましては、今私はまだ事実をよく調べておりませんのですが、はっきりしたことを申し上げかねるのでございますが、あるいは私の単なる想像でございますが、家賃は払わないかわりに補修をみるとか、そういうような契約方法もありますので、どうなっておりますか、それは調べまして御報告申し上げます。
  296. 大倉精一

    理事大倉精一君) 先ほど私申し上げたのですが、無償ということについては、この委員会で疑義が出てくることは当然でありまして、今後そういうことについても、あらかじめこういうような点について、むしろ積極的にあなたの方で疑義をお持ちになってお調べになってこちらに出ていただきたいと存じます。
  297. 近藤信一

    ○近藤信一君 天坊前副総裁が住まっておられるこれも松原町の家ですが、これは副総裁の公邸としてお買いになったというふうに聞いておりましたが、そうでございますか。
  298. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) それは副総裁の公舎として買っておりませんです。
  299. 近藤信一

    ○近藤信一君 そうするとどういうあれでお買いになったのですか。
  300. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) それは加賀山さんが前に入っておられました公舎の隣りに、副総裁用の宿舎として宿舎買い求めましたときに、加賀山さんが移りまして、そのあと天坊さんが移られた。ですから副総裁宿舎として移られる前は、加賀山さんは局長でございましたが、局長としての宿舎として買った。こういうふうにお考えになっていいと思うのです。
  301. 近藤信一

    ○近藤信一君 そうすると、加賀山さんの家は、松原町の公邸は、あれは加賀山さんが副総裁のときにお買いになったのですね。
  302. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) さようでございます。
  303. 近藤信一

    ○近藤信一君 そういたしますると、それは副総裁の公邸としてお買いになったのですか。
  304. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 私の申しましたのは、あの松原町の交換した物件でございますね。あれは総裁になられる半月くらい前に買った。その買いました書類調べてみますと、副総裁宿舎として買っております。
  305. 近藤信一

    ○近藤信一君 副総裁用としてお買いになりましたが、加賀山さんが総裁になられて、その副総裁の公舎にそのまま居すわってしまわれたので、これが総裁の公邸というようなことになってきたと私は思うのです。そういたしますと、副総裁の公邸に加賀山さんが居すわられたので、天坊総裁が、その副総裁用として購入した公邸に入れなかったということなんですね。
  306. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) ちょっともう一度お願いしたいのです。
  307. 近藤信一

    ○近藤信一君 副総裁邸として加賀山さんの家をお買いになったわけですね。ところが加賀山さんがその後総裁になられて、そのまま副総裁の公邸に居すわってしまわれたので、今度天坊さんが副総裁になったけれども、その副総裁の公邸に入ることができなかったというわけでございますね。   〔理事大倉精一君退席、委員長着席
  308. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) さようでございます。
  309. 近藤信一

    ○近藤信一君 その後、そういたしますると副総裁としての公邸というものはどこにもお買い求めにならなかったわけですか。
  310. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) そこで先ほど申し上げましたように、その当時国鉄といたしまして、これが副総裁用とか総裁用というのがまあはっきりしていなかったというようなことでございまして、結局副総裁の入っている宿舎を副総裁宿舎と、こういうふうにわれわれが言っている程度でございます。
  311. 近藤信一

    ○近藤信一君 本来ならば天坊さんが副総裁をおやめになって、そこで二ヵ月経過すればあけ渡すことに規定がなっておるそうでございまするが、もしこれが天坊さんがあけ渡しをされておるといたしますると、現在の副総裁小倉さんが何か遠い鎌倉から通っておられるそうですが、そこへ入れるわけなんですが、それができないというわけなんでございますか。
  312. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 自分のことを申し上げて非常に恐縮なんでございますが、私の家は昔私の養父から継いだ家でございまして、もう二代で四十年以上住んでおりまして、子供も土地の学校へ入っております。そういうふうな関係でございますからして、私非常に勝手なのでございまするが、東京宿舎というものがございましても、移る気はございませんです。そんなら業務に差しつかえるじゃないかというお話が当然出てくると思いますが、私は学校時代東京でございまして、昔から通いなれておりまするからして、通うということを苦にいたしませんし、また夜分おそい、あるいは朝早いというようなときには、こちらで鉄道の泊るような宿舎がございますので、そこで厄介になるということで、私自身はこちらに宿舎がありましても移る意思はございませんです。またそれによって役所の仕事に事欠かせているということは絶対に私ないと考えております。  さような個人々々の事情もございまするので、先ほどちょっと申し上げましたが、この総裁あるいは副総裁といったような職務に全くはりつけた官舎というものを今まで実は考えておらなかったのだろう、こういうように考えます。
  313. 八木幸吉

    八木幸吉君 関連。今の副総裁お話を伺いますと、私は総裁邸なり副総裁宿舎義務宿舎として安い家賃で貸す必要はないと、こう思うので、副総裁に伺いたいのですが、義務宿舎ということをやめて、家賃をもっと高くするということに対してお考えはいかがですか。
  314. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) それは私だけの特別のケースで全般を推していただくと、はなはだ困るのでございまして、私としてはどちらかと申しますれば、私のわがままからそういたしておるのでございまして、一般には、やはり午前中にも申しましたように、いろいろ激職でございますから、東京都内しかるべきところにやはり義務居住宿舎がなければ勤まらないのじゃないかと考えておりますが、私は、手前のことになりましたから申し上げまするが、こちらの宿舎に大体ウィーク・デーに泊りまして、土曜、日曜、あるいは仕事の早く済んだときに帰っておりまするので、そういうふうな生活になれる人もございまするが、それをもって一般に推すわけにはいかん、かように考えております。
  315. 近藤信一

    ○近藤信一君 小倉総裁は、自分は旧家であるし云々と個人の事由を述べておられまするが、先日来の質問からいきますると、松原町と下代田町との家の交換をしたという一つの大きな理由として、便利であるし近い、公社に通うにおいても近いし、こういう点があげられたわけなんです。そういたしますると、わずか代田と松原町のこの距離で、近いだとか便利だとか、こういう点が争われたのに、現在小倉総裁は、これが個人のあれからということにいたしましても、国鉄当局としてはそんな遠いところへ住まわしておいて不便だというふうに感じませんですか。
  316. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) この答弁は副総裁からなさるのは言いにくいと思いますから……。副総裁は非常によくお勤めになりまして、朝の八時半にはもうすでにおいでになっております。夜はおそくまで……。私たちとしてはちっとも困るとは現在は思いませんのです。
  317. 近藤信一

    ○近藤信一君 そういう御苦労をなさっておられるのですが、当局としてはそれでよろしいのですか。
  318. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) それはいいような悪いような、なかなか答弁しにくいことでございますから、どうぞ御了承下さい。
  319. 近藤信一

    ○近藤信一君 私は下代田と松原町のその距離のことで、便利だとか遠いとかというようなことが議論になって、そうしてそれが理由でこの交換をされたということになっておる点から考えますと、非常に小倉総裁は私はお気の毒だと、私自身はそう感ずるのです。そういう点、国鉄といたしましては、今あまり遠いところを通わせるのは大へんだから、どこかへ一つ副総裁邸を買おうじゃないかと、こういうようなお考えはお持ちでございますか、持っておられませんですか。
  320. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 先ほど申しましたように、私の好き勝手からいたしておりますので、私は私自身気の毒とも何とも思っておりませんのでございます。それで将来とも私は自分の都合でこうして仕事をしていきたい、かように考えておりまするので、鉄道に対しまして宿舎を買求めてほしいというようなことは一切考えてもおりませんし、また自分で判つく気持もございませんです。
  321. 近藤信一

    ○近藤信一君 先ほどお話聞けば、おそいときはどっか、公社のどっかにお泊りになるそうでございますが、私は天坊前副総裁が入っておられたところを、国鉄当局はあけ渡しを厳格にされるならば、そういうどっか宿舎に泊らなくても、副総裁公邸として現在あるんだから、そこに泊めたらいいように私は考えられるのですが、その点いかがですか。
  322. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) ただいま御承知でございましょうが、総裁公館というのがございまして、お立ち寄り下さったこともあるかもしれませんのですが、そこにはずっと常住の何といいますか管理者もおりますので、これは私が泊りましても非常に不便は感じませんのです。ところがこれは一軒いただきますと、家族は先ほど申しましたように出て参りませんし、といってこちらで身の回りの世話をする者を置くということも不経済であるし、また私の趣味にも合いませんものですから、そういう考えはございません。ただいま公館に泊らしてもらいまして、これにはちゃんと私の払いだけしておりますですが、かえってその方が楽だと、かように考えております。
  323. 近藤信一

    ○近藤信一君 麹町の公館の点が出たわけなんですが、麹町の公館は、あれは目的は何に使おうという目的であれは購入されたのですか。
  324. 山崎武

    説明員山崎武君) 会議所でございます。
  325. 近藤信一

    ○近藤信一君 会議所だけですか、会議するだけですか。
  326. 山崎武

    説明員山崎武君) 会議所としてやっておりますので、会議が目的でございます。
  327. 近藤信一

    ○近藤信一君 国鉄の会議はすべてあそこでなされるのですか。
  328. 山崎武

    説明員山崎武君) 実情といたしましては、だれもかれもあそこに持ち込むということは現在ではございません。それはやはり会議というものは非常に多いものでございますから、大体幹部の会議が多くあそこで開かれているようでございます。
  329. 近藤信一

    ○近藤信一君 一ヵ月のうちで何回ぐらい使われますか。
  330. 山崎武

    説明員山崎武君) これもうろ覚えでおしかりを受けるかもしれませんが、一日に会議が二、三回ほどございますから、六十回ぐらい使われているのじゃないかと思います。
  331. 近藤信一

    ○近藤信一君 あそこは会議だけじゃなくして、国鉄の高級職員のクラブになっているようにも聞いておりまするが、その点いかがですか。たとえばマージャンも碁も、何でも備えつけて、いつでも遊べるようになっているということですが。
  332. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 私ちょいちょい厄介になっておりますからよく知っておりまするが、それはマージャンも碁の設備もございます。ただ遠方から会議で参ります、たとえば局長会議だとかいったような場合には、北は北海道から、南は九州から参りまして、そういう者は会議のあとでここの公館に泊る、あるいは東京都内のほかにいくというような場合には、それは碁をやる人も将棋をさす人もございまするが、昼間からあそこに立てこもってそういうことをいたすことは全くございませんです。
  333. 大倉精一

    大倉精一君 午前中の資料のことについてお伺いしたいのですが、代田町の家屋購入について加賀山さんが実際お支払いなさった、出金なさった額はおわかりになりますか。
  334. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 連絡いたしましたところ、当時買収に関係しましたのは加賀山さんの秘書をやっておりました大塚辰治という人なんです。加賀山さん自身はよくわからないので、その人に聞いてくれ、こういうお話でした。それで先ほど来電話しましたのでございますが、外出してまだつかまらない。この方は今鉄道会館の秘書室、こちらに勤務しております。そちらの方に連絡とったのですが、つかまりません。いずれつかまりましたら御報告申し上げたいと、こう思います。
  335. 大倉精一

    大倉精一君 これは加賀山さんの私宅にも電話があるのですが、秘書がやったとしても、実際金を出したのは加賀山さんだと思うのです。秘書が出したのじゃないと思うのです。自宅に電話してもすぐわかると思うのですが、そういうことはすぐわかりませんか。
  336. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) それは加賀山さんにきょう電話で連絡いたしまして、この院内で……。それで加賀山さんが、大塚辰治君でなければわからないからそちらに聞いてくれ、こういうお話でございました。
  337. 大倉精一

    大倉精一君 じゃわかるに違いありませんが、それでは下代田の方の家の評価の積算ですね、下代田と松原町の評価、積算を出せという資料要求があったのです。これが出てこないのですが、どういうわけですか。
  338. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) ガリ版中でございまして、今ごろはもうできたのじゃないかと思っております。とにかく割合に部厚いものでございまして、一生懸命印刷しておりますから……。
  339. 大倉精一

    大倉精一君 下代田の方の固定資産課税台帳に登録してある価額は幾らか御存じありませんか。
  340. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) これは実はわからないのです。と申しますのは都の税務事務所の台帳からもうすでにとっておりまして、今ちょっとわからないのです。
  341. 大倉精一

    大倉精一君 私がこの東京都の世田谷税務事務所からもらった書面によりますというと、昭和二十八年ごろの価額におきまして、下代田の方は五十六万八千円となっております。五十六万八千円。それから松原町の方は百十六万円になっております。いただいたこの資料によりますというと、松原町の方が建物百四十七万円となっており下代田の方が百八十五万八千円となっており、はるかに下代田の方が高くなっておるのですが、登録台帳の方にははるかに安くなっておる。約半額になっておるというのは、これはどういうわけですか。
  342. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) これはどういうわけか、私わかりませんでございますが、結局この問題は、今私の方で見積りました内訳が印刷できてきたのによりまして、詳しく御説明した方が納得いくのではないかと思います。この数字だけで高い安いと申し上げてもよくわかりませんですが、積算の内容を御説明した方がはっきりするのじゃないか、そう思っております。
  343. 大倉精一

    大倉精一君 この前ちょっとお伺いしたのですが、こういうようなものも参考になさるということはないのですか、交換する場合ですね。たとえば積算する場合におきましても、その個人個人によっていろいろ違うだろうと思います。この税務署の方でもこの課税台帳に、登録価額についてはやはり調査するだろうと思う、でありますれば、やはり公平に調査をすれば、松原の方が百十六万円に対してこちらが五十六万円、半分の評価をしておる。これをこの評価でなくて、あなたの方の評価のように下代田の方がはるかに高い、もう七百万円も高いということになりますというと、その税務署の評価はでたらめだということになるわけですね。これはですからこういうような評価参考になさるのか、なさらぬのか。
  344. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 参考にするときとしないときがございます。これはその数字がどうも私たち納得しがたいような数字も出ておるものもございますので、参考にするときと、しないときがあります。
  345. 大倉精一

    大倉精一君 それできょうは評価された方の氏名を資料としていただいておりまするが、こういうような評価の場合には合議なさるのか、あるいはこの人の個人の評価になるのですか。
  346. 成田春人

    説明員成田春人君) 非常に資料によって御説明するとよくわかるのですが、資料評価の方法としましては、図面とかあるいは現物をよく調査いたしまして、そうしてまず新築価格を見積ります。現在買収とか交換をするときに、現在これから新築したら幾らくらいになるかという金を出しまして、これによりましてなおその修理状態とかそれから経年、建ちましてから何年たったかといったような計数を入れまして、国鉄の固定財産管理規程の中にあります算出法によって経年減価というものを勘定しまして、それを締めくくったものを単価とするというふうにいたしております。実際買収に当ります場合にはそういう方法を講じましても、相手のあることでございますから、ある程度の折衝と申しますか、そういう問題はありますので、でき上った結果としましては多少の幅はある、こういうことでございます。
  347. 大倉精一

    大倉精一君 私がお尋ねしておるのは、建物評価なすったのは、佐野正一という元技師の方であるという御報告があるのですが、これがいろいろな調査をされた結果、関係者の方が集まってそうして評価した。合議をされたのか、この佐野正一という人が個人の評価査定によって行われるのか、査定の評価の場合にどういう方法を……。お伺いしたい。
  348. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) これは書類についておりますので、当然書類の判を押した人がみな見ていきまして、もしこれが不合理でしたらそれを直すというふうな建前になっております。
  349. 大倉精一

    大倉精一君 そうしますと、書類持ち回りということになるわけですか。たとえば現物を見る、何々を見るとしましても、書類にはいろいろな記載の方法、要領があると思うのでありますので、そういう点について、そういう評価をするという場合に、それを見にいく、あるいは調査にいくという場合に、一人で行くのか、あるいはそういう委員会か何かありまして、そういうような方が一緒においでになるのかということをお伺いしたい。
  350. 成田春人

    説明員成田春人君) 現地を見に参りますときには、もちろん相手の方の方についていきまして、そしてこちらのそういうことにたんのうな、見積りにたんのうな人が、担当者が参りまして、よく調べます。なお担当技師は、最後に判断が、そういう見積書の内容だけによって判定して問題がない場合にはそのまま認めることもありますし、あるいは現地に実際行って、それを照合して正しいかどうかをきめるというような方法がございます。そんな方法できめておるわけでございます。
  351. 大倉精一

    大倉精一君 では下代田の家へ実際に現地に行ってごらんになった方は、この佐野正一という方ですか、ほかにあるのですか。
  352. 成田春人

    説明員成田春人君) 佐野正一という人でございます。現在退職しておりまして、東京におりませんので、ちょっと問い合せできませんでしたが、実際に見ておると思います。
  353. 大倉精一

    大倉精一君 それでは私がお伺いしているのは、かりに佐野さんがこちらにおいでにならなくても、そういう場合に佐野さんが一人でおいでになるのか、あるいはやはり関係者をつれて現物をごらんになるのか、そうして合議をして大体積算をされ、幾らになるということをおやりになるのか、この点をお伺いしている。個人が一人で行って、そうしていろいろなものを書いて書類にまとめ上げて、こういうものでございますからということでもって、回り持ちでもって判こをもらっていくというような格好になっているのか、この点はどうですか。
  354. 成田春人

    説明員成田春人君) それは問題によりまして、割合に大ぜい調査しなければいかぬという場合に、なおその下の担当者が行きまして測量いたします場合もありますし、割合に単純な建物でわかりいいという場合には、それほどの手もかけないでいく場合もありますから、あの場合はどうであったか、多分部下の一人や二人は行っていたのではないか、こういうふうに思っております。
  355. 大倉精一

    大倉精一君 そうしますと、これは現在はあの評価をされた経過がわからぬわけですね。合議をされたのか、あるいは一人でおやりになったのか、その辺の経過がおわかりにならぬということなんですか。
  356. 成田春人

    説明員成田春人君) 正確に佐野技師一人で参りましたか、あるいはそのほか何人つれて行ったかということは、現在ただいまはわかりません。問い合せて調べればわかります。
  357. 大倉精一

    大倉精一君 これは一見小さな問題のように思われるかもしれませんが、金額からいっても。しかしやはり総裁・公邸とかえるのだ、総裁公邸と交換をするのだということになると、これは社会的にも相当注目されることは当然でありますので、この交換については慎重にされなければならぬと私は思うのです。従ってこれが交換として、等価交換になるのか、ならぬのかということについては、やはり慎重に審議しなければならぬものだと思うのです。ですから今積算を出されておる、これが正しいかどうかということについては、ただ一人の人がそれをやった場合に判断のしようがないわけです、こちらはしろうとですから。それが三人なり四人なり五人なりという合議であれば、各人の意見を聞けばわかるということになると、そういうようなことが、私はどうも明瞭を欠く原因にもなってきわしないかと思うのです。特に国鉄総裁ということになれば威令これ行われるということで、社会的にもいろいろな疑惑を招くというようなことになるのですが、結局こういうような評価について合議をする場合としない場合とある、こういうふうに考えていいのですか、合議する場合もあるのですか。
  358. 成田春人

    説明員成田春人君) ただいまの合議というお話でございますけれども、これは自分の職責の中で自分が一人でやって責任を持てるか、あるいはその部下の知恵を借りるとかという業務上の問題でありますので、もしそのやり方がいかような方法でありましても、結果に対してはある程度責任を持つ。それから佐野技師のことを申し上げましたけれども、でき上りました書類内容をチェックいたしまして最後に見積りの決定をいたしましたのは、私建築課長でございまして、私が責を負うということになりまして、私自身としては等価だというふうに考えております。
  359. 大倉精一

    大倉精一君 これはウナギ問答になってしようがないと思うのですが、責任を負うといってみたところで、私は仕方がないと思うのです。責任を負うといってもどうやって責任を負うのかということになると思うのです。ですからだれがこの家へ現実においでになったか、お調べになってその名前を知らせてもらいたいと思います。そうしてその部下に相談なすったか、どういう人がおきめになったかということですね。きょう報告なさったのは、ただ担当責任者の報告だと思うのです。私がこの前お願いをしたのは、実際にこの問題を取り扱われた人の名前、評価をした人の名前を知らしてくれということを言ったわけです。今のお話ですと、これは担当責任者であるということだけにすぎぬと私は思うのですが、その点どうですか。
  360. 成田春人

    説明員成田春人君) 佐野技師が評価したのです、実際に評価したのは。
  361. 大倉精一

    大倉精一君 佐野技師よりほかに聞く人はありませんか。
  362. 成田春人

    説明員成田春人君) 当時佐野技師の部下であった人が二、三おりますから、わかると思います。
  363. 大倉精一

    大倉精一君 次に午前中久留さんの就任の日時を聞いたのですが、これはおわかりになりますか。
  364. 山崎武

    説明員山崎武君) 就任は二十七年の九月十六日でございます。当時新潟の陸運局長をやっておりました。
  365. 大倉精一

    大倉精一君 東京おいでになったのはいつでございましたか、東京で勤務されるに至ったのはいつですか。
  366. 山崎武

    説明員山崎武君) 二十七年九月十六日に発令になっておりますから、その直後でございます。
  367. 大倉精一

    大倉精一君 久留さんは東京おいでになってどこか下宿なされておったのか、その住居はどうであったのですか。
  368. 山崎武

    説明員山崎武君) 現在の宿舎事情からいきまして、実は発令と同時になかなか東京宿舎はございませんので、こられませんですが、仕事はやはり遂行しなければいけませんので、単身赴任をして、家族は向うに置いておくことになるのが普通の状態でございます。こちらに来て下宿なされたか、あるいはどこか寮に入りましておりましたか、実は今はっきりいたしません。先ほどの他の調査と一緒に調べてみます。
  369. 大倉精一

    大倉精一君 そこで久留さんがこちらへおいでになって、急遽この住宅問題を解決しなければならぬ、こういうこととやはり加賀山さんの交換の問題と関連があると私は思うのですが、この加賀山さんのお買いになった下代田の家は、加賀山さんがお買いになる一ヵ月前に鈴木ちよという人がこの家を手に入れたように記録にはなっているのですが、そういうことはお調べになったことがありますか。
  370. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 当然それはわかっていたと思います。
  371. 大倉精一

    大倉精一君 わかっておったと思うというのは、それは加賀山さんがわかっておったろうと思うということであるのか、あなたの方でおわかりになっておったのですか。
  372. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 私の方でございます。
  373. 大倉精一

    大倉精一君 その一ヵ月前に、昭和二十七年十一月五日に登記になっておるのですが、その前に鈴木ちよさんはどこにおいでになっておられたか、これはおわかりになりませんか。
  374. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) それはわかりません。
  375. 大倉精一

    大倉精一君 これはその前にも住まっておって、登記だけをされたのか、そのときに鈴木ちよさんがお買いになったのか、これはおわかりになっておるだろうと思います。
  376. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) それも実はわかりません。私たちその前の前までは実は調べておりませんですからわかりません。
  377. 大倉精一

    大倉精一君 昭和二十七年十一月五日に登録されたということはおわかりになっておるというのですが、その前にヤマグチケンゾウという人がここに住まっておったということになっておるのです。ですから一ヵ月前に鈴木さんがこの家を手に入れて一ヵ月住んで加賀山さんにこれを売っておる、こういうことになるのですが、この間に何か事情がおありになったのですか、これは加賀山さんに聞かなければわかりませんか。
  378. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 私の方ではわかりません。
  379. 大倉精一

    大倉精一君 これもやはり加賀山さんに聞かなければどうも明らかではないと思いますが、なお、やはりこういうようなケースがあるのですが、というのは先ほどの麹町一丁目の問題にしましても、これは横井さんからお買いになっておった。この横井さんが買い入れた一年前にやはり買い入れになって登記になっているが、一年前にこの家の所有権を取得されておるというのですが、この間に何か事情がおありになっているか。ここに取得されてわずか一年住んで麹町一丁目の国鉄の方にお移りになった、こういうことになっておるのですが、その間に何か事情がおありになったのですか。
  380. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 今のところまだはっきりいたしておりません。私よく聞いておりません。
  381. 大倉精一

    大倉精一君 実はこういうような事情をよく聞きたいと私思うのですが、よくわかった方はどなたですか、下代田の方とあるいは麹町の方ですね。
  382. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 実はそれもだいぶ前の話ですから今わかりません。調べましてもしわかりましたらお知らせいたします。
  383. 大倉精一

    大倉精一君 わからぬというのですが、わかるところもあるのですね。一ヵ月前に鈴木ちよさんが登録されたということはさっきわかっておった、こういうお話なのですが、これはどういう時期にわかったのですか。
  384. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) それは売り渡し書を、私たち登記いたしますときに売り渡し書が当然つくのであります。その売り渡し書に書いてあります。これでわかります。
  385. 大倉精一

    大倉精一君 売り渡し書は……、売り渡し書にも私問題があるのですが、現在鈴木ちよさんは新宿にお住まいになっているのですが、鈴木ちよという「ちよ」は字が違いますね。これも御存じですか。売り渡し書にはかなで「ちよ」と書いてありますが、区役所にいきますと「ちよ」を「千代」と書いてあります。売り渡し書はやはり公文書だと思いますが、どういうわけで名前の字が違うのか、おわかりになりませんか。
  386. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) はっきりいたしませんです。
  387. 大倉精一

    大倉精一君 どうもこれは肝心なところへくるとわからないのですが、結局これは加賀山さんの御足労を願って聞くより仕方がないと思います。そういう点の一つ御配慮をお願いしなければならぬと思います。
  388. 田中一

    委員長(田中一君) ほかに御質疑ございませんか。
  389. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 ちょっとお伺いしますが、国鉄の方で毎年不動産をお買いになるもの、あるいは売り渡されるというものは、大体どれくらいの金額になるものでございましょうか。重要性を伺いたいためにお伺いするのです。大体のところどれくらいですか、概算でけっこうです。
  390. 久保亀夫

    説明員久保亀夫君) ごく概算でございますが、不動産と申しますか、固定資産の売却収入という面で申しますと、少いときで三億から四億、多いときで七億前後かと記憶いたしております、受けます方はちょっと……。
  391. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 そこでお伺いしたいのですが、できるだけ質疑を簡略する意味において少し急ぎますけれども、昔、私大阪府におりましたとき、大阪府では府有地の売買の場合には、府庁の関係者のほかに外部の銀行なり市なり、会議所なり、いろいろな方に集まっていただいて、あらゆる資料をもってその土地評価をして、それを参事会にかけまして決定していたわけです。それでも十分かどうかわかりませんけれども、大体それでもって基準が、購入する場合も売る場合もそう間違ったことにはならなかったような気がするのでございますが、国鉄の方では非常に多額のものをお買いになったりお売りになったりするので、きわめて重要なことだと思う。これはもう長年おやりになっているので、評価等はもちろん厳密に公正におやりになっていると思うのですけれでも、何かあれでございますか、こういう土地なり家屋なりを売ったり買ったりされる場合の評価委員会というようなものが、今までお伺いすると、内部の専門家の方が一人か二人でおきめになっているというけれども、やはり不備のような気がするのです。あまり手数になっちゃいけませんけれども、やはりこういうものはいま少し関係方面の広く衆知を集めるというか、あるいはいろいろな意味において銀行なりあるいは土地関係の専門家なり、大蔵省とか、あるいは建築があれば建築の専門家、そういうような方の委員会というか、どういう名称でもいいけれども、合議制のものでおやりになるようなことはやっておられるのかどうか、この問題に関連してお伺いしたいのでございますが、そこを一つ。
  392. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) この問題につきましては、この間ちょっとお話したのでございますが、土地のむずかしいのは、大体東京と大阪が一番むずかしいので、民衆駅が問題になりましてから後に、国会の方の御勧告もございまして、東京と大阪には土地建物評価委員会を作りまして、これは民間の方々、私はっきり今数字を覚えておりませんが、十人くらいたしかなっていただいて、それにかけまして、それをもとにいたしまして最後の値段をきめております。それからなお、ほかのところにおきましては、鉄道は大体土地の買収というようなことをしょっちゅう新線建設その他でやっておりますので、相当の専門家がおりますので、今までは大体その人たちがやっていたのでございますが、しかし最近できるだけやはり勧銀とかあるいは不動産業者とか、近傍類似の売買価格というようなものを調べまして、適当な評価をすることにしております。
  393. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 わかりましたけれども、そうしますと、今問題になっております宿舎の問題等は、そのころはまだそういう制度はおとりになっていなかったのか、あるいは何といいますか、最近になっておとりになったのか、その辺はどうでございますか。
  394. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) その当時はまだそういう評価委員会はできておりませんでした。ただ、この評価委員会にかけますものも、全部かけていては大へんでございまして、やはり重要なものをかけるようにいたしまして、そうして大体私たちが小さいものに対しましては、そういうものから参考的にあるいは帰納的に評価できるというような手段をとっております。
  395. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 ちょっと私の意見がまじりますけれども、重要なものに限られるというのは、それはたくさん御処理になるときは、まあ能率増進の意味で理解できるのですけれども、しかし、やはりこまかいものでも重要性があれば、その委員会という格好を充実して、もう全部かけるというぐらいにされる方がはっきりしてくるのじゃないか。それには経費も要る、手間もかかるという点があるいはマイナスになるか知りませんけれども、逆に言えば、問題を起さないように、あらゆる場合に合理的に決定する、その方面に一そう確実を期し得るのじゃないか。今伺いますと、重要なものだけという、その重要の基準がわかりませんけれども、しかし百万円なら百万円でも重要なんで、金額が三億、五億と扱われていると、もうそういうものは重要に入らんというお考えか知らんけれども、私どもからいえば、まああまりこまかいものというのは限度があると思いますけれども、しかしある程度のものはこまかいものでもおかけになるような精神でやられる方がいいのじゃないかと思いまして、お答えはわかりましたけれども、それに対する御意見が伺えれば副総裁から伺いたい。
  396. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) ただいまの御指摘に私どもも全く同感でございまして、ことに財産関係は重要なものが多うございますから、今後はこの評価委員会に極力かけていきたいと存じます。なお、国鉄の財産管理につきまして、会計検査院、それから行政管理庁などからの指摘がございましたことは、御承知の通りと思いますが、そういう財産管理、その他会計一般につきまして、さらに運用を誤まらない趣旨から、昨年の暮監察局を作りまして、部内監査を厳重にいたさせるということになりまして、私最近指令を与えましたのですが、特に会計出納並びに財産の管理ということに主眼を置いて監察するようにということを命じております。今後そういう方面で財産の管理につきましても十分気をつけて参りたい、かように考えております。
  397. 八木幸吉

    八木幸吉君 ちょっと中座しましたからダブるのはお許しを願います。最初に伺いたいのは、加賀山さんは、業務局長当時に松原町の四ノ一四八の宿舎におられた。この宿舎いつお買いになったのですか、何のためにお買いになったのですか。
  398. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 今の御質問のうち、何のために買ったかということは、その前に買いましたときの宿舎の目的は、局長宿舎として買っております。それから期日は今わからないので、後ほど資料を提出いたします。
  399. 八木幸吉

    八木幸吉君 それから同じく松原町一四六は副総裁宿舎として買った、こういう註があったのですが、そこで私伺いたいのは、下代田の方のお宅はそういう項目を書類の中に書いておられるか、書いておられないか、その点はいかがですか。
  400. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) その書類は何もそういうことは書いてございません。
  401. 八木幸吉

    八木幸吉君 それからこの前にさかのぼりまして、業務局長当時に松原町の一四六をお買いになった。それで加賀山さんが副総裁に昇格をされた。そういたしますと、その後任の業務局長の家はどうなっておりますか。
  402. 山崎武

    説明員山崎武君) その当時非常に機構改正の際でございまして、非常に宿舎が入り組んでおったと思います。先ほどの御要求と同じようにあと調べたいと思います。
  403. 八木幸吉

    八木幸吉君 それから今度は家賃の補給金制度は一体国鉄にはあるのですか、ないのですか。
  404. 山崎武

    説明員山崎武君) ちょっと家賃の何ですか。
  405. 八木幸吉

    八木幸吉君 つまり東京のように宿舎の少いところに地方から出てくる、家はない、しかし義務宿舎に入るべき資格のある人というときには、高い家賃では本人が困るという場合に、家賃の差額を、補給するという制度はあるかないかということなのです。
  406. 山崎武

    説明員山崎武君) わかりました。そういう制度はございません。
  407. 八木幸吉

    八木幸吉君 副総裁に伺いますが、すぐ大きな家を買わなくても、家賃の補給制度は時宜に適した方法だと私は思うのですが、今後おやりになるお考えはありますか。
  408. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 突然のことで、今まで研究しておりませんものですから、十分考えさせていただきたいと思います。
  409. 八木幸吉

    八木幸吉君 それから家賃の問題について少し伺いたいのですが、電燈や水道やガスや電話料は、一体宿舎は全部本人が負担するのですか、あるいは一部国鉄が負担するのですか。
  410. 山崎武

    説明員山崎武君) これは公社取扱規程にあると思いますが、ございます。水道、電気、ガス等の使用料金、それから公課その他の負担金は所有者の負担となっております。
  411. 八木幸吉

    八木幸吉君 電話料は。
  412. 山崎武

    説明員山崎武君) 電話はこの場合国鉄で負担しております。居住者は負担しておりません。
  413. 八木幸吉

    八木幸吉君 そうすると私用でたとえば長距離電話をかけても国鉄が負担しますか。
  414. 山崎武

    説明員山崎武君) まことに相済みませんが、私の方の担当でございませんので、はっきりわかりません。
  415. 八木幸吉

    八木幸吉君 だれの関係ですか。
  416. 谷伍平

    説明員(谷伍平君) 電話料は今厚生課長からお答えいたしましたように、電話料は国鉄負担となっております。ただ御説のように長距離電話をかけたとかいうようなことになりますと、相当金額がかさみますものにつきましては、そのつど異例な金額が出ましたときは私の方で査定することになっております。原則としては通常の金額でありますれば国鉄が負担することになっております。
  417. 八木幸吉

    八木幸吉君 その査定によって概算一ヵ年にどのくらいかかっておりますか。
  418. 谷伍平

    説明員(谷伍平君) ちょっと今電話の御質問が出ると思いませんでしたので、詳しい資料を用意しておりませんが、金額につきましては後ほどお答えいたしたいと思います。
  419. 八木幸吉

    八木幸吉君 それから修繕の規程がありますか。たとえば一年に一回畳をかえるとか、そういったような何か規則がありますか。
  420. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) そういう規程はございません。悪くなりましたときに適当にかえていくということになっております。
  421. 八木幸吉

    八木幸吉君 大体今までの慣習上どういうことになっておりますか。
  422. 成田春人

    説明員成田春人君) 畳はおおむね三年に一度入れかえます。しかし予算上その他で非常に変化しておりますから、国鉄全体の平均というのはちょっと今すぐわかりませんが、そんな程度になっております。
  423. 八木幸吉

    八木幸吉君 この総裁公館はどのくらいでお買いになったのですか、金額は幾らでいつお買いになりましたか。
  424. 成田春人

    説明員成田春人君) ただいまの御質問は麹町の総裁公館のことかと思いますが、それは修繕をやっておりますけれども、現在ちょっと調べがここにございませんので、後ほど調べて御報告したいと思います。
  425. 八木幸吉

    八木幸吉君 私の伺ったのは、いつ幾らくらいでお買いになったかというので、修繕を申し上げているわけじゃないのです。
  426. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 一千百万円で買っております。
  427. 八木幸吉

    八木幸吉君 そこで副総裁に私は申し上げたいのですが、先ほど総裁公館は何に使っているかという御質問に対して、会議をおもにやっている、月に六十回か七十回やっておる、私は非常にそのお答えに実は奇異な感じがいたしました。というのは、たとえば今非常に問題になっている加賀山さんのおられる松原と下代田でも、私は地図の上で見れば十町か十二、三町しか離れていないと思うが、それが幾らか近くなるというので交換したという説明は、私は納得しませんけれども、一応そういうことにしますが、ところが国鉄で会議をするのに一々自動車に乗って、麹町のどこか知りませんが、本社からそこまで出て、三人でするのか、五人で会議するのか知らないが、一月に六十回も七十回も使うその自動車のガソリン代も大へんだろうと思う。国鉄のあのような大きな建物があれば、会議をするくらいのことはあの中でやるのが当りまえで、わざわざ公館に出ていくということはばかな話で、公館というものは遠方から来ている局長あたりの宿舎に使うというなら、ずいぶんぜいたくなものだと思うけれども、一応の納得はできますけれども、会議のようなそういうものに使うということは、能率の上から私は非常に非能率的な経営方針だと、こう思うのですが、その辺実情に即したようにお変えになる必要があるのではないか、こう思うが、いかがですか。
  428. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) お答えいたします。会議には部内の者だけと、外部の方々の会議がございまして、先ほどちょっと申し上げたかもしれませんが、評価委員の例だと思いますが、最近経営調査会の答申に基きまして、非常に各種の委員会ができまして、すべて外部の方の有能多識の士をお願いいたしまして、おそらく十種に余る委員会ができております。そういう場合ですと、かえって公館に来ていただいて会議をする方が便利だということでございまして、それから現在の国鉄の庁舎は、見かけは大きうございまするが、現在人間もふえまして非常に手狭になって参りまして、課長が一室に四人ばかり同居するというようなありさまになっております。従って会議室をつぶして参りまして、会議もたくさんの会議がございますので、なかなか手が回りかねるということで、一つばかりお客様を御案内するような会議室もございまするが、それがふさがっておるというようなこともちょいちょいございます。ことに部外のいろいろな会議が時を同じくして、同時に開かれるというようなこともございますので、公館を使用いたしておるような次第でございます。
  429. 八木幸吉

    八木幸吉君 私は民間の慣習上からいって、官庁の会議とか、課長が一部屋に四人入っていても一向私はかまわんと思うが、しかし官庁と私たちの考えは非常に違うので、今のお話は、私は納得はいたしませんけれども、これ以上時間をつぶしても何ですから、この程度でやめておきます。
  430. 近藤信一

    ○近藤信一君 先ほど八木さんがお尋ねになっておられました電話の問題ですが、国鉄をやめられて、現在まだ居すわっておられる天坊君とか、それから森田君、これらの方々でもやはり電話料金は無料ですか。
  431. 谷伍平

    説明員(谷伍平君) 電話は退職になれば本人負担に切りかえてございます。
  432. 近藤信一

    ○近藤信一君 借りておられる本人が電話料金は支払っておられるのですか。
  433. 谷伍平

    説明員(谷伍平君) さようでございます。まだ名義の書きかえが済まないものも、たとえば最近おやめになった方については、手続はまだ国鉄のままになっているものもございますが、それらにつきましても、支払いは全部本人負担に切りかえております。
  434. 近藤信一

    ○近藤信一君 名義は国鉄の名義ですか、両方ともこれは。
  435. 谷伍平

    説明員(谷伍平君) これは手続の関係だけでございまして、退職すれば、本人が御希望になれば、時価でもって名義を変更いたしておりますが、手続が済んでいないのも若干最近のものについてはあるかと思います。原則としては名義も変えまして、あるいは本人が御希望にならなければ、これをこちらの手で撤去いたします。
  436. 近藤信一

    ○近藤信一君 公邸が、天坊さん、それから森田さんの現在住まっておられるうち、この電話が国鉄の名義ということになれば、電話集金は、これは国鉄の方に集めにいくんじゃないでしょうか。
  437. 谷伍平

    説明員(谷伍平君) これは電話局の方から徴収書と申しますか、これは一応国鉄の名前で来ますけれども、それは本人にお回しをして払っております。
  438. 近藤信一

    ○近藤信一君 それに対して何かはっきりした証明ございますか。
  439. 谷伍平

    説明員(谷伍平君) これはこういうことは手続は当然になっておりますので、それで進行しているということで御了解願いたいのであります。
  440. 近藤信一

    ○近藤信一君 はっきりと何か支払いの証書とか何とかというものがなければ、これは私ども十分知ることができませんが、天坊さんなんかも今度は選挙をやられるそうですから、長距離電話なんかかけられると相当な額になると思うのです。それがもし国鉄で支払っておるということになると、私は相当電話料金だけでもばかにならんじゃないか、こういうふうに思いますから、その点何かはっきりした証明をしていただきたい、希望いたします。
  441. 田中一

    委員長(田中一君) ちょっと関連して伺いますが、天坊君と森田君、ここには天坊君の場合には目下他に住宅を物色中とあります。これは国鉄で物色しているのですか、本人が物色しているのですか。森田君の場合は、宿舎交換希望もあるが、認めがたいので退去を要求している。こういう場合には少くとも国鉄の規約に基く損害賠償の要求をする意思はあるのか、ないのか。
  442. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) いろいろ住宅難のことでもございまするし、本人が永久に居すわるということでもございませんのでまあ御批評はいかがかと思いますが、従来損害賠償類似のことはいたしておりません。
  443. 田中一

    委員長(田中一君) そうすると天坊君の場合は、これは国鉄が見つけてあげているんですか、本人が探しているのですか。
  444. 山崎武

    説明員山崎武君) これは本人でございます。物色中というのは本人が物色中でございます。
  445. 田中一

    委員長(田中一君) 森田君の場合は、二十八年三月一日に退職しているにもかかわらず今までおるというような、国鉄としても損害があると思うのです。この損害はどのくらいに見積っておられますか。
  446. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 内規には二ヵ月となっておりまするが、従来の慣例で申しますれば、退職後の金は現職のときと違いまして高くとっておりますもので、一方立ちのきは請求いたしておりまするが、損害というものの見積りはいたしておりません。
  447. 田中一

    委員長(田中一君) では今後損害を要求する意思はありますか、損害がないと言うのですか。そこで先ほど伺ったように幾ら退職金をやっておるか、どのくらい別の給付をしておるかということを伺っておるのです。少くとも、何年住むか知りませんが、相当の、うちの一軒くらい買えるだけの金はもらっていると思うのです。そして低収入の職員にはずいぶん強硬なまねをしておる。こういう高給の職員には、損害があっても損害はないと見てやるというような考え方が、そこに国鉄の国民が指摘する問題点があるのです。いわゆる国鉄一家と言われる理由があるのです。末端において働いておる低収入の職員のことを考えてごらんなさい。従ってこの場合、日経を見ますと告発するというようなことを言っておりますけれども、そういう意思はございますか、森田君に対して。
  448. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) かような退職後も国鉄官舎を立ちのかないということは、財産管理上きわめていけないことでございまして、これにつきましては、もう二、三日のうちに厳重な立ちのきの指令を、要求総裁名で出すということになっておりますので、御了承願いたいと思います。
  449. 田中一

    委員長(田中一君) 従来は厳重な立ちのきを要求しないで、じんぜん日を送っておったわけですか。
  450. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) そうおっしゃられると答弁に窮するのでございまするが、従来とも再三立ちのきを要求して参りました。私どもは厳重な交渉を重ねてきたと思いますが、今回の事象にかんがみまして、今度ははっきり一定期間でも付しまして厳重な立ちのきを要求するつもりでおります。
  451. 海野三朗

    海野三朗君 今のに関連して。先ほどあなたがお留守のときに私は聞いたのですが、それに対しての明快なる御回答が一つもなかった、この交換のところを見ますと、実にこういうことがつまり国鉄の弱点なんであります。こういうことを森田という人が知っておるから、森田という人に激しく立ちのきを要求されなかったのではないか、森田という人はみんな知っておるから、つまり国鉄に弱点があるから、それで二年半も便々としておる。そういうことは、国鉄の方の今日までの受け渡しに対しても、交換に対しても実にだらしがない、そうして交換をやるたびに国鉄は莫大なる損をしておる、実に巧妙なる交換ですよ。これを率直に申しますならば、巧妙なる知能犯と申さざるを得ない。古い家を買っておいて、それと交換する、それを評価する。評価したときにどこに適当なる評価があるか。実に、帳簿の上だけでもこういうごまかしを今日まで見ておられるからいけないのじゃないかと私は考えておるが、その交換についても、また国鉄の今日までのあり方についても、副総裁はいかようにお考えになっておりますか。副総裁は先ほどのお話では、まことにりっぱな暮しをやっておられる。あなた御自身はそれでいいかもしれないけれども、いやしくも国鉄をあずかっておるあなたとしては、何とかここに手を下して、一大英断をもって郭清をしなければならないのじゃないか。加賀山にしてもそうだ、森田にしてもそうだ、言語道断ですよ、これは。国家の財産をただ壟断していると申さざるを得ない。二年半も便々として見ておるところの国鉄自体がいけないのだ。それは幹部自体が今まで皆そういうことをやっておる、こういうふうにしか私は考えられないし、世間の人もそうやって見ておる。ですから国鉄のことを世間においては伏魔殿の称があるということを国鉄は御存じですか。その点については副総裁はいかようなる御信念を持っておられるか、私は承わりたい。
  452. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 私、まだこちらに、国鉄に参りませんときに、新聞その他によりまして、鉄道交換問題その他がいろいろ批評を受けておりますことを承知いたしております。それでまだ入りましてから半年足らずでございまするが、鉄道の信用を何とかして少しでも回復したいと考えております。ところが十河総裁は私にも輪をかけまして鉄道の公正を期さなくてはいかぬということで、ただ国鉄部内の見方だけではいけないからということで、従来にない思い切った委員会をたくさんこしらえまして、その道の有能達識の士のいろいろな御意見を聞いて、国鉄の従来御批判をこうむっておったようなところを匡正していこうと、こういうような強い決心を持っております。それで今回、日本国有鉄道法が大体来月中には施行できることになっておりまするが、その場合には役員にも部外の者にも入っていただく、あるいは監査委員会という制度を作りまして、これは運輸大臣の任命で、五人の委員会でございまするが、これによって十分国鉄の監査をしていこう。私どももそれにさらに加えまして、部内の監察機構を整備拡充いたしまして、先ほど申しました監察局でございまするが、それをもちまして十分監査していきたい、こういうことでございます。それからただいまお話がございました交換制度、これは午前中も申しましたが、従来行いました交換には不正がないということは私確信いたしておりまするが、何にいたせ、交換でございますると交換渡し物件評価交換受け物件評価と、こう二つございます。それだけ事務がややこしくなり、さらにその評価についても見方によりまして安い、高いというようなことが出て参りますので、交換はやめたいと、こう考えて、けさ総裁にも話しましたところ、そういう方向で研究しろということでございます。従いまして、私のただいまの気持としましては交換制度をやめていきたい、こう考えております。  ただいま今後の方針いかんというお尋ねでございましたが、私といたしまましては十分会計、出納あるいは財産の管理ということに力を入れて参りたいと、かように考えております。
  453. 海野三朗

    海野三朗君 ただいまここに私いただいておる資料は、この資料の上で見ますというと、さらに不思議はないのでありまするが、実際は実物を見なければいけないと私は思うのですがね。交換した帳簿の上ではいかようにでもごまかせます。この点はいかようにお考えになっていますか。実際を調査してみなければ、妥当であったかと、これとこれとの交換が、こういうことをよく見ないとほんとうのことはわからないのじゃありませんか。これはいかがなものですか、帳簿の上ではごまかされますよ、それはどうなんですか。
  454. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) それにつきましては、先ほど来説明者の方から説明いたさせました通りに、私どもとしては評価の専門家に評価させましたし、またその場合に鑑定人、あるいは付近の土地専門家等に鑑定させました結果によりまするので、私自身としましてはその評価が正しいものと考えております。
  455. 海野三朗

    海野三朗君 それは先ほど他の委員から質問がありましたが、値段の半分しかないものをより以上の高価に見積ってある、ああいうふうなずさんな見積りをおやりになっておるのは、あれはいかがなものですか。どなたかお答え願いたい。五十何万幾らしかないのを、それを百十八万のものと交換するに当って、その評価は五十何万幾らの方を百たしか八十何万に評価し、一方を百何万かに評価しておる、そういうふうなものは非常に私はずさんであると考えるのでありますが、それに対してどなたか御答弁願いたい。
  456. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 五十何万とおっしゃるのはおそらく三十七万の間違いじゃないかと思うのですが、あの三十七万は売り渡し証に書いてある値段でございます。これは先般も申し上げましたごとく、あの三十七万のうちでは私はないと思っております。で、私たちは別の観点から、先ほどお示ししました佐野正一という人間並びに加藤三郎と、この両人が大体査定いたしまして、実際最初の査定をしております。私たちはこれらの人たちが今までの長年の経験によりまして、同じ観点に立ちまして両方の価格を査定したのがあの百八十万円かの値が出ている。私はあの方が正しいと思っております。
  457. 海野三朗

    海野三朗君 そういたしますと、先の三十七万と評価した方は間違いとあなたはおっしゃるのですね、どうなんですか。
  458. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 私はあれが正しいとは思っておりません。
  459. 田中一

    委員長(田中一君) ちょっと速記をとめて。    午後六時二分速記中止    ————・————    午後六時二十二分速記開始
  460. 田中一

    委員長(田中一君) 速記を起して下さい。  本日の質疑はこの程度にとどめます。なお本委員会において委員各位から要求のありました資料につきましては、至急御提出を願います。  次回は明日十時委員長理事打合会を開き、十時半から本委員会を開きます。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時二十三分散会