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1956-04-19 第24回国会 参議院 運輸委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年四月十九日(木曜日)    午後二時十三分開会     —————————————   委員の異動 四月十八日委員山本米治君辞任につ き、その補欠として川村松助君を議長 において指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     左藤 義詮君    理事            岡田 信次君            木島 虎藏君            早川 愼一君    委員            川村 松助君            仁田 竹一君            三浦 義男君            三木與吉郎君            内村 清次君            大倉 精一君            高良 とみ君   政府委員    運輸政務次官  伊能繁次郎君    運輸省港湾局長 天埜 良吉君    運輸省自動車局    長       山内 公猷君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君   説明員    運輸省港湾局倉    庫課長     大森 重義君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○倉庫業法案内閣送付予備審査) ○道路運送法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 運輸委員会を開きます。  運輸委員の変更を御報告申し上げます。四月十八日山本米治君が辞任され、川村松助君が補欠選任せられました。     —————————————
  3. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 倉庫業法案を議題といたします。  前回に引き続き、質疑の方は御発言願います。  私から質疑をいたしますが、この倉庫業許可をせられる許可の性質はどういうようなものであるのか。一定の基準において申請さえあれば全部許可せられるのであるか、警察許可というものであるのか。
  4. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 倉庫業営業許可は第三条に規定いたしておりまして、それの許可基準が第五条に規定してございます。五条に規定いたしますことは、一号、二号、三号は、これは禁錮刑、それから許可の取り消しを受けた者、あるいは法人である場合には「その役員が前二号の一に該当する者」というようなことで、全くの欠格条項でございますし、第四号が「倉庫位置構造又は設備が保管する物品種類に応じて運輸省令で定める基準に適合しないとき。」こういう基準でございまして、倉庫位置構造または設備が保管する物品種類に応じて運輸省令で定める基準というものに適合しておれば、いずれも許可をするとい建前になっておりまして、いわゆる警察許可になってございます。
  5. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) そういうふうに警察許可であるとすれば、倉庫需給状態を見て許否を定めるというようなことは全然お考えになっていない、需給状態ということについては一切触れないというおつもりであるか。
  6. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) この点に関しましては、倉庫営業許可は、法の建前からは需給の調節ということではなしに、今の警察許可ということにして、条件を具備したものはいずれも許可するとい建前にしてございます。
  7. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 前回にも倉庫需給状態については質問があったと思いますが、現在六大港その他における需給状態、これはいろいろな経済の好況、不況によって非常な影響があると思うのですが、将来非常に倉庫が乱設せられて共倒れになるというような心配は全然お持ちになっていよいかどうか。
  8. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 倉庫業安定化のために、事業の開始の許可について、お話のように需給状況を考慮することが必要であるとは考えられるのでございますが、現在直ちにそのような措置を講じますことは、あまりに統制的な色彩が濃いうらみがございますので、一応現段階といたしましては、その救済方法として、不況時に際して遊休未利用の倉庫が増大をした場合には、不況カルテルを行うことを認める。十五条に私的独占禁止及び公正取引確保に関する法律適用除外を設けまして、業者倉庫間において集荷の数量実績等に応じて配分する等の協定を行いまして、自主的に過当な競争を防止していく、倉庫業の安定を確保することができるようにしたわけでございます。もちろん将来倉庫業不況が慢性化しまして、庫腹の絶対量が非常に過剰であるということがさらに明白となったような場合におきましては、あるいは需給関係等につきましても法的措置を講ずる必要が出てくるかもしれないというふうに考えております。
  9. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 現在すでに冷蔵庫は不況カルテルをやっておるようですが、そうしますと、この第十五条というものは相当これは、こういうことの必要が、プロバビリティが多いというぶうに考えられますか。それとも、そんなにまでしなくても、今おっしゃったような心配はめったにない、倉庫には共倒れのような心配はないというふうにお考えでございますか。第十五条が実際に、経済は生きものですが、その経済のいろいろな変化によって、将来のお見通しはどうですか。
  10. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) ただいま冷蔵倉庫お話がございましたが、冷蔵倉庫についてはカルテル状況はやっていないように思います。製氷業についてあるいはやっているのかもしれませんですが……。それでこの法律建前としましては、現在まで私的独占禁止並びに公正取引確保に関する法律適用除外はなかったのでございますが、まずこれで一応やりまして、どうしてもというときに、さらに考えるようにいたしたいというふうに考えております。
  11. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) これと関連をいたしまして、現在の保管料というものは適正だとお考えにたっているかどうかですね。
  12. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 現在の保管料届出制になっておりますが、これはいろいろ物価変動、労賃の変動等もありますので、あるいは必ずしも適正でないかもしれません。この新法におきましてはやはり届出制になっておりますが、それに関連いたしまして、運輸省の方としては、それに対する総合原価計算的な料金料率をもちまして、それによって不当な競争とかあるいは不当な利潤とかいうようなものを見込むような料金である場合には、それを是正させるというような点と、それから現在は料金に対するいろんな料金の値引きとか、そういうようなことについて新しいしっかりとした禁止規定が明定されておりませんのですが、新法においてはこれを明定しまして、料金が順守されることを期しておるわけであります。
  13. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) そうすると、保管料料率というものは、いろんな経済情勢にマッチして運輸省指導なさる、その指導は何か委員会でもお作りになるのか、運輸省の官僚だけでおやりになるのか。
  14. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) これは保管料は各営業者届出をしまして、その料金がきまった料金になるとい建前をとっておりますが、その場合に運輸省としましては、総合原価計算的な料率腹案を作りまして、それとはなはだしく食い違って、それがために不当な競争が起ったりあるいは不当な利潤を占めるというようなものに対してこれの是正を命ずると、こういうわけでありまして、この腹案については運輸省自身が持っておるということにすることにしております。
  15. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) そうしますと、その腹案というものが問題だと思うのですが、これはそうすると、運輸省でどういう方法でその腹案お作りになるのか、いろいろ経済全体の景気、不景気がございまするし、さらに倉庫業そのもの需給関係いろいろ変化があると思うのですが、そういうことはどういうふうにしてあなたの方は基準お作りになるのか。
  16. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) これは実際の運用に当りましては、できる限り広い範囲にわたりまして、実際に必要とした原価について総合計算をした後に、いろいろ査定を加えまして、いわゆる総合原価計算方式というものによることにいたしたいというふうに考えておりますが、その原価計算をする手続とかあるいはその他については、今はっきりした考えを持っておりませんが、これは実際のものを想定しますから、実際の原価を調べてやります上において相当公平なものが計算上出てくる見込みでおります。
  17. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) どうもまだ、どういう方法計算するか、十分御用意がない。しかしまあ公平なものが出るだろうといお話ですが、その点をもう少し……。たとえば業者の実態を調査なさるとか、あるいは業者の全部のバランスシートを出さしてそれをいろいろ研究なさるのか、あるいはこういう方面の各界の専門家委員にでもして、そういう各方面のデータから集めて結論を出されるのか、その点をもう少しはっきり伺っておきたいと思います。
  18. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) その点に関しましては、お語のように、業者からバランスシートもとりますし、また専門家も入れた料金調査委員会というようなものを組織してやっていきたいというふうに考えております。
  19. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) その料金調査委員会というものの大体の構想はもうできているのですか。
  20. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) この点については、はっきりした構想はまだできておりませんが、業界の方からも代表を選び、またそれも中央ばかりでなしに、地方からも代表者に集まっていただいて、それからわれわれ運輸省としてもその中に入り、また権威のある学者で適当な方があれば入ってもらって、審議したいというふうに考えております。
  21. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 保管料というものが、世界各国——世界各国と申しましても、海運中心の国、陸運が中心の国、いろいろあると思いますが、全部でなくてもよろしいが、主要な世界名国わが国保管料というものが、いろいろ物価その他にも響くと思うのですが、果してどういうような状態になっておるのか、これは需給関係等も響いてくる、いろいろなことが響いてくると思うのですが、そういうことを御研究になっておるかどうか。
  22. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 各国倉庫保管料ということについては、現在まだ調べたものがございません。どういうような倉庫営業に対する許可方針をとっておるかというような点は多少調べたものがございますが、料金についてはまだ調べてございませんので、いずれこの料金をきめるといいますか、腹案を持ちます際には、それらのものもよく調べて勘案したいというふうに考えております。
  23. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) この法律お作りになるには、ずいぶん長い間御研究になり、一次案、二次案、いろいろあったように伺っておるのですが、やはりそういう物価、国全体の経済にいろいろ響いてくる、そういうものに対して、ただいまの御答弁によりますと、もう一つまだ御研究が十分でないように思うのですが、ただ警察許可でやっていくということになりますと、ただいま私がお尋ねしたようないろいろな心配がまだ残ると思うのですが、その点はいかがですか。
  24. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) その点につきましては、いろいろ取調べもし、研究もしてきたつもりでございますが、その料金の点につきましては、現行の基準保管料というのが昭和二十六年に制定せられたものでありまして、その後人件費建設費等も値上りを見せておりますし、また寄託貨物種類価格等も、経済正常化に伴いまして、当時とは相違を生じておりますので、これにつきましては、本法制定といなとにかかわらず、十分考慮していくように指導していきたいというふうに考えておりまして、本法施行後も、大体は現在行われておる保管料に、いろいろ原価計算的なものをはっきり検討いたしまして、そのようにして腹案を持っていきたいというふうに考えております。
  25. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 保管料の問題も私まだ納得できまいところがありますが、本法では火災保険というものを強制しておるわけですが、この日本火災保険料というものが、これも果して適正であるかどうかですね。これはもう大蔵省所管で、何ですか、損害保険料算定協会というものが法定せられて大蔵省指導をしておるようですが、こういうことに対して、倉庫業を直接所管せられる運輸省も十分の連絡をとっておいでになるかどうか。このわが国火災保険料というものに対して、これを強制する以上は、倉庫業者に強制する以上は、運輸省としてはどういうふうな所見をお持ちになっておるかですね。
  26. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 火災保険につきましては、現在の新法によりましても、一般的に強制をするというのでなしに、発券の受寄物に対してのみは火災保険をつけなければならないというふうにしております。従って、保管料についても、火災保険を加味した保管料考えられますので、この点は、それを勘案しまして保着料の方で、そういうような手続といいますか、考えを入れております。  火災保険そのもの料率ということにつきましては、火災保険というものが非常に高い。従って倉庫にあっても受寄物保管料というものが高くなりまずので、これにつきましては大蔵省方面と折衝して、さらに下るような交渉は続けておる次第であります。
  27. 高良とみ

    高良とみ君 私、それに関連して、ごく概括的なことですが、少し当局から御返事伺いたいことがあるのです。それは損害保険火災保険等に関して、倉庫管理権というものは、警察関係及び監督関係はどういうふうになっていますか。それを伺いたいと思います。すなわち、倉庫にもし火災が起ったときは、それは所有者損害であるのか、あるいは荷主にもそれが及ぶのか、そういうことについて一般的なことをまず伺いたいと思います。
  28. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) この倉庫火災によって中の保管物件が焼失したというような損害に対しましては、倉庫所有者といいますか、倉庫営業者がこれは損害を持つのでありまして、それを弁済するために、保険を付してそれに充てたいということで、営業しておるわけであります。
  29. 高良とみ

    高良とみ君 まあ、預かるときに、倉庫業者船会社から荷を受けて、これに対して船会社保険ふうけた形でもって預かるのだと思うのですが、そのもう一つもと荷主があるわけであります。そして火災あるいは盗難による損害がありましたときに、それはどんな割合で払いつつあるのですか。つまり実際の例から申しますと、荷主はほとんど泣き寝入りの場合が多いのです。それの御説明を願います。
  30. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 今の点でございますが、これは倉庫業者荷主から荷物を預かりまして、それにその荷物に関する限りは絶対な責任を持っておりますので、それが引き渡しをする前に損害をこうむった場合には、その損害倉庫業者荷主に対して全面的に補償しなければならないということになっております。
  31. 高良とみ

    高良とみ君 そうすると、全面的に責任を負うと言われますが、損害の場合ですね、盗難、あるいは破損、あるいはネズミに食われたとか、あるいは破壊されたとかいうことに対しても、それはその通りの原則はんでしょうか。
  32. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 引き渡しが済むまでに起りました事故に対しては、すべて倉庫営業者責任において引き渡しができない賠償をしなければならぬことになっております。
  33. 高良とみ

    高良とみ君 もう少しこの問題を下げてきまして、そこに盗難があった場合です。その場合には倉庫業者は、これは一部警察所管であるというので、警察の捜索などにまかせておきまして、盗品が出てくるまで、調査しますとか、あるいは今度は船会社は、このものが紛失したのはどこで紛失したかわからないから、倉庫の中で紛失したのかわからないから、捜査に日をかりまして、そうして荷主には一年、二年、三年も、これに対して何らの補償をしないということが今までもあるわけです。もう少し具体的に申しますと、最近の日本港湾における盗難に対する状況が非常に悪いという情報を少からず聞くわけなんでありますが、それについてはどうお考えになりますか。
  34. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 盗難につきましては、盗難にあうというような管理状態、あるいは設備状態については、倉庫営業者責任があるわけでありますから、これについては絶対補償しなければならぬわけであります。  それから、今の二年も三年もといお話でございますが、倉庫業者としましては引き渡し責任があるのでございますから、これはどうしても早い機会に払わなければならない、こういうわけであります。
  35. 高良とみ

    高良とみ君 ほかの方面からもう一つこの問題を引きまして、たとえばフランスから荷物が着きますと、そうすると、フランス荷物を受けたときに、フランス輸送会社は横浜の港までの保証をいたします。保険をつけます。ところが、もうその船会社が積んできて、そうしてそれが運輸業者の手に入って、それを倉庫に入れた。そうなると、もう船から下りたものに対してはフランス会社では何ら責任がない、こういう主張をやるのです。そうすると、受け取った方の荷役の方は、倉庫へは入れた、倉庫へ入れたときは数が合ったけれども倉庫から出すときに数がないのだから、自分の方はまず盗難にあったものと考えるので、自分の方としては保険がついていないものだと考える、こういうふうなことになるわけです。
  36. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 今の外国から来た貨物でございますが、それが倉庫に入る前には検数、あるいは検量、あるいは鑑定人というような手を経るわけでございまして、その結果倉庫へ入りまして、さらに出すときに量が足りない、こういう場合には、やはり倉庫営業者が全面的な責任を持たなければなりません。その前に検数検量鑑定の際に足りないということであれば、これは船会社責任になるというふうに、はっきり分れなければならぬというふうに考えます。
  37. 高良とみ

    高良とみ君 私どももそういうふうに了解をいたしております。外国保険会社は、船の方で港まで入れたときに、渡したときに数があったのだから、これは保険はもうどのくらい多額の保険がしてあっても、それ以上責任は持たない、これから日本の港に入ったのは、これは日本港湾盗難事件責任を持つべきであって、自分たち責任がない。こちらは、荷主としては手に入るまでの保険というふうに考えやすいわけです。そうしてみると、倉庫業者とそれを輸送している会社とが責任存負うべきものなんですが、そこに私ども港湾局あるいは運輸当局としては、荷主の、荷物の安全のためにはどういうふうに考えておられるか。私どもそういう経験を近くに持っておるものでありますが、これは日本港湾及び海運全体の名誉にもかかわることと存じまして、各保険会社などを調べましたけれども、やはりこれは日本港湾にはどろぼうが多いのだ、そして倉庫業者責任は持たぬ。それを扱った輸送会社責任を持たぬ。要するに荷主は何らの補償も得ることはできない。フランスで払った保険金はこれは何ら効果をなさないと、こういうことになっておる例があるわけでございまして、これについて一つ説明いただければ大へん仕合せだと存じます。
  38. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) ただいまの実例の点でございますが、種類検数鑑定ということが確実に行われておりまするならば、それは倉庫業者といたしましては明らかに数量があったものを受け取ったということでございますので、全面的な責任を負わなければならないと思います。しかし検数の際にすでに足りなかったということが明らかであれば、これは倉庫業者としては何ら責任はないので、そういうような場合は、運輸当局といたしましても、これは船会社の方の責任を追及しなければならぬので、倉庫業者には責任は追及できないわけであります。
  39. 高良とみ

    高良とみ君 そうすると、もう一つ問題をはっきりいたしまして、船会社は数で渡してしまったから責任はないと、これも免除してしまった。そうすると、この船会社がどういう運輸会社に頼んだかということは荷主は知らないわけです。そうすると、運輸会社はどういう倉庫業者に頼んだかも、荷主は知らないわけなんです。そうしてこちらは一般丸通なり日通なりにこの荷物をとってくれと書類を渡しましたときに、それをさらに違う運輸会社が扱っておる。この運輸会社がどの倉庫会社に委託したかは、これはもうよその範囲のことで、荷主は知らないし、その運輸の、末端まで配給すべき会社も知らない。そこで両者が——倉庫業者と船から下してこれを国内輸送に充てるべき会社に当る運輸会社ですね、それはどういう会社になったか、荷主は知らない。その両方が責任のなすり合いをしておって、いつまでも解決をしないということもあり得るのです。その辺の慣例的なこと、あるいは港湾局としてはどういうふうに御監督になっているのですか。
  40. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) これは荷主はどういうことになっておりますか、お話の点でございますと、船の上ではもう検数検量鑑定ははっきりしている、降りてからのことが問題だ、こういう点でございますね。その点は、これは倉庫へ入れますと、直接寄託者である荷主の方が大体検数を依頼しましてやるのが普通になっているというふうに考えます。もしそういうことであれば、倉庫に入りまして、倉庫に入ったときの数量ははっきりしてしまうわけです。そうすると、その中間にある港運業者、これは倉庫業者がやる場合もございますが、港運業者の方に責任があるわけでございまして、その場合は港運業者責任を持たなければならないということになっております。
  41. 高良とみ

    高良とみ君 そうすると、その港運業者がどれだけ失われた荷物に対して補償をするかということは、何もルールがないように私ども伺うのですね。その港運業者考え一つで、これはどういうものが来たか知らない。フランスから来たか、イギリスから来たか知らない。大きさも知らないし、内容の保証フランスの方ではあったかもしれないが、自分の方では知らないのだから、自分の方は責任はあるけれども、これに対する弁償の義務は負わない、こう逃げた場合には、何らの方法がないのですか。
  42. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 今のお話の場合でございますと、つまり海運業者の方はこれはもう責任がない。従って、また倉庫業者の方も明らかに責任がない。そうすると、港運業者、つまり運送業者ですね、運送業者責任を負うことになる。その責任はこれは商法による運送に関する責任ということで、賠償にも応じなければならぬと思います。
  43. 高良とみ

    高良とみ君 それをもう少し……。商法によるものの慣例は、半額を弁償するとか、あるいは三分の一にするとか、あるいは示談にするとかいうことについて、一般慣例をお聞かせ願えると大へん仕合せなんでございますが……。
  44. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 実はその例を私よく存じませんし、商法慣例がどうなっておりますかも調べてございませんので、調べましてお答えいたします。
  45. 高良とみ

    高良とみ君 私がここで話を始めました理由は、最近は外国船及び国内の船が着きますと、ずいぶん夕方に着くこともあるし、朝早く着くこともある。そうすると、平服を着てお客さんのような格好をした者が、タラップをどんどん上って行って、そして入り口でいろいろ検査はあるけれども、そういうものを通り抜けて、自分は船員なり船長に用があるというようなことで入って来て、そしてデッキにあるお客の手荷物ばかりでなく、貨物のようなものもときにずいぶん紛失する。それが日本の港の最近の傾向であって、それは倉庫に入ったものもそうである。夕方は八十個、百個と数えて入れても、出すときには一個、二個減っていても、これは日本の港の最近の慣例であるということを、港湾業者は私ども説明するのですが、私どもそれを聞いて、日本港湾というのはそれほど堕落したかと思って、実を申しますと、初めはこれは外国の港を出すときに、外国の港の落度だったろうと思ったのですけれども、最近はそうでないということを二、三の海運関係の人が言うのでありますが、それについて港湾当局としてはどう考えていらっしゃいますか。
  46. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 私の方で、そういう大きな荷物が紛失するとか、数量が足りないということは、あまり聞かないのでございます。聞かないのでございますが、しかし少くとも倉庫業につきましては、これは絶対に責任がありますので、そういう場合には、倉庫に入ってからのものについては、これは賠償責任がございます。それから今の運送業者でありますね、運送業者の場合もこれは運送を引き受けてやっている以上は、今の商法の何か知りませんが、責任はございますので、これは賠償に応じなければならないということになっております。非常に不明朗な点が日本港湾のどういう点で行われておるか、ちょっとつまびらかでないのでございますが、そういうことがあっては非常に困りますので、ことにそれがこそどろであるとかなんとかいう場合は別でございますが、貨物などになりますとそう簡単にはいかないはずでございますから、運送業者とか倉庫業者というところに十分な責任を持たせなくてはならない、こういう点で厳格な監督をしたいというふうに考えます。
  47. 高良とみ

    高良とみ君 それでは、今のお話で少しは当局として考えておられることはわかりましたが、最近私どもの経験したものから申しますと、それはしっかりした外箱に入れて、くぎづけになって、しっかりした荷物ならともかく、相当な大きな貨物用の客の大型トランク等が、かぎはこわされている、中のものはこわされている。衣類なんか、くつ類なんかみんな取られている。それから倉庫に入れたものの個数が一個、二個、相当な大きなものが足らない。こういうことに対して荷主の方から訴えますと、やあ、これは横浜の慣例でございますから、ごかんべん願いますといっておるのでありまして、私どももどうか日本の港の名誉のために一つ十分御調査願いまして、それは二、三ならず運輸会社及び輸送関係のものが知っておるのでありますから、東京の港に着きまして、これはひどいこわし方をしてきましたと言いながらも、それを別に不思議とは思わないというような状態が現にあるのでございます。どうぞその点について十分御調査願いますとともに、私ども荷主関係一般市民としては、どうぞそういうことについては補償ができるように、あるいはこれは警察も協力なさらなければならないことだと思うのですが、どうぞ御依頼申し上げます。
  48. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) お話の点、非常にあるといお話、はなはだ残念なことでございます。運輸省といたしましては、今の倉庫業者はもちろん、港湾業者監督をしておる立場でございますので、よく実情をさらに調べますと同時に、そういう間違いのないように指導監督をしていきたいというように考えております。
  49. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 本法の第二条とそれからうしろの方の付則を見ますと、森林法とか水産業協同組合法でありますとかいうのがありますが、冷蔵倉庫はこの対象になるのですか。それから第二点は「土地若しくは水面」と書いてありますが、貯木場とか土場ですね、こういうようなものはどうなっておるのですか。この二点について。
  50. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 第一点の冷蔵倉庫の方でございますが、これは営業として冷蔵倉庫を営むものにつきましては、やはり本法の適用を受けるのでございます。  それから水面、貯木場、それから野積み場というものにつきましても、これは倉庫業法の適用を受けるのでありまして、第二条の倉庫というのはこれは「土地若しくは水面であって、物品の保管の用に供するもの」という点で、いずれも含まれております。
  51. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 そうすると、含まれておりますと、やはり許可事業になるのですか。
  52. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 第二点の方の水面だとか土地、貯木場というようなものにつきましては、これは営業許可にしまして一般営業倉庫と同じに扱いますが、冷蔵倉庫につきましては、これは附則の第六条に「政令で定める特殊の保管方法を用いて営む倉庫業については、当分の間、第三条の規定を適用しない。」ということにいたしまして、この「政令で定める特殊の保管方法を用いて営む倉庫業というものを冷蔵倉庫考えておりまして、これによりまして冷蔵倉庫につきましては、従来と同様に、届出制で当分やっていきたいというふうに考えております。
  53. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 そうすると、第一点は冷蔵倉庫も——冷蔵倉庫にはいろいろありまして、くだものなんかも冷蔵倉庫がありますし、野菜、それから魚、あるいは魚の何といいますか、加工物ですね、そういうものも一切入るのですか。
  54. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) お説の通りでありまして、魚も、それからくだものも、野菜も、冷蔵倉庫営業するものについては一切そういうふうにしたいと思います。
  55. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 そのほか附則の第六条で、政令で除外しようとしているものはあるのですかないのですか。
  56. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 現在のところでは、冷蔵倉庫だけを考えております。ほかには考えておりませんです。
  57. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 それは何か特殊な意味があってなさるのですか。
  58. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 冷蔵倉庫の現状は、その大半が製氷業と密接不可分な関係に置かれておりまして、倉庫業として独立するというほどにもなっておらぬのが多く、未分化の段階にあるというふうに考えられます。その事業の規模についても非常に零細なものが多くて、冷蔵倉庫の多くは季節的貯氷庫、氷の倉として、あるいはまた自家用の製品の貯蔵庫として使用されておりまして、貯氷庫として使用されない場合またはスペースに余裕のある場合のみ、冷蔵用倉庫として使用されているというのが現状でございます。現段階におきまして、これを全面的に営業倉庫として許可制の対象とするということにつきましては、零細業者が多い冷蔵倉庫業に対しては少し義務の課し方が重いのじゃないかというふうに考えられます。  それからもう一つの点は、冷蔵倉庫に保管されます物品の荷足が非常に早いものですから、この点から考えて、法規制がある程度ゆるくても社会的な影響が少いのじゃないかというふうに考えるわけであります。まあ、長期の保管が非常に少いという点を加味いたしまして、冷蔵倉庫に対しては特例を設けたような次第でございます。
  59. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 この附則の九条の所に「森林法の改正」と書いて、ごたごたと書いてありますが、これは調べればわかるのですが、簡単にいうと、どういうことなんですか。これはどういう関連ですか。
  60. 大森重義

    説明員(大森重義君) かわって御説明させていただきます。今木島先生から森林法の点について御質問がございましたが、こらん下さればわかりますが、同様の規定は、水産業協同組合関係、あるいは中小企業等協同組合法関係につきましても、同じような趣旨の一部改正の規定が載っておるのでございます。これは現行の今申し上げましたそれぞれの法律におきましては、それらの組合が保管事業を営むような場合に、現行の倉庫業法の関係規定を準用いたしているのでございます。それはたとえば水産業協同組合法について申し上げますならば、それらの組合の経営する倉庫におきまして、倉荷証券を発行しようとする場合は、主務大臣の許可を受けなければいけほいというふうにもなっておりますし、そして商法の寄託関係の規定も準用いたしておりますが、それと同時に、現行の倉庫業法の関係の規定、たとえば八条にあります監督規定、たとえば立ち入り検査とか、報告聴取の義務に関する規定、あるいは九条にございますところの基準に適合しないところの事業計画とか、営業規則、あるいは料金表に対しまして一種の改善命令を出せるような規定、あるいは行政処分に関する規定、たとえば発券の停止とか取り消しに関する規定などを準用いたしております。ところが、今度本法案は新法を制定するとい手続をとっておりますので、今申し上げましたよう血関係法律につきまして、それぞれ該当の条文を新たにそれぞれの法律によって規定し直さなければほらないという必要に迫られておりますので、その限りにおきますととろの形式的な改正でございまして、実質的には現状と大差のないような結果になる、単なる技術的な改正にすぎないのでございます。
  61. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 そうすると、森林組合が事業主体になる場合のあれですね、そういうことですね。
  62. 大森重義

    説明員(大森重義君) 森林組合とか水産業協同組合、中小企業等協同組合の経営にかかる倉庫に関する点のみの規定でございます。
  63. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  64. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 速記を始めて。  道路運送法の一部を改正する法律案を議題といたします。  別に御発言がございませんようでございますから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 御異議ないと認めます。  この際お諮りいたしますが、早川委員から委員長の手元に修正案が提出されておりますので、本修正案を議題といたすことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 御異議意いと認めます。  それでは早川委員より修正案の趣旨説明を願います。
  67. 早川愼一

    ○早川愼一君 道路運送法の一部を改正する法律案に対する修正案について、その提案の理由を御説明申し上げます。  自動車による貨物運送の発達がわが国の産業経済の発展に寄与して参りましたことは、けだし人なるものがあり、将来も貨物自動車に期待されるところが多いのでありますが、それは秩序ある正常な運送体系のもとにおいてのみ健全な発達が期待されるのでありまして、現在のごとく一部自家用貨物自動車使用者が営業類似の行為をなし、輸送秩序を乱しております実情におきましては、とうてい貨物自動車運送の正常な発展は望めず、これはわが国産業経済の将来に対しても悲しむべきことと思うのであります。  従って、この輸送秩序の確立につきましては、つとに政府当局においてもその対策につき腐心されておることは承知しておりますが、何分にも、もぐりの自家用貨物自動車の捕捉が困難なるのみならず、違反をとらえました節も、逃避しやすい、現行制度のもとにおきましては、自家用貨物自動車の不適正使用は残念ながら跡を絶たない始末であります。これに悩まされるのは、ひとり正常な貨物自動車使用者のみならず、産業界も、監督される政府当局も、ひとしく有効な対策の案出に苦慮されておると思うのであります。  今回政府提案の道路運送法の一部を改正する法律案中にも、その思想の一端がうかがわれるのでありますが、この法律案に規定されておりますのは、無償の名のもとに行われる不当行為の取締りでありまして、もぐり自家用貨物自動車の実態を把握して、これの防止に役立つものとは思えません。  よって、ここにもぐり自家用貨物自動車の絶滅を期し、輸送秩序を確立するため、この修正案を提出した次第であります。  修正案の内容を簡単に申し上げます。  自家用貨物自動車に対する届出制を認証制に改め、実情把握を明確にし、自家用貨物自動車使用者の正常な使用を期待いたしますとともに、不適正な使用を防止しようとするものであります。  この認証制を設けましたことは、悪徳、不正なもぐり自家用貨物自動車に対する措置でありますので、正常な自家用貨物自動車がこれによって不測の不利益を受けないように特に配慮いたし、認証の申請に当りましては、形式的要件を整えましたものはすべて認証いたすことは、ただいまの届出制と同様にしてあります。現行と異なりますおもな点は、もぐり行為をいたしましたときでありまして、このときその悪質なものは認証を取り消し、自動車の検査証の返納をなさしめることにいたしてあります。これは違法行為者に対する制裁でありまして、これによって、もぐり行為を企図しておりまする他の悪徳自家用貨物自動車使用者に反省を促し、輸送秩序の確立を期せんとするものであります。  以上修正案提出の趣旨並びにきわめて簡単にその大要を述べましたが、要するに、もぐり自家用貨物自動車に対する措置となすとともに、従来よりも実態の把握を正確にし、正常な自家用貨物自動車の適正な使用を期待するものであります。その正当な行使の自由を不必要に制限しようとするものではありません。  何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことをお願いいたします。
  68. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) ただいまの修正案に対し質疑のおありの方は御発言を願います。
  69. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 ちょっとお尋ねしますが、不法行為ですか、脱法行為をやりまして、今免許証を取り上げるとおっしゃいましたが、一体どれくらいの期間取り上げようというお考えですか。
  70. 早川愼一

    ○早川愼一君 一たん免許証を取り上げます最大限は六カ月であります。六カ月たちますというと、——あるいは使用制限六カ月以内ということになっております。最大限取り消された場合でも、六カ月たちますと認証を申し出る資格ができます。それと同時に、これは形式的要件が備われば認証しなければならぬということになりまして、要するに六カ月のおきゆうがすわるという程度でございます。
  71. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 取り上げたら六カ月のおきゅうがすわるわけなんですが、取り上げておく期間は長い短かいがあるのですか。
  72. 早川愼一

    ○早川愼一君 それはいろいろ実際の実情で、法の企図いたしますところは、かりに一回や二回何か不正な行為がありましても、場合によっては説諭程度で済む場合もあります。それが反復されて行われますというと、一応使用の制限あるいは事業の停止という期間が六カ月以内ということになっております。それから最大限、何か非常に一番重いケースを考えますると、その場合は認証を取り消すということになるわけであります。しかし取り消した場合でも六カ月以上をこえることはないのでありまして、取り消した場合は、六カ月たてば再び認証の資格が得られるということでありまして、その点は六カ月を最大の期限にいたしておる、こう御了承願いたいのであります。
  73. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 それから先ほど不正行為とか不法行為とかおっしゃいましたが、ある会社自分の得意に荷物を配給する、それでその帰り道にちょっとこれを持ってきてくれんかということで、よく頼まれるケースがあるそうですが、そういう場合はどうなんですか。
  74. 早川愼一

    ○早川愼一君 今回の法案では「有償」という文字が削られておりますから、有償とか無償とかいうことは別問題でありますが、ただいまのような事例の場合、反復しでそういうことが行われない限りにおいては、この法の趣旨はそこまでを取り締っておるとい考えはないのでありまして、すべてこれはその実情に応じて、それが反復して継続される場合のことを制裁をしようとい考えにすぎないのであります。
  75. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 取引の関係で、反復とまではいかぬで、相当の回数そういう問題があったときは、やはり問題になるのですか。
  76. 早川愼一

    ○早川愼一君 実際の実例に打ち当らないと適切なことは申し上げられませんが、少くとも私ども修正の立案者の考え方としては、まあ一回や二回、あるいはそれ以上、いわゆるもぐり業という、もぐり業務があるかないかは別問題として、もぐり業と称せられるものを取り締ろうというだけにすぎないのであります。
  77. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 それでは一つ自動車局長にお尋ねしますが、この自家用自動車の共有ということはあり得るのですか。
  78. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) その点におきましては、現行法の百条に「自家用自動車を共同で使用しようとする者は、運輸大臣の許可を受けなければならない。」とありまして、これは認証よりも許可の方が行政行為としては強いので、許可を受けるケースになると思います。
  79. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 そうすると、発案者にお尋ねいたしますが、今自動車局長のお話許可を受ければ共有ができる。そうすると、今のようなケースで、お得意とこっちの会社と特定の自動車を共有にしておいたら、今の問題にかからぬですか、どうですか。
  80. 早川愼一

    ○早川愼一君 私はその場合でも、共有というふうなことでなくても、認証を受けるときに、実際常時利用するよう血貨物の種別を現在の届出制と同じように届け出ておれば、共有の問題をすべて論じなくても、結果において同様の効果を得るのじゃないかと思う。これは行政庁の現在の考え方でありますから、私どもとしてはそれ以上お答えをするわけには参りません。
  81. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 そうすると、自動車局長にお尋ねいたしますが、今の発案者の考え方で、その場合にまあAとBと二つの会社でしょっちゅうそういうことが起ると予想された場合に、そのAの会社がBの会社のそういう帰りの荷物を運ぶということをその認証に書いて届け出たら、この問題はひっかかりはしませんか。
  82. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) 自家用自動車の共同使用といいますのは、特別の許可が要るのでございます。そういう場合には、まず自動車の認証を受けますとともに、その共同使用の許可を同一行政行為でやることになると思います。認証は、この修正されるように、内容が明らかになっておりまして、現行法の、その場合には運輸大臣が共同使用を許可するかどうかという場合でございますが、その場合には自動車運送事業の経営に類似しておると認められる場合を除くほかは許可しなければならないとありまして、これをA、B、ただいまの御質問のように、二人の方が共同で自分荷物を運ぶという目的だけでございまして、第三者、不特定多数の人の荷物を運ぶことを目的としないものは、そのことによりまして認証の許可を受け得ると考えます。
  83. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 もうちょっと具体的に言いまして、今度は別のケースで、Aの会社だけでは自家用を持つにはちょっと不十分である。Bの会社と二人で持てば、ちょうど一輌がフルに使えるというような場合に、今の共同使用ですが、その問題にはなり得るのですか、どうですか。
  84. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) 共同使用で持てることになると思います。
  85. 内村清次

    ○内村清次君 ちょっと自動車局長にお尋ねをいたしますが、この認証手続ですね、九十九条の、これはもちろん運輸大臣ということになっておりますが、手続としてはどこにこれは出しますか。
  86. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) その点につきましては、できるだけ手続を簡易にやることが必要であると思いますので、陸運事務所長にその権限を委任をいたしたいと思います。——いや、都道府県知事でございます。都道府県知事に権限を委任したいと思います。
  87. 内村清次

    ○内村清次君 大体どれくらいの日数がかかるのですか、免許が来るまでに、認証が来るまでには。
  88. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) この条文を拝見いたしますと、非常に形式的な条件がついておりますし、第九十九条の二によりますと「認証の取消を受けた日から六箇月を経過していないときの外は、前条第一項の認証をしなければならない。」とありまして、そのことは非常に形式的にわたりますので、大体事務の手続といたしましては「六箇月を経過していないときの外は」、と書いてありますので、届出と大体同様に取り扱い得ると考えられますので、時間は簡単にできると思います。
  89. 内村清次

    ○内村清次君 そうすると、これには何か手数料が要るのですか。
  90. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) 手数料の規定がついておりませんので、これには手数料が要らないことになると思います。
  91. 内村清次

    ○内村清次君 そうすると、この不正使用といいますか、もぐり使用をやっている摘発は、これはたれがやりますか。
  92. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) 百二十二条によりまして、この道路運送法一般的な監督規定が適用になるわけでございますので、もちろん運輸大臣ができるわけでありますが、下級官庁に委任することができることになっております。
  93. 内村清次

    ○内村清次君 そうすると、やはり何ですね、たとえば地方で申しますと陸運事務所ですか、その職員の人たちがやるのですか。警察関係はこれにはタッチしませんか。
  94. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) これは道路運送法に基いてやります職権でございますので、都道府県知事がやることになると思います。
  95. 内村清次

    ○内村清次君 警察の……。
  96. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) その職員がやることになります。下級の職員がやることになります。都道府県知事管下と申しますと、陸運事務所長、陸運事務所における職員がこの監督をすることになります。
  97. 内村清次

    ○内村清次君 じゃ、警察関係ではありませんね。
  98. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) さようでございます。
  99. 内村清次

    ○内村清次君 すると、これは発議者にちょっとお尋ねしますが、この附則の4ですがね、「この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用及び処分については、この法律施行後も、なお従前の例による。」と申しますると、これを具体的に……。法律の施行前にした行為ということは、今の法律ですね。そしてこの修正法律が通ったし、その前にした行為ということも該当するのですか。
  100. 早川愼一

    ○早川愼一君 これは普通法令の経過規定としてあげられているように、この法律の解釈でありまして、その意味でこれは現行法にもありますが、特に今度新しく認証というものが入りましたために、これは引相したわけでございまして、別に他意があるわけではありません。
  101. 内村清次

    ○内村清次君 山内自動車局長はどうお考えですか。今までの法律もあるのですが、どういう形になりますか、具体的なことは。
  102. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) 従来このケースにつきましては届出をしなければならないことになっておりまして、届出をしほい者につきましては、百三十八条に、三万円以下の過料に処するという罰則の適用があります。それでこの法律の施行前にやりました行為につきましては、この法律が施行後にそういう事実がわかりまして、行政庁において処分しなければならないということになりましても、前のこの罰則の適用があるということになります。ところが、今度は届出が認証になりまして、その点におきまして罰則の法規がございます。刑罰法規は遡及しないということになっておりますので、この附則の必要があると思います。
  103. 内村清次

    ○内村清次君 そうすると、これは遡及しないという意味を書いたわけですね。私はこの文を読んでみますと、法律施行前のたとえばそういう行為を、当然施行後においてもそれを発見をしたような場合、そのときにおいては、こういう罰則を先例によって、従前の例によってやはりやるのだ、こういうふうに解釈したわけですけれども、そうでなくして、もう施行前のものは、施行後の罰則の過料なら過料という問題で済ませるのだ、こういうことになりますか。
  104. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) ただいま御説明申し上げましたように、この法律の施行前にいたしました違反行為におきましては、施行後に行政庁が処罰いたしますときにも、施行前の法律によりまして過料でやるという趣旨でございます。
  105. 内村清次

    ○内村清次君 ああ、そうですか。わかりました。
  106. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) ちょっとお尋ねしておきますが、この認証をしなければならないわけですが、非常に時間を、許可する場合においても時間を余計かけて、公衆に迷惑をかけるような心配はないかですね。と申しますのは、認証というような言葉を使った法律はあまり多くないと思うのですが、宗教法人法がやはり認証になっているのですが、最近いろいろな新興宗教なんかいかがわしい問題があるという、その認証のところでもう少し、果してその申請の事項が間違いないかどうか、念を入れろというようなことになって、だいぶ認証がおくれている事例があるのですが、そういうような許可の場合よりも認証になったために非常に公衆が迷惑をするようなことはないかどうか。
  107. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) 宗教法人の場合の認証とこの場合の認証と、私どもは少し性質が違うのではないかと解釈いたしております。認証行為は、今御指摘のありましたように、戦後に始まりました行政行為でございまして、非常に強い認証制度におきましては免許に近い意味を持つ認証もありますし、あるいは確認行為という意味の認証もあります。あるいは届出に近い認証というものもありまして、私どもといたしまして、ただいまこの法律を拝見いたしましては、この認証は届出に近い認証行為であって、ただいまの宗教法人のように内容の審査をしないで、形式的な審査を受けて、あとであやまちがあればそのときに処分をするというぶうに理解をいたしておりますので、ただいま御指摘のように、その意味では時間がかかるとは考えられないのでございますが、ただ一応届出を受け取って、全然行政庁に受け取りっ放しであるというものでもありませんので、その点では幾分人手が要るという程度のものではないかと思います。
  108. 早川愼一

    ○早川愼一君 主として認証制の実施上の点について自動車局長からお話ありましたが、立案者といたしましては、自動車局長が御解釈になっておる通りでありまして、まあ一種の確認行為的な届出制に近い認証制と考えております。  なお、御参考のために申し上げますが、現在道路運送車両法とい法律がございますが、この七十八条にやはりこの認証という制度があるのであります。まあこれは、ややわれわれが考えているよりもっと強い認証になっておる。まあわれわれの考えている認証ということは、こういう問題からもすでに道路運送法に繰り入れられてあります。その意味で、ごく軽い行政行為というぶうに解釈いたしております。
  109. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) ただいまの御説明で了解いたしましたが、一般届出なら簡単だが、認証になると相当手数がかかるのじゃないだろうかというような心配もあるようでありますから、その点は自家用車を持とうという人に対してよく徹底するような、行政官庁から指導をされる必要があると思います。また届出の場合よりも非常に時間がかかるというようなことのないように、ただいま相当の人手をふやさなければならぬというようなお話もあったんですが、現在の届出とあまり違わないように、公衆に不便をかけないようにこの認証をやるためには、どれくらいの人手をふやさなければならぬとお考えになっているか、局長に伺いたい。
  110. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) 本年度の予算におきましては要求しておりませんし、きょう初めてお伺いいたしましたもので、何人というふうな具体的な数字はちょっと御説明できないと思います。しかしそう多くの人は要らないのではないか。ただいま委員長お話のありましたように、われわれといたしましてはできるだけ届出に近い方法でやりたいと考えておりますので、そう多くの人手は要らないとは考えておりますが、来年度の予算実施をいたしました後に実情を十分注意いたしまして、もしも人手不足で御迷惑をかけるというような場合には、予算の要求をいたしたいと思いますし、本年度また実施いたしますときには、ただいまのお話、御提案の趣旨も十分一般に周知いたしますとともに、下部の機関にも周知させまして、御迷惑のかからないように御提案の趣旨を生かしたいと、かように考えております。
  111. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 届出に近いということなんですが、ともするというと、平林委員が見えませんが、こういう法律を役人が持つと、認証という言葉にこだわって、わざわざ手間をかける。立法者の趣旨は、また自動車局長の御説明でも、ほとんど届出と変らないのだということなんですが、実際これが法律が、内村委員から御質疑になったような現場の人に渡りますというと、つい感情的な、めんどうくさくなってしまうというような必配があると思うのでありまして、その点についてはただいまの立案者の趣旨をよく現場に徹底をするように、十分一つ政府で責任を持ってほしいと思います。  他に御発言はございませんか。——御発言もなければ、修正案に対する質疑は尽きたものと認め、これより原案並びに修正案について討論に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  112. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 御異議ないと認め、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにして、お述べを願います。
  113. 大倉精一

    ○大倉精一君 私は日本社会党を代表しまして、ただいま提案されました修正案及び修正部分を除く原案に対し、賛成の意見を申し述べます。  本来、自家用貨物自動車の違法行為のばっこするという現象は、現下における中小企業の窮状をそのまま物語るものである。これは政府の中小企業振興に対する熱意の欠如と政策の貧困の結果によるものと言わなければならない。しかしながら、この中小企業の振興、ひいては日本経済の発展のためには、正常なる秩序のもとに、公正なる競争による道路運送の健全はる運営は必須の要件であるのは、言うまでもありません。  近来自家用貨物自動車の一部に違法行為がはんらんし、ために輸送秩序は紊乱し、不当なる競争を惹起し、中小事業者及び従業員の生活を破壊し、ひいてはその公益性のため、輸送の安全性のため、憂うべき実情にあることは、遺憾にたえない次第であります。私は、原案並びに修正案により、真に悪質なる自家用貨物自動車の違法行為をなくし、すみやかに正常なる輸送秩序を回復し、ひいては中小企業の振興、日本経済の発展に貢献することを期待するものであります。  ただ、この際、本案の運用に際しては、あくまでも事前防止のための行政指導を重視し、罰則の適用は真に悪質と認められるもののみを対象とし、いやしくも繁雑に流れ、あるいはいたずらに業者の保護のみを重視するがごとき印象を与えることのないよう、厳に戒むべきである。  なお、本来かかる修正案を必要としない状態こそ望ましいことであるから、政府は今後すみやかに道路輸送の全般にわたり総合的に輸送秩序確立のための抜本的方途を策定し、あわせて中小企業振興策に関しては格段の熱意をもって効果的措置に万全を期すべきであります。  以上要望を付して、修正案及び修正部分を除く原案に賛成するものであります。
  114. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 他に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  115. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより道路運送法の一部を改正する法律案について採決に入ります。  まず、早川君提出の修正案を問題に供します。早川君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  116. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 全会一致でございます。よって早川君提出の修正案は可決されました。  次にただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  117. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって修正すべきものと議決せられました。  なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他事後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  118. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 御異議ないと認めます。よってさように決定いたしましだ。  それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とせられた方は順次御署名を願います。   多数意見者署名     岡田 信次  木島 虎藏     早川 愼一  川村 松助     仁田 竹一  三木與吉郎     三浦 義男  内村 清次     大倉 精一  高良 とみ
  119. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 本日は、これをもって散会いたします。    午後三時四十一分散会